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【発明の名称】 電子冷蔵庫
【発明者】 【氏名】西川 一浩

【要約】 【課題】ファンや電子冷凍素子を制御することなく庫内の温度を調節し、ファンレスであっても庫内の温度調節を可能にする。

【解決手段】電子冷凍素子5の低温側に庫内空気と熱交換する低温側熱交換器3,7を設け、該電子冷凍素子5の高温側に庫外空気と熱交換する高温側熱交換器8を設けた電子冷蔵庫において、低温側熱交換器7にヒータ10を設けて、該ヒータ10により庫内の温度調節を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子冷凍素子の低温側に庫内空気と熱交換する低温側熱交換器を設け、該電子冷凍素子の高温側に庫外空気と熱交換する高温側熱交換器を設けた電子冷蔵庫において、前記低温側熱交換器にヒータを設けて、該ヒータにより庫内の温度調節を行うようにしたことを特徴とする電子冷蔵庫。
【請求項2】 前記低温側熱交換器は、一面が前記冷凍素子に接着され、他面が庫内に面する冷却プレートで形成し、前記ヒータは、前記冷却プレートに設けたことを特徴とする請求項1に記載の電子冷蔵庫。
【請求項3】 前記ヒータは、庫内の霜取りにも使用するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子冷蔵庫、特にその庫内温度の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ペルチェ素子等の電子冷凍素子を使用した電子冷蔵庫は、電子冷凍素子の低温側に設けた熱交換器を介して庫内空気から吸熱し、高温側に設けた熱交換器を介して庫外に放熱することで、庫内に収容した食品や飲用物を冷却している。従来、この種の電子冷蔵庫の庫内の温度調節は、高温側熱交換器に庫外空気を送風するファンの回転や、電子冷凍素子に供給する電力を制御することで、行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ファンの回転を制御するものでは、ファンを有するものに限定され、ファンレスで無音化を図った電子冷蔵庫には適用できない。また、電子冷凍素子の電力を制御するものでは、回路が複雑になり、コストがかかっていた。さらに、素子を直接オン,オフする方法は、コストはかからないが、オン,オフを繰り返すことで素子に負担がかかり、クラックが入る等によりその機能が失われることがあり、ほとんど採用されていない。このため、現実的には、ファンの回転を制御することで庫内の温度調節が行われており、ファンレスの電子冷蔵庫では温度調節が素子に供給する電圧を制限する方式に限定されていた。
【0004】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、ファンや電子冷凍素子を制御することなく庫内の温度を調節することができ、またファンレスであっても庫内の温度調節が可能な電子冷蔵庫を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための手段として、本発明は、電子冷凍素子の低温側に庫内空気と熱交換する低温側熱交換器を設け、該電子冷凍素子の高温側に庫外空気と熱交換する高温側熱交換器を設けた電子冷蔵庫において、前記低温側熱交換器にヒータを設けて、該ヒータにより庫内の温度調節を行うようにした。
【0006】この本発明では、電子冷凍庫の動作中、電子冷凍素子には常に一定の電力を投入しておき、庫内温度を高くする場合にはヒータにより低温側熱交換器を加熱する。これにより、庫内空気との熱交換率が低下し、庫内空気の温度が上昇する。また、庫内温度を低くする場合にはヒータによる低温側熱交換器の加熱を停止するか抑制する。これにより、庫内空気との熱交換率が向上し、庫内空気の温度が低下する。このように、ヒータを制御するだけで、電子冷凍素子を制御することなく、庫内の温度を調節することができる。また、従来温度調節が行われなかったファンレスの電子冷蔵庫でも、本発明を適用することで、庫内の温度調節を行うことができる。
【0007】前記低温側熱交換器は、一面が前記冷凍素子に接着され、他面が庫内に面する冷却プレートで形成し、前記ヒータは、前記冷却プレートに設けることが好ましい。このように、冷凍素子に接着された冷却プレートにヒータを設けると、取付けが簡単になり、温度調節の応答性が良くなる。
【0008】前記ヒータは、庫内に付着している霜を除去する際にオンして低温側熱交換器を加熱し、その熱で霜を溶融させることで、簡単に、庫内の霜取りにも使用することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0010】図1,図2は、本発明にかかる電子冷蔵庫を示す。本体1は、前面に開口する箱形であり、鋼板からなる外装板2と、アルミニウムからなる内装板3と、これらの間に設けた発泡スチロールもしくは発泡ウレタンからなる断熱材4とからなっている。外装板2の背面のほぼ中央には、電子冷凍素子5を収納するための凹部6が形成されている。この凹部6の底には開口6aが形成され、該開口6aから内装板3が露出している。
【0011】電子冷凍素子5は、矩形平板状のペルチェ素子で、その一方の面にはアルミニウムからなる矩形ブロック形状の冷却プレート7が接着され、他方の面にはアルミニウムからなるヒートシンク8が接着されている。冷却プレート7の側面には、図3に示すように、アルミニウムシート9によって被覆されたコード状のヒータ10が両面テープ11によって取り付けられている。冷却プレート7は、前記外装板2の凹部6に収容され、該凹部6の開口6aから露出する内装板3に接触するように取り付けられている。これにより、内装板3は冷却プレート7とともに、庫内の空気から吸熱するための低温側熱交換器を構成するようになっている。ヒートシンク8は、上下方向に延びる多数のフィン8aを有し、庫外空気に放熱する高温側熱交換器を構成している。
【0012】外装板2の背面には、さらに、前記電子冷凍素子5およびヒータ10への電力の供給を制御する制御装置12が取り付けられている。そして、この制御装置12および前記ヒートシンク8を覆うために、箱形のカバー13が外装板2の上面、底面および両側面に一部重なるように、背後から取り付けられている。カバー13の上面および下面には、多数の通気孔14が形成され、ヒートシンク8から放熱される熱を排出するようになっている。外装板2の底面には脚15が取り付けらている。
【0013】扉21は、前記本体1と同様に、鋼板からなる外装板22と、樹脂製の内装板23と、これらの間に設けた発泡スチロールもしくは発泡ウレタンからなる断熱材24とからなっている。この扉21は、本体1の正面の開口部にヒンジ25によって取り付けられ、本体1の開口部を開閉できるようになっている。この扉21のヒンジ25と反対側には、フック26が取り付けられている。このフック26は、本体1に設けた係止穴27に係止して扉21を閉鎖状態に維持する方向に、バネ28によって付勢されている。このフック26は、扉21を開閉するときの取っ手となるレバー29が一体に設けられ、このレバー29を扉開放時に引くとフック26がバネ28の付勢力に抗して係止穴27から外れ、扉21が開放されるようになっている。
【0014】次に、前記構成からなる電子冷蔵庫の動作について説明する。
【0015】制御装置12により電子冷凍素子5に一定の電力を投入すると、電子冷凍素子5はペルチェ効果により一方の面で吸熱、他方の面で発熱が生じる。この結果、その吸熱側の面に接着された冷却プレート7および内装板3を介して庫内の空気からの吸熱が起こり、庫内の食べ物や飲用物が冷却される一方、その発熱側の面に接着されたヒートシンク8を介して放熱される。
【0016】庫内の温度が低下し過ぎたとして、庫内温度を高くする場合には、制御装置12によりヒータ10をオンして電力を供給する。これにより、ヒータ10が発熱して冷却プレート7が加熱され、ヒータ10からの吸熱が増大し、庫内空気からの吸熱が低下する結果、庫内空気との熱交換率が低下し、庫内空気の温度が上昇する。逆に、庫内の温度が上昇し過ぎたとして、庫内温度を低くする場合には、制御装置12によりヒータ10をオフして電力の供給を停止する。これにより、ヒータ10の発熱が無くなり、庫内空気からの吸熱が増大する結果、庫内空気との熱交換率が向上し、温度が下がる。このように、ファンレスの電子冷蔵庫であっても、ヒータ10をオン,オフ制御するだけで、電子冷凍素子5を制御することなく、庫内の温度を調節することができる。
【0017】本体1の内装板3に霜が多量に付着した場合には、制御装置12により電子冷凍素子5への電力を遮断し、ヒータ10をオンする。これにより、ヒータ10の熱は冷却プレート7を介して内装板3に伝導され、該内装板3に付着した霜が溶融するので、霜取りが迅速に行われる。
【0018】なお、前記実施形態では、ヒータ10をオン,オフ制御したが、ヒータ10への電流を制御することによっても、庫内温度を調節することができる。すなわち、庫内温度を高くする場合にはヒータ10への電流を増大し、庫内温度を低くする場合にはヒータ10への電流を低減する。
【0019】また、前記実施形態では、冷却プレート7にヒータ10を取り付けたが、本体の内装板3の断熱材側の面にヒータ10を取り付けることも可能である。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電子冷凍素子の低温側に庫内空気と熱交換する低温側熱交換器を設け、該電子冷凍素子の高温側に庫外空気と熱交換する高温側熱交換器を設けた電子冷蔵庫において、低温側熱交換器にヒータを設けて、該ヒータにより庫内の温度調節を行うようにしたので、ヒータを制御するだけで、電子冷凍素子を制御することなく、庫内の温度を調節することができる。また、従来温度調節が行われなかったファンレスの電子冷蔵庫でも、本発明を適用することで、庫内の温度調節を行うことができる。
【0021】また、低温側熱交換器は、一面が前記冷凍素子に接着され、他面が庫内に面する冷却プレートで形成し、ヒータは、冷却プレートに設けることようにしたので、小型のヒータで済み、ヒータの取付けが簡単になり、温度調節の応答性が良くなる。
【0022】さらに、ヒータは、庫内に付着している霜を除去する際にオンして低温側熱交換器を加熱し、その熱で霜を溶融させるようにしたので、簡単、かつ、迅速に庫内の霜取りを行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000002473
【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
【出願日】 平成11年3月10日(1999.3.10)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外2名)
【公開番号】 特開2000−258019(P2000−258019A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願平11−63038