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【発明の名称】 浴室暖房乾燥機
【発明者】 【氏名】金田 寛

【要約】 【課題】メンテナンス作業に伴う吹出口部材の着脱に際し、わざわざ熱交換器を着脱するといった無駄な作業を排除して、吹出口部材を単独で着脱させることができるようにする。これにより吹出口部材の着脱作業が能率よく行なえるようにした浴室暖房乾燥機の提供。

【解決手段】循環用ファン4により熱交換器3を通して吸入した空気を浴室内に向けて吹き出すようにガイドする吹出口部材6が設けられ、この吹出口部材が、前記熱交換器の背面30と後ケース11に形成した吹出口取付面15とで形成される隅部に取り付けられている浴室暖房乾燥機である。循環用ファンのファン軸44を軸支する軸受9を、後ケースに形成した円弧状軸受支え面80と、吹出口部材に形成した円弧状軸受押え面81とで支持する軸受分割支持部8が形成されている。円弧状軸受押え面81が、軸受の軸心Cを通って熱交換器の背面に直角な線Yで区切られる軸受の外周面半範囲Y1内で軸受を支持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 後ケースと前カバーとで形成されたケーシング内に熱交換器及び循環用ファンが設けられ、この循環用ファンにより熱交換器を通して吸入した空気を浴室内に向けて吹き出すようにガイドする吹出口部材が設けられ、この吹出口部材が、前記熱交換器の背面と後ケースに形成した吹出口取付面とで形成される隅部に取り付けられている浴室暖房乾燥機において、前記循環用ファンのファン軸を軸支する軸受を、後ケースに形成した円弧状軸受支え面と、吹出口部材に形成した円弧状軸受押え面とで支持する軸受分割支持部が形成され、前記円弧状軸受押え面が、軸受の軸心を通って熱交換器の背面に直角な線で区切られる軸受の外周面半範囲内で軸受を支持するように形成されている浴室暖房乾燥機。
【請求項2】 循環用ファンに連結した駆動モータを覆うモータカバーが吹出口部材と一体に形成されている請求項1記載の浴室暖房乾燥機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴室内に温風を循環させたり、換気させたりすることで、浴室の暖房、乾燥を行なう浴室暖房乾燥機に関し、特に、循環用ファンからの空気を浴室内に向けて吹き出すようにガイドする吹出口部材の取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、浴室暖房乾燥機は、後ケースと前カバーとで形成されたケーシング内に、室外機(温水加熱器)に連結された熱交換器及び貫流ファンを用いた循環用ファンが設けられ、この循環用ファンにより熱交換器を通して吸入した空気を浴室内に向けて吹き出すようにガイドする吹出口部材が設けられている。そして、この吹出口部材は、熱交換器の背面と後ケースに形成した吹出口取付面とで形成される鋭角な隅部に取り付けられている。そして、循環用ファンのファン軸は、軸受によって軸支されるもので、この軸受の支持構造として、図8の軸受支持構造説明図で示すように、後ケース11に形成した円弧状軸受支え面80と、吹出口部材6に形成した円弧状軸受押え面81とで軸受9を支持する軸受分割支持部8が形成されていた。この場合、前記円弧状軸受押え面81は、軸受9の軸心Cを通って吹出口取付面15と平行な線Pで区切られる軸受9の外周面半範囲P1を全面に亘って支持するように形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、吹出口部材6は、循環用ファンや駆動モータの修理、交換に伴うメンテナンス作業に際し、これを着脱する必要があるが、その着脱方向が、熱交換器3の背面30と吹出口取付面15とによって規制されるため、吹出口部材6を熱交換器3の背面30と吹出口取付面15の範囲内で着脱する必要がある。
【0004】しかしながら、従来のように、吹出口部材6に形成した円弧状軸受押え面81が、線Pで区切られる軸受9の外周面半範囲P1を全面に亘って支持するように形成されていると、吹出口部材6の着脱に手間がかかるという問題が生じる。即ち、吹出口部材6を取り付け面15に沿って矢印N方向に着脱しようとすると、円弧状軸受押え面81と軸受9の間に干渉幅T1が生じることになるし、又、吹出口部材6を熱交換器3の背面30に沿って矢印M方向に着脱しようとすると、円弧状軸受押え面81と軸受9の間に干渉幅T2が生じることになるため、吹出口部材6を着脱することができない。このため、従来では、吹出口部材6を着脱するために、わざわざ熱交換器3を着脱しなければならず、作業能率の面で著しく不利になるという問題があった。
【0005】本発明では、メンテナンス作業に伴う吹出口部材の着脱に際し、わざわざ熱交換器を着脱するといった無駄な作業を排除して、吹出口部材を単独で着脱させることができるようにすることで、この吹出口部材の着脱作業が能率よく行なえるようにした浴室暖房乾燥機を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明(請求項1)の浴室暖房乾燥機は、後ケースと前カバーとで形成されたケーシング内に熱交換器及び循環用ファンが設けられ、この循環用ファンにより熱交換器を通して吸入した空気を浴室内に向けて吹き出すようにガイドする吹出口部材が設けられ、この吹出口部材が、前記熱交換器の背面と後ケースに形成した吹出口取付面とで形成される隅部に取り付けられている浴室暖房乾燥機において、前記循環用ファンのファン軸を軸支する軸受を、後ケースに形成した円弧状軸受支え面と、吹出口部材に形成した円弧状軸受押え面とで支持する軸受分割支持部が形成され、前記円弧状軸受押え面が、軸受の軸心を通って熱交換器の背面に直角な線で区切られる軸受の外周面半範囲内で軸受を支持するように形成されている構成とした。
【0007】この浴室暖房乾燥機では、円弧状軸受押え面が、軸受の軸心を通って熱交換器の背面に直角な線で区切られる軸受の外周面半範囲内で軸受を支持することに特徴がある。これにより、吹出口部材を熱交換器の背面に沿って着脱させれば、円弧状軸受押え面が軸受に干渉することはない。従って、吹出口部材を熱交換器の背面と吹出口取付面の範囲内で着脱することができ、吹出口部材を着脱するために、わざわざ熱交換器を着脱するといった無駄な手間を省くことができる。
【0008】又、本発明において、循環用ファンに連結した駆動モータを覆うモータカバーが吹出口部材と一体に形成されている態様(請求項2)がある。このように、吹出口部材とモータカバーとを一体に形成すると、吹出口部材とモータカバーを同時に着脱することができ、循環用ファン及び駆動モータのメンテナンス作業を同時に行なうことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の実施の1形態である浴室暖房乾燥機の概略正面図、図2は浴室暖房乾燥機の概略横断面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図3において循環用ファンを省略した状態の断面図、図5は図4において吹出口部材を取り外した状態の断面図である。
【0010】図において、1は浴室暖房乾燥機のケーシングで、正面に開口部10が形成された後ケース11と、この後ケース11の開口部10に着脱可能に取り付けられる前カバー12とで形成され、その内部に換気用ファン2、熱交換器3、循環用ファン4が組み込まれている。このケーシング1は、後ケース11を浴室壁面19に取り付けることによって浴室内に配設され、又、前カバー12には熱交換器3及び換気用ファン2に対向する位置にそれぞれ空気取り入れ口13が形成されている。
【0011】前記換気用ファン2は、浴室内の空気を室外に排気するためのもので、ケーシング1の背面から浴室壁を貫通して屋外に至るように排気管(図示せず)が接続される。
【0012】前記熱交換器3は、上側を前方に傾けた前傾状態で後ケース11内に取り付けられ、そして、屋外に室外機として設置された温水加熱機(図示せず、)に温水循環パイプを介して接続され、温水加熱機からの温水や不凍液等を熱媒体として放熱する。
【0013】前記循環用ファン4は、浴室内の空気を循環させるためのもので、熱交換器3の背後に配設され、左右の円板40,41間に多数枚の羽根板42が放射状に渡された貫流ファンが用いられている。
【0014】循環用ファン4の両端にはファン軸43,44が突設され、一方のファン軸43は駆動モータ5のモータ軸50に直結され、他方のファン軸44は後述するように、軸受9を介して軸受分割支持部8で支持されている。尚、駆動モータ5は、背面側半分が後ケース1のモータ収容部14に収容されると共に正面側半分がモータカバー7によって覆われる状態で、両面に設けた弾性部材51,51を介して後ケース1とモータカバー7との間に取り付けられている。
【0015】又、前記循環用ファン4の正面側に対向して吹出口部材6が配設されている。この吹出口部材6は、循環用ファン4により熱交換器3を通して吸入した空気を浴室内に向けて吹き出すようにガイドする。この吹出口部材6には、循環用ファン4の正面上側に対向すると共に浴室に向けてやや下り傾斜した吹出口60が、左右の側板61,62と上板63及び下板64で4方が囲まれて形成されている。尚、この吹出口60の内部には、上下の吹き出し方向を調整する横ルーバ66と、この横ルーバ66の奥側に位置して左右の吹き出し方向を調整する数個の縦ルーバ65が設けられている。又、この吹出口部材6は、前記熱交換器3の背面30と後ケース11に形成した吹出口取付面15とで形成される鋭角な隅部に取り付けられている。この場合、吹出口部材6には、前記モータカバー7が一体に形成され、そして、このモータカバー7をビス70により後ケース11に固定すると共に、吹出口部材6の下端に形成した係止爪67を吹出口取付面15の下端に形成した係止溝16に係合させる状態で取り付けられている。
【0016】又、この吹出口部材6と後ケース11に形成した吹出口取付面15との間には軸受分割支持部8が形成されている。この軸受分割支持部8は、循環用ファン4のファン軸44を軸支する軸受9を支持するためのもので、後ケース11に形成した円弧状軸受支え面80と、吹出口部材に形成した円弧状軸受押え面81とで形成されている。尚、軸受9は、ファン軸44の軸支穴90が形成された内部材91と、この内部材91を包み込んだ弾性外部材92とで2重に形成されている。そして、前記円弧状軸受支え面80は、図6の軸受支持構造説明図で示すように、軸受9の軸心Cを通って吹出口取付面15と平行な線Xで区切られる軸受9の外周面半範囲X1内で軸受9を支持するように形成され、又、円弧状軸受押え面81は、軸受9の軸心Cを通って熱交換器3の背面30に直角な線Yで区切られる軸受9の外周面半範囲Y1内で軸受9を支持するように形成されている。
【0017】従って、この浴室暖房乾燥機では、円弧状軸受押え面81が、線Yで区切られる軸受9の外周面半範囲Y1内で軸受9を支持しているため、吹出口部材6を熱交換器3の背面30に沿って矢印M方向に着脱させれば、円弧状軸受押え面81が軸受9に干渉することはない。尚、吹出口部材6を吹出口取付面15に沿って矢印N方向に着脱させる場合には、円弧状軸受押え面81と軸受9の間に干渉幅が生じるため、その着脱ができないが、上述のように吹出口部材6を矢印M方向に着脱させることにより、その着脱が可能になるため支障はない。従って、吹出口部材6を熱交換器3の背面30と吹出口取付面15の範囲内で着脱することができ、吹出口部材6を着脱するために、わざわざ熱交換器3を着脱するといった無駄な手間を省くことができる。
【0018】又、モータカバー7を吹出口部材6と一体に形成したため、吹出口部材6とモータカバー7を同時に着脱することができ、循環用ファン4及び駆動モータ5のメンテナンス作業を同時に行なうことができる。
【0019】次に、図7は実施の第2形態にかかる軸受支持構造説明図である。この場合の軸受支持構造は、円弧状軸受押え面81が、軸受9の軸心Cを通って熱交換器3の背面30に直角な線Yで区切られる軸受9の外周面半範囲Y1内で軸受9を支持している点は実施の第1形態と同様であるが、更に、この円弧状軸受押え面81が、軸受9の軸心Cを通って吹出口取付面15に直角な線Zで区切られる軸受9の外周面半範囲Z1内で軸受9を支持したものとなっている。従って、この軸受支持構造では、吹出口部材6を吹出口取付面15に沿って矢印N方向に着脱させる場合においても、円弧状軸受押え面81が軸受9に干渉することはない。
【0020】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明(請求項1)の浴室暖房乾燥機にあっては、上記のように構成したため、メンテナンス作業に伴う吹出口部材の着脱に際し、円弧状軸受押え面が軸受に干渉することがないので、吹出口部材を単独で着脱させることができ、わざわざ熱交換器を着脱するといった無駄な作業を排除して吹出口部材の着脱作業を能率よく行なうことができる。
【0021】又、モータカバーを吹出口部材と一体に形成すると(請求項2)、吹出口部材とモータカバーを同時に着脱することができ、循環用ファン及び駆動モータのメンテナンス作業を同時に行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】390002886
【氏名又は名称】株式会社長府製作所
【出願日】 平成11年4月7日(1999.4.7)
【代理人】 【識別番号】100081592
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 義則
【公開番号】 特開2000−292060(P2000−292060A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願平11−99952