| 【発明の名称】 |
恒温パイプ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅田 充陽
【氏名】伊藤 義正
【氏名】黒松 節夫
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| 【要約】 |
【課題】高温の棒状物品を温度を保持したまま通過させる為の、小型で簡単な構造で且つランニングコストも低い恒温パイプ装置を提供する。
【解決手段】この恒温パイプ装置は、熱間鍛造や温間鍛造の鍛造装置において加熱したワークをその冷却を防ぎつつ通過させるのに適したもので、通路形成体8、内パイプ9、燃焼促進用の触媒体14を収容する触媒室12、触媒室形成パイプ13、燃焼室10、外パイプ11、燃焼用ガス導入口11aなどで構成されており、燃焼室内で酸水素ガスを燃焼させて発熱させ、内部を通過する棒状物品の温度降下を防止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 室温よりも高温の棒状物品を温度を保持したまま又は加熱しながら通過させるのに適した恒温パイプ装置であって、前記棒状物品を通過させる為の通路を形成する金属製の内パイプと、この内パイプの外側に筒状の燃焼室を形成する外パイプと、前記燃焼室に燃焼用ガスを導入するガス導入口と、を備えたことを特徴とする恒温パイプ。 【請求項2】 前記内パイプの内側の通路に、棒状物品を案内する案内通路を形成する金属製の通路形成体であって棒状物品に接触しつつ案内する通路形成体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の恒温パイプ装置。 【請求項3】 前記内パイプの外側かつ燃焼室の内側に筒状触媒室を形成する通気性のある触媒室形成パイプと、その筒状触媒室に装着され且つ前記燃焼用ガスに接触して燃焼用ガスの燃焼を促進する触媒体とを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の恒温パイプ装置。 【請求項4】 前記燃焼用ガスとして、水素ガスと酸素ガスとを所定体積比で混合した酸水素ガスを用いることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の恒温パイプ装置。 【請求項5】 前記棒状物品は、熱間鍛造又は温間鍛造に供する為に予め加熱された物品であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の恒温パイプ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、恒温パイプ装置に関し、特に室温よりも高温の棒状物品を温度保持しつつ又は加熱しつつ通過させるのに適した恒温パイプ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、熱間鍛造装置や温間鍛造装置においては、例えば棒状素材を例えば高周波誘導加熱炉で加熱し、素材送り機構等により所定の周期で間欠的に送りながら、加熱した棒状素材を切断機で所定の周期で間欠的に所定長さのワーク(鍛造素材)に分断する。分断したワークをワーク送り機構により所定の周期で間欠的に順次送りつつ、複数組の鍛造金型により複数工程で順次鍛造成形する。尚、棒状素材は加熱炉で例えば800°C〜1200°Cに加熱され、加熱された棒状素材は、加熱炉出口から搬送駆動ローラにより挟持搬送されつつ、水冷されたガイドパイプ等に案内されて連続的に切断工程へ供給される。 【0003】従来の熱間鍛造装置や温間鍛造装置では、加熱された棒状素材が、加熱炉出口から切断工程に到る間に熱伝導や熱放射により、100°C〜200°C程度温度降下しやすく、このように温度降下すると適正な加工温度限界を下回ってしまい成形不可能となる。そのため、ブースタ炉(昇温炉)を搬送駆動ローラとガイドパイプとの間の中間位置に設置し、このブースタ炉により、一旦温度降下した棒状素材を適正な加工温度まで再加熱しなければならない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 前記ブースタ炉は高価であるため設備費用が高くなり、一旦温度降下した棒状素材を再度加熱するのでエネルギーロスも大きく、ランニングコストも高くつく等の問題がある。しかも、中小鍛造機ではブースタ炉の設置スペースを確保することができず、大型鍛造機にしかブースタ炉を設置することができないという問題もある。尚、ブースタ炉による再加熱により、棒状素材は、組織粗大化や脱炭及び表面高温酸化等の品質劣化を伴うという問題もある。 【0005】本発明の目的は、棒状物品を温度保持したまま又は加熱しながら通過させるのに好適な恒温パイプ装置を提供すること、その装置を簡単で小型の構造にすること、その装置のランニングコストを低減すること、等である。 【0006】 【課題を解決するための手段】 請求項1の恒温パイプ装置は、室温よりも高温の棒状物品を温度を保持したまま又は加熱しながら通過させるのに適した恒温パイプ装置であって、前記棒状物品を通過させる為の通路を形成する金属製の内パイプと、この内パイプの外側に筒状の燃焼室を形成する外パイプと、燃焼室に燃焼用ガスを導入するガス導入口とを備えたことを特徴とするものである。 【0007】室温よりも高温に加熱された棒状物品を通過させる際、棒状物品は内パイプの内部を通過する。その棒状物品が、金属製の内パイプの内部を通過中には外部と遮断されて、熱放射により冷却されることはない。燃焼用ガスをガス導入口から導入して外パイプ内部の燃焼室で燃焼させ、内パイプの温度を棒状物品の温度に等しく保持すると、棒状物品の温度と内パイプの内部の温度とが平衡状態になるので、棒状物品から内パイプ側への熱伝導、熱放射を防止できる。 【0008】それ故、室温よりも高温の棒状物品の温度降下を防止しながら、棒状物品を通過させることができる。従って、熱間鍛造装置や温間鍛造装置における高温の棒状素材を、その温度を保持したまま通過させるのに適する。一方、燃焼室での燃焼温度を高めて、内パイプの温度を棒状物品の温度よりも高く保持すると、棒状物品を加熱しながら通過させることができる。この場合も、熱間鍛造装置や温間鍛造装置における高温の棒状素材を、加熱しながら通過させるのに適する。 【0009】請求項2の恒温パイプ装置は、請求項1の発明において、前記内パイプの内側の通路に、棒状物品を案内する案内通路を形成する金属製の通路形成体であって棒状物品に接触しつつ案内する通路形成体を設けたことを特徴とするものである。高温の棒状物品を搬送する際、通路形成体は棒状物品に接触しつつこの棒状物品を案内するので、棒状物品への熱伝達性能を高め、恒温パイプ装置の構造を簡単化でき、小型化することができる。 【0010】請求項3の恒温パイプ装置は、請求項1又は2の発明において、前記内パイプの外側かつ燃焼室の内側に筒状触媒室を形成する通気性のある触媒室形成パイプと、その筒状触媒室に装着され且つ前記燃焼用ガスに接触して燃焼用ガスの燃焼を促進する触媒体とを設けたことを特徴とするものである。燃焼用ガスをガス導入口から燃焼室に導入し、筒状触媒室に装着された触媒体と燃焼用ガスとを化学的に接触させて、燃焼用ガスの燃焼を促進することができる。そのため、恒温パイプ装置の燃焼性能を高めて、装置の小型、軽量化を図ることができる。 【0011】請求項4の恒温パイプ装置は、請求項1〜3の何れかの発明において、前記燃焼用ガスとして、水素ガスと酸素ガスとを所定体積比で混合した酸水素ガスを用いることを特徴とするものである。酸水素ガスを燃焼室内に導入し、触媒体と化学的に接触させることで燃焼させ、その燃焼エネルギーを効果的に利用できる。酸水素ガスの発火点は550°C以上であるが、酸水素ガスと触媒体とを化学的に接触させることで、酸水素ガスの発火点温度を下げて燃焼を促進することができる。 【0012】請求項5の恒温パイプ装置は、請求項1〜4の何れかの発明において、前記棒状物品は、熱間鍛造又は温間鍛造に供する為に予め加熱された物品であることを特徴とするものである。棒状物品を予め加熱し、加熱した棒状物品を温度降下させることなく、恒温パイプ装置中を通過させながら熱間鍛造又は温間鍛造まで搬送できる。ブースタ炉による再加熱を行わないため、棒状物品は、組織粗大化や脱炭及び表面高温酸化等の品質劣化を伴わない。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図1〜図4を参照して説明する。まず、本実施形態に係る恒温パイプ装置1を採用した熱間鍛造装置について概略説明し、その後、恒温パイプ装置1について説明する。図1に示すように、熱間鍛造装置は、長尺の丸棒状の棒状物品2を所定温度まで加熱する為の加熱炉3と、加熱炉3にて加熱された棒状物品2を所定長さのワーク(鍛造素材)に切断する為の切断機4と、切断機4にて切断されたワークを鍛造成形する為の鍛造機とを有する。尚、加熱炉3にて加熱された棒状物品2は、搬送駆動ローラ5に挟持されつつ恒温パイプ装置1を介して切断機4まで搬送される。 【0014】次に、恒温パイプ装置1について説明する。図1〜図4に示すように、恒温パイプ装置1は、加熱炉3と切断機4との間に配設されるものであり、恒温パイプ装置1は、加熱炉3の出口から切断機4までの経路途中の支持フレーム6,7にボルトにより固定され、加熱炉3にて予め加熱された棒状物品2を温度を保持したまま通過させるものである。 【0015】恒温パイプ装置1は、棒状物品2を案内する案内通路を形成する金属製の通路形成体8と、この通路形成体8を囲繞する金属製の内パイプ9と、この内パイプ9の外側に筒状の燃焼室10を形成する外パイプ11と、燃焼室10に酸水素ガスG(燃焼用ガスに相当する)を導入するガス導入口11aと、内パイプ9の外側かつ燃焼室10の内側に設けられた、筒状触媒室12を形成する通気性のある触媒室形成パイプ13と、その筒状触媒室12に装着され且つ酸水素ガスGに接触して酸水素ガスGの燃焼を促進する触媒体14とを有する。尚、通路形成体8と内パイプ9は例えばステンレス鋼製であり、触媒室形成パイプ13と外パイプ11とは、例えば耐熱鋼製ものである。 【0016】図1、図2、図4に示すように、通路形成体8は、その頂部が分断された断面略C字形状に形成され、その外周に長さ方向適当間隔おきに複数の板バネ片を有し、これら板バネ片をを介して内パイプ9の内面に着脱自在に支持されている。この通路形成体8は、棒状物品2の径寸法に応じて径方向に弾性変形し、棒状物品2に接触しつつ案内する。 【0017】図1〜図3に示すように、外パイプ11の一端部には、フランジ部11cが形成され、このフランジ部11cに複数のボルト穴11bが形成され、これらボルト穴11bに設けた複数のボルトでもって外パイプ11が支持フレーム6に固定されている。尚、外パイプ11の他端部は支持フレーム7に固定される。 【0018】図1、図2に示すように、触媒室形成パイプ13の一端部の内面には雌ネジが形成され、加熱炉3からの棒状物品2を通路形成体8の内部へ案内する為の案内金具15が、この雌ネジに内嵌螺合されている。触媒室形成パイプ13の他端部には、棒状物品2を切断機4に案内する為の案内金具16が溶接等により固定されている。触媒体14は、多数のアルミナ系のセラミック粒体にコーティング材を被覆した構成のもので、酸水素ガスGを活性化させ燃焼を促進させる。 【0019】ところで、酸水素ガスGは、水素ガスと酸素ガスとを所定体積比で混合した、〔H2 +1/2O2 〕の化学式にて表される燃焼用ガスである。この酸水素ガスGには、酸化反応を抑制する為に体積比にて4.4%のヘキサンが混合されており、このヘキサンを混合した酸水素ガスGでは、発熱量が3363kcal/m3 、密度が0.6819g/m3 、無色無臭、発火点が550°C以上、分子量が18である。 【0020】次に、恒温パイプ装置1の作用について説明する。まず、酸水素ガスGをガス導入口11aから外パイプ11内の燃焼室10に導入し、何らかの着火手段で燃焼室10内の酸水素ガスGに着火し、その酸水素ガスGと触媒体14とを接触させて、酸水素ガスGの燃焼を促進し、恒温パイプ装置1の内部温度(つまり、通路形成体8の温度)を、棒状物品2の加熱温度(約1200°C)に等しく設定する。この状態で、加熱炉3にて約1200°Cに加熱された棒状物品2が、案内金具15から通路形成体8の内部に連続的に導入されて通過していく。加熱された棒状物品2が、内パイプ9の内部の通路形成体8の内部を通過するため、棒状物品2の温度が冷却されることはなく、その加熱温度を保持したまま通過していく。尚、本実施形態の恒温パイプ装置1の発熱量は約5KWである。 【0021】このように、棒状物品2の温度と通路形成体8の温度とが等しいため、棒状物品2から通路形成体8への熱伝導、放射を防ぐことができ、加熱された棒状物品2の温度降下を防ぐことができる。尚、酸水素ガスGの消費量は少ないため、燃焼後に発生する水蒸気の量もあまり多くはないが、その燃焼後の水蒸気はフランジ部11cと、触媒室形成パイプ13及び案内金具15との間の隙間から外部へ排出される。こうして、棒状物品2の温度を保持したまま切断機4まで搬送して所定長さに切断して鍛造に供することができる。但し、燃焼後の水蒸気を排気する為のより大きな排気穴を形成してもよい。 【0022】次に、変形例について説明する。 1)燃焼用ガスとしては、酸水素ガスG以外の燃焼用ガスを適用可能である。そして、燃焼用ガスの種類によっては触媒体は必須のものではないが、燃焼用ガスの種類に適した触媒体を適用することが望ましい。 2)加熱炉にて加熱する棒状物品2の前記の温度は一例に過ぎず、前記以外の温度に加熱する場合もある。また、棒状物品2は丸棒材以外でもよく、連続した部材でなくともよい。 【0023】3)前記実施形態では、棒状物品2の加熱温度を保持したまま通過させる場合を例として説明したが、発熱量を多くして棒状物品2を加熱しながら通過させるような装置としても適用可能である。 本発明に係る恒温パイプ装置1は、熱間鍛造装置又は温間鍛造装置以外の種々の用途にも適用することができる。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施することも可能である。 【0024】 【発明の効果】請求項1の発明によれば、前述のように、燃焼用ガスを燃焼室で燃焼させて発熱させて内パイプを加熱状態に保持し、その内パイプ内に棒状物品を導入して、その加熱温度を保持したまま通過させることができる。特に、加熱状態の棒状物品の温度降下後に再加熱するのではなく、棒状物品の冷却を防ぎつつ、元々の加熱温度を保持したまま通過させるので、エネルギーロスは少なくなる。 【0025】例えば、ブースタ炉にて再加熱する場合には約20〜30KWの発熱量が必要となるのに対して、本発明では約5KW程度の発熱量で済むので、省エネルギーの面で優れており、ランニングコストを低減できる。しかも、装置の構成が簡単で小型化できるため、設備費や設置スペースの面で種々で有利である。 【0026】請求項2の発明によれば、内パイプの内側の通路に、棒状物品に接触しつつこの棒状物品を案内する通路成形部材を設けたので、燃焼室で発生した熱を通過中の棒状物品に効率よく伝達できる。その他請求項1と同様の効果を奏する。 【0027】請求項3の発明によれば、筒状触媒室に装着された触媒体と燃焼用ガスとを接触させて、燃焼用ガスの燃焼を促進することができるため、燃焼室内での燃焼性を高め、装置の小型化を図ることができる。その他請求項1又は2と同様の効果を奏する。 【0028】請求項4の発明によれば、水素ガスと酸素ガスとを所定体積比で混合した酸水素ガスを用いるので、燃料の発熱量が高く、燃焼後クリーンな水蒸気が排出されるだけであるから、装置の小型化、排気系設備の省略による設備費の低減を図ることができる。その他請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏する。 【0029】請求項5の発明によれば、前記棒状物品は熱間鍛造又は温間鍛造に供する為に予め加熱された物品であるので、加熱した棒状物品を温度降下させることなく適正な加工温度で熱間鍛造又は温間鍛造に供することができる。しかも、棒状物品に対して金属組織の結晶の粗大化や表面高温酸化等の品質劣化を伴わない。それ故、精密鍛造や複雑な形状の物品を鍛造する高付加価値鍛造に好適である。その他請求項1〜4の何れかと同様の効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000140580 【氏名又は名称】株式会社音戸工作所 【識別番号】000143617 【氏名又は名称】株式会社黒松電機製作所
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| 【出願日】 |
平成10年12月2日(1998.12.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089004 【弁理士】 【氏名又は名称】岡村 俊雄
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| 【公開番号】 |
特開2000−171165(P2000−171165A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−343016 |
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