| 【発明の名称】 |
三次元表面粗さ形状測定機 |
| 【発明者】 |
【氏名】瀬高 雅文
【氏名】冨田 登美夫
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| 【要約】 |
【課題】検出器のZ方向送りの追従性がよく、また、室温変化があっても検出器のZ方向位置が変化しにくい検出器上下移動装置を備えた三次元表面粗さ形状測定機を提供する。
【解決手段】表面粗さの検出器17を支持するZスライダ15を、XY方向にはガタツキがなく、Z方向には滑らかに移動できて常にZ下方向に移動力が発生するように構成する。また、ベース11の嵩上げ部11aにXY平面回転自在に送りナット23を設け、送りナット23に送りネジ24を螺合して、送りナット23を回転すると送りネジ24がZ方向に移動するように構成する。そして、Zスライダ15の下面を送りネジ24で支持し、送りネジ24でZスライダ15を駆動するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ベースに立設されたコラムに上下方向移動自在であるとともに、常に下方向に移動力が発生するように設けられたZスライダと、前記ベースに水平面回転自在に設けられたナットと、そのナットに螺合し、回転を規制されて上下方向移動自在に構成されるとともに、上端が前記Zスライダの下面に当接するように設けられた送りネジと、前記Zスライダに取り付けられ、ワークの表面粗さを検出する検出器と、前記ベースに設置され、ワークを載置するとともに、互いに直交する水平2方向にワークを移動させるXYテーブルと、から構成されたことを特徴とする三次元表面粗さ形状測定機。 【請求項2】ベースに立設されたコラムに上下方向移動自在であるとともに、常に下方向に移動力が発生するように設けられたZスライダと、前記ベースに水平面回転自在に設けられたナットと、そのナットに螺合し、回転を規制されて上下方向移動自在に構成されるとともに、上端が前記Zスライダの下面に当接するように設けられた送りネジと、前記Zスライダに取り付けられ、水平一方向の駆動機構を有する検出器送り装置と、その検出器送り装置の被駆動側に取り付けられ、ワークの表面粗さを検出する検出器と、前記ベースに設置され、ワークを載置するとともに、前記検出器送り装置の被駆動側の移動方向に直交する水平方向にワークを移動させるYテーブルと、から構成されたことを特徴とする三次元表面粗さ形状測定機。 【請求項3】断面が四角形のZガイドを前記コラムに固着し、前記Zスライダを前記Zガイドを囲うように略コの字形状とし、前記Zスライダの内側の3面に低摩擦係数の摺動板を固着し、略コの字形状の開放側にローラを取り付けて、前記ガイドの4面を挟むように構成したことを特徴とする請求項1に又は請求項2に記載の三次元表面粗さ形状測定機。 【請求項4】前記送りネジを低熱膨張係数の材料としたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1に記載の三次元表面粗さ形状測定機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ワークの表面粗さ、断面形状、うねり等(本発明ではまとめて「表面粗さ形状」という。)を求める表面粗さ形状測定機に係わり、特にワークの該当する面全体の表面粗さ形状を測定する三次元表面粗さ形状測定機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般的な三次元表面粗さ形状測定機の説明図を図8、図9、図10に示す。図10は全体正面図、図8は図10の右側面図に相当し検出器上下移動装置を中心に図示したもの、図9は図8のC−C断面図である。図8、図9、図10において、ベース71に立設されたコラム72にZ方向(上下方向)移動自在にスライダ76が設けられ、スライダ76には検出器送り装置61が取り付けられている。検出器送り装置61からは検出器ホルダ62が出ており、検出器ホルダ62は測定方向(X方向)移動自在になっている。検出器ホルダ62には触針63aを有し触針63aのZ方向の変位量を検出する検出器63が取り付けられている。また、ベース71の上には、Yガイド64とYテーブル65等から構成されたワーク送り装置が載置され、Yテーブル65は検出器ホルダ62の移動方向とほぼ直角方向(Y方向)に移動自在になっている。Yテーブル65の上にはワークテーブル66が取り付けられている。ワークテーブル66は、ワークWを取り付けるとともに、ワークWの測定面が検出器61及びYテーブル65の移動平面とほぼ平行になるように調整する機構が備えられている(詳細は図示省略)。 【0003】このように構成された三次元表面粗さ形状測定機でワークWの三次元表面粗さ形状を測定する場合、ワークWはワークテーブル34の上にセットした後、触針63aがワークWに当接した状態で検出器63をX方向に移動させ、検出器63のX方向移動量と触針63aのZ方向変位量とからワークWの表面粗さ形状を検出する。1ラインの測定が終わるとYテーブル65によってワークWを任意のピッチだけY方向に送り、その後、次のラインの測定を行う。これを繰り返すことによってワークWの多数のラインの表面粗さ形状が測定され、ワークWの三次元表面粗さ形状が求められる。 【0004】ところで、検出器上下移動装置は図8及び図9に示すように、次のようになっている。図8及び図9に示したものは、当出願人から特開平8−66846として開示された「自動位置決め制御方法及びその装置」の中で、従来の例として説明されている「上下送り装置」と同じである(ただし、部品の番号とワークの載置状態が異なっている)ので詳細の説明は省略するが、次のような問題がある。すなわち、スライダ76がスライドガイド72aと72bとを前後に挟むことによって、スライダ76がスライドガイド72aと72bとの間に摩擦力F1、F2が発生するので、例えば、検出器送り装置61をZ上方に送っている場合、摩擦力F1、F2が、送りナット75・送りネジ74・コラム上板73やZスライダ76の上部継手部76a等の駆動機構部品に作用して、駆動機構部品が下方にδ量変位する。次に停止すると、摩擦力F1、F2は解消されるため、駆動機構部品は摩擦力F1、F2によって変位した量δが徐々にZ上方に復元し、その結果、検出器送り装置61がZ方向に変動する。Z下方に送る場合も同様である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】検出器送り装置61のZ方向位置は触針63aの変位量測定の基準であり、測定中にZ方向位置が変動すると正確な値を求めることができない。このため、検出器送り装置61をZ方向に素速く移動できないとともに、移動させた後は安定するまで測定できないという問題がある。また、送りネジ74はコラム72によって支持されており、室温変化によってコラム72が伸縮すると、送りネジ74もその影響を受ける。この機構では、送りネジ74のZ方向基準はコラム72の上側(コラム上板73)であり、ベース71から離れているため、特に、その影響が大きい。三次元表面粗さ形状の測定では時間がかかるので、測定中に室温が変化する可能性が高い。 【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、検出器のZ方向送りの追従性がよく、また、室温変化があっても検出器のZ方向位置が変化しにくい検出器上下移動装置を備えた三次元表面粗さ形状測定機を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するために、三次元表面粗さ形状測定機の検出器上下移動装置を次のように構成した。 (イ)送りナットを水平面回転自在にベースに設け、送りネジを送りナットに螺合させるとともに回転しないようにして、送りナットを回転させると送りネジがZ方向に移動するように構成する。 (ロ)ベースに立設されたコラムに、検出器を支持するZスライダをZ方向移動自在で、常にZ下方向に移動力が発生するように設ける。 (ハ)Zスライダの下面に送りネジの上端が当接するように構成する。 【0008】また、三次元粗さ形状測定機の構成としては、ワークと検出器との水平方向の相対移動によって、次のいずれかにすることができる。 (イ)上記の検出器上下移動装置のZスライダにはワークの表面粗さを検出する検出器のみを取り付け、ワークをXYテーブルでXY2方向に移動させる。 (ロ)従来の技術と同じく、Zスライダには検出器送り装置を取り付け、検出器送り装置で検出器をX方向に移動させ、ワークをYテーブルでY方向に移動させる。 【0009】また、Zスライダの案内機構は、種々の方法があるが、例えば、次のようにすることができる。 (イ)Zガイドを四角形断面とし、コラムに固着する。Zスライダは、形状をZガイドを囲うように略コの字形状とし、その内側(Zガイド側)3面に低摩擦係数の摺動板を固着するとともに、後面にローラを取り付けて、Zガイドの4面を挟むように構成する。 (ロ)(イ)と反対に、Zスライダを四角形断面とする。Zガイドは、形状を略コの字形状として開放面を前にしてコラムに固着し、その内側3面に低摩擦係数の摺動板を固着するとともに前面にローラを取り付けて、Zスライダの4面を挟むように構成する。 (ハ)(イ)又は(ロ)の構成で、4面を全て摺動板とする。 (ニ)(イ)又は(ロ)の構成で、4面を全てローラとする。 (ホ)リニアガイドを用いる。 いずれの場合も、水平方向にはガタツキがなく下方向に常に移動力が発生するように調整する。場合によっては、下方向にバネ等による荷重をかけてもよい。 【0010】 【発明の実施の形態】実施の形態1本発明に係る三次元表面粗さ形状測定機の実施の形態1を、図1から図4までに示す。図1は本発明の主要部(検出器上下移動装置等)の詳細、図2は図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図、図4は全体正面図である。図1に示すように、ベース11の上面後側には嵩上げ部11aが形成され、嵩上げ部11aにハウジング21が取り付けられて、ハウジング21にはベアリング22が内臓されている。ベアリング22の内輪には送りナット23が固着され、ベアリング22はアンギュラベアリングでラジアル方向とスラスト方向の荷重を受けることができることから、送りナット23は、Z軸回り回転自在で、かつ、Z方向には移動しないように支持されている。送りナット23には送りネジ24が螺合され、送りネジ24にはピン24aが貫通して固着されているとともに、嵩上げ部11aに取り付けられた2個の回り止め12によって挟まれていて、ネジ24の回転が規制されている。これによって、送りナット23を回転させると送りネジ24がZ方向に移動するようになっている。送りナット23の上側にはプーリ25が取り付けられ、モータ27に取り付けられたプーリ28とベルト26で、モータ27の回転が伝動されるようになっている。 【0012】また、ベース11の嵩上げ部11aに立設されたコラム13に断面が四角形状(板状)のZガイド14がネジ14aで固着されている。Zスライダ15は、前板15aの両側に側板15bがネジ15cで固着され、Zガイド14を囲うように略コの字形状となっている。前板15aと側板15bのZガイド14側には摺動板15dが接着され、側板15bの後側にはローラ15eが取り付けられて、Zガイド14の4面を挟むように構成されている。摺動板15dは低摩擦係数の材料(例えばテフロン=フッ素樹脂)で、前板15aと側板15bともに、左側が2個、右側が1個のいわゆる3点当たりになっており、それに合わせてローラ15eも左側が2個、右側が1個となっている。側板15bに接着された摺動板15dの左右間の距離はZガイド14の幅に精密に合わせて設定され、ローラ15eはZガイド14側に微調整が可能(ローラ軸15fを偏心軸にし調整する等)となっており、これらによって、Zスライダ15はZガイド14に正確に嵌合されている。この結果、Zスライダ15は、XY方向にはガタツキがなく、Z方向には滑らかに移動することができ、自重で常にZ下方向に移動力が発生するようになっている。 【0013】Zスライダ15の前板15aの下面にはアンビル15gが固着され、アンビル15gには送りネジ24の先端24bが当接している。そして、Zスライダ15の前板15aの前面には検出器ホルダ16が取り付けられ、検出器ホルダ16には、触針17aのZ方向の変位量を検出する検出器17が取り付けられている。 【0014】さらに、ベース11の前側には、Xガイド31、Xテーブル32(Yガイド含む)、Yテーブル33等から構成されたXYテーブルが載置されていて、Yテーブル33の上にはワークテーブル34が取り付けられている。ワークテーブル34は、従来の技術で説明したものと同様に、ワークWを取り付けるとともに、ワークWの測定面がXYテーブルの移動平面とほぼ平行になるように調整する機構が備えられている(詳細は図示省略)。 【0015】本発明に係る実施の形態1の三次元表面粗さ形状測定機はこのように構成されており、ワークWをワークテーブル34に取り付け、測定面がXYテーブルの移動平面とほぼ平行になるように調整した後、測定を開始する。すなわち、触針17aがワークWの測定面に当接し検出器17の測定範囲に入るまで検出器17のZ方向位置を移動させ、その状態でXテーブル32をX方向に移動させて、Xテーブル32のX方向移動量と触針19aのZ方向変位量とからワークWの表面粗さ形状を検出する。1ラインの測定が終わるとYテーブル33によりワークWを任意のピッチだけY方向に送り、その後、次のラインの測定を行う。これを繰り返すことによってワークWの多数のラインの表面粗さ形状が測定され、ワークWの三次元表面粗さ形状が求められる。 【0016】この場合、検出器17を支持しているZスライダ15は、Z方向には滑らかに移動し常にZ下方向に移動力が発生していて下面が送りネジ24に当接しているので、送りネジ24に対する追従性がよい。したがって、検出器17をZ方向に移動させた後すぐに測定することができる。また、通常、三次元表面粗さ形状は多数のラインの測定値を求めるので、測定に多くの時間がかかり、その間室温が変化する可能性が高いが、次の理由によりその影響が小さい。 (イ)Zスライダ15を支持している送りネジ24は、ベース11の嵩上げ部11aに設けられた送りナット23に支持されているので、コラム13の熱変形の影響を受けない。 (ロ)送りネジ24のZ方向の基準はベース11であるが、その先端24bはベース11からの距離が短いので、例え送りネジ24の伸縮があってもその影響が小さい。 さらに、送りネジ24を低熱膨係数の材料にすると、室温変化の影響を一層小さくすることができる。 【0017】実施の形態2本発明に係る三次元表面粗さ形状測定機の実施の形態2の全体正面図を図5に示す。実施の形態2は、従来の技術と同じく、Zスライダ15に検出器送り装置を61取り付け、検出器送り装置61で検出器63をX方向に移動させ、ワークはYテーブル65でY方向に移動させるものである。その他は、実施の形態1と同じであるので、詳細の説明は省略する。 【0018】また、Zスライダの案内機構の他の実施の形態を、図6と図7に示す。図6は、実施の形態1(図3)と反対に、Zスライダ42を四角形断面とし、Zガイド41が略コの字形状で、ローラ案内としたものである。つまり、Zガイド41は、主板41aの両側に側板41cをネジ41dで固着して略コの字形状を形成し、開放面を前にしてコラム13にネジ41bで固着している。そして、その内側4面にローラ41eを取り付けて、Zスライダ42の4面を挟むように構成している。ローラ41eは実施の形態1と同様、左側が2個、右側が1個である。図7は、Zスライダ52をリニアガイド51で案内した方法である。図6や図7のように転がり案内にすると、摩擦力がより小さくなるので、実施の形態2のように、Zスライダ15にオフセットした荷重がかかるような場合には有利である。 【0019】なお、これ以外に、実施の形態1で後のローラ15eに代えて摺動板15dにする方法、図6のローラ41eの代わりに全て摺動板とする方法等、種々のものが考えられるが、いずれにしても、ZスライダがXY方向にはガタツキがなく、Z方向には滑らかに移動できて常にZ下方向に移動力が発生するようになっていれば、どのような構造でもよい。従来の技術で説明したようなV字形の案内でも可能である。自重のみではZ下方向の移動力が安定しないようであれば、バネ等でZ下方向に荷重をかけてもよい。 【0020】また、表面粗さ形状測定用の検出器に代えて、輪郭形状測定用の検出器にすると、三次元輪郭形状を測定する場合にも本発明は適用できる。 【0021】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、三次元表面粗さ形状測定機の表面粗さの検出器を支持するZスライダを、XY方向にはガタツキがなく、Z方向には滑らかに移動できて常にZ下方向に移動力が発生するように構成し、そのZスライダの下面を、ベースに設けられXY平面に回転自在な送りナットに螺合された送りネジで支持するようにした。 【0022】したがって、送りネジに対するZスライダの追従性がよいので、検出器をZ方向に移動させた後すぐに測定することができる。また、室温の変化があっても、送りネジはベースの嵩上げ部に設けられた送りナットに支持されているので、コラムの熱変形の影響を受けないとともに、送りネジの先端はベースからの距離が短いので、例え送りネジの伸縮があってもその影響が小さい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000151494 【氏名又は名称】株式会社東京精密
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| 【出願日】 |
平成10年7月3日(1998.7.3) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−18904(P2000−18904A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【出願番号】 |
特願平10−202866 |
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