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【発明の名称】 製氷機
【発明者】 【氏名】中村 光良

【要約】 【課題】未氷結水を凝縮器の冷却に用いるによって、冷凍装置を小型化することを目的とした。

【解決手段】上面に、凝縮器5、コンプレッサ6と共に冷凍サイクルを構成する冷却器21を備え、下面開口した多数の製氷小室を形成する製氷部3と、この製氷部3の製氷小室を閉塞する傾復動自在な水皿18と、この水皿18から前記製氷小室に噴水する製氷用水を貯留する水タンク19と、この水タンク19の下方に設けられ、水皿18傾動時に未氷結水を受ける排水受14とを備える製氷機SIMにおいて、前記凝縮器5の下方に設けられた冷却水受26と、前記排水受14に設けられ、未氷結水を前記冷却水受26に導入する導入ポンプ16と、前記冷却水受26に貯留される水を、前記凝縮器5の上方に設けられた散水器25に供給する循環ポンプ28とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上面に、凝縮器、圧縮機と共に冷凍サイクルを構成する冷却器を備え、下面開口した多数の製氷小室を形成する製氷部と、この製氷部の製氷小室を閉塞する傾復動自在な水皿と、この水皿から前記製氷小室に噴水する製氷用水を貯留する水タンクと、この水タンクの下方に設けられ、水皿傾動時に未氷結水を受ける排水受とを備える製氷機において、前記凝縮器の下方に設けられた冷却水受と、前記排水受に設けられ、未氷結水を前記冷却水受に導入する導入ポンプと、前記冷却水受に貯留される水を、前記凝縮器の上方に設けられた散水器に供給する循環ポンプとを備えたことを特徴とする製氷機。
【請求項2】 外壁に、凝縮器、圧縮機と共に冷凍サイクルを構成する冷却器を備えた円筒状の製氷部と、この製氷部の円筒内に同心的に挿入されたオーガと、前記製氷部内で氷結しない未氷結水の定期的な排水を受ける排水受とを備え、前記製氷部の内壁に生成した氷を前記オーガにより削取し、上方に移送して圧縮する事により、連続的に氷片を生成する製氷機において、前記凝縮器の下方に設けられた冷却水受と、前記排水受に設けられ、未氷結水を前記冷却水受に導入する導入ポンプと、前記冷却水受に貯留される水を、前記凝縮器の上方に設けられた散水器に供給する循環ポンプとを備えたことを特徴とする製氷機。
【請求項3】 外気温度を検知する温度センサを備え、この温度センサが所定温度以下の場合、散水器からの散水を停止することを特徴とする請求項1又は請求項2いずれか記載の製氷機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凝縮器に散水する事によって凝縮能力の向上を図る製氷機に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に先行する従来技術として、例えば特開平7−167539号公報(F25C 1/04)には、逆セル型製氷機が開示されており、特開平9−269168号公報(F25C 1/14)には、オーガ式製氷機が開示されている。
【0003】逆セル型製氷機は、下面開口した多数の製氷小室に噴水して製氷する製氷工程と、製氷小室に製氷された氷を冷却器にホットガスを流して離氷する離氷工程を繰り返して行うものである。
【0004】そして、この離氷工程時に、製氷されなかった未氷結水を排水するものである。
【0005】また、オーガ式製氷機は、冷却円筒内にオーガが挿入されており、冷却円筒内に生成した氷をオーガが掻き上げて製氷するものである。
【0006】このオーガ式製氷機も、所定時間毎に定時排水が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した様な従来技術において、逆セル型製氷機であっても、オーガ式製氷機であっても、未氷結水は排水されるだけであり、水の無駄となっていた。
【0008】また、製氷機の製氷能力は、外気温により影響を受け易く、冷凍装置の能力は、外気温が約40℃であっても製氷可能としなければならず、必然的に冷凍装置が大型化してしまう問題があった。
【0009】本発明は、上述した様な問題点に鑑みてなされたもので、未氷結水を凝縮器の冷却に用いることによって、冷凍装置を小型化することを目的とした製氷機を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための手段として、本発明の請求項1では、上面に、凝縮器、圧縮機と共に冷凍サイクルを構成する冷却器を備え、下面開口した多数の製氷小室を形成する製氷部と、この製氷部の製氷小室を閉塞する傾復動自在な水皿と、この水皿から前記製氷小室に噴水する製氷用水を貯留する水タンクと、この水タンクの下方に設けられ、水皿傾動時に未氷結水を受ける排水受とを備える製氷機において、前記凝縮器の下方に設けられた冷却水受と、前記排水受に設けられ、未氷結水を前記冷却水受に導入する導入ポンプと、前記冷却水受に貯留される水を、前記凝縮器の上方に設けられた散水器に供給する循環ポンプとを備えた製氷機を提供する。
【0011】また、請求項2の発明では、外壁に、凝縮器、圧縮機と共に冷凍サイクルを構成する冷却器を備えた円筒状の製氷部と、この製氷部の円筒内に同心的に挿入されたオーガと、前記製氷部内で氷結しない未氷結水の定期的な排水を受ける排水受とを備え、前記製氷部の内壁に生成した氷を前記オーガにより削取し、上方に移送して圧縮する事により、連続的に氷片を生成する製氷機において、前記凝縮器の下方に設けられた冷却水受と、前記排水受に設けられ、未氷結水を前記冷却水受に導入する導入ポンプと、前記冷却水受に貯留される水を、前記凝縮器の上方に設けられた散水器に供給する循環ポンプとを備えた製氷機を提供する。
【0012】この様に、排水受に排水された未氷結水(約0℃に近い低温)を冷却水受に導入し、冷却水受に導入された未氷結水を散水器から凝縮器に散水する。
【0013】また、請求項3の発明では、外気温度を検知する温度センサを備え、この温度センサが所定温度以下の場合、散水器からの散水を停止する請求項1又は請求項2いずれか記載の製氷機を提供する。
【0014】この様に、外気温度が所定温度以下の低外気温である場合、散水器からの散水を停止する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】図1は逆セル型製氷機の一部破断した正面図、図2は本発明の逆セル型製氷機のフローチャート、図3はオーガ式製氷機の一部破断した正面図、図4は本発明のオーガ式製氷機のフローチャートである。
【0017】図1におけるSIMは逆セル型製氷機を示し、図3におけるOIMはオーガ式製氷機を示し、いずれもスタックオンタイプと称する各ユニットを積み重ねて構成するものである。
【0018】このスタックオンタイプの製氷機は、図1及び図3に示す如く、前面開口し、最下部に位置する下段貯氷ユニット1と、この下段貯氷ユニット1の上に載置される中段貯氷ユニット2と、この中段貯氷ユニット2の上に設けられ、製氷部3が設けられる製氷ユニット4と、この製氷ユニット4の上に設けられ、前記製氷部3と共に冷凍サイクルを構成する凝縮器5、圧縮機(以下、コンプレッサと称する)6を備える機械室ユニット7とからなるものである。
【0019】前記下段貯氷ユニット1は、前面開口を開閉自在な断熱扉8にて閉塞されており、下辺を軸に前方に回動自在となっていると共に、断熱扉8の上辺には把手9が設けられている。
【0020】また、下段貯氷ユニット1の外箱10はステンレススチールにて形成されており、内側には塩化ビニールなどの熱伝導性の低い材質で形成された内箱(図示せず)が断熱材を介して設けられている。そして、この内箱に製氷部3で製氷された氷を溜めるものである。
【0021】更に、この下段貯氷ユニット1の底面には、台脚11が四隅に取り付けられている。
【0022】次に、中段貯氷ユニット2は枠状に形成されており、ステンレススチール製の外枠12と、この外枠12内に断熱材を介して設けられ、塩化ビニールなどの熱伝導性の低い材質で形成された内枠(図示せず)とからなるものである。
【0023】そして、この中段貯氷ユニット2の前面には開口が形成されており、スライド式の透明扉13が設けられているものである。
【0024】次に、製氷ユニット4には、前述した如く製氷部3が設けられており、この製氷部3の下方には、製氷部3から未氷結水を受ける排水受14が設けられている。この排水受14には、導入管15が設けられており、この導入管15には導入ポンプ16が設けられている。
【0025】ここで、図1に示す前記製氷部3は、下面開口した多数の製氷小室を形成する製氷皿17と、この製氷皿17の下面開口を傾復動自在に閉塞する水皿18と、この水皿18の下側に設けられ、製氷用水を貯留する水タンク19と、この水タンク19の製氷用水を、水皿18から前記製氷皿17の製氷小室に噴水するため、水タンク19の下部に設けられた製氷ポンプ20とを備えている。
【0026】そして、前記製氷皿17の上面には、この製氷皿17を冷却するための冷却器21が設けられており、この製氷皿17及び冷却器21は銅材に錫メッキを施してなるものである。尚、22は膨張弁である。更に、製氷ユニット4には、前記水皿18上に散水するための水供給用散水器23、この水供給用散水器23に供給する製氷用水を貯留すると共に、外部水道系から水の供給を受ける貯水タンク24を備えている。
【0027】また、機械室ユニット7には、前述した如く凝縮器5及びコンプレッサ6が設けられており、前記凝縮器5の上方には冷却用散水器25が設けられ、下方にはこの冷却用散水器25からの散水を受ける冷却水受26が設けられている。尚、前記凝縮器5はプレートフィンタイプと称し、複数枚の薄いアルミニウム板を冷媒管が貫通して形成されている。
【0028】更に、この冷却水受26には、前記導入管15の出口が臨んでおり、前記導入ポンプ16にて未氷結水が導入されるものである。また、前記冷却水受26には、前記冷却用散水器25と接続された循環用水配管27と、この循環用水配管27に設けられ、冷却水受26の水を前記冷却用散水器25に送るための循環ポンプ28とが設けられている。
【0029】また、前記冷却用散水器25の上方には風向板29が設けられており、その上方には前記凝縮器5を冷却するための送風機(以下、コンデンサファンと称する)30が設けられている。
【0030】更に、前記凝縮器5の吐出側冷媒配管には、凝縮器5の吐出冷媒温度を検知するための凝縮器温度センサ(以下、CTセンサと称する)31が取り付けられている。
【0031】以上の構成にして、本発明の制御を図2のフローチャートを参照して説明する。
【0032】先ず、離氷工程か否か判断し(ステップS1)、離氷工程であれば(Y)、離氷工程終了まで待つ(ステップS2)。尚、離氷工程は、前記冷却器21にコンプレッサ6の吐出冷媒(ホットガス)を直接流入させ、製氷皿17を加熱し、製氷皿に生成された氷の周囲を溶かして氷を前述した下段貯氷ユニット1や中段貯氷ユニット2に落下させるものである。
【0033】そして、ステップS2で離氷工程が終了していれば(Y)、排水受14に未氷結水が排水されているので、導入ポンプ16をONする(ステップS3)。尚、この逆セル型製氷機SIMにおける未氷結水とは、製氷終了時、水タンク19内に残っている水であり、排水受14にはこの0℃に近い未氷結水と、離氷時に水供給用散水器23から水皿18表面に流す水とが排水される。
【0034】この様に、排水受14に溜まった略0℃に近い未氷結水を、前記機械室ユニット7の前記冷却水受26に導入する。尚、この冷却水受26には、図示しないがオーバーフローパイプが設けられており、水が所定量以上導入された場合、排水可能となっている。
【0035】また、ステップS1で離氷工程でない場合(N)、製氷工程か否か判断し(ステップS4)、製氷工程でなく貯氷工程であれば(N)、製氷工程になるまで待つ。
【0036】ステップS4で製氷工程であれば(Y)、CTセンサ31の検知温度が所定温度(本実施形態では40℃)以上か否か判断し(ステップS5)、所定温度以上であれば(Y)、循環ポンプ28及びコンデンサファン30を駆動させる(ステップS6)。
【0037】即ち、CTセンサ温度が40℃以上である場合、逆セル型製氷機SIMやオーガ式製氷機OIMの周囲温度(外気温度)が高いため、凝縮器5の凝縮能力を向上させるため、コンデンサファン30にて空気冷却すると共に、循環ポンプ28を駆動して冷却用散水器25から凝縮器5に向けて散水して水冷却する。
【0038】また、ステップS5でCTセンサ31が所定温度以下を検知した場合(N)、循環ポンプ28はOFFして駆動させず、コンデンサファン30をONして空気冷却のみを行う(ステップS7)。
【0039】以上により、低外気温、高外気温のいずれの条件においても、最適な凝縮能力を得る事ができる。
【0040】次に、図3及び図4を参照して、他の実施形態を説明する。この実施形態は、前述した実施形態と製氷部3の構造が相違するため、この製氷部3の相違する構成のみについて説明する。その他の部分は同じ構成である。この図3及び図4に示す製氷部3は、オーガ式と称するもので、円筒の外面に冷却器を巻回した冷却円筒32と、この冷却円筒32内に挿入され、螺旋刃を備える図示しないオーガとからなるものである。
【0041】このオーガは冷却円筒32の下部に設けられ、モータなどの駆動装置と減速機構とを組み込んだ駆動部33にて所定方向に回転するものである。
【0042】このオーガ式とは、前記冷却円筒32内に所定量の製氷用水が溜められ、前述した冷却器にて冷却され、冷却円筒32内面に生成される氷を、オーガが掻き上げて製氷するものである。
【0043】尚、オーガ式製氷機は、冷却円筒32内に貯留した水を冷却して製氷する関係上、製氷用水を所定時間毎に入れ替える定時排水が必要となってくる。
【0044】以上の構成にして、図4を参照して本発明のフローチャートを説明する。
【0045】ここで、以下には図2のフローチャートと相違する点のみについて説明する。
【0046】先ず、オーガ式製氷機であるため、定時排水が行われたか否か判断し(ステップS8)、定時排水であれば(Y)、定時排水が終了するまで待つ(ステップS9)。
【0047】そして、定時排水が終了した後は(Y)、前記排水受14に未氷結水が溜まっているので、導入ポンプ16をONし(ステップS3)、前記冷却水受26に未氷結水を導入する。尚、このオーガ式製氷機OIMにおける未氷結水とは、冷却円筒32内に溜められた製氷用水の内、氷結しないまま、定時排水となった場合に排水される略0℃の水である。
【0048】また、ステップS8で定時排水でない場合(N)、図2のステップS4以降と同様の制御を行う。
【0049】
【発明の効果】 以上詳述した如く、本発明によると、離氷工程時、または定時排水時に排水される未氷結水を凝縮器冷却用の冷却水として用いるため、高外気温であっても十分な凝縮能力が得られ、冷凍装置自体の小型化を図る事ができる。
【0050】また、低外気温時には、冷却水を用いないよう調整するため、過冷却となる事を防止でき、外気温に関わらず、所望の凝縮能力を得る事ができる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年1月13日(1999.1.13)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
【公開番号】 特開2000−205710(P2000−205710A)
【公開日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【出願番号】 特願平11−6597