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【発明の名称】 冷蔵庫用自動製氷機
【発明者】 【氏名】川端 知宏

【氏名】黒田 貴司

【要約】 【課題】製氷皿が着脱可能な冷蔵庫用自動製氷機において、製氷皿の着脱に伴う製氷皿に対する温度検出手段の着脱を容易として、製氷皿の着脱の作業性向上および汎用性の向上を図ること。

【解決手段】サーミスタ9bで検出した温度条件を含んで離氷タイミング判定を行い、離氷タイミング判定時にモータアクチュエータ2を駆動させる自動製氷コントローラ12を備え、離氷タイミング判定に基づいて製氷皿1を反転させた時にストッパ軸7により回動規制を行うことにより製氷皿1を変形させて離氷を行うように構成されているとともに、製氷皿1が着脱可能に構成された冷蔵庫用自動製氷機において、サーミスタ9bを、一端がアクチュエータ出力軸3側に固定された板ばね部材9aの他端である自由端にカバー部材9cを介して取り付け、この板ばね部材9aの付勢力により製氷皿1の裏面に圧接させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 製氷皿と、製氷皿を回動自在にかつ着脱可能に支持する軸受機構と、軸受機構にてアクチュエータ出力軸から製氷皿に対して回動力を与えるアクチュエータと、製氷皿の温度を検出する温度検出手段と、製氷皿の回動を所定位置で規制するストッパ手段と、を備え、温度検出手段が検出した温度条件を含んで離氷タイミング判定を行い、離氷タイミング判定時にアクチュエータを駆動させるコントローラと、を備え、離氷タイミング判定に基づいて製氷皿を反転させた時にストッパ手段により回動規制を行うことにより製氷皿を変形させて離氷を行うように構成されているとともに、製氷皿が着脱可能に構成された冷蔵庫用自動製氷機において、前記温度検出手段が、一端がアクチュエータ出力軸側に固定されたばね部材の他端である自由端に取り付けられて、このばね部材の付勢力により製氷皿の裏面に圧接されていることを特徴とする冷蔵庫用自動製氷機。
【請求項2】 製氷皿と、製氷皿を回動自在にかつ着脱可能に支持する軸受機構と、軸受機構にてアクチュエータ出力軸から製氷皿に対して回動力を与えるアクチュエータと、製氷皿の温度を検出する温度検出手段と、製氷皿の回動を所定位置で規制するストッパ手段と、を備え、温度検出手段が検出した温度条件を含んで離氷タイミング判定を行い、離氷タイミング判定時にアクチュエータを駆動させるコントローラと、を備え、離氷タイミング判定に基づいて製氷皿を反転させた時にストッパ手段により回動規制を行うことにより製氷皿を変形させて離氷を行うように構成されているとともに、製氷皿が着脱可能に構成された冷蔵庫用自動製氷機において、前記温度検出手段が、アクチュエータ出力軸内に配置され、前記製氷皿の裏面から軸受機構に向けて伝熱部材が延在され、この伝熱部材の先端が、製氷皿の取付状態で温度検出手段に当接されるよう配置されていることを特徴とする冷蔵庫用自動製氷機。
【請求項3】 前記軸受機構として、製氷皿に一体的に設けられた支持軸とアクチュエータ出力軸との間で回動力を伝達されるよう構成された出力軸受機構が設けられ、この出力軸受機構が、製氷皿を水平とした状態で製氷皿を上下方向に移動させることにより着脱可能とするよう構成され、前記出力軸受機構の周囲に、製氷皿が水平状態から離氷方向に回動した傾斜状態では、製氷皿の着脱を阻止する阻止部材が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の冷蔵庫用自動製氷機。
【請求項4】 前記軸受機構として、製氷皿の前記出力軸受機構が設けられているのとは反対側の端部にて、製氷皿に一体的に設けられた支持軸と製氷機の壁との間に支持軸受機構が設けられ、この支持軸受機構も、製氷皿を水平とした状態で製氷皿を上下方向に移動させることにより着脱可能とするよう構成され、前記支持軸受機構の周囲に、製氷皿が水平状態から離氷方向に回動した傾斜状態では、製氷皿の着脱を阻止する阻止部材が設けられていることを特徴とする請求項3記載の冷蔵庫用自動製氷機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に家庭用冷蔵庫の製氷室に設置される冷蔵庫用自動製氷機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷蔵庫用の自動製氷機は、実公昭54−17139号公報などにより公知である。このような自動製氷機では、繰り返し製氷を行っていくと、製氷皿が水に含まれている不純物が付着するという問題があった。
【0003】そこで、このような問題を解決すべく、製氷皿を着脱自在とした技術が、特開平5−306858号公報により公知である。この従来出典には、図12に示すように、中央部に支持軸102,102を有する製氷皿101と、支持軸102,102を中心として製氷皿101を回動させる駆動装置103と、駆動装置103と支持軸102,102とを回動伝達可能かつ着脱可能につなぐ軸受け装置104と、製氷皿101を反転させた時にその回動を規制させることにより製氷皿101を変形させて離氷するためのストッパ105とを備え、前記軸受け装置104は、駆動装置103の回転動力を支持軸102,102に伝達可能な軸受け板106と、軸受け板106を軸方向に可動させるためのコイルスプリング107と、製氷皿101の支持軸102,102に取り付けられたピン108と係合する係合溝109とから構成されたものが記載されている。
【0004】上記の従来技術では、コイルスプリング107の付勢力により軸受け板106に形成された係合溝109と支持軸102,102側のピン108とを係合状態に維持させることにより製氷皿101を駆動装置103からの回動トルクを伝達可能な状態に支持装着する共に、コイルスプリング107の付勢力に抗して軸受け板106を軸方向に移動させることにより、係合溝109に対するピン108の係合状態を解除させ、これにより製氷皿101の取り外し洗浄を可能としたものであった。
【0005】ところで、従来の冷蔵庫用自動製氷機においては、製氷皿内の製氷状態を検出するために、製氷皿の裏面にサーミスタ(温度検出手段)が取り付られたものがある。一般的に、その取付構造は、製氷皿の裏面凹部にサーミスタを嵌め込み、その下面を外気温に触れないように発泡スチロール等の断熱部材でカバーした状態で、固定板で製氷皿に固定した構造となっており、サーミスタは、駆動装置103の駆動を制御するコントローラに配線で接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のように、製氷皿の裏面にサーミスタが取り外し不能な状態で一体に固定されたものにあっては、特開平5−306858号公報に記載の技術を適用しても、サーミスタが配線でコントローラに接続されているため、サーミスタの配線の長さを越えて製氷皿を取り出すことができず、製氷皿の洗浄が困難であるという問題がある。そこで、これを解決するには、サーミスタの配線の途中に、サーミスタの着脱を可能とするコネクタなどを設けることが考えられるが、この場合、製氷皿の着脱作業に加えて、サーミスタの配線途中のコネクタの断接作業も必要であり、作業の手間が増えて作業性が悪いとともに、技術知識に乏しい人による作業が難しく汎用性に欠ける。
【0007】ちなみに、温度検知手段(サーミスタ)を設けることなく、時間管理のみにより製氷判断を行うことも従来実行されていたが、この場合、製氷判断の精度が低く、確実に製氷されてから離氷を行うようにするには、製氷開始から製氷と判断するまでの時間を充分に長く確保する必要があり、製氷効率の悪化を招く。
【0008】また、製氷皿の取付時には、支持軸102およびピン108と係合溝109との位置が完全に一致しないと取り付けることができないものであり、作業性が悪く、この作業性の改善も望まれていた。
【0009】本発明は上述の従来の問題に着目してなされたもので、製氷皿が着脱可能な冷蔵庫用自動製氷機において、製氷皿の着脱に伴う製氷皿に対する温度検出手段の着脱を容易として、製氷皿の着脱の作業性向上および汎用性の向上を図ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的達成のため、請求項1記載の発明は、製氷皿と、製氷皿を回動自在にかつ着脱可能に支持する軸受機構と、軸受機構にてアクチュエータ出力軸から製氷皿に対して回動力を与えるアクチュエータと、製氷皿の温度を検出する温度検出手段と、製氷皿の回動を所定位置で規制するストッパ手段と、を備え、温度検出手段が検出した温度条件を含んで離氷タイミング判定を行い、離氷タイミング判定時にアクチュエータを駆動させるコントローラと、を備え、離氷タイミング判定に基づいて製氷皿を反転させた時にストッパ手段により回動規制を行うことにより製氷皿を変形させて離氷を行うように構成されているとともに、製氷皿が着脱可能に構成された冷蔵庫用自動製氷機において、前記温度検出手段を、一端がアクチュエータ出力軸側に固定されたばね部材の他端である自由端に取り付けて、このばね部材の付勢力により製氷皿の裏面に圧接させた。また、請求項2記載の発明は、製氷皿と、製氷皿を回動自在にかつ着脱可能に支持する軸受機構と、軸受機構にてアクチュエータ出力軸から製氷皿に対して回動力を与えるアクチュエータと、製氷皿の温度を検出する温度検出手段と、製氷皿の回動を所定位置で規制するストッパ手段と、を備え、温度検出手段が検出した温度条件を含んで離氷タイミング判定を行い、離氷タイミング判定時にアクチュエータを駆動させるコントローラと、を備え、離氷タイミング判定に基づいて製氷皿を反転させた時にストッパ手段により回動規制を行うことにより製氷皿を変形させて離氷を行うように構成されているとともに、製氷皿が着脱可能に構成された冷蔵庫用自動製氷機において、前記温度検出手段を、アクチュエータ出力軸内に配置し、前記製氷皿の裏面から軸受機構に向けて伝熱部材を延在させ、この伝熱部材の先端が、製氷皿の取付状態で温度検出手段に当接されるよう配置させた。なお、請求項3に記載のように、請求項1または2記載の冷蔵庫用自動製氷機において、前記軸受機構として、製氷皿に一体的に設けられた支持軸とアクチュエータ出力軸との間で回動力を伝達されるよう構成された出力軸受機構を、製氷皿を水平とした状態で製氷皿を上下方向に移動させることにより着脱可能とするよう構成し、前記出力軸受機構の周囲に、製氷皿が水平状態から離氷方向に回動した傾斜状態では、製氷皿の着脱を阻止する阻止部材を設けることが好ましい。また、請求項4に記載のように、請求項3記載の冷蔵庫用自動製氷機において、前記軸受機構として、製氷皿の前記出力軸受機構が設けられているのとは反対側の端部にて、製氷皿に一体的に設けられた支持軸と製氷機の壁との間に設けられた支持軸受機構を、製氷皿を水平とした状態で製氷皿を上下方向に移動させることにより着脱可能とするよう構成し、前記支持軸受機構の周囲に、製氷皿が水平状態から離氷方向に回動した傾斜状態では、製氷皿の着脱を阻止する阻止部材を設けることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)実施の形態1の冷蔵庫用自動製氷機は請求項1,3,4記載の発明に対応している。まず、構成を説明する。図1は実施の形態1の冷蔵庫用自動製氷機を示す平面図、図2は実施の形態1の冷蔵庫用自動製氷機を示す分解斜視図、図3および図4は実施の形態1の要部の拡大分解斜視図、図5は実施の形態1の作動説明図、図6は実施の形態1の製氷皿の拡大縦断面図、図7は実施の形態1の作動説明図である。
【0012】図1,2において、1は製氷皿、2はモータアクチュエータ、3はアクチュエータ出力軸、4,5は支持軸、6は軸支壁、7はストッパ軸(ストッパ手段に相当)、8は支持軸受機構、9は製氷温度検出装置(温度検出手段に相当)、12は自動製氷コントローラ、30は出力軸受機構である。
【0013】前記製氷皿1は、離氷後の原点位置復帰状態で皿凹部に注水し、これを冷却して氷を製造する皿で、外力を加えることで変形し外力を解除することにより元の状態に復帰可能な可撓性材料により形成されている。そして、その一方の端面の軸心部に設けられた支持軸4は、支持軸受機構8を介して軸支壁6に設けられた回動軸8aに対し回動自在かつ着脱可能に支持されている。また、他方の端面軸心部に設けられた支持軸5は、出力軸受機構30を介してアクチュエータ出力軸3に対し回動自在かつ着脱可能に支持されている。
【0014】前記出力軸受機構30は、支持軸5の先端部に形成された断面略U字形状の雌溝5aと、アクチュエータ出力軸3の先端部に形成されて、雌溝5aと係合可能な雄軸3cとを備えている。なお、雄軸3cの外側面には、互いに平行な係合面3a,3bが形成されている。
【0015】そして、前記アクチュエータ出力軸3を突出させたモータアクチュエータ2のケース2aには、係合状態の支持軸5に対して、上面開口部11bを除いて外周面に沿ってカバーする断面略U字状に形成されたカバー部材11が一体に突出形成されている。このカバー部材11は、製氷皿1を水平にした時のみ図5(イ)に示すようにアクチュエータ出力軸3に対して支持軸5を矢印方向に移動させて着脱可能とするものである。なお、上面開口部11bの左右には、支持軸5の雌溝5aをアクチュエータ出力軸3の雄軸3cに対して係合するよう案内する断面逆ハの字状の案内部11aが形成されている。
【0016】次に、支持軸受機構8は、上記出力軸受機構30と同様の構成であり、軸支壁6に対し回動自在に支持された回動軸8aと、回動軸8aの先端に設けられた雄軸80と、支持軸4の先端部に形成された雌溝4aとを備えている。なお、雄軸80には、左右平行な係合面8c,8dが形成され、また、軸支壁6には、カバー部材8bが設けられ、カバー部材8bの上面開口部8fの左右には、断面逆ハの字状の案内部8eが設けられている。
【0017】前記ストッパ軸7は、製氷皿1が反転した離氷タイミングにおいて製氷皿1におけるアクチュエータ出力軸3の回動入力側端部とは軸方向反対側端部においてその回動を規制させることにより製氷皿1を捻って離氷するための手段であり、軸支壁6から突出する状態で設けられている。
【0018】前記モータアクチュエータ2は、内部構造については図示を省略したがボックス型のケース2a内に収納されたモータと、モータ軸に設けられた入力ギヤからアクチュエータ出力軸3に設けられた出力ギヤまで多段階にてギヤ噛合させた歯車減速機構とを備え、支持軸5をアクチュエータ出力軸3に対し回動伝達可能に連結された製氷皿1をモータの駆動により両支持軸4,5を中心として回動させる。
【0019】また、製氷皿1の捻りは、図7に示すように、アクチュエータ出力軸3側が170°まで回動するのに対し、アクチュエータ出力軸3と反対側に設定されたストッパ軸7が135°の位置で支持軸4側の回動を規制させることで角度差35°の捻り角が与えられる。なお、製氷皿1の真下位置には、図外の貯氷容器が配置されている。
【0020】前記製氷温度検出装置9は、製氷皿における製氷状態を判定するために製氷皿の温度を検出する装置であり、図2に示すように、板ばね部材9aと、サーミスタ(温度検出手段)9bと、カバー部材9cとを備えている。前記板ばね部材9aは、基端側がアクチュエータ出力軸3に対し、図示の原点状態でアクチュエータ出力軸3の裏面に固定され、この固定端から一旦下方へ折曲された後、他端の自由端側が製氷皿1の回動軸線方向に沿って製氷皿1の下部中央位置まで延設されている。また、サーミスタ9bは、板ばね部材9aの自由端に取り付けられており、図6に示すように、製氷皿1の裏面に当接できる断面形状に形成され、前記板ばね部材9aの弾発力により製氷皿1の裏面に圧接されている。また、前記カバー部材9cは、サーミスタ9bの下面側を覆うことにより、その下面露出側を外気温に触れないようにするための部材であり、発泡スチロールなどの断熱部材で形成されている。なお、図において9dはサーミスタ9bの配線であり、自動製氷コントローラ12に接続されている。
【0021】なお、図5に示すように、アクチュエータ出力軸3ならびに支持軸5と、カバー部材11との間には、前記板ばね部材9aがアクチュエータ出力軸3と共に回動するのを許容する隙間が設けられている。したがって、アクチュエータ出力軸3が回動した時には、製氷温度検出手段9は製氷皿1と一体に回動することになる。
【0022】前記自動製氷コントローラ12は、マイコンと入力回路とドライバを有し、モータアクチュエータ2に対し、ハーネス10を介して接続され、図外のモータの駆動制御を行なう。この自動製氷コントローラ12には、サーミスタ9bで検出された製氷皿1の温度ならびに時間条件に基づく離氷タイミング判定時には、製氷皿1を図7において時計回り方向に回動させる指令をモータに出力し、アクチュエータ出力軸3が170°回動させて離氷させた後、製氷皿1を反時計回りに回動させて原点位置に復帰させる制御ソフトを備えている。
【0023】次に、作用効果を説明する。
[製氷時]まず、原点位置復帰状態、すなわち、図7(イ)に示すように、製氷皿1の水平状態において、各皿凹部内に注水し、これを冷却して氷を製造する。
【0024】[離氷タイミング判定時]製氷皿1に注水された水の製氷完了による離氷タイミング時期の判定は、サーミスタ9bで検出する製氷皿1の温度、ならびに時間条件により行われる。
【0025】[離氷時]次に、自動製氷コントローラ12の離氷タイミング判定に基づき、製氷皿1を図7(イ)の水平製氷状態から、時計回りに170°だけ回動させる指令をケース2a内に備えた図外のモータに出力し、これにより、図7(ロ)の実線で示すように、製氷皿1が135°回動した時点で、製氷皿1における支持軸4側端部の一方の幅方向端部がストッパ軸7に当接して支持軸4側端部の回動が規制された状態となり、この状態からアクチュエータ出力軸3をさらに時計方向に35°回動することで、図7(ロ)の点線で示すように、製氷皿1におけるアクチュエータ出力軸3側端部のみをさらに35°(水平な製氷状態からは170°)時計方向に回動させ、これにより、製氷皿1が実線と点線で示すように、軸方向両端部相互間において35°捻られ、離氷される。
【0026】そして、この離氷状態から、アクチュエータ出力軸3を反時計方向に逆回動させていくと、製氷皿1の捻り状態が徐々に解除されていき、35°逆回動した時点で捻り状態が完全に解除され、少なくともこの時点で製氷皿1から離氷された氷が、その真下位置に配置された図外の貯氷容器内に落下収容され、製氷皿1は、その後、図7(イ)の水平な製氷状態まで戻される。以後は、以上の製氷、離氷が繰り返される。
【0027】なお、以上の離氷時にあっては、出力軸受機構30にあっては、図5(ロ)に示すように、支持軸5ならびにアクチュエータ出力軸3が傾き、この状態で製氷皿1を取り外そうとしても、支持軸5をカバー部材11の上面開口部11bの方向へ移動させることは困難であり、取り外すことができない。また、支持軸受機構8においても同様である。
【0028】[製氷皿洗浄時]製氷皿1の洗浄に際しては、製氷皿1が水平な状態、すなわち離氷を行っていない状態で、製氷皿1を上方に持ち上げると、図5(イ)に示すように、出力軸受機構30において、支持軸5がアクチュエータ出力軸3に対して上方へ移動し、また、図示は省略するが支持軸受機構8にあっても、支持軸4が回動軸8aに対して上方に移動し、製氷皿1を簡単に取り外すことができる。
【0029】そして、以上のように、製氷皿1を取り外す際、前記製氷温度検出手段9のサーミスタ9bは、図2に示すように、板ばね部材9aにより製氷皿1の裏面に圧接されているだけであるから、製氷皿1を上方に移動させれば、サーミスタ9bと製氷皿1との関係が絶たれ、製氷皿1のみを単独で取り外して洗浄することができる。また、製氷皿1を取り付ける際には、アクチュエータ出力軸3ならびに回動軸8aの上に支持軸5,4を配置させた状態から製氷皿1を下方に移動させると、図5(イ)に示すように、支持軸5の雌溝5aがアクチュエータ出力軸3の雄軸3cと係合するとともに、支持軸4の雌溝4aが回動軸8aの雄軸80と係合して、取付状態となる。そして、この取付状態において、図6に示すようにサーミスタ9bが製氷皿1の裏面に圧接される。
【0030】以上説明したように、実施の形態1の冷蔵庫用自動製氷機にあっては、製氷皿1を着脱すると、それに伴って、コネクタなどの接続を外す作業を行うことなくサーミスタ9bと製氷皿1との関係を絶つことができ、着脱作業が容易となるという効果を奏する。さらに、実施の形態1では、製氷皿1の着脱を、製氷皿1が水平である時に限って、製氷皿1を上下方向に移動させて着脱することができ、製氷皿1が水平から少しでも回動した時には着脱できないように構成したため、製氷皿1の着脱作業が容易となるとともに、モータアクチュエータ2の回動トルクにより製氷皿1が外れてしまって水がこぼれるなどの不具合が生じることがないとともに、離氷作動途中で誤って製氷皿1を取り外そうとしても製氷皿1が外れることがなく、水がこぼれたり制御に不具合が生じることを防止できる。
(実施の形態2)実施の形態2の冷蔵庫用自動製氷機は請求項2記載の発明に対応している。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付してその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0031】まず、構成を説明する。図8は実施の形態2の冷蔵庫用自動製氷機を示す平面図、図9は実施の形態1の冷蔵庫用自動製氷機を示す分解斜視図、図10は図8のS10−S10線における断面図、図11は実施の形態2の冷蔵庫用自動製氷機における出力軸受機構の要部拡大断面である。
【0032】出力軸受機構230は、アクチュエータ出力軸3の先端部に形成された断面方形状の雄軸部30aと、支持軸5の先端部に形成された断面方形状の雌穴部50aとを嵌合させる構成となっている。また、支持軸受機構28は、回動軸8aの先端部に形成された断面方形状の雄軸部80cと、支持軸4の先端部に形成された断面方形状の雌穴部40aとを嵌合させる構成となっている。そして、回動軸8aは、スプリング80bにより軸支壁6から突出する方向に付勢されている。
【0033】この実施の形態2の温度検出手段に相当するサーミスタ91は、図11に示すように、アクチュエータ出力軸3の内部に設けられている。一方、製氷皿1の内部には、成形時に伝熱部材92が埋め込まれており、この伝熱部材92の先端部の突出部92cが前記雌穴部50a内に配置されて、前記サーミスタ91に当接するよう構成されている。前記伝熱部材92は、製氷皿1の温度をサーミスタ91に伝達するための部材であり、例えば、銅などの伝熱性に優れた金属板で構成され、図8および図10に示すように、製氷皿1の軸線方向に沿った一本の本線92aと、本線92aから分岐された複数本の分岐線92bとで枝状に形成されており、製氷皿1を製造する際に、インサート成形法により製氷皿1の内部に埋め込まれた状態で一体に設けられている。そして、本線92aの先端が、雌穴部50a内に突出された先端部が上方へ折曲されて前記突出部92cが構成され、この突出部92cが、製氷皿1の装着状態において、コイルスプリング8bの付勢力によって、サーミスタ91の先端面に当接される。
【0034】以上のように構成された実施の形態2にあっては、製氷皿1の温度は、製氷皿1にインサート配置された伝熱部材92を介してサーミスタ91で検出される。製氷皿1の洗浄に際しては、コイルスプリング8bの付勢力に抗して製氷皿1および回動軸8aを軸方向に移動させることにより、支持軸5の雌穴部50aとアクチュエータ出力軸3の雄軸部30aとの係合を解除し、次いで、製氷皿1を以上とは逆の軸方向に移動させることにより、支持軸4の雌穴部40aと回動軸8aの雄軸部80aとの係合が解除され、これにより、製氷皿1を取り外すことができ、また、これと共にサーミスタ91と伝熱部材92の突出部92cとの当接状態が解除される。したがって、製氷皿1を取り外すだけでサーミスタ91との関係も絶たれ、コネクタなどを外す作業を行うことなく製氷皿1を取り外して洗浄することができ、作業性に優れている。
【0035】また、伝熱部材92を、製氷皿1の軸線方向に沿った一本の本線92aと、本線92aから分岐した複数本の分岐線92bとで構成することにより、製氷皿1の全体の温度を、サーミスタ1に伝えることができ、高い検出精度が得られ、しかも、伝熱部材92により製氷皿1の強度が高まる。
【0036】(他の実施の形態)実施の形態2で示した軸方向に嵌合させる出力軸受機構230ならびに支持軸受機構28と、実施の形態1で示した製氷温度検出装置9とを組み合わせてもよいし、これとは逆に、実施の形態1で示した上下方向に着脱可能な出力軸受機構30ならびに支持軸受機構8と、実施の形態2で示したサーミスタ91と伝熱部材92との構成を組み合わせてもよい。実施の形態1,2では、ストッパ手段を、製氷皿1が当接してその回動を停止させるストッパ軸7で構成させる例を示したが、支持軸5の回動を規制させる構造のものであっても良い。実施の形態1,2では、ストッパ手段を構成するストッパ軸7を一個所のみ設けた例を示したが、2個所に設けても良い。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、温度検出手段を、一端がアクチュエータ出力軸側に固定されたばね部材の他端である自由端に取り付け、このばね部材の付勢力により製氷皿の裏面に圧接させる構成としたため、製氷皿を着脱すると、温度検出手段も製氷皿に対して着脱されるものであり、製氷皿の着脱に伴い温度検出手段とコントローラとの脱着作業などが不要であり、製氷皿の着脱作業が非常に容易となるという効果を奏する。そして、このように製氷皿の着脱時にコネクタなどを接続・切断して温度検出手段とコントローラとの接続・切断作業が不要であるから、技術知識に乏しい人でも着脱作業を可能として汎用性の向上を図ることができ、また、コネクタなどを不要としてコストダウンを図ることができるという効果を奏する。請求項2記載の発明にあっては、温度検出手段を、アクチュエータ出力軸内に配置し、製氷皿に軸受機構に向けて伝熱部材を延在させ、製氷皿の取付状態で伝熱部材の先端部が温度検出手段に当接するように構成したため、製氷皿の取付状態では製氷皿の温度が伝熱材を介して温度検出手段に伝えられて、温度検出可能でありながら、製氷皿を外せば伝熱部材と温度検出手段とが外れるもので、製氷皿の着脱作業が非常に容易であるという効果を奏する。そして、製氷皿の着脱時にコネクタなどを接続・切断して温度検出手段とコントローラとの接続・切断作業が不要であるから、技術知識に乏しい人でも着脱作業を可能として汎用性の向上を図ることができ、また、コネクタなどを不要としてコストダウンを図ることができるという効果を奏する。請求項3記載の発明にあっては、製氷皿に一体的に設けられた支持軸とアクチュエータ出力軸との間で回動力を伝達されるよう構成された出力軸受機構を、製氷皿を水平とした状態で製氷皿を上下方向に移動させることにより着脱可能とするよう構成し、出力軸受機構の周囲に、製氷皿が水平状態から離氷方向に回動した傾斜状態では、製氷皿の着脱を阻止する阻止部材を設けた構成としたため、製氷皿のアクチュエータ出力軸に対する脱着作業が製氷皿を上下に移動させる作業となり、上述の請求項1または2記載の発明による温度検出手段と製氷皿の脱着作業が容易になる効果に加えて、製氷皿自体の脱着作業も容易となるという効果が得られる。さらに、製氷皿を回動させたり氷時にはアクチュエータ出力軸から製氷皿を取り外すことが阻止部材により阻止されるため、離氷作動時にこれを知らずに誤って製氷皿を取り外して注水すべき水がこぼれたり、コントローラの制御に不具合が生じることがないという効果を奏し、また離氷作動時にアクチュエータの回動トルクが、製氷皿を外す方向に作用してしまったとしても、この脱落が阻止部材により阻止され、製氷皿の脱落による水がこぼれるなどの不具合を防止できるという効果を奏する。請求項4記載の発明では、製氷皿の出力軸受機構が設けられているのとは反対側の端部において、製氷皿に一体的に設けられた支持軸と製氷機の壁との間に設けられて、製氷皿を回動可能に支持する支持軸受機構も、製氷皿を水平とした状態で製氷皿を上下方向に移動させることにより着脱可能とするよう構成し、支持軸受機構の周囲に、製氷皿が水平状態から離氷方向に回動した傾斜状態では、製氷皿の着脱を阻止する阻止部材を設けた構成としたため、製氷皿を上下に移動させる作業だけで製氷皿全体を取り外すことができ、製氷皿の着脱作業がいっそう容易となるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニック株式会社
【出願日】 平成10年9月11日(1998.9.11)
【代理人】 【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟 (外1名)
【公開番号】 特開2000−88410(P2000−88410A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−258781