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【発明の名称】 氷蓄熱冷房・冷凍システムの運転制御装置及び運転制御方法
【発明者】 【氏名】渡邉 澂雄

【氏名】松田 徹

【氏名】長谷川 克三

【氏名】西村 誠治

【要約】 【課題】氷蓄熱による冷房・冷凍システムにおいて、盛夏時等の冷凍負荷の大きい運転期に、外気温度、湿度、冷凍負荷等所要の冷房・冷凍運転の状態に合致して冷凍装置の停止からピークカット運転に移行可能として、冷房冷凍システムの効率を向上するとともに、快適な冷房を実現する。

【解決手段】氷蓄熱槽による蓄熱運転と、放熱運転と、該放熱運転時に冷却装置による冷却装置追掛運転とを行うようにした氷蓄熱冷房・冷凍システムにおいて、外気温度、湿度、日射量等の外気状態を検出する外気状態検出手段と、該外気状態検出手段にて検出された運転初期の外気状態に基づき前記冷却装置追掛運転中の外気温度を予測する温度予測手段と、前記外気状態の検出値に基づき空調負荷を算出する空調負荷演算手段と、前記外気状態、外気温度予測値及び空調負荷に基づき前記冷却装置追掛運転の停止時間とを算出する冷却装置追掛運転停止時間演算手段とを備えてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒を圧縮する圧縮機、該圧縮機にて圧縮された冷媒を冷却凝縮させるコンデンサ、及び該コンデンサからの液冷媒を膨張、蒸発させる冷却器とを有する冷却装置により蓄熱槽内の水を冷却して氷あるいは氷水を生成する蓄熱運転と、該蓄熱運転により生成された前記氷あるいは氷水を空調負荷に通流して該空調負荷に冷熱を与える放熱運転と、該放熱運転中に前記冷却装置を運転して前記空調負荷にさらなる冷熱を与える冷却装置追掛運転とを行なうようにした氷蓄熱冷房・冷凍システムにおいて、外気温度、湿度、日射量の外気状態を検出する外気状態検出手段と、該外気状態検出手段にて検出された放熱運転初期の外気状態に基づき前記冷却装置追掛運転中の外気温度を予測する外気温度予測手段と、前記外気状態の検出値に基き空調負荷を算出する空調負荷演算手段と、前記外気状態、外気温度予測値及び空調負荷に基づき前記冷却装置追掛運転の停止時間を算出する冷却装置追掛運転停止時間演算手段とを備えてなることを特徴とする氷蓄熱冷房・冷凍システムの運転制御装置。
【請求項2】 前記放熱運転の運転時間を検出する運転時間検出器と、前記放熱運転終了時間の目標値と前記運転時間検出器にて検出された放熱運転終了時間の検出値との差から放熱運転終了時間の補正値を算出する補正値演算部とを備え、前記冷却装置追掛運転停止時間演算部に該補正値を入力し、該冷却装置追掛運転時間演算部は該補正値によって補正された冷却装置追掛運転停止時間を出力するように構成されてなる請求項1記載の氷蓄熱冷房・冷凍システムの運転制御装置。
【請求項3】 前記外気状態検出手段によって検出された外気状態及び前記蓄熱槽の温度・水位等の蓄熱槽の状態が連続的に表示可能にされるとともに、前記蓄熱運転及び放熱運転時の設定項目がその設定値を変更可能に表示される請求項2記載の氷蓄熱冷房・冷凍システムの運転制御装置。
【請求項4】 冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機にて圧縮された冷媒を冷却、凝縮させるコンデンサと、該コンデンサからの液冷媒を膨張・蒸発させる冷却器とを有する冷却装置により蓄熱槽内の水を冷却して氷あるいは氷水を生成する蓄熱運転と、前記氷あるいは氷水を空調負荷に通流して該空調負荷に冷熱を与える放熱運転と、該放熱運転中に前記冷却装置を運転して前記空調負荷にさらなる冷熱を与える冷却装置追掛運転とを行なって氷蓄熱冷房・冷凍システムを運転制御するにあたり、放熱運転初期の外気温度、湿度、日射量の外気状態を検出して、これらの検出値に基づき前記冷却装置追掛運転時における外気温度を予測するとともに空調負荷を算出し、前記外気状態、前記外気温度の予測値及び冷房負荷の算出値に基づき前記冷却装置追掛運転の停止時間を求めることを特徴とする氷蓄熱冷房・冷凍システムの運転制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は氷蓄熱槽を備えた冷房・冷凍システムにおける運転期別の運転制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蓄熱槽を使用した冷房・冷凍システムは、熱の受給のバランスを図るべく導入され、熱需要のピーク時に対応するエネルギー供給設備の低減と、エネルギー発生効率の高い負荷点または低エネルギーコストの時間帯でのエネルギー供給機器の運転等を可能としている。そして該冷房・冷凍装置においては蓄熱槽として、その基本的機能である熱エネルギー受給における量的・時間的ギャップ調整を高めるべく、蓄熱媒体に水またはブラインを使用した氷蓄熱槽が使用されている。
【0003】かかる氷蓄熱冷房・冷凍システムを運転するにあたっては、従来は、冷却装置の運転状態を示す時間をタイムテーブルに設定し、電力需要ピーク時間及び普段負荷の小さい時間帯には冷却装置の運転を停止するようにし、夜間の電力が安い時間帯に運転するようにしている。即ち、図3、図4はかかる氷蓄熱冷房・冷凍システムの運転タイムテーブルであり、図3は7月初めから9月末までの盛夏期、図4は前記盛夏期以外の中間期を示し、横軸は運転時間、縦軸は冷凍負荷である。
【0004】図3に示す盛夏期において、tは氷蓄熱槽による蓄熱運転の開始時間、tは該蓄熱運転を終了し放熱運転・冷房運転を開始し、また冷却装置を運転して追掛運転を開始する時間、tは放熱運転の終了時間、tは前記放熱運転中、冷却装置の追掛運転を停止する時間(あるいはピークカット運転を開始する時間)、tは該ピークカット運転を終了し、冷却装置の追掛運転を再開する時間である。通常、上記蓄熱運転時間(夜間)は、tが前日の22時からtが8時までの10時間であり、tが19時程度、ピークカット時間帯は、tが13時から、冷却装置を再運転する時間tが16時までの10時間に設定されている。
【0005】また図4に示す中間期において、t及びtは前記と同様に蓄熱運転の開始及び終了時間、tは放熱運転の開始時間、tは放熱運転を終了し冷却装置運転に移行する時間、tは上記冷却装置運転を終了する時間であり、通常は前記t=19時程度に設定されている。
【0006】かかる氷蓄熱冷房・冷凍システムにおいては、従来は前記のように運転期を盛夏期及びそれ以外の中間期の2つに分け、盛夏期における蓄熱運転時間(t〜t)冷却装置追掛運転を含む放熱運転(冷房運転)時間(t〜t)及び放熱運転期間中、冷却装置追掛運転を停止してピークカット運転を行なうピークカット運転時間(t〜t)、並びに中間期における蓄熱運転時間(t〜t)、放熱運転時間(t〜t)、放熱運転を停止して冷却装置の運転を開始する時間(t〜t)を、予め先行して設定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このため、かかる従来技術にあっては、冷凍負荷の大きい盛夏期において、放熱運転時に冷却装置の追掛運転を停止してピークカット運転に移行する時間を予め一定時間に設定しているため、冷凍負荷、外気温度、湿度等が冷却装置の運転を必要としないレベルにあっても上記設定時間になるまで冷却装置の追掛運転が継続されてピークカット運転に入れないこととなり、冷却装置の無駄な運転がなされて該冷却装置の駆動電力が無駄に消費され、システムの効率が低下するという問題点がある。また、かかる従来技術にあっては、前記冷却装置の追掛運転が過長となってピークカット運転に入れないことにより、過度の冷房がなされ、快適性が劣化するという問題点もある。
【0008】本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、氷蓄熱による冷房・冷凍システムにおいて、盛夏時等の冷凍負荷の大きい運転期に、外気温度、湿度、冷凍負荷等所要の冷房・冷凍運転の状態に合致させて冷凍装置の追掛運転の停止からピークカット運転に移行可能として、冷房・冷凍システムの効率を向上するとともに、快適な冷房を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解決するため、その請求項1の発明として、冷媒を圧縮する圧縮機が、該圧縮機にて圧縮された冷媒を冷却、凝縮させるコンデンサ、及び該コンデンサからの液冷媒を膨張・蒸発させる冷却器とを有する冷却装置により蓄熱槽内の水を冷却して水あるいは氷水を生成する蓄熱運転と、該蓄熱運転により生成された前記氷あるいは氷水を空調負荷に通流して該空調負荷に冷熱を与える放熱運転と、該放熱運転中に前記冷却装置を運転して前記空調負荷にさらなる冷熱を与える冷却装置追掛運転とを行うようにした氷蓄熱冷房・冷凍システムであって、 外気温度、湿度、日射量の外気状態を検出する外気状態検出手段と、該外気状態検出手段にて検出された放熱運転初期の外気状態に基づき前記冷却装置追掛運転中の外気温度を予測する外気温度予測手段と、前記外気状態の検出値に基づき空調負荷を算出する空調負荷演算手段と、前記外気状態、外気温度予測値及び空調負荷に基づき前記冷却装置追掛運転の停止及びピークカット運転への移行時間を算出する冷却装置追掛運転停止時間演算手段とを備えてなることを特徴とする氷蓄熱冷房・冷凍システムの運転制御装置を提案する。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記放熱運転の運転時間を検出する運転時間検出器と、前記放熱運転終了時間の目標値と前記運転時間検出器にて検出された放熱運転終了時間の検出値との差から放熱運転終了時間の補正値を算出する補正値演算部とを備え、前記冷却装置追掛運転停止時間演算部に該補正値を入力し、該冷却装置追掛運転時間演算部は該補正値によって補正された冷却装置追掛運転停止時間を出力するように構成されてなる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記外気状態検出手段によって検出された外気状態及び前記蓄熱槽の温度、水位等の蓄熱槽の状態が連続的に表示可能にされるとともに、前記蓄熱運転及び放熱運転時の設定項目がその設定値を変更可能に表示される表示装置を備えてなる。
【0012】請求項4の発明は請求項1〜4の発明に係る冷房・冷凍システムの運転装置による運転方法の発明であり、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機にて圧縮された冷媒を冷却、凝縮させるコンデンサと、該コンデンサからの液冷媒を膨張、蓄熱させる冷却器とを有する冷却装置により蓄熱槽内の水を冷却して氷あるいは氷水を生成する蓄熱運転と、前記氷あるいは氷水を空調負荷に通流して該空調負荷に冷熱を与える放熱運転と、該放熱運転中に前記冷却装置を運転して前記空調負荷にさらなる冷熱を与える冷却装置追掛運転とを行って氷蓄熱冷房・冷凍システムを運転制御するにあたり、放熱運転初期の外気温度、湿度、日射量の外気状態を検出して、これらの検出値に基づき前記冷却装置追掛運転時における外気温度を予測するとともに空調負荷を算出し、前記外気状態、前記外気温度の予測値及び冷房負荷の算出値に基づき前記冷却装置追掛運転の停止及びピークカット運転への移行時間を求めることを特徴とする氷蓄熱冷房・冷凍システムの運転制御方法にある。
【0013】かかる発明によれば、空調負荷演算手段において放熱運転初期の外気温度、湿度、日射量を含む外気状態の検出値に基づき、空調負荷(予測値)を算出し、前記外気温度等の外気状態の検出値に基づき、ピークカット時刻の気温(予測値)を算出して、前記空調負荷の予測値とともに該冷却装置追掛運転停止時間演算手段に入力し、該追掛運転停止時間演算手段において、放熱運転中になされる冷却装置の追掛運転停止時間を算出して冷却装置の追掛運転時間を制御する。
【0014】従って、かかる発明によれば、外気状態にもとづく空調負荷の予測値と外気状態の検出値とによって放熱運転中における冷却装置追掛運転の停止時間を算出して冷却装置を運転制御するので、冷却装置による追掛運転を空調負荷及び外気状態に正確に追従して行なうことができて、空調負荷及び外気状態により必要な時間のみ上記追掛運転がなされることとなり、冷却装置の無駄な運転及びこれに伴う駆動電力の浪費が回避されるとともに、過度の冷房による快適性の低下が防止される。
【0015】また、請求項3のように構成すれば、蓄熱運転時間、ピークカット運転時間、放熱運転時間等の運転時間の設定及び変更状況及び外気温度、湿度等の外気状態や蓄熱槽の状態を表示装置に表示することによって、システムの運転状態を正確に監視することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0017】図1は本発明の実施形態に係る氷蓄熱冷房・冷凍システムの全体構成図(ハード構成図)、図2は上記システムの盛夏期における制御ブロック図、図3は上記システムの盛夏期における運転タイムテーブル、図4は中間期における運転タイムテーブルである。
【0018】図1において、この実施形態に係る氷蓄熱冷房・冷凍システムは、蓄熱槽10と、インターフェース14を備えたコンピュータ15と、蓄熱槽10内に内蔵された蒸発器である冷却コイル11、膨張弁11a、蓄熱槽10外に設けられたコンデンサ12、圧縮機13等よりなる冷却装置20と、ポンプ17をもつ往路供給路18aと返路供給路18bとよりなる冷水供給路を備えた空調負荷16とを備えている。また、図1において、1は外気の温度を検出する外気温度検出器、2は蓄熱槽10内の温度を検出する蓄熱槽温度検出器、3は日射量を検出する日射量検出器、4は外気の湿度を検出する湿度検出器、5は蓄熱槽10の水位を検出する水位検出器、6は本システムの運転時間を検出する運転時間検出器であり、これらの検出器による検出結果は時々刻々前記インターフェース14を介してコンピュータ15に入力されている。
【0019】そして前記コンピュータ15によって所要の演算がなされ、その演算結果である制御信号を冷却装置20の圧縮機13に出力して、本システムの運転制御がなされるようになっている。
【0020】かかる構成からなる氷蓄熱冷房・冷凍システムにおいて、圧縮機13によって圧縮された冷媒はコンデンサ12にて冷却・凝縮された後、膨張弁11aにて段熱膨張し、冷却コイル11にて蓄熱槽内の水と熱交換して蒸発気化して圧縮機13に戻される。かかる動作によって冷却装置20で生成された冷熱は、蓄熱槽10内の水を冷却または氷結させ、該蓄熱槽10に蓄えられて氷水を形成する。このように形成された氷は、冷却コイル11の表面に付着させられる。この水量は付着した氷の厚さにより計測される。そして前記蓄熱槽10内の前記冷水は、ポンプ17、往路供給路18a、返路供給路18bを介して空調負荷16を経由循環する。その際冷水は空調負荷16に冷熱を与えて加熱され、昇温して蓄熱槽10に戻ってくる。
【0021】次に図2に基づき、この実施形態に係る運転制御装置の盛夏期における制御動作を説明する。図2において、100は前記コンピュータ15内に設けられた負荷制御装置であり、前記外気温度検出器1からの外気温度の検出値Tは該負荷制御装置100の外気温度記憶部32に、湿度検出器4からの外気湿度の検出値Uは湿度記憶部33に、日射量検出器3からの日射量の検出値Sは日射量記憶部34に夫々時々刻々入力されて記憶される。
【0022】また、19は表示装置であり、前記外気温度の検出値T、湿度の検出値U,日射量の検出値Sは該表示装置19に入力される。さらに該表示装置19には蓄熱槽温度検出器2からの蓄熱槽温度、水位検出器5からの水位の検出値が夫々時々刻々入力されて、前記外気温度、湿度、日射量とともに表示されるようになっている。
【0023】50は運転種類選択装置であり、図3に示すような運転タイムテーブルの盛夏期(7月初め〜9月末頃)、図4に示すような運転タイムテーブルの中間期(上記盛夏期以外の時期)とを選択するものであり、この選択信号は負荷制御装置100に入力される。
【0024】前記運転種類選択装置50にて盛夏期運転が選択されると、前記負荷制御装置100は以下の制御運転を行う。
【0025】36は外気温度予測部であり、前記外気温度記憶部32に記憶されている外気温度Tの内、図3における放熱運転初期の時刻(例えば午前9時、以下初期時刻という)における外気温度T10と前記湿度記憶部33に記憶されている湿度Uのうち前記初期時刻における湿度Uとを用いて、シミュレーションから導き出された次の近似式(1)によって日中の外気温度の予測値Tを算出する。
=0.9T10−0.065U+10.4(℃)…(1)
【0026】31は空調負荷設定部であり、空調負荷Lと日中の外気温度との関係が例えば図5のように設定されている。39は空調負荷演算部であり、前記外気温度予測部36から日中の外気温度の予測値Tが入力され、前記空調負荷設定部31に設定されている図5の設定線とを突き合わせて、日中の外気温度の予測値Tに対応する空調負荷Lを求める。
【0027】即ち、図5において、温度T51 (例えば32℃)における空調負荷L51(7201Kcal/H)と、温度T52(例えば26℃)における空調負荷L52(5197KcaL/H)とにより、外気温度T51(32℃)のときの空調負荷L51を100%とすると日中の予測外気温度T52(26℃)のときの空調負荷L52(L52/L51)は約70%となり、その差即ち上記温度差T51−T52(32−26=6℃)に対する全負荷:ΔLはΔL=30%となる。
【0028】40は冷却装置追掛運転能力演算部であり、本システムの蓄熱運転能力に基づく放熱能力:Qと前記冷却装置20の追掛能力(つまり冷凍機の追掛能力):Qとの比率(i=(Q/Q)×100%)が設定される。この実施形態においてはi=60%に設定する。
【0029】30は運転時間設定部であり、図3に示す蓄熱運転時間示す蓄熱運転時間(t〜t)を設定する蓄熱運転時間設定器301、ピークカット運転の開始時刻:t(図3参照)を設定するピークカット運転時間設定器302、放熱運転の完了目標時刻t(図3参照)を設定する放熱運転時間設定器303等からなる。上記各設定器301、302、303における設定値は外部から変更可能となっており、該設定器301、302、303における設定値は前記表示装置に可能な状態で表示されるようになっている。
【0030】また、35は放熱運転時間記憶部であり、前記運転時間検出器6において検出された本システムの運転時間、即ち、図3における蓄熱運転の初期から放熱運転の完了迄の運転時間を連続的に記憶するようになっている。38は補正値演算部であり、前記放熱運転時間設定器303から前日の放熱完了目標時刻t(図3参照)と、前記放熱運転時間記憶部35に記憶されている実際の放熱完了時刻T50との差を用い、次の(2)式によって後述する冷却装置追掛停止時間:Pにフィードバックする補正値ΔPを算出する。
ΔP=(t−t50)/2+ΔP…(2)
ここでΔP1は前日の補正値であり、初期値=0。
【0031】41は冷却装置追掛運転停止時間演算部であり、前記外気温度予測部36から前記(1)式によって算出した日中の外気温度の予測値tが、湿度記憶部33から外気湿度の検出器Uが、日射量記憶部34から日射量の検出値Sが夫々入力される。また該冷却装置追掛運転停止時間演算部には冷却装置追掛運転能力演算部40から前記のようにして算出した冷却装置追掛負荷能力比率i(この実施例ではi=60%)、ならびに前記補正値記憶部37から(2)式によって算出した補正値ΔPが夫々入力されている。
【0032】そして、該冷却装置追掛運転停止時間演算部41においては次の手順によって放熱運転中における冷却装置20の追掛運転停止時間を次の手順にて算出する。即ち、冷却装置追掛運転停止時間(時):tsは、ts=P−{(8−0.25T)−0.2S}−ΔP…(3)
ts>Pのときはts=Pとする。
ここで、P=ピークカット運転開始時刻S=初期時刻(例えば午前9時)の日射量【0033】具体的には上記停止時間:tsは次の手順によって算出する。前記冷却装置追掛運転能力演算部から出力される冷却装置追掛能力比率i(この例ではi=60%)と上記空調負荷演算部39において算出された空調負荷Lの一定温度差(T51−T52)間における全負荷ΔL(この例ではT51−T=32−26=6℃に対しΔL=30%)とにより、次の(4)式にて冷却装置追掛運転停止時間xを求める。
ΔL×Δtp=i×x …(4)
【0034】ここでΔtp=ピークカット運転時間(ピークカット運転時間帯を13時から16時とすると3時間となる。)
上記の例によりΔL=30%、i=60%とし、Δtp=3(hr)とすると、=ΔL×Δtp)/i=30×3/60=1.5(hr)
従って空調負荷及び外気温度により算出した冷却装置追掛運転停止時間は(3)式の()内の通り、 x=8−(0.25×(T51またはT52)) …(5)
従って外気温度T51=32℃のときはx=8−0.25×32=0外気温度T52=26℃のときはx=8−0.25×26=1.5(hr)となり、図5にも示す通りとなる。
【0035】よって日射量S及び補正値ΔPを盛り込んだ冷却装置追掛運転停止時間tsは(3)式に、ピークカット運転開始時刻Pならびに前記日射量Sの入力値及び前記(2)式にて算出した補正量ΔPを代入することにより算出することができる。
【0036】以上のようにして算出された冷却装置追掛運転停止時間tsは冷却装置制御操作装置42に入力され、この時間tsにて冷却装置20による追掛運転が停止され、その後ピークカット運転が一定時間(図3のt〜t間)継続される。
【0037】以上のようにかかる実施形態によれば、外気温度の検出値に基づき空調負荷の予測値を算出し、この空調負荷の予測値、並びに外気温度、湿度、日射量の検出値に基づき、冷却装置追掛運転停止時間演算部41にて盛夏時放熱運転時における冷却装置追掛運転停止時間を算出して、冷却装置20の運転制御を行うので、外気状態及び空調負荷に正しく追従して冷却装置の追掛運転時間を制御することができる。
【0038】
【発明の効果】以上記載のごとく、本発明によれば、冷却装置の追掛運転を要する盛夏時において、外気状態に基づく空調負荷の予測値と外気状態の検出値とによって放熱運転中における冷却装置追掛運転の停止時間を算出して冷却装置を運転制御するので、冷却装置による追掛運転を空調負荷及び外気状態に正確に追従して行うことができて、空調負荷及び外気状態により必要な時間のみ上記追掛運転を行うことができる。
【0039】これにより、冷却装置の無駄な運転及びこれに伴う区動電力の浪費が回避されるとともに過度の冷房による快適性の低下を防止することができる。
【0040】また、特に請求項4のように構成すれば、蓄熱、ピークカット、放熱等の各運転時間の設定及び変更状況や外気状態を表示装置にて監視しながら、システムの正確な運転を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
【出願日】 平成11年3月3日(1999.3.3)
【代理人】 【識別番号】100083024
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌久 (外1名)
【公開番号】 特開2000−258006(P2000−258006A)
【公開日】 平成12年9月22日(2000.9.22)
【出願番号】 特願平11−54947