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【発明の名称】 写真処理装置
【発明者】 【氏名】岡本 和也

【氏名】吉田 克司

【要約】 【課題】要冷却部材を冷却するための冷却ファンのエアフィルタの粉塵堆積量自動的にかつ正確に把握することができ、エアフィルタの清掃又は交換を適切な時期に行うことができる写真処理装置を提供する。

【解決手段】写真処理装置1においては、冷却ファン2のエアフィルタ3の下流に配置された風量センサ4によって検出された風量検出値が所定の許容下限値以下となったときには、エアフィルタ3の粉塵堆積量が許容限界を超えたものとして、自動的に演算部12によって表示部13に、エアフィルタ3の清掃又は交換を促すメッセージが表示される。これにより、オペレータは、エアフィルタ3の清掃又は交換を適切な時期に確実に行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷却ファンから要冷却部材に供給されるエア中の粉塵をエアフィルタで捕集するようになっている写真処理装置であって、上記エアの流れ方向にみて上記エアフィルタの下流におけるエア流量に基づいて該エアフィルタの粉塵堆積量を把握する粉塵堆積量把握手段と、上記粉塵堆積量把握手段によって把握された粉塵堆積量が許容限度を超えたときには、エアフィルタの清掃又は交換を促す警報を表示する表示手段とが設けられていることを特徴とする写真処理装置。
【請求項2】 上記粉塵堆積量把握手段が風量センサであり、上記表示手段が上記風量センサによって検出される風量が所定の許容下限値以下に低下したときに上記警報を表示するようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の写真処理装置。
【請求項3】 上記風量センサが、熱線式風量センサであることを特徴とする、請求項2に記載の写真処理装置。
【請求項4】 上記表示手段が、最後に上記エアフィルタの清掃又は交換を行った時点からの上記冷却ファンの稼働時間の積算値が所定の設定値を超えたときにも、エアフィルタの清掃又は交換を促す警報を表示するようになっていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の写真処理装置。
【請求項5】 冷却ファンとエアフィルタとが複数系列設けられていて、上記表示手段が、上記許容限度、上記許容下限値又は上記設定値を各エアフィルタ毎に個別に設定するようになっていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の写真処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却ファンのエアフィルタの粉塵堆積量を自動的にかつ正確に把握することができ、もって該エアフィルタの清掃又は交換を適切な時期に行うことを可能にした写真処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、フィルム現像機、写真焼付機等の写真処理装置においては、そのハウジング内に光源ランプ、回路基板、処理液温調機器などといった種々の冷却を必要とする部材ないしは発熱部材(以下、これを「要冷却部材」という)が設けられている。このため、写真処理装置には、かかる要冷却部材に送風してこれを冷却する冷却ファンが設けられる。ところで、通常、エア中にはほこりその他の粉塵が含まれているので、冷却ファンで要冷却部材に直接送風したのでは、要冷却部材の表面に粉塵が付着・堆積してその機能に支障をきたすおそれがある。例えば、光源ランプに粉塵が付着・堆積すると光量が減少するなどといった不具合が生じる。
【0003】そこで、エアの流れ方向にみて冷却ファンのすぐ下流には、普通、エア中の粉塵を捕集ないしは除去するエアフィルタが設けられる。そして、かかるエアフィルタにおいては、該写真処理装置の稼働時間の積算値の増加に伴って、粉塵の堆積量ないしは捕集量が増加するが、該堆積量が許容限度を超えると目詰まりが生じ、騒音の発生あるいは風量の低下などといった不具合を招く。したがって、エアフィルタを適宜清掃して粉塵を除去し、又はエアフィルタを新品と交換する必要がある。このため、従来の写真処理装置では、オペレータがエアフィルタの粉塵堆積量ないしは汚れ具合を目視により常々観察し、粉塵堆積量ないしは汚れ具合に応じて適宜エアフィルタを清掃し又は交換するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる冷却ファン用エアフィルタを備えた従来の写真処理装置では、オペレータはエアフィルタの粉塵堆積量ないしは汚れ具合に常々留意していなければならないので、オペレータの負担が重くなるといった問題がある。さらに、オペレータはときには多忙のためエアフィルタの監視を怠ることもあり、またオペレータの目視による観察ないしは判断は経験的なものであり、概して不正確である。このため、エアフィルタの粉塵堆積量が許容限度を超え、場合によっては目詰まりを起こしているのにもかかわらず、エアフィルタが清掃又は交換されないこともあり、このような場合には、要冷却部材の冷却が不十分となり、処理液の温調制御あるいは要冷却部材の性能及び寿命に悪影響を与えるおそれがあるといった問題がある。
【0005】本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、要冷却部材を冷却するための冷却ファンのエアフィルタの粉塵堆積量ないしは汚れ具合を自動的にかつ正確に把握することができ、もってエアフィルタの清掃又は交換を適切な時期に行うことができる写真処理装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するためになされた本発明にかかる写真処理装置は、(a)冷却ファンから要冷却部材(冷却を必要とする部材)に供給(送風)されるエア中の粉塵をエアフィルタで捕集するようになっている写真処理装置であって、(b)エアの流れ方向にみてエアフィルタの下流におけるエア流量に基づいて該エアフィルタの粉塵堆積量を把握(予測)する粉塵堆積量把握手段と、(c)粉塵堆積量把握手段によって把握(予測)された粉塵堆積量が許容限度を超えたときには、エアフィルタの清掃又は交換を促す警報(メッセージ、アラーム)を表示する表示手段とが設けられていることを特徴とするものである。
【0007】ここで、粉塵堆積量把握手段としては、熱線式風量センサ(ホットワイヤ式風量センサ)等の風量センサ(流速センサ)を用いることができ、この場合は、表示手段が風量センサによって検出される風量(風量検出値)が所定の許容下限値(粉塵堆積量の許容限界に対応する)以下に低下したときに上記警報を表示するようになっているのが好ましい。なお、冷却ファンとエアフィルタとが複数系列設けられている場合は、表示手段が、上記の許容限度、許容下限値又は設定値をエアフィルタ毎に個別に設定するようになっているのが好ましい。
【0008】この写真処理装置においては、エアフィルタ下流の風量に基づいてエアフィルタの粉塵堆積量(汚れ具合)が把握(予測)され、該粉塵堆積量が許容限度を超えたとき(風量が許容下限値以下となったとき)には、エアフィルタの清掃又は交換を促す警報が表示される。したがって、要冷却部材を冷却するための冷却ファンのエアフィルタの粉塵堆積量を自動的にかつ正確に把握することができ、エアフィルタの清掃又は交換を適切な時期に確実に行うことができる。すなわち、オペレータがエアフィルタを常々監視していなくても、その清掃又は交換を行うべき時期を確実に把握することができ、目詰まり等により冷却能力が低下する前に、エアフィルタの掃除又は交換を確実に行うことができる。よって、目詰まりによる風量不足により温調制御に支障をきたしたり、温度上昇により要冷却部材の寿命が短くなるなどといった不具合の発生が防止される。
【0009】上記写真処理装置においては、表示手段が、最後にエアフィルタの清掃又は交換を行った時点からの冷却ファンの稼働時間の積算値が所定の設定値を超えたときにも、エアフィルタの清掃又は交換を促す警報を表示するようになっているのが好ましい。エアフィルタの粉塵堆積量は、一般に冷却ファンの稼働時間の積算値に比例するので、たとえ粉塵堆積量把握手段によって把握される粉塵堆積量が許容限度を超えていなくても、一定期間経過毎に上記警報を表示する方が、より確実にエアフィルタの目詰まりを防止することができるからである。また、このようにすれば、万一粉塵堆積量把握手段が故障しているときでも、目詰まり等を起こす前に、エアフィルタの掃除又は交換を確実に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施の形態を具体的に説明する。図1は、本発明にかかる写真処理装置の冷却ファンのエアフィルタの自動監視システムの構成を示す図である。図1に示すように、本発明にかかる写真処理装置1には、光源ランプ、回路基板、処理液温調制御機器等の要冷却部材(図示せず)にエアを供給(送風)してこれを冷却する冷却ファン2が設けられている。この冷却ファン2は、モータ(図示せず)によって回転駆動されるようになっている。そして、矢印で示すエアの流れ方向(図1中における位置関係では右向き)にみて冷却ファン2のすぐ下流側の位置には、エア中のほこりその他の粉塵を捕集ないしは除去するエアフィルタ3が配置されている。なお、このエアフィルタ3は、フィルタ層あるいはメッシュで粉塵を捕集するようにした、よく知られた普通のエアフィルタである。
【0011】そして、エア流れ方向にみてエアフィルタ3のやや下流側の位置には、エアフィルタ下流の風量(エア流速)を検出する熱線式(ホットワイヤ式)の風量センサ4(流速センサ)が配置されている。この風量センサ4は、よく知られた普通の熱線流速計であって、電源5から第1導線6を介して熱線7(ホットワイヤ)に、熱線温度(ひいては、抵抗値)が一定値に維持されるよう通電(制御)し、その電流値に基づいて熱線7まわりのエアの流速すなわち風量を検出するようになっている。あるいは、熱線7に一定電流で通電し、該熱線7の抵抗値に基づいて風量を検出するようになっている。ここで、第1導線6の他端は第1抵抗器8を介してアース部9に接地されている。なお、この風量センサ4では、風量は、第1導線6のP1点の電圧(電位)として検出されるようになっている。つまり、風量とP1点の電圧とは対応している(実質的に同一である)。
【0012】このようにして、風量センサ4で検出された風量検出値(電圧)はコントローラ10(表示手段)に入力され、コントローラ10では、この風量検出値に基づいて、エアフィルタ3の粉塵堆積量が所定の許容限度を超えているか否かを判定し、許容限度を超えていれば、後で説明するように、エアフィルタ3の清掃又は交換を促す警報(メッセージ、アラーム)を表示するようになっている。さらに、コントローラ10は、冷却ファン2の稼働時間(すなわち、該写真処理装置の稼働時間)の積算値が所定の設定値を超えたときにも、エアフィルタ3の清掃又は交換を促す警報を表示するようになっている。
【0013】以下、このコントローラ10の具体的な構成及び機能を説明する。コントローラ10には、風量センサ4によって検出された風量検出値(電圧)と、風量の許容下限値に相当する基準値(電圧)とを比較してその差電圧を出力するコンパレータ11と、該コンパレータ11から出力された信号を受けて、エアフィルタ3の清掃又は交換を実行すべき状態か否かを判定する演算部12と、該演算部12の判定結果を表示する表示部13とが設けられている。
【0014】ここで、コンパレータ11のプラス端子には、第1導線6のP1点の電圧、すなわち風量センサ4によって検出された風量検出値に相当する電圧が第2導線14を介して入力される。また、コンパレータ11のマイナス端子には、電源15とアース部16との間の第3導線17に介設された第2抵抗器18と第3抵抗器19とによって決定されるP2点の電圧(基準値)が第4導線20を介して入力される。ここで、第2抵抗器18及び第3抵抗器19の抵抗値は、それぞれP2点の電圧(基準値)が風量の許容下限値に対応するように好ましく設定されている。つまり、コンパレータ11のプラス端子とマイナス端子とには、それぞれ、風量検出値と風量許容下限値とに対応する電圧が入力され、コンパレータ11は風量検出値に対応する電圧から風量許容下限値に対応する電圧(基準値)を減算した電圧を第5導線21に出力する。
【0015】また、電源22と第5導線21のP3点とを接続する第6導線23には、第4抵抗器24と発光ダイオード25(LED)とが介設されている。ここで、コンパレータ11の出力が0まで低下したとき、すなわち風量検出値に対応する電圧が風量許容下限値に対応する電圧(基準値)まで低下したときには、第6導線23を介して発光ダイオード25が通電され、風量検出値が風量許容下限値まで低下したことを報知する。さらに、第6導線23のP3点と第4導線20のP4点とは第7導線26で接続され、この第7導線26に第5抵抗器27が介設されている。
【0016】演算部12は、詳しくは図示していないが、マイクロコンピュータを備えていて、コンパレータ11から第5導線21を介して入力された風量差に対応する電圧に基づいて、エアフィルタ3の清掃又は交換を促す警報(メッセージ、アラーム)を表示するべきか否かを判定し、警報を表示すべきであると判定したときには表示部13に警報を表示する。さらに、演算部12は、最後にエアフィルタ3を清掃又は交換した時点からの冷却ファン2の稼働時間を積算し、この積算値が所定の設定値を超えたときにもエアフィルタ3の清掃又は交換を促す警報を表示する。
【0017】具体的には、演算部12は、例えば図2に示すような手順で上記警報を表示する。図2に示すように、演算部12は、まずステップS1で、風量センサ4の検出電圧(風量検出値に対応する電圧)が基準値(風量許容下限値に対応する電圧)以下であるか否かを比較・判定する。ここで、基準値は、例えばエアフィルタ3に粉塵が全く付着していない状態において、フィルタ面の50%を覆った(閉塞させた)場合におけるエアフィルタ通過後の風量に対応するように設定される。すなわち、冷却ファン2の送風能力は、通常、エアフィルタ3のフィルタ面が50%覆われた状態でも、要冷却部材を支障なく冷却することができるように設定されるので、基準値をこのように設定しておけば、風量が許容下限値まで低下した場合でも、要冷却部材の冷却に支障が生じないからである。
【0018】ここで、ステップS1で、風量センサ4の検出電圧が基準値以下であると判定された場合は(YES)、エアフィルタ3に許容限度を超える粉塵が堆積して該エアフィルタ3が目詰まりを起こしているものと考えられるので、ステップS3で表示部13に、その旨のメッセージを表示するとともに、アラームを発生させる。
【0019】他方、ステップS1で、風量センサ4の検出電圧が基準値を超えていると判定された場合は(NO)、さらにステップS2で、最後にエアフィルタ3を清掃又は交換した時点からの冷却ファン2(ないしは、写真処理装置1)の稼働時間の積算値が所定の設定値を超えているか否かが比較・判定される。ここで、稼働時間の積算値が設定値を超えていれば(YES)、ステップS3で表示部13に、その旨のメッセージを表示するとともに、アラームを発生させる。
【0020】このように、冷却ファン2の稼働時間の積算値が設定値を超えたときにも、エアフィルタ3の清掃又は交換を促すメッセージを表示するのは、風量センサ4が故障している場合には、たとえエアフィルタ3が目詰まりを起こしていてもステップS1で該目詰まりが検出されないので、このような場合にもエアフィルタ3が目詰まりを起こす前に確実に清掃又は交換されるようにするためである。
【0021】前記のステップS2で、冷却ファン2の稼働時間の積算値が設定値以下であると判定された場合は(NO)、ステップS1に復帰する。すなわち、風量センサ4の検出電圧が基準値以下となるか、あるいは冷却ファン2の稼働時間の積算値が設定値を超えるまで、ステップS1〜ステップS2が繰り返し実行される。
【0022】以上、この写真処理装置1においては、エアフィルタ3の粉塵堆積量を自動的かつ正確に把握することができ、エアフィルタ3の清掃又は交換を適切な時期に行うことができる。すなわち、オペレータがエアフィルタ3を常々監視していなくても、その清掃又は交換を行うべき時期を把握することができ、目詰まり等により冷却能力が低下する前に、エアフィルタ3の掃除又は交換を確実に行うことができる。よって、目詰まりによる風量不足により温調制御に支障をきたしたり、温度上昇により要冷却部材の寿命が短くなるなどといった不具合の発生が防止される。
【出願人】 【識別番号】000135313
【氏名又は名称】ノーリツ鋼機株式会社
【出願日】 平成10年7月31日(1998.7.31)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開2000−46451(P2000−46451A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−217126