| 【発明の名称】 |
低温容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】根本 武夫
【氏名】佐保 典英
【氏名】富田 正弘
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| 【要約】 |
【課題】被冷却体を予め決められた温度に初期の段階で速やかに冷却できる。
【解決手段】寒剤容器1内に寒剤容器1の底板と平行に隔壁板21を設けて寒剤容器1内部の下部を囲い、下部半密閉室12を形成する。隔壁板21には、トランスファチューブ22からの寒剤1aが下部半密閉室12に流れるように注入孔21aを設ける。隔壁板の縁21bに沿って立上筒25aまたは立下筒25bを設け、寒剤容器の内壁1bとの間に一定の間隙を有する流通路14を設ける。寒剤容器1の底面には高熱伝導率の均熱板20を密着し、寒剤容器1の底部の熱交換効率を高くする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 寒剤を注入する寒剤容器と、前記寒剤によって冷却される被冷却体を冷却する熱交換器と、前記寒剤容器から前記熱交換器に前記寒剤を供給し該熱交換器から前記寒剤を排出する寒剤流通管と、該寒剤を排出する寒剤流通管に設けられ前記寒剤を排出する寒剤排出手段とを有する低温容器において、前記寒剤容器内部の一部空間を囲い前記寒剤を注入する注入孔を設ける隔壁を備え、前記一部空間から該寒剤容器内部の残りの空間に前記寒剤を流通させる流通路を形成してなる低温容器。 【請求項2】 請求項1において、前記隔壁の注入孔に前記寒剤を注入する抜き差し可能な抜き差し管の先端に連結または密着する受筒を設けてなる低温容器。 【請求項3】 請求項1または2において、前記隔壁は、前記寒剤容器の内壁とともに前記一部空間を囲い、前記流通路は、前記隔壁の縁および該隔壁の縁に前記寒剤容器の内壁に沿って立ち上がる立上筒と前記寒剤容器の内壁との間隙、または前記隔壁の縁および該隔壁の縁に前記寒剤容器の内壁に沿って立ち下がる立下筒と前記寒剤容器の内壁との間隙によって形成されてなる低温容器。 【請求項4】 請求項1または3において、前記隔壁は、該隔壁の注入孔に固定されるとともに内側に前記寒剤を注入する抜き差し可能な抜き差し管が挿入され、前記寒剤容器の上部を貫通する筒に保持されてなる低温容器。 【請求項5】 請求項1において、前記隔壁は、前記寒剤容器の内壁とともに前記一部空間を囲い、前記流通路は、前記隔壁の縁に沿って設けられ前記一部空間から前記残りの空間に通ずる複数の孔を設けて形成されてなる低温容器。 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記一部空間の底面に高熱伝導体を設けてなる低温容器。 【請求項7】 観察すべき試料を設定する試料台を冷却する電子顕微鏡の低温容器において、請求項1ないし6のいずれかに記載の低温容器を使用してなる電子顕微鏡の低温容器。 【請求項8】 観察すべき試料を設定する試料台の周りを冷却し、汚染ガスを吸着する電子顕微鏡のアンチコンタミネータにおいて、請求項1ないし6のいずれかに記載の低温容器を使用し冷却してなる電子顕微鏡のアンチコンタミネータ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、寒剤によって冷却される被冷却体を冷却する低温容器に係り、特に、電子顕微鏡の試料を極低温に冷却し観察するときに使用される電子顕微鏡の低温容器および試料台の周りをブレードによって冷却し汚染ガスを吸着する電子顕微鏡のアンチコンタミネータに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、母材表面を観察するために使用されていた電子顕微鏡は、最近、高温超伝導の発見が引き金となって低温状態で母材の観察が行われるようになってきている。このため、試料を冷却するホルダーの開発も進められてきている。 【0003】また、最近では、細胞の構造を解析するために、透過型電子顕微鏡を用いて細胞の試料を極低温まで冷却した状態で観察するようになってきた。この従来の技術として、〔MULITIPLE SPECIMEN CRYOTRANSFER HOLDER FOR ELECTORON MICROSCOPES〕US Patent Number 4,797,261と〔SPECIMEN COOLING HOLDER FOR ENTRY TRANMISSION ELECTRON MICROSCPES〕US Patent Number 4,950,901に記述されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来、電子顕微鏡で試料を冷却する際には、高熱伝導体の試料台と寒剤容器とを高熱伝導体で熱的に連結する構成を取っていた。また、寒剤として、液体窒素(約−200℃)を使用していた。このときの問題は、試料の温度が液体ヘリウム温度より高く、使用者の希望とする温度(−269℃)を十分満足するものではなかった。 【0005】従って、電子顕微鏡の試料を液体窒素温度より低い液体ヘリウム温度に冷却できる装置の開発が望まれる。従来の低温容器は伝導型冷却であり、この伝導型冷却は、伝導体の熱伝導特性が特に重要となる。高熱伝導体の材質として一般的なものは銅である。しかし、銅は−260℃程度の極低温では、熱伝導率が室温時より低下してしまう。また、電子顕微鏡のほぼ中心部に設置する試料台と寒剤容器の距離は、構成上長くならざるを得ない。従って、試料台への少ない熱量で寒剤の沸点と試料台との温度差が大きくなってしまう欠点が生じる。 【0006】また、試料台を冷却するために、寒剤容器から熱交換器へ寒剤液を直接供給する技術がある。この技術の問題として、特に、寒剤として液体ヘリウムを使用した場合、試料台を室温から−269℃の極低温に冷却するための冷却時間(予冷時間)が長くなる。 【0007】本発明の課題は、被冷却体を予め決められた温度に初期の段階で速やかに冷却し、作業効率を上げることである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本発明は、寒剤を注入する寒剤容器と、前記寒剤によって冷却される被冷却体を冷却する熱交換器と、前記寒剤容器から前記熱交換器に前記寒剤を供給し該熱交換器から前記寒剤を排出する寒剤流通管と、該寒剤を排出する寒剤流通管に設けられ前記寒剤を排出する寒剤排出手段とを有する低温容器において、前記寒剤容器内部の一部空間を囲い前記寒剤を注入する注入孔を設ける隔壁を備え、前記一部空間から該寒剤容器内部の残りの空間に前記寒剤を流通させる流通路を形成してなることである。 【0009】隔壁は、寒剤を注入する注入孔が設けられるので、この注入孔から寒剤を注入することができる。隔壁は、寒剤容器内部の一部空間を囲うので、この一部空間に寒剤を注入することにより注入した寒剤の一部は即座に気化するが、一部空間は寒剤容器の内部全体の空間または寒剤容器の残りの空間に比べ小さいので短時間のうちに寒剤で満たされ、初期冷却時間を短くする。一部空間は、流通路によって寒剤容器内部の残りの空間に通じるので、注入される寒剤は、一部空間を満たした後、残りの空間を満たす。ここで、低温容器は、寒剤容器と被冷却体を冷却する熱交換器との間および熱交換器の排出側に寒剤流通管を有し、かつ熱交換器の排出側の寒剤流通管に寒剤を排出する寒剤排出手段を有するので、一部空間の寒剤は、寒剤排出手段によって吸引され、熱交換器に供給される。被冷却体は、この熱交換器によって冷却され、寒剤のガスは低温容器外部に排出される。 【0010】さらに、前記隔壁の注入孔に前記寒剤を注入する抜き差し可能な抜き差し管の先端に連結または密着する受筒を設けてなることである。隔壁の注入孔に受筒を設けることにより、抜き差し管を寒剤容器に差し入れると、その先端は容易に受筒に連結または密着し寒剤を確実に注入することができる。注入が終了した際は、抜き差し管を抜き、密閉する。 【0011】さらに、前記隔壁は、前記寒剤容器の内壁とともに前記一部空間を囲い、前記流通路は、前記隔壁の縁および該隔壁の縁に前記寒剤容器の内壁に沿って立ち上がる立上筒と前記寒剤容器の内壁との間隙、または前記隔壁の縁および該隔壁の縁に前記寒剤容器の内壁に沿って立ち下がる立下筒と前記寒剤容器の内壁との間隙によって形成されてなることである。隔壁の縁および立上筒と寒剤容器の内壁との隙間、または隔壁の縁および立下筒と寒剤容器の内壁との隙間により流通路が形成されることにより、寒剤容器の一部空間に注入される寒剤は、この流通路に沿って蒸発して高速で流れる。寒剤容器の内壁に沿って立ち上がる立上筒は、寒剤容器の上方からの伝導熱を寒剤の蒸発により速やかに吸収し冷却する。また、寒剤容器の内壁に沿って立ち下がる立下筒は、寒剤容器の下方からの伝導熱を寒剤の蒸発により速やかに吸収し冷却する。 【0012】さらに、前記隔壁は、該隔壁の注入孔に固定されるとともに内側に前記寒剤を注入する抜き差し可能な抜き差し管が挿入され、前記寒剤容器の上部を貫通する筒に保持されてなることである。隔壁を筒によって保持することにより、隔壁の保持構造および寒剤容器の構造が簡単になり、部品点数を少なくできる。また、抜き差し管の挿入も容易となる。 【0013】さらに、隔壁は、前記寒剤容器の内壁とともに前記一部空間を囲い、流通路は、前記隔壁の縁に沿って設けられ前記一部空間から前記残りの空間に通ずる複数の孔を設けて形成されてなることである。複数の孔を隔壁の縁に沿って設け、この隔壁を寒剤容器の内壁に固定して取り付けることにより、一部空間に注入される寒剤は、複数の孔を通って残りの空間に流れる。また、この構造は隔壁および流通路の形成が簡単にでき、上記と同様に、部品点数を少なくできる。 【0014】そして、前記一部空間の底面に高熱伝導体を設けてなることである。高熱伝導体を設けることにより、一部空間の底面全体が速やかに均一な温度になるので寒剤と高熱伝導体との温度差が大きくなり冷却時間を短縮する。 【0015】また、観察すべき試料を設定する試料台を冷却する電子顕微鏡の低温容器において、上記いずれかに記載の低温容器を使用してなることである。上記いずれかに記載の低温容器を使用する電子顕微鏡の低温容器は、試料台を予め決められた温度に初期の段階で速やかに冷却し、長時間にわたって試料を観察でき、電子顕微鏡の作業効率を上げることができる。 【0016】また、観察すべき試料を設定する試料台の周りを冷却し、汚染ガスを吸着する電子顕微鏡のアンチコンタミネータにおいて、上記いずれかに記載の低温容器を使用し冷却してなることである。上記いずれかに記載の低温容器を使用する電子顕微鏡のアンチコンタミネータは、観察すべき試料を設定する試料台の周りを初期の段階で速やかに冷却し、長時間にわたって汚れたガスを吸着し、電子顕微鏡の作業効率を上げることができる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る低温容器およびこれを使用してなる電子顕微鏡の低温容器並びに電子顕微鏡のアンチコンタミネータの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、図1〜6において、同一又は同等部分には同一符号を付けて示す。 図1は、本発明に係る低温容器の第1実施形態を示す断面図である。第1実施形態の低温容器Hは、観察すべき試料を極低温まで冷却して観察する電子顕微鏡の試料冷却ホルダーとして使用される。寒剤容器1は、液体窒素または液体ヘリウム等の寒剤1aを注入し保持する容器である。この寒剤容器1の外側には外部容器2が設置される。この外部容器2は、内部を真空に保持して真空容器として使用される。寒剤容器1は、大気圧で飽和温度が十分低い寒剤1aを収納保持するため、寒剤容器1の外周面はアルミニュウムで蒸着される高分子膜で被覆され、輻射熱を遮蔽している。 【0018】シールド3は、室温の外部容器2から寒剤容器1に入射する輻射熱を遮蔽する。積層断熱材3aは、シールド3に巻き付けられ、アルミニュウムを蒸着した高分子膜を多重に積層したものである。寒剤流通管としての冷却配管4は、寒剤容器1の底板から熱交換器5に寒剤1aを供給するためのものである。熱交換器5は、銅等の高熱伝導材料で形成され内部に寒剤が通るようにU字形状の流路が設けられU字形状の流路の供給口と排出口に冷却配管4が接続される。熱交換器5の排出口に接続される冷却配管4は、シールド3および注液管(筒)6が接合されるシールドネック3bに巻き付けられ、さらに外部容器2を貫通して寒剤排出手段である真空ポンプ24に接続される。 【0019】注液管6は、抜き差し管としてのトランスファチューブ22を使用して寒剤1aを寒剤容器1に注入するためのもので、寒剤が蒸発したガスを大気に放出する配管の働きも兼ねている。シールドネック3bは、寒剤容器1内部と熱交換器5で蒸発したガスの顕熱で冷却されて室温と寒剤の温度の中間温度を示す。シールド3は、シールドネック3bと接続されているのでシールド3の温度も上記中間温度を示す。熱交換器5には、ヒータ7と温度センサー9が設けられている。被冷却体である試料台8は、熱交換器5と熱的に結合されるが、熱交換器5を兼ねて使用されても良い。コネクター48は、温度センサー9およびヒータ7のリード線を外部容器2の外に取り出すためのものである。 【0020】高熱伝導体としての均熱板20は、高熱伝導特性を有する。隔壁としての隔壁板21は、寒剤容器1の内部空間(または室)を下側の下部半密閉室(一部空間)12と上側の上部半密閉室(残りの空間)13に分割するためのもので、二つまたは三つ以上の支持体28を介して寒剤容器の底に固定される。隔壁板21の中心には注入孔21aが設けられる。注入孔21aには受筒23が固定され、受筒23は受け口23aを有し、その受け口23aに液をデュワーから輸送するためのトランスファチューブ22の先端22aが連結または密着される。さらに、隔壁板21の円周縁21bには立上筒25aが寒剤容器1と同心状に設けられる。 【0021】次に、上記第1実施形態の低温容器Hの動作につて説明する。 【0022】低温容器Hは、初期冷却時間を短くすることが電子顕微鏡の作業効率を上げるうえで重要な項目の一つとなっている。初期冷却時間を短くするための一つとして寒剤をトランスファチューブ22から多量に流すことが考えられるが、無駄に寒剤を大気中に放出するので資源の浪費の点から見て好ましくない。本低温容器Hは、少ない液量で寒剤容器1、冷却配管4、そして試料台8を低温にすることを目的としている。特に、ここでは、隔壁板21と均熱板20で挟まれた下部半密閉室12に速く液を溜めることにある。 【0023】トランスファチューブ22から注入される低温の寒剤液は、均熱板20に衝突する。図中の矢印は、寒剤1aの流れの方向を表わす。ガスが衝突する均熱板20の表面は、熱伝達特性の高い衝突噴流で冷却される。衝突噴流の熱伝達率は、流体が衝突する局所的な部分については熱伝達が高く、そうでない部分については熱伝達が低下する特性がある。流体が衝突する面の材質が低温容器として一般に利用されているステンレス鋼のような低熱伝導率の材質では、衝突する部分のみが局所的に低温になり、他の部分はその低温部の熱を受けて徐々に冷却される。特に流体の衝突がない寒剤容器の底面の端は熱が伝わりにくいので冷却速度は小さい。このため、寒剤容器1に寒剤液として溜まるまでの時間が長くなる。 【0024】均熱板20は、上記問題を解消するもので、高熱伝導率を有する材質からなり、寒剤容器1の底板に密着して接続されているので、寒剤容器1の底板の隅々まで温度が均一になる。低熱伝導率の底板は、衝突噴流にさらされている部分のみ温度が低下するのに対して、均熱板20を設ける場合は、寒剤容器1の底板全体が均一の平均温度になる。このため低熱伝導率の底板を設ける場合の衝突噴流にさらされている部分の底板温度より高く、かつ低熱伝導率の底板の衝突噴流にさらされていない部分の底板温度より低い。このため、同じ寒剤の流量が流れる場合、寒剤と底板との温度差が均熱板20を設置する方が大きくなるので冷却熱量が大きくなり、底板を冷却する時間は短くなる。 【0025】隔壁板21は、寒剤容器1の内部空間(室)を分割することおよび隔壁板21の外周縁21bと寒剤容器1の側壁(または内壁)で形成される流通路(隙間)14から流れ出る流体の流速を高める働きがある。隔壁板21で分割される下部半密閉室12は、トランスファチューブ22から注入される寒剤によって冷却される。さらに、寒剤容器1の側壁と隔壁板21の外周縁21bに沿って立ち上がった立上筒25aで形成される流通路14の断面積は、寒剤容器1の底の面積の1/5以下に小さくすることにより低温の蒸発ガスの流速を約5倍以上に大きくできる。このため、寒剤容器1の側面上部からの伝導熱は高速の蒸発ガスで吸収できるため、少ない液体ヘリウム量でも隔壁板21の下部半密閉室12は、隔壁板21がないときに比べ寒剤液が溜まりやすくなる。なお、下部半密閉室12で蒸発する寒剤は、流通路14から上部半密閉室13に流れ、さらに、トランスファチューブ22と注液管6の間を通り隙間11に至り系外に排出される。 【0026】真空ポンプ24は、初期冷却中に使用され、寒剤容器1の底に取り付けられる冷却配管4から低温の寒剤1a(ガスおよび液)を熱交換器5に供給し、熱交換器5から排出する寒剤1aを吸引する。そして、熱交換器5に連結される試料台8を速く低温にするのがこの低温容器Hの目的であるので、寒剤容器1に寒剤1aを速く溜めることができれば、この真空ポンプ24の働き(吸引力)によって、低温の寒剤1aは熱交換器5に供給される。従って、試料台8の温度は、熱交換器5と同様に急速に冷却される。 【0027】熱交換器5は、寒剤1aが供給される場合、伝導冷却より十分高い熱伝達特性をもつ寒剤1aの沸騰熱伝達により冷却されるので、高速に冷却される。しかしながら、予冷時間の間は、先ず、寒剤容器1を冷却するときに生じる蒸発するガスが熱交換器5を通る。このため、熱交換器5の温度は、蒸発するガスの温度に依存する。最も速く試料台8を冷却するには寒剤1aを最も低い温度の液の状態で熱交換器5に供給することが重要になる。なお、寒剤1aが寒剤容器1に一杯に溜まればトランスファチューブ22と真空ポンプ24は取り除かれる。 【0028】図2は、第2実施形態の要部を示す断面図である。第2実施形態の低温容器は、第1実施形態(図1)の立上筒25aに替えて立下筒25bを隔壁板21の縁21bより下方に設置する。第1実施形態の低温容器では、隔壁板21より上部の伝導熱を取り去るために、立上筒25aを隔壁板21から上に取り付けるが、第2実施形態の低温容器は、立下筒25bを隔壁板21から下に取り付けることで、立下筒25bと寒剤容器の内壁1bで形成される流通路(隙間)を狭くできる。このため、この流通路の寒剤(液またはガス)の流速を大きくできるので、均熱板20を冷却する効果が働き、第1実施形態の場合以上に速く寒剤(液)を溜めることが可能となる。さらに、立下筒25bの位置が図1より下方にあるので、外側(室温)から下部半密閉室12への伝導熱は小さくなり冷却速度は大きくなる。 【0029】図3は、第3実施形態を示す断面図である。図4は、図3の要部を示す断面図である。図1の第1実施形態と同様に、低温容器Hを試料冷却ホルダーに適用したものである。第3実施形態の低温容器Hは、筒としての注液管6を寒剤容器1の内部まで延長し、その注液管6の先端部に隔壁板21を固定して取り付ける。図4に示すように、寒剤容器1内の上側に位置する注液管6に孔26を設ける。孔26は、蒸発したガスを大気中に放出するための通気口の働きをする。図3に示す矢印は、寒剤(液またはガス)1aの流れ方向を示しており、トランスファーチューブ22から注入される寒剤1aは、下部半密閉室12を満たし、ついで流通路14(図4に表示)を通過し、孔26からトランスファーチューブ22と注液管6の間隙を通り外部容器2の外側へ排出される。図3では、延長した注液管6が図1の受け口23aと隔壁板21の支持の働きを兼ねる。第3実施形態の低温容器Hは、隔壁板21の支持を注液管6を利用して支持する簡単な構造であり、少ない部品点数で下部半密閉室12を形成でき、図1と同様に短時間に液を溜めることができるので冷却時間を短縮することができる。 【0030】図5は、第4実施形態を示し、(A)は要部の断面図、(B)は(A)の隔壁板の平面図である。第4実施形態の低温容器における隔壁板21は、円形板の外周縁21bに沿って複数の孔26を設け、この円形板を寒剤容器1の内壁1bに固定することにより隔壁板21を簡単に設けることができ、先の第1〜第3実施形態と同様に短時間に液を溜め、冷却時間を短縮することができる。 【0031】図6は、第1実施形態の低温容器を電子顕微鏡のアンチコンタミネータに使用する実施形態の断面図である。アンチコンタミネータCは、透過型電子顕微鏡の試料台近傍の汚れたガスを吸着して、外乱のないきれいな像を得るためのものである。このガス吸着は、物体の表面を低温にすることで物理吸着が発生することを利用している。この吸着特性は、低温にするほど高くなる。符号50は対物レンズ用のボールピースで、低温ブレード51はガスを吸着する。図1における試料台8を低温ブレード51に置き換えたものである。アンチコンタミネータCの低温ブレード51を速やかに冷却し、低温に長時間保持できることは、先に説明した第1〜第4実施形態の低温容器の試料台を冷却する場合と全く同様である。 【0032】 【発明の効果】本発明の低温容器によれば、被冷却体を予め決められた温度に初期の段階で速やかに冷却し、かつ予め決められた温度に長時間保持できる。 【0033】また、本発明の電子顕微鏡の低温容器によれば、上記低温容器を使用することにより、初期冷却時間を短縮し長時間にわたって試料を観察でき、電子顕微鏡の作業効率を上げることができる。 【0034】また、本発明の電子顕微鏡のアンチコンタミネータによれば、上記低温容器を使用することにより、初期冷却時間を短縮し長時間にわたって汚れたガスを吸着し、電子顕微鏡の作業効率を上げることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成10年7月31日(1998.7.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066979 【弁理士】 【氏名又は名称】鵜沼 辰之
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| 【公開番号】 |
特開2000−46452(P2000−46452A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−217684 |
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