トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F25 冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒ−トポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化




【発明の名称】 製氷機の除氷装置
【発明者】 【氏名】太田 秀治

【氏名】日比野 卓司

【要約】 【課題】この発明は、簡単な構造でありながら低温時でも確実に除氷することができる製氷機の除氷装置を提供することを課題とする。

【解決手段】除氷サイクル時には、除氷水パイプ2を介して除氷水散水器12に除氷水が供給されると共にホットガス弁20が開放され、熱交換器21において圧縮機14からの高温高圧のホットガスと除氷水との間で熱交換され、加温された除氷水が除氷水散水器12から一対の製氷板10の間を流下する。また、熱交換器21を通過したホットガスが冷却パイプ11に流入する。これにより、効率よく除氷が行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ホットガスと除氷水を併用して除氷する製氷機の除氷装置において、給水管を通って製氷部に供給される除氷水とホットガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備えたことを特徴とする製氷機の除氷装置。
【請求項2】 前記熱交換器は、外周部にフィンが設けられた給水管とフィンを覆うように給水管の外側に形成された外殻部とを含み、給水管を通して除氷水が供給されると共に外殻部内にホットガスが流通される請求項1に記載の製氷機の除氷装置。
【請求項3】 前記熱交換器は、給水管の外周部に螺旋状に形成された外殻部を含み、給水管を通して除氷水が供給されると共に螺旋状の外殻部内にホットガスが流通される請求項1に記載の製氷機の除氷装置。
【請求項4】 前記熱交換器は、給水管の外周部に複数のリング状に加工されると共に各リング状部分の間に給水管に対して互い違いにホットガス通路が開口する外殻部を含み、給水管を通して除氷水が供給されると共にホットガスが外殻部のリング状部分とホットガス通路とを交互に通って流通される請求項1に記載の製氷機の除氷装置。
【請求項5】 前記給水管のフィンは、給水管をその軸方向に両側から押圧することにより給水管の側壁を変形させて形成された請求項2に記載の製氷機の除氷装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、製氷機の除氷装置に係り、特にホットガスと水を併用して除氷を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】実公平4−10537号公報に開示されているように、製氷板としてステンレス板を使用した製氷機においては、ステンレスの熱伝導率が低いためにホットガスのみで除氷することは困難である。ホットガスのみで除氷しようとすると、蒸発パイプに当接した氷だけが溶け、蒸発パイプから離れた箇所の氷はなかなか溶けずに異形状氷となるばかりか、長い除氷時間が必要になるという不具合があった。そのため、ホットガスだけでなく水を併用して除氷を行う方法が考案された。しかしながら、低温時には給水温度が低くなるため、除氷能力が低下し、除氷が困難となる。そこで、給水温度が低い場合にホットガスの流量を大きくして所望の除氷を行ったり(実公平4−10537号公報)、除氷水タンク内に熱交換器を設けて除氷水の温度をほぼ一定に保ったり(実公平3−34626号公報)する装置が提案された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの装置は、比較的大型の製氷機のために考案されたものであり、構造が複雑で製造コストが嵩む装置であった。この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、簡単な構造でありながら低温時でも確実に除氷することができる製氷機の除氷装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明に係る製氷機の除氷装置は、ホットガスと除氷水を併用して除氷する製氷機の除氷装置において、給水管を通って製氷部に供給される除氷水とホットガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備えたものである。熱交換器としては、外周部にフィンが設けられた給水管とフィンを覆うように給水管の外側に形成された外殻部とを含み、給水管を通して除氷水が供給されると共に外殻部内にホットガスが流通されるものを用いることができる。なお、給水管のフィンは、給水管をその軸方向に両側から押圧することにより給水管の側壁を変形させて形成することもできる。また、熱交換器として、給水管の外周部に螺旋状に形成された外殻部を含み、給水管を通して除氷水が供給されると共に螺旋状の外殻部内にホットガスが流通されるものを用いてもよい。さらに、給水管の外周部に複数のリング状に加工されると共に各リング状部分の間に給水管に対して互い違いにホットガス通路が開口する外殻部を含み、給水管を通して除氷水が供給されると共にホットガスが外殻部のリング状部分とホットガス通路とを交互に通って流通されるような熱交換器を用いることもできる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1にこの発明の実施の形態に係る除氷装置が設けられた製氷機の構成を示す。製氷機は、製氷水回路となる製氷水循環パイプ1と除氷水回路となる除氷水パイプ(給水管)2とを備え、これら両者の回路を流れる水が縦形で流下式の製氷部3で交わるようになっている。この水は、製氷部3の下方に設けられた水切りプレート4を介して製氷水タンク5に案内され、製氷水タンク5内の余分な製氷水はオーバーフローパイプ6から外部へ排出される。製氷水タンク5内の製氷水は、製氷水循環パイプ1に取り付けられた循環ポンプ7により製氷部3の製氷水散水器8へ汲み上げられ、散水ガイド9を経て一対の製氷板10の面上に供給され流下する。一対の製氷板10の間には蛇管状の冷却パイプ11が介挿されている。製氷水散水器8と一体に除氷水散水器12が形成されており、この除氷水散水器12に除氷水パイプ2が接続されている。
【0006】冷却パイプ11の出口端には吸入管13を介して圧縮機14が接続され、圧縮機14には吐出管15を介してファンモータ16を有する凝縮器17が接続されている。さらに、凝縮器17にはドライヤ18及び膨張弁19を介して冷却パイプ11の入口端が接続されている。吐出管15は、その途中から分岐してホットガス弁20を介して熱交換器21の入口パイプ22に接続され、熱交換器21の出口パイプ23が膨張弁19の出口側に接続されている。熱交換器21の構造を図2に示す。除氷水パイプ2の一部分の外周部に伝熱用の螺旋状のフィン24が設けられており、このフィン24を覆うように除氷水パイプ2の外側に外殻部25が形成されている。外殻部25には、入口パイプ22と出口パイプ23とが取り付けられ、入口パイプ22から外殻部25内を通って出口パイプ23へとホットガスが流通されるようになっている。
【0007】次に、この製氷機の動作について説明する。まず、圧縮機14が駆動されると、冷媒が圧縮機14から凝縮器17、ドライヤ18及び膨張弁19を介して冷却パイプ11に流入する。製氷サイクル時には、循環ポンプ7の作用により製氷水タンク5内の製氷水が製氷部3の製氷水散水器8へ汲み上げられ、散水ガイド9を経て一対の製氷板10の面上に供給され流下する。この製氷水は、冷却パイプ11内を通過する冷媒の蒸発潜熱によって冷却され、一対の製氷板10の表面に氷が徐々に生成される。氷にならずに製氷水タンク5内に流下した製氷水は再び循環ポンプ7により製氷水散水器8へと汲み上げられる。なお、この製氷サイクル時には、ホットガス弁20が閉じられ、圧縮機14から吐出される高温高圧のホットガスは、熱交換器21へ流入することなく、凝縮器17へと流れる。
【0008】一方、除氷サイクル時には、循環ポンプ7による製氷水の汲み上げが停止され、電磁式給水弁26が開弁して除氷水パイプ2を介して除氷水散水器12に除氷水が供給されると共にホットガス弁20が開放され、圧縮機14から吐出される高温高圧のホットガスが熱交換器21へと流される。図2に示されるように、除氷水は除氷水パイプ2内を通り、ホットガスは入口パイプ22から外殻部25内を通って出口パイプ23へと流れる。このとき、除氷水パイプ2の管壁及び螺旋状のフィン24を介して除氷水とホットガスとの間で熱交換され、除氷水は加温された状態で除氷水散水器12へ供給され、さらに一対の製氷板10の間を流下する。また、熱交換器21を通過したホットガスが冷却パイプ11に流入する。このように、加温された除氷水の製氷板10間における流下及び冷却パイプ11へのホットガスの流入により、効率よく除氷が行われる。除氷水の流下により製氷水タンク5内の水量が増えるが、水量が所定量以上になると、オーバーフローパイプ6から外部へ排水される。
【0009】製氷板10として熱伝導率が低いステンレス板を使用した場合、熱交換器21を設けずに除氷時に圧縮機14から吐出されたホットガスをそのまま製氷部3の冷却パイプ11に流通させただけでは除氷は困難である。総熱量は同じであっても、ホットガスによって加熱された除氷水を流下させることにより、製氷板10全体を暖めることができ、効率の良い除氷が可能となる。
【0010】本発明者等の実験によれば、蒸発器(冷却パイプ11)へ流入するホットガスの温度は、熱交換器21を設けることにより20度低下し、給水温は5度上昇した。20度のホットガスの温度低下は蒸発器の耐久寿命を著しく向上させる。さらに、製氷能力は水温の若干の上昇により、その分損なわれるが、除氷時間が短くなるため、特に低温で向上する。
【0011】なお、熱交換器としては、ホットガスと除氷水との間で熱交換し得るものであれば、図2に示した構造のものでなくてもよく、例えば、図3に示されるように、除氷水パイプ2の外周部にフィンを設けることなく外殻部25のみを形成したベア管を使用することもできる。ホットガスは、入口パイプ22から外殻部25内を通って出口パイプ23へと流通される。
【0012】また、図4に示されるように、除氷水パイプ2の外周部に螺旋状の外殻部27を取り付け、ホットガスを入口パイプ22から外殻部27の螺旋部分を通して出口パイプ23へと流通させてもよい。このような外殻部27は、例えば、銅パイプを絞り加工することにより形成することができる。さらに、図5に示されるように、除氷水パイプ2の外周部に銅パイプを複数のリング状に絞り加工した外殻部28を取り付けてもよい。図6(A)及び(B)に示されるように、各リング状部分29の間は除氷水パイプ2に対して互い違いにホットガス通路30が開口している。ホットガスは、入口パイプ22から外殻部28のリング状部分29とホットガス通路30を交互に通って出口パイプ23へと流通される。
【0013】また、図7に示されるように、除氷水パイプ2を成形してその外周部に複数の円板状のフィン31を形成し、これらのフィン31を覆うように除氷水パイプ2の外側に外殻部32を取り付けてもよい。図8に示されるように、除氷水パイプ2をその軸方向に両側から押圧することにより、除氷水パイプ2の側壁を変形させて円板状のフィン31を形成することができる。ホットガスは、入口パイプ22から外殻部32内を通って出口パイプ23へと流通される。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、除氷時に給水管を通って製氷部に供給される除氷水とホットガスとを熱交換し、ホットガスによって除氷水を加温するので、低温時であっても効率の良い除氷ができる。除氷時間が短縮されるため、製氷能力の向上並びに消費水量の低減がなされる。また、ホットガスと除氷水との熱交換を行うことから、ホットガス時の低圧圧力が低下し、圧縮機の過負荷が防止される。その結果、圧縮機の起動特性、耐久性が向上し、省エネルギー化が図られる。ホットガスと除氷水との熱交換を行うので、ホットガスは降温した状態で製氷部の蒸発器(冷却パイプ)に流入する。このため、蒸発器が受ける熱衝撃が低減し、蒸発器を構成している製氷板と冷却パイプとの間のロー付け(半田付け)の耐久性が向上する。
【出願人】 【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
【出願日】 平成11年5月31日(1999.5.31)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
【公開番号】 特開2000−346510(P2000−346510A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−151771