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【発明の名称】 ショーケース等の集中制御装置
【発明者】 【氏名】栗原 弘行

【氏名】小橋 一之

【要約】 【課題】制御用上の共通化を図り、システム構築を容易としたショーケース等の集中制御装置を提供する。

【解決手段】複数台のショーケース1等の運転状態を一括して制御するものであって、主制御装置61と、信号線63を介してこの主制御装置61と接続された端末装置62とから構成され、この端末装置62は、センサ部と、自らのIDコードを保有したメモリと、信号線63を介して主制御装置61とデータの授受を行うI/Oインターフェースと、センサ部が検出した温度データを取り込んでメモリに書き込み、I/Oインターフェースによりメモリ内の温度データを主制御装置61に送信するCPU62とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数台のショーケース等の運転状態を一括して制御する集中制御装置において、この集中制御装置は、主制御手段と、信号線を介してこの主制御手段と接続された温度センサとから構成され、この温度センサは、温度検出素子と、自らのIDコードを保有した記憶手段と、前記信号線を介して前記主制御手段とデータの授受を行う送受信手段と、前記温度検出素子が検出した温度データを取り込んで前記記憶手段に書き込み、前記送受信手段により前記記憶手段内の温度データを前記主制御手段に送信する端末側制御手段とを有することを特徴とするショーケース等の集中制御装置。
【請求項2】 複数台のショーケース等の運転状態を一括して制御する集中制御装置において、この集中制御装置は、主制御手段と、信号線を介してこの主制御手段と接続され、機器の運転を制御するスイッチング素子とから構成され、このスイッチング素子は、スイッチング手段と、自らのIDコードを保有した記憶手段と、前記信号線を介して前記主制御手段とデータの授受を行う送受信手段と、この送受信手段からのデータに基づき前記スイッチング手段を制御する端末側制御手段とを有することを特徴とするショーケース等の集中制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数台のショーケース等の運転状態を一括して集中制御するためのショーケース等の集中制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗には複数台のショーケースや冷蔵庫が設置されるが、従来各ショーケース等はそれぞれ温度調節器などから構成される制御装置によって個別に制御されているのが現状である。従って、ショーケース等の温度等の各種設定作業は、当該ショーケース等の設置されている場所において個々に行わなければならない。そのため、季節や天候により設定を変更する場合には作業が極めて煩雑となる。
【0003】また、各種設定値やショーケース等の温度等の運転状態を把握するためには、ショーケース等の設置されている場所に行って個々に調べる以外になく、ショーケース等の運転状態に関するデータを容易に把握することができないと云う問題があった。
【0004】そのため、例えば特開平7−114657号公報(F25D11/00)では、マイクロコンピュータ(或いはパソコンなど)により構成した主制御装置に通信線によって各ショーケースの制御装置(マイクロコンピュータにて構成される)を接続し、各ショーケースの各種設定作業を主制御装置にて行い、且つ、ショーケースの運転状況に関するデータを主制御装置に収集して一括管理するよう構成していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ショーケースには一個若しくは複数の温度センサが取り付けられると共に、電磁弁などの制御を行うためのスイッチも複数設けられる。そして、これらはショーケースの制御装置に接続されるものであるが、これら温度センサやスイッチの数はショーケースの機種(仕様)によって異なってくる。
【0006】そのため、電気系の配線やこれらを制御する上記制御装置の構成、具体的にはCPU(マイクロコンピュータ)の制御プログラムなども機種毎に異なり、特に複数台のショーケース等を一括して制御する際には、そのシステム構築が極めて面倒となる問題があった。
【0007】本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、制御上の共通化を図り、システム構築を容易としたショーケース等の集中制御装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、請求項1の発明の集中制御装置は、複数台のショーケース等の運転状態を一括して制御するものであって、主制御手段と、信号線を介してこの主制御手段と接続された温度センサとから構成され、この温度センサは、温度検出素子と、自らのIDコードを保有した記憶手段と、信号線を介して主制御手段とデータの授受を行う送受信手段と、温度検出素子が検出した温度データを取り込んで記憶手段に書き込み、送受信手段により記憶手段内の温度データを主制御手段に送信する端末側制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】請求項2の発明の集中制御装置は、複数台のショーケース等の運転状態を一括して制御するものであって、主制御手段と、信号線を介してこの主制御手段と接続され、機器の運転を制御するスイッチング素子とから構成され、このスイッチング素子は、スイッチング手段と、自らのIDコードを保有した記憶手段と、信号線を介して主制御手段とデータの授受を行う送受信手段と、この送受信手段からのデータに基づきスイッチング手段を制御する端末側制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】請求項1の発明によれば、温度センサの端末側制御手段は、温度検出素子が検出した温度データを記憶手段に書き込み、送受信手段により信号線を介して主制御手段にデータを送信するので、主制御手段は支障無く各ショーケース等の温度データを取り込むことができる。この場合、温度センサは記憶手段に自らのIDコードを保有しているので、信号線に温度センサを接続することにより主制御手段は温度センサを識別できるようになり、各ショーケース等の温度センサの配線は完了する。
【0011】また、請求項2の発明によれば、スイッチング素子の端末側制御手段は、信号線を介して送受信手段により受信した主制御手段からのデータに基づきスイッチング手段を制御するので、主制御手段は支障無く各ショーケース等に設けられた機器の制御を実行することができる。この場合も、スイッチング素子は記憶手段に自らのIDコードを保有しているので、信号線にスイッチング素子を接続することにより主制御手段はスイッチング素子を識別できるようになり、各ショーケース等のスイッチング素子の配線は完了する。
【0012】これらにより、本発明によれば所謂プラグインによって各ショーケース等の温度センサやスイッチング素子を配線することが可能となり、著しい配線の簡素化を図ることが可能となる。また、温度センサやスイッチング素子の数などに係わらず主制御手段には共通のソフトウエアを使用できるようになる。これにより、ショーケース等の集中制御を行う際のシステム構築が極めて容易となると共に、部品の共通化によるコストの著しい削減も図ることが可能となるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用する実施例としての低温ショーケース1の縦断側面図、図2は同低温ショーケース1が据え付けられたスーパーマーケットなどの店舗内の配管構成を説明する図、図3は低温ショーケース1等の集中制御装置のシステム構成図である。
【0014】実施例の低温ショーケース1は縦型オープンショーケースであり、断面略コ字状の断熱壁32と、据え付け現場においてこの断熱壁32の両側に取り付けられる側板(図示せず)とからショーケース本体20が構成されている。断熱壁32の内側にはそれぞれ間隔を存して外層仕切板34と内層仕切板36が取り付けられており、断熱壁32と外層仕切板34間が外層ダクト37、内外層仕切板36、34間が内層ダクト38とされ、内層仕切板36の内側が貯蔵室39とされている。
【0015】この貯蔵室39内には複数段の棚41・・が架設されると共に、各棚41・・の下面前部と貯蔵室39の天井部、及び、庇35内には照明灯としても蛍光灯40・・が取り付けられている。貯蔵室39の底部にはデックパン42が取り付けられ、このデックパン42の下方は前記両ダクト37、38に連通した底部ダクト43とされている。そして、この底部ダクト43内には送風機45を内蔵したファンケース44が設置される。また、貯蔵室39の背方に位置する内層ダクト38内の下部には蒸発器46が縦設されている。尚、前記庇35の前面には貯蔵室39内の温度を検出して表示する温度計55が取り付けられる。
【0016】貯蔵室39の前面開口部51の上縁には外層吐出口52と内層吐出口53が前後に並設されており、外層吐出口52は外層ダクト37に内層吐出口53は内層ダクト38にそれぞれ連通している。また、開口部51の下縁には吸込口54が形成され、前記底部ダクト43に連通している。
【0017】そして、前記ファンケース44内の送風機45が運転されると、底部ダクト43内の空気は後方の内外層ダクト37、38に向けて吹き出され、外層ダクト37においてはそのまま吹き上げられると共に、内層ダクト38においては蒸発器46と熱交換した後吹き上げられ、開口部51上縁の内外層吐出口52、53から、下縁の吸込口54に向けてそれぞれ吹き出される。
【0018】これによって、貯蔵室39の開口部51には内側の冷気エアーカーテンとそれを保護する外側のエアーカーテンとが形成され、開口部51からの外気の侵入が阻止若しくは抑制されると共に、内側の冷気エアーカーテンの一部が貯蔵室39内に循環して貯蔵室39内は冷却される。そして、これらの冷気などは吸込口54から底部ダクト43に帰還し、送風機45に再び吸い込まれることになる。
【0019】次に、図2において、1a・・で示すのは青果(商品)を収納陳列する低温ショーケース(青果用冷蔵ケース)であり、1b・・・で示すのは鮮魚(商品)を収納陳列する低温ショーケース(鮮魚用氷温ケース)である。各低温ショーケース1a・・、1b・・・はスーパーマーケットの店舗の壁面に沿って図2に示す如く据え付けられる。一方、11、12は店舗外に構成された機械室13内に設置(別置)された別置型の冷蔵用冷凍機(コンデンシングユニット)及び氷温用冷凍機(コンデンシングユニット)である。
【0020】各冷凍機11、12は図示しない圧縮機や凝縮器によりそれぞれ構成されており、低温ショーケース1a(冷蔵ケース)・・の蒸発器46・・の入口側はそれぞれ電磁弁14及び膨張弁16を介して冷蔵用冷凍機11の液冷媒配管17に並列接続されると共に、蒸発器46の出口側はそれぞれ冷蔵用冷凍機11のガス冷媒配管18に並列接続されている。
【0021】また、低温ショーケース1b(氷温ケース)・・・の蒸発器46・・・の入口側はそれぞれ電磁弁19及び膨張弁21を介して氷温用冷凍機12の液冷媒配管22に並列接続されると共に、蒸発器46の出口側はそれぞれ氷温用冷凍機12のガス冷媒配管23に並列接続されている。
【0022】次ぎに図3において、低温ショーケース1(1a、1b)の集中制御装置のシステムは、店舗の警備室などに設けられた主制御装置61と、各低温ショーケース1(1a、1b)及び冷凍機11、12に設けられ、温度センサ及びスイッチング素子となるチップ状の端末装置62・・とから構築される。この場合、各低温ショーケース1(1a、1b)の断熱壁32の前壁下部に設けられたレースウエイ25内を含む本体20内には一連の信号線63が配設されており、特に、レースウエイ25内は本体20の両端間に渡る渡り配線63Aとされ、この渡り配線63Aの両端には本体20の両端に位置してコネクタ64、64が設けられている。
【0023】そして、端末装置62は本体20内の信号線63にコネクタにより接続される。また、並設される各低温ショーケース1a・・・の渡り配線63Aは、両端のコネクタ64を用いて相互に連接されると共に、更に冷凍機11の端末装置62にも信号線63とコネクタ64を介して接続され、第1の系統を構成する。更に、並設される各低温ショーケース1b・・・の渡り配線63Aも、両端のコネクタ64を用いて相互に連接されると共に、更に冷凍機12の端末装置62にも信号線63とコネクタ64を介して接続され、第2の系統を構成する。
【0024】また、主制御装置61は同様の信号線63を介して各系統の親となる低温ショーケース1a及び1bの渡り配線63Aのコネクタ64に接続され、これにより、全ての端末装置62・・・は信号線63を介して主制御装置61に接続され、且つ、相互にも接続されることになる。
【0025】このように、各低温ショーケース1(1a、1b)のレースウエイ25に信号線63の渡り配線63Aを配設し、且つ、本体20の両端部にこの渡り配線63Aの両端に接続されたコネクタ64、64を配設しているので、低温ショーケース1を並設した後、各系統の低温ショーケース1a・・、1b・・の信号線63を連結する作業が極めて容易となる。
【0026】尚、図面では低温ショーケース1(1a、1b)にそれぞれ一台ずつ端末装置62を示しているが、各電磁弁14、19や送風機45に対してそれぞれ設けられていると共に、ダクト38或いは貯蔵室39内には温度センサとして機能する端末装置62も設けられるものとする。
【0027】次に、前記主制御装置61の構成を図4に示す。主制御手段としての主制御装置61にはコントローラ(基板)76が設けられている。このコントローラ76は、CPU(マイクロコンピュータ)71、EEPROM又はフラッシュメモリなどから構成される記憶手段としてのメモリ72、I/Oインターフェース73及び送受信手段としてのバスI/Oインターフェース74などから構成されている。また、主制御装置61にはLEDなどから構成された表示器77と、入力手段としてのスイッチ78などが設けられている。
【0028】また、前記バスI/Oインターフェース74は、切換器79及び信号線63を介して前記端末装置62・・・とデータの授受を行う。また、この切換器79は通信線82を介してターミナルアダプタ80に接続され、ISDN回線を用いて外部のメンテナンス会社などと通信可能とされている。
【0029】ここで、コントローラ76のメモリ72には前記端末装置62や外部のメンテナンス会社のパソコンなどとデータ通信を行うための所定の通信プロトコルや端末装置62を識別するためのソフトウエア及び運転制御を行う上での制御プログラムが設定されている。また、スイッチ78により設定温度や警報温度のしきい値などの設定値データが設定でき、これらのデータはメモリ72に書き込まれる。
【0030】次ぎに、前記端末装置62の構成を図5に示す。端末装置62は、端末側制御手段としてのCPU143(ロジックで構成されたものでも良い)と、記憶手段としてのメモリ144と、送受信手段としてのI/Oインターフェース146と、A/D変換器147と、このA/D変換器147に接続された温度検出素子としてのセンサ部148と、蓄電素子としてのコンデンサ149と、整流素子としてのダイオード151と、ドライバとしてのI/Oインターフェース162と、このI/Oインターフェース162に接続されたスイッチング手段としてのトランジスタ163などから構成されている。
【0031】この場合、コンデンサ149はダイオード151の出力側に接続され、このダイオード151とコンデンサ149との接続点に各素子が接続されている。信号線63には例えば+5Vの電位(高電位)が印加されており、データはこの高電位から例えば0Vの低電位に下がるパルスにて構成される。
【0032】そして、端末装置62が信号線63に接続されると、データを構成する高電位と低電位のパルス信号が高電位となっている間はそのまま各素子に給電が成され、コンデンサ149にも充電される。そして、低電位となっている間はコンデンサ149から放電され、各素子の電源が賄われる構成とされている。
【0033】尚、端末装置62にはVcc(DC+5V)電源端子145も設けられ、ダイオード151とコンデンサ149との接続点に接続されており、端末装置62は、このVcc電源端子145を電源線に接続すれば、各素子は電源線からの給電によっても動作することができるように構成されている。即ち、その場合にはコンデンサ149に充填すること無く、各素子は動作するようになるので、検査時などの端末装置62を迅速に動作させたい場合に利便性が向上する。
【0034】また、CPU143は温度センサとして機能する場合、センサ部148が検出する低温ショーケース1の庫内温度データをA/D変換器147を介して取り込み、一旦メモり144に書き込む。そして、I/Oインターフェース146により、信号線63を介してコントローラ76からポーリングされると、メモリ144に書き込まれた温度データをI/Oインターフェース146により信号線63を介してコントローラ76に送信する。
【0035】ここで、メモリ144には端末装置62自体のIDコードや制御対象(電磁弁14、19或いは送風機45、冷凍機11、12の圧縮機など)及び自らが設けられた低温ショーケース1(1a、1b)に関する識別データ、温度センサとして機能するか否かの情報、設定温度や警報温度のしきい値などの設定値データ及びコントローラ76や他の端末装置62との間でデータ通信を行うための通信プロトコル、運転制御を行う上での制御プログラムなどが記憶されている。また、端末装置62において故障が生じている場合には当該故障データもメモリ144に書き込まれ、コントローラ76に送信される。更に、メモリ144には自らの属する系統の低温ショーケース1(1a、1b)の端末装置62のIDコードや上記識別データも書き込まれる。
【0036】また、CPU143はI/Oインターフェース146により、信号線63を介してコントローラ76からON/OFFデータが送信されると、このON/OFFデータに基づき、I/Oインターフェース162によりトランジスタ163をON/OFFする。尚、端末装置62はコントローラ76との間の通信が断たれた場合には、現在の状態を保持する自己保持機能を有している。
【0037】ここで、端末装置62は図示しない基板上において図6の如く配線されてスイッチングユニット168を構成する。即ち、169はフォトダイオード169Aとフォトトライアック169Bから成るフォトカプラであり、171は抵抗、172は整流素子としてのダイオード、174は蓄電素子としてのコンデンサである。
【0038】この場合、コンデンサ174はダイオード172の出力側に接続され、このダイオード172とコンデンサ174との接続点と端末装置62のトランジスタ163のコレクタ端子(図5にS2で示す)間に抵抗171とフォトダイオード169Aが直列に接続される。また、端末装置62の端子S1(図5)はダイオード172の手前に接続される。そして、フォトトライアック169BはAC電源線と電磁弁14、19、送風機45、或いは、冷凍機11、12の圧縮機間にそれぞれ介設される。
【0039】ダイオード172が信号線63に接続されると、データを構成する高電位と低電位のパルス信号が高電位となっている間はそのまま抵抗171を介してフォトダイオード169Aに給電が成され、コンデンサ174にも充電される。そして、低電位となっている間はコンデンサ174から放電されて、フォトダイオード169Aの電源を賄う構成とされている。
【0040】尚、同様にダイオード172とコンデンサ174の接続点にVcc電源端子160を接続し、このVcc電源端子160を電源線に接続すれば、フォトダイオード169Aは電源線からの給電によっても動作することができるようになる。即ち、その場合にはコンデンサ174に充填すること無く、各素子は動作するようになるので、検査時などに迅速に動作させたい場合に利便性が向上する。
【0041】以上の構成で、次ぎに動作を説明する。尚、主制御装置61及び端末装置62には集中制御モードと独立制御モードを選択設定可能とされており、以下は先ず集中制御モードについて説明する。
【0042】今、切換器79はコントローラ76のバスI/Oインターフェース74と信号線63の間の回線を接続しているものとする。低温ショーケース1(1a、1b)が店舗内に設置され、各系統の低温ショーケース1a・・及び冷凍機11、1b・・及び冷凍機12の信号線63が連結接続されたものとすると、主制御装置61のコントローラ76のCPU71は先ず信号線63への各端末装置62・・の接続状況をスキャンする。
【0043】このスキャン動作は図7に示す手順で各端末装置62のIDコードを読み出すことによって行われる。先ず、例えば四つの端末装置62・・・のIDコードが以下に示す如き64ビットのものであったとする。
【0044】
ビット 012345678・・・・・・63 第1の端末装置62 001100000・・・・・・0 第2の端末装置62 101100000・・・・・・0 第3の端末装置62 110000000・・・・・・0 第4の端末装置62 001000000・・・・・・0【0045】コントローラ76(CPU71)は最初に通信コマンドを各端末装置62・・・に送信し、各端末装置62・・・はOKコマンドを返信する。次に、コントローラ76がID検索コマンドを送信すると、端末装置62・・・のCPU143はメモリ144に記憶されている自らのIDコードから、応答1として0ビット目を返信し、その補数を応答2として以下の如く返信する。尚、実際には、0ビット目が0の場合は信号線63の接続端子を「L」とし、1の場合には端子を「H」とする。
【0046】
ビット0 応答1 応答2第1の端末装置62 0 1第2の端末装置62 1 0第3の端末装置62 1 0第4の端末装置62 0 1論理積 0 0【0047】コントローラ76はその論理積から判定を行い、各端末装置62・・・の0ビット目に0と1が存在することを判定する。尚、実際には信号線63に接続された各端末装置62・・・の接続端子の中に「L」が一つでもあれば信号線63は「L」となり、全て「H」なら「H」となる。コントローラ76はこの信号線63の電位を判断するので、結果として論理積の情報をコントローラ76が検出することになる。
【0048】そこで、コントローラ76は1ビット目の検索コマンド0、1を送信する。このとき、0を送信した場合には、0ビット目が0の端末装置62・・・のみ1ビット目を返信し、1を送信したときには、0ビット目が1のもののみ1ビット目を返信するように構成されている。
【0049】従って、1ビット目の検索時における0に対する応答は以下の如く、第1及び第4の端末装置62、62から為される。
【0050】
ビット1 応答1 応答2第1の端末装置62 0 1第2の端末装置62第3の端末装置62第4の端末装置62 0 1論理積 0 1【0051】コントローラ76はその論理積から判定を行い、この場合の1ビット目に0のみ存在することを判定する。従って、00のIDコードのものがあることが確定する。
【0052】また、1ビット目の検索時における1に対する応答は以下の如く、第2及び第3の端末装置62、62から為される。
【0053】
ビット1 応答1 応答2第1の端末装置62第2の端末装置62 0 1第3の端末装置62 1 0第4の端末装置62論理積 0 0【0054】コントローラ76はその論理積から判定を行い、この場合の1ビット目に0と1が存在することを判定する。そのため、この場合には10と11のIDコードのものが存在することが分かる。
【0055】次に、IDコード00の存在確定を受けてコントローラ76は2ビット目の検索コマンド0を送信する。2ビット目の検索時における0に対する応答は以下の如く、第1、第2及び第4の端末装置62・・から為される。
【0056】
ビット2 応答1 応答2第1の端末装置62 1 0第2の端末装置62 1 0第3の端末装置62第4の端末装置62 1 0論理積 1 0【0057】コントローラ76はその論理積から判定を行い、この場合の2ビット目に1のみ存在することを判定する。従って、001のIDコードのものがあることが確定する。
【0058】次に、IDコード001の存在確定を受けてコントローラ76は3ビット目の検索コマンド1を送信する。3ビット目の検索時における1に対する応答は第1及び第2の端末装置62、62から為される。
【0059】
ビット3 応答1 応答2第1の端末装置62 1 0第2の端末装置62 1 0第3の端末装置62第4の端末装置62論理積 1 0【0060】コントローラ76はその論理積から判定を行い、この場合の3ビット目に1のみ存在することを判定する。従って、0011のIDコードのものがあることが確定する。
【0061】次に、IDコード0011の存在確定を受けてコントローラ76は4ビット目の検索コマンド1を送信する。4ビット目の検索時における1に対する応答は第1及び第2の端末装置62、62から為される。
【0062】
ビット4 応答1 応答2第1の端末装置62 0 1第2の端末装置62 0 1第3の端末装置62第4の端末装置62論理積 0 1【0063】コントローラ76はその論理積から判定を行い、この場合の4ビット目に0のみ存在することを判定する。従って、00110のIDコードのものがあることが確定する。
【0064】次に、IDコード00110の存在確定を受けてコントローラ76は5ビット目の検索コマンド0を送信する。5ビット目の検索時における0に対する応答は全てから為される。
【0065】
ビット5 応答1 応答2第1の端末装置62 0 1第2の端末装置62 0 1第3の端末装置62 0 1第4の端末装置62 0 1論理積 0 1【0066】コントローラ76はその論理積から判定を行い、この場合の5ビット目に0のみ存在することを判定する。従って、001100のIDコードのものがあることが確定する。以後は検索コマンド0のみを63ビット目まで繰り返せば、001100・・・・0、即ち、このIDコードの端末装置62が接続されていることが確定する。
【0067】また、前記1ビット目の検索時における1に対する応答で1ビット目には1と0が存在することから、今度は2ビット目の検索で0と1を送信して同様に絞り込んで行く。そして、最終的に0と1が存在するビットを無くしていけば全ての端末装置62のIDコードが確定することになる。
【0068】コントローラ76のCPU71はこのようにして収集したIDコードにより、端末装置62・・の接続状況を識別し、メモリ72に保有すると共に、以後はこのIDコードを用いて各端末装置62・・に対してデータを送信することになる。また、各系統の低温ショーケース1a、1bの端末装置62のIDコードは、各系統の低温ショーケース1a、1bの端末装置62に配信される。端末装置62のCPU143はI/Oインターフェース146を介してこれを受け取ると、メモリ144に書き込む。
【0069】次ぎに、コントローラ76のCPU71は各低温ショーケース1(1a、1b)において温度センサとして機能する端末装置62・・・にポーリングを行う。このときの手順(通信プロトコル)を図8を用いて説明する。コントローラ76は通信コマンドを送信し、端末装置62からはOKコマンドが返信される。コントローラ76は端末装置62の呼び出しコマンドと端末装置62の上記IDコード(例えば001100・・・)を送信する。
【0070】そして、温度計測開始コマンドを送信する。端末装置62のCPU143はこのポーリングに応えて前述の如く温度データを計測し、メモリ144に格納する。次に、コントローラ76は再び通信開始コマンドを送信し、端末装置62からはOKコマンドが返信される。コントローラ76は端末装置62の呼び出しコマンドと端末装置62の上記IDコード(例えば001100・・・)を送信する。
【0071】そして、メモリ呼び出しコマンドを送信する。端末装置62のCPU143はこのポーリングに応えて前述の如くメモリ144に格納した温度データを返信する。そして、最後にコントローラ76はリセットコマンドを送信し、端末装置62からはOKコマンドが返信される。
【0072】コントローラ76のCPU71はこのようにして収集した温度データを一旦メモり72に書き込み、当該温度データと設定温度とを比較してON/OFFデータを、前述同様の手順でそのIDコードと共に信号線63を介して各端末装置62・・に送信する。
【0073】例えば電磁弁14、19の端末装置62のCPU143は自らのIDコードのON/OFFデータを受信すると、それに基づいて前述の如くトランジスタ163をON/OFFする。このトランジスタ163のON/OFFにより、フォトダイオード169AがON(発光)/OFF(消灯)し、それによって、フォトトライアック169BがON/OFFされ、これによって、電磁弁14、19が開閉される。
【0074】また、各冷凍機11、12の端末装置62にも同様にON/OFFデータが送信されるが、この場合は、各系統に属する全低温ショーケース1a、1bの電磁弁14、19が閉じた場合にOFFデータが、また、何れかが開いている場合にはONデータが送信されることになる。尚、送風機45は通常連続運転である。
【0075】また、電磁弁14、19、冷凍機11、12の端末装置62のCPU143はメモリ144にそれぞれの低温ショーケース1或いは冷凍機11、12の電磁弁14、19の開閉状態或いは冷凍機11、12の運転状態と、それぞれの運転率に関するデータを書き込む。そして、コントローラ76からの要求に応じて当該データもコントローラ76に送信する。これにより、コントローラ76では各低温ショーケース1や冷凍機11、12の運転及び運転状態を一括して管理できるようになる。
【0076】また、端末装置62・・に故障が発生していると、当該故障データは各端末装置62のCPU143からコントローラ76に送信される。コントローラ76のCPU71は係る故障データを受け取ると、表示器77に当該端末装置62・・に故障が生じている旨、表示する。
【0077】次ぎに、前記独立制御モードについて説明する。この場合、各系統の低温ショーケース1a、1bの端末装置62には、前述の如く自らが属する系統の他の低温ショーケース1a、1bの端末装置62のIDコードなどの情報が配信されている。
【0078】そして、各系統の親となる低温ショーケース1a、1bの端末装置62(複数ある場合には何れかが代表する)のメモリ144には前記設定温度や警報温度のしきい値などの設定値データを主制御装置61を用いて書き込む。親となる低温ショーケース1a、1bはセンサ部148で検出した温度データと設定温度を比較してON/OFFデータを当該系統に属する全低温ショーケース1a、1b及び冷凍機11、12の端末装置62に送信する。
【0079】これにより、各系統の低温ショーケース1a及び冷凍機11、或いは、低温ショーケース1b及び冷凍機12の電磁弁や圧縮機は同期してON(開或いは運転)/OFF(閉或いは停止)されるようになる。特に、従来のポンプダウン方式よりも圧縮機の運転時間を短縮でき、省エネルギーとなる。また、親以外の低温ショーケース1では上記温度センサとして機能する端末装置62を削除できると共に、主制御装置61も削除することが可能となるので、部品コストの低減が図れる。
【0080】また、前述の如く電磁弁14、19、冷凍機11、12の端末装置62のCPU143はメモリ144にそれぞれの低温ショーケース1或いは冷凍機11、12の電磁弁14、19の開閉状態或いは冷凍機11、12の運転状態と、それぞれの運転率に関するデータを書き込んでいるが、このモードでは、親となる低温ショーケース1a、1bからの要求に応じて当該データが親となる低温ショーケース1a、1bの端末装置62に送信される。これにより、親となる低温ショーケース1a、1bでは自らの属する系統の各低温ショーケース1a、1bや冷凍機11、12の運転及び運転状態を一括して管理できるようになる。
【0081】また、端末装置62・・に故障が発生していると、当該故障データは各端末装置62のCPU143から親となる低温ショーケース1a、1bの端末装置62に送信される。親となる低温ショーケース1a、1bのCPU143は係る故障データを受け取ると、メモリ144に書き込む。尚、このモードでは主制御装置61がある場合には主制御装置61により、無い場合には他のパソコンなどで親となる低温ショーケース1a、1bからこれらのデータを読み出して管理することになる。
【0082】尚、上記独立制御モードでは各系統毎に独立した制御を実行したが、それに限らず、各低温ショーケース1において端末装置62により独立した制御を実行させても良い。その場合には、親となる低温ショーケース1a、1bの端末装置62は自らの属する系統の他の低温ショーケース1a、1bの端末装置62に前記設定温度や警報温度のしきい値などの設定値データを配信する。
【0083】そして、他の低温ショーケース1は配信されたデータと自らのセンサ部148にて検出した温度データを利用して当該低温ショーケース1の温度制御を実行することになる。
【0084】
【発明の効果】以上詳述した如く請求項1の発明によれば、温度センサの端末側制御手段は、温度検出素子が検出した温度データを記憶手段に書き込み、送受信手段により信号線を介して主制御手段にデータを送信するので、主制御手段は支障無く各ショーケース等の温度データを取り込むことができる。この場合、温度センサは記憶手段に自らのIDコードを保有しているので、信号線に温度センサを接続することにより主制御手段は温度センサを識別できるようになり、各ショーケース等の温度センサの配線は完了する。
【0085】また、請求項2の発明によれば、スイッチング素子の端末側制御手段は、信号線を介して送受信手段により受信した主制御手段からのデータに基づきスイッチング手段を制御するので、主制御手段は支障無く各ショーケース等に設けられた機器の制御を実行することができる。この場合も、スイッチング素子は記憶手段に自らのIDコードを保有しているので、信号線にスイッチング素子を接続することにより主制御手段はスイッチング素子を識別できるようになり、各ショーケース等のスイッチング素子の配線は完了する。
【0086】これらにより、本発明によれば所謂プラグインによって各ショーケース等の温度センサやスイッチング素子を配線することが可能となり、著しい配線の簡素化を図ることが可能となる。また、温度センサやスイッチング素子の数などに係わらず主制御手段には共通のソフトウエアを使用できるようになる。これにより、ショーケース等の集中制御を行う際のシステム構築が極めて容易となると共に、部品の共通化によるコストの著しい削減も図ることが可能となるものである。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年4月20日(1999.4.20)
【代理人】 【識別番号】100098361
【弁理士】
【氏名又は名称】雨笠 敬
【公開番号】 特開2000−304398(P2000−304398A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願平11−112314