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【発明の名称】 逆セル型製氷機
【発明者】 【氏名】松添 創一

【要約】 【課題】逆セル型製氷機の水皿5の表面に撥水剤を塗布し、カビが付着しないようにした逆セル型製氷機を提供する。

【解決手段】逆セル製氷機は下向きに開口した多数の製氷室1Aを有し、上壁外面に冷却装置の蒸発パイプ2を配設した冷却器1と、この冷却器の下方に傾復動可能に配設され、前記各製氷室に対応する噴水孔3及び戻り孔4を有した水皿5と、前記戻り孔に連通する水タンク6と、この水タンク内の水を前記噴水孔から噴出して前記各製氷室に循環させる循環ポンプ9とを具備している。水皿5の表面に撥水剤を塗布している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下向きに開口した多数の製氷室を有し、上壁外面に冷却装置の蒸発パイプを配設した冷却器と、この冷却器の下方に傾復動可能に配設され、前記各製氷室に対応する噴水孔及び戻り孔を有した水皿と、前記戻り孔に連通する水タンクと、この水タンク内の水を前記噴水孔から噴出して前記各製氷室に循環させる循環ポンプとを具備した逆セル型製氷機において、前記水皿の表面に撥水剤を塗布したことを特徴とする逆セル型製氷機。
【請求項2】 下向きに開口した多数の製氷室を有し、上壁外面に冷却装置の蒸発パイプを配設した冷却器と、この冷却器の下方に傾復動可能に配設され、前記各製氷室に対応する噴水孔及び戻り孔を有した水皿と、前記戻り孔に連通する水タンクと、この水タンク内の水を前記噴水孔から噴出して前記各製氷室に循環させる循環ポンプとを具備した逆セル型製氷機において、前記水皿の表面に塗布する撥水剤で撥水層を周辺に比べて内側を厚めに形成したことを特徴とする逆セル型製氷機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水皿へのカビの付着を抑えた逆セル型製氷機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の製氷機は、下向きに開口する多数の製氷室を区画形成した冷却器の下側に傾復動可能な水皿を設け、水皿が製氷室を閉塞している状態において、水皿表面に形成した噴水孔から各製氷室に噴水し、製氷工程を行うと共に、前記冷却器にホットガスを流して加熱し、駆動装置による水皿の傾動で水皿を製氷室から開放して脱氷する離氷工程を行うよう構成された逆セル方式の製氷ユニットと、この製氷ユニットで製氷された角氷を貯氷する貯氷ユニットとで構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、逆セル型製氷機の水皿は製氷工程時及び離氷工程時に製氷用水に晒され長期に亘って使用した場合にカビが発生し、製氷された氷にカビ臭さが生じたりする問題があった。
【0004】本発明は上記の問題を解決するもので、逆セル型製氷機の水皿の表面に撥水剤を塗布し、カビが付着しないようにした逆セル型製氷機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、下向きに開口した多数の製氷室を有し、上壁外面に冷却装置の蒸発パイプを配設した冷却器と、この冷却器の下方に傾復動可能に配設され、前記各製氷室に対応する噴水孔及び戻り孔を有した水皿と、前記戻り孔に連通する水タンクと、この水タンク内の水を前記噴水孔から噴出して前記各製氷室に循環させる循環ポンプとを具備した逆セル型製氷機において、前記水皿の表面に撥水剤を塗布し、前記水皿の表面にカビが付着しないようにしている。
【0006】本発明の請求項2は、下向きに開口した多数の製氷室を有し、上壁外面に冷却装置の蒸発パイプを配設した冷却器と、この冷却器の下方に傾復動可能に配設され、前記各製氷室に対応する噴水孔及び戻り孔を有した水皿と、前記戻り孔に連通する水タンクと、この水タンク内の水を前記噴水孔から噴出して前記各製氷室に循環させる循環ポンプとを具備した逆セル型製氷機において、前記水皿の表面に塗布する撥水剤で撥水層を周辺に比べて内側を厚めに形成し、製氷室で作られた氷の離氷時の落下や着氷した氷の剥離に用いられる製氷用水で削られやすい内側の撥水層の厚みを厚くして部分的に撥水層が無くならないようにしている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の各ユニットの接続順を示す側面図、図2は製氷ユニットの内部を示す側面図、図3は水皿の要部拡大断面図である。
【0008】本発明の製氷機は、図1に示す如く、上位に製氷ユニットIM、下位に貯氷ユニットISが設けられている。
【0009】製氷ユニットIMは、図2の如く所謂逆セル型製氷機と称されるもので、断熱箱体内に製氷機構を配設したものである。この製氷機構は、下向きに開口した多数の製氷小室1Aを有し、上壁外面に冷凍系の蒸発パイプ2を配設した冷却器1と、各製氷小室1Aを下方から閉塞し、表面には各製氷小室1Aに対応する噴水孔3及び戻り孔4を形成した水皿5と、この水皿に固定され、戻り孔4に連通する水タンク6と、この水タンク内の水を送水管7、分配管8を経て噴水孔3から各製氷小室1Aへ循環させる循環ポンプ9と、水皿5を傾動及び復動させる正逆回転可能な減速モータ10を含む駆動装置11と、給水電磁弁12が開いたとき水皿5の表面に散水する散水器13と、水タンク6の底部に連通したフロートタンク14A内のフロート14Bによって水位スイッチ21を作動し、水タンク6内の所定水位を検出する水位検出装置14等にて構成されている。
【0010】そして、支持梁15に固定した取付板16に支持した前記減速モータ10の出力軸に相互に逆方向に延出した第1及び第2アーム17A及び17Bを有する駆動カム17を連結し、この駆動カムの第1アーム17Aの端部に取り付けたコイルバネ18の他端を水皿5の側部に連結し、水皿5の後部は回動軸19に支持している。また、20は減速モータ10の正転により図2中反時計回りをする駆動カム17の第2アーム17Bによって切換反転され、減速モータ10への通電を断って水皿5を所定の傾斜開放位置に停止させ、減速モータ10の逆転により図2中時計回りに回転する駆動カム17の第1アーム17Aによって切換反転され、減速モータ10への通電を断って水皿5を所定の水平閉塞位置に停止させるためのアクチュエータスイッチである。
【0011】また、この製氷ユニットIMの下部には、貯氷ユニットISへ製氷した氷22を搬出する氷搬出口23が設けられており、この氷搬出口の下端部内面には貯氷量を検出する貯氷検出装置24が設けられている。この貯氷検出装置は、本実施例では光センサーを用いているが、検出部が可動することにより検出する機械式や静電容量式センサーであってもよい。
【0012】次に、下位には貯氷ユニットISが設けられており、この貯氷ユニットは、断熱材にて形成され、上面を開口すると共に、前面に上下に二個の開閉扉25、26を有しており、底面に台脚27が設けられている。
【0013】水皿5の表面には四フッ化エチレン粉末を、エチレン、一酸化炭素共重合体樹脂、エチレン・ビニルケトン共重合体樹脂、プロピレン・ビニルケトン共重合体或いはスチレン・ビニルケトン共重合体の少なくとも1種類以上の樹脂中に分散混入させて形成された撥水剤を塗布して撥水層28が形成されている。この撥水層は水皿5の冷却器1の製氷小室1A側の面でこの製氷小室から氷の落下する部分の厚みを製氷小室1Aの反対側の面や周辺に比べて厚く形成している。
【0014】以上のように構成した逆セル型製氷機において、貯氷動作を説明すると、水皿5が水平状態にあるときに図示しない制御装置は先ず製氷行程に入り、給水電磁弁12を開いて散水器13から水皿5上に散水され戻り孔4から水タンク6への給水が開始される。また、制御装置は図示しない圧縮機を運転し、蒸発パイプ2の冷却作用により冷却器1を冷却すると共に、循環ポンプ9を運転して水タンク6内の水の予冷運転を行う。この循環ポンプが運転されると、水タンク6内の水は噴水孔3から製氷室1Aに噴水され、戻り孔4から水タンク6に戻る経路で循環されるので、循環水の温度は徐々に低下して行く。尚、その後、水タンク6内が満水になれば制御装置は給水電磁弁12を閉じる。
【0015】係る予冷運転によって水タンク6内の水の温度が所定の製氷開始温度(0℃付近)まで低下すると、循環ポンプ9による水の循環により、噴水孔3から噴水される製氷用水で製氷小室1A内にはその内壁面から徐々に氷が成長して行き、製氷工程が終了終了して離氷行程に移行する。
【0016】この離氷行程では制御装置は減速モータ10を正転させ、水皿5を傾動させて製氷小室1Aを開き、図示しないホットガス電磁弁を開いて蒸発パイプ2に前記圧縮機から吐出された高温冷媒を循環し、冷却器1を加熱して製氷小室1Aに凍結した氷の脱氷を行う。蒸発パイプ2からの加熱により製氷小室1Aから離脱した角氷は、傾斜している水皿5の上面を伝って氷搬出口23を通って貯氷ユニット1S内に貯氷される。また、係る蒸発パイプ2からの加熱によってその周囲の氷層も融解し、融解水は水タンク6内に滴下する。その後、冷却器1の温度が所定の離氷終了温度に達したら、前記ホットガス電磁弁を閉じて離氷行程を終了すると共に、減速モータ10を逆転させ、水皿5を復動させて水平状態とし、冷却器1の製氷小室1Aを閉じる。そして、一定量貯氷したことを検知する貯氷検出部24に達するまで、製氷ユニットIMの製氷運転を継続し、製氷自然落下状態で貯氷ユニットIS内に氷22は貯氷される。
【0017】水皿5は表面に撥水剤を塗布して撥水層28を形成することにより、長期間に亘って使用してもカビを付着しにくくしている。カビは水分を多く含む体外分泌物を表面に付着させて繁殖するものであり、撥水層28でカビの体外分泌物が反発して付着できないようにしている。撥水層28は製氷小室1Aから水皿5に落下する氷22で傷ついたとしても製氷小室1A側の表面を厚くすることにより、剥がれないようにされている。
【0018】本発明は水皿5に撥水層28を形成することにより、この水皿にカビが付着して繁殖しないようにでき、出来上がった氷がカビ臭くならないようにしている。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1によれば、下向きに開口した多数の製氷室を有し、上壁外面に冷却装置の蒸発パイプを配設した冷却器と、この冷却器の下方に傾復動可能に配設され、前記各製氷室に対応する噴水孔及び戻り孔を有した水皿と、前記戻り孔に連通する水タンクと、この水タンク内の水を前記噴水孔から噴出して前記各製氷室に循環させる循環ポンプとを具備した逆セル型製氷機において、前記水皿の表面に撥水剤を塗布したので、前記水皿の表面に撥水層が形成されてカビが付着しないようにでき、カビが繁殖しないようにできる。
【0020】本発明の請求項2によれば、下向きに開口した多数の製氷室を有し、上壁外面に冷却装置の蒸発パイプを配設した冷却器と、この冷却器の下方に傾復動可能に配設され、前記各製氷室に対応する噴水孔及び戻り孔を有した水皿と、前記戻り孔に連通する水タンクと、この水タンク内の水を前記噴水孔から噴出して前記各製氷室に循環させる循環ポンプとを具備した逆セル型製氷機において、前記水皿の表面に塗布する撥水剤で撥水層を周辺に比べて内側を厚めに形成したので、製氷室で作られた氷の離氷時の落下や着氷した氷の剥離に用いられる製氷用水で削られやすい内側の撥水層の厚みを厚くして部分的に撥水層が無くならないようにできる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年5月31日(1999.5.31)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
【公開番号】 特開2000−346504(P2000−346504A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−152531