トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 ばね式テンションバランサの出没量指示装置
【発明者】 【氏名】大矢 明徳

【氏名】中村 登

【要約】 【課題】ばね式テンションバランサの外筒部材に対する内側部材の出没量を示す目盛り板を取付環境に応じて見易い位置に固定すること。

【解決手段】テンションバランサ1を、ケーシング2から突出した内筒3,4をコイルばね5,6が引き戻す方向に付勢するように構成する。内筒4の外側端部に取り付ける出没量指示装置10は、取付リング11と、ブラケット12と、目盛り板13とで構成する。取付リング11を内筒4の突出端部に嵌合させ、ボルト11bで固定する。取付リング11上にはブラケット12を嵌合させ、取付リング11に対するブラケット12の位置を調整し、ピン12aを取付リング11の凹部11dに合わせて固定する。凹部11dを適宜選択して取付リング11に対するブラケット12の軸周りの位置を変更でき、目盛り板13を目視可能な位置に配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一端が支柱に連結される外筒部材と、一端に架空線が連結され、前記外筒部材に出入り自在に挿入された内側部材と、外筒部材と内側部材との間に介設され、外筒部材から突出した内側部材を復帰させるように内側部材を付勢するコイルばねとを具備し、架空線を所定の張力を保持しつつ引き留めるばね式テンションバランサの外筒部材に対する内側部材の出没量を目視確認するための出没量指示装置において、前記内側部材上に嵌合して固定される取付リングと、この取付リング上に軸周りの取付位置を変更できるように嵌合し固定され、内側部材の軸線に対して直交方向に延出した後屈折し、前記外筒部材の外面に沿って軸線方向に延び、外筒部材と内側部材との相対変位を軸線方向に設けられた目盛りにより指示するインジケータとを具備することを特徴とするばね式テンションバランサの出没量指示装置。
【請求項2】 前記インジケータには、前記取付リング上に嵌合し、前記取付リングに対して所望の位置で回り止めするための係合部を備えたブラケットを有し、前記取付リングには、前記ブラケットの係合部と係合する対応係合部を有することを特徴とする請求項1に記載のばね式テンションバランサの出没量指示装置。
【請求項3】 前記取付リングの対応係合部には軸周りに複数の凹部を備え、前記ブラケットの係合部には、前記ブラケットに突設され、前記凹部にはまるピンを備えていることを特徴とする請求項2に記載のばね式テンションバランサの出没量指示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電車線等の架空線の端部を所定の張力で構造物に引き留めるばね式のテンションバランサにおける外筒部材と内側部材との間の相対変位量を目視により確認して架線の長さ変動を点検するためのものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のばね式テンションバランサは、円筒状ケーシング内に外筒と、複数の内筒と、ロッドとを同心的にかつ軸線方向に出入り自在に挿入し、これらの各間隙にコイルばねを夫々介在させ、張力で引き出された各内筒及びロッドがケーシング内に収容される方向に付勢されている(特開平9−33201号)。このテンションバランサには、ケーシングの外面に沿ってロッドと共に軸線方向に移動可能な目盛り板が、ロッドの端部に軸周りに回動自在に設けられており、自重で常に下方に位置して、下から目視確認するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のテンションバランサにおいては、架空線や途上に介在するワイヤが撚り線構造を有するために、これらに張力が加わると、ロッドがケーシングに対して回転変位するので、目盛り板がロッドと共回りしないように、目盛り板を回転リングでロッドに対して相対回転するようにしている。しかしながら、目盛り板の読み取り位置が真下に限られてしまうので、テンションバランサの取付環境によって下から見上げることに困難を伴う場合に読み取りに支障を来す。実際には、張力がかかって電車線やワイヤの撚りでロッドが回転しようとしても、ケーシング、コイルばね、内筒など各構成部材間に生ずる回転に対する摩擦抵抗によって、ロッドの変位は僅かである。しかし、ロッドに目盛り板を固定してしまうと、目盛り板が見難い位置へ回り込むなどの読み取りに影響を及ぼすことがある。そこで、本発明は、ばね式テンションバランサの外筒部材に対する内側部材の出没量を示す目盛り板を、テンションバランサの取付環境に応じて見易い位置に調整して固定できる出没量指示装置を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、第1の発明においては、内側部材4上に取付リング11を嵌合させて固定し、この取付リング11上に軸周りの取付位置を変更できるようにインジケータを嵌合して固定し、このインジケータは、内側部材4の軸線に対して直交方向に延出した後屈折し、外筒部材2の外面に沿って軸線方向に延び、外筒部材2と内側部材4との相対変位を軸線方向に設けた目盛りにより指示するようにばね式テンションバランサの出没量指示装置を構成した。第2の発明においては、インジケータには、取付リング11上に嵌合するブラケット12を備え、取付リング11に対して所望の位置で回り止めするための係合部を設け、取付リング11には、ブラケット12の係合部と係合する対応係合部を設けた。第3の発明においては、取付リング11の対応係合部に軸周りに複数の凹部11dを備え、ブラケット12の係合部に、凹部11dにはまるピン12aを突設した。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図面を参照して説明する。図1乃至図3において、テンションバランサ1は、外筒部材である円筒状のケーシング2内に円筒状の第1の内筒3が一端側から軸線方向に出入り自在に設けられ、第1の内筒3内に内側部材である円筒状の第2の内筒4が一端側から軸線方向に出入り自在に設けられている。ケーシング2と第1の内筒3との間、及び第1の内筒3と第2の内筒4との間にはコイルばね5,6が介在する。コイルばね5は内筒3とケーシング2とに係止され、ケーシング2から内筒3が突出すると圧縮されて内筒3を引き戻す方向に付勢する。コイルばね6も同様に内筒3と内筒4とに係止され、内筒3から内筒4が突出すると圧縮されて内筒4を引き戻す方向に付勢する。外側のコイルばね5のばね定数は内側のコイルばね6のそれより大きく、所定の張力でトロリ線を引き留めるように設定されている。ケーシング2の一端には支柱に連結するための引き手クレビス2aを、側面中間部には支柱に支持ロープでつなぐための引き手クレビス2bを、第2の内筒4の外側端部にはトロリ線を連結するための引き手クレビス4aを備えている。ケーシング2内の一方の端壁中央には、軸線方向へ中間部まで延出したロッド7が固定されており、その先端部には半径方向へ延出してコイルばね6の密着を阻止する鍔部7aを有する。
【0006】ケーシング2の他端には内筒3を貫通させる端蓋8が固着されている。端蓋8の下部にはガイド9が一体に形成されており、ここに円弧孔9aが設けられている。円弧孔9aは、後記する目盛り板13の回動範囲をケーシング2の軸周りに下端から両側へほぼ35度の角度に規制する。ガイド9は目盛り板13の長手方向の移動を案内すると共に目盛り板13を支持し、さらに目盛り板13上の目盛りの支持位置となる。
【0007】内筒4の外側端部には出没量指示装置10が取り付けられる。図4乃至図6に示すように、出没量指示装置10は、取付リング11と、ブラケット12と、目盛り板13とを備えている。取付リング11は、内筒4の突出端部上に嵌合する。取付リング11の側部には、軸周りに等間隔に三つのボルト孔11aを有し、ボルト11bで内筒4に固定される。取付リング11の一端部には鍔部11cを有し、上端から軸周りに両側へほぼ45度の範囲の縁に半円径の複数の凹部11dが形成されている。この凹部11dの形成範囲はガイド9の円弧孔9aに対応している。取付リング11上には、ブラケット12が嵌合する。ブラケット12は、取付リング11の鍔部11cとボルト11bとの間で軸方向に固定される。ブラケット12の半部は、取付リング11から下方へ延出している。ブラケット12の他端部には、固定ピン12aが突設されている。固定ピン12aは、取付リング11の凹部11d内に係合して、ブラケット12を回転方向に固定する。ブラケット12の下端部には、ケーシング2の外面に沿って軸線方向へ延びる目盛り板13がボルト14で結合される。
【0008】このテンションバランサ1においては、出没量指示装置10を内筒4に取り付けて、ケーシング2の引き手クレビス2aを支柱に、引き手クレビス3bを支柱につながる支持ロープに、第2の内筒4の引き手クレビス4aをトロリ線に夫々連結して、トロリ線を引き留める。所定の張力でトロリ線を張ると、ケーシング2から内筒3,4がコイルばね5,6を圧縮しながら突出する。この状態で、出没量指示装置10の目盛り板13を目視可能な位置に合わせる。即ち、取付リング11のボルト11bを外して、目盛り板13を見易い位置に配置するように取付リング11上のブラケット12の軸周りの位置を調整し、ピン12aを所望の凹部11dに係合させてブラケット12を回転方向に固定し、ボルト11bを締め込んでブラケット12を軸線方向に固定すると共に取付リング11を固定する。従って、テンションバランサ1のケーシング2と内筒4との間の相対変位量を点検するときに、見易い位置から目盛り板13を読み取ることができる。また、温度等の環境の変化によりトロリ線の伸縮に伴う内筒4との共回りによって、目盛り板13が見難い位置に変位したら、先と同様にピン12aと係合する凹部11dを適宜変更することにより取付リング11に対するブラケット12の軸周りの位置を調整して目盛り板13を目視可能な位置に変更する。
【0009】
【発明の効果】以上のように、本発明は、撚り線構造の架空線や介在するワイヤに張力が加わって、筒状部材が軸線周りに変位しても、テンションバランサの取付位置にかかわらず、目盛り板が見やすい位置に固定されて、張力の度合いを示す突出量を確認点検することができるという効果を有する。
【出願人】 【識別番号】000001890
【氏名又は名称】三和テッキ株式会社
【出願日】 平成10年7月6日(1998.7.6)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−18902(P2000−18902A)
【公開日】 平成12年1月21日(2000.1.21)
【出願番号】 特願平10−190142