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【発明の名称】 自動製氷装置
【発明者】 【氏名】武田 薫

【氏名】大原 拓雄

【氏名】田渕 光章

【氏名】三上 幸治

【氏名】飼牛 明

【要約】 【課題】離氷を効率的に行い、製氷皿のひねりによる劣化を極力防止する事を目的とするものである。

【解決手段】製氷ブロック15・・内に作られた氷を落下する離氷動作時には、給水装置12により上面に位置する製氷ブロック内に給水後、製氷皿7にひねりを加える様に構成したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転軸により上下反転自在に枢支され、かつ上記回転軸を中心として上下面に各々複数個の製氷ブロックを形成した製氷皿と、この製氷皿の上記上面に位置する製氷ブロック内に給水する給水装置と、上記製氷皿を回転駆動する駆動手段と、この駆動手段のモータ等を制御する制御手段とから成り、この制御手段を、上記製氷ブロック内に作られた氷を落下する離氷動作時には、上記給水装置により上面に位置する製氷ブロック内に給水後、上記駆動手段を作動して、上記製氷皿に更に回転を加えてひねりを加える様に構成した事を特徴とする自動製氷装置。
【請求項2】 上記制御手段を、上記製氷皿に装着した温度センサにより製氷皿の温度を検出し、上記給水手段を予め設定した所定時間給水を行った後、上記温度センサの出力により製氷皿の温度を検出する動作を2回以上繰り返して製氷皿内への給水を検出する様に構成した事を特徴とする、上記請求項1に記載の自動製氷装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用の冷蔵庫等に取り付けて用いる自動製氷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用の冷蔵庫等に装着され、給水から離氷までを自動的に行う自動製氷装置では、例えば実開平9−291号公報にて示される様に、製氷皿の底面に温度センサを装着し、この温度センサの検出温度にて製氷の完了を検出すると、製氷皿を上下反転させた後、製氷皿にひねりを与えて氷を貯氷容器に落下し、その後製氷皿を回転させて元の位置に戻した後、給水装置により製氷皿内に給水する様に構成している。
【0003】従って上記の場合、製氷皿に過度のひねりが加えられる為、長期間に亙る反復使用の間に製氷皿を構成する樹脂にストレスが生じ、白化現象や亀裂等が発生し易いという問題がある。
【0004】又、上記構成以外に製氷皿の内部にヒータを埋設し、製氷後にヒータに通電して離氷させるものもあるが、この場合にはヒータへの通電により消費電力が増加したり、通電による製氷皿の温度上昇によって製氷時間が長くなる等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、製氷完了後に、より効率的に製氷皿から離氷させる事を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転軸により上下反転自在に枢支され、かつ回転軸を中心として上下面に各々複数個の製氷ブロックを形成した製氷皿と、この製氷皿の上面に位置する製氷ブロック内に給水する給水装置と、製氷皿を回転駆動する駆動手段と、この駆動手段のモータ等を制御する制御手段とから成り、この制御手段を、製氷ブロック内に作られた氷を落下する離氷動作時には、給水装置により上面に位置する製氷ブロック内に給水後、駆動手段を作動して製氷皿に更に回転を加えてひねりを加える様に構成したものである。
【0007】又本発明は、制御手段を、製氷皿に装着した温度センサにより製氷皿の温度を検出し、給水手段を予め設定した所定時間給水を行った後、温度センサの出力により製氷皿の温度を検出する動作を2回以上繰り返して製氷皿内への給水を検出する様に構成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を先ず図1に基づき説明すると、1は家庭用の冷蔵庫本体で、内部上方に冷凍室2、その下方に冷蔵室3を各々区画形成し、上記冷凍室2内の適所に自動製氷装置4を装着している。
【0009】そして上記自動製氷装置4は、図2にても示す様に、回転軸5、6により上下反転自在に軸支した製氷皿7と、上記冷蔵室3内の適所に配設された貯水タンク8内の水9をポンプ10により吸い上げ、給水パイプ11を通して上記製氷皿7内に給水する給水装置12と、上記冷凍室2内の製氷皿7の下方に配置された貯氷容器13とから主に構成している。
【0010】14は上記冷蔵庫本体1の上部適所に装着した制御手段を構成する制御回路で、上記ポンプ10や図示しないコンプレッサ等への通電を制御するものである。
【0011】一方上記製氷皿7は、図3にても示す様に、複数の製氷ブロック15・・を表裏両面に2列づつ千鳥状に形成し、これにより製氷皿7両端部の対角線部分に、上記製氷ブロック15・・の1個分の略1/2の容積のデッドスペース部a,bが発生する為、これらデッドスペース部分の中心部に上記回転軸5、6を一体に突設し、かつこれらの回転軸をケース16の側板17、17に上下反転自在に軸支している。
【0012】又上記製氷皿6の一方の軸5の略中心部には、サーミスタ等の温度センサ18を一体的に埋設し、製氷皿6の製氷ブロック15・・内に給水された給水温度や、この水の凍結等を検出する様に構成している。
【0013】更に上記一方の回転軸5には、ギヤ19、20を介して正・逆回転可能なモータ21を連結し、このモータにて製氷皿7を上下反転駆動する様に構成していると共に、この上記ギヤ19の中心軸に回転位置検出用のアーム22を連結している。
【0014】そして上記アーム22には回転位置検出用のマグネット23を固定していると共に、このマグネットの上記製氷皿7の水平位置時に対向位置して図示しないホール素子を配設し、このホール素子の出力により、上記製氷皿7が水平に位置しているか等の回転位置を検出する様に構成している。
【0015】24は上記給水パイプ11先端の給水ノズル25と製氷皿7との間に装着したフロートで、上記実施例では、上記給水ノズル25を製氷皿7の他端側の上記デッドスペースbに近接位置して配置していると共に、フロート24を上面を開口した樋状に形成し、かつ図4にても示す様に、上記給水ノズル25側に近接した一端側を枢支軸26により上記ケース16の後板27に枢支していると共に、他端の底面に吐水口28を開口し、かつ少なくとも底面を一端から他端に向けて下り勾配となる様に傾斜し、更にスプリング29にて吐水口28が製氷皿7に接近する方向に常時付勢している。
【0016】これにより、上記給水ノズル25より給水されると、この給水ノズルより噴出した水はフロート内をその底面の傾斜に従って流れ、吐水口28より製氷皿7内の製氷ブロック15・・内に流入した後、これらの製氷ブロック15・・間を他端から一端に向かって流れる。
【0017】従って、上記温度センサ18による検出温度の変化を逐次検出し、上記給水ノズル25から給水された水が温度センサ18埋設部分に到達すれば、温度センサ18の検出温度が低下するので、給水状態を検出する事が出来るものである。
【0018】更に上記フロート24には、上記製氷皿7の他端側の外側壁30と上記ケース16の側板17との間に突入するカム板31を一体的に形成していると共に、このカム板の下端部に形成したカム面32に対向位置して、上記製氷皿7の他端側の外側壁30に突体33を一体に突出形成し、この突体とカム面32との当接により、製氷皿7の回転に連動して上記フロート24を製氷皿7の回転範囲から回避駆動する連動機構を構成している。
【0019】尚、上記製氷皿7は、上記外側壁30の外面に突設した突起34と、これに対向位置して上記側板15に穿孔したガイド溝35との係合により、上記モータ21を正逆回転駆動して、上記図4にて示す位置と図5にて示す位置の略180度の範囲で上下反転回動する様に構成している。
【0020】従って、上記突起34がガイド溝35の端部に各々当接して停止した後、製氷皿7の上面に位置した製氷ブロック15・・内に給水し、製氷皿7の下面に作られた氷の製氷皿7との接触面を水温により解かした後、上記モータ21を更に回転させて製氷皿7にひねりを加えることで、製氷ブロック15・・内に作られた氷を離氷して落下させる事が出来るものである。
【0021】図6は上記制御回路14を示すブロック図で、マイクロコンピュータ40の入力ポートに上記マグネット23に対向して配置したホール素子41や、温度センサ18等を接続していると共に、同じく出力ポートには通電を制御するトライアック42を介して上記ポンプ10を接続し、かつスイッチング素子43を介してモータ21を接続し、更に動作状態や異常内容の表示を行う表示器44を接続している。
【0022】而して、先ず図7のフローチャートに基づき本発明の全体動作の概要を説明すると、S1で電源が投入されると、S2にてマイクロコンピュータ(以下マイコンと称す)40に内蔵されたチェックプログラムにより制御回路14の異常を検出し、正常であればS3に進んでイニシャル処理を行い、製氷皿7を水平位置にセットすると同時に製氷皿が時計回りで停止しているか、反時計回りで停止しているか判定して記憶する。
【0023】次いでS4に進んでマイコン40の出力にてトライアック42を制御してポンプ10を作動し、製氷皿7に給水を行った後、S5に進んでマイコン40の出力にてスイッチング素子43を予め設定した所定時間オンしてモータ21を回転し、製氷皿7にひねりを加えて離氷動作を行う。
【0024】その後、S6に進んで温度センサ18の出力により製氷皿の温度を検出し、例えば10分以上−10℃以下を検出すると製氷完了と判定する等の製氷完成検出処理を行った後、S7に進んで上記モータ21を作動して製氷皿7を反転した後、上記S4の給水動作に戻り、以降上記の動作を繰り返すものである。
【0025】又、上記S2にて異常と判断された場合には、S8にて故障の原因を解除した後S1に戻り、上記各動作中に異常が発生した場合には、S9に進んで全ての動作を停止した後上記S8に進む。
【0026】尚、上記電源投入後の初回には製氷皿7内に氷が無いので、S5の離氷動作をスキップする様にプログラムしても良い。
【0027】次に上記S4の給水動作を図8のフローチャートに基づき説明すると、先ずS10にて給水処理を開始すると、S11に進んでポンプ10を作動した後、S12に進んで予め設定した最適時間(例えば3秒)をカウントし、時間が経過するとS13に進んでポンプ10を停止する。
【0028】次いで、S14に進んで温度センサ18が予め設定した所定温度(例えば−2℃)以下を検出したか否か判定し、検出しなければ製氷皿7の一端迄給水されていないと判断してS15に進み、ここで予め設定した所定時間(例えば5分間)待機し、この時間待機しても上記温度センサ18が所定温度以下を検出しなければ、給水量が不足していると判断してS16〜S18に進んで再度ポンプ10を最適時間作動する。
【0029】その後、S19に進んで上記ポンプ10を作動した給水回数が予め設定した最大回数(例えば6回)に到達したか否か検出し、最大回数以内であればS11に戻って上記の給水動作を繰り返し、何らかの原因により最大回数に到達しても製氷皿7内への給水を検出出来なければ、S20に進んで全ての動作を停止し、給水異常や温度センサ異常等の異常発生の報知処理を行う。
【0030】又、上記S12〜S19に到る途中に、S21やS22にて上記温度センサ18が所定温度以下を検出して製氷皿7内への給水を検出すると、S23にて給水処理を終了する。
【0031】これにより、何らかの原因によりポンプ10の給水能力が低下したり、給水パイプ11や給水ノズル25が詰まって給水量が低下しても、温度センサ18にて製氷皿7内への給水を確実に検出することで、製氷皿7への給水量の不足による製氷能力の低下を確実に防止する事が出来ると共に、最適時間の設定によって製氷皿7へ間欠的に給水し、一度に多くの給水を行う場合に比べ、製氷ブロック15・・間の水の移動時の流路抵抗による水の溢れを防止出来、かつ給水時に適当な時間ロスを設定することで、製氷皿7の下面に作られた氷の離氷をより確実に行う事が出来る。
【0032】又、給水動作を所定回数行っても製氷皿7内への給水を検出できなかった場合には、異常発生の報知を行う様に構成したことで、自動製氷機能の停止を早期に報知する事が出来るものである。
【0033】更に上記S5の離氷処理を図9のフローチャートに基づき説明すると、S24にて離氷処理を開始すると、S25にて上記S3のイニシャル処理の記憶に基づき、今までに製氷皿7が時計回りをしたか否か検出し、時計回りをしていた場合にはS26、S27に進んでモータ21を予め設定した一定時間(例えば0.3秒)正転駆動して製氷皿7にひねりを与えた後、S28〜S29に進んで上記一定時間モータ21を逆転してS30に進み、ここで上記S26〜S29のステップを予め設定した所定回数(たとえば4回)行ったか否か検出し、行っていればS31に進んで離氷処理を終了する。
【0034】又、上記S25で製氷皿7が反時計回りをしていた場合には、S32〜36を行って、上記同様に製氷皿7にひねりを与えた後、S31に進んで処理を終了する。
【0035】尚、上記製氷皿7の回転方向とモータ21の回転方向は特に限定されるものではなく、製氷皿7を回転して停止した方向に更に回転を加えて製氷皿7にひねりを加える様に構成すれは良い。
【0036】図10は上記S7の製氷皿反転動作を示すフローチャートで、S37にて処理を開始した後S38に進み、ここで前回製氷皿7が時計回りをしたか否か判定し、時計回りであればS39に進んでモータ21を正転した後、S40〜S41に進んで例えば3秒間モータ21の電流が変化したか否か検出し、変化がなければS42に進んでホール素子41の出力を検出して製氷皿7が中間位置か否か検出する。
【0037】そして上記S42にて中間位置であれば、S43に進んで上記同様ホール素子41の出力より製氷皿7が水平位置か否か検出し、水平位置であればS44に進んで処理を終了する。
【0038】又、上記S38にて製氷皿7が反時計回りであれば、S45〜S47に進んで上記同様にモータ21の電流変化を検出し、例えば3秒間変化がなければS48〜S49に進んで製氷皿7が回転して水平位置に達した事を検出し、水平位置に成れば上記S44に進んで処理を終了する。
【0039】尚、上記S40又はS46で、製氷皿7の氷結等の何らかの理由で電流が変化して製氷皿7が回転しなかった場合には、S50に進んで全ての動作を停止し、回転異常による異常発生を報知する。
【0040】これにより、温度センサの検出温度によって製氷の完了を早期にかつ確実に検出し、製氷能力の向上を計る事が出来ると共に、冷凍能力の不足等により所定時間待機しても製氷完了温度を検出できなかった場合には、早期に異常発生を報知して点検を促すことで、異常発生による製氷能力の低下を最小限に抑える事が出来るものである。
【0041】
【発明の効果】本発明の構成により、製氷皿の上下両面に製氷ブロックを形成し、製氷皿の上面に位置する製氷ブロックに給水装置により給水して製氷した後、製氷皿を上下反転して上面に位置する製氷ブロックに給水すると共に、製氷皿にひねりを加えて離氷する様に構成したことで、給水時の水温を利用して離氷を促進し、これにより製氷皿に加えるひねり量を減少しても容易かつ確実に離氷を行うことが出来、ひねりによる製氷皿の劣化を極力低減する事が出来るものである。
【0042】又本発明の構成により、製氷皿へ給水時には製氷皿の温度を温度センサにより検出し、給水装置により所定時間給水しては製氷皿の温度を検出して給水を検出する動作を繰り返す様に構成したことで、給水動作に適度の時間ロスを持たせ、給水を利用して氷と製氷皿との接触面を確実に解かし、製氷皿にわずかなひねりを加えることで確実に離氷を行う事が出来、離氷を効率的に行う事が出来るものである。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【識別番号】000214892
【氏名又は名称】鳥取三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年6月3日(1999.6.3)
【代理人】 【識別番号】100109368
【弁理士】
【氏名又は名称】稲村 悦男 (外1名)
【公開番号】 特開2000−346506(P2000−346506A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−156862