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【発明の名称】 ワイン保冷庫
【発明者】 【氏名】宮原 宏明

【氏名】桑原 敬史

【要約】 【課題】加湿用水の補給を不要とするなどによりワインボトルを使い勝手良く適切に貯蔵可能としたワイン保冷庫を提供すること。

【解決手段】ワインボトル16の栓部収納部16aを加湿する。加湿用水の補給を不要とする湿度調整器として、水素イオン導電性の固体高分子電解質膜18aの両面に多孔性電極である陽極18b,陰極18cを接合したものであって、この陽極18b側で除湿し、陰極18c側で加湿する湿度調整器18を用いる。最上段のワインボトル16を、そのラベル側部分16bを見やすくするために傾斜させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 温度調節手段の温度調節機能によりワインボトルを所定の温度に保冷貯蔵するワイン保冷庫において、水素イオン導電性の固体高分子電解質膜の両面それぞれに多孔性の電極を接合し、該両電極間に直流電圧を供給した場合に、該両電極の一方が除湿作用を行う陽極となり、他方が加湿作用を行う陰極となるように構成した湿度調整器を、前記保冷庫の内部と外部との隔壁に少なくとも1個配置し、かつ、該湿度調整器の陰極を前記保冷庫の内部に面し、陽極を前記保冷庫の外部に面するように取り付け、該湿度調整器の陰極における加湿作用により前記保冷庫内を所定湿度に加湿することを特徴とするワイン保冷庫。
【請求項2】 温度調節手段の温度調節機能によりワインボトルを所定の温度に保冷貯蔵するワイン保冷庫において、水素イオン導電性の固体高分子電解質膜の両面それぞれに多孔性の電極を接合し、該両電極間に直流電圧を供給した場合に、該両電極の一方が除湿作用を行う陽極となり、他方が加湿作用を行う陰極となるように構成した湿度調整器を、前記保冷庫の内部と外部との隔壁に複数個配置し、かつ、該湿度調整器の一部については陰極が保冷庫の内部に陽極が保冷庫の外部に面するように、さらに、他の該湿度調整器については陽極が保冷庫の内部に、陰極が保冷庫の外部に面するようにそれぞれ取り付け、これら湿度調整器の陰極における加湿および陽極における除湿作用により前記保冷庫内を所定湿度に調整することを特徴とするワイン保冷庫。
【請求項3】 前記温度調節手段は、ペルチェ効果により吸熱と放熱とを行う熱電変換素子から構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のワイン保冷庫。
【請求項4】 前記温度調節手段は、圧縮機、凝縮器、蒸発器等を備えた冷凍サイクルにより構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のワイン保冷庫。
【請求項5】 温度調節手段の温度調節機能によりワインボトルを所定の温度に保冷貯蔵するワイン保冷庫において、該保冷庫内に湿度調節器を配設し、前記保冷庫内のワインボトル収納部のワインボトルの栓部を優先的に加湿するごとくしたことを特徴とするワイン保冷庫。
【請求項6】 温度調節手段の温度調節機能によりワインボトルを所定の温度に保冷貯蔵するワイン保冷庫において、該保冷庫内のワインボトル収納部をワインボトルの栓部収納部とワインボトルのラベル側収納部とに区画形成し、前記保冷庫内に湿度調節器を配設して、前記ワインボトルの栓部収納部のみを加湿するごとく構成したことを特徴とするワイン保冷庫。
【請求項7】 前記ワイン保冷庫の前面に開閉扉を設け、また、前記ワインボトル収納部に該開閉扉と平行、かつ、ワインボトルの栓部を挿入することができる挿入穴を備えた仕切り板を設け、該仕切り板と前記開閉扉との間に前記ワインボトルの栓部収納部を形成し、該仕切り板の背面側に前記ワインボトルのラベル側収納部を形成したことを特徴とする請求項6記載のワイン保冷庫。
【請求項8】 前記仕切り板を前記開閉扉に固定したことを特徴とする請求項7記載のワイン保冷庫。
【請求項9】 水素イオン導電性の固体高分子電解質膜の両面それぞれに多孔性の電極を接合し、該両電極間に直流電圧を供給した場合に、該両電極の一方が除湿作用を行う陽極となり、他方が加湿作用を行う陰極となるように構成した湿度調整器を、前記ワインボトル収納部におけるワインボトルの栓部収納部とワインボトルのラベル側収納部とに区画する区画部分に少なくとも1個配設し、かつ、該湿度調整器の陰極を前記ワインボトルの栓部収納部に面し、陽極を前記ワインボトルのラベル側収納部に面するように取り付け、該湿度調整器の陰極における加湿作用により前記ワインボトルの栓部収納部を所定湿度に加湿し、さらに、該湿度調整器の陽極における除湿作用により前記ワインボトルのラベル側収納部を除湿することを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のワイン保冷庫。
【請求項10】 水素イオン導電性の固体高分子電解質膜の両面それぞれに多孔性の電極を接合し、該両電極間に直流電圧を供給した場合に、該両電極の一方が除湿作用を行う陽極となり、他方が加湿作用を行う陰極となるように構成した湿度調整器を複数個有し、該湿度調整器の一部を、前記ワインボトルの栓部収納部を加湿可能とするように前記保冷庫の外部と前記ワインボトルの栓部収納部との隔壁に少なくとも1個配置し、かつ、他の該湿度調整器をワインボトルのラベル側収納部を除湿可能とするように前記保冷庫の外部と前記ワインボトルのラベル側収納部との隔壁に少なくとも1個配置し、前記一部の湿度調整器の陰極における加湿作用により前記ワインボトルの栓部収納部を所定湿度に加湿し、さらに、前記他の湿度調整器の陽極における除湿作用により前記ワインボトルのラベル側収納部を除湿することを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のワイン保冷庫。
【請求項11】 前記湿度調整器は、前記陽極を除湿作用するとともにオゾンを発生する構成とし、該陽極の作用により、前記ワインボトルのラベル側収納部を除湿するとともにオゾンを発生させたことを特徴とする請求項9または10の何れかに記載のワイン保冷庫。
【請求項12】 温度調節手段の温度調節機能によりワインボトルを所定の温度に保冷貯蔵するワイン保冷庫において、該保冷庫の前面に開閉扉を設け、該保冷庫内のワインボトル収納部を、ワインボトルの栓部全てが前記開閉扉側を向くように複数段に構成するとともに、最上段以外の下段のワインボトルが略水平もしくは若干栓部側が上方に傾斜するように構成し、さらに、最上段のワインボトルが下段のワインボトルより栓部側が上方に向くように傾斜して配置されるように構成したことを特徴とするワイン保冷庫。
【請求項13】 前記最上段のワインボトルの傾斜角度が15〜60度となるように、前記ワインボトル収納部分を構成したことを特徴とする請求項12に記載のワイン保冷庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワインボトルを保冷貯蔵するワイン保冷庫に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のワイン保冷庫としては、例えば、図28〜図30に示されたものがある。これら図において、図28は扉を開いた状態のワイン保冷庫の正面図、図29は側断面図、図30は図29のE−E線断面図である。
【0003】これら図において、301はワインボトル316のワイン保冷庫(以下保冷庫と称す)であり、前面に開閉する扉302を備えている。303は、ペルチェ効果により吸熱および放熱を行う熱電変換素子で、印加する直流電源の極性を変更することにより、第1熱交換面303aを吸熱面または放熱面とし、逆に第2熱交換面303bを放熱面または吸熱面として選択的に運転することができる。そして、この吸熱と放熱とにより保冷庫301の内部を15℃前後の所定温度に調節している。
【0004】熱電変換素子303の第1熱交換面303a側と第2熱交換面303b側には、熱交換面303a、303bと熱交換関係にそれぞれ熱交換器304a,304bが配設されている。305は、保冷庫301内の温度を調節するための熱交換手段としての第1熱交換器であって、第1循環パイプ307により前記熱交換器304aに接続されて循環回路を形成している。なお、この循環回路には熱媒体を封入し、この熱媒体を第1ポンプ306により循環している。また、第1熱交換器305は保冷庫301の後部に形成された庫内空気通風路355に収納されている。308は、庫外空気との熱交換手段としての第2熱交換器であって、第2循環パイプ310により前記熱交換器304bに接続されて循環回路を形成している。なお、この循環回路には熱媒体を封入し、この熱媒体を第2ポンプ309により循環している。いる。また、第2熱交換器308は保冷庫301の背面隔壁357の背部に形成された庫外空気通路356に収納されている。そして、前記熱電変換素子303の第1熱交換面303aは、熱交換器304a、熱媒体および第1熱交換器305を介して庫内空気と熱交換して吸熱または放熱され、庫内空気は第1熱交換器305において冷却または加熱される。一方、熱電変換素子303の第2熱交換面303bは、熱交換器304b、熱媒体および第2熱交換器308を介して庫外空気と熱交換して放熱または吸熱されている。
【0005】311は、保冷庫301内の空気を循環させる第1送風機で、ワインボトル収納部317と前記第1熱交換器305を収納した庫内空気通路355とを仕切る背面板312に取り付けられている。そして、第1送風機311の運転により、下方の吸込口312aから吸い込んだ庫内空気を第1熱交換器305に送風して熱交換させ、再び庫内へ送風するように構成している。また、313は、第2熱交換器308の上方に設けた第2送風機であって、下部の外気吸込口314から吸込んだ庫外空気を第2熱交換器308に送風して熱交換させ、上方の排出口315より再び庫外へ送風するように構成している。
【0006】前記保冷庫301内のワインボトル収納部317には、ワインボトル316を所定の位置に収納するための網棚317aが形成されている。この網棚317aは、ワインボトル316を左右に4本ずつ上下に5段収納できるように構成したものであって、ワインボトル316の座りを良くするために、各ワインボトルの収納位置には、ワインボトル316の直径より幅狭に配置した2本の線材が前後方向に掛け渡されている。また、この網棚317aは、下4段のワインボトル316を、先端側の栓部316a側が扉302側に向くように、ほぼ水平に収納できるように構成されており、さらに、最上段のワインボトル316を、栓部316a側が庫内の背面版312側に向くとともに上方を向くように、傾斜して収納できるように構成されている。
【0007】330は、庫内の下部に配置した水受皿で、その内部に水330aが入れられている。そして、この水を蒸発させることにより保冷庫301内の湿度を高湿度に保つように構成している。なお、保冷庫301内を高湿度にする理由は、ワインの栓部316aが乾燥すると、栓を形成するコルクが収縮して栓が緩み、隙間ができ、この隙間から進入する空気によりワインの酸化が進む可能性があり、これを防止するためである。また、このような理由から、ワインボトル316も寝かせて配置し、ワインがコルクに浸ることでコルクが緩まないようにしているが、外側から湿気を与えたほうがより効果的となる。なお、加湿の他の方法としては、水330aをヒータ(図示せず)で蒸発させたり、超音波加湿素子(図示せず)で霧状にして加湿するなどがある。320は制御手段であり、この制御手段320によって熱電変換素子303に印加する直流電圧が制御される。また、第1ポンプ306、第1送風機311、第2ポンプ309、第2送風機313の駆動は、図示しない庫内温度の温度検出センサの検出値に基づいて制御されており、この制御により庫内が所定の温度に制御されている。また、制御手段320には、交流電源を直流に整流する整流回路が設けられており、この整流回路により整流された直流が熱電変換素子303に使用されている。なお、323は、前記整流回路に交流を供給するための電源コードである。なお、上述のような冷蔵庫としては、例えば、実開昭64−5081号及び特開平3−260587号公報に示めされたものが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のワイン保冷庫は以上のように構成されていた。しかしながら、この従来のワイン保冷庫に使い勝手の悪い種々の問題があった。即ち、庫内を高湿度に保つためには、水を定期的に補給する必要があり、手間がかかるという問題があった。また、長期間水を放置しておくと、菌の繁殖等衛生的に好ましくない状態になるため、水をこまめに入れ替える必要があり、また、水受皿も定期的に洗浄する必要があるなど大変煩わしいという問題があった。また、水の自然蒸発及びヒータ等により加湿するため、所定の湿度に維持調整することが難しいという問題があった。また、ワインボトルを貯蔵するに当たり湿度を必要とするのはワインボトルのコルクにより形成される栓部のみであるが、庫内全体が高湿度にされていた。従って、高湿度での貯蔵を必要としないワインボトルのラベル側部分も高湿度にさらされており、無駄な加湿が行われて不経済であった。さらに、湿気によりラベルにカビが発生しやすいという課題もあった。また、最上段のワインボトルが下段のワインボトルと逆向きに栓部が後方を向くように収納されているため、通常ワインボトルを手に持って収納や取出を行う場合に、手で握りやすい細い栓部側を持つことができず、手に持ちにくいラベル側の太い部分を持たざるを得ず、最上段のワインボトルについては収納や取り出しが若干行い難いという問題があった。
【0009】本発明は、このような従来の技術に存在する種々の問題点に着目してなされたものであって、第1〜13の発明は、ワインを使い勝手良く適切に保存可能としたワイン保冷庫を提供することを目的とする。また、第1〜4,9,10、および11の発明は、上記目的に加え、使用者が保冷庫を加湿するための水の定期的な補給や、水補給部分の清掃などの煩わしい作業を不要としながら、ワイン保冷庫内を衛生的に維持でき、かつ、ワイン保冷庫内を所定湿度に正確に維持できるワイン保冷庫を提供することを目的とする。また、第5〜11の発明は、上記目的に加え、湿度の必要なワインボトルの栓部のみを加湿できるようにして、無駄のない経済的な加湿を行え、かつ、ラベルのカビの発生を防止できるようにしたワイン保冷庫を提供することを目的とする。また、第12および13の発明は、上記目的に加え、ワインボトルの収納を容易にし、より一層使い勝手のよいワイン保冷庫を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、第1の発明は、温度調節手段の温度調節機能によりワインボトルを所定の温度に保冷貯蔵するワイン保冷庫において、水素イオン導電性の固体高分子電解質膜の両面それぞれに多孔性の電極を接合し、該両電極間に直流電圧を供給した場合に、該両電極の一方が除湿作用を行う陽極となり、他方が加湿作用を行う陰極となるように構成した湿度調整器を、前記保冷庫の内部と外部との隔壁に少なくとも1個配置し、かつ、該湿度調整器の陰極を前記保冷庫の内部に面し、陽極を前記保冷庫の外部に面するように取り付け、該湿度調整器の陰極における加湿作用により前記保冷庫内を所定湿度に加湿することを特徴とする。このように構成することにより、保冷庫の外部空気に面する湿度調整器の陽極においては、外部空気中の水分が触媒の作用で分解されて水素イオンを発生し(除湿作用)、この水素イオンが固定高分子電解質膜を介して庫内の陰極側に移動し、保冷庫内の空気中の酸素と反応して水分子として庫内空気中に放出されて加湿が行われる。従って、従来のように加湿用水を保冷庫内に配置しておく必要がなく、加湿用水の補給や、水受け皿及びその周辺部の清掃などの煩わしい作業の必要が無く、使い勝手が向上する。
【0011】また、第2の発明は、温度調節手段の温度調節機能によりワインボトルを所定の温度に保冷貯蔵するワイン保冷庫において、水素イオン導電性の固体高分子電解質膜の両面それぞれに多孔性の電極を接合し、該両電極間に直流電圧を補給した場合に、該両電極の一方が除湿作用を行う陽極となり、他方が加湿作用を行う陰極となるように構成した湿度調整器を、前記保冷庫の内部と外部との隔壁に複数個配置し、かつ、該湿度調整器の一部については陰極が保冷庫の内部に陽極が保冷庫の外部に面するように、さらに、他の該湿度調整器については陽極が保冷庫の内部に、陰極が保冷庫の外部に面するようにそれぞれ取り付け、これら湿度調整器の陰極における加湿および陽極における除湿作用により前記保冷庫内を所定湿度に調整することを特徴とする。このように構成することにより、上記第1の発明と同様の湿度調整が可能となり、使い勝手が良好となるが、さらに、この発明の構成の場合には、これら複数の湿度調整器各々の加湿および除湿作用を調整することにより、保冷庫内を所定湿度に正確に維持することが可能となる。
【0012】また、第3の発明は、上記保冷庫の温度調節手段として熱電変換素子を用いたものであり、また、第4の発明は、上記保冷庫の温度調節手段として冷凍サイクルを用いたものであることを特徴とする。
【0013】また、第5の発明は、温度調節手段の温度調節機能によりワインボトルを所定の温度に保冷貯蔵するワイン保冷庫において、保冷庫内に湿度調節器を配設し、保冷庫内のワインボトル収納部のワインボトルの栓部を優先的に加湿するごとくしたことを特徴としたもので、加湿の必要な栓部を高湿度とするのに好都合な構成を可能としている。
【0014】また、第6の発明は、温度調節手段の温度調節機能によりワインボトルを所定の温度に保冷貯蔵するワイン保冷庫において、該保冷庫内のワインボトル収納部をワインボトルの栓部収納部とワインボトルのラベル側収納部とに区画形成し、前記保冷庫内に湿度調節器を配設して、前記ワインボトルの栓部収納部のみを加湿するごとく構成したことを特徴とする。このように構成することにより、加湿の必要な栓部のみが加湿され、無駄な加湿が回避されるとともに、ラベルの変質が防止される。
【0015】また、第7の発明は、前記ワイン保冷庫の前面に開閉扉を設け、また、前記ワインボトルの収納部に該開閉扉と平行、かつ、ワインボトルの栓部を挿入することができる挿入穴を備えた仕切り板を設け、該仕切り板と前記開閉扉との間に前記ワインボトルの栓部収納部を形成し、該仕切り板の背面側に前記ワインボトルのラベル側収納部を形成したことを特徴とし、簡易な構成により、加湿の必要なワインボトルの栓部収納部の仕切りを可能としている。
【0016】また、第8の発明は、前記仕切り板を前記開閉扉に固定し、より一層簡易な構成を可能としている。
【0017】また、第9の発明は、前記ワインボトルの栓部収納部とワインボトルのラベル側収納部とに区画する区画部分に、第1の発明に記載のものと同様の湿度調整器を配設したことを特徴とし、加湿用の水を保冷庫内に置くこと無しに、また、加湿用水を補給すること無く、ワインボトルの栓部を加湿でき、また、ワインボトルのラベル側を除湿できるようにして、使い勝手をより一層向上させるとともにラベル側のカビの発生を防止したものである。
【0018】また、第10の発明は、第1の発明に記載のものと同様の湿度調整器を複数個有し、該湿度調整器の一部を、前記ワインボトルの栓部収納部を加湿可能とするように前記保冷庫の外部と前記ワインボトルの栓部収納部との隔壁に少なくとも1個配置し、かつ、他の該湿度調整器をワインボトルのラベル側収納部を除湿可能とするように前記保冷庫の外部と前記ワインボトルのラベル側収納部との隔壁に少なくとも1個配置し、前記一部の湿度調整器の陰極における加湿作用により前記ワインボトルの栓部収納部を所定湿度に加湿し、さらに、前記他の湿度調整器の陽極における除湿作用により前記ワインボトルのラベル側収納部を除湿することを特徴とする。そして、このように構成することにより、加湿用水を保冷庫内に置くこと無しに、また、補給すること無く、ワインボトルの栓部収納部を加湿することができる様にし、使い勝手を向上させるとともに、この加湿とは関係なくワインボトルのラベル側収納部を除湿することができ、ラベル側のカビの発生をより一層確実に防止したものである。
【0019】また、第11の発明は、前記湿度調整器の陽極を除湿作用するとともにオゾンを発生する構成とし、該陽極の作用により、前記ワインボトルのラベル側収納部を除湿するとともにオゾンを発生させたことを特徴とし、オゾンの作用によりラベルにおけるカビの発生をより効果的に防止するものである。
【0020】また、第12の発明は、温度調節手段の温度調節機能によりワインボトルを所定の温度に保冷貯蔵するワイン保冷庫において、該保冷庫の前面に開閉扉を設け、該保冷庫内のワインボトル収納部を、ワインボトルの栓部全てが前記開閉扉側を向くように複数段に構成するとともに、最上段以外の下段のワインボトルが略水平もしくは若干栓部側が上方に傾斜するように構成し、さらに、最上段のワインボトルが下段のワインボトルより栓部側が上方に向くように傾斜して配置されるように構成したことを特徴とする。このように構成することにより、最上段のワインボトルを、ワインラベルが前方に見えるように貯蔵することが可能となり、使い勝手を向上させたものである。
【0021】また、第13の発明は、上記第12の発明に係わるワイン保冷庫において、最上段のワインボトルの傾斜角度を15〜60度にし、ワインボトルのラベル部分が前方からより一層見えやすくしたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1実施の形態)以下、本発明の第1実施の形態について図1〜図8に基づき説明する。なお、図1は開閉扉を開いた状態のワイン保冷庫の正面図、図2は図1の側断面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は回路構成図、図5はワイン保冷庫の保冷動作を説明するフローチャート、図6はワイン保冷庫の保湿動作を説明するフローチャート、図7は湿度調整器の原理説明図である。図8はペルチェ効果の一般的な動作原理説明図である。
【0023】これら図において、1はワインボトル16のワイン保冷庫(以下単に保冷庫と称す)であり、前面に開閉扉2を備えている。また、この保冷庫は、ワインの品質に影響を与えないように、15℃前後の安定した所定温度でワインを貯蔵している。3は、ペルチェ効果により吸熱および放熱を行う熱電変換素子である。ここで、ペルチェ効果の一般的な動作原理を図8に基づき説明する。2種類の成分や含有量の異なった金属を、例えばn形半導体とp形半導体とを直列に接続する。そして、直流電源を加えると一方の接続部で吸熱が、また他方の接続部で放熱が行われる。熱電変換素子3は、原理的にはこのような両接続部を熱交換面3a,3bとして形成したものであって、その電流方向を可逆に切り換えることによって、吸熱と放熱とを切り換えることができるものである。
【0024】すなわち、この熱電変換素子3は、印加する直流電源の極性を変更することにより、第1熱交換面3aを吸熱面または放熱面とし、逆に第2熱交換面3bを放熱面または吸熱面として選択的に運転することができる。そして、この吸熱と放熱とにより保冷庫1の内部を15℃前後の所定温度に調節している。このように熱電変換素子3を温度調節手段として使用することにより、圧縮機を有する一般的な冷凍サイクルによる温度調節手段に比較し、圧縮機を使用しないことで振動を少なくでき、また、温度の調整が行いやすくなる利点がある。また、このように保冷庫の振動を少なくすると、ワインの澱が舞ったり、ワインが過熟成を引き起こすなどの問題が回避される。
【0025】熱電変換素子3の第1熱交換面3a側と第2熱交換面3b側とには、熱交換面3a、3bと熱交換関係にそれぞれ熱交換器4a,4bが配設されており、例えば、接着等の手段により、第1熱交換面3aまたは第2熱交換面3bに結合されている。5は、保冷庫1内の温度を調節する熱交換手段としての第1熱交換器で、第1循環パイプ7により熱交換器4aに接続されている。そして、この回路内には、不凍液等の熱媒体が封入され、熱電変換素子3の吸熱または放熱を伝達する熱交換器4aで冷却または加熱された熱媒体が第1ポンプ6により循環される様に構成されている。また、この熱媒体が第1熱交換器5において庫内空気と熱交換して、庫内空気を冷却または加熱するように構成されている。また、8は、庫外空気との熱交換手段としての第2熱交換器であって、第2循環パイプ10により熱交換器4bに接続されている。そして、この回路内には、不凍液等の熱媒体が封入され、熱電変換素子3の放熱または吸熱を伝達する熱交換器4bで加熱または冷却された熱媒体が第2ポンプ9により循環される様に構成されている。また、この熱媒体が第2熱交換器8において庫外空気と熱交換して放熱または吸熱するように構成されている。11は、保冷庫1内の空気を循環させる第1送風機で、ワインボトル収納部17と前記第1熱交換器5を収納した庫内空気通風路55とを仕切る背面板12に取り付けられている。そして、第1送風機11の運転により、下方の吸込口12aから吸込んだ庫内の空気を第1熱交換器5に送風して熱交換させ、再び庫内へ送風するように構成されている。また、13は、第2熱交換器8の上方に設けた第2送風機であって、下部の外気吸込口14から吸込んだ庫外空気を第2熱交換器8に送風して熱交換させ、上方の排出口15より再び庫外へ送風するように構成されている。なお、第1熱交換器5は、保冷庫1の後部に形成された庫内空気通風路55に収納されている。また、第2熱交換器8、熱電変換素子3、第2ポンプ9等は保冷庫1の背部において、背面隔壁57を介してさらに庫内空気通風路55の背面側に形成された庫外空気通風路56内に収納されている。
【0026】前記保冷庫内のワインボトル収納部17には、ワインボトルを所定位置に収納するための網棚17aが形成されている。この網棚17aは、ワインボトル16間に庫内空気通路を形成するために線材で形成されている。また、網棚17aは、ワインボトル16を左右に4本ずつ上下に5段収納できるように棚状に構成されたものであって、ワインボトル16の座りを良くするために、各ワインボトルの収納位置には、ワインボトル16の直径より幅狭に配置した2本の線材が前後方向に掛け渡されている。また、この線材は、庫内奥側端部を上方に短く折り曲げた折り曲げ部を有し、さらに、このこの折り曲げ部上端部は各段毎に左右方向の線材により連結されている。この折り曲げ部と左右方向の線材とは、栓部16a側が開閉扉2側に向くようにワインボトル16をこの網棚に載置した場合に、ワインボトル16の底部に対する位置決め用当たりを形成している。このように網棚17aは、ワインボトル16を、先端側の栓部16a側が開閉扉2側に向くように載置してワインボトル16を収納するように構成したものであるが、下4段については、ワインボトル16をほぼ水平に収納できるように構成されており、最上段については、ワインボトル16の栓部16a側が上方に向くように、傾斜して収納できるように構成されている。
【0027】この最上段のワインボトル16を傾斜させる理由としては、傾斜によりワインの澱をワインボトル16の下部に沈殿させて飲みやすくするためであり、さらには、ワインボトル16の傾斜により、ラベル側部分16bの銘柄等を前方より網棚の線材間を通して見えやすくして、ラベルの模様により見た目をよくするとともに、目的のワインボトル16を取出しやすくするためである。また、最上段のワインボトル16の傾斜により、その下の段のワインボトル16が前方より良く見えるため、2段目のワインボトル16のラベル側部分16bも容易に見ることができ、ワインボトル16の出し入れが容易となる。
【0028】この傾斜角度は、勾配が大きいほどラベルが見やすくなるが、反面、保冷庫1の上下方向の寸法が大きくなり、また、前方よりの取出しが困難になるとともに、ワインボトル16の倒れを防止する必要が生ずるなどの不具合が出てくるため、前記角度θとしては水平に対し15〜60度が好適な範囲と考えられる。なお、この第1実施の形態では、この傾斜角度θを水平に対し約20度としている。また、前述のように下4段および最上段の総てのワインボトル16を、栓部16a側が開閉扉2側に向けて載置するように構成しているので、ワインボトル16が所定位置に載置されることにより見栄えが良くなる。また、上段の傾斜収納されたワインボトル16も細く持ちやすい栓部16aを持って出し入れすることができ、収納や取り出しが容易となる。
【0029】第1熱交換器5を収納した庫内空気通路55の上方には、保冷庫1の庫外、庫内間の隔壁としての左側壁を貫通させた貫通穴19が設けられている。また、18は、この貫通穴19を塞ぐように設けられた湿度調節器である。この湿度調節器18は、保冷庫1内を加湿するためのものである。次に、この湿度調整器18の構成を図7に基づき説明する。図7に示すように、湿度調整器18は、固体高分子電解質膜18aの両側に多孔性電極から成る陽極18b,陰極18cをはり合わせて構成している。固体高分子電解質膜18aはガス成分を透過させないが、外部より直流電源18d(例えば約3V)を印加すると水素イオンのみが膜中を移動する。また、陽極18b,陰極18cを構成する多孔性電極は、触媒作用を持った電極であって、ガスを透過させるために多孔質の材料を用いている。そして、この湿度調節器18については陰極18cを庫内側に陽極18bを庫外側に面するように配置し、この湿度調整器18の固体高分子電解質膜18aで保冷庫の内外を仕切る様に構成している。
【0030】次に上記のように構成された湿度調整器18の作動原理を図7に基づき説明する。湿度調整器18の陽極18bに正、陰極18cに負の直流電圧を印加すると、陽極18bでは保冷庫1外部の空気中に含まれる水分が、触媒の作用で次式の反応により分解される。
陽極18b側(除湿側)の反応式;H2O→2H++1/2O2+2e-そして、水素は水素イオンとなり、水素イオンは負に帯電された陰極18cに引かれて、固体高分子電解質膜18a中に入り、陰極18c側に移動する。また、酸素は酸素ガス分子として保冷庫1外部の空気中に放出される。そして、陰極18c側に到達した水素イオンは、触媒作用により保冷庫1内の空気中の酸素ガスと次式のように反応し、水分子として保冷庫1内の空気中に放出され、保冷庫内を加湿する。
陰極18c側(加湿側)の反応式;2H++1/2O2+2e-→H2Oすなわち、水分は陽極18b側で減少(除湿)し、陰極18c側で増加(加湿)する。従って、この湿度調整器18により、保冷庫1内を加湿することができる。
【0031】20は制御手段である。この制御手段20は、庫内の湿度を検出する湿度検出センサ22の検出値に基づいて、固体高分子電解質膜18aを有する湿度調整器18に印加する直流電圧の供給を制御している。さらに、制御手段20は、第1ポンプ6、第1送風機11、第2ポンプ9、第2送風機13の駆動を、庫内温度の温度検出センサ21の検出値に基づいて制御しており、この制御により庫内を所定温度に制御している。また、制御手段20には、交流電源を直流に整流する整流回路が設けられており、この整流回路により整流された直流が熱電変換素子3や湿度調整器18等に使用されている。なお、23は、前記整流回路に交流を供給するための電源コードである。
【0032】次に、第1実施の形態の保冷庫の動作について、図5,図6のフローチャートに基づき説明する。保冷庫1の温度調整の動作は、図5に示すように、先ず、ステップ101で保冷庫が運転される。次いで、ステップ102で庫内の温度がワインに好適である所定温度a℃、本第1実施の形態では、例えば15℃±0.5℃の14.5℃〜15.5℃、であるかを温度検出センサ21の検出温度から判断する。そして、庫内温度が所定温度a℃(この場合14.5℃〜15.5℃)であれば、ステップ103において、熱電変換素子3における熱交換を停止するために、熱電変換素子3、ポンプ6およびポンプ9をOFFとして、ステップ102へ戻る。
【0033】そして、ステップ102で、庫内温度が所定温度a℃(この場合14.5℃〜15.5℃)でない場合は、ステップ104において庫内温度が所定温度a℃(この場合14.5℃〜15.5℃)よりも高いかを判断する。庫内温度が所定温度a℃(この場合15.5℃)よりも高ければ、庫内を冷却するように、ステップ105において、熱電変換素子3の第1熱交換面3a側が吸熱となるように正運転するとともに、ポンプ6,9を運転させる。そして、ステップ106で庫内温度が15℃になるまで、ステップ104,ステップ105を繰り返し、庫内温度が15℃まで冷却されると、ステップ102へ戻る。
【0034】すなわち、この場合、第1熱交換面3aは吸熱面として、また、第2熱交換面3bは放熱面として作用するように、熱電変換素子3に直流電源が印加される。従って、第1ポンプ6の動作により第1循環パイプ7を介し、熱交換器4aと第1熱交換器5を循環する熱媒体が、熱交換器4aで冷却される。そして、第1送風機11によって送風される庫内空気が、第1熱交換器5で熱媒体により冷却され、庫内空気が所定温度15℃になるまで冷却運転される。
【0035】また、冬場などのように低外気温の影響等により、ステップ104において庫内温度が所定温度a℃(この場合14.5℃)より低い場合は、庫内を暖めるように、ステップ107において、熱電変換素子3の第1熱交換面3a側が放熱となるように逆運転されるとともに、ポンプ6,9を運転させ、ステップ106において庫内温度が所定温度a℃(この場合15℃)になるまで、ステップ104,ステップ107を繰り返して加温され、所定温度a℃(この場合15℃)になるとステップ102へ戻る。
【0036】すなわち、この場合、熱電変換素子3に印加する直流電源の極性を制御手段20により入れ替えることで、前記とは逆に、第1熱交換面3aは放熱面として、また、第2熱交換面3bは吸熱面として作用するように、熱電変換素子3に直流電源が印加される。従って、第1ポンプ6の動作により第1循環パイプ7を介し熱交換器4aと第1熱交換器5を循環する熱媒体が、熱交換器4aで加熱される。そして、第1送風機11によって送風される庫内空気が、第1熱交換器5で熱媒体により加熱され、庫内空気が所定温度15℃になるまで加熱運転される。このようにして、保冷庫1内は常にワインに好適な15℃±0.5℃に維持される。
【0037】次に、保冷庫1の湿度調整動作について、図6のフローチャートに基づいて説明する。先ず、ステップ201で保冷庫が運転される。次いで、ステップ208において、庫内湿度がワインボトル16の栓部16aに好適な所定湿度b%(本第1実施の形態では、例えば60%以上)であるかが、制御手段20に接続された庫内湿度を検出する湿度検出センサ22の検出湿度から判断される。栓部16aが、好適な所定湿度(この場合60%以上)でない場合は、ステップ209において、湿度調整器18をON(直流電源を印加)し、庫内を加湿してステップ208に戻り、庫内湿度が所定湿度(この場合60%)となるまで加湿される。そして、ステップ208において、庫内湿度が所定湿度(この場合60%)になれば、ステップ210において、湿度調整器をOFFしてステップ208へ戻る。このようにして保冷庫1内の湿度が常に所定湿度(この場合60%以上)に保持され、ワインボトル16のコルクの乾燥による栓部16aの緩みが防止され、ワインの酸化の進みが防止される。
【0038】第1実施の形態は、以上のように構成されているので、ワインボトル16の栓部16aを形成するコルクにワインが浸るとともに、ワインボトル16の外側雰囲気が60%以上に制御されていることにより、確実に栓部16aの緩みが防止される。これにより、ワインボトル16内への空気の進入が防止され、ワインの酸化が防止される。また、従来のように加湿用の水を定期的に補給したり、水受皿などの水補給部を洗浄等清掃しなければならないなどの煩わしい作業が不要となる。従って、従来のように補給した水に雑菌が発生するなどの不具合もなく衛生的である。また、本第1実施の形態では、庫内温度調節手段として直流電源で動作するペルチェ効果による熱電変換素子3を温度調節手段として利用しており、さらに、湿度調整器18も直流電源で駆動するものであるため、制御用の電気部品等の選定や回路設計が行いやすいという効果がある。また、保冷庫1の庫内温度調節手段は、ペルチェ効果の熱電変換素子3を使用しているので、通常の圧縮機を用いる冷凍サイクルにより構成されたものに比べ振動が少ない。このため、振動によりワインの澱が舞ったり、ワインの熟成に悪影響を与える恐れがない。また、電源を印加すれば、直ぐに吸熱や放熱が行われるため、温度調節が容易となる利点がある。
【0039】また、本第1実施の形態では、庫内温度調整の際の到達目標温度を15℃とし、熱電変換素子3を停止させている温度を14.5℃〜15.5℃として±0.5℃の温度幅をもたせているので、熱電変換素子3が頻繁にON,OFFを繰返すことがなく、省エネ効果を発揮することができる。また、本第1実施の形態では、庫内湿度調整を庫内湿度60%を境に、湿度調整器18の運転と停止を行うものを示したが、庫内を加湿するために湿度調整器18を運転する場合は、庫内湿度が63%になるまで運転して停止し、次に、庫内湿度が60%に低下した場合に湿度調整器18の運転を再開するようにして、前記温度調節手段と同じように、庫内湿度の設定幅に上記のように3%程度の余裕を設け、湿度調整器18の停止時間を長くするようにしてもよい。
【0040】また、本第1実施の形態では、庫内空気を加熱して庫内温度を上げる場合、熱電変換素子3に印加する直流電源の極性を逆にして加熱させたものを示したが、この熱電変換素子3を、印加する直流電源の極性を可逆に変更しない冷却専用とすることもできる。例えば、庫内空気を冷却する場合には、熱電変換素子3の吸熱を利用し、逆に、庫内空気を加熱する場合には、熱電変換素子3を停止させたままとして、加熱専用に庫内に設けたヒータ(図示せず)に通電して庫内空気を加熱するように構成しても良い。
【0041】(第2実施の形態)次に、第2実施の形態について図9に基づき説明する。この図9は、第1実施の形態に係る図2に相当する側断面図である。尚、上記第1実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。第1実施の形態は、庫内の温度調節手段として熱電変換素子3を使用しているが、この第2実施の形態は、庫内を所定の温度(15℃)まで冷却する温度調節手段として、通常の冷蔵庫に使う冷凍サイクルにより構成されたものを使用している点で第1実施の形態と相違する。この第2実施の形態における温度調節手段は、代替フロンガス等の冷媒を圧縮する圧縮機24、第1実施の形態の第2熱交換器8に相当する放熱用の凝縮器26、第1実施の形態の第1熱交換器5に相当する吸熱用の蒸発器27等を備えている。なお、この温度調節手段は、冷却専用として圧縮機24の運転を制御し、庫内の温度を所定の温度にする構成としてもよいが、庫内の温度が低すぎる場合に庫内を加熱できるように、上記冷凍サイクルを可逆転可能としたヒートポンプサイクルとしても良い。また、冷凍サイクルを冷房専用としておき、ヒータ(図示せず)を設けて加熱できる構成としてもよい。なお、温度調節手段以外の湿度調整器18を含む他の構成は基本的に第1実施の形態と同様である。
【0042】この第2実施の形態によれば、熱電変換素子3を使用するものに比べ圧縮機24による振動が強くなる可能性はあるが、第1実施の形態と同様に固体高分子電解質膜18aによる湿度調整器18を庫内の湿度調整に使用しているので、ワインボトル16の栓部16aの保湿のために、従来のように加湿用の水を定期的に補給したり、水受皿などの水補給部を洗浄等清掃しなければならないなどの煩わしい作業が不要であり、また、補給した水に雑菌が発生するなどの不具合もなく衛生的であるという効果が第1実施の形態の場合と同様に得られる。
【0043】(第3実施の形態)次に、第3実施の形態について図10〜12に基づき説明する。図10は、図2に相当するワイン保冷庫の側断面図、図11はワイン保冷庫の回路構成図、図12はワイン保冷庫の保湿動作を説明するフローチャートである。尚、上記第1実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。第1実施の形態は、固体高分子電解質膜18aによる湿度調整器18を1個設けて湿度を所定値以上に保持したものであるが、第3実施の形態は、図10,図11に示すように固体高分子電解質膜による湿度調整器を2個設けている。28は、保冷庫1内の除湿用の湿度調整器であって、第1実施の形態と取り付け方が異なる。即ち、この湿度調整器28は、一方の湿度調整器18とは逆の面が向くように、従って、庫内側が陽極28bで庫外側が陰極28cとなるように配設され、保冷庫1内を除湿できるように取り付けられている。
【0044】次に、この第3実施の形態の保冷庫1の湿度調整動作について、図12のフローチャートに基づき説明する。前述の第1実施の形態は、保冷庫1内の湿度が60%以上になるように加湿するものであって、この場合でも湿度調整器18の加湿を停止させれば60%を大きく超えて湿度が上がりすぎることは通常あまりないが、上がりすぎた庫内湿度を下げることができない。これに対し、本第3実施の形態は、湿度をワインボトル16の栓部16aに好適である湿度60%〜63%の一定幅に調節できるようにしたものである。 先ず、ステップ201で保冷庫1が運転されると、ステップ211において庫内の湿度が63%より高すぎないかを、制御手段20が庫内の、特に、栓部16a近傍の湿度を検出する湿度検出センサ22の検出湿度から判断する。そして、湿度が63%より高ければ、ステップ212で加湿側の湿度調整器18をOFFするとともに、ステップ213において除湿側の湿度調整器28をONして庫内を除湿し、庫内湿度を63%以下になるように制御する。
【0045】そして、ステップ211において湿度が63%よりより低くなると、ステップ214で除湿側の湿度調整器28をOFFして除湿を停止し、次いでステップ215において庫内湿度が60%より低くないかを判断する。そして、低くなければステップ211へ戻る。また、ステップ215において湿度が60%より低ければ、ステップ216で加湿用の湿度調整器18をONして庫内を加湿し、ステップ211に戻り、ステップ211で庫内の湿度が63%より多くなるまで加湿する。そして、庫内湿度が63%を越えれば、再びステップ212へと進むループを繰返し、庫内湿度を60%〜63%に維持する。この第3実施の形態によれば、第1実施の形態の効果に加え、湿度を一定に保つことができワインの保存環境をさらに良くすることができるという効果がある。また、湿度が不必要に高くなりすぎることがないので、ワインボトル16のラベル側部分16bが湿りすぎて、カビの発生が起こりやすくなるなどの不具合を解消することができる。
【0046】(第4実施の形態)次に、第4実施の形態について図13に基づき説明する。なお、図13は図2に相当する側断面図である。また、上記第1実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。第1実施の形態は、熱電変換素子3の放熱と吸熱を、それぞれ別個に形成された熱交換器4a,4b、循環パイプ7,10,ポンプ6,9、熱交換器5,8等を必要としたが、この第4実施の形態は、図13に示すように熱電変換素子3の一方(この実施の形態では庫外側)の第2熱交換面3bを対空気用熱交換器とすることにより保冷庫の構成を簡略化したものである。即ち、第2熱交換面3bに直接放熱フィン4cを設け、第2送風機13により流通される庫外空気と熱電変換素子3とを直接熱交換するようにしている。従って、第1実施の形態で必要としていた第2熱交換器8,第2循環パイプ10、第2ポンプ9が不要となる。これにより、部品点数が減って安価になるとともに、第2ポンプ9による振動が減少して保冷庫1の振動をより一層抑制でき、ワインの貯蔵を良好にすることができる。また、この第4実施の形態では、第1実施の形態の場合と異なり、下段のワインボトルを若干傾斜させて収納できるように構成している。即ち、最上段のワインボトル16よりも急な傾斜ではないが、下段のワインボトル16も栓部16a側が若干高くなるように水平より4度程度傾けて収納させている。この角度は、ワインボトル16の上下の収納スペースに影響の少ない程度の範囲としている。これにより、澱がボトル16の下方に沈殿しやすく、また、人の背丈より下方に収納されたボトル16を手で持って取出す際、傾斜により若干取出しやすくなる。
【0047】(第5実施の形態)次に、第5実施の形態について図14に基づき説明する。なお、図14は前記図13に相当する側断面図である。尚上記第4実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。第4実施の形態は、熱電変換素子3の一方の第2熱交換面3bのみに直接放熱フィン4cを設けて、循環パイプ10,ポンプ9、第2熱交換器8を使用しないようにしていたが、本第5実施の形態では、熱電変換素子3の両面の熱交換面3a,3bともに直接放熱フィンを設けるようにし、保冷庫の構成をより一層簡略化している。即ち、図14に示すように、熱電変換素子3を庫内空気通風路55と庫外空気通風路56との保冷庫の背面隔壁57に貫通状に埋め込んで取り付け、庫内空気通風路55に面する第1熱交換面3a側および庫外空気通風路56に面する第2熱交換面3b双方に直接放熱フィン4dおよび4cを設けている。そして、送風機11で庫内空気を放熱フィン4dを介して流通させて熱交換させるように構成するとともに、庫外空気を放熱フィン4cを介して流通させて熱交換させるように構成している。従って、第1実施の形態で必要とした熱交換器5,8、循環パイプ7,10、ポンプ6,9が不要となり、保冷庫がより一層簡略化されて安価となる。また、ポンプ6,9を不要とすることで、振動をより一層低減でき、ワインの貯蔵をより一層良好にすることができる。また、この第5実施の形態では、第4実施の形態と同様に、下段のワインボトル16を栓部16a側が若干高くなるように傾けている。
【0048】(第6実施の形態)次に、第6実施の形態について図15〜17に基づき説明する。なお、図15は図1に相当する正面図、図16は図15の保冷庫の側断面図、図17は図16のB−B線断面図である。また、上記第1実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。この第6実施の形態は、ワインボトル収納庫17をワインボトル16先端の栓部16aを収納するワインボトルの栓部収納部17Aと、ワインボトル16のラベル側部分16bを収納するワインボトルのラベル側収納部17Bとに区画形成し、この区画形成したワインボトルの栓部収納部17Aを加湿して栓部16aの雰囲気を所定の高湿度にするとともに、加湿の不要なワインボトルのラベル側収納部17Bへの加湿を行わないようにしたものである。従って、ワインボトルの栓部収納部17Aを効率良く加湿できる。また、ワインボトルのラベル側収納部17B等加湿不要部分への加湿を無くし、ラベル側部分16b等におけるカビの発生を防止するものである。
【0049】29は、ワインボトル収納部17において開閉扉2と平行に設けられた仕切り板である。この仕切り板29は、内部が見えやすいように透明な部材等で形成されており、右端が回転自在に保冷庫の側壁に軸止され、開閉扉2と同じように開閉自在に設けられている。また、この仕切り板29には、仕切り板29を閉じた位置でワインボトルの栓部16aが挿入されて前方に突出するような挿入穴29aが、収納可能なワインボトル16の本数分設けられている。なお、挿入穴29aの大きさは、仕切板29が開閉する際に栓部16aがスムーズに出入できるように、栓部16aの大きさより余裕のある大きさとされている。そして、この仕切り板29により、ワインボトル収納部17は、ワインボトル16先端の栓部16aを収納するワインボトルの栓部収納部17Aと、ワインボトル16のラベル側部分16bを収納するワインボトルのラベル側収納部17Bとに仕切られる。なお、ワインボトルの栓部収納部17Aは、開閉扉2とこの仕切り板29との間に形成されている。また、この第6実施の形態においては、固体高分子電解質膜18aによる湿度調整器18を、このワインボトルの栓部収納部17Aの保冷庫1の左側壁に配置し、湿度調整器18の陰極側(加湿側)がワインボトルの栓部収納部17Aに、陽極側(除湿側)が庫外に面するように取り付けられており、この湿度調整器18でワインボトルの栓部収納部17Aを加湿するように構成している。また、このワインボトルの栓部収納部17Aの湿度の調整は、湿度検出センサ22(図示せず)をワインボトルの栓部収納部17A内の栓部16a近傍に設けて上記第1実施の形態と同様に制御されている。このように構成すると、ワインボトルの栓部収納部17Aは仕切板29により第1送風機11の風の影響をあまり受けなくなるため、加湿された雰囲気は開閉扉2を開けない限り、ワインボトルの栓部収納部17Aから沢山逃げることがなく、ワインボトルの栓部収納部17Aを容易に高湿度に維持することができる。
【0050】以上のごとく本第6実施の形態によれば、加湿する部分がワインボトルの栓部収納部17Aだけなので、湿度調整器18の能力が小さくても十分に加湿の効果が得られる。従って省エネの効果を上げることができる。また、加湿の不要な部分、即ち、ワインボトルのラベル側収納部17Bに加湿しないため、ラベルにカビの発生する恐れの少ないものが得られる。また、ワインボトルの栓部収納部17Aを形成するに際しては、保冷庫1前面の開閉扉2と平行に栓部16aが挿入される挿入穴29aを有する仕切板29を設けるだけであるので、部品としては仕切板29を追加するだけでよく、簡単な構成でワインボトルの栓部収納部17Aを区画形成できる。
【0051】(第7実施の形態)次に、第7実施の形態について図18および図19に基づき説明する。なお、図18は図16に相当する保冷庫の側断面図、図19は図18のC−C線断面図である。また、上記第6実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。第6実施の形態では、仕切板29を開閉扉2とは別体に設けてワインボトルの栓部収納部17Aを区画形成し、開閉扉2と仕切板29とを別々に開閉操作したが、本第7実施の形態では、図18,図19に示すように、仕切板29を開閉扉2に設け、開閉扉2内にワインボトルの栓部収納部17Aを区画形成している。また、湿度調整器18を開閉扉2の前面に設けて、開閉扉2内に形成されたワインボトルの栓部収納部17Aを、前述の第6実施の形態と同様に加湿できるようにしている。この第7実施の形態では、第6実施の形態のものに比べ、開閉扉2と仕切板29を別々に開閉させる必要がなく、ワインボトルの栓部収納部17Aをさらに簡単な構成で形成することができ、仕切り板29の開閉操作も簡単になる。
【0052】(第8実施の形態)次に、第8実施の形態について図20に基づき説明する。なお、図20は図16に相当する保冷庫の側断面図である。また、前述の第6実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。ワインボトルの栓部収納部17Aを加湿する手段として、前述の第6実施の形態では、固体高分子電解質膜18aを有する湿度調整器18を使用していたが、本第8実施の形態においては、図20に示すように、従来の技術と同様に水30aを貯溜し、蒸発、または霧状にして加湿する加湿器30を使用し、この加湿器30をワインボトルの栓部収納部17Aに設けている。この実施の形態によれば、水を直接加湿に用いるため、従来と同様に水を定期的に補給する必要や清掃の必要があって手間がかかるという課題はあるものの、加湿する部分が必要な範囲だけである。従って、前述の第6実施の形態の場合と同様に、効率のよい加湿を行うことができ、また、ワインボトルのラベル側収納部17B等加湿不要部分への加湿を行わないことにしてラベルのカビ発生を防止している。
【0053】(第9実施の形態)次に、第9実施の形態について図21に基づき説明する。なお、図21は図2に相当する保冷庫の側断面図である。また、前述の第1及び他の各実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。これまで述べてきた各実施の形態では、保冷庫1内全体を加湿するものや、ワインボトルの栓部収納部17Aを区画形成して加湿するものを示したが、本実施の形態においては、図21に示すように、加湿された空気が集中的に栓部16aに供給される様に構成している。即ち、この第9実施の形態では、保冷庫1の上部に連絡通風路58を形成し、第1送風機11の送風の一部をこの連絡通風路58に導き、この導いた庫内空気を庫内外を仕切る上壁(隔壁)に設けた湿度調整器18により加湿している。そして、この加湿された空気を、開閉扉62内の分配通風路63を介し、この分配通風路63の栓部16aに対向して設けられた吹出口64から集中的に栓部16aに供給し、該栓部16aを優先的に加湿するように構成している。この第9実施の形態によれば、庫内全体を加湿することにはなるものの、庫内の湿度があまり高くなくても、最初に加湿される栓部16aが高湿度になるため、庫内全体を高湿度にするものに比べ、加湿能力が少なくて済む。また、庫内全体を高湿度にするものに比べれば、庫内全体の湿度を低くすることができるので、ワインボトル16のラベル部分16bの湿度によるカビ発生を軽減することができる。
【0054】(第10実施の形態)次に、第10実施の形態について図22に基づき説明する。なお、図22は図16に相当する保冷庫の側断面図である。また、上記第6実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。上記第6実施の形態では、固体高分子電解質膜18aによる湿度調整器18を区画形成したワインボトルの栓部収納部17Aの保冷庫1の左側壁に配置し、湿度調整器18の陰極側(加湿側)がワインボトルの栓部収納部17Aに、陽極側(除湿側)が庫外に面するように取り付け、ワインボトルの栓部収納部17Aの雰囲気を所定の高湿度に加湿していたが、この第10実施の形態では、湿度調整器18を仕切板29に配置し、湿度調整器18の陰極側(加湿側)がワインボトルの栓部収納部17Aに、陽極側(除湿側)がワインボトルのラベル側収納部17Bに面するように取り付け、ワインボトルの栓部収納部17Aの雰囲気を所定の高湿度に加湿するとともに、ワインボトルのラベル側収納部17Bを除湿するように構成している。従って、この第10実施の形態によれば、第6実施の形態と同様に湿度調整器18の能力が小さくても十分に加湿の効果が得られるため、省エネで、また、加湿の不要なワインボトルのラベル側収納部17Bを加湿しないだけでなく除湿するため、ラベル側部分16bが湿気によりカビる不具合をより確実に防止することができる。また、ワインボトルのラベル側部分16bのカビ発生防止に必要なワインボトルのラベル側収納部17B用の除湿器を殊更に設ける必要が無い。
【0055】(第11実施の形態)次に、第11実施の形態について図23および図24に基づき説明する。なお、図23は図16に相当する保冷庫の側断面図、図24は図23のD−D線断面図である。また、上記第6実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。前記第6実施の形態では、湿度調整器18がワインボトルの栓部収納部17Aの加湿用の湿度調整器18のみが取り付けられていたが、本第11実施の形態は、この湿度調整器18以外に、ワインボトルのラベル側収納部17Bの除湿用湿度調整器28を保冷庫の左側壁(隔壁)に設ける点で、前記第6実施の形態と相違する。なお、この湿度調整器28は、陰極側(加湿側)が庫外に、陽極側(除湿側)が庫内に面するように取り付けれており、ワインボトルのラベル側収納部17Bが除湿されるように構成されている。従って、第11実施の形態は、上記第6実施の形態と同様に湿度調整器18の能力が小さくても、ワインボトルの栓部収納部17Aを十分に加湿でき省エネとなる。また、ワインボトルのラベル側収納部17Bを除湿するため、湿気によりラベルのカビ発生をより確実に防止することができる。
【0056】(第12実施の形態)次に、第12実施の形態について図25に基づき説明する。なお、図25は図23に相当する保冷庫の側断面図である。また、上記第11実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。この第12実施の形態は、ワインボトル16の栓部16a側を区画形成する他の例を示すもので、ワインボトル16を上記第11実施の形態とは前後逆に保冷庫1に収納させるものである。即ち、庫内の該ワインボトル収納部17の背面版12と間隔を置いた平行位置に、ワインボトルの栓部16aを挿入することのできる挿入穴49aを有する仕切り板49を配設し、この仕切り板49により、ワインボトル収納部17をワインボトルの栓部収納部17Aとワインボトルのラベル側収納部17Bとに区画形成し、さらに、区画形成されたワインボトルの栓部収納部17Aの側壁、即ち、保冷庫1の隔壁に加湿用の湿度調整器18を設け、この湿度調整器18でワインボトルの栓部収納部17Aを加湿して高湿度にしている。また、ワインボトルのラベル側収納部17Bにおける第1送風機11の近傍の側壁、即ち、保冷庫1の隔壁に除湿用の湿度調整器28を設け、この湿度調整器28によりワインボトルのラベル側収納部17Bを除湿している。本第12実施の形態の場合は、ワインボトル16のビンの太い部分を持って出し入れしなければならないため、若干出し入れは行いにくくなるものの、上記第11実施の形態と同様に、湿度調整器18の能力が小さくてもワインボトルの栓部収納部17Aを十分に加湿できるので省エネとなる。また、ワインボトルのラベル側収納部17Bが除湿されるため、ラベル側部分16bのカビの発生をより確実に防止することができる。
【0057】(第13実施の形態)次に、第13実施の形態について図26に基づき説明する。この第13実施の形態は、湿度調整器18、28の変形例を示す。上記第1実施の形態等で示した湿度調整器18および28は、水素イオン導電性の固体高分子電解質膜18aの両側に触媒作用を持った多孔性電極である陽極18b,陰極18cをはり合わせた構成となっており、多孔性電極の陽極18b側で除湿し、多孔性電極の陰極18c側では加湿するものである。これに対し、本第13実施の形態に示す湿度調整器32は、前記湿度調整器18,28と同様に固体高分子電解質膜33aの両側に触媒作用を持った多孔性電極である陽極33b、陰極33cを形成しているが、図26の原理説明図に示すように、陽極33b側の触媒を変えることにより、陽極33b側で空気中の水分を分解する際、酸素の一部は第1実施の形態の説明の際と同様に酸素分子となるが、他の一部はオゾンになるというものである。従って、陽極33b側では、除湿とともにオゾンを発生する。なお、固体高分子電解質膜33aの働き及び陰極33c側の加湿は、前述の湿度調整器18、28の場合と同様である。そこで、この湿度調整器32を第10実施の形態ないし第12実施の形態におけるワインボトルのラベル側収納部17Bを除湿する湿度調整器18または28に代えて用いると、ワインボトルのラベル側収納部17Bは除湿されるとともにオゾンが供給される。従って、ラベル側の殺菌やカビの発生をより一層効果的に防止することができる。
【0058】(第14実施の形態)次に、第14実施の形態について図27に基づき説明する。なお、図27は図16に相当する保冷庫の側断面図である。また、上記第6実施の形態と同一または相当の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。この第14実施の形態は、第6実施の形態において述べた仕切板29の挿入穴29a部分に挿入穴29aを開閉させる蓋29bを設けたもので、ワインボトル16が収納されていない部分の挿入穴29aを蓋29bで塞ぐことで、仕切板29によるワインボトルの栓部収納部17Aの区画形成をより確実にして加湿効率を上げている。なお、この第14実施の形態では、蓋29bをバネ29cの弾性により仕切板29の開閉動作により自動的に開閉するものを示すが、手動で開閉するものであってもよい。また、ゴム性の膜に十字の切込みを入れた物を設け、その切り込みに栓部16aが入り込むようにして、ワインボトル16が収納されない部分を塞ぐようにしてもよい。また、上述の蓋29bまたはその代替物を第7実施の形態、第8実施の形態、または、第10〜12実施の形態の仕切板29、49の挿入穴29a,49a部分に設けてもよい。
【0059】なお、以上説明した本発明は、以下の様に変更して具体化することも可能である。上記各実施の形態では、ワインボトル16専用のワイン保冷庫に適用した例を示したが、冷蔵庫の一部分にワインボトル16を収納できるように設けたもののように、他機能とワイン保冷貯蔵とが組み合わされた製品に適用することもできる。また、ワインボトル収納部17にビールビンなどの他の飲料ボトルを収納できるようにしても良い。また、上記各実施の形態において各湿度調整器18,28、32はそれぞれ1個の湿度調整器により形成されたものであるが、これらをそれぞれ複数個とし、前記湿度調整器18,28,32と同様に作用させるごとく構成してもよい。また、第1実施の形態や第3実施の形態等で説明した湿度の調整については、湿度(相対湿度)が一定でも庫内温度により含有水分量が変化するため、湿度は、含有水分量が一定となるように相対湿度の設定値を変更して調整するようにしてもよい。なお、上述の各実施の形態においては、庫内温度も所定値になるように調整されているので、上記含有水分量の変化による影響は少ないと考えられる。また、前述の各実施の形態では網棚17aでワインボトル16を収納するものを示したが、プラスチック製の板状の棚であってもよく、この場合は棚を透明な部材で形成すればワインボトルのラベルを上記各実施の形態と同様に見ることができる。なお、この場合、送風機11による空気の吹出しも各棚毎に吹出すなどの工夫をすればよい。
【0060】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。第1の発明によれば、水素イオン導電性の固体高分子電解質膜の両面に多孔性の電極を接合し上記電極の一方を陽極とし、上記電極の他方を陰極として上記両電極間に直流電圧を供給することにより上記陽極側では除湿し、かつ、上記陰極側では加湿する湿度調整器を保冷庫の内外隔壁に設けたので、保冷庫内加湿用の水を定期的に補給する必要を無くすことができる。従って、加湿用の水を補給する部分の清掃の必要がなく、使い勝手がよくなる。また、これにより衛生的なワイン保冷庫が得られる。
【0061】また、第2の発明によれば、保冷庫の内外隔壁に前述のものと同一の湿度調整器を複数個設け、この複数個の湿度調整器により加湿と除湿とを選択調整して保冷庫内の湿度を所定の湿度にしたので、上記第1の発明と同様に使い勝手が良くなるばかりでなく、ワイン保冷庫の所定湿度を正確に維持することができる。
【0062】また、第3の発明によれば、温度調節手段として熱電変換素子を用いたので、振動が軽減され、ワインの澱が舞ったり、ワインが過熟成したりするなどの問題を回避することができる。。
【0063】また、第4の発明によれば、温度調節手段として在来の冷凍サイクルによるものを用いることができる。
【0064】また、第5の発明によれば、保冷庫に収納したワインボトル先端の栓部を優先的に加湿するごとくしたので、加湿の必要な栓部を高湿度とするのに好都合な構成となり、無駄のない加湿を行うことができる。
【0065】また、第6の発明によれば、保冷庫内のワインボトル収納部をワインボトルの栓部収納部とワインボトルのラベル側収納部とに区画形成し、前記保冷庫内に湿度調節器を配設して、前記ワインボトルの栓部収納部のみを加湿するごとくしたので、湿度の必要なワインボトルの栓部収納部のみを高湿度にし、無駄のない加湿を行うことができる。また、これにより湿気によるラベルのカビ発生を防止することができる。
【0066】また、第7の発明によれば、前記ワイン保冷庫の前面に開閉扉を設け、また、前記収納部に該開閉扉と平行、かつ、ワインボトルの栓部を挿入することができる挿入穴を備えた仕切り板を設け、該仕切り板と前記開閉扉との間に前記ワインボトルの栓部収納部を形成し、該仕切り板の背面側に前記ワインボトルのラベル側収納部を形成したので、簡易な構成により、加湿の必要なワインボトルの栓部収納部を区画形成することができる。
【0067】また、第8の発明によれば、前記仕切り板を前記開閉扉に固定したので、より一層簡易に加湿の必要なワインボトルの栓部収納部を区画形成することができる。
【0068】また、第9の発明によれば、前記ワインボトルの栓部収納部とワインボトルのラベル側収納部とに区画する区画部分に、第1の発明のものと同様の湿度調整器を配設したので、加湿用水を保冷庫内に置くこと無しに、また、加湿用水を補給すること無く、ワインボトルの栓部収納部を加湿でき、かつ、ワインボトルのラベル側収納部を除湿することができる。従って、使い勝手が向上するとともにラベルのカビの発生を防止することができる。
【0069】また、第10の発明によれば、第1の発明のものと同様の湿度調整器を複数個有し、該湿度調整器の一部を、前記ワインボトルの栓部収納部を加湿可能とするように前記保冷庫の外部と前記ワインボトルの栓部収納部との隔壁に少なくとも1個配置し、かつ、他の該湿度調整器をワインボトルのラベル側収納部を除湿可能とするように前記保冷庫の外部と前記ワインボトルのラベル側収納部との隔壁に少なくとも1個配置し、前記一部の湿度調整器の加湿作用により前記ワインボトルの栓部収納部を所定湿度に加湿し、さらに、前記他の湿度調整器の除湿作用により前記ワインボトルのラベル側収納部を除湿するごとくしたので、加湿用水を保冷庫内に置くこと無しに、また、補給すること無く、ワインボトルの栓部収納部を加湿することができ、使い勝手が向上する。また、この加湿とは関係なくワインボトルのラベル側収納部を除湿することができ、ラベルのカビの発生をより一層確実に防止することができる。
【0070】また、第11の発明によれば、前記湿度調整器の陽極を除湿作用するとともにオゾンを発生する構成とし、該陽極の作用により、前記ワインボトルのラベル側収納部を除湿するとともにオゾンを発生させたので、オゾンの作用によりラベルにおけるカビの発生をより効果的に防止することができる。
【0071】また、第12の発明によれば、該保冷庫の前面に開閉扉を設け、該保冷庫内のワインボトル収納部を、ワインボトルの栓部全てが前記開閉扉側を向くように複数段に構成するとともに、最上段以外の下段のワインボトルが略水平もしくは若干栓部側が上方に傾斜するように構成し、さらに、最上段のワインボトルが下段のワインボトルより栓部側が上方に向くように傾斜して配置されるように構成したので、最上段のワインボトルを、ワインラベルが前方に見えるように貯蔵することができ、使い勝手が向上する。
【0072】また、第13の発明によれば、上記第12の発明に係わるワイン保冷庫において、最上段のワインボトルの傾斜角度を15〜60度にしたので、ワインボトルのラベル部分が前方からより一層見えやすくなり、ワインボトルの出し入れがより一層容易となり使い勝手が良くなる。
【出願人】 【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成11年1月18日(1999.1.18)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
【公開番号】 特開2000−205739(P2000−205739A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−9762