| 【発明の名称】 |
粒氷製造方法及び製造装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】野澤 忠司
【氏名】中山 哲夫
【氏名】坂下 茂
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| 【要約】 |
【課題】粒氷を生成する粒氷形成装置内において、冷媒の気液分離をなすことにより、格別の気液分離手段を必要とせず、装置が小型で簡単かつ低コストとなり、また冷却部における粒氷の生成を効率的になして製氷効率が向上するとともに、粒氷生成のための動力を低減し、さらには装置における粒氷の堆積を回避し、粒氷の搬出を円滑になし得る粒氷製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】溶液を冷媒で冷却することにより粒氷を製造するにあたり、環状の溶液通路で溶液を通流させて、該溶液通路と流路壁を隔てた冷媒流路を流動する冷媒とを過冷却状態にて熱交換し、次いで内外周を連通する通路孔を有する中空の回転筒を回転させながら、前記微小粒氷結晶及び高濃度化された溶液を前記通路孔を通して前記回転筒の内部に流動させることにより、回転筒内の低濃度溶液と混合させて、粒氷を生成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 溶液を冷媒で冷却することにより粒氷を製造するにあたり、前記冷媒と溶液とを過冷却状態にて熱交換して該溶液から微小粒氷結晶を生成する第1の製氷工程と、前記微小粒氷結晶及び高濃度化された溶液と低濃度の溶液とを混合させて粒氷を生成する第2の製氷工程とを行うことを特徴とする粒氷の製造方法。 【請求項2】 前記第1の製氷工程は、環状の溶液通路で溶液を通流させて、該溶液通路と流路壁を隔てた冷媒流路を流動する冷媒と該溶液とを過冷却状態にて熱交換することによりなされ、前記第2の製氷工程は内外周を連通する通路孔を有する中空の回転筒を回転させながら、前記第1製氷工程で生成された微小粒氷結晶及び溶液を前記通路孔を通して前記回転筒の内部に流動させて回転筒内部の低濃度溶液と混合させることによりなされる請求項1記載の粒氷製造方法。 【請求項3】 外筒と内筒との間に冷媒が通流する冷媒通路が形成された固定筒と、回転駆動されるとともに、前記内筒の内周に所定間隙の溶液通路を存して嵌合された中空の回転筒とを備え、さらに、前記冷媒と溶液通路内の溶液とを過冷却状態にて熱交換して微小粒氷結晶を生成する第1の氷生成手段と、前記微小粒氷結晶及び溶液とを前記回転筒内の溶液とを混合させて粒氷を生成する第2の氷生成手段とを備えたことを特徴とする粒氷製造装置。 【請求項4】 前記第1の氷生成手段は、前記溶液通路において該通路を通流する溶液を過冷却状態にて前記内筒を介して前記冷媒により冷却するように構成され、前記第2の氷生成手段は、前記回転筒に複数の通路穴を設け、前記第1の氷生成手段にて生成された微小粒氷結晶及び溶液を該通路穴を通して前記回転筒の内部に流動させることにより、前記回転筒内に流動させて該回転筒内の溶液と混合させるように構成されてなる請求項3記載の粒氷製造装置。 【請求項5】 前記固定筒は、前記外筒の内周と内筒の外周との間に中間筒を設けてなる3重筒に構成され、前記外筒の内周と中間筒の外周との間には、外部から冷媒が導入される外側冷媒通路が形成され、前記中間筒の内周と内筒の外周との間には、前記外側冷媒通路を経た冷媒が通流し該外側冷媒通路よりも小さい間隙を有して高速で冷媒を通流させる内側冷媒通路が形成されてなる請求項3または4記載の粒氷製造装置。 【請求項6】 前記内側冷媒通路の出口近傍に設けられた冷媒出口と前記外筒の上部内周との間に冷媒を気液分離する気液分離手段を設けるとともに、該気液分離手段にて分離された気体を取出す気体出口を前記外筒の上部に設けてなる請求項5記載の粒氷製造装置。 【請求項7】 前記気液分離手段で分離した液冷媒を、前記外側冷媒通路に環流するように構成されてなる請求項6記載の粒氷製造装置。 【請求項8】 前記中空の回転筒の内部は前記第2の氷生成手段によって生成された氷を含む氷スラリの通路とされて、その上部が氷取出口に開放されるとともに、該回転筒の上部外周を軸受けにて支持してなる請求項3ないし7の何れか1つに記載の粒氷製造装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は溶液を過冷却温度に保持されている冷却部において冷却して粒氷を製造する方法及び製造装置に関する。 【0002】 【従来の技術】水溶液を凍結させることにより、水と溶質との凝固点の差を利用し、氷結晶を析出させて水溶液の濃度を高め、濃縮された水溶液中から氷結晶を分離するようにした凍結濃縮方法は、気液間の物質移動が無く、香りの成分のように揮発しやすい成分を保持したまま脱水することができること、及び熱に対して不安定な水溶液や雑菌に汚染されやすい成分を含む水溶液から水分を除去する方法に好適であること、しかも水の凝固潜熱が蒸発潜熱の1/7であり、蒸発による方法よりも省エネルギーとなること等の理由から、上記のようにジュース、ワイン、ビール等の液状食品や飼料の濃縮、あるいは廃水中の汚染物質の除去、さらには海水や塩水の淡水化等に広く利用されている。 【0003】かかる水溶液の凍結濃縮方法及びこれを用いた凍結濃縮装置として、本件出願人が特願平9−200764号にて提案した発明の概要を図4に示す。 【0004】図4において、02は粒氷形成器で次のように構成されている。即ち該粒氷形成器02は円筒形状をなし、ジャケット06に囲まれた冷却部07を備えている。この冷却部07は図示しない装置からジャケット06の内部に送られて循環する、低温冷媒液の蒸発潜熱又はブラインクーラーで所定の温度に冷却された冷媒(例えばNH3等)によって冷却されるようになっている。これにより、該冷却部07は水溶液の凝固温度よりも低い過冷却温度に保持されている。又、該冷却部07にはモータ09により回転せしめられる回転軸019に取付けられたスクリュー011が挿入されていて、この該スクリュー011は前記冷却部07にて析出する氷結晶を掻き取って微小粒氷結晶010を形成するための氷掻き取り手段を形成している。さらに、前記粒氷形成器02の上方には濃縮を要する原液である水溶液012を内部に導く原液入口013を設けると同時に、下方に濃縮液015を排出するための排出口014を備えている。 【0005】021は前記粒氷形成器02にて生成された氷(粒氷)を含む氷スラリ05を搬出するための氷搬出路、08は該氷スラリ05を搬送するためのポンプである。又022は、前記氷搬出路021に接続される該氷形成器(図示省略)からの希液を導入するための希液導入口である。 【0006】又、前記スクリュー011が取付けられている回転軸は、その上端部を粒氷形成器02の上部に取付けられた上部軸受018により支持されその下端部を該粒氷形成器02の下部に取付られた下部軸受020によって支持されている。02aは該上部軸受018の外側に設けられた粒氷を含む水溶液の通路穴である。 【0007】前記凍結濃縮装置の稼動時において、先ず粒氷形成器02の上方の原液入口013から濃縮を要する水溶液(例えば溶質の濃度が8%程度のワイン原液)012を導入すると、該水溶液012はこの水溶液の凝固温度よりも低い過冷却温度に保持されている下方の冷却部07において、モータ9により回転せしめられているスクリュー011で攪拌されながら冷却され、ミクロンオーダーの直径を持つ微小粒氷結晶010が迅速かつ高能率に析出される。又、前記スクリュー011はその外周面において冷却部7の表面に付着した氷結晶を掻き取って微小粒氷結晶010を生じさせる。このために、残りの水溶液は溶質を含んで濃度の高い濃縮液015となり、上方から導入された原液である水溶液012との間に濃度勾配が形成され、この濃縮液015は下方の濃縮液排出口014から容器024に排出される。 【0008】一方、前記微小粒氷結晶010は、前記スクリュー011によって巻き上げられるとともに、原液である水溶液012に浮上する。さらに、氷搬出路021に設けられた回転羽根式のポンプ08を駆動して、微小粒氷結晶010と該微小粒結晶010に付着した水溶液012を含む氷スラリー05を板氷形成器(図示省略)へ供給する。尚、微小粒結晶010の容積率が60%であると仮定すると、少なくとも60%は純粋な水であり、残余が水溶液(原液)である。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】図4に示される濃縮凍結装置における粒氷製造手段(以下先行技術という)は比表面積が大きいミクロンオーダーの粒氷結晶010を連続的に生産できる効果を有するものであるが、さらに次のような解決すべき課題を有している。 【0010】先ず、かかる先行技術においては、粒氷形成器02のジャケット06には液体アンモニア等の液体の冷媒を循環させており、該形成器02出口の冷媒を圧縮機(図示省略)に吸入する前にこれを気化させる必要があることから、気液分離器等の気化手段及びこれに付帯する配管を設けることを要し、装置が複雑、大型化するとともに装置コストも高くなる。 【0011】また、粒氷形成器02においては、冷却部07内の過冷却水と該冷却部07の外側に形成されているジャケット06内の冷媒016との壁を隔てての熱交換のみで粒氷を生成しているため、粒氷の生成効率が充分に高くできない。加えて、回転するスクリュー011によって冷却部07の壁面に生成された氷を掻き取るので、掻き取り抵抗が比較的大きくなり、スクリュー011の駆動動力も大きくなる。 【0012】さらには、粒氷が生成される冷却部07の上部には回転軸019を軸支するための上部軸受018が設けられており該冷却部07の上部軸受018の下部近傍に粒氷の通路を有しないため、この部位に粒氷が堆積して氷塊を形成しやすい。 【0013】本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、粒氷を生成する粒氷形成装置内において冷媒の気液分離をなすことにより、格別の気液分離手段を必要とせず、装置が小型で簡単かつ低コストとなり、また冷却部における粒氷の生成を効率的になして製氷効率が向上されるとともに、粒氷生成のための動力を低減し、さらには、粒氷形成装置における粒氷の堆積を回避し、粒氷の搬出を円滑になし得る。粒氷製造方法及びその装置を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、溶液を冷媒で冷却することにより粒氷を製造するにあたり、前記冷媒と溶液とを過冷却状態にて熱交換して該溶液から微小粒氷結晶を生成する第1の製氷工程と、前記微小粒氷結晶及び高濃度化された溶液と低濃度の溶液とを混合させて粒氷を生成する第2の製氷工程とを行うことを特徴とする粒氷の製造方法を提案する。 【0015】また、請求項2記載の発明は請求項1記載の発明さらなる具体的方法に係り、請求項1において前記第1の製氷工程は、環状の溶液通路で溶液を通流させて、該溶液通路と流路壁を隔てた冷媒流路を流動する冷媒と該溶液とを過冷却状態にて熱交換することによりなされ、前記第2の製氷工程は内外周を連通する通路孔を有する中空の回転筒を回転させながら、前記第1製氷工程で生成された微小粒氷結晶を溶液とともに前記通路孔を通して前記回転筒の内部に流動させることによりなされるように構成する。 【0016】請求項3ないし8に記載の発明は、請求項1〜2記載の発明を実施する装置に係るものであり、請求項3記載の発明は、外筒と内筒との間に冷媒が通流する冷媒通路が形成された固定筒と、回転駆動されるとともに、前記内筒の内周に所定間隙の溶液通路を存して嵌合された中空の回転筒とをそなえ、さらに、前記冷媒と溶液通路内の溶液とを過冷却状態にて熱交換して微小粒氷結晶を生成する第1の氷生成手段と、前記微小粒氷結晶及び溶液と前記回転筒内の溶液とを混合させて粒氷を生成する第2の氷生成手段とを備えたことを特徴とする粒氷製造装置にある。 【0017】請求項4記載の発明は、請求項3において、前記第1の氷生成手段は、前記溶液通路において通流する溶液を過冷却状態にして前記内筒を介して前記冷媒により冷却するように構成され、前記第2の氷生成手段は、前記回転筒に複数の通路穴を設け、前記第1の氷生成手段にて生成された微小粒氷結晶及び溶液を該通路穴を通して前記回転筒内に流動させて該回転筒内の溶液とを混合させるように構成されてなる。 【0018】請求項1〜4記載の発明において、回転筒は、前記固定筒内にこれを同心に立設され、その下部に駆動軸を連結して該駆動軸を減速装置を介してモータの出力端に連結して回転駆動されるように構成するのがよい。 【0019】また、前記回転筒に設けられる通路穴は、該回転筒の長手方向に長い長方形状をなし、これを円周方向に等間隔にかつ長手方向には複数段設けるとともにその開口部断面を接線方向に傾斜した形状とするのがよい。 【0020】かかる発明によれば、内筒の内周と回転筒の外周との間を上方に流動する溶液と、冷媒通路を通流する液冷媒により該溶液の凝固温度よりも低い過冷却温度に保持された状態にて前記内筒を介して該液冷媒とが熱交換することにより、該溶液中から微小径の微小粒氷結晶を析出する。 【0021】そして、前記微小粒氷結晶は、これの析出によって高濃度化された前記溶液とともに回転筒の通路穴を通って該回転筒内に流動し回転筒の回転によって攪拌されながら該回転筒内の低濃度溶液と混合され、該低濃度溶液から粒氷を生成する。 【0022】即ち、かかる発明によれば、溶液が溶液通路を流動中、過冷却温度に保持された状態にて内筒を介しての冷媒との熱交換により該溶液から微小粒氷結晶を析出する第一の工程と、該微小粒氷結晶と高濃度化された溶液をに回転筒の通路穴を通して内部通路に旋回力を与えて流出させ、回転筒の回転との共働によって回転筒内部の低濃度溶液とを混合させて粒氷を形成する第二の工程とを連続して行うことにより、従来技術のような溶液と冷媒との熱交換のみによる方法に比べて安定した品質の粒氷を多量に製造できて製氷効率が向上するとともに、従来技術のようなスクリューによる攪拌及び冷却部の付着氷の掻き取りが不要となり、従来技術に比べて格段に小さい駆動エネルギで以って、安定した品質の粒氷を製造することが可能となる。 【0023】請求項5記載の発明は、請求項3または4において、前記固定筒は、前記外筒の内周と内筒の外周との間に中間筒を設けてなる3重筒に構成され、前記外筒の内周と中間筒の外周との間には外部から冷媒が導入される外側冷媒通路が形成され、前記中間筒の内周と内筒の外周との間には前記外側冷媒通路を経た冷媒が通流し該外側冷媒通路よりも小さい間隔を有して高速で冷媒を通流させる内側冷媒通路が形成されてなる。 【0024】かかる発明によれば、外側冷媒通路を流れた液状の冷媒は該外側冷媒通路よりも通路幅の狭い内側冷媒通路を流れて、前記のように内筒を介して溶液通路を過冷却温度に冷却することにより過冷却状態にて該内筒を介して溶液と熱交換を行い微小粒氷結晶を生成せしめる。 【0025】かかる熱交換時において、冷媒は通路幅の狭い内側冷媒通路においてその流速が増大せしめられるため、内筒の内側の溶液通路を流れる溶液と外側を流れる冷媒との間の熱通過率が上昇し、これによって溶液の冷却効果が向上し、微小粒氷結晶の生成が促進されるとともに冷媒の気化も促進される。 【0026】請求項6記載の発明は、請求項5に加えて、前記内側冷媒通路の出口近傍に設けられた冷媒出口と前記外筒の上部内周との間に冷媒を気液分離する気液分離手段を設けるとともに、該気液分離手段にて分離された気体を取り出す気体出口を前記外筒の上部に設けてなる。 【0027】請求項7記載の発明は請求項6に加えて、前記気液分離手段で分離した液冷媒を前記外側冷媒通路に環流するように構成されてなる。 【0028】かかる発明において、前記気液分離手段は、外筒の上部に固定された分離板を、内側冷却通路を出た冷媒の伴流が衝突するような部位に設けるのがよい。 【0029】かかる発明によれば、内側冷媒通路にて溶液との熱交換によって気化が促進され気液の伴流となった冷媒は、該内側冷媒通路の出口近傍に設けられた気液分離手段にて衝突等によって気液が分離され、気体は圧縮機に送られ、気体は外側冷媒通路に環流される。 【0030】従ってかかる発明によれば粒氷を製造する装置の内部で気液混流冷媒の気液分離をなすことができ、格別な気液分離機は不要となる。 【0031】請求項8記載の発明は請求項3ないし7記載の発明の何れかに加えて、前記中空の回転筒の内部は前記第2の氷生成手段によって生成された氷を含む氷スラリの通路とされて、その上部が氷取出し口に開放されるとともに、該回転筒の上部外周を軸受にて支持してなる。 【0032】かかる発明によれば、回転筒が中空に形成され、その上部外周を軸受で支持しているので、回転筒の内部通路を上昇してきた粒氷及び溶液は、その流動を阻害されることなく氷取出口に搬送される。これにより、従来技術のように軸受の下部に粒氷が堆積するような不具合の発生が防止され、粒氷の搬送が円滑になされる。尚、前記軸受は、フッ素樹脂からなる薄肉の平軸受とするのが機能面、スペース面から好ましい。 【0033】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例にすぎない。図1は本発明の実施形態にかかる粒氷製造装置の縦断面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は回転筒の部分展開図である。 【0034】図1において、1は外筒、3は該外筒1と略同心の内筒であり、両筒は上下部分で溶接等によって固着されて一体となって、ボルト等の固定手段によって据付台(図示省略)等に固定されている。2は中間筒で、該外筒1の内周と内筒3の外周との間に、好ましくは内筒3の適所に部分的に固定されて前記両筒と略同心に設けられている。 【0035】前記中間筒2の外周と外筒1の内周との間にはアンモニア等の液冷媒が通流する外側冷媒通路16が設けられている。11は前記外筒1の上部に設けられた冷媒入口で前記外側冷媒通路16の上部に接続されている。 【0036】17は内側冷媒通路で、前記内筒3の外周と中間筒2の内周との間に形成されており、その下部が前記外側冷媒通路16の下部に連通され、上部が後述する気液分離手段の分離板14に連通している。前記外側冷媒通路16の下部と内側冷媒通路17の入口部との連通部は、前記中間筒2の下端を外側に屈曲させた変向部2aが設けられ、水溶液の流れを円滑にしている。また、該内側冷媒通路17はその半径方向の幅(隙間)が外側冷媒通路16よりも充分に小さく形成されている。(前記幅は2mm程度が好ましい。) 【0037】4は中空に形成された回転筒である。該回転筒4は、前記内筒3の内側に溶液通路18を存して回転自在に嵌合されており、その下端にはモータ8からモータ歯車9及び駆動歯車7を介して駆動される駆動軸6が連結されている。該回転筒4には図2〜図3に示すように、上下方向長手方向に長い両端が円弧で結ばれた長方形スリット4aが円周方向に等間隔(必ずしも等間隔でなくてもよい)に、かつ長手方向に沿って複数段穿設されている。 【0038】そしてギアスリット4aは、図2に示すように、その外周開口端と前記回転筒4の中心4cとを結ぶ半径方向線4bに対し円周方向(接線方向)に所定角度θ(θ=30°程度が好適)傾斜して穿けられて、前記溶液通路18で形成された微小粒氷結晶20aを含有する溶液が旋回成分をもって該回転筒4の内部通路4dに流出するようになっている。 【0039】前記回転筒4の上端部外周は、平軸受からなる軸受5によって回転自在に支持されている。該軸受5はフッ素樹脂軸受メタル等からなる薄肉のブッシュ状の滑り軸受で外周を前記内筒3の内周に固挿されている。19は前記回転筒4の外側に形成された溶液通路18の下端部が開口する溶液入口室であり、該入口室19には水溶液を導入するための溶液入口10が開口している。 【0040】14は気液分離装置を構成する分離板であり、該分離板14は、外筒1の上部に固着されるとともに、前記中間筒2の上端部の外側に位置し、前記外側冷媒通路16の上部に向けて穿設されている。該分離板14の下端は前記中間筒2の上端よりも下方にラップして形成され、前記内側冷媒通路17の上端部から流出した冷媒が該分離板14に衝突可能となっている。 【0041】13は前記外筒1の上部に形成された気体室で、該気体室13には前記分離板14の外側が臨み、該分離板14にて気液分離された気体を排出するための気体出口12が設けられている。 【0042】前記回転筒4の下部は外筒下部に取付けられた下部軸受5bによって支持されるとともに、該軸受5bによる支持部位に複数の(1個でもよい)濃縮液穴4eが穿けられている。25は前記外筒1の下部に設けられた濃縮液出口であり、前記回転軸4の濃縮液穴4eと該回転軸4の回転により間欠的に連通されるようになっている。 【0043】かかる構成からなる粒氷製造装置による粒氷の製造方法について説明する。この実施形態では粒氷を製造するための原液としてワイン原液等の濃縮用の溶液を用いて、粒氷の製造と溶液の濃縮とを併行するようにしている。 【0044】図1において、溶液は外筒1下部の溶液入口10から溶液入口室19に導入された後、回転筒4の外周と内筒3の内周との間に形成された半径方向幅が1mm程度の狭い溶液通路18に流入して該通路18内を上方へと流れる。 【0045】一方、アンモニア液等の液冷媒は外筒上部の冷媒入口11から外側冷媒通路16に導入され、図1の矢印のように下方へと流れ中間筒2の変向部2aにて上方に変向されて内筒3の外周と中間筒2の内周との間の半径方幅が2mm程度の狭い内側冷媒通路17に入る。また、前記回転筒4はモータ8によって所定の回転速度にて回転せしめられている。 【0046】そして、前記内側冷媒通路17内を上方に流れる冷媒によって前記溶液通路18は内筒3を介して水の凝固温度よりも低い−0.5℃〜−1.0℃の過冷却温度に保持され、この内筒3を介して該内筒3の内側を流れる溶液と冷媒とが熱交換を行う。かかる過冷却温度下での熱交換により、溶液中の水分が凍結しミクロンオーダーの微小径の微小粒氷結晶20aが迅速に析出されるとともに溶液は高濃度かされる。 【0047】一方、冷媒は上記のような溶液との熱交換によって吸熱蒸発して気化を始める。かかる熱交換は冷媒が前記内側冷媒通路17を上方に流動しながら行われ、該内側冷媒通路17内は気化した冷媒と液冷媒とが伴流することとなる。 【0048】そして前記冷媒は、内側冷媒通路17を上方に進むにつれて気化が進み、気化冷媒の割合が増加し上部の分離板14の入口部に達する。かかる熱交換時において内側冷媒通路には外側冷媒通路16に較べて流路面積が大幅に小さく形成されているので、該内側冷媒通路17における冷媒はその流速が大幅に増速されて上方へと通流せしめられる。 【0049】従って、該冷媒と内側冷媒通路17の内筒3の外周面との間の熱伝達率が上昇し、該内筒3の内周面が臨む溶液通路18を流れる溶液と冷媒との間の熱通過率が上昇し、これによって溶液通路18を流動する溶液の冷却効果が向上して微小粒氷結晶20aの生成が促進されるとともに、冷媒の気化も促進される。 【0050】気化された冷媒と液冷媒とが伴流して前記内側冷媒通路17の上部から流出すると、該伴流は分離板14に衝突する。かかる衝突によって前記伴流冷媒の気体と液体とが分離され、つまり気液分離がなされる。そして分離された気体は気体室13、及び気体出口12を通って冷凍装置の圧縮機(図示省略)の吸入口に送られる。また、分離された液体は外側冷媒通路16に還流されて冷媒入口11からの冷媒に合流し、前記のように使用される。 【0051】このようにかかる実施形態によれば、粒氷を生成する装置の内部で気液混合冷媒の気液分離をなすことができるので、格別な気液分離器は不要となる。一方、前記溶液通路18を流動する水溶液は前記のようにして内側冷媒通路17を高速で通流する冷媒との高い熱通過率での熱交換により、微小粒氷結晶20aを析出、生成した後、該微小粒氷結晶20aは高濃度かされた溶液とともに回転筒4の回転によって溶液通路18を円周方向に位相されながら、の複数のスリット4aに流入する。 【0052】該回転筒4は前記モータ8によって所定回転速度で回転せしめられており、かかる回転中の回転筒4のスリット4aを図2の矢印に示すように前記微小粒氷結晶20aが溶液とともに旋回力を与えられながら流れて内部通路4dに入り、該内部通路4dにおいて、前記旋回力と回転筒の回転との共働によって、該内部通路4d内の低濃度溶液と混合する。これによって低濃度溶液中の水分が凍結して粒氷が生成される。前記微小粒氷結晶20aのは種氷としての作用を行う。 【0053】このように、溶液は冷媒によって過冷却温度に冷却されている溶液通路18にて内筒3を介する冷媒との熱交換により微小粒氷結晶20aを生成する第1の製氷工程と、該微小粒結晶20a及び高濃度化された溶液を回転筒4のスリット4aから旋回力を付与して流出させ回転筒の回転との共働により、該微小粒氷結晶及び高濃度溶液と回転筒内の低濃度溶液とを混合させて粒氷を形成する第2の製氷工程とを連続して行うことによって粒氷の生成が効率的になされる。 【0054】このようにして、回転筒4の内部通路4dにて形成された粒氷20は該内部通路4d内に満たされている溶液に浮上して氷取出口15へと移動せしめられて、該粒氷20の使用先へと搬送される。また、上記のようにして粒氷20が生成された後の溶液の濃度は溶液入口における溶液の濃度よりも大きくなっており、この濃縮液は回転体4の下部外周に穿けられた濃縮液穴4eから外筒1の下部の濃縮液出口25へと導かれ、所定の使用がなされる。 【0055】かかる実施形態によれば上記のようにスリット4aを有する回転筒4を回転させるのみで、粒氷20の生成が可能となり、又、該回転筒4の内壁面に生成氷が付着することも無いので、該回転筒4を駆動するモータ8の駆動力は従来技術のように冷却部に付着した氷を掻き取るスクリュー等に較べて大幅に低減される。 【0056】また、該回転筒4が中空に形成され、その上部外周を軸受5で支持しているので、軸受5を設けることによって該回転筒4の内部から氷取出口15に流動する粒氷20の流路が詰まる部分は無く、該回転筒4の内部流路4dを上昇する前記粒氷20は流路抵抗を受けることなく滑らかに氷取出口15へと流動せしめられる。 【0057】 【発明の効果】以上記載のごとく、請求項1〜2及び請求項3〜4記載の発明によれば、回転筒の外周の溶液通路を流れる溶液と冷媒とを過冷却状態での熱交換により微小粒氷結晶を生成させる第1の工程と、該微小粒氷結晶及び高濃度化された溶液を回転筒の通路穴から内部通路に流出させ、旋回力と回転筒の回転との共働によって該微小粒氷結晶及び高濃度溶液と回転筒内の低濃度溶液とを混合させて粒氷を生成する第2の工程とを連続して行うことにより、従来技術のような溶液と冷媒との熱交換による方法に較べて安定した品質の粒氷を多量に製造することができ、製氷効率が向上する。 【0058】また、従来技術のようなスクリューによる攪拌及び氷の掻き取りを不要とし、回転筒を少ない抵抗で以って回転させるのみで粒氷を製造することができる。これにより、従来技術に較べて格段に小さい駆動エネルギで以って粒氷を製造することができる。 【0059】請求項5記載の発明によれば中間筒を設けることにより、内側を溶液が流れている内筒の外側の冷媒通路の通路面積を小さくして冷媒の流速を上げ、溶液と冷媒との間の熱通過率を上昇させることができる。これによって溶液の冷却効率が向上し微小粒氷結晶の生成速度が増大されるとともに生成量も増大され、多量の粒氷を製造することができる。 【0060】請求項6〜7記載の発明によれば、粒氷を製造する装置の内部で溶液を冷却後の気液伴流冷媒の気液分離を行う事ができ、格別な気液分離器が不要となり、装置が簡単、小型化するとともに装置コストも低減される。 【0061】さらに請求項8記載の発明によれば、中空の回転筒の外周を軸受で支持しているので、回転筒の内部通路を上昇してきた粒氷及び溶液を軸受によりその流動を阻害されることなく円滑に氷取出口に搬送することができる。これにより従来技術のように軸受の下部に粒氷の塊が堆積するという不具合の発生を防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000242644 【氏名又は名称】北陸電力株式会社 【識別番号】000148357 【氏名又は名称】株式会社前川製作所
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| 【出願日】 |
平成11年3月11日(1999.3.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083024 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 昌久 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−258003(P2000−258003A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月22日(2000.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−64284 |
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