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【発明の名称】 製氷機
【発明者】 【氏名】笹井 正博

【氏名】桜田 司

【氏名】伊東 昭典

【要約】 【課題】製氷用水中の細菌等の有害物を分解すると共に透明度の極めて高い氷を製氷できる製氷機を提供する。

【解決手段】製氷用水を貯蔵する貯水タンク22から氷を製氷する製氷部に製氷用水を供給する製氷用水循環路を備えた製氷機において、貯水タンク22の内壁面221等、製氷用水循環路内の構成品に光触媒を前記製氷用水が接触するように配置する。また、前記貯水タンク22又は製氷部に高電圧トランスから高電圧を印加して静電場を形成させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 製氷用水を貯蔵する貯水タンクから氷を製氷する製氷部に製氷用水を供給する製氷用水循環路を備えた製氷機において、前記製氷用水循環路内に光触媒を前記製氷用水が接触するように配置したことを特徴とする製氷機。
【請求項2】前記光触媒を前記貯水タンク内壁に溶射したことを特徴とする請求項1記載の製氷機。
【請求項3】 前記貯水タンクは、前記製氷用水に浮かぶ浮遊物を具備し、前記光触媒を前記浮遊物の表面に付着したことを特徴とする請求項1記載の製氷機。
【請求項4】 前記貯水タンクは不織布を具備し、前記光触媒を前記不織布に付着したことを特徴とする請求項1記載の製氷機。
【請求項5】 前記製氷用水循環路は前記製氷用水を内部に通過させる光触媒ユニットを具備し、この光触媒ユニットには光触媒が付着された光触媒付着体を収容したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の製氷機。
【請求項6】 前記製氷用水循環路は、前記製氷部上方に配置され、前記製氷部に製氷用水を散水するための散水タンクを具備し、前記散水タンクに光触媒を設けたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の製氷機。
【請求項7】 前記製氷部の表面に前記光触媒を付着したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の製氷機。
【請求項8】 前記貯水タンクに高圧トランスから高電圧を印加して静電場を形成させたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の製氷機。
【請求項9】 製氷用水を貯蔵する貯水タンクから氷を製氷する製氷部に製氷用水を供給する製氷用水循環路を備えた製氷機において、前記貯水タンク又は前記製氷部に高圧トランスから高電圧を印加して静電場を形成させたことを特徴とする製氷機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製氷用水を貯蔵する貯水タンクから氷を製氷する製氷部に製氷用水を供給する製氷用水循環路を備えた製氷機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に製氷機は、冷媒が圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を循環する冷凍サイクル装置を備えている。製氷機の製氷部は、冷凍サイクル装置の蒸発器を具備しており、この蒸発器において製氷用水から熱量を吸収し、製氷用水を冷却して製氷している。
【0003】従来より、製氷用水を貯蔵する貯水タンクから氷を製氷する製氷部に製氷用水を供給する製氷用水循環路を備えた製氷機が知られている。かかる製氷機にあっては、外部の水供給源から供給される水を一旦貯水タンクに貯蔵し、この水を散水タンクに供給してこの散水タンクからの散水を製氷部の周囲に流下させて、製氷されない散水を再度貯水タンクに戻して更に再度循環させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる製氷機については、貯水タンク等の製氷用水循環路の内部に細菌が発生するのを防止したり、製氷された氷に臭いが生じるのを防止しなければならない。そのため、製氷用水循環路の内部の清掃を頻繁に行う必要があるが、細部まで清掃しようとすれば、製氷機を分解して行う必要がある。
【0005】また、飲食店において、氷を入れた飲料水を提供するに際し、透明な氷が好ましい場合もある。しかし、水が凝固する際に気泡が氷の内部に閉じ込められるため、透明度の高い氷を製氷するのは困難である。
【0006】本発明は、上述の問題点に対しなされたもので、製氷用水の殺菌、消臭等を行い、透明度の高い氷を製氷できる製氷機を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、製氷用水を貯蔵する貯水タンクから氷を製氷する製氷部に製氷用水を供給する製氷用水循環路を備えた製氷機において、前記製氷用水循環路内に光触媒を前記製氷用水が接触するように配置した。
【0008】請求項2の発明では、請求項1記載の製氷機において、前記光触媒を前記貯水タンク内壁に溶射したことを特徴とする。
【0009】請求項3の発明では、請求項1記載の製氷機において、前記貯水タンクは、前記製氷用水に浮かぶ浮遊物を具備し、前記光触媒を前記浮遊物の表面に付着したことを特徴とする。
【0010】請求項4の発明では、請求項1記載の製氷機において、前記貯水タンクは不織布を具備し、前記光触媒を前記不織布に付着させたことを特徴とする。
【0011】請求項5の発明では、請求項1乃至4の何れかに記載の製氷機において、前記製氷用水循環路は前記製氷用水を内部に通過させる光触媒ユニットを具備し、この光触媒ユニットには光触媒が付着された光触媒付着体を収容したことを特徴とする。
【0012】請求項6の発明では、請求項1乃至5の何れかに記載の製氷機において、前記製氷用水循環路は、前記製氷部上方に配置され、前記製氷部に製氷用水を散水するための散水タンクを具備し、前記散水タンクに光触媒を設けたことを特徴とする。
【0013】請求項7の発明では、請求項1乃至6の何れかに記載の製氷機において、前記製氷部の表面に前記光触媒を付着したことを特徴とする。
【0014】請求項8の発明では、請求項1乃至7の何れかに記載の製氷機において、前記貯水タンクに高圧トランスから高電圧を印加して静電場を形成させたことを特徴とする。
【0015】請求項9の発明では、製氷用水を貯蔵する貯水タンクから氷を製氷する製氷部に製氷用水を供給する製氷用水循環路を備えた製氷機において、前記貯水タンク又は製氷部に高圧トランスから高電圧を印加して静電場を形成させた。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】図1から図4は、本発明にかかる製氷機1の1実施形態を示している。製氷機1は、箱状のハウジング11の内部に氷を製氷する製氷機構と、冷凍サイクルを作り出す冷凍サイクル機構とを備えている。製氷機構は、図1の左側に位置する製氷室2に収容されており、冷凍サイクル機構は、右側の機械室3の内部に収容されている。製氷室2の正面には扉部200が設けられており、正面のほぼ中央に設けられた取っ手201を手前に引っ張ることで扉部200を開扉できる。機械室3の正面部には、水平方向のスリットが上下方向に複数設けられた通気部31が形成されている。また、ハウジング11の下面の4隅には、製氷機1を支持する脚部10‥10が設けられている(図1参照)。
【0018】冷凍サイクル機構は、冷媒を断熱圧縮する圧縮機30と、圧縮器30から吐出された冷媒を凝縮する凝縮器31と、凝縮された冷媒に等エンタルピ変化を行わせる膨張弁32と、冷媒を蒸発させて被冷却物から熱を奪い取る蒸発器33と、蒸発器33から排出された冷媒を液体冷媒として一定量保持するアキュムレータ34とを備えている(図2参照)。また、凝縮器31には、製氷機1の外部から空気を取り込んで凝縮器31を冷却するためのファン35と、ファン35により吸い込まれた空気の不純物を濾過するフィルタ36とを具備している(図2参照)。製氷時、冷媒は図2の実線の矢印の経路を通る。なお、この冷凍サイクル機構においては、蒸発器33が製氷部21内に配置され、これにより製氷部21の周囲が冷却される。
【0019】一方、製氷室2の内部に収容された製氷機構は、図示しない外部の水供給源から配管27を介して供給される製氷用水を貯蔵する貯水タンク22を備えている。また、製氷機構は、貯水タンクの22上方に設けられ、氷を製氷する円柱状に形成された製氷部21と、この製氷部21の上方に配置され、製氷用水を散水するリング状の散水タンク23とを具備している。なお、配管27は、製氷用水をある程度冷却して貯水タンク22に流入させるため、製氷部21の内部を挿通するように設けられている。
【0020】貯水タンク22の上部は、製氷部21の下方へ張り出し、製氷部21の周囲をから滴れ落ちる散水を受ける底の浅い箱のように形成された受け部220が設けられている。また、貯水タンク22には、貯水タンク22の製氷用水を汲み上げるためのポンプ装置24が設けられ、このポンプ装置24の吐出口には上下方向に延び、貯水タンク22と散水タンクとを連通する配管28が設けられている。この配管28には製氷用水に含まれる細菌等を分解する光触媒ユニット5が取り付けられている。また、貯水タンク22には、製氷用水の貯水量を検知するフロートスイッチ25が設けられている。散水タンク23は、リング状に形成されており、散水タンク23の底面には、全周に亘り複数の散水孔が円周線上に設けられている。散水タンク23の外径は製氷部21の外径よりやや大きく形成され、製氷部21の周面には台形状に窪んだ複数の製氷部屋210‥210が上下方向に2段、全周に亘って形成されている。
【0021】この製氷機では、氷は図3に示すようにして製氷される。先ず、貯水タンク22の製氷用水がポンプ装置24により汲み上げられ、配管28を通過して散水タンク23へ供給される。散水タンク23に供給された製氷用水は前記散水孔から散水され、製氷ユニット21の周面を伝わって下方へと流れ落ちていく。散水された製氷用水のうち氷とならないものは、そのまま貯水タンク22の受け部220に滴れ落ち、再度貯水タンク22に回収される。このことを繰り返して製氷用水を循環させている。製氷部屋210‥210に入り込んだ製氷用水は、その都度製氷ユニット21により急激に冷却され、各製氷部屋210‥210で、次第に半径方向外側に向けて厚さが増すようにして氷が形成される。氷が完成すると冷媒用ソレノイドバルブ37が開き、冷媒は図2の破線の矢印に示す経路を通る。この為、冷凍サイクル機構の蒸発器が凝縮器として働き、製氷部の表面を加熱して氷の接触面を解凍する。そして、製氷された氷は各製氷部屋210‥210からそれぞれ離脱して、製氷機1の下部の貯氷庫に貯蔵される。図4に製氷された氷101を示す。この図に示すように氷101は長さがマッチ棒Mと同程度の台形状に形成される。但し、長期にわたり製氷機1を使用しなかった場合に、貯水タンク22の製氷用水を廃却できるよう貯水タンク22には排水管29が設けられている(図2参照)。
【0022】氷を製氷し、貯水タンク22の製氷用水が所定の水位を下回ると、フロートスイッチ25が反応して配管27のソレノイドバルブ26を開くように信号を発信する。そして図示しない外部の水供給装置から貯水タンク22に製氷用水が供給される。貯水タンク22に製氷用水が所定の水位まで達すると再びフロートスイッチが反応して、ソレノイドバルブ26にバルブを閉じるよう信号を発信し、貯水タンク22への製氷用水の供給が停止される。
【0023】また、製氷機1の製氷部21及び貯水タンク22は高電圧トランス62に接続されており、これらに高電圧が掛けられ静電場が形成される。製氷部21及び貯水タンク22は製氷機1の他の部分から絶縁するため、樹脂材、ゴム材、セラミックス等の絶縁部材を介して取り付けられている。この高電圧トランスは、100V交流電源64に接続されている。なお、高電圧トランス62と製氷部21及び貯水タンク22との接続並びに100V交流電源64との接続は、コード63により行われている。製氷部21及び貯水タンク22に掛けられる電圧は、200〜2KVが好ましい。
【0024】本実施形態のように、製氷部21に静電場を形成させると、交流電流の微小な振動により製氷用水のクラスターが小さくなり、凝固の際に気泡が発生しにくくなり、透明度の高い氷を製氷できる。また、貯水タンク22に静電場を形成させると製氷用水のph値が約0.2高くなるとともにイオン化され、美味しい氷が製氷される。
【0025】図5は、貯水タンク22の1実施形態を示している。この貯水タンク22は、薄板の鉄板等により上面が開放された箱型に形成されており、その上部の1辺には外側へ張り出す深さの浅い箱のように形成された受け部220が一体的に設けられている。また、水受け部220の外壁面225には、上面が開放された筒状のポケット224が取り付けられている。このポケット224には、高電圧トランス(図2参照)に接続されるコード63の先端部に取り付けられた電極棒61が挿入されている。なお、電極棒61とポケット224との接触面積を確保するため、電極棒61の横断面形状とポケット224の内部形状とを四角形に形成し、電極棒61の側面とポケット224とのに隙間ができないように電極棒61をポケット224に挿入するとよい。
【0026】一方、この貯水タンク22の内壁面221‥221及び底面222の表面には、製氷用水中に含まれる細菌、有害物質等を分解するため、光半導体粉末と金属粉末からなる光触媒とアパタイト等の吸着剤とを含有する混合剤が溶射され、この混合剤の皮膜41が形成されている(図6参照)。この光触媒は、水苔の発生を防止するとともに、製氷用水のph値を0.5程度上昇させて水をアルカリ性にする。
【0027】この混合剤に含有される光触媒は、融点が2000℃以下の酸化チタン(TiO2)の微粒子(5〜25μm)と、銀の粒子(1〜10μm)とからなり、この光触媒は、酸素、アセチレン等を使用したガス溶射法により約2900〜3000℃で吸着剤とともに溶射される。
【0028】溶射した状態では、光触媒の粒子は一方の電極として作用する酸化チタン粒子と、当該酸化チタンにより担持され、他方の電極として作用する銀微粒子とからなる。溶射後、光触媒は、30〜40μmの粒子となりガスの高温により溶融しつつ、アンカー効果により貯水タンク22の内壁面221‥221及び底面222に付着する。酸素、アセチレン等を使用する使用するガス溶射による低温溶射法において、光触媒の微粒子を噴射するガストーチと貯水タンク22の溶射面とを相対的に移動させ、表面温度が50℃以上にならないようにして行われている。
【0029】したがって、本実施形態では、貯水タンク22を鉄板材を用いて形成しているが、樹脂等を用いて形成することも可能となる。なお、使用原料の粉末の融点は、2000℃以下に制限される。
【0030】一般に、アナターゼ結晶形態の酸化チタン(チタニア)は、強力な光触媒作用を有するが、溶射後の光触媒粒子がすべてアナターゼ結晶を有していると、その分解作用が強すぎて付着された基材をも犯してしまうので実用化できない。しかし、ルチル型結晶粒子の粒径、溶射温度、基材表面温度及び使用加熱源をそれぞれ5〜25μm、約2900〜3000℃、40〜50℃及びガスに調整選択することにより、アナターゼ結晶20〜30%とすることができる。すなわち、アナターゼとルチルとの変態点である約750℃を超えれば、結晶はすべてルチル型結晶になる。上述の低温溶射法によれば、全てルチル結晶の粒子を準備してこれを溶射すると、20〜30%のアナターゼ結晶が生成され、残りがルチル結晶となる。種々の実験によれば、溶射後のアナターゼ対ルチルの重量比は1:3が好適であることがX線分析の結果判明した。
【0031】また、光触媒粒子にアパタイト、ゼオライト、活性炭等の菌、有害物質、臭い等を吸着する吸着剤を混合して溶射すれば、基材を犯さないようにアナターゼ結晶の量を減少させることによって光触媒作用が弱められた点が補強される。
【0032】すなわち、溶射後のアパタイトは、雰囲気中の菌、有害物質、臭い等の処理対象を吸着保持し、この吸着保持した処理対象を20〜30重量%のアナターゼ結晶を有する光触媒粒子が分解するので、光触媒作用が補強されることとなる。光触媒作用を強めるためには、粒子が対象物に触れる接触面積を増やす必要があるが、低温溶射法によれば、プラズマ溶射に比較して粒子が細かく表面積の大なる膜が形成されるので好ましい。
【0033】光半導体粉末としては、TiO2の他、CdS、CdSe、WO3、Fe23、SrTiO3、KNbO3等を挙げることができる。電極を形成する金属粉末としては、銀の他、金、白金、銅等の種々の金属粉末を用いることができる。光触媒としての金属粉末には、光触媒が本来的な機能を発揮するための不可欠な要素の一つとして水分が要求されるため、水の存在下で経時変化がなく安定していることが必要となることから、前記の金属粉末の中でも白金が最も好ましいが、経済性を考慮し、更に前記特性を具備しており、無毒でそれ自体も殺菌性を有しているため銀が好ましい。また、電極としては、必ずしも金属には限定されず、これら金属の代わりに例えば、ケイ素Siが使用可能であることが判明し、このケイ素電極によっても電子の移動が生じる。銀、金、白金等は価格が高くケイ素の使用は経済的に大きな効果を果たすものである。
【0034】前記吸着剤は、細菌、ウィルス、かびのほか、悪臭物質及び有害物質等の処理対象物を吸着、保持するためのものである。かかる吸着剤としては、アパタイト(リン灰石)、ゼオライト又はセピオライト等のセラミック粉末、活性炭及び絹繊維含有物によりなる群から選ばれる1以上を上げることができ、これらは必要に応じて2以上を組み合わせて用いることができる。ここでアパタイトとしては、細菌、ウィルス、かび等の蛋白質を選択的に吸着するハイドロキシアパタイト[Ca10(PO46(OH)2]が好ましい。また、絹繊維含有物としては、絹繊維粉末のほか、顆粒状に成形したものやゲル状物等も含まれる。これらの吸着材料(絹繊維含有物は粉末の場合)の粒径はより大きな表面積を確保するとともに、良好な被着作業性を考慮すると0.001〜1.0μmが好ましく、特に0.01〜0.05μmが好ましい。光半導体粉末と吸着剤の混合割合は、殺菌、脱臭作用等を好適に発揮するためには、光半導体粉末100重量部に対して吸着剤が1〜50重量部が好ましく、特に10〜30重量部が好ましい。ハイドロキシアパタイトを混合した溶射皮膜の原料は、1例としてTiO280重量%、Ag10重量%、ハイドロキシアパタイト10重量%が好適である。
【0035】以上、溶射して貯水タンクの内壁面221‥221、底面222に光触媒を含有する混合剤を付着する方法について説明したが、以下に示すように混合剤を塗料としてディッピングにより付着してもよい。
【0036】塗料は、光半導体粉末、金属粉末及び吸着材料に加えて、少なくともバインダーとしての塗膜形成成分及び分散剤を含有し、必要に応じてその他の成分を含有するものである。
【0037】塗膜形成成分としては、セルロース誘導体、フタル酸樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノアルド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エマルジョン、水溶性樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。分散剤としては、石油系溶剤、芳香族系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、セルソルブ系溶剤、水等を挙げることができる。なお、粉体塗料にする場合には、分散剤としての溶剤は不要となる。また、その他の成分としては、顔料、例えば、二酸化チタン、黄鉛、ベンガラ、酸化クロム、カーボンブラック等の無機顔料、ハンザイエロー、ノバパームオレンジ、キナクリドンバイオレット、銅フタロシアニン等の有機顔料、沈降性炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、ホワイトカーボン等の体質顔料、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム等の防食顔料に代表される特殊機能顔料等を挙げることができる。更に、上記成分以外にも、補助材料として、塗膜乾燥促進性の付与を目的とする乾燥剤、顔料分散剤、フラッディング防止剤、顔料沈降防止剤、塗料の流動性の調節を目的とする増粘剤、チキソトロピック剤、たれ止め剤、塗面の調整を目的とするレベリング剤、泡消し剤、はじき防止剤、フローティング防止剤のほか、可塑剤、皮張り防止剤、静電塗装助剤、すり傷防止剤、ブロッキング防止剤、紫外線防止剤、防染剤、防腐剤、防かび剤等を配合することができる。これらの各成分の配合割合には特別なものはなく、通常販売されている塗料と同じ配合割合を適用することができる。
【0038】塗料における光半導体粉末、金属粉末及び吸着剤の合計配合量は、殺菌、防臭等の作用を発揮し、適度な塗装性を確保するため、塗料全量中3〜55重量%が好ましく、特に15〜35重量%が好ましい。
【0039】なお、光半導体粉末及び金属粉末(Ag)対吸着材料(ハイドロキシアパタイト)の重量比は、70〜80重量%対10〜20重量%が好適である。
【0040】なお、塗料の塗装方法はディッピングに制限されるものではなく、刷毛塗り、エアスプレー塗装、静電塗装、粉体塗装、電着塗装、カーテンフロー塗装、ロール塗装等の方法を適用することができる。
【0041】本件出願人が使用している塗料の成分割合は以下の通りである。
【0042】1)アクリルラッカー塗料【表1】

【0043】2)液ウレタン塗料(乾燥時の塗膜中)光触媒30%、バインダー固形分70%。
【表2】

塗工の際には、主剤:硬化剤4:1にて混合。
【0044】3)焼付アクリル塗料(乾燥時の塗膜中)光触媒30%、バインダー固形分70%。
【表3】

【0045】4)水性アクリル塗料(乾燥時の塗膜中)光触媒50%、バインダー固形分50%。
【表4】

【0046】図7は、別の実施形態を示している。この実施形態では、貯水タンク22の底面222の全面に光半導体粉末及び金属粉末からなる光触媒と吸着剤とを含有する混合剤が付着された不織布43が設けられている。この不織布43は繊維の素線が絡み合って厚さが0.5mmほどに形成された布材である。この不織布43に混合剤を付着させる場合、低温溶射、ディッピング等により行うことのほか、印刷することで付着することもできる。
【0047】不織布43上に施された光触媒粒子を含む印刷インクの前記光触媒粒子は、酸化チタン粒子とこれに坦持された銀粒子とからなる。光触媒粒子は、低温溶射法の場合の粒子と同一構造とすることができる。すなわち、金属電極としてはケイ素Siも使用可能である。
【0048】なお、これら光触媒粒子は吸着剤としてのハイドロキシアパタイトに被覆され、更にバインダーによって不織布43の表面に付着されている。
【0049】全てがアナターゼ結晶形態の酸化チタン(TiO2)はその酸化力が極端に強く基材をぼろぼろにしてしまうので、印刷インキ又は塗料においても、原料である酸化チタン粒子のアナターゼとルチルの重量比は20〜50%:50〜80%が好ましく、アナターゼがこれ以下の比率だと光触媒作用が弱いし、これ以上の比率だと光触媒作用が強すぎてバインダーを分解して印刷インキ又は塗料がすぐに剥がれてしまうこととなる。特にアナターゼ対ルチルとの重量比が約3対7が最も好ましい。
【0050】前記印刷インキは、光半導体粉末、金属粉末及び吸着剤に加えて、少なくとも色料及びバインダーとしてのビヒクルを含有し、必要に応じてその他の成分を含有するものである。
【0051】色料としては、一般に印刷インキの色料として用いるもの、例えば、無機顔料、有機顔料のほか、油溶染料、分散染料等の染料を上げることができる。ビヒクルとしては、油、例えばアマニ油等の乾性油、大豆油等の半乾性油、ヒマシ油等の不乾性油を挙げることができ、樹脂、例えば、ロジン、変性ロジン、ギルソナイト等の天然樹脂又は天然樹脂誘導体、フェノール樹脂、アルキド樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、環化ゴム、セルロース誘導体、反応性樹脂をあげることができ、そのほかにも可塑剤を挙げることができる。また、その他の成分としては、天然ロウ又は合成ロウのロウ成分、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、橋かけ剤、ゲル化剤、増粘剤、皮張り防止剤、安定剤、つや消し剤、消泡剤、色分かれ防止剤、光重合開始剤、かび防止剤等を挙げることができる。これらの各成分の配合割合には特別なものはなく、通常市販されている印刷インキと同じ配合割合を適用することができる。
【0052】印刷インキにおける光半導体粉末、金属粉末及び吸着剤の合計配合量は、殺菌、防臭等の作用を発揮し、適度な印刷性を確保するため、印刷インキ全量中3〜55重量%が好ましく、特に15〜35重量%が好ましい。
【0053】このような印刷インキの形態及び種類は特に制限されるものではなく、ペーストインキ、ソルベントインキ又は無溶剤インキとし、それらを平版印刷インキ、凸版印刷インキ、グラビア印刷インキ、スクリーン印刷インキ、凹版印刷インキ、特殊印刷インキとして適用することができる。これらの中でも本発明の目的を最も効果的に達成するためには、紙用スクリーンインキ、プラスチック用スクリーンインキ、ガラス用スクリーンインキ、布地用スクリーンインキ等のスクリーン印刷用インキが好ましい。
【0054】図8は更に別の実施の形態を示している。この実施形態では、複数の貯水タンク22の中に浮遊体としてのボール44‥44が設けられている。このボール44‥44はセラミクスを径が3〜15mm程度の球状に固めたものである。比重が水より小さく形成されており、貯水タンク22に製氷用水を流入するとボール44‥44は浮くようになっている。ボール44‥44の表面には、低温溶射によって光触媒及び吸着剤を含有する混合剤が付着されている。なお、本実施の形態のように浮遊体に混合剤を付着させれば、製氷部から滴れた製氷用水は必ず混合剤に接触し、殺菌等を効果的に作用させることができる。また、タンクの底部に配置する場合に比し、より多くの光を受光でき触媒作用を効果的に奏することができる。更に、浮遊体としてのボール44‥44自体にも細菌や藻等が付着するのを防止する。
【0055】図9は、不織布を別の態様で付着体として用いた形態を示している。この実施形態体では、貯水タンク22の相対向する内壁面221,221の上端に両内壁面221,221を連結するように取付棒223が架設されている。取付棒223には、長方形に形成された複数の不織布45‥45が吊り下げられている。これら不織布45‥45は製氷用水との接触面積を確保するため、両面に光触媒機能体が付着されている。また、貯水タンク22に製氷用水が流入された場合に不織布が浮かぶのを防止するため、これら不織布45‥45の下端には重り9‥9が吊り下げられている。更に、この実施形態では、貯水タンク22の底面222の全面に不織布43が設けられている。これら不織布43,45についても、その表面には光触媒及び吸着剤を含有する混合剤が溶射、ディッピング、印刷等によって付着されている。
【0056】なお、不織布43,45、ボール44‥44は別々に使用することには限定されず、図10に示すように不織布43とボール44‥44とを同時に使用しても構わない。
【0057】図11、図12は、貯水タンクと散水タンクを連通する配管(図2参照)に使用される光触媒ユニット5を示ししている。この光触媒ユニット5は、円筒状に形成され、配管28,28の端部同士を連結するようにして使用される。光触媒ユニット5は、透明な樹脂材により円筒状に形成されたハウジング50と、このハウジング50長手方向の両端を閉塞し、円錐状に形成されたエンドプレート51,51を備えている。ハウジング50の両端部は、半径方向外側に張り出したフランジ部501,501が形成されている。エンドプレート53,53の先端部には配管28,28に挿入する円筒状の挿入部512,512が形成され、末広がりの後端には半径方向外側に張り出したフランジ部511,511が形成されている。エンドプレート51,51はそのフランジ部511,511をハウジング50のフランジ部501,501に当接させて、ねじ止めするようにしてハウジング50に取り付けられている。
【0058】ハウジング50の内部の両端には規則正しく配列された複数の開口を有する整流板52,52が設けられ、製氷用水流入側の整流板52の内側には、目の比較的粗いメッシュにより形成されたフィルター板43が設けられている。そして、フィルター板53と流出側の整流板52との間には、円環状に形成された複数の光触媒付着体としての不織布46‥46が半径方向に層を成して収容されている。また、不織布46‥46の隣接する内側と外側との隙間には、円環状の目の粗いメッシュにより形成されたスペーサ54‥54が挿入されている。不織布46の表面には、溶射、ディッピング、印刷等の方法によって光触媒及び吸着剤を含有する混合剤が付着されている。光触媒ユニット5は、製氷用水が貯水タンクから散水タンクに汲み上げられる間に製氷用水に含まれる細菌や有害物質を分解している。なお、ハウジング50内に収容される光触媒付着体は、不織布には限定されず、セラミクスボール等その他の付着体を使用しても構わない。
【0059】一般に、遠赤外線を放射する物質としてはセラミックスが優れているが、本発明の光触媒機能体であるTiO2粉末の低温溶射法による皮膜は、黒体に近い放射特性を有しており、良好な遠赤外線放射皮膜としても機能するものである。したがって前記製氷部の表面に光触媒の膜を形成すれば氷の凍結と解凍のスピードが上昇する。遠赤外線放射体としては、アナターゼとルチルとの比はあまり問題とならず、低温溶射された皮膜には吸収剤としてのアパタイト及び光触媒における電極としての金属は必ずしも必要でない。本発明の光触媒機能体は放射前に微粉体を使用するために緻密な皮膜が得られるとともに表面粗度の良いものが形成されるため実放射面積が大となり放射率が良好となる。なお、このように皮膜表面積が大で実放射面積が大きいことは、光触媒としても処理対象物との接触が条件とされることから良好な光触媒として機能することを意味する。
【0060】なお、光触媒の場合、基材が金属板である場合には電極としての金属は必ずしも必要でない。
【0061】以上説明した実施の形態は、製氷機の貯水タンク及び製氷部に高電圧を掛けて静電場を形成させると共に光触媒を貯水タンク等に設けたものを説明したが、静電場のみを形成させたり光触媒を設けるだけの態様で実施してもよい。また、光触媒の触媒作用を効果的に発揮させるため、製氷機のハウジングに天窓等を設けハウジング内部に光が照射するようにしたり、貯水タンク及び散水タンクについても内部への光の照射性のよい部材で形成するとよい。
【0062】更に、本発明が適用される製氷機の種類は、製氷用水を貯蔵する貯水タンクから氷を製氷する製氷部に製氷用水を供給する製氷用水循環路を備えた製氷機であれば、製氷用水自体を循環させる製氷機でなくても構わない。
【0063】
【発明の効果】請求項1〜7の発明によれば、製氷機のに使用する製氷用水に含まれる細菌、有害物質等を分解でき、衛生的な氷を製氷できるばかりでなく、製氷用水の臭いを消臭し、臭いの無い氷を製氷できる。また、光触媒の作用によって製氷用水のPH値を上げ、アルカリ性の氷を製氷でき人の健康によい氷を提供することもできる。特に製氷用水を循環させて製氷する製氷機では、たとえ長期にわたり循環路内の製氷用水が消費されずに残留していても衛生的な氷を製氷できる。
【0064】また、請求項8請求項9の発明では、製氷部又は貯水タンクに高電圧を掛け静電場としているので、交流電流による微小な振動の作用により製氷用水をクラスター凝縮させ、気泡の発生を起こしずらくして透明度の高い氷を製氷できる。また、製氷用水のph値を上昇させると共にイオン化させるので美味しい氷を製氷できる。
【出願人】 【識別番号】000239585
【氏名又は名称】福島工業株式会社
【識別番号】000146571
【氏名又は名称】株式会社信州セラミックス
【識別番号】598068817
【氏名又は名称】エル・エフ・ラボラトリー株式会社
【出願日】 平成11年3月12日(1999.3.12)
【代理人】 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
【公開番号】 特開2000−258008(P2000−258008A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願平11−65845