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【発明の名称】 自走式人工降雪機
【発明者】 【氏名】相沢 宏文

【要約】 【課題】従来の人工降雪装置の支持構造は、機体フレームに取付座を溶接していたため、搭載する人工降雪装置の仕様にあわせた自走車を製造する必要があり、汎用性に欠け、コスト高の原因となっていた。また、人工降雪装置の電源ケーブルを順次ケーブル支持孔に通す作業が必要で、作業効率が非常に悪かった。

【解決手段】機体2の作業部Wに共用フレーム21を取付け、作業部カバー20で覆うと共に人工降雪装置5を支持し、機体2の中間部Mには共用取付座34を取付け、該共用取付座34に中間フレーム31及び中間カバー30を取付け、該中間フレーム31上のコンプレッサ台32においてコンプレッサ装置8を支持した。また、ケーブル支持部材24・24を分割可能な構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 噴出ノズルと降雪ファンとを備える人工降雪装置を、自走車の機体に搭載して構成される自走式人工降雪機において、該人工降雪装置を自走車の機体上に設けられた共用の取付体で支持する構成としたことを特徴とする自走式人工降雪機。
【請求項2】 前記共用の取付体を機体の後部上に設置した作業部の機台上に配置したことを特徴とする請求項1記載の自走式人工降雪機。
【請求項3】 前記共用の取付体をL字状に折り曲げたプレートにより構成したことを特徴とする請求項1記載の自走式人工降雪機。
【請求項4】 噴出ノズルと降雪ファンとを備える人工降雪装置を、自走車の機体に搭載して構成される自走式人工降雪機において、該人工降雪装置の電源ケーブルを支持する部材を、ケーブル支持孔の略中央で分割可能な2枚の部材で構成したことを特徴とする自走式人工降雪機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧水を微細な水滴にして噴出する噴出ノズルと、噴出ノズルから噴出された微細な水滴を高速で吹き飛ばす降雪ファンとを備えた人工降雪装置を、スキー場のゲレンデのような不整地で走行可能な自走車に搭載して構成される自走式人工降雪機のフレームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、高圧水を微細な水滴にして噴出する噴出ノズルと、噴出ノズルから噴出された微細な水滴を高速で吹き飛ばす降雪ファンとを備えた人工降雪装置を、自走車に搭載して構成される自走式人工降雪機は知られている。例えば、実開平3−72279号公報の如くである。このような自走式人工降雪機においては、自走車のフレームに降雪装置の取付座を溶接して、降雪装置を取付ける底面を補強し、該取付座により降雪装置を支持する構造としていた。また、該降雪装置の電源ケーブルは取付座に装着されたケーブル支持部材のケーブル支持孔を通すことにより、機体の下方へ送り出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来の人工降雪装置の支持構造においては、フレームに取付座を溶接しているため、下方に位置する伝動系のメンテナンスが行いにくく、また底面の補強を必要としているため、重量がアップするという問題があり、また、搭載する人工降雪装置を、仕様の異なるタイプのものに交換することが事実上不可能であるため、搭載する人工降雪装置の仕様にあわせた自走車を製造する必要があり、汎用性に欠け、コスト高の原因となっていた。また、上述した降雪装置の電源ケーブルは製造時に降雪装置に固着されているため、該降雪装置を自走車に載置して組立てを行う際には、略50〜70mもの長さのある電源ケーブルを順次ケーブル支持孔に通していく作業が必要であり、作業効率が悪く、改善が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、噴出ノズルと降雪ファンとを備える人工降雪装置を、自走車の機体に搭載して構成される自走式人工降雪機において、該人工降雪装置を自走車の機体上に設けられた共用の取付体で支持する構成とした。
【0005】また、前記共用の取付体を機体の後部上に設置した作業部の機台上に配置し、前記共用の取付体をL字状に折り曲げたプレートにより構成した。
【0006】また、噴出ノズルと降雪ファンとを備える人工降雪装置を、自走車の機体に搭載して構成される自走式人工降雪機において、該人工降雪装置の電源ケーブルを支持する部材を、ケーブル支持孔の略中央で分割可能な2枚の部材で構成した。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の自走式人工降雪機を示す全体側面図、図2は自走式人工降雪機を示す全体平面図、図3は中間部及び作業部を示す平面図、図4は中間部及び作業部を示す側面図、図5は別実施例の中間部と作業部を示す平面図、図6は別実施例の中間部と作業部を示す側面図、図7はケーブル支持部材の側面図、図8は同じく斜視図、図9は共用取付座の斜視図である。
【0008】まず、本発明の自走式人工降雪機の全体概略構成について説明する。図1乃至図2において、自走式人工降雪機は、走行装置として左右一対のクローラ走行装置1・1を備えた機体2の前後方向の一側(本実施例においては前側、つまり図1における左側)に操縦キャビン3、原動機部4等とからなる走行部Dが配設され、前後方向の他側(図1における右側)には作業部Wが配設され、該作業部Wは機体2の後部上に設置した前後方向に左右平行に配置した機台11・11上に人工降雪装置5が搭載されている。
【0009】前記操縦キャビン3及び原動機部4は左右に並設されて、原動機部4はボンネット12によって覆われている。そして原動機部4には図示せぬエンジン、ラジエータ、及び、冷却ファン等が配設され、該原動機部4の後方に作動油タンク6及び燃料油タンク7を設け、該作動油タンク6及び燃料油タンク7はタンクカバー13で覆われている。そして該タンクカバー13の後方で、走行部Dと作業部Wの間の中間部Mには、コンプレッサ装置8を載置している。コンプレッサ装置8はコンプレッサカバー14により覆われており、原動機部4、コンプレッサ装置8、及び人工降雪装置5等は、操縦キャビン3で運転操作できるように構成している。
【0010】人工降雪装置5は、筒型フレーム15の後端に噴出ノズル9を設け、且つ、該筒型フレーム15内に降雪ファン10を配設して構成されている。そして、噴出ノズル9に加圧水が供給されるとともに、コンプレッサ装置8からの圧縮空気が供給されることで、該噴出ノズル9から微細化した水滴が噴出され、この噴出された微細な水滴を、降雪ファン10で生成した風によって遠方へ吹き飛ばす構成としている。
【0011】人工降雪装置5は左右の支持柱16・16により支持されて作業部W上に搭載されており、自動又は手動で水平方向へ旋回可能に構成されている。また、左右一方の支持柱16と人工降雪装置5との間には、例えば油圧シリンダー等で構成された図示せぬ角度調節機構が介装されており、該角度調節機構の伸縮動作により人工降雪装置5を上下回動可能として、該人工降雪装置5の仰角を変更することにより、噴出ノズル9からの水滴の投擲距離を調節するように構成している。
【0012】次に本発明の人工降雪装置5の支持構造について図3、図4及び図9を用いて説明する。図3及び図4は機体2の一端側で、中間部Mと作業部Wを示している。該中間部Mには左右一対の共用の取付体として共用取付座34・34が左右の機台11・11に装着されている。該共用取付座34は、図9の如く、プレートを正面視L字状に折り曲げた形状をしており、上側の平面部34aと垂直下側の装着部34bにより構成され、該装着部34bが機台11の側面に溶接等で固着されており、平面部34aと装着部35bの間には補強リブ34c・34cが装着され、該平面部34aには取付用のボルト孔が複数開口されている。そして、該平面部34a上に複数のフレームよりなる中間フレーム31がボルト等によって取付けられており、該中間フレーム31の上部は中間カバー30に覆われている。そして該中間カバー30の上面中央付近には、略長方形の形状をした開口部33が設けられており、該開口部33と平面視で重なる位置には、コンプレッサ台32が中間フレーム31に取付けられており、該コンプレッサ台32に前述したコンプレッサ装置8を載置するようにしている。
【0013】また、作業部Wは複数のフレームよりなる共用の取付体として共用フレーム21が機台11・11に支持されており、該共用フレーム21の上部は、機体2の左右方向中央で2分割された作業部カバー20・20で覆われている。そして該作業部カバー20・20上に前記人工降雪装置5を載置する構成としている。また、図3に示すように、本実施例においては、上部に載置する人工降雪装置5の仕様に合わせて、増設フレーム22が取付けられており、また、作業部カバー20・20の一方には、後述するケーブル孔23が設けられている。
【0014】以上のように、本発明の人工降雪装置5の支持構造は、作業部Wにおいては、載置する降雪装置の仕様に依存しない共用フレーム21により人工降雪装置5を支持しており、降雪装置の仕様に合わせた作業部カバー20・20及び増設フレーム22を共用フレーム21上に装着する構成としている。また、中間部Mにおいても、降雪装置の仕様に依存しない共用取付座34上に、載置する降雪装置の仕様に合わせた別体の中間フレーム31及び中間カバー30等を装着することにより構成されている。
【0015】次に、図5及び図6を用いて別仕様の降雪装置を搭載する実施例について説明する。図5で示すように、機体2の一端側は中間部Mと作業部Wにより構成されており、該中間部Mには機台11・11に前記共用取付座34・34が装着され、該共用取付座34には複数のフレームよりなる中間フレーム51がボルト等によって取付けられている。そして、該中間フレーム51の上部は中間カバー50に覆われている。尚、本仕様の降雪装置は、中間部Mにコンプレッサ装置8を搭載しないため、中間カバー50に開口部は設けられていない。
【0016】また、作業部Wは図3により説明したものと同じ前記共用フレーム21より構成されており、該共用フレーム21の上部は、機体2の左右方向中央で2分割され、載置する降雪装置の仕様に合わせた作業部カバー40・40で覆われている。そして該作業部カバー40・40上に前記人工降雪装置5を載置する構成としている。
【0017】このように、別仕様の降雪装置を載置する場合においても、仕様に依存しない共用フレーム21で人工降雪装置5を支持しているので、上部の作業部カバー40・40を交換することで、異なる仕様の降雪装置を載置可能となっており、また、中間部Mにおいても共用取付座34上に、中間フレーム51、中間カバー50を降雪装置の仕様に合わせて取付けることにより、前述した実施例で使用した機体2が利用できるのである。これにより、汎用性のある機体2を製造することで、様々な使用の降雪装置に対応できるため、生産コストの削減が図れるのである。
【0018】また、従来の降雪装置の支持構造のように、載置台をフレームに溶接して底面を補強し、該載置台により降雪装置を支持する構成に比べて、重量を軽くすることが可能であり、共用フレーム21上部に作業部カバー20・20(40・40)をボルト等で脱着可能に装着しているので、下方の伝動部も確認し易くなり、メンテナンス性に優れ、また、組立て構成としているので構成部品の交換、整備作業も容易に行えるのである。
【0019】次に、図7及び図8より、電源ケーブル25の支持構造について説明する。前述したように、図3の実施例においては、一方の作業部カバー20にケーブル孔23が設けられている。そして、該ケーブル孔23には略V字状をしたケーブル支持部材24・24が取付けられている。該ケーブル支持部材24・24は上方が屈曲して外方に広がり装着部24c・24cを形成しており、該装着部24c・24cにおいてボルト等で作業部カバー20に固着されている。また、ケーブル支持部材24・24にはそれぞれ側部に略半円溝が設けられており、連結部材24bを装着してボルト等で固着し、該ケーブル支持部材24・24を2枚合わせることで、ケーブル支持孔24aを形成している。
【0020】以上の如く構成されたケーブルの支持構造において、作業部カバー20上に載置された人工降雪装置5に一端を固着された電源ケーブル25が、前記ケーブル支持孔24aに支持されて作業部カバー20の下方に案内され、中間部Mの下方で支持されて、機体2の側方に案内されて、人工降雪装置5の旋回に邪魔にならない位置で、中間カバー30の側面から作業部カバー20の上面に案内され、作業部カバー20上の側方で収納時には巻回され、作業時には更に延伸して最寄りの電源装置に接続されるのである。
【0021】そして、スキー場のゲレンデ等の広い作業場で、電源を確保する必要があるため、上記電源ケーブル25は略50〜70mの長さのものを利用している。そして前述の通り、該電源ケーブル25は前記人工降雪装置5の製造時に該人工降雪装置5に固着されているため、従来のようにケーブル支持部材24・24が一体形成されている場合には、該人工降雪装置5を機体2へ載置し組立てる際には、電源ケーブル25を一端から順にケーブル支持孔に通す作業が必要であった。そこで、本発明のケーブル支持部材24・24は、前述の如く連結部材24bにより連結される構造としているので、組立て時に2枚のケーブル支持部材24・24で電源ケーブル25を挟み込んだ後、該連結部材24bを装着してケーブル支持部材24・24を連結すれば良く、電源ケーブル25をケーブル支持孔24aに通す作業がなくなり、作業効率が格段に向上するのである。
【0022】
【発明の効果】本発明の自走式人工降雪機は以上の如く構成したので、以下の効果を奏するものである。即ち、噴出ノズルと降雪ファンとを備える人工降雪装置を、自走車の機体に搭載して構成される自走式人工降雪機において、該人工降雪装置を自走車の機体上に設けられた共用の取付体で支持する構成としたので、異なる仕様の人工降雪装置を載置することが可能となり、人工降雪装置の仕様に依存しない共通の自走車の機体を利用できるため、製造コストの削減が図れるのである。
【0023】また、前記共用の取付体を機体の後部上に設置した作業部の機台上に配置したので、共用フレームは強固に支持される機台上に取り付けられることになり、異なる仕様の作業機に対して確実に取り付けることができる。また、コンプレッサ等の載置方法が異なる場合にも、別体のフレームとカバーを交換することで対応が可能となり、人工降雪装置の仕様に依存しない共通の自走車の機体を利用できるのである。
【0024】また、前記共用の取付体をL字状に折り曲げたプレートにより構成したので、構造が簡単であり、取付が容易となり、異なる仕様の人工降雪装置を載置することが可能となり、製造コストの削減が図れるのである。
【0025】また、噴出ノズルと降雪ファンとを備える人工降雪装置を、自走車の機体に搭載して構成される自走式人工降雪機において、該人工降雪装置の電源ケーブルを支持する部材を、ケーブル支持孔の略中央で分割可能な2枚の部材で構成したので、人工降雪装置の自走車への組立て作業時においては、長い電源ケーブルを先端から順にケーブル支持孔に通していく非効率な作業がなくなり、2枚のケーブル支持部材で電源ケーブルを挟み込んだ後、該部材を連結すればよく、作業効率が格段に向上するのである。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成10年8月17日(1998.8.17)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2000−55518(P2000−55518A)
【公開日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【出願番号】 特願平10−230409