| 【発明の名称】 |
多回転体の回転検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐野 正
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| 【要約】 |
【課題】1回転以上の有限回転数内で回転する多回転体の回転数を検出するエンコーダとして、誤組付けを簡単にチェックすることができ、構造がシンプルで動作が確実な回転検出装置を提供すること。
【解決手段】互いに一体化されるハウジング1とカバー3とでステータ部材を構成し、ハウジング1の外周壁に検出窓1bを形成する。ハウジング1とカバー3にロータ部材2を回転自在に支承し、ロータ部材2の回転中心と同心状に配置した回転リング10をステータ部材の内部に収納する。ロータ部材2の回転を中継歯車14を介して回転リング10に間欠的に伝達し、回転リング10の回転に応じてオン/オフするフォトインターラプタ13a〜13dの出力変化により、ロータ部材2の絶対位置を検出する。また、回転リング10の一部にインジケータ12を設け、回転リング10が中立位置にある時にのみ、検出窓1bからインジケータ12を目視できるようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロータリエンコーダのコード板と一体的に回転するロータ部材と、前記ロータ部材の回転中心と同心状に配置された回動部材と、前記ロータ部材の回転を前記回動部材に間欠的に伝達する中継歯車と、前記回動部材の回転量を検出する検出素子と、これら回動部材と中継歯車および検出素子を内包するステータ部材とを備え、前記ステータ部材に前記回動部材の回転中立位置を示すインジケータを目視可能な検出窓を設けたことを特徴とする多回転体の回転検出装置。 【請求項2】 請求項1の記載において、前記中継歯車を前記ステータ部材に軸支すると共に、前記インジケータを前記回動部材に設けたことを特徴とする多回転体の回転検出装置。 【請求項3】 請求項1の記載において、前記中継歯車を前記回動部材に軸支すると共に、前記インジケータを前記中継歯車と前記回動部材の少なくとも一方に設けたことを特徴とする多回転体の回転検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のステアリングホイールのように1回転以上の有限回転数内で回転する多回転体の回転検出装置に係り、特に、該多回転体の絶対位置を検出するのに好適な回転検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、実公平5−26487号公報に記載されているように、ステアリングホイールの1回転以内の精密な回転角をインクリメント形エンコーダで検出すると共に、ステアリングホイールの1回転以上の粗い回転角をアブソリュート形エンコーダで検出し、これら精密な回転角と粗い回転角を組み合わせることにより、ステアリングホイールのニュートラル位置からの回転角度を判定するようにした回転検出装置が提案されている。 【0003】前記インクリメント形エンコーダは、ステアリングシャフトと一体的に回転するコード板と、このコード板を介して対向設置されたフォトインタラプタ等で構成されており、コード板の1回転以内の回転角しか検出できないが、コード板がステアリングシャフトと一体回転するため検出精密は高いものとなっている。一方、前記アブソリュート形エンコーダは、抵抗パターンが形成された基板と、抵抗パターンに摺接するブラシを有する減速回転体と、ステアリングホイールの回転を減速回転体に伝達するギヤ機構等で構成されており、多回転するステアリングホイールの回転がギヤ機構を介して減速回転体の1回転以内の回転に減速されるため、ステアリングホイールの絶対位置を検出することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような回転検出装置を自動車のステアリング装置に取り付ける場合、アブソリュート形エンコーダの減速回転体は回転方向に中立状態で取り付けなければならず、万が一、減速回転体の中立点がズレた状態で誤組付けされると、ステアリングホイールの絶対位置を正確に検出することができなくなる。このため、前述した従来例では、アブソリュート形エンコーダをステアリング装置に取り付けた後、抵抗パターンとブラシの摺接位置に応じて変化する抵抗値を電気的に測定し、この抵抗値変化から減速回転体の回転状態をチェックする必要があり、このことが回転検出装置の取り付け作業性を低下させる要因の1つとなっていた。 【0005】また、前述した従来例では、アブソリュート形エンコーダとして、ロータ部材に設けられた太陽歯車と、ステータ部材に設けられた環状内歯車と、これら太陽歯車と環状内歯車間に噛合された遊星歯車とで構成されるギヤ機構を使用しているため、回転検出装置全体に占めるギヤ機構の配置スペースが広くなり、小型化が妨げられるという問題もあった。さらに、遊星歯車が太陽歯車と環状内歯車の双方に常時噛合しているため、遊星歯車を支承する減速回転体はステアリングホイールの僅かな回転によっても回転してしまい、特に、ステアリングホイールはニュートラル位置付近における回転(動作)頻度が極めて高いため、抵抗パターンが局部的に摩耗するという問題があった。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、ロータ部材の回転を中継歯車を介して回動部材に間欠的に伝達し、この回動部材の回転量をフォトインターラプタ等の検出素子で検出すると共に、これら回動部材や検出素子を内包するステータ部材に回動部材のインジケータを目視可能な検出窓を設けることとする。このように構成すると、外部からインジケータを目視することにより、回動部材の回転中立位置を視覚的にチェックすることができ、回転検出装置の取り付け作業性が向上する。また、中継歯車はロータ部材の回転を回動部材に間欠的に伝達するものであるため、連続的動作による機構部品の局部的摩耗量が大幅に軽減されると共に、各機構部品のレイアウトにゆとりが持て、小型化を図ることが可能となる。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明による多回転体の回転検出装置では、ロータリエンコーダのコード板と一体的に回転するロータ部材と、前記ロータ部材の回転中心と同心状に配置された回動部材と、前記ロータ部材の回転を前記回動部材に間欠的に伝達する中継歯車と、前記回動部材の回転量を検出する検出素子と、これら回動部材と中継歯車および検出素子を内包するステータ部材とを備え、前記ステータ部材に前記回動部材の回転中立位置を示すインジケータを目視可能な検出窓を設けた。 【0008】前記中継歯車はステータ部材と回動部材のいずれにも軸支することが可能であるが、中継歯車をステータ部材に軸支した場合は、インジケータを回動部材に設ける必要があり、中継歯車を回動部材に軸支した場合は、インジケータを中継歯車と回動部材の少なくとも一方に設ければ良い。 【0009】 【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、図1は実施例に係る回転検出装置の底面図、図2は該回転検出装置の側面図、図3は該回転検出装置の断面図、図4は該回転検出装置からカバーを取り除いた状態を示す底面図、図5は該回転検出装置からカバーとコード板を取り除いた状態を示す底面図、図6は該回転検出装置に備えられるギヤ機構の要部を示す斜視図、図7は該ギヤ機構の動作説明図である。 【0010】本実施例に係る回転検出装置は、天面にガイド孔1aを有するハウジング1と、ガイド孔3aを有しハウジング1の下部開口を覆うカバー3と、これらガイド孔1a,3aを中心に回転自在なロータ部材2とを具備しており、ハウジング1とカバー3の内部に後述するインクリメント形エンコーダと回転数確認用のアブソリュート形エンコーダが収納されている。ハウジング1の外周壁に検出窓1bが形成されており、カバー3はスナップ結合等の手段を用いてハウジング1に一体化されている。これらハウジング1とカバー3はステータ部材を構成するものであり、回転検出装置を自動車のステアリング装置に組み込んだ際に、例えばコンビスイッチのケーシングや回転コネクタの固定体等にネジ止めされる。 【0011】図3に示すように、ロータ部材2は第1のロータ4と第2のロータ5とで構成されており、これら両ロータ4,5はコード板6を介して複数本のネジ7で一体化されている。両ロータ4,5とコード板6にはセンタ孔8が開設されており、回転検出装置を自動車のステアリング装置に組み込んだ際に、図示せぬステアリングシャフトがセンタ孔8に挿通され、このステアリングシャフトと両ロータ4,5およびコード板6は一対一で回転するようになっている。図4に示すように、コード板6にはその周方向に沿って複数の透孔6aが形成されており、これら透孔6aを跨ぐように配置された3個のフォトインターラプタ9からA,B相のパターンが検出される。これらコード板6と各フォトインターラプタ9とでインクリメント形エンコーダが構成され、このエンコーダはコード板6の1回転以内の回転角を高精度で検出する。 【0012】次に、アブソリュート形エンコーダについて説明すると、図5に示すように、ハウジング1の内部には回動部材としての回転リング10が配置されており、この回転リング10はガイド孔1aと中心を同じくする軌跡上を回転可能である。回転リング10には約90度の範囲にわたって従動ギヤ11が刻設されており、従動ギヤ11の外周面に回動リング10の回転中立位置を示すインジケータ12が設けられている。このインジケータ12は回動リング10の1回転中にハウジング1の検出窓1bから目視できればどのようなものでも良く、例えば、従動ギヤ11の外周面にマーキング印刷したり、回転リング10に一体成形することが可能である。また、回転リング10にはセンタ孔8を介して従動ギヤ11に対向する遮光板10aが設けられており、図示せぬプリント基板に実装された4個のフォトインターラプタ13a〜13dが遮光板10aを跨ぐように配置されている。従動ギヤ11には中継歯車14が噛合されており、この中継歯車14はハウジング1の天面に垂設されたボス1cに回転自在に支承され、ネジ15によって抜け止めされている。図3と図5に示すように、中継歯車14には、90度毎に4つの歯を有する第1の歯部14aと、同じく90度毎に4つの歯を有する第2の歯部14bとが、相互に45度の位相差をもたせた状態で設けてあり、これら第1および第2の歯部14a,14bは軸線方向に位置ずれしている。 【0013】図6は上下を逆にして示してあるが、第1のロータ4の外周面には段差を介して小径部4aと大径部4bが形成されており、この段差を境にして、中継歯車14の第1の歯部14aは小径部4aと対向し、第2の歯部14bは大径部4bと対向している。大径部4bの1ヵ所に逃げ溝16が形成されており、この逃げ溝16の両側に一対の係合突部17a,17bが形成されている。 【0014】図7(a)に示すように、第1のロータ4が矢印A方向(反時計方向)に回転すると、小径部4aに対向している第1の歯部14aの1つが一方の係合突部17bに当接するため、図7(b)に示すように、中継歯車14が矢印B方向に約45度回転し、第2の歯部14bの1つが逃げ溝16内に入り込む。図7(b)の状態からさらに第1のロータ4が矢印A方向に回転すると、逃げ溝16内に入り込んだ第2の歯部14bの1つが他の係合突部17aによって押圧されるため、中継歯車14は矢印B方向にさらに約45度回転し、図7(c)に示すように、第1の歯部14aの次の1つが再び小径部4aに対向する。すなわち、図7(a)の状態から図7(c)の状態になるまで、中継歯車14は矢印B方向に約90度回転するため、従動ギヤ11は2歯分だけ矢印C方向に送られ、回転リング10が矢印C方向に所定量回転する。そして、係合突部17aが中継歯車14を通過すると、第1のロータ4のその後の回転中、第2の歯部14bの2つが大径部4bと対向しているため、中継歯車14の空転は防止される。このように第1のロータ4の1回転中に、係合突部17a,17bによって中継歯車14が約90度回転し、回転リング10が従動ギヤ11の2歯分だけ回転するため、遮光板10aも同じ方向に2歯分回転し、隣のフォトインターラプタの遮光する位置に移動する。つまり、オン動作するフォトインターラプタ13a〜13dの出力が変化するため、それにより第1のロータ4の絶対位置(回転数)を検出することができる。 【0015】上記の如く構成された回転検出装置を自動車のステアリング装置に取り付ける場合、アブソリュート形エンコーダの構成部品である回転リング10は回転方向の中立位置になければならないが、図2に示すように、検出窓1bを透してハウジング1の外部からインジケータ12が目視された時に、回転リング10が回転中立位置にあると判断することができる。これとは逆に、検出窓1bからインジケータ12を目視できない時は、回転リング10が中立位置からズレている場合であり、その際はロータ部材2を回転させて回転リング10を中立位置に位置合わせする必要がある。このように、回転リング10の中立位置をハウジング1の外部から視覚的にチェックできるため、回転検出装置をステアリング装置に取り付ける際の作業性を高めることができる。特に、本実施例においては、ハウジング1の外周壁に検出窓1bが形成されているため、回転検出装置を図示せぬコンビスイッチと回転コネクタやステアリングホイール間に取り付けた後でも、外部側方からインジケータ12の有無をチェックすることができる。 【0016】このように回転検出装置をステアリング装置に取り付けた状態において、回転検出装置のロータ部材2は図示せぬステアリングシャフトと一対一で回転する。以下、回転検出装置の動作を説明すると、例えば図5に示すように、フォトインターラプタ13cが遮光板10aによって遮られている場合、このフォトインターラプタ13cのみがオンで、他のフォトインターラプタ13a,13b,13dがオフとなるため、ステアリングホイールがセンタ基準に対して0〜360度の範囲にあることが検出される。一方、この0〜360度の範囲内でのステアリングホイールの回転角は、インクリメント形エンコーダの各フォトインターラプタ9によって高精度に検出される。図5の状態からロータ部材2(第1のロータ4)が反時計方向に回転し、遮光板10aが先のフォトインターラプタ13cとその隣のフォトインターラプタ13dの両方を遮ると、これらフォトインターラプタ13c,13dがオンとなり、ステアリングホイールが360度の位置にあることが検出される。さらにロータ部材2が反時計方向に回転し、フォトインターラプタ13dのみがオンとなると、ステアリングホイールが360〜720度の範囲にあることが検出され、この範囲内でのステアリングホイールの回転角はインクリメント形エンコーダによって高精度に検出される。同様にして、各フォトインターラプタ13a〜13dのオン/オフの組み合わせによって、ステアリングホイールが−720度〜+720度の範囲にあることが検出される。 【0017】上記実施例では、ハウジング1の外周壁に検出窓1bを形成した場合について説明したが、検出窓1bの配置場所はハウジング1の外周壁に限定されず、図8に示す実施例のように、カバー3に検出窓3bを形成し、この検出窓3bを透して内部のインジケータ12を目視することも可能であり、要は、ステータ部材を構成する部材であれば適宜位置に検出窓を配置することができる。なお、防塵性を高めるために、検出窓1b,3bに無色または有色透明なカバーを被着するようにしても良い。 【0018】また、上記実施例では、従動ギヤ11を回転リング10に設け、従動ギヤ11に噛合する中継歯車14をハウジング1に支承した場合について説明したが、図9に示す実施例のように、従動ギヤ11を固定側のハウジング1に回転しないように設けると共に、中継歯車14を回転リング10に支承させても良い。この場合、インジケータ12は回動リング10に支承された中継歯車14に設けてあり、図示省略したカバーにインジケータ12を目視可能な検出窓が形成されている。ただし、インジケータ12の位置は中継歯車14に限らず、回動リング10に設けても良い。 【0019】図9に示す実施例においては、第1のロータ4の1回転中に係合突部17a,17bによって中継歯車14が回転する際、中継歯車14は約90度自転しながら第1のロータ4の周囲を公転するため、中継歯車14を支承する回転リング10は従動ギヤ11の2歯分だけ回転する。したがって、回転リング10に設けた遮光板10aも2歯分回転し、隣のフォトインターラプタの遮光する位置に移動する。すなわち、オン動作するフォトインターラプタ13a〜13dが変化するため、それにより第1のロータ4の絶対位置(回転数)が検出される。 【0020】 【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。 【0021】ロータリエンコーダのコード板と一体的に回転するロータ部材と、ロータ部材の回転中心と同心状に配置された回動部材と、ロータ部材の回転を回動部材に間欠的に伝達する中継歯車と、回動部材の回転量を検出する検出素子と、これら回動部材と中継歯車および検出素子を内包するステータ部材とを備え、ステータ部材に回動部材の回転中立位置を示すインジケータを目視可能な検出窓を設けたため、ステータ部材の外部から検出窓を透してインジケータを目視することにより、回動部材の回転中立位置を視覚的にチェックすることができ、回転検出装置の取り付け作業性を高めることができる。また、中継歯車はロータ部材の回転を回動部材に間欠的に伝達するものであるため、連続的動作による機構部品の局部的摩耗量が大幅に軽減されると共に、各機構部品のレイアウトにゆとりが持て、小型化を図ることが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000010098 【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年6月30日(1998.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078134 【弁理士】 【氏名又は名称】武 顕次郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−18909(P2000−18909A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【出願番号】 |
特願平10−184257 |
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