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【発明の名称】 保冷庫
【発明者】 【氏名】黒河 貞直

【氏名】上野 明敏

【氏名】藤本 遊二

【要約】 【課題】保冷庫を移動させる際に隣合う保冷庫に指を挟むことのないようにする。

【解決手段】断熱構造を有する横断面矩形形状の保冷庫本体1と、該保冷庫本体1内を冷却する蓄冷器20と、前記保冷庫本体1の底面に設けられたキャスタ10とを備えた保冷庫において、前記保冷庫本体1の前面両側に、凹部28,28をそれぞれ形成するとともに、該凹部28,28において前記保冷庫本体1の側面から所定距離離れた位置に、移動時において把持される縦向きの把手29,29をそれぞれ設けて、把手29,29を把持して保冷庫を移動させるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 断熱構造を有する横断面矩形形状の保冷庫本体(1)と、該保冷庫本体(1)内を冷却する蓄冷器(20)と、前記保冷庫本体(1)の底面に設けられたキャスタ(10)とを備えた保冷庫であって、前記保冷庫本体(1)の前面両側には、凹部(28),(28)をそれぞれ形成するとともに、該凹部(28),(28)において前記保冷庫本体(1)の側面から所定距離離れた位置には、移動時において把持される縦向きの把手(29),(29)をそれぞれ設けたことを特徴とする保冷庫。
【請求項2】 前記凹部(28)を、前記保冷庫本体(1)の側面に跨がって形成するとともに、前記把手(29)を、前記凹部(28)における側面側部位に支持された支持部(29a)と、該支持部(29a)から略直角に屈曲して該凹部(28)において前記保冷庫本体(1)の側面から所定距離離れた位置にまで延びる把持部(29b)とにより構成したことを特徴とする前記請求項1記載の保冷庫。
【請求項3】 断熱構造を有する横断面矩形形状の保冷庫本体(1)と、該保冷庫本体(1)内を冷却する蓄冷器(20)と、前記保冷庫本体(1)の底面に設けられたキャスタ(10)とを備えた保冷庫であって、前記保冷庫本体(1)の前面両側には、凹部(28),(28)をそれぞれ形成するとともに、該凹部(28),(28)には、移動時において把持される横向きの把手(29),(29)をそれぞれ設けたことを特徴とする保冷庫。
【請求項4】 前記保冷庫本体(1)の外壁には、外向きに突出する補強用突部(27)を形成するとともに、前記凹部(28)を、前記補強用突部(27)が形成されていない部分に形成したことを特徴とする前記請求項1ないし請求項3のいずれか一項記載の保冷庫。
【請求項5】 前記保冷庫本体(1)の外壁には、外向きに突出する補強用突部(27)を形成するとともに、前記凹部(28)を、前記補強用突部(27)に形成したことを特徴とする前記請求項1ないし請求項3のいずれか一項記載の保冷庫。
【請求項6】 前記補強用突部(27)の外面には、衝撃吸収用の緩衝材(30)を被覆したことを特徴とする前記請求項4および請求項5のいずれか一項記載の保冷庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、トラック等に積載して輸送される保冷庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、トラック等に積載して輸送される保冷庫は、例えば保冷庫における保冷室を冷却する蓄冷器と、該蓄冷器を冷却する冷凍装置とを備えており、該冷凍装置は、配送ターミナルの保管倉庫においてのみ運転され、輸送時においては冷凍装置の運転を行わず、蓄冷器に蓄冷された冷熱により保冷庫内に収納された被冷却物の保冷を行うこととなっている。
【0003】ところで、荷物の積み降ろしを集中的に行う場合、上記構造の多数の保冷庫を近接させる必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したように保冷庫を近接させた場合、近接した保冷庫と移動中の保冷庫との間に指を挟む事故が発生するおそれがある。
【0005】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、保冷庫を移動させる際に隣合う保冷庫に指を挟むことのないようにすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上記課題を解決するための手段として、断熱構造を有する横断面矩形形状の保冷庫本体1と、該保冷庫本体1内を冷却する蓄冷器20と、前記保冷庫本体1の底面に設けられたキャスタ10とを備えた保冷庫において、前記保冷庫本体1の前面両側に、凹部28,28をそれぞれ形成するとともに、該凹部28,28において前記保冷庫本体1の側面から所定距離離れた位置に、移動時において把持される縦向きの把手29,29をそれぞれ設けている。
【0007】上記のように構成したことにより、把手29,29を把持して保冷庫を移動させるが、凹部28,28において保冷庫本体1の側面から所定距離離れた位置に把手29,29が設けられているため、把手29,29を把持している手が保冷庫本体1の側面から突出することがなくなり、近接する保冷庫との間に手を挟まれるということがなくなる。しかも、凹部28に把手29を設けるようにしているため、保冷庫本体1の外壁から把手29が突出するということもなくなり、保冷庫同士をできるだけ近接させることができる。
【0008】請求項2の発明におけるように、請求項1記載の保冷庫において、前記凹部28を、前記保冷庫本体1の側面に跨がって形成するとともに、前記把手29を、前記凹部における側面側部位に支持された支持部29aと、該支持部29aから略直角に屈曲して該凹部28において前記保冷庫本体1の側面から所定距離離れた位置にまで延びる把持部29bとにより構成する場合もある。
【0009】請求項3の発明では、上記課題を解決するための手段として、断熱構造を有する横断面矩形形状の保冷庫本体1と、該保冷庫本体1内を冷却する蓄冷器20と、前記保冷庫本体1の底面に設けられたキャスタ10とを備えた保冷庫において、前記保冷庫本体1の前面両側に、凹部28,28をそれぞれ形成するとともに、該凹部28,28に、移動時において把持される横向きの把手29,29をそれぞれ設けている。
【0010】上記のように構成したことにより、把手29を把持して保冷庫を移動させるが、把手29が横向きに設けられているため、把手29を把持している手が保冷庫本体1の側面から突出することがなくなり、近接する保冷庫との間に手を挟まれるということがなくなる。しかも、凹部28に把手29を設けるようにしているため、保冷庫本体1の外壁から把手29が突出するということもなくなり、保冷庫同士をできるだけ近接されることができる。
【0011】請求項4の発明におけるように、請求項1ないし請求項3のいずれか一項記載の保冷庫において、前記保冷庫本体1の外壁に、外向きに突出する補強用突部27を形成するとともに、前記凹部28を、前記補強用突部27が形成されていない部分に形成した場合、近接する保冷庫の補強用突部27,27同士が当接されることとなるため、近接する保冷庫との間の間隔が大きくとれることとなり、保冷庫を移動させる際に把手29を把持している手を挟むという事故をより一層確実に防止することができる。さらに、保冷庫本体1の外壁が補強用突部27により補強される。
【0012】請求項5の発明におけるように、請求項1ないし請求項3のいずれか一項記載の保冷庫において、前記保冷庫本体1の外壁に、外向きに突出する補強用突部27を形成するとともに、前記凹部28を、前記補強用突部27に形成した場合、保冷庫本体1の外壁が厚くなっている部位に凹部28を形成できるため、凹部28の形成のために外壁の厚さを厚くする必要がなくなるとともに、保冷庫本体1の外壁が補強用突部27により補強される。
【0013】請求項6の発明におけるように、請求項4および請求項5のいずれか一項記載の保冷庫において、前記補強用突部27の外面に、衝撃吸収用の緩衝材30を被覆した場合、保冷庫同士が衝突した時の衝撃力を緩衝材30により吸収することができるとともに、近接する保冷庫との間の間隔をより大きくとることができ、把手29を把持している手を近接する保冷庫との間に挟むという事故をより確実に防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0015】第1の実施の形態図1ないし図4には、本願発明の第1の実施の形態にかかる保冷庫が示されている。
【0016】この保冷庫は、トラック等に積載して輸送されるものであり、図1および図2に示すように、断熱構造を有する横断面矩形形状の保冷庫本体1と、該保冷庫本体1内を冷却する保冷手段3とを備えて構成されている。
【0017】前記保冷庫本体1は、前面に被冷却物を出し入れするための開口部4を有する縦長直方体の箱体からなっており、その開口部4は、断熱構造の扉2により開閉されることとなっている。前記保冷庫本体1は、被冷却物を収納するための保冷室5と該保冷室5の天板5a上方に区画形成され且つ蓋カバー7により覆われた機械室6とを備えている。符号8は機械室6へ空気を吸い込みための空気吸込口、9は機械室6から空気を吹き出すための空気吹出口、10は保冷庫を移動させるために保冷庫本体1の底部に設けられたキャスタである。
【0018】前記保冷庫本体1における保冷室5の外壁(即ち、天板5a、両側板5b,5b、背面板5cおよび底板5d)は、合成樹脂製の内板11および外板12との間に断熱材13を充填して構成されている。なお、前記機械室6の外壁は、合成樹脂の一枚板により構成されている。
【0019】また、前記扉2は、合成樹脂製の内板14および外板15との間に断熱材16を充填して構成されている。符号17は扉2を開閉するための把手、18は扉2の閉止状態を保持するロック装置である。
【0020】そして、前記扉2を含む保冷庫本体1の外壁には、外向きに突出する3個の補強用突部27,27・が上下方向に所定間隔で一体に形成されている。
【0021】前記保冷手段3は、前記保冷室5を冷却するための蓄冷器20と、該蓄冷器20を冷却する蒸発器23を含む冷凍装置19とにより構成されている。前記蓄冷器20は、箱形状のケース内に蓄冷剤を収納して構成されている。
【0022】前記冷凍装置19は、前記機械室6内に配設された圧縮機21および凝縮器22と、前記保冷室5の上部において前記蓄冷器20の下面に取り付けられた蒸発器23とからなっている。符号24はアキュムレータ、25は凝縮器22を冷却する冷却ファン、26はドレンパンである。
【0023】前記圧縮機21、凝縮器22、蒸発器23およびアキュムレータ24は、図示しない冷媒配管により順次接続されており、圧縮機21で圧縮された冷媒を凝縮器22で凝縮液化し、膨張弁(図示省略)により減圧した後、蒸発器23で蒸発させ、このときの蒸発潜熱により前記蓄冷器20内に収納された蓄冷剤を冷却することにより蓄冷することとなっている。なお、この冷凍装置19の運転は、配送ターミナルにおける保管倉庫においてのみ行われ、輸送時においては冷凍装置19の運転を行わず、蓄冷器20に蓄冷された冷熱により保冷庫内に収納された被冷却物の保冷を行うこととなっている。
【0024】前記保冷庫本体1の前面を構成する扉2において補強用突部27が形成されていない部位の両側には、凹部28,28がそれぞれ形成されており、該各凹部28において前記保冷庫本体1の側面から所定距離離れた位置には、移動時において把持される縦向きのコ字状の把手29がそれぞれ設けられている。
【0025】上記のように構成された保冷庫においては、次のような作用効果が得られる。
【0026】把手29を把持して保冷庫Aを移動させるが、凹部28において保冷庫本体1の側面から所定距離離れた位置に把手29が設けられているため、図4に示すように、把手29を把持している手Hが保冷庫本体1の側面から突出することがなくなり、近接する保冷庫A′との間に手を挟まれるということがなくなる。しかも、凹部28に把手29を設けるようにしているため、保冷庫本体1の外壁から把手29が突出するということもなくなり、保冷庫同士をできるだけ近接させることができる。しかも、補強用突部27が形成されていない部分に形成した凹部28に把手29を設けるようにしているため、近接する保冷庫との間の間隔が大きくとれることとなり、保冷庫を移動させる際に把手29を把持している手Hを挟むという事故の防止がより一層確実となる。
【0027】第2の実施の形態図5ないし図7には、本願発明の第2の実施の形態にかかる保冷庫における要部が示されている。
【0028】この場合、凹部28は、保冷庫本体1の前面となる扉2において前面から側面に跨がって形成されており、把手29は、前記凹部28における側面側部位に支持された支持部29a,29aと、該支持部29a,29aから略直角に屈曲して前記凹部28において保冷庫本体1の側面から所定距離離れた位置にまで延びる把持部29bとにより構成されている。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0029】第3の実施の形態図8には、本願発明の第3の実施の形態にかかる保冷庫の要部が示されている。
【0030】この場合、補強用突部27の外面には、衝撃吸収用の緩衝材30が被覆されている。このようにすると、保冷庫同士が衝突した時の衝撃力を緩衝材30により吸収することができるとともに、近接する保冷庫との間の間隔をより大きくとることができ、把手29を把持している手を近接する保冷庫との間に挟むという事故をより確実に防止することができる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0031】第4の実施の形態図9には、本願発明の第4の実施の形態にかかる保冷庫の要部が示されている。
【0032】この場合、補強用突部27の両側に設けられた凹部28には、横向きの把手29が設けられている。このようにすると、把手29を上から手で把持することとなるため、把手29を把持している手が保冷庫本体1の側面から突出することがなくなり、近接する保冷庫との間に手を挟まれるということがなくなる。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、断熱構造を有する横断面矩形形状の保冷庫本体1と、該保冷庫本体1内を冷却する蓄冷器20と、前記保冷庫本体1の底面に設けられたキャスタ10とを備えた保冷庫において、前記保冷庫本体1の前面両側に、凹部28,28をそれぞれ形成するとともに、該凹部28,28において前記保冷庫本体1の側面から所定距離離れた位置に、移動時において把持される縦向きの把手29,29をそれぞれ設けて、把手29を把持して保冷庫を移動させるようにしたので、把手29,29を把持している手が保冷庫本体1の側面から突出することがなくなり、近接する保冷庫との間に手を挟まれるということがなくなるという効果がある。しかも、凹部28に把手29を設けるようにしているため、保冷庫本体1の外壁から把手29が突出するということもなくなり、保冷庫同士をできるだけ近接させることができる。
【0034】請求項2の発明におけるように、請求項1記載の保冷庫において、前記凹部28を、前記保冷庫本体1の側面に跨がって形成するとともに、前記把手29を、前記凹部における側面側部位に支持された支持部29aと、該支持部29aから略直角に屈曲して該凹部28において前記保冷庫本体1の側面から所定距離離れた位置にまで延びる把持部29bとにより構成する場合もある。
【0035】請求項3の発明では、上記課題を解決するための手段として、断熱構造を有する横断面矩形形状の保冷庫本体1と、該保冷庫本体1内を冷却する蓄冷器20と、前記保冷庫本体1の底面に設けられたキャスタ10とを備えた保冷庫において、前記保冷庫本体1の前面両側に、凹部28,28をそれぞれ形成するとともに、該凹部28,28に、移動時において把持される横向きの把手29,29をそれぞれ設けて、把手29を把持して保冷庫を移動させるようにしたので、把手29を把持している手が保冷庫本体1の側面から突出することがなくなり、近接する保冷庫との間に手を挟まれるということがなくなるという効果がある。しかも、凹部28に把手29を設けるようにしているため、保冷庫本体1の外壁から把手29が突出するということもなくなり、保冷庫同士をできるだけ近接されることができる。
【0036】請求項4の発明におけるように、請求項1ないし請求項3のいずれか一項記載の保冷庫において、前記保冷庫本体1の外壁に、外向きに突出する補強用突部27を形成するとともに、前記凹部28を、前記補強用突部27が形成されていない部分に形成した場合、近接する保冷庫の補強用突部27,27同士が当接されることとなるため、近接する保冷庫との間の間隔が大きくとれることとなり、保冷庫を移動させる際に把手29を把持している手を挟むという事故をより一層確実に防止することができる。さらに、保冷庫本体1の外壁が補強用突部27により補強される。
【0037】請求項5の発明におけるように、請求項1ないし請求項3のいずれか一項記載の保冷庫において、前記保冷庫本体1の外壁に、外向きに突出する補強用突部27を形成するとともに、前記凹部28を、前記補強用突部27に形成した場合、保冷庫本体1の外壁が厚くなっている部位に凹部28を形成できるため、凹部28の形成のために外壁の厚さを厚くする必要がなくなるとともに、保冷庫本体1の外壁が補強用突部27により補強される。
【0038】請求項6の発明におけるように、請求項4および請求項5のいずれか一項記載の保冷庫において、前記補強用突部27の外面に、衝撃吸収用の緩衝材30を被覆した場合、保冷庫同士が衝突した時の衝撃力を緩衝材30により吸収することができるとともに、近接する保冷庫との間の間隔をより大きくとることができ、把手29を把持している手を近接する保冷庫との間に挟むという事故をより確実に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成11年2月26日(1999.2.26)
【代理人】 【識別番号】100075731
【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
【公開番号】 特開2000−249450(P2000−249450A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−50289