トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F25 冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒ−トポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化




【発明の名称】 氷蓄熱槽を備えた空気調和装置
【発明者】 【氏名】黒澤 美暁

【要約】 【課題】小型圧縮機に油戻し機構を備えて、氷蓄熱槽内の氷の冷熱を利用した冷房運転を良好に行う空気調和装置を提供する。

【解決手段】圧縮機及び熱源側熱交換器を備えた熱源側ユニットと、氷蓄熱機器並びに液冷媒を貯える複数のサージタンク及び小型圧縮機等を備えた氷蓄熱ユニットと、利用側熱交換器とを組み合わせて、氷蓄熱運転及び冷房運転をするようにしたものにおいて、小型圧縮機と切替弁とサージタンクと利用側熱交換器と氷を形成する機器とを冷媒管で接続して氷蓄熱利用の冷凍サイクルを構成し、小型圧縮機の吸込側に油分分離タンクとセンサとを設け、センサでサージタンクの液状態を検知し、サージタンクに流れる冷媒を切替弁で切替えるようにする機構と、油分分離タンクの油出口に開閉弁と小型熱交換器とを配設し小型圧縮機の油戻し機構とを設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機及び熱源側熱交換器を備えた熱源側ユニットと、氷蓄熱槽内に氷を生成して蓄熱する機器並びに液冷媒を貯える複数のサージタンク及び小型圧縮機等を備えた氷蓄熱ユニットと、利用側熱交換器を備えた利用側ユニットとを組み合わせて、氷蓄熱運転及び冷房運転をするようにした空気調和装置において、熱源側ユニットの圧縮機よりも容量の小さな小型圧縮機と切替弁とサージタンクと利用側熱交換器と氷を生成して蓄熱する機器とを冷媒管で接続して氷蓄熱利用の冷凍サイクルを構成し、小型圧縮機の吸込側に油分分離タンクとこの油分分離タンクにセンサを設けると共にこのセンサで小型圧縮機の吸込側に接続されたサージタンクの液状態に基づき、液冷媒の多いサージタンクを小型圧縮機の吐出側、液冷媒の少ないサージタンクを小型圧縮機の吸込側となるようにサージタンクに流れる冷媒を切替弁で切替え、かつ、この切替弁が複数回切り替わるごとに一度油分分離タンクの油出口に設けられた開閉弁を開放して油を流出するようにしたことを特徴とする氷蓄熱槽を備えた空気調和装置。
【請求項2】 油分分離タンクの開閉弁と小型圧縮機の吸込口との間に小型熱交換器を配設し、補助熱交換器では小型圧縮機から吐出された冷媒と油分分離タンクで分離された油を多く含んだ冷媒とを熱交換させることを特徴とする請求項1に記載の氷蓄熱槽を備えた空気調和装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、氷蓄熱槽を備えた空気調和装置に係り、氷蓄熱ユニットに蓄えられた冷熱を放熱して放冷冷房運転をする氷蓄熱槽を備えた空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、図2に示すように、圧縮機1、熱源側熱交換器2、四方弁3及び膨張弁4を備えた熱源側ユニット5と、氷蓄熱槽6内に冷媒管7が水没状態で配設されてこの冷媒管7外周に氷を生成して蓄熱する氷蓄熱ユニット8と、利用側熱交換器9とを組み合わせて氷蓄熱運転、放冷冷房運転及び通常冷房運転をする空気調和装置10が知られている。
【0003】氷蓄熱運転は、圧縮機1からのガス冷媒が熱源側熱交換器2を経て液冷媒となり、その後に膨張弁4を通り、氷蓄熱槽6内の冷媒管7に流入して、この氷蓄熱槽6内で氷蓄熱動作をしつつ蒸発し、ガス冷媒が圧縮機1へ戻される。
【0004】放冷冷房運転は、熱源側ユニット5の圧縮機1を停止させ、氷蓄熱ユニット8に設置されて冷媒を圧送する液ポンプ又はガスポンプなどの循環ポンプ11(図2では液冷媒を圧送する液ポンプ)を稼働させることによりなされている。つまり、循環ポンプ11の稼働により、氷蓄熱ユニット8における氷蓄熱槽6の冷媒管7内で、氷に蓄熱された冷熱が冷媒に放熱され、このようにして冷熱を吸収して凝縮した液冷媒が利用側熱交換器9へ圧送され、この利用側熱交換器9において液冷媒が蒸発することにより放冷冷房運転が行われる。
【0005】通常冷房運転は、圧縮機1から熱源側熱交換器2へ導かれて液冷媒となった冷媒を、氷蓄熱槽6の冷媒管7をバイパスして、利用側熱交換器9へ供給され、液冷媒をここで蒸発させ、この蒸発潜熱により冷房が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の放冷冷房運転では、特に循環ポンプ11が液ポンプの場合に、冷媒が完全に凝縮されないで一部冷媒ガスがあるとき、この循環ポンプ11にキャビテーションが発生するおそれがある。そこで、この液ポンプを用いず、氷蓄熱槽6の冷媒管7内の凝縮した液冷媒を複数(例えば2個)のサージタンク25内に貯溜させ、これらのサージタンク25内へ小型圧縮機36(ガスポンプ)で高圧ガス冷媒を交互に供給することにより、前記サージタンク25内で凝縮した前記液冷媒を利用側熱交換器9へ圧送して、放冷冷房運転を実施するものが考えられる。
【0007】しかし、この場合に小型圧縮機36は、高圧ガス冷媒を一つのサージタンク25内へ供給しながら、別のサージタンク25内から冷媒ガスを吸い込むという動作を行うので、小型圧縮機36の油戻し機構を設けないと小型圧縮機36の潤滑不良及び異常摩耗や焼付きが発生するおそれがある。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、小型圧縮機36に油戻し機構を備えると共に、氷蓄熱槽6内の氷の冷熱を利用した冷房運転を良好に行える氷蓄熱槽6を備えた空気調和装置10を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、圧縮機及び熱源側熱交換器を備えた熱源側ユニットと、氷蓄熱槽内に氷を形成して蓄熱する機器並びに液冷媒を貯える複数のサージタンク及び小型圧縮機等を備えた氷蓄熱ユニットと、利用側熱交換器とを組み合わせて、氷蓄熱運転及び冷房運転をするようにした空気調和装置において、熱源側ユニットの圧縮機よりも容量の小さな小型圧縮機と切替弁とサージタンクと利用側熱交換器と氷を形成する機器とを冷媒管で接続して氷蓄熱利用の冷凍サイクルを構成し、小型圧縮機の吸込側に油分分離タンクとこの油分分離タンクにセンサを設けると共にこのセンサで小型圧縮機の吸込側に接続されたサージタンクの液状態に基づき、液冷媒の多いサージタンクを小型圧縮機の吐出側、液冷媒の少ないサージタンクを小型圧縮機の吸込側となるようにサージタンクに流れる冷媒を切替弁で切替え、かつ、この切替弁が複数回切り替わるごとに一度油分分離タンクの油出口に設けられた開閉弁を開放するようにしたものである。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の氷蓄熱槽を備えた空気調和装置において、油分分離タンクの開閉弁と小型圧縮機の吸込口との間に小型熱交換器を配設し、小型熱交換器では小型圧縮機から吐出された冷媒と油分分離タンクで分離された油を多く含んだ冷媒とを熱交換させることを特徴とする。
【0011】請求項1及び2に記載の発明によれば、小型圧縮機の吸込側に油分分離タンクとセンサとを設けておき、このセンサで冷媒液を検知すれば、複数のサージタンクの中のどれかのタンク内の液冷媒がほぼ満液になったと判断される。複数のサージタンクの中の1つが満液になれば、別のサージタンクに液冷媒が少なくなったと推定され、切替弁を切替えて液冷媒の多いサージタンクから利用側熱交換器へ液冷媒を圧送することにより、サージタンク内の液冷媒を連続的に且つ確実に利用側熱交換器へ圧送できる。従って、氷蓄熱槽内の氷の冷熱を利用した冷房運転ができる。
【0012】また、小型圧縮機の吸込側に設けられた油分分離タンクの油出口に開閉弁、小型熱交換器を順に設け、油分分離タンクに流入する冷媒液を一時貯溜させることにより、冷媒液分を蒸発させ油分の多い冷媒液にしてから開閉弁を開放し、油分の多い冷媒液を流出させる。この冷媒液を小型熱交換器を通すことによって、冷媒の液分をさらに蒸発させ油を小型圧縮機に戻すようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】図1は、本発明に係る氷蓄熱槽6を備えた空気調和装置10の一実施の形態を示す構成図である。
【0015】この図1に示す空気調和装置10は、熱源側ユニット5、氷蓄熱ユニット8及び利用側ユニット12で構成される。熱源側ユニット5は氷蓄熱ユニット8をバイパスして利用側ユニット12に冷媒管で接続される。
【0016】熱源側ユニット5は、圧縮機1、四方弁3、熱源側熱交換器2及び電動膨張弁4が順次冷媒管13に接続されて構成される。また、利用側ユニット12は、冷媒管14に利用側熱交換器9及び電動膨張弁15が配設されて構成され、この電動膨張弁15は、空調負荷に応じて開度が調整される。
【0017】氷蓄熱ユニット8は、製氷用の冷媒管7を内蔵した氷蓄熱槽6を備えると共に、冷媒管16に第1開閉弁17、冷媒管18に第2開閉弁19がそれぞれ配設される。更に、第1開閉弁17の取付位置よりも利用側ユニット12側に、冷媒管20を介して冷媒管7の一端が接続され、この冷媒管20に電動膨張弁21が配設される。また、冷媒管7の他端は、第3開閉弁22を備え、冷媒管23を介して利用側ユニット12側に接続される。
【0018】氷蓄熱槽6には水などのブラインが充満され、製氷用の冷媒管7がこの氷蓄熱槽6内に水没状態で配設される。この氷蓄熱槽6内の冷媒管7内には、氷蓄熱運転時に熱源側熱交換器2から液冷媒が流入して蒸発し、これにより、氷蓄熱槽6内の冷媒管7の外周に氷が形成される。
【0019】冷媒管20には電動膨張弁21と冷媒管7との間に、冷媒管24を介して2個のサージタンク25A及び25Bが並列に接続される。これらのサージタンク25A、25Bが冷媒管26を介して、冷媒管16に取り付けた第1開閉弁17の利用側ユニット12側に接続される。これにより、サージタンク25A及び25Bは、氷蓄熱槽6内の冷媒管7と利用側熱交換器9との間に配設されて、氷蓄熱槽6内の氷に蓄熱された冷熱により凝縮された液冷媒が貯溜されるようになる。
【0020】冷媒管24には、サージタンク25A、25Bの流入側に流入側逆止弁27A、27Bが、また、冷媒管26には、サージタンク25A、25Bの流出側に流出側逆止弁28A、28Bがそれぞれ配設される。これらの流入側逆止弁27A、27Bは、氷蓄熱槽6内の冷媒管7からサージタンク25A、25B方向へ流れる冷媒の流れを許容し、流出側逆止弁28A、28Bは、サージタンク25A、25Bから利用側熱交換器9側方向へ流れる冷媒の流れを許容する。
【0021】サージタンク25A及び25Bは、冷媒管29、30、31、32、33を介して、切替弁34、油分分離タンク35及び小型圧縮機36に接続される。冷媒管29、30、31、32は、それぞれの一端が切替弁34の各ポートに接続されると共に、冷媒管29の他端が補助熱交換器37を通って小型圧縮機36の吐出口に接続される。冷媒管32の他端は、後述する油分分離タンク35の入口に接続される。冷媒管30、31の他端は、サージタンク25A、25Bにそれぞれ接続される。また、冷媒管33は、油分分離タンク35の冷媒出口と接続され、他端が小型圧縮機36の吸込口に接続される。油分分離タンク35の油出口には開閉弁38と補助熱交換器37が順に配設され、冷媒管33に接続される。開閉弁38は通常閉止され、切替弁34が複数回切り替わるごとに1度開放される。補助熱交換器37では油分分離タンク35から分離された油分の多い冷媒液と小型圧縮機36から吐出された高温高圧の冷媒とが熱交換し、冷媒の液分が蒸発される。
【0022】切替弁34の切り替え操作により、冷媒管29及び冷媒管30の連通並びに冷媒管31及び冷媒管32の連通(A側流路)と、冷媒管29及び冷媒管31の連通並びに冷媒管30及び冷媒管32の連通(B側流路)とが選択的に切り替えられる。また、小型圧縮機36は、熱源側ユニット5における圧縮機1よりも小さな容量(1/10〜1/20の容量)の圧縮機であり、空気調和装置10の放冷冷房運転時にのみ稼働される。この小型圧縮機36から吐出される冷媒は、熱源側ユニット5の圧縮機1から吐出される冷媒と同一組成である。
【0023】切替弁34の操作により、小型圧縮機36からの高圧ガス冷媒がサージタンク25Aまたは25B内に圧送され、貯溜された液冷媒が利用側熱交換器9へ圧送されるように構成される。
【0024】小型圧縮機36の吸込口にはセンサ39と油分分離タンク35が配設されている。この油分分離タンク35にはセンサ39が内蔵され、サージタンク25内に冷媒液が満たされると、この冷媒液が油分分離タンク35に流入して検知するようになっており、これにより、サージタンク25Aまたは25B内のどちらか一方が冷媒液で満たされたことを検知できる。
【0025】制御装置40は、油分分離タンク35のセンサ39で検知された情報を取り込み、サージタンク25A、25B内のどちらか一方が冷媒液で満たされたことを受けて切替弁34の切り替えを行うものである。切替弁34がA側流路とされているときには、サージタンク25A内に小型圧縮機36からの高圧ガス冷媒が流れ込み、サージタンク25Aに貯溜されたサージタンク25Aの液面レべルを押し下げる。サージタンク25Aに貯溜された液冷媒は利用側熱交換器9へ圧送され、ここで蒸発して冷房が行われる。利用側熱交換器9で蒸発した冷媒ガスは、氷蓄熱槽6の冷媒管7内で凝縮してサージタンク25Bに液冷媒として貯溜される。サージタンク25Bでは冷媒ガスが小型圧縮機36に吸い込まれているので、冷媒液が溜りサージタンク25B内がほぼ満液になると、冷媒液が流出し油分分離タンク35に流入する。油分分離タンク35では内蔵されたセンサ39がこの冷媒液によって、サージタンク25Aまたは25Bのどちらかのサージタンク25が満液になったことを検知する。一般にはサージタンク25Aの冷媒液量とサージタンク25Bの冷媒液量との総和はほとんど変わらないので、一方のサージタンク25が満液になると、他方のサージタンク25にはほとんど存在しない状態に冷媒液量の調整が行われる。制御装置40は油分分離タンク35のセンサ39が冷媒液を検知すると、切替弁34でサージタンク25に流れる冷媒を切り替える。これにより、小型圧縮機36からの冷媒ガスの流れが切り替わり満液になった方のサージタンク25(サージタンク25Aまたは25B)から液冷媒が利用側熱交換器9へ供給される。
【0026】次に、小型圧縮機36へ油を戻す作用について説明する。
【0027】サージタンク25内には、油の溶け込んだ冷媒液が蓄積されている。油と冷媒とは、溶解度が異なり、低温下のサージタンク25内では油は冷媒から分離する性質があり、温度が低いほどこの分離する割合が大きい。油の比重は、冷媒よりも小さいため、油の液はタンク内の液面近くに集まりやすい。小型圧縮機36が作動すると、小型圧縮機36の吸込側に接続されているサージタンク25内の液面が上昇する。この液面が満液になると切替弁34を通って冷媒液が油分分離タンク35に流入する。ある量が油分分離タンク35内に流入すると、センサ39がサージタンク25の満液を検知し切替弁34が切り替わる。運転が継続し、満液を検知するするとそのたびに油分分離タンク35内へ冷媒液が流入される。油分分離タンク35内へ流入される冷媒液は、蓄積されると共に、徐々に気化され冷媒管33から排出される。油分分離タンク35内の液は徐々に油分の多い冷媒液となる。切替弁34の切替が複数回繰り返された後、開閉弁38が開放される。開放されるのは1回おきか、または、油戻し量が少ないときは、数回に1回開閉弁38を開放するようにする。開閉弁38から流出された油分の多い冷媒液が補助熱交換器37で小型圧縮機36から吐出された高温高圧の冷媒ガスと熱交換をして冷媒が蒸発される。このようにして、油と冷媒ガスが小型圧縮機36の吸込口から戻される。
【0028】次に、空気調和装置10の氷蓄熱運転、放冷冷房運転、通常冷房運転を説明する。
【0029】[A]氷蓄熱運転空気調和装置10の氷蓄熱運転は、例えば、夜間10時から翌朝8時までの電力料金の安い時間帯に、熱源側熱交換器2からの液冷媒を氷蓄熱槽6の冷媒管7内へ供給し、氷蓄熱槽6内に氷を作る運転である。
【0030】この場合には、電動膨張弁15が閉止され、第1開閉弁17、第2開閉弁19、第3開閉弁22及び電動膨張弁21が開放操作される。
【0031】この状態で、熱源側ユニット5の圧縮機1が稼働されると、この圧縮機1から吐出されたガス冷媒は、熱源側熱交換器2にて凝縮され、電動膨張弁4及び21を経て減圧され、氷蓄熱槽6の冷媒管7内へ流入する。この冷媒管7内に流入した冷媒は蒸発して、冷媒管7の外周に氷を付着形成する。その後、氷蓄熱槽6の冷媒管7内のガス冷媒は冷媒管23、18を経て四方弁3へ至り、圧縮機1に戻される。
【0032】[B]放冷冷房運転空気調和装置10の放冷冷房運転は、例えば、気温が上昇する昼間の時間帯に、氷蓄熱槽6の冷媒管7内で氷の冷熱により液化されてサージタンク25A、25B内に貯溜された液冷媒を、利用側熱交換器9へ供給するようにして行われる。
【0033】この場合には、第1開閉弁17、第2開閉弁19及び電動膨張弁21が閉止され、電動膨張弁15及び第3開閉弁22が開放操作される。また、熱源側ユニット5の圧縮機1は、停止状態にある。
【0034】この状態で、小型圧縮機36が稼働され、油分分離タンク35のセンサ39の液検知信号に基づき、制御装置40が切替弁34をA側流路とB側流路とに交互に切り替えられる。例えば、油分分離タンク35のセンサ39が冷媒液を検知したときに、制御装置40は、切替弁34をB側流路からA側流路として、小型圧縮機36から吐出された高圧ガス冷媒を、サージタンク25A内へ導く。これにより、このサージタンク25A内の貯溜液冷媒が流出側逆止弁28A、冷媒管16を経て利用側熱交換器9内へ供給される。サージタンク25A内に貯溜された液冷媒は、氷蓄熱槽6の冷媒管7内を通り、氷蓄熱槽6内の氷に蓄熱された冷熱により凝縮された液冷媒であるため、利用側熱交換器9内で蒸発することにより、氷の冷熱の放熱(放冷)と冷媒の蒸発潜熱とにより室内を冷房することができる。
【0035】利用側熱交換器9にて蒸発したガス冷媒は、第3開閉弁22及び冷媒管23を経て氷蓄熱槽6の冷媒管7内へ流入し、前述の如く、氷蓄熱槽6内の氷により凝縮して液冷媒となって、流入側逆止弁27Bを経てサージタンク25B内へ流入する。
【0036】この時、サージタンク25A内が高圧であるため、氷蓄熱槽6の冷媒管7内の液冷媒は、サージタンク25A内へ流れることなくサージタンク25B内へ流れる。同様に、サージタンク25B内がサージタンク25Aに比べて低圧であるため、サージタンク25B内の貯溜冷媒が流出側逆止弁28Bを経て利用側熱交換器9側へ流出することもない。
【0037】次に、油分分離タンク35のセンサ39が冷媒液を検知した時に、制御装置40は、切替弁34をB側流路として、小型圧縮機36から吐出された高圧ガス冷媒を、冷媒管29及び冷媒管31を経てサージタンク25B内へ導く。すると、サージタンク25Bに貯溜された液冷媒が、流出側逆止弁28B、冷媒管26及び電動膨張弁15を経て利用側熱交換器9へ流入し蒸発して、前述と同様に、放冷及び蒸発潜熱により室内を冷房する。この利用側熱交換器9からのガス冷媒は、冷媒管14及び第3開閉弁22を経て氷蓄熱槽6の冷媒管7内で氷の冷熱により凝縮されて液冷媒となり、冷媒管24及び流入側逆止弁27Aを経てサージタンク25A内へ流入する。
【0038】制御装置40は、油分分離タンク35のセンサ39が冷媒液を検知したときに切替弁34を切り替え、例えば、A側流路とし、次に油分分離タンク35のセンサ39が冷媒液を検知したときに切替弁34をB側流路とする。初めに運転停止時の切替弁34の位置から運転を行い、油分分離タンク35のセンサ39が冷媒液を検知したときに切替弁34を切り替える。前述の動作を繰り返し、放冷冷房運転を継続させる。
【0039】[C]通常冷房運転空気調和装置10の通常冷房運転は、氷蓄熱槽6内の氷に蓄熱された冷熱を利用しないで行われる冷房運転であり、電動膨張弁21及び第3開閉弁22が閉止され、第1開閉弁17、第2開閉弁19並びに電動膨張弁4及び15が開放操作される。
【0040】この状態で、圧縮機1が稼働されると、この圧縮機1から吐出されたガス冷媒は、熱源側熱交換器2にて凝縮され、電動膨張弁4、冷媒管13、16及び電動膨張弁15を経て利用側熱交換器9へ流入し、この利用側熱交換器9にて蒸発して、蒸発潜熱により室内を冷房した後、冷媒管18及び四方弁3を経て圧縮機1へ戻される。
【0041】以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。油分分離タンク35の油出口に配設される開閉弁を切替弁34の切替が複数回繰り返された後、開放するようにしたが、油分分離タンク35に貯溜される冷媒液の量を検出して開閉弁を開放するようにしても良い。
【0042】
【発明の効果】以上のように、油分分離タンクにセンサを取り付け、サージタンクA、Bから流出する冷媒液を検知することにより、サージタンクA、B内のどちらかに液冷媒が満たされたことを判定できる。油分分離タンクに冷媒液が流入したときに、一方のサージタンクに液冷媒が満たされた、または満たされた直後であると判断して、他方のサージタンクから利用側熱交換器へ直ちに液冷媒を圧送する。この結果、サージタンクA、B内の液冷媒を滞ることなく連続的に、かつ確実に利用側熱交換器へ圧送でき、従って、氷蓄熱槽内の氷の冷熱を利用した放冷冷房運転時に従来のこの種の空気調和機のような冷媒液循環ポンプのキャビテーションを生じるおそれもなく法令放冷冷房運転を良好に行える。
【0043】また、小型圧縮機の吸込側に油分分離タンクを設けることにより、小型圧縮機から溢れ出た油をサージタンク内の冷媒液より分離して小型圧縮機に戻す小型圧縮機の油戻し機構を構成したので、高圧ガス冷媒を一つのサージタンク内へ供給しながら、別のサージタンク内から冷媒ガスを吸い込むという動作を行うときも小型圧縮機の潤滑不良及び異常摩耗や焼付きが防止できる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年2月26日(1999.2.26)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
【公開番号】 特開2000−249436(P2000−249436A)
【公開日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【出願番号】 特願平11−50761