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【発明の名称】 噴水式製氷機の製氷機構部
【発明者】 【氏名】真田 智之

【要約】 【課題】散水パイプの脱着が天板を取り外すことなく容易に可能な噴水式製氷機の製氷機構部を提供すること。

【解決手段】噴水式製氷機の製氷機構部は、下向きに開口した複数のセルを有する製氷室と、前記セル内にその下方から製氷水を噴射する閉位置及び前記セル内に生成された角氷を貯氷庫に滑落させる傾斜した開位置の間で傾動自在に配設された水皿とに加え、該水皿の上方を横断して延在し、開位置にある水皿の上面に洗浄水を散水するための散水パイプ20を備えている。該散水パイプを支持するため、その延在方向に離間して、該散水パイプが挿通される開口22を有する支持部材21が配設されている。散水パイプの先端は、開口への挿通を容易にするために先細に形成されている。手前の支持部材に散水パイプを挿通しないようにも構成しうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下向きに開口した複数のセルを有する製氷室と、前記セル内にその下方から製氷水を噴射する閉位置及び前記セル内に生成された角氷を貯氷庫に滑落させる傾斜した開位置の間で傾動自在に配設された水皿と、該水皿の上方を横断して延在し、前記開位置にある前記水皿の上面に洗浄水を散水するための散水パイプと、該散水パイプの延在方向に離間して配設されると共に、該散水パイプが挿通される開口を有する支持部材とを備え、前記散水パイプの先端は、前記開口への挿通を容易にするために先細に形成されている噴水式製氷機の製氷機構部。
【請求項2】 下向きに開口した複数のセルを有する製氷室と、前記セル内にその下方から製氷水を噴射する閉位置及び前記セル内に生成された角氷を貯氷庫に滑落させる傾斜した開位置の間で傾動自在に配設された水皿と、該水皿の上方を横断して延在し、前記開位置にある前記水皿の上面に洗浄水を散水するための散水パイプと、該散水パイプの延在方向に離間して配設される2つの支持部材とを備え、一方の支持部材には、前記散水パイプの先端を受け入れる開口が形成され、他方の支持部材又は前記散水パイプには、前記一方の支持部材が前記散水パイプの先端を受け入れた状態で、前記散水パイプの周面上方に位置するピンを受け入れるピン受け穴が形成されており、前記散水パイプの先端は、前記開口への挿通を容易にするために先細に形成されている噴水式製氷機の製氷機構部。
【請求項3】 前記散水パイプの先端は、該先端に先細の蓋を装着することにより先細に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の製氷機構部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製氷室と共に噴水式製氷機の製氷機構部を構成する水皿に関し、特に該水皿の上面に、残氷を溶融するための洗浄水を散布する散水パイプの支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6及び図7に、複数の下向き開口セル1aからなる製氷室1に下方の水皿2からポンプ3を介して矢印で示すように製氷水を噴射して、各セル1a内に角氷を生成するいわゆる噴水式製氷機においては、製氷サイクルにおいて各セル1aに所定の大きさに角氷が成長すると、除氷サイクルに切り替わり、水皿2を、軸4を支点として強制的に回動させて製氷室1から離し、図示しない下向き傾斜状態にする。そして、製氷室1の各セル1aから落下する角氷は水皿2の上面2aを滑落し、図示しない貯氷庫に貯留される。このような噴水式製氷機は、例えば実開平4−23978号公報に記載されている。
【0003】上述した製氷機において、製氷サイクル中、水皿2の上面2aは図6から了解されるように、製氷室1の各開放セル1aに対峙した閉位置にあるため、除氷サイクルに移行する際に、前述したように水皿2を強制的に回動すると、良く知られているように、その上面2aに氷片が多数もしくは無数に氷結し付着する。このように氷片が付着した状態のまま除氷サイクルが進行して各セル1aから角氷が上面2a上に落下すると、角氷の全てが上面2a上をスムーズに滑落するとは限らず、あるものは付着していた氷片に捕捉されて上面2a上に留まってしまうことがある。
【0004】この状態で次の製氷サイクルに再び入り、製氷水を噴射すべく水皿2が上方に回動すると、水皿上面2aに捕捉されていた角氷が製氷室1との間に挟まり、いわゆる「氷噛み」の現象が起こり、製氷機として致命的な事故に発展する可能性がある。そのため、このような事態を回避すべく、製氷サイクルが終了して水皿2が下方に回動されると、図6及び図7に示した散水パイプ5に形成された多数の散水穴5aから洗浄水を水皿上面2aに散水して氷結付着した氷片を溶かし流すことが一般的に行われている。
【0005】図8は、このような散水パイプ5の従来技術による支持構造の一例を示すものである。この支持構造の細部は図7に示された構造6とは異なっているが、散水パイプ支持の基本的概念は共通しており、散水パイプ5を支持ブラケットに形成された貫通穴に挿通するものである。即ち、図8において、符号7は製氷室1及び水皿2等を収容する断熱箱体であり、そこに、外部水源に連絡する給水口8が取り付けられる。給水口8には、ブラケット16により断熱箱体7の機構部取付枠2bに取り付けられる給水管9が接続され、前述した散水パイプ5は、給水ホース10、ウォータバルブ11、ニップル継手12等を介してこの給水管9に接続されている。13は給水ホースを止めるクランプである。
【0006】散水パイプ5を支持するために、水皿2の左右側部において機構部取付枠2bに設けられた支持ブラケット14には開口14aが形成されており、そこに散水パイプ5を挿通することにより、散水パイプ5の保持が行われる。散水パイプ5には、前述したようにその長手方向に沿って多数の散水穴5a(図7)が形成されるほか、給水ホース10から離間した端部に蓋もしくはキャップ15が嵌合され盲になっている。該蓋15の形状は図9に示す通りであり、散水パイプ5の中に入るほぼ円筒形の本体部15aと、外部に露出するフランジ部15bとからなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、製氷機の場合、最近の水質悪化に伴って散水パイプ5の散水穴に目詰まりが生じることがしばしばある。その場合、目詰まり防止のための清掃を行う必要があるので、天板7aが脱着自在に構成されているが、製氷機の設置先で、諸設備を収容する室内スペースが狭小である関係上、色々な物を天板7a上に載置することがある。このような場合には、天板7aを外さずに散水パイプ5を掃除することが余儀なくされる。散水パイプ5の取り外しは、図8においてクランプ13による保持を解除してから散水パイプ5を引き抜けばよいのであるが、一旦散水パイプ5を取り外してしまうと、散水パイプ5の先端のキャップ15を支持ブラケット14の開口14a(特に図8において左側の開口14a)に再挿入することが、キャップフランジ部15bの偏平形状のため非常に面倒であり、改善が望まれていた。従って、本発明の目的は、散水パイプの脱着が天板を取り外すことなく容易に可能な噴水式製氷機の製氷機構部を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、請求項1に係る本発明によると、噴水式製氷機の製氷機構部は、下向きに開口した複数のセルを有する製氷室と、前記セル内にその下方から製氷水を噴射する閉位置及び前記セル内に生成された角氷を貯氷庫に滑落させる傾斜した開位置の間で傾動自在に配設された水皿と、該水皿の上方を横断して延在し、前記開位置にある前記水皿の上面に洗浄水を散水するための散水パイプと、該散水パイプの延在方向に離間して配設されると共に、該散水パイプが挿通される開口を有する支持部材とを備え、前記散水パイプの先端には、前記開口への挿通を容易にするために先細の蓋が設けられている。
【0009】また、上記目的を達成するため、請求項2に係る本発明の噴水式製氷機の製氷機構部は、下向きに開口した複数のセルを有する製氷室と、前記セル内にその下方から製氷水を噴射する閉位置及び前記セル内に生成された角氷を貯氷庫に滑落させる傾斜した開位置の間で傾動自在に配設された水皿と、該水皿の上方を横断して延在し、前記開位置にある前記水皿の上面に洗浄水を散水するための散水パイプと、該散水パイプの延在方向に離間して配設される2つの支持部材とを備え、一方の支持部材には、前記散水パイプの先端を受け入れる開口が形成され、他方の支持部材又は前記散水パイプには、前記一方の支持部材が前記散水パイプの先端を受け入れた状態で、前記散水パイプの周面上方に位置するピンを受け入れるピン受け穴が形成されており、前記散水パイプの先端には、前記開口への挿通を容易にするために先細の蓋が設けられている。前記散水パイプの先端は、該先端に先細の蓋を装着することにより先細に形成されていることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明するが、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。また、本発明は、以下の説明から分かるように、この実施形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0011】図1は、本発明に従って構成された支持構造により支持された散水パイプ20を備える製氷機の製氷機構部を示す図である。該製氷機構部自体は、本発明の主要部ではなく、図6及び図7に示した従来のものと同様と考えてよいため、製氷室1及び水皿2を有するとだけ説明しておく。この図1において、断熱箱体7の天板7aは脱着自在に本体枠7bに装着され、該本体枠7bからは、1対の水皿支持部材21が紙面に対し垂直方向に離間して垂下している。図1において、給水ホース10の両端は、ウォータバルブ11及び散水パイプ20にそれぞれクランプ13によりしっかり固定される。
【0012】図2は、本発明の一実施形態による散水パイプ20とその支持部材21の詳細を斜視している。同一形状もしくは構造でよい各支持部材21は、強度上の関係で略コ字形に形成されており、2つの脚部、即ち短脚21a及び長脚21bと、該脚部の上端部を接続する頭部21cとを有する。短脚21aが強度上付加された部材であり、短脚21aの下端よりも下方にある長脚21bの下方部には、散水パイプ20を通すための開口22が形成されている。頭部21cに設けられた2つの円柱状突起21dは、本体枠7bに装着される機構部取付枠7cに形成された取付穴(図示せず)にきつく嵌め込まれる。これにより、製氷機構部が支持部材21等を介して本体枠7bに支持されることになる。なお、この突起21dはネジであってもよい。
【0013】一方、散水パイプ20の先端には本発明に従ってほぼ砲弾形の先細に形成された蓋もしくはキャップ23が嵌め込まれている。該蓋もしくはキャップ23の構造は、実施形態においては図4に示す通りであり、散水パイプ20の先端開口部に嵌入する円筒形の基部23aと、蓋23の脱着に便利な把持部を提供するように上記基部23aから延びる、散水パイプ20とほぼ同一の外径を有する円板状部23bと、該円板状部23bから延びる裁頭円錐形の挿入部23cとを有する。蓋23をこのような形状にすると、蓋23を単体で持ち運びするような場合に好都合である。なお、蓋23は先細であればよく、図示の形状に特定されないことは勿論である。
【0014】このような形状に散水パイプ20の蓋23が形成されているため、散水パイプ20の交換或いは清掃のための除去は次のようにして天板7aを取り外すことなく容易に行われる。即ち、図1において、紙面の手前側にあるフロントパネル(図示せず)を外し、図示のように製氷室1及び水皿2の側面が露出する状態にする。次に、図1において右側にあるクランプ13を外して、給水ホース10から散水パイプ20を抜き出しうる状態としてから、散水パイプ20を単に手前に引っ張ればよい。そして、散水パイプ20を新しいものと交換してから、或いは散水パイプ20の目詰まりが生じないように清掃してから、図2に示すように、散水パイプの先端を各支持部材21に形成された開口22に次々と挿入する。散水パイプ先端の蓋23は前述したように先細であるため、挿入は、天板7aを外すことなく容易に行われる。挿入後、散水パイプ20の末端20aをクリップ13により給水ホース10に再接続すれば、取付が完了する。
【0015】図2においては、各支持部材21は同一形状であり、手前の支持部材21にも開口22が形成され、そこに散水パイプ20が挿通されていたが、手前側、即ち散水パイプ20の挿入方向に関して上流側の支持部材21については、開口22が形成されていた長脚21bの下方部を切り落とし、短脚21aと同程度の長さにするように改変してもよい。即ち、図3において、手前側の支持部材30は実施形態では同一長さの2つの短脚30a,30bを有し、手前側の短脚30bにはもはや開口22は存在しない。その代わりに、即ち手前側の支持部材に散水パイプを挿入することによりその支持を行っていた代わりに、短脚30bのほぼ中央部にピン受け穴30cを形成すると共に、該ピン受け穴30cに嵌合するピン30dを有する支持板30eを散水パイプ20に例えば溶接により取り付け、該ピン30dをピン受け穴30cに嵌合することにより手前の支持部材30による散水パイプ20の支持を行っている。
【0016】この変形実施形態の場合、図2の実施形態とは異なって、散水パイプ20の挿入方向に関して上流側にある支持部材30に散水パイプ20を挿通する必要がないので、且つ、上流側にある支持部材30の手前の脚部も短脚としたことにより奥側の支持部材の視界が良好になったので、散水パイプ20の先端にある蓋23を、散水パイプ20の挿入方向に関して下流側にある支持部材21に挿入する際に、散水パイプ20の動きの自由度が増すので、挿入作業が容易になる。また、散水パイプ20を支持部材21,30により支持した状態では、散水パイプ先端の蓋23が奥側の支持部材21に形成した開口22に入り、支持板30eに設けたピン30dが手前側の支持部材30に形成したピン受け穴30cに嵌合するので、図3において矢印Aの方向への動きは拘束される。従って、散水パイプ20を支持部材21,30により支持した状態で、散水パイプ20の末端20aを前述したように給水ホース10(図1)に固定すれば、散水パイプ20のB方向への移動も確実に阻止される。
【0017】更に、本発明の実施形態は次のように改変することもできる。即ち、図5の(a)に示すように、支持部材30の短脚30bにピン30dを設け、そのピンを受ける穴30cを支持板30eに形成してもよい。また、図5の(b)に示すように、支持部材のピン受け穴に嵌入するピン30fをほぼ逆L字形に構成し、散水パイプの周面に例えば溶接により直接結合するようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、散水パイプの先端を先細に形成したため、取り外した散水パイプを再装着する際に、側方から支持部材の開口に容易に挿入することができるので、製氷機の天板を取り外す必要がなく、従って、作業時間の短縮になる。また、請求項2に記載の本発明のように、散水パイプの先端を先細に形成するだけでなく、散水パイプを奥側の支持部材に形成された開口にのみ挿通するように構成すると、必然的に奥側の支持部材に先に差し込むことになり、作業性の向上になる。更に、請求項2に記載の本発明では、手前側の支持部材に散水パイプを挿入しないので、必然的に、支持部材を短尺に形成することができ、奥側の視界が良くなって更に作業性が向上するだけでなく、手前側の支持部材から散水パイプを引き抜くこともしないことにより、散水パイプに付着していた水垢が剥がれて水皿上や貯氷庫内に落下することもなくなる。請求項3の本発明のように、散水パイプ先端の蓋を先細に形成しておけば、該蓋を単体で持ち運びする際に便利であり、また、該蓋を散水パイプに対して脱着するさいにも、便利である。
【出願人】 【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
【出願日】 平成11年5月12日(1999.5.12)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
【公開番号】 特開2000−320939(P2000−320939A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−131075