トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F26 乾燥




【発明の名称】 乾燥装置及び乾燥方法
【発明者】 【氏名】福本 和広

【氏名】小野田 誠次

【要約】 【課題】含水率が高くかつ乾燥過程で割れ易い被乾燥物を高温条件下であっても割れの発生を十分に防止しつつ乾燥することができ、割れの発生防止と共に乾燥時間の大幅な短縮を達成することが可能な簡便な乾燥装置及び乾燥方法を提供すること。

【解決手段】被乾燥物2が配置される第1の乾燥室12aと、乾燥用気体が導入される流入口10及び湿潤気体が排出される排出口11を有する第2の乾燥室12bと、第1の乾燥室12aと第2の乾燥室12bとの間を仕切っており、第1の乾燥室12aから第2の乾燥室12bへの水蒸気の拡散を律速するセパレータ3とを備えた乾燥容器1、第1及び第2の乾燥室12a,12bを所定温度に加熱して維持する加熱装置4、及び流入口10に接続され、第2の乾燥室12bに所定温度の乾燥用気体を導入する送気装置5、を具備することを特徴とする乾燥装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被乾燥物が配置される第1の乾燥室と、乾燥用気体が導入される流入口及び湿潤気体が排出される排出口を有する第2の乾燥室と、前記第1の乾燥室と前記第2の乾燥室との間を仕切っており、該第1の乾燥室から該第2の乾燥室への水蒸気の拡散を律速するセパレータとを備えた乾燥容器、及び前記流入口に接続され、前記第2の乾燥室に所定温度の乾燥用気体を導入する送気装置、を具備することを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】 前記セパレータが、0.25〜400cm3/cm2・secの通気度を有する不織布又は織布であることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】 前記湿潤気体の温度を測定する温度センサー及び湿度を測定する湿度センサー、前記乾燥用気体を所定湿度に調湿する調湿装置、及び前記湿潤気体の温度が60〜95℃でかつ相対湿度が85〜100%となるように、前記乾燥用気体の流量、湿度及び温度、並びに前記第1及び第2の乾燥室の温度からなる群から選択される少なくともいずれかを制御する制御装置、を更に具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥装置。
【請求項4】 第1の乾燥室と、第2の乾燥室と、前記第1の乾燥室と前記第2の乾燥室との間を仕切っており、該第1の乾燥室から該第2の乾燥室への水蒸気の拡散を律速するセパレータとを備えた乾燥容器を用い、前記第1の乾燥室に被乾燥物を配置して前記第1及び第2の乾燥室を所定温度に加熱して維持しつつ前記第2の乾燥室に所定温度の乾燥用気体を導入し、前記セパレータを透過した水蒸気を含む湿潤気体を該第2の乾燥室から排出することにより、前記被乾燥物を乾燥せしめることを特徴とする乾燥方法。
【請求項5】 前記セパレータとして、0.25〜400cm3/cm2・secの通気度を有する不織布又は織布を用いることを特徴とする請求項4に記載の乾燥方法。
【請求項6】 前記湿潤気体の温度が60〜95℃でかつ相対湿度が85〜100%となるように、前記乾燥用気体の流量、湿度及び温度、並びに前記第1及び第2の乾燥室の温度からなる群から選択される少なくともいずれかを制御することを特徴とする請求項4又は5に記載の乾燥方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥装置及び乾燥方法に関するものであり、より詳しくは、押出し成形機等によって得られたハニカム状セラミックス成形体(グリーンボディ)のような含水率が高くかつ乾燥過程で割れ(クラックの発生)易い被乾燥物を乾燥するための装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、押出し成形機等によって得られたハニカム状セラミックス成形体(グリーンボディ)のような含水率が高くかつ乾燥過程で割れ易い被乾燥物を乾燥するための方法としては、乾燥室内に供給する気流の相対湿度を被乾燥物の水分収縮率が略一定になるまで徐々に下げていく方法(特開昭63−285174号公報参照)や、被乾燥物の周囲の雰囲気を湿度の飽和状態に保持しながらその水蒸気分圧を制御する方法(特開平1−286948号公報参照)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の方法においては、乾燥過程における被乾燥物の割れを防止するためには相対湿度や水蒸気分圧を十分に精密に制御する必要があることから装置及び操作が複雑となり、加えてこのように精密な制御が要求される方法を特に高温条件下における乾燥に適用することは困難であった。すなわち、高温領域になるほど相対湿度や水蒸気分圧の温度に対する変化は激しくなり、これらの精密な制御は困難となる。このように、上記従来の方法であっても、特に高温条件下において割れを十分に防止しつつ被乾燥物を乾燥することは困難であり、したがって割れの発生防止と乾燥時間の短縮との両立には限界があるという問題があり、未だ十分なものではなかった。
【0004】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、含水率が高くかつ乾燥過程で割れ易い被乾燥物を高温条件下であっても割れの発生を十分に防止しつつ乾燥することができ、割れの発生防止と共に乾燥時間の大幅な短縮を達成することが可能な簡便な乾燥装置及び乾燥方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特に高温条件下における乾燥においては被乾燥物の周囲における微妙な水蒸気濃度勾配の発生が割れの発生に影響していることから、水蒸気の拡散を律速するセパレータを用いて乾燥用気体の流入に伴う水蒸気濃度勾配の発生が被乾燥物の周囲で生じないようにし、被乾燥物を高濃度でかつ均一な水蒸気含有雰囲気中で乾燥することによって高温条件下であっても割れの発生が十分に防止され、したがって比較的簡便な装置及び方法によって割れの発生防止と共に乾燥時間の大幅な短縮が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の乾燥装置は、被乾燥物が配置される第1の乾燥室と、乾燥用気体が導入される流入口及び湿潤気体が排出される排出口を有する第2の乾燥室と、第1の乾燥室と第2の乾燥室との間を仕切っており、第1の乾燥室から第2の乾燥室への水蒸気の拡散を律速するセパレータとを備えた乾燥容器、及び前記流入口に接続され、第2の乾燥室に所定温度の乾燥用気体を導入する送気装置、を具備することを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の乾燥方法は、第1の乾燥室と、第2の乾燥室と、第1の乾燥室と第2の乾燥室との間を仕切っており、第1の乾燥室から第2の乾燥室への水蒸気の拡散を律速するセパレータとを備えた乾燥容器を用い、第1の乾燥室に被乾燥物を配置して第1及び第2の乾燥室を所定温度に加熱して維持しつつ第2の乾燥室に所定温度の乾燥用気体を導入し、セパレータを透過した水蒸気を含む湿潤気体を第2の乾燥室から排出することにより、被乾燥物を乾燥せしめることを特徴とする方法である。
【0008】上記本発明の乾燥装置及び乾燥方法においては、被乾燥物が配置される第1の乾燥室と乾燥用気体が導入される第2の乾燥室との間に水蒸気の拡散を律速するセパレータが配置されていることから、被乾燥物の周囲への乾燥用気体の流入とそれに伴う被乾燥物の周囲における水蒸気濃度勾配の発生が十分に防止される。
【0009】すなわち、従来のようにセパレータがない場合は、図1(a)に模式的に示すように、乾燥容器1の乾燥用気体流入口10を中心として乾燥室12内に水蒸気濃度勾配(等濃度曲線をCで示す)が発生し、その影響が被乾燥物2の周囲にも及ぶ。
【0010】それに対して、本発明においては、セパレータ3が配置されていることから、被乾燥物2が配置された第1の乾燥室12aから第2の乾燥室12bへの水蒸気の拡散が律速され、図1(b)に模式的に示すように、第1の乾燥室12a内は高濃度でかつ均一な水蒸気含有雰囲気に維持されると共に第2の乾燥室12b内はより低濃度の水蒸気含有雰囲気となる。そして、セパレータ3を挟んだ水蒸気濃度差によって水蒸気がセパレータ3を透過することによって水蒸気濃度勾配(等濃度曲線をCで示す)は第2の乾燥室12b内にのみ発生し、水蒸気を含む湿潤気体が排出口11から排出される。このように、本発明においては、被乾燥物は高濃度でかつ均一な水蒸気含有雰囲気中における自然対流下で乾燥され、その周囲における微妙な水蒸気濃度勾配の発生は十分に防止されることから、被乾燥物の内部及び外部において極めて均一な乾燥速度が得られる。したがって、本発明によれば、セパレータ3を設けるという比較的簡便な構成によって高温条件下であっても割れの発生が十分に防止されるようになり、比較的簡便な装置及び方法によって割れの発生防止と共に乾燥時間の大幅な短縮が達成される。
【0011】本発明の乾燥装置及び乾燥方法に係るセパレータは、0.25〜400cm3/cm2・secの通気度を有する不織布又は織布であることが好ましい。通気度が上記下限未満ではセパレータを透過する水蒸気量が不十分となり、乾燥効率が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると水蒸気の拡散が十分に律速されずに水蒸気濃度勾配が第1の乾燥室内にも発生して割れの発生が生じ易くなる傾向にある。
【0012】本発明の乾燥装置は、湿潤気体の温度を測定する温度センサー及び湿度を測定する湿度センサー、乾燥用気体を所定湿度に調湿する調湿装置、及び、湿潤気体の温度が60〜95℃でかつ相対湿度が85〜100%となるように、乾燥用気体の流量、湿度及び温度、前記第1及び第2の乾燥室の温度からなる群から選択される少なくともいずれかを制御する制御装置、を更に具備していてもよい。
【0013】また、本発明の乾燥方法は、湿潤気体の温度が60〜95℃でかつ相対湿度が85〜100%となるように、乾燥用気体の流量、湿度及び温度、並びに第1及び第2の乾燥室の温度からなる群から選択される少なくともいずれかを制御するようにしてもよい。
【0014】このように本発明の乾燥装置及び乾燥方法において湿潤気体の温度及び相対湿度を制御すると、上記温度範囲内の飽和水蒸気量は図2に示すように130〜505g/m3となり、飽和水蒸気量の増大に伴って乾燥時間が短縮されることから乾燥効率がより向上し、それと共に割れの発生もより確実に防止される傾向にある。なお、湿潤気体の温度が上記下限未満では乾燥効率が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると乾燥速度が早くなり過ぎて割れの発生が生じ易くなる傾向にある。また、湿潤気体の相対湿度が上記下限未満では水蒸気濃度勾配が第1の乾燥室内にも発生して割れの発生が生じ易くなる傾向にある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとする。
【0016】図3は、本発明の乾燥装置の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図3に示す乾燥装置においては、乾燥容器1は、被乾燥物であるハニカム状セラミックス成形体(グリーンボディ)2が配置されるべき第1の乾燥室12aと、乾燥用気体が導入される流入口10及び湿潤気体が排出される排出口11を有する第2の乾燥室12bとにセパレータ3によって仕切られている。そして、乾燥容器1は、加熱装置としての恒温槽4内に配置されており、乾燥室12内を所定温度に加熱して維持することが可能となっている。
【0017】また、乾燥容器1の流入口10には送気装置5が接続されている。具体的には、送風機50が調湿装置(除湿機及び/又は加湿器)51及び気体加熱部52を介して流入口10に接続されており、これらによって構成される送気装置5によって第2の乾燥室12bに所定温度でかつ所定湿度の乾燥用気体が導入可能となっている。なお、図3では気体加熱部52も恒温槽4内に配置されているが、独立した加熱手段を有していてもよい。
【0018】セパレータ3としては、第1の乾燥室12aから第2の乾燥室12bへの水蒸気の拡散を律速することができかつ乾燥温度に耐えられるものであればよく、その材質等は特に制限されないが、合成繊維(ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系等)や天然繊維(種子毛繊維、靱皮繊維、葉脈繊維、果実繊維、獣毛繊維、絹繊維等)からなる不織布や織布が挙げられ、中でも強度、耐水性及びコストの点からポリエステル系、ポリプロピレン系の合成繊維が好ましい。また、セパレータ3の通気度は好ましくは0.25〜400cm3/cm2・secであり、より好ましくは20〜200cm3/cm2・secである。通気度が上記下限未満ではセパレータ3を透過する水蒸気量が不十分となり、乾燥効率が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると水蒸気の拡散が十分に律速されずに水蒸気濃度勾配が第1の乾燥室12a内にも発生して割れの発生が生じ易くなる傾向にある。
【0019】また、第1の乾燥室12a及び第2の乾燥室12bの大きさは特に制限されず、被乾燥物の大きさ等に応じて適宜選択されるが、第2の乾燥室12bの容積が乾燥室12の全容積の20〜40%であることが好ましい。第2の乾燥室12bの容積比が上記下限未満では第1の乾燥室の空間が広くなりすぎ、水蒸気濃度勾配が発生し易くなる傾向にあり、他方、上記上限を超えると被乾燥物の仕込量が減少し、乾燥効率が低下する傾向にある。
【0020】更に、第1の乾燥室12a内には被乾燥物2を置くための台6を設けることが好ましく、このような台6としては金属やセラミックス製の篩状のものが好適に使用される。
【0021】次に、図3に示す装置を用いて行なう本発明の乾燥方法の好適な一実施形態について説明する。
【0022】先ず、室温において第1の乾燥室12a内の台6上に被乾燥物2を配置した後、恒温槽4内において第1及び第2の乾燥室12a,12bを所定温度まで加熱し、そのままその温度に所定時間維持する。この際の温度は、好ましくは60〜95℃であり、より好ましくは75〜85℃である。上記の好適な温度範囲内における飽和水蒸気量は図2に示すように130〜505g/m3であることから、乾燥室12内の温度が上記下限未満では乾燥効率が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると乾燥速度が早くなり過ぎて割れの発生が生じ易くなる傾向にある。
【0023】また、加熱する際の昇温速度は、好ましくは0.5〜5℃/分であり、より好ましくは1〜3℃/分である。昇温温度が上記下限未満では乾燥に要する時間が長くなりすぎる傾向にあり、他方、上記上限を超えると乾燥速度が早くなり過ぎて割れの発生が生じ易くなる傾向にある。
【0024】なお、加熱後の維持時間は特に制限されず、実質的になくてもよいが、乾燥室12(第1及び第2の乾燥室12a,12b)内の相対湿度が85〜100%となるまで維持することが好ましい。かかる相対湿度が上記下限未満では水蒸気濃度勾配が第1の乾燥室12a内に発生して割れの発生が生じ易くなる傾向にある。
【0025】次いで、乾燥室12を上記所定温度に維持しつつ送気装置5により所定温度の乾燥用気体を第2の乾燥室12bに導入する。このように第2の乾燥室12bに乾燥用気体を導入することによって、図1(b)に模式的に示すように、第2の乾燥室12b内には水蒸気濃度勾配が生じるものの、セパレータ3による水蒸気の拡散律速によって第1の乾燥室12a内は高濃度でかつ均一な水蒸気含有雰囲気に維持される。そして、セパレータ3を挟んだ水蒸気濃度差によって水蒸気がセパレータ3を透過し、その水蒸気を含む湿潤気体が排出口11から排出される。このようにして被乾燥物2は高濃度でかつ均一な水蒸気含有雰囲気中で乾燥されることから高温条件下であっても割れの発生が十分に防止されるようになり、割れの発生防止と共に乾燥時間の大幅な短縮が達成される。
【0026】ここで使用される乾燥用気体の種類は特に制限されず、空気、窒素ガス、不活性ガス等が挙げられる。また、乾燥用気体の温度は、乾燥室12内の温度に応じて選択され、乾燥室12内の温度±2℃が好ましく、本実施形態においては実質的に同じである。更に、乾燥用気体の相対湿度は、乾燥効率をより向上する観点から0〜30%であることが好ましい。
【0027】乾燥用気体の流量は、乾燥室12の大きさ等に応じて選択されるが、排出口11から排出される湿潤気体の排出直後の温度が60〜95℃でかつ相対湿度が85〜100%となるように選択することが好ましい。排出される湿潤気体の温度が上記下限未満では乾燥効率が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると乾燥速度が早くなり過ぎて割れの発生が生じ易くなる傾向にある。また、湿潤気体の相対湿度が上記下限未満では水蒸気濃度勾配が第1の乾燥室内にも発生して割れの発生が生じ易くなる傾向にある。
【0028】なお、このような湿潤気体の相対湿度は、後述するように湿度センサーによって直接的にモニタリングしてもよいが、同一条件下で過去に行なった際における被乾燥物の初期含水量と、乾燥後含水量と、乾燥温度における飽和水蒸気量と、乾燥用気体の流量との関係から算出した湿潤気体の相対湿度と同等であると推定してもよい。
【0029】最後に、このようにして乾燥せしめた被乾燥物2を室温まで冷却し、乾燥が完了する。その際の降温速度は特に制限されないが、好ましくは0.5〜5℃/分であり、より好ましくは1〜3℃/分である。降温温度が上記下限未満では冷却に要する時間が長くなりすぎる傾向にあり、他方、上記上限を超えると冷却速度が早くなり過ぎて割れの発生が生じ易くなる傾向にある。
【0030】なお、乾燥の終了時点は特に制限されないが、前述の通り、この方法によれば、ハニカム状セラミックス成形体(グリーンボディ)のような含水率が高くかつ乾燥過程で割れ易い被乾燥物を高温条件下で短時間に乾燥しても割れの発生が十分に防止される。したがって、例えば、含水率が約40重量%のグリーンボディであっても、60〜95℃という高温条件下で38〜10時間という短時間で0〜5重量%の含水率まで乾燥せしめることが可能となる。
【0031】なお、本発明の乾燥装置においては、乾燥剤を配置・装着してもよい。
【0032】以上、本発明の乾燥装置及び乾燥方法の好適な一実施形態について説明したが、本発明の乾燥装置及び乾燥方法は上記実施形態に限定されるものではない。
【0033】すなわち、図4に示すように、排出口11に湿潤気体の温度を測定する温度センサー7及び湿度を測定する湿度センサー8を接続すると共に、送風機50、調湿装置51、恒温槽4、温度センサー7及び湿度センサー8に電気的に接続された制御装置(CPU等)9を設けてもよい。このようにすれば、排出口11から排出される湿潤気体の温度及び相対湿度を直接的に測定し、それらの測定値に基づいて乾燥用気体の流量、湿度及び温度、前記第1及び第2の乾燥室の温度からなる群から選択される少なくともいずれかを制御して湿潤気体の温度及び相対湿度を所望の範囲内により精密に制御することが可能となる。
【0034】また、上記実施形態では加熱装置として恒温槽を使用しているが、サイリスタ付の電熱ヒータ、電磁加熱装置等を加熱装置として使用してもよい。
【0035】更に、上記実施形態ではハニカム状セラミックス成形体(グリーンボディ)を対象としているが、この他にも圧力的に密閉性を有しない被乾燥物であれば全てについて本発明の乾燥装置及び乾燥方法を適用することが可能である。
【0036】なお、第2の乾燥室は、乾燥用気体が導入される流入口と湿潤気体が排出される排出口とを有する1つの室でもよいが、第2の乾燥室が例えばセパレータによって複数の室に仕切られており、そのうちの1つの室に流入口が、他の1つの室に排出口が設けられていてもよい。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】実施例1活性炭70重量部とセピオライト(粘土鉱物)30重量部からなる吸着材原料を準備し、そこに成形助剤であるメチルセルロース20重量部と水120重量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて混合した。更に、得られた混合物を混練した後、押出し成形機により押出し成形して、断面が□120mm、長さが100mm、セル数が400セル/inch2のハニカム状セラミックス成形体(グリーンボディ)を得た。得られたグリーンボディの成形直後の含水率は約40重量%であった。
【0039】得られたグリーンボディを図3に示す本発明の乾燥装置の乾燥容器1内に配置した。使用した乾燥容器1の仕様は以下の通りである。
【0040】(乾燥容器の仕様)アクリル樹脂製、27リットル(内寸300×300×300mm、厚み10mm);第1の乾燥室容積18リットル、第2の乾燥室容積9リットル;セパレータ:ポリエステル製不織布、通気度36.2cm3/cm2・sec;台:ステンレス製篩状台、篩目の開き4000μm(4.7メッシュ)。
【0041】次いで、恒温槽4により乾燥室12内を30分で80℃まで加熱し、そのままの状態で30分維持した後、送気装置5により流入口10から乾燥空気(温度80℃、相対湿度約0%)を1リットル/分の流量で乾燥室12内に流したところ、排出口11から飽和状態の湿潤空気(温度80℃、相対湿度約100%)が1リットル/分の流量で排出され、この状態が安定して維持された。
【0042】この乾燥状態を約20時間維持し、被乾燥物の経時的な重量変化を測定した。得られた結果(重量減少率)を図5に示す。図5に示した結果から明らかなように、80℃という高温条件下で乾燥をした結果、含水率約40重量%のグリーンボディを約20時間でほぼ乾燥した状態にまで乾燥せしめることができた。
【0043】また、乾燥されたハニカム状セラミックス成形体を観察したところ、割れ(クラック)の発生は認められなかった。したがって、図3に示すようにセパレータ3を設けるという比較的簡便な構成によって高温条件下であっても割れの発生を十分に防止しつつ乾燥でき、比較的簡便な装置及び方法によって割れの発生防止と共に乾燥時間の大幅な短縮が達成されることが確認された。
【0044】比較例1セパレータ3を設けていない乾燥容器1を用いた以外は実施例1と同様にして、成形直後の含水率が約40重量%であるハニカム状セラミックス成形体(グリーンボディ)を実施例1と同様の乾燥状態に約20時間維持し、被乾燥物の経時的な重量変化を測定した。得られた結果(重量減少率)を図5に示す。図5に示した結果から明らかなように、実施例1と同様に、含水率約40重量%のグリーンボディを約20時間でほぼ乾燥した状態にまで乾燥せしめることができた。
【0045】しかしながら、乾燥されたハニカム状セラミックス成形体を観察したところ、成形体の外周部分に割れ(クラック)が発生しており、高温条件下における割れの発生が十分に防止されていなかったことが確認された。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の乾燥装置及び乾燥方法によれば、含水率が高くかつ乾燥過程で割れ易い被乾燥物を高温条件下であっても割れの発生を十分に防止しつつ乾燥することができ、比較的簡便に割れの発生防止と共に乾燥時間の大幅な短縮を達成することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
【出願日】 平成11年5月25日(1999.5.25)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外3名)
【公開番号】 特開2000−337775(P2000−337775A)
【公開日】 平成12年12月8日(2000.12.8)
【出願番号】 特願平11−144817