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【発明の名称】 穀粒乾燥機の水分測定装置
【発明者】 【氏名】永井 隆

【氏名】二宮 伸治

【氏名】近本 正幸

【要約】 【課題】張込作業の循環運転から乾燥作業の乾燥運転へ移行したときに、穀粒水分値の測定、及び表示を早くすると共に、測定粒数の無駄を少くしようとするものである。

【解決手段】張込・排出始動手段を操作して、張込作業の循環運転から乾燥始動手段を操作して、乾燥作業の乾燥運転へ移行するときに、水分センサ2で水分測定中のときは、測定を継続させて乾燥運転開始時の一回目の穀粒水分値として表示させる。又、測定中でないときには、表示した水分値をクリアして、乾燥運転開始と同時に再測定させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀粒を乾燥する穀粒乾燥室8と、穀粒の水分値を測定する水分センサ2と、測定穀粒水分値を表示する表示手段38と、穀粒を循環させながら機体4内へ穀粒を張込する張込作業と該機体4内の穀粒を機外へ排出する排出作業との両者の循環運転を開始操作する張込・排出始動手段31と、穀粒を乾燥する乾燥作業の乾燥運転を開始操作する乾燥始動手段32とを設けた穀粒乾燥機において、該張込作業の該循環運転から該乾燥作業の該乾燥運転へ移行するときに該水分センサ2で穀粒水分測定中のときには、測定を継続して該乾燥運転開始時の一回目の測定穀粒水分値として該表示手段38へ表示させ、測定中でなければ該表示手段38へ表示された測定穀粒水分値をクリアして該乾燥運転開始と同時に再度測定を開始すべく制御する制御装置39を設けたことを特徴とする穀粒乾燥機の水分測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、張込・排出始動手段を始動操作して、機体内へ穀粒を張込する張込作業の循環運転から乾燥始動手段を始動操作して、穀粒を乾燥する乾燥作業の乾燥運転へ移行するときに、穀粒水分値を測定する水分センサで穀粒水分測定中のときには、測定を継続させて乾燥運転開始時の一回目の測定穀粒水分値として表示手段へ表示させ、又、測定中でなければ該表示手段へ表示された測定穀粒水分値をクリアして、乾燥運転開始と同時に再測定を開始する技術であり、穀粒乾燥機の水分測定装置として利用できる。
【0002】
【従来の技術】張込・排出始動手段を始動操作して、穀粒乾燥機の機体内へ穀粒を張込する張込作業の循環運転が終了して、この循環運転から乾燥始動手段を始動操作して、穀粒を乾燥する乾燥作業の乾燥運転へ移行操作したときに、水分センサで穀粒水分値を測定中、又は測定中でないときでも、この循環運転中に測定して、表示手段へ表示された測定穀粒水分値をクリアして、乾燥運転開始と同時に再度測定を開始して得ている測定穀粒水分値を該表示手段へ表示すると共に、この測定穀粒水分値を乾燥開始時の穀粒水分値とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】張込作業の循環運転から乾燥作業の乾燥運転へ移行すると、この循環運転中に測定した穀粒水分値は、クリアされて再度測定が開始されることにより、乾燥運転開始から穀粒水分表示まで時間を要すると共に、測定粒数を無駄にすることがあったが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このために、この発明は、穀粒を乾燥する穀粒乾燥室8と、穀粒の水分値を測定する水分センサ2と、測定穀粒水分値を表示する表示手段38と、穀粒を循環させながら機体4内へ穀粒を張込する張込作業と該機体4内の穀粒を機外へ排出する排出作業との両者の循環運転を開始操作する張込・排出始動手段31と、穀粒を乾燥する乾燥作業の乾燥運転を開始操作する乾燥始動手段32とを設けた穀粒乾燥機において、該張込作業の該循環運転から該乾燥作業の該乾燥運転へ移行するときに該水分センサ2で穀粒水分測定中のときには、測定を継続して該乾燥運転開始時の一回目の測定穀粒水分値として該表示手段38へ表示させ、測定中でなければ該表示手段38へ表示された測定穀粒水分値をクリアして該乾燥運転開始と同時に再度測定を開始すべく制御する制御装置39を設けたことを特徴とする穀粒乾燥機の水分測定装置の構成とする。
【0005】
【発明の作用】張込・排出始動手段31を始動操作して、穀粒乾燥機の機体4内へ穀粒を張込する張込作業の循環運転が終了して、この循環運転から乾燥始動手段32を始動操作して、穀粒を乾燥する乾燥作業の乾燥運転へ移行操作したときに、水分センサ2が穀粒水分値を測定中のときには、測定が継続されて、乾燥運転開始のときの一回目の測定穀粒水分値として、表示手段38へ表示する。
【0006】又、測定中でなければ、前記表示手段38へ表示した循環運転中の測定穀粒水分値をクリアして、乾燥運転開始と同時に再度測定を開始して、測定した測定穀粒水分値を該表示手段38へ表示する。
【0007】
【発明の効果】張込作業の循環運転から乾燥作業の乾燥運転への連続した運転移行において、運転の切り換わり時に適切な水分測定とすることができる。又、測定中であればそのまま継続させることにより、早く水分値測定、及び表示ができると共に、測定穀粒を無駄にすることがなくなる。測定中でなければ、循環運転中の前回の表示値をクリアして、乾燥開始のときの新規に測定する測定穀粒水分値を現在の測定穀粒水分値とすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図例は、穀粒を乾燥する循環型の穀粒乾燥機1に穀粒の水分を検出する水分センサ2、及び熱風が発生するバーナ3等を装着した状態を示すものである。前記乾燥機1は、前後方向に長い形状の機体4を各機壁4aで形成し、機壁4a上部には、穀粒移送系の上部移送螺旋5aを回転自在に内装した移送樋5、及び天井板6を設け、この天井板6下側には穀粒を貯留する穀粒貯留室7を形成している。この貯留室7内には、張込した穀粒を検出するレベルセンサ7aを吊り下げ状態に設け、このレベルセンサ7aは上下に交互に左・右センサ7b,7cを設け、各列毎の該左・右センサ7b,7cのON−OFFが入力される構成である。
【0009】穀粒乾燥室8,8は、貯留室7下側において、左右両側の排風室9,9と中央の送風室10との間に設け、これら乾燥室8,8下部には、穀粒を繰出し流下させる繰出バルブ11を夫々回転自在に軸支している。穀粒移送系の集穀樋12は、下部移送螺旋12aを回転自在に軸支し、各乾燥室8,8下側に設けて連通させている。
【0010】前記バーナ3は、バーナケース13に内装して設け、このバーナケース13は、前側機壁4a正面側において送風室10入口側に対応すべくこの前側機壁4a外側面に着脱自在に設け、又、乾燥機1、水分センサ2、及び該バーナ3等を張込、乾燥、及び排出の各作業を始動、及び停止操作する操作装置14は、該前側機壁4a外側面に着脱自在に設けている。
【0011】排風排出系の排風機15は、後側機壁4aで、左右の排風室9,9に連通すべく設けた排風路室ケース16の中央後部側排風胴17に設け、又、この後側機壁4aには、この排風機15を回転駆動する排風機用のモータ18を設けている。繰出バルブ用のモータ19は、繰出バルブ11,11を減速機構を介して回転駆動させている。
【0012】燃料ポンプ20は、燃料バルブを有して、バーナケース13下板外側に設け、この燃料バルブの開閉により、この燃料ポンプ20で燃料タンク21内の燃料を吸入して、バーナ3へ供給させている。送風機22は、上板外側に設け、変速用の送風機モータ23で変速回転駆動させ、供給燃料量に見合った燃焼用空気を該バーナ3へこの送風機23で送風させている。該バーナ3から発生する熱風と該バーナケース13内を通過する外気風とが混合して乾燥熱風になる構成である。
【0013】拡散盤24は、移送樋5底板の前後方向中央部で、移送穀粒を貯留室7へ供給する供給口の下側に設け、該貯留室7へ穀粒を均等に拡散還元させている。昇穀機25は、前側機壁4a外側部に設けられ、内部にはバケットコンベア26付ベルトを張設してなり、上端部は、移送樋5始端部との間において投出筒27を設けて連通させて、下端部は、集穀樋12終端部との間において供給樋28を設けて連通させている。
【0014】穀粒移送系のモータ18は、穀粒移送系のバケットコンベア26付ベルト、移送樋5内の上部移送螺旋5a、拡散盤24、及び集穀樋12内の下部移送螺旋12a等を回転駆動させている。前記水分センサ2は、昇穀機25の上下方向ほぼ中央部に設けられ、この水分センサ2は、操作装置14からの電気的測定信号の発信により、水分モータ30が回転してこの水分センサ2の各部が回転駆動され、バケットコンベア26で上部へ搬送中に落下する穀粒を受け、繰込ロール30aと案内板30bで繰込み、この穀粒を下側の検出ロール30c,30cへ供給して挾圧粉砕しながら、この粉砕穀粒の水分値を検出させている。例えば、32粒を3回測定し、この3回の平均値を算出して、1回の測定穀粒水分値とする構成である。
【0015】前記操作装置14は、図2で示す如く箱形状でこの箱体の表面板には、例えば、タッチ方式でON−OFFスイッチの張込作業と排出作業との両者の循環運転を始動操作する張込・排出始動手段31、乾燥作業の乾燥運転を始動操作する乾燥始動手段32、停止操作する停止手段33、緊急のときに操作する緊急停止手段34、バーナ3から発生する熱風温度を設定する温度調節設定手段35、穀粒の仕上目標水分を設定する水分設定手段36、タイマの設定時間を増、又は減させるタイマ増・減設定手段37a,37b、熱風温度、水分値、残時間等の表示項目をデジタル表示する表示手段38等を設けた構成である。
【0016】前記張込・排出始動手段31の始動操作により、図3で示す如く排風排出系の排風機15を回転駆動するモータ18と、穀粒を移送する移送系の昇穀機25、上・下部移送螺旋5a,12a、及び拡散盤24等を回転駆動するモータ18と、穀粒を繰出す繰出バルブ11を回転駆動する繰出系のモータ19とを回転始動する構成である。
【0017】前記乾燥始動手段32の始動操作により、図3で示す如く、上記各モータ18,18,19の回転始動と、バーナ3の燃料ポンプ20、燃料バルブの作動始動と、送風機22を回転駆動する送風機モータ23とを回転始動する構成である。制御装置39は、操作装置14内に設けられ、水分センサ2、及び熱風温センサ40a、外気温センサ40b、電極温センサ29、レベルセンサ7a等が検出する検出値、張込・排出始動手動31、乾燥始動手段32、停止手段33、緊急停止手段34、温度調節設定手段35、水分設定手段36、タイマ増・減設定手段37a,37bの操作等が入力回路41を経て算術論理演算、及び比較演算するCPU42へ入力される。このCPU42から出力回路43を経て、各モータ18,18,19、送風機モータ23、水分モータ30、燃料バルブ、燃料ポンプ20等を始動、停止、及び調節制御すると共に、表示手段38へ各種表示項目を表示する構成であり、該張込・排出始動手段31と該乾燥始動手段32との両者で張込・乾燥・排出の各作業を開始できる構成である。
【0018】図1で示すフローチャートに沿って作用を説明すると、作業がスタートされ(S−101)、張込・排出手動手段31がONか判定され(S−102)、NOと判定されると(S−102)へ戻る。YESと判定されると張込作業の循環運転処理され(S−103)、水分センサ2で穀粒水分値が測定され(S−104)、測定した穀粒水分値が表示され(S−105)、乾燥手動手段32がONか判定され(S−106)、NOと判定されると(S−106)へ戻る。YESと判定されるとバーナ3関係の燃焼処理され(S−107)、穀粒の水分値測定中か判定され(S−108)、NOと判定されると穀粒水分値の表示手段33への表示がクリアされ(S−109)、該水分センサ2で再度穀粒水分値が測定され(S−110)、(S−109)でYESと判定されると穀粒水分値の測定が継続され(S−111)、(S−110)、及び(S−111)での測定穀粒水分値を第1回目の測定穀粒水分値として該表示手段33へ表示され(S−112)、リターンされる(S−113)。
【0019】上記の作用にすることにより、張込作業の循環運転から乾燥作業の乾燥運転へ移行したときに、測定から表示までの時間の短縮、及び測定粒数の無駄をなくすることができる。前記水分センサ2において、電極温センサ29が検出する電極温度の基準電極温度TAを、例えば20℃と設定し、この設定した基準電磁温度TAに対して変動があった場合は、この検出した変動した電極温度TBと、一粒毎の検出した一粒水分電圧値ER値とは、穀粒水分値MSを算出する水分換算式に入力して算出する構成であり、電極温度補正を加えた水分換算式の一例は、図8で示す如くであり、この水分換算式により、穀粒水分値MSを補正して算出する構成である。
【0020】従来の構成は、前記水分センサ2の回路内に温度補正回路を設けた構成であり、この補正回路と電極温センサ29の両者が必要であり、コストアップの要因であったが、この発明により、コスト低減となった。前記水分センサ2の水分電圧をチェックするときは、水分電圧点検モードに切換して、この点検モードにおいて、この水分センサ2の等価抵抗による水分電圧のチェックを、例えば、等価抵抗チェック器等を使用して行うが、このチェックのときは該水分センサ2の周辺温度に関係なく、設定した標準温度値で換算水分電圧を出力させる構成である。
【0021】従来の構成は、前記水分センサ2の回路内に、この水分センサ2の周辺の検出した温度による温度補正回路を設けていることにより、等価抵抗チェック器を使用よる出力チェックを行ったときに、このチェックの時の周辺温度の補正が加味された電圧が出力されることにより、チェック時の出力電圧値は一定でなく、このために調整が必要となり、チェックの作業性が低下したり、又、コストアップであったが、この発明により、この等価抵抗チェック器は、操作性が良好となり、又、コスト低減となった。
【0022】前記熱風・外気・電極温センサ40a,40b,29、及び左・右センサ7b,7cよりなるレベルセンサ7a等の各アナログセンサを有する乾燥機1の200V系を使用する機械において、元電源電圧のノイズによる該各アナログセンサの誤検出を防止すべく、入力後に一定時間、例えば、50μsec後に再度入力を行い相互比較して有効データを、図9で示す如くノイズ除去処理して、データを取る構成であり、A/D交換は8ビットで行う構成とし、検出電圧0〜5Vを0〜255カウントに置換する構成としている。
【0023】前記熱風温センサ40aのノイズ除去処理は、1回目入力電圧と2回目入力電圧の正常値と異常値との処理判定値は、図9で示す如く行われる構成であり、例えば、熱風温センサ40aの検出で説明すると、検出熱風温度は200msec毎の2回のアナログ値(A/Dカウント値)の平均による算出するが、1回の検出時にノイズ対応として、次の如く行われる構成であり、200msec毎の読み込みタイミングで入力電圧を読み込み、その後約50μsec(A/D交換時間)経過後に再度入力電圧を読み込み、2つの電圧の比較により、そのときの入力電圧値(A/D値)を決定する構成である。又、1回目、及び2回目共に異常値のときには、異常表示、及び異常処理を行う構成である。
【0024】アナログセンサの前記熱風温センサ40aのノイズ処理を、図10で示すフローチャートに沿って作用を説明すると、乾燥作業が開始され(S−201)、(S−202)へ進み、(S−202)〜(S−208)は、図示の如く制御され、(S−208)でYESと判定すると(S−209)へ進み、図示の如く制御され、(S−209)でYESと判定すると(S−210)へ進み図示の如く制御する。(S−209)でNOと判定すると(S−211)へ進み図示の如く制御され、(S−211)でYESと判定すると(S−212)へ進み図示の如く制御する。(S−211)でNOと判定すると(S−213)へ進み図示の如く制御する。
【0025】(S−208)でNOと判定すると(S−214)へ進み図示の如く制御され、YESと判定すると(S−215)へ進み図示の如く制御され、(S−215)でYESと判定すると(S−216)へ進み図示の如く制御する。(S−215)でNOと判定すると(S−217)へ進み図示の如く制御され、YESと判定すると(S−218)へ進み図示の如く制御制御する。(S−217)でNOと判定すると(S−219)へ進み図示の如く制御する。(S−214)でNOと判定すると(S−220)へ進み図示の如く制御する。
【0026】(S−210)、(S−212)、(S−213)、(S−216)、(S−218)、(S−219)、(S−220)はRETする(S−221)。アナログセンサの前記レベルセンサ7aのノイズ処理を、図11で示すフローチャートに沿って作用を説明すると、乾燥作業がスタートされ(S−301)、(S−302)へ進み、(S−302)〜(S−320)は図示の如く制御され、リターンする(S−321)。
【0027】アナログセンサの前記水分センサ2のノイズ処理は、図12で示すフローチャートに沿って作用を説明すると、乾燥作業がスタートされ(S−401)、(S−402)へ進み、(S−402)〜(S−420)は図示の如く制御され、リターンする(S−421)。従来は、各アナログセンサである熱風・外気・電極温センサ40a,40b,29、及び水分センサ2と、各モータ18,18,19,23,30の200Vのラインが並列に配索されている場合が多い。このために、誘導ノイズが各アナログセンサにのって、誤検出することが多かったが、これにより、2回読み込みして、正常値と異常値であれば、正常値を有効データとすることにより、検出値が正確であり、又、水分センサ2であれば、水分電圧等、全域データを使用する場合は、0V、5V、それ以外で比較して有効データを決定することにより、耐ノイズ性を向上させ、制御の持続性を持たせることができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成10年7月27日(1998.7.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−46469(P2000−46469A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−211468