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【発明の名称】 縦型攪拌乾燥装置
【発明者】 【氏名】上野 功圭

【氏名】佐藤 澄人

【要約】 【課題】容器1内における処理物の流動状態を制御することによって処理物を確実に所定の乾燥状態にまで乾燥させることが可能な縦型攪拌乾燥装置を提供する。

【解決手段】処理物を収容する容器1と、この容器1内に乾燥ガスを供給するガス供給手段11,12,13と、容器1内に縦方向に配設された軸線O回りに回転可能かつこの軸線O方向に上下にずらされた少なくとも一対の攪拌羽根15…とを備え、これらの攪拌羽根15…のうち下側に位置する攪拌羽根15D…を、攪拌羽根15…の回転方向R側に向かうに従い下向きに傾斜させるとともに、上側に位置する攪拌羽根15B…,15C…は、回転方向R側に向かうに従い上向きに傾斜させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 処理物を収容する容器と、この容器内に乾燥ガスを供給するガス供給手段と、上記容器内に縦方向に配設された軸線回りに回転可能かつこの軸線方向に上下にずらされた少なくとも一対の攪拌羽根とを備え、これらの攪拌羽根のうち下側に位置する攪拌羽根は、該攪拌羽根の回転方向側に向けて下向きに傾斜させられているとともに、上側に位置する攪拌羽根は、上記回転方向側に向けて上向きに傾斜させられていることを特徴とする縦型攪拌乾燥装置。
【請求項2】 上記一対の攪拌羽根の間には、該容器内に横方向に配設された軸線回りに回転可能なチョッパーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の縦型攪拌乾燥装置。
【請求項3】 上記チョッパーは、上記横方向に配設された軸線回りに正転および逆転可能とされていることを特徴とする請求項2に記載の縦型攪拌乾燥装置。
【請求項4】 上記攪拌羽根の外周部には、上記容器の内壁に沿って延びる掻き取り羽根が取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の縦型攪拌乾燥装置。
【請求項5】 上記容器に供給される処理物を分散せしめる分散手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の縦型攪拌乾燥装置。
【請求項6】 上記分散手段は、上記容器内への処理物の供給口を複数の区画に分割するように該供給口に設けられる分断板を備えていることを特徴とする請求項5に記載の縦型攪拌乾燥装置。
【請求項7】 上記分散手段は、上記攪拌羽根と一体に回転させられるカッタを備えており、このカッタは、その回転軌跡が上記容器内への処理物の供給口を横切るように配置されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の縦型攪拌乾燥装置。
【請求項8】 上記容器の上部には、該容器内に供給された乾燥ガスの排気を排出する排気口が設けられており、乾燥させられた上記処理物は上記排気とともにこの排気口から排出されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の縦型攪拌乾燥装置。
【請求項9】 上記容器の上部には、該容器内に供給された乾燥ガスの排気を排出する排気口が設けられており、この排気口は、上記攪拌羽根の回転方向に対向するように開口させられるとともに、上記縦方向に配設された軸線を中心とする円の接線方向に延びるように設けられた排気管に連通させられていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の縦型攪拌乾燥装置。
【請求項10】 上記ガス供給手段は、上記容器の底部内壁に設けられて乾燥ガスを噴出する分散板を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の縦型攪拌乾燥装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦型の容器内に収容された処理物を、回転する攪拌羽根で攪拌しつつ該容器内に供給される乾燥ガスによって乾燥する縦型攪拌乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】凝集性のあるペースト状の処理物や低粘性の処理物、あるいは汚泥などの乾燥には、従来より直熱式回転乾燥機や伝導受熱溝型攪拌乾燥機などが用いられていた。ところが、これらの乾燥機は一般に横型であるため単位処理量当たりの装置の設置面積が大きくなることが避けられず、また駆動部分が多くてメインテナンスの手間や費用がかさみ、さらに乾燥されて粉粒状化した処理物の粒度や水分のばらつきが大きくてその後の工程に支障を来すなどの問題があった。
【0003】そこで、例えば特開平7−63481号公報などに、縦型に配置された円筒状の容器の底部に分散板を設けて容器内に高温の乾燥ガスを供給するとともに、該容器内にはその中心軸に沿って鉛直方向に回転軸を設け、この回転軸に水平に延びる攪拌羽根を取り付けた縦型攪拌乾燥装置が提案されている。しかるに、このような縦型攪拌乾燥装置によれば、まず処理物を収容する容器が縦型であるので装置の設置面積を抑えることができ、また底部の分散板から供給される乾燥ガスにより処理物が吹き上げられて流動しながら乾燥させられるため機械的駆動部分が少なくて済むとともに、こうして流動させられる処理物が、水平方向に回転する攪拌羽根によって攪拌されるとともに該攪拌羽根に衝突して分散させられることにより、乾燥された処理物の粒度や水分にばらつきが生じるのを抑えることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の縦型攪拌乾燥装置では乾燥された処理物の排出口が容器の底部に配置されており、処理物の重量によってこの排出口の開閉が阻害されるのを防ぐため、上記攪拌羽根の断面を三角形状に形成することにより、その上面に仰角の傾斜面、すなわち攪拌羽根の回転方向に向かうに従い下側に向かう傾斜面を形成して、攪拌羽根の回転によって処理物が上向きに押し上げられるようにしている。しかしながら、このように容器の底部から乾燥ガスが噴出させられる乾燥装置において、さらに攪拌羽根の回転により処理物が上向きに押し上げられることになると、乾燥された処理物は勿論のこと、未乾燥の処理物までもが容器の上部にまで舞い上げられてしまい、攪拌羽根による攪拌にも拘わらず処理物を十分に乾燥することができなくなってしまうおそれがあった。
【0005】本発明は、このような背景の下になされたもので、容器内における処理物の流動状態を制御することによって処理物を確実に所定の乾燥状態にまで乾燥させることが可能な縦型攪拌乾燥装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、処理物を収容する容器と、この容器内に乾燥ガスを供給するガス供給手段と、上記容器内に縦方向に配設された軸線(以下、縦軸線と称する。)回りに回転可能かつこの軸線方向に上下にずらされた少なくとも一対の攪拌羽根とを備え、これらの攪拌羽根のうち下側に位置する攪拌羽根を、該攪拌羽根の回転方向側に向かうに従い下向きに傾斜させるとともに、上側に位置する攪拌羽根は、上記回転方向側に向かうに従い上向きに傾斜させたことを特徴とする。従って、このような構成の乾燥装置では、攪拌羽根の回転に伴い処理物は、下側の攪拌羽根によって上向きに舞い上げられるのに対し、上側の攪拌羽根によっては逆に下向きに押し下げられることとなるので、これら一対の攪拌羽根による対流によって処理物の流動を制御し、該一対の攪拌羽根の間で処理物が適当な時間滞留するように調整することができ、その十分な乾燥を図ることができる。
【0007】ところで、このような縦型攪拌乾燥装置に限らず、容器内に供給された乾燥ガスを処理物に直接当てて乾燥する方式の乾燥装置において、その乾燥効率を向上させるには、乾燥によって粉粒状化する処理物をできるだけ細かく分散してその比表面積を大きくし、より多くの乾燥ガスが処理物の表面に当たるようにするのが望ましく、また当該乾燥装置による乾燥工程以降の工程における処理を円滑かつ効率的に行うには、乾燥された処理物の粒径はできるだけ均一であることが望ましい。そこで、このような処理物の均一な細分化を図るには、上記一対の攪拌羽根の間に、該容器内に横方向に配設された軸線(以下、横軸線と称する。)回りに回転可能なチョッパーを設けるのが望ましく、この横軸線回りに回転するチョッパーにより、上記一対の攪拌羽根の間で滞留する処理物に縦方向にも衝撃を与えて一層細かく均一に破砕することができる。なお、より効率的な処理物の粒径の細分化および均一化を図るには、このチョッパーは、上記横軸線回りに正転および逆転可能とされるのが望ましい。一方、上記攪拌羽根の外周部に、上記容器の内壁に沿って延びる掻き取り羽根を取り付けた場合には、この容器の内壁に処理物が付着したりしても、これを攪拌羽根の回転に伴い上記掻き取り羽根によって剥離除去することができる。
【0008】また、処理物のより効率的な細分化を図るには、当該攪拌乾燥装置に、上記容器に供給される処理物を分散せしめる分散手段を備えて、この分散手段により予めある程度分散されて容器内に供給された処理物を、攪拌羽根やチョッパーによってさらに細かく分散させるようにすればよい。ここで、かかる分散手段として、一つには、上記容器内への処理物の供給口を複数の区画に分割する分断板を該供給口に設けるようにすることができ、こうして分断板を通過した処理物は、上記区画に合わせて断面が複数に分断された状態で容器内に供給される。また、他の一つには、上記分散手段として、上記攪拌羽根に取り付けられて一体に回転させられるカッタを備え、このカッタを、その上記縦軸線回りの回転軌跡が、上記容器内への処理物の供給口を横切るように配置することもでき、攪拌羽根の回転に伴ってカッタが供給口を横切る度に処理物を掻き取るようにして分断させることができる。
【0009】さらに、上記従来の乾燥装置では、上述のように乾燥された処理物を容器の底部から抜き出して排出するようにしており、攪拌羽根に仰角の傾斜面を形成しているにも拘わらず、容器内に供給されたばかりの未乾燥の処理物が容器底部に落下してそのまま排出されてしまうおそれがあった。そこで、このような問題を解消するには、上記容器の上部に、該容器内に供給された乾燥ガスの排気を排出する排気口を設け、粉砕されて乾燥させられた上記処理物を上記排気とともにこの排気口から排出するのが望ましく、上側の攪拌羽根を傾斜させるのに合わせてこのような構成を採ることにより、十分に乾燥された処理物のみを確実に排出することが可能となる。また、容器の上部においては、攪拌羽根の回転などによって旋回流が生じることとなるので、乾燥ガスの排気や乾燥した処理物を円滑に排出するには、容器の上部に設けた排気口を、上記攪拌羽根の回転方向に対向するように開口させるとともに、上記縦軸線を中心とする円の接線方向に延びるように設けられた排気管に連通させるのが望ましい。
【0010】さらにまた、容器に乾燥ガスを供給するガス供給手段としては、従来と同様に乾燥ガスを噴出する分散板を容器の底部に設けることにより、この乾燥ガスの吹き上げによって処理物を流動させるとともに、上記一対の攪拌羽根によって処理物を適当に滞留させて、その効率的かつ均一な乾燥を図ることができる。そして、このような底部の分散板に加えて、あるいは単独で、上記ガス供給手段として上記容器の底部側の内壁に設けられて乾燥ガスを噴出する分散板を備えることにより、この容器の底部内壁への処理物の付着などを防止して一層効率的な乾燥を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図6は本発明の第1の実施形態を示すものであって、これらの図において符号1で示すのは、その中心軸線Oを垂直にして基台2に固定された円筒状の容器であり、この容器1の略中央部には第1の処理物の供給口3が、またこの第1の供給口3の上下にはそれぞれ第2、第3の処理物の供給口4,5が設けられている。なお、上記第1、第3の供給口3,5は、上記軸線Oに対する径方向に延びるように容器1に取り付けられた供給管3A,5Aの端部が容器1の内壁に内周側に向けて開口するようにされたものであるのに対し、上記第2の供給口4は、容器1を貫通してその内壁から突き出すように取り付けられた供給管4Aの端部が曲折させられて下向きに開口させられた構成とされている。
【0012】ここで、上記第1の供給口3には、本実施形態における分散手段の一つとして分断板6が取り付けられている。この分断板6は、供給管3Aの上記端部の内部に、該供給管3Aの中心線に平行に、すなわち処理物の供給方向に沿って取り付けられたものであって、特に本実施形態では図5に示すように複数枚の分断板6…が互いに直交するように組み合わされて格子状をなしており、これらの分断板6…によって第1の供給口3は複数の区画に分割されている。
【0013】また、円筒状の容器1の上部は蓋体7によって閉塞されており、この蓋体7は本実施形態では内周側に向かうに従い上方に向けて傾斜する円錐板状に形成されていて、その中央部には円形の覗き窓8が設けられている。なお、容器1には、その円筒状の胴部にも、軸線O方向において上記第2の供給口4と略同じ高さで軸線Oを挟んで第2の供給口4の反対側の位置に円形の覗き窓8が設けられるとともに、これよりも下側には軸線Oに平行に延びる長円状の一対の覗き窓8,8が軸線Oを挟んで互いに対向するように設けられている。また、容器1のこの下側の胴部には、容器1内の各種状態の測定用あるいはサンプリング用の細管9が多数設けられている。
【0014】さらに、容器1の胴部の上端側外壁には排気管10Aが取り付けられており、この排気管10Aの端部が容器1の内壁に開口することによって容器1上部に排気口10が形成されている。ここで、本実施形態ではこの排気管10Aは、その中心線が容器1の上記軸線Oに垂直な平面内に位置して図2に示すように該軸線Oを中心とする円の接線方向に延びるように配設されており、また容器1の外周側に位置するこの排気管10Aの外周面部分が、容器1の外壁に滑らかに接するように接合されている。
【0015】一方、容器1の底部には、多数の円形の噴出孔を穿設してなる分散板11が水平に敷設されるとともに、この分散板11の下には加圧室12が環状に形成されており、さらにこの加圧室12には乾燥ガスの供給管13が連結されていて、これら分散板11、加圧室12、および供給管13によって本実施形態における乾燥ガスの供給手段が構成されている。なお、本実施形態では、上記供給管13は水平方向に幅広な断面長方形状に形成されていて、その幅は容器1の直径よりも若干小さい程度とされており、容器1の中心軸線Oに対する径方向に延びて加圧室12に連結されるように配置されている。また、この加圧室12は、その底面が内周側に向かうに従い上向きに傾斜する円錐板状に形成されていて、この底面から分散板11までの高さが中心軸線O側に向かうに従い漸次小さくなるようにされている。
【0016】さらにこの容器1の底部中央には、上記軸線Oに沿って分散板11から垂直上向きに容器1内に突き出すように回転軸14が設けられており、この回転軸14に多数の攪拌羽根15…が一体回転可能に取り付けられている。ここで、上記回転軸14は、その下端部が上記基台2内にまで突き出されていて、加圧室12の中央の空洞部や基台2に設けられたベアリングやシールを有する支持機構16…により該軸線O回りに回転自在に支持され、さらに基台2上に設けられたモータ等の駆動装置17に連結されて軸線O回りに所定の回転方向(本実施形態では上側から見た平面視に反時計回り方向)Rに回転可能とされている。従って、本実施形態では、この容器1の軸線Oが、攪拌羽根15…の回転軸線となる上記縦軸線となる。なお、容器1の上部の上記排気口10は、回転軸14の上記回転方向Rに対向するように開口させられている。
【0017】本実施形態ではこの回転軸14に、1群につき4枚ずつの上記攪拌羽根15…が4群、軸線O方向に間隔をおいて取り付けられており、従って合計16枚の攪拌羽根15…が設けられている。これらの攪拌羽根15…は、各群内において周方向に等間隔に配設されていて、それぞれその外周端が容器1の内壁に近接した位置に達するように軸線Oに対する半径方向に放射状に延びているとともに、各群同士の間では、軸線O方向に隣接する攪拌羽根15,15同士の位置が周方向に一致するように配設されており、言い換えれば軸線O方向に沿って並んだ4枚の攪拌羽根15…よりなる列が周方向に等間隔に4列設けられた配列とされている。ただし、回転軸14の上端側の第1、第2、第3の3つの群の攪拌羽根15A…,15B…,15C…は軸線O方向に略等しい間隔に配置されているのに対し、下端側の第4の群の攪拌羽根15D…は第3の群の攪拌羽根15C…との間に上記間隔よりも大きな間隔をあけて配置されている。
【0018】これらの攪拌羽根15…のうち、回転軸14の最も上端側に設けられる第1群の攪拌羽根15A…は、長手方向に直交する断面が長円形をなす長方形平板状に形成されていて、軸線O方向において容器1の上記第1の供給口3の下縁部近傍の位置に、その表裏の長方形面を上下方向に向けて軸線Oに対して垂直となるように回転軸14に取り付けられている。さらに、これら第1の攪拌羽根15A…のそれぞれの外周端には、平板状の第1の攪拌羽根15Aに対して垂直に、すなわち軸線Oに平行に延びるように、本実施形態における分散手段の他の一つとしてカッタ18が取り付けられている。このカッタ18は、断面が偏平した二等辺三角形状をなす長板状のものであって、この二等辺三角形の底辺がなす平面部分を外周側に向けてそれぞれ軸線Oからの距離が等しくなるように取り付けられており、この平面部分が軸線O回りになす回転軌跡が容器1の上記第1の供給口3の直ぐ内周側を周方向に横切るように、攪拌羽根15Aの上側に長く、下側に短く突き出されている。
【0019】そして、このように軸線Oに対して垂直に取り付けられた上記第1群の攪拌羽根15A…に対し、その下に配設される第2、第3群の攪拌羽根15B…,15C…は、いずれも第1の攪拌羽根15Aと同様に断面長円形の長方形平板状をなし、その表裏の長方形面を上下方向に向けて回転軸14に取り付けられているものの、第1の攪拌羽根15Aとは異なり、軸線Oに対する径方向外周側から見て上記回転方向R側に向かうに従い上側に向かうように、軸線Oに直交する平面、すなわち水平面に対して僅かに傾けられている。従って、本実施形態ではこれら第2、第3群の攪拌羽根15B…,15C…が、軸線方向に上下にずらされた攪拌羽根のうち上側に位置する攪拌羽根となる。なお、これら第2、第3の攪拌羽根15B,15Cが軸線Oに直交する平面に対してなす傾斜角αは、乾燥すべき処理物の性状や供給量、攪拌羽根15…の枚数や回転軸14の回転速度、あるいは分散板11からの乾燥ガスの噴出速度などにもよるが、10°〜45°の範囲に設定されるのが望ましく、本実施形態では15°に設定されている。
【0020】一方、これに対して、攪拌羽根15…のうち回転軸14の最も下側に取り付けられる第4群の攪拌羽根15D…は、本実施形態において軸線方向に上下にずらされた攪拌羽根のうち下側に位置する攪拌羽根とされるものであって、分散板11の直上に位置するように配設されており、上記第2、第3群の攪拌羽根15B,15Cとは逆に、軸線Oに対する径方向外周側から見て上記回転方向R側に向かうに従い下側に向かうように傾けられている。なお、この第4の攪拌羽根15Dの軸線Oに直交する平面に対する傾斜角βは、10°〜45°の範囲に設定されるのが望ましく、本実施形態では35°に設定されている。ただし、この傾斜角βは、その大きさが上記傾斜角αよりも大きく設定されるのが望ましい。また、この第4群の攪拌羽根15Dの断面形状は、その回転方向Rの後方側の部分が他の攪拌羽根15A〜15Cと同様に長円状に形成される一方、回転方向R側の部分は、その下側が水平面によって切り欠かれるように形成されることにより、鋭角のエッジ状に形成されている。
【0021】また、本実施形態では、大きな間隔をあけられた上記第3群の攪拌羽根15C…と第4群の攪拌羽根15D…との間に、容器1内に横方向に延びるように配設された横軸線Lの回りに回転可能なチョッパー19が設けられている。ここで、本実施形態では、容器1の外壁部にモータ等の駆動装置20が取り付けられるとともに、この駆動装置20の回転軸21が容器1の壁部を貫通して上記軸線Oに対する径方向内周側に容器1内に突き出されており、チョッパー19はこの回転軸21に取り付けられて回転可能とされている。従って、本実施形態では、この回転軸21の中心軸線が上記横軸線Lとされ、この横軸線Lは、縦軸線とされる上記軸線Oに対して直交する方向に配設されることとなる。ただし、この回転軸21は上記回転軸14にまで達することはなく、容器1の内径の約1/4程度の突き出し量とされていて、両回転軸14,21の回転が互いに干渉するのを避けるのに十分なクリアランスが確保されている。
【0022】本実施形態のチョッパー19は、図6に示すように円環状の取付部22の外周に、互いに反対向きに延びるように一対の羽根部23,23が一体に形成された平板状をなしており、上記取付部22の内周はキー溝付きの取付孔24とされて、この取付孔24を回転軸21にキー嵌合させることにより上記横軸線Lに対して垂直に取り付けられ、回転軸21の回転に伴いこの図6に符号T1で示す正転方向に回転軸21と一体に横軸線L回りに回転される。ここで、上記羽根部23,23は横軸線Lに対して回転対称とされて、それぞれ外周側に向かうに従い幅狭となる台形状に形成され、その上記正転方向T1側を向く側縁23Aは、外周側を向く側縁23Bに鈍角に交差して取付部22の外周に滑らかに接するように延びる一方、正転方向T1とは反対向きの逆転方向T2側を向く側縁23Cは、上記側縁23Bに直交するとともに取付部22の外周に凹曲部23Dを介して接するように延びていて、反対側の側縁23Aに比べて正転方向T1側に凹むように形成されており、これによりチョッパー19は上記横軸線Lに沿って容器1の内周側から見た場合に図6に示すように緩やかに湾曲する概略S字型をなすように形成されている。なお、このチョッパー19の横軸線L回りの回転直径は、上記軸線O回りの攪拌羽根15…の回転直径よりも小さくされている。
【0023】本実施形態では、このような形状の同寸法のチョッパー19が4枚、回転軸21に上記横軸線L方向に等間隔に取り付けられている。ただし、横軸線L方向に隣り合うチョッパー19,19は、該横軸線L回りの周方向に90°ずつずらされて取り付けられており、従って回転軸21の外周には、横軸線L方向に並んだ2枚の羽根部23,23よりなる列が4列、周方向に等間隔かつ容器1の内周側と外周側とに交互にずらされて配設されることとなる。なお、これらのチョッパー19…の羽根部23…が横軸線L回りになす回転軌跡と、上記第3、第4群の攪拌羽根15C…,15D…が軸線O回りになす回転軌跡との間や容器1の内壁との間には、やはりチョッパー19…の羽根部23…の回転や攪拌羽根15C…,15D…の回転に干渉を生じることのないように十分なクリアランスが確保されている。
【0024】このように構成された縦型攪拌乾燥装置において、処理物は、供給管3Aを通して上記第1の供給口3から容器1内に供給されて収容され、供給管13から加圧室12を介して分散板11より噴出させられる乾燥ガスによって流動させられるとともに、軸線O回りに回転する攪拌羽根15…によって攪拌され、さらに横軸線L回りに回転するチョッパー19…の羽根部23…によってより細かく分散させられる。なお、上記第2、第3の供給口4,5は、処理物の供給量や性状に合わせて適宜使用され、通常は閉塞されている。また、上記乾燥ガスとしては、ヒータや熱交換器等の加熱手段によって加熱されるとともにブロア等の加圧手段によって加圧された高温高圧の空気などが供給管13に供給される。そして、容器1内で乾燥させられた処理物は、乾燥ガスの排気とともに容器1上部の排気口10から排気管10Aを通して排出される。
【0025】しかして、上記構成の縦型攪拌乾燥装置においては、上記攪拌羽根15…のうち、回転軸14の軸線O方向上側に位置する第2、第3群の攪拌羽根15B…,15C…が上記回転方向R側に向かうに従い上向きに傾斜しているのに対し、軸線O方向下側の分散板11の直上に配置される第4群の攪拌羽根15D…は逆に回転方向R側に向けて下向きに傾斜しており、これら第2、第3群の攪拌羽根15B…,15C…と第4群の攪拌羽根15D…との間には、攪拌羽根15B…,15C…の回転によって下向きの乾燥ガスの流れが形成されるとともに、攪拌羽根15D…の回転と分散板11からの噴出とによって上向きの乾燥ガスの流れが形成され、すなわち第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dの間で乾燥ガスの対流が形成されることとなる。
【0026】このため、この乾燥ガスの流れによる対流により、容器1に供給された処理物をこれら第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dの間で滞留させつつ流動させることが可能となり、しかも、例えばこれら攪拌羽根15B〜15Dの上記傾斜角α,βや大きさ、形状、枚数、あるいは回転軸14の回転速度や分散板11からの乾燥ガスの噴出量等を適当に設定することにより、この第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dの間における処理物の流動状態を処理物の性状や供給量などに応じて制御することができる。従って、上記構成の乾燥装置によれば、このように容器1内における処理物の流動状態を制御することにより、処理物が上記第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dの間に滞留する時間をその乾燥に十分な時間に調整することができ、確実かつ効率的な乾燥を図ることが可能となる。
【0027】ここで、本実施形態では、上記第2、第3群の攪拌羽根15B,15Cの軸線Oに直交する平面、すなわち水平面に対する傾斜角αを10°〜45°の範囲とするとともに、第4群の攪拌羽根15Dの傾斜角βも10°〜45°の範囲とし、しかも傾斜角αよりも傾斜角βの方が大きくなるようにしているが、これは、傾斜角α,βが上記範囲よりも小さいと乾燥ガスを流れを下向きまたは上向きにする効果が小さくなりすぎる一方、逆に傾斜角α,βが上記範囲よりも大きいと攪拌羽根15B〜15Dの回転によって処理物の流動状態に著しい乱れが生じるとともに、回転軸14の回転に大きな駆動力を要するおそれがあるからである。また、傾斜角βを傾斜角αよりも大きくしているのは、第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dの間で処理物が必要以上に滞留するのを防ぐためであり、すなわち、攪拌羽根15B〜15Dの枚数や形状あるいは乾燥ガスの噴出量等にもよるが、傾斜角βが傾斜角αよりも小さいと、下向きの流れが強くなりすぎて容器1の底部側に処理物が滞留しすぎてしまうおそれがある。
【0028】なお、第1〜第3群の攪拌羽根15A〜15Cは断面長円状をなしているため、該攪拌羽根15A〜15Cの回転によって処理物に確実に衝撃を与えてその分散を促すことができるとともに、特に第2、第3群の攪拌羽根15B,15Cにおいては、例えばこれを断面方形とした場合などに比べて、その回転方向R側の縁部においても確実に下向きの流れを形成することができる。一方、第4群の攪拌羽根15Dは、その回転方向R側の端部が下面が水平とされた鋭角のエッジ状とされているので、その直下の分散板11上に処理物が付着したりした場合でも、これを速やかに剥離して除去することができるという利点を有する。
【0029】ただし、本実施形態ではこのような断面形状に攪拌羽根15…を形成しているが、上述のように処理物の滞留を生じさせる上記少なくとも一対の攪拌羽根としては、ある程度の幅を有する板状の部材を傾斜させて回転軸14に取り付けるようにすればよく、また場合によっては上記従来の乾燥装置の攪拌羽根のように、断面三角形に形成された攪拌羽根をその傾斜面が回転方向R側に向けて上側および下側に傾斜するように配置したようなものであってもよい。また、本実施形態では1群につき4枚ずつの攪拌羽根15…を4群、軸線O方向に隣接する攪拌羽根15,15同士の位置が周方向に一致するように、かつこうして形成された軸線O方向に並ぶ攪拌羽根15…の列が周方向に等間隔となるように配設されているが、各群における攪拌羽根15…の枚数は2枚や3枚でも、また5枚以上でもよく、場合によっては1枚でもよい。また、各群同士で異なる枚数であってもよく、軸線O方向に隣接する攪拌羽根15,15同士の周方向の位置が位相違いになっていてもよく、さらに攪拌羽根15…の列が周方向に異なる間隔であったり、螺旋状に配列されていたりしてもよい。
【0030】さらに本実施形態では、上述のように下向きの流れを生じる第2、第3群の攪拌羽根15B…,15C…と上向きの流れを生じる第4群の攪拌羽根15D…との間に上記チョッパー19が配設されている。このため、これらの攪拌羽根15B〜15Dの間で滞留する処理物は、攪拌羽根15…によって攪拌されるとともに、縦方向に延びる軸線O回りに回転するこの攪拌羽根15…に衝突することによって水平方向に衝撃を受けて分散させられるのに加え、横方向に延びる横軸線L回りに回転する上記チョッパー19…の羽根部23…に衝突することにより縦方向にも衝撃を受けて分散させられ、すなわち異なる方向から衝撃を受けてより細かく分断、破砕して分散させられる。従って、本実施形態によれば、こうして細分化されることにより処理物の比表面積を増大させて高い乾燥効率を得ることができるとともに、乾燥して粉粒状化した処理物の粒径を均一化させることができ、その後の工程での処理物の取り扱いを容易にして効率的な処理を図ることが可能となる。
【0031】しかも、本実施形態では、このチョッパー19…が平板状に形成されていて、その回転軸線となる上記横軸線Lに対して羽根部23,23が垂直となるように回転軸21に取り付けられており、例えば上記第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dのように羽根が回転軸線に対して傾斜している場合に比べ、チョッパー19の回転によって処理物の流動が横軸線L方向に偏ったりして容器1内における流動状態に乱れが生じるような事態を避けることができる。従って、本実施形態によれば、このような流動状態の乱れによって処理物の乾燥状態や粒径に偏りが生じたりするのも防ぐことができ、より確実に処理物の乾燥効率の向上や粒径の均一化を促すことが可能となる。なお、本実施形態ではチョッパー19をS字型の平板状に形成しているが、例えば上記第1群の攪拌羽根15Aのような単なる長方形平板など、他の種々の形状の平板状のチョッパーを横軸線Lに垂直に回転軸21に取り付けるようにしてもよく、場合によっては軸状の部材やピアノ線のような可撓性を有する線材を回転軸21に取り付けてチョッパーとしたりしてもよい。また、異なる形状や長さのチョッパーを回転軸21に取り付けるようにしてもよい。
【0032】また、本実施形態では図3、図4、および図6に示すように、攪拌羽根15…が平面視に反時計回り方向の回転方向Rに回転する場合に、上記チョッパー19が容器1の内周側から見てやはり反時計回り方向の正転方向T1に回転するように設定されており、従って上記横軸線Lよりも容器1の下側においてチョッパー19は、その下方の第4群の攪拌羽根15D…の回転方向Rに対向する向きに回転することとなる。このため、本実施形態では、上述したように傾斜したこの第4群の攪拌羽根15D…の回転と分散板11からの噴出とによって上向きの乾燥ガスの流れが生じ、この流れと後述する攪拌羽根15…の回転による旋回流とによって処理物が回転方向R側に向けて吹き上げられた際に、この吹き上げ方向に対向してチョッパー19が回転して処理物に衝突することとなるので、より大きな衝撃を処理物に与えることが可能となり、一層効率的な処理物の細分化およびその粒径の均一化を図ることができる。しかも、このとき処理物に衝突するのは図6に示すようにチョッパー19の上記横軸線Lを中心とする径方向に対して大きく傾斜したナイフエッジ状の側縁23Aであるので、鋭い切れ味で処理物を分断、破砕できるとともに、チョッパー19に処理物が付着したりするのも防ぐことができる。
【0033】ところで、本実施形態では、このようにチョッパー19の回転方向を図6に示す正転方向T1としているが、上記駆動装置20による回転軸21の回転を逆転させることにより、チョッパー19を図6に示す逆転方向T2に回転させて処理物の破砕を行うようにしてもよい。この場合には、上記の場合とは逆に横軸線Lの上側において、第2、第3群の攪拌羽根15B…,15C…による上記下向きの乾燥ガスの流れと攪拌羽根15…による旋回流とによる処理物の流動に対向してチョッパー19が回転するため、やはり処理物に大きな衝撃を与えることが可能となる。また、本実施形態のチョッパー19は、上述のように緩やかに湾曲したS字型の平板状をなしていて、このチョッパー19を逆転方向T2に回転させた際に羽根部23の逆転方向T2側を向いて処理物に衝突する側縁23Cが正転方向T1側に凹んでいて、反対側の側縁23Aなどと比べて横軸線Lに対する径方向に沿うように延びており、このため側縁23Cを処理物に一気に衝突させて確実に分散させることができる一方、反対側の側縁23Aは取付部22の外周に滑らかに接しているので、羽根部23の根本側においてその幅を大きくして十分な強度を確保することが可能となる。
【0034】さらに、本実施形態では、攪拌羽根15…の回転軸線となる上記縦軸線が容器1の中心軸線Oに一致させられて鉛直方向に配設されるとともに、チョッパー19の回転軸線となる横軸線Lがこの軸線Oに直交する方向に延びるように水平に配設されているが、これらの軸線O,Lが厳密に鉛直あるいは水平に配設されていなくてもよく、例えば横軸線Lは水平面に対して僅かに傾斜して配設されていてもよい。また、回転軸14,21についても、必ずしも上記軸線O,Lに沿った直柱状とされる必要はなく、例えば該軸線O,Lの周りに捩れる螺旋状のものであってもよい。要するに、攪拌羽根15…は容器1内に縦方向に配設された軸線の回りに回転可能であり、チョッパー19は横方向に配設された軸線の回りに回転可能であればよい。
【0035】なお、このチョッパー19の回転数、すなわち上記駆動装置20による回転軸21の回転数は、この駆動装置20への動力供給を変動させたりすることによって適宜調整可能であるが、処理物の攪拌乾燥時には、攪拌羽根15…の回転数、すなわち上記駆動装置17による回転軸14の回転数よりも高い状態が維持されるのが望ましい。これは、本実施形態のように円筒状の容器1をその軸線Oが縦方向に延びるように設置した縦型攪拌乾燥装置において、攪拌羽根15…の長さをその外周端が容器1の内壁に近接した位置に達するように設定すると、この容器1内に横軸線L回りに回転可能にチョッパー19を配設するには、該チョッパー19の回転直径は上述のように攪拌羽根15の回転直径よりも小さくせざるを得ず、そのような場合には、例えば回転軸14,21の回転数が同じでもチョッパー19の羽根部23の回転速度は攪拌羽根15の外周部における回転速度よりも小さくなるため、チョッパー19の回転数をより大きくしなければ、処理物を効果的に分散させるに十分な衝撃を与えることができなくなるおそれが生じるからである。
【0036】一方、本実施形態の縦型攪拌乾燥装置には、容器1内に供給される処理物を予めある程度分散せしめる分散手段が備えられており、例えば粘性の高い処理物をそのまま塊状で容器1内に投入して攪拌羽根15…やチョッパー19…で分散させるのに比べ、処理物を一層効率的に細分して乾燥させることができる。すなわち、本実施形態では、まず容器1内への処理物の第1の供給口3に、この供給口3を複数の区画に分割するように格子状に組み合わされた分断板6…が取り付けられており、従ってこの分断板6…を通過した処理物は、上記区画に合わせてその断面が予め格子状に分断された状態で供給口3から容器1内に供給されることとなる。
【0037】しかも、この第1の供給口3の直ぐ内周側には、上記第1群の攪拌羽根15A…の外周部に一体に回転可能に取り付けられたカッタ18の回転軌跡が、該供給口3を横切って通過するように配設されており、従って上述のように格子状に分断されて供給された処理物は、攪拌羽根15A…の回転に伴ってカッタ18が供給口3を横切るごとに掻き取られるようにして分断され、結果的に賽の目状になって容器1内に投入されるため、本実施形態によれば、一層効率的な乾燥と粉粒状化した処理物の粒径の均一化を図ることができる。なお、本実施形態では処理物の供給方向に沿うように配設された分断板6…を格子状に組み合わせているが、例えば1または複数枚の分断板6を供給口3に水平あるいは垂直に並べて配置したり、複数の分断板6を放射状に配置したりしてもよく、また処理物の性状などによっては、例えば多数の穴があけられた板を分断板として供給口3に取り付けたり、金属線等を網目状に組んで分断板としたりしてもよい。
【0038】また一方、本実施形態では、容器1の上部に設けられた排気口10が乾燥された処理物の排出口も兼ねており、乾燥された処理物は通常はこの排気口10からのみ排出可能とされている。従って、容器1内に収容された処理物は、容器の底部に排出口が設けられた上記従来の縦型攪拌乾燥装置のように分散されない未乾燥まま排出されるようなことはなく、乾燥ガスの排気とともに排出可能な程度にまで上記第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dの間で滞留して乾燥させられ、かつこれら攪拌羽根15…やチョッパー19…によって破砕されて細分化されてからでなければ排出されないので、本実施形態によれば、乾燥状態に偏りが無く十分に乾燥され、しかも細かく粉砕されて粒径の揃った処理物のみを、特別な分別手段などを要することなく抜き出すことが可能となり、その後の工程における処理物の取り扱いを一層容易とすることができる。
【0039】なお、この排気口10から排出される処理物の乾燥状態や粒径は、上述のようにして容器内の処理物の流動状態を適当に制御することにより、所定の範囲や分布に適宜調整することが可能である。また、供給された処理物が分散させられて滞留する容器1の下部と、上記排気口10が設けられる容器1の上部との間には、ある程度乾燥させられるとともに破砕されて細かな粒子となった処理物が浮遊しながら流動するフリーボード部が形成されるので、例えばこのフリーボード部が形成される部分において容器1の直径を下部よりも大きくすることにより容器1内の空塔速度を小さくして整流したり、あるいは逆にこのフリーボード部にオリフィス板を設置して局所的に空塔速度を大きくしたりすることにより、容器1内における分級性能を変化させて、排出される処理物の乾燥状態や粒径分布を調整することも可能である。
【0040】さらにまた、本実施形態のような攪拌羽根15…を備えた縦型攪拌乾燥装置では、上記乾燥ガス供給手段によって分散板11から上向きに噴出された乾燥ガスは、容器1内を上述のように対流しつつ上昇するのに伴い攪拌羽根15…の回転によってその回転方向Rに回転する旋回流となることが確認されているが、これに対して本実施形態では、容器1の上部に設けられた排気口10が攪拌羽根15…の回転方向Rに対向するように開口させられ、かつこの排気口10に連通する排気管10Aが、攪拌羽根15…の回転軸線となる容器1の軸線Oを中心とする円の上記回転方向R側に延びる接線方向に配設されている。すなわち、本実施形態では、上記乾燥ガスによって形成される旋回流の向きに対向して排気口10が開口し、しかもこの排気口10から排出される乾燥ガスの流れの向きに沿って排気管10Aが配設されているので、容器1の上部に達した旋回流をなす乾燥ガスを、この旋回流を乱すことなく、また該旋回流に逆らわずに円滑に排出することができ、従って乾燥された処理物も、容器1の上部に滞留したりすることなく、この乾燥ガスとともに確実かつ効率的に排出させることが可能となる。
【0041】次に、図7および図8は本発明の第2の実施形態を示すものであり、上記第1の実施形態と共通する構成要素には同一の符号を配して説明を省略する。本実施形態では、上記分散板11に加えて容器1の底部の内壁に多数の噴出孔があけられた第2の分散板31が設けられており、この分散板31の外周には環状に加圧室32が形成されるとともに、この加圧室32には上記供給管13とは別の乾燥ガスの供給管33が連結されている。ここで、この供給管33は、上記供給管13よりも幅の小さい長方形断面に形成されたものであって、図8に示すように供給管13と同じ側から水平に延びて容器1の外壁に接し、ここから上記回転方向R側に向けて湾曲しつつその幅が漸減して、略半周で容器1の外壁に巻き込まれるように接合されており、この半周の部分でその内周部が上記チョッパー19を避けて加圧室32に連通させられている。
【0042】また、上記分散板31は、軸線O方向において略上記第3群の攪拌羽根15Cの位置における容器1の内壁から分散板11にかけて、内周側に向かうに従い容器1の底側に向けて傾斜するように、円錐台壁面状あるいはすり鉢状に形成されたものであって、水平な上記分散板11に対する傾斜部をなしており、この分散板31と分散板11と容器1の内壁とによって囲まれた断面直角三角形状の部分が上記加圧室32とされている。なお、このように第2の分散板31が設けられることにより、本実施形態では上記第4群の攪拌羽根15D…は、その長さが第1の実施形態の半分程度に短くされている。
【0043】さらに、本実施形態においても上記第3群の攪拌羽根15Cと第4群の攪拌羽根15Dとの間には、横軸線L回りに回転可能なチョッパー19…が配設されている。ただし、第1の実施形態と同様にチョッパー19を配設しただけであると、このチョッパー19やその回転軸21が上記分散板31に干渉することになるので、本実施形態では、このチョッパー19が配設される位置において分散板31に外周側に凹む凹所34が形成されている。すなわち、この凹所34は、チョッパー19…の下側に水平に配置された扇状の底面34Aと、この底面34Aの両側縁から上向きに延びる一対の側壁34B,34Bと、容器1の内壁とによって画成されたものであって、これら底面34Aおよび側壁34B,34Bは、その内周側が上記分散板31に、外周側が容器1の内壁にそれぞれ接合されているとともに、チョッパー19…の横軸線L回りの回転軌跡に対して干渉しない程度のクリアランスが確保されており、本実施形態では4つのチョッパー19…のうち外周側の2つが、この凹所34内に収容されて回転可能とされている。さらに、この凹所34の少なくとも上記底面34Aには、分散板11,31と同様に多数の円形の噴出孔が形成されている。
【0044】しかして、このように構成された第2の実施形態の縦型攪拌乾燥装置においては、まず容器1内の底部の内壁にも分散板31が備えられて乾燥ガスが噴出させられるので、容器1内に収容されて流動する処理物がこの容器1の底部内壁に付着したりするのを防ぐことができ、より効率的な攪拌乾燥を図ることができる。しかも、本実施形態では分散板31が内周側に向けて容器1の底側に傾斜しているとともに、供給管33が攪拌羽根15…の回転方向Rに沿って乾燥ガスを吹き込むように加圧室32に接続されているので、乾燥ガスは分散板31から容器1の内周側かつ上記回転方向R側に向けて噴出させられることとなり、容器1内における処理物の分散、流動を一層活発にしてさらに効率的な乾燥を行うことができるとともに、乾燥ガスによる上記旋回流を安定させて乾燥した処理物のより確実な排出を促すことができる。
【0045】また、本実施形態ではこのように傾斜した分散板31を配設するに際して、上記凹所34を設けてチョッパー19の回転に干渉しないように図られており、上述のような効果を奏しつつもチョッパー19によって確実に処理物を粉砕して細分化することが可能となる。しかも、このように凹所34を設けた場合、その底面34には分散して流動する粉粒状の処理物が堆積してしまいがちであるが、本実施形態ではこの凹所の底面34Aにも多数の噴出孔が形成されて分散板の一部を構成しているので、このような処理物の堆積が生じるようなことはなく、かかる堆積した処理物によってチョッパー19の回転に支障を来すような事態を避けることができる。
【0046】なお、この第2の実施形態では、容器1の底部内壁に傾斜した分散板31を設置しているが、例えばこの底部において容器1を外周側に凸となるように形成して加圧室を形成するとともに、この加圧室と容器1内部との間に、円筒状の容器1の内壁に沿って上記分散板11に達する円筒壁面状の分散板を設けて、上述のような傾斜部を備えない構成としたり、あるいはこのような分散板の底部のみを内周側に傾斜させてかかる傾斜部を形成するようにしてもよい。また、本実施形態では上記傾斜部を構成する分散板31が、図示のように一定の傾斜角で内周側に向かうに従い容器1の底側に向かうように傾斜しているが、例えばこれを、その断面が凹曲あるいは凸曲したり、多段に折れ曲がったりするようにして、傾斜角が変化するようにしてもよい。
【0047】さらに、図9および図10は、それぞれ本発明の第3および第4の実施形態を示すものであり、第1、第2の実施形態と共通する要素にはやはり同一の符号を配してある。これら第3、第4の実施形態では、第1、第2の実施形態のように容器1の内壁から突出する横軸線L回りに回転可能なチョッパー19が設けられておらず、その代わりに、第3の実施形態では上記第2群の攪拌羽根15Bから第4群の攪拌羽根15Dにかけて、また第4の実施形態では第3群の攪拌羽根15Cから第4群の攪拌羽根15Dにかけて、軸線O方向に沿って並んだ上記列内における攪拌羽根15…同士の外周部に、該攪拌羽根15…を連結するようにそれぞれ容器1の内壁に沿って延びる掻き取り羽根41,42が取り付けられた構成とされている。
【0048】ここで、図9に示す第3の実施形態は、第1の実施形態と同様に円筒状の容器1の底部に水平な分散板11だけが配置された乾燥装置に上記構成を適用したものであり、上記掻き取り羽根41は軸線Oに平行かつ該軸線O方向に延びる長方形平板状をなしていて、軸線O方向に並ぶ上記列の第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dの外周部にその長方形面を回転方向Rに向けてそれぞれ一体に接合されて取り付けられており、これにより回転軸14を挟んで互いに反対側に位置する一対ずつの第2〜第4の攪拌羽根15B〜15Dおよび掻き取り羽根41は、図9に示すように回転軸14を中心とした窓枠状を呈することとなる。また、図10に示す第4の実施形態は、第2の実施形態と同様に上記分散板11に加えて容器1の底部内壁に傾斜部をなす円錐台壁面状あるいはすり鉢状の分散板31が設けられた乾燥装置に上記構成を適用したものであって、上記掻き取り羽根42は、この傾斜した分散板31の内壁に沿って容器1の底側に向かうに従い内周側に向かうように傾斜しており、これにより回転軸14を挟んで互いに反対側に位置する一対ずつの第3、第4の攪拌羽根および掻き取り羽根42は、図10に示すように倒立した等脚台形状あるいは碇型を呈することとなる。
【0049】このように構成された第3、第4の実施形態によれば、容器1の内壁や上記分散板31などに処理物が付着したりしても、これを軸線O回りに回転する攪拌羽根15…の外周部に取り付けられて一体に回転する上記掻き取り羽根41…,42…によって掻き取るようにして剥離除去することができ、かかる付着した処理物によって正常な流動が妨げられたり分散板31が目詰まりを起こしたりするような事態を防止して、より安定した攪拌乾燥を促すことが可能となる。なお、上記第3の実施形態では、長方形平板状をなす掻き取り羽根41がその長方形面を回転方向R側に向けて取り付けられているが、例えばこれを、回転方向R側に向かうに従い容器1の外周側に向かうように傾斜させるとともに、上記第4群の攪拌羽根15Dと同じようにその回転方向R側の端部を鋭角のエッジ状としたり、あるいは上記カッタ18と同じように軸線Oに直交する断面が回転方向R側に端部がエッジ状となる三角形に形成したりすれば、一層確実に付着物の剥離を図ることが可能となる。
【0050】また、上記第3、第4の実施形態では、第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dや第3、第4群の攪拌羽根15C…,15D…の外周部を連結するように掻き取り羽根41…,42…が取り付けられており、これによって該掻き取り羽根41…,42…の取付強度の確保を図ることができるという利点を得ているが、例えばこれら第2〜第4群の攪拌羽根15B〜15Dや第3、第4群の攪拌羽根15C…,15D…の外周部にそれぞれ個別に掻き取り羽根41,42を取り付けるようにしてもよく、この場合、第3、第4群の攪拌羽根15C,15Dの外周部に取り付けられる掻き取り羽根41,41や掻き取り羽根42,42の間に適当な間隔をあけることにより、これら第3、第4群の攪拌羽根15C,15Dの間に上記チョッパー19を設けたままとすることができる。一方、逆に、これらの掻き取り羽根41,42を、第1群の攪拌羽根15Aの外周部に設けられる上記カッタ18から連続するように取り付けてもよく、さらには軸線O回りに捩れる螺旋状に形成するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、回転方向に向けて下向きに傾斜する下側に配置された攪拌羽根と、上向きに傾斜する上側に配置された攪拌羽根との間で、処理物の流動状態を制御してその滞留時間を適当に調整することができ、処理物を確実かつ効率的に所定の乾燥状態まで乾燥させることが可能となる。また、これら一対の攪拌羽根の間に横軸線回りに回転可能なチョッパーを設けることにより、滞留する処理物を細分化して一層効率的な乾燥および処理物の粒径の均一化を図ることができる。さらに、上記攪拌羽根の外周部に掻き取り羽根を取り付ければ、容器内壁に付着する処理物を剥離除去して安定した攪拌乾燥を促すことができる。
【0052】一方、容器内への処理物の供給口を複数の区画に分割する分断板を設けたり、攪拌羽根と一体に回転させられるカッタの縦軸線回りの回転軌跡を上記供給口を横切るように配置したりして、容器に供給される処理物を分散せしめる分散手段を設けることにより、この分散手段によって予めある程度分散された処理物を攪拌羽根やチョッパーでさらに細かくすることができるので、一層効率的な処理物の細分化を図ることができる。
【0053】また、容器の上部に、該容器内に供給された乾燥ガスの排気を排出する排気口を設け、粉砕されて乾燥させられた処理物を上記排気とともにこの排気口から排出するようにすれば、十分に乾燥され、かつ細分化されて粒径の揃った処理物のみを確実に排出することが可能となる。しかも、このとき上記排気口を上記攪拌羽根の回転方向に対向するように開口させるとともに、上記縦軸線を中心とする円の接線方向に延びるように設けられた排気管に連通させるようにすれば、攪拌羽根の回転等によって形成される旋回流を乱すことなく円滑に排気や処理物を排出することが可能となる。さらに、容器に乾燥ガスを供給するガス供給手段において、容器の底部側の内壁にも乾燥ガスを噴出する分散板を備えることにより、この容器の底部内壁への処理物の付着などを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000165273
【氏名又は名称】月島機械株式会社
【出願日】 平成10年12月8日(1998.12.8)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外9名)
【公開番号】 特開2000−171155(P2000−171155A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−349186