| 【発明の名称】 |
連続製氷水蒸気排気式氷蓄熱装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】本郷 賢
【氏名】山本 協子
【氏名】亀山 秀雄
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| 【要約】 |
【課題】ジェットポンプを用いた水蒸気排気式氷蓄熱装置において、連続的に効率よく製氷する水蒸気排気式氷蓄熱装置を提供する。
【解決手段】水蒸気排気式氷蓄熱装置21のジェットポンプ23の一部を形成するディフューザ29を取り囲むようジャケット32を設置してジャケット32の内部に水を回流させる。ジャケット32の代りにヒートパイプを設置してもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】水及び/又は氷等を貯蔵して熱を蓄える氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内を減圧することによって発生する水蒸気を排気する排気手段と、を具備し、前記排気手段が、エゼクタと、前記エゼクタに導入される駆動蒸気を発生する蒸気発生器と、前記エゼクタから噴射される駆動蒸気を凝縮させる凝縮器と、を備え、前記エゼクタが、エゼクタ本体と、前記エゼクタ本体内にその一部が設けられ、前記蒸気発生器に連結されて駆動蒸気を噴射する蒸気噴射ノズルと、前記ノズルから噴射された駆動蒸気と前記氷蓄熱槽から発生した蒸気を混合し、前記混合蒸気を拡散させながら凝縮器に案内するディフューザと、を有し、前記ディフューザが、軸線方向に内径が順次縮小して形成され、その一端に拡大端部とその他端に縮小端部とを有し、前記拡大端部が前記エゼクタ本体に連結された第1円筒部と、軸線方向に内径が順次拡大して形成され、その一端に縮小端部とその他端に拡大端部とを有し、前記拡大端部が前記凝縮器に連結された第2円筒部と、前記第1円筒部の縮小端部と前記第2円筒部の縮小端部に連結された両端を有する第3円筒部と、を含む水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ディフューザを、前記第1円筒部の拡大端部から前記第2円筒部の拡大端部までの間を取り囲むようジャケットを設置して該ジャケットの内部に水を回流させるようにしたことを特徴とする水蒸気排気式氷蓄熱装置。 【請求項2】請求項1記載の水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ジャケットの内部で回流される水を前記第2円筒部の拡大端部の周囲から前記第1円筒部の拡大端部の周囲の方向に流し、前記第1円筒部の拡大端部の周囲から排出した水を、前記凝縮器の周囲にも流すようにしたことを特徴とする水蒸気排気式氷蓄熱装置。 【請求項3】請求項1又は2記載の水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ジャケットに導入される水が20℃〜30℃の温度範囲であることを特徴とする水蒸気排気式氷蓄熱装置。 【請求項4】請求項2又は3記載の水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ディフューザが熱伝導体で形成され、前記ジャケットの内部で回流される前記回流水が、前記混合蒸気の圧縮によって高温となる前記ディフューザの第2円筒部を熱交換により冷却すると共に、前記ディフューザの前記第1円筒部内に形成される氷を熱交換により融解することを特徴とする水蒸気排気式氷蓄熱装置。 【請求項5】水及び/又は氷等を貯蔵して熱を蓄える氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内を減圧することによって発生する水蒸気を排気する排気手段と、を具備し、前記排気手段が、エゼクタと、前記エゼクタに導入される駆動蒸気を発生する蒸気発生器と、前記エゼクタから噴射される駆動蒸気を凝縮させる凝縮器と、を備え、前記エゼクタが、エゼクタ本体と、前記エゼクタ本体内にその一部が設けられ、前記蒸気発生器に連結されて駆動蒸気を噴射する蒸気噴射ノズルと、前記ノズルから噴射された駆動蒸気と前記氷蓄熱槽から発生した蒸気を混合し、前記混合蒸気を拡散させながら凝縮器に案内するディフューザと、を有し、前記ディフューザが、軸線方向に内径が順次縮小して形成され、その一端に拡大端部とその他端に縮小端部とを有し、前記拡大端部が前記エゼクタ本体に連結された第1円筒部と、軸線方向に内径が順次拡大して形成され、その一端に縮小端部とその他端に拡大端部とを有し、前記拡大端部が前記凝縮器に連結された第2円筒部と、前記第1円筒部の縮小端部と前記第2円筒部の縮小端部に連結された両端を有する第3円筒部と、を含む水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ディフューザを、前記第1円筒部の所定の位置から前記第2円筒部の所定の位置までの間を取り囲むようヒートパイプを設置したことを特徴とする水蒸気排気式氷蓄熱装置。 【請求項6】請求項5記載の水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ヒートパイプが設置される前記第1円筒部の所定の位置が、前記混合蒸気によって冷却される位置であって、前記ヒートパイプが設置される前記第2円筒部の所定の位置が、前記混合蒸気の圧縮によって高温となる位置であることを特徴とする水蒸気排気式氷蓄熱装置。 【請求項7】請求項5又は6記載の水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ディフューザが熱伝導体で形成され、前記混合蒸気の圧縮によって高温となる前記ディフューザの第2円筒部に発生した熱を、ヒートパイプによって前記ディフューザの前記第1円筒部内に伝え、前記第1円筒部内に形成される氷を熱交換により融解することを特徴とする水蒸気排気式氷蓄熱装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水蒸気排気手段として用いるジェットポンプを連続製氷型とした水蒸気排気式氷蓄熱装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、氷蓄熱装置にはハイドロフルオロカーボン等の代替フロン及びフロン系の冷媒が用いられているが、これらの冷媒はオゾン層破壊及び地球温暖化等の地球環境へ与える影響からその使用は好ましくない。このような地球環境を害する化学物質の使用が規制される中、水を作動媒体とした夜間電力利用のノンフロン氷蓄熱冷房システムが、本出願人が提出した特開平3−912623により提案されている。通常、このような氷蓄熱冷房システム等の水蒸気排気式氷蓄熱装置は、氷蓄熱槽と、水蒸気排気手段から構成される。前記氷蓄熱冷房システムでは、水蒸気排気手段の一例としてジェットポンプが用いられている。 【0003】図7に従来の水蒸気排気式氷蓄熱装置1の概略構成図を示す。水蒸気排気式氷蓄熱装置1は氷蓄熱槽2と、ジェットポンプを備えている。ジェットポンプは、蒸気発生器3、エゼクタ4、凝縮器5を有している。凝縮器5は、冷却水を流すための水経路14を有している。またエゼクタ4は、エゼクタ本体6、ノズル7及びディフューザ8で構成されている。 【0004】ディフューザ8は、さらに、軸線方向に内径が順次縮小して形成されその一端に拡大端部とその他端に縮小端部とを有する混合部11と、軸線方向に内径が順次拡大して形成され、その一端に縮小端部とその他端に拡大端部とを有する拡大部13と、前記混合部の縮小端部と前記拡大部の縮小端部に連結された両端を有するのど部12とを含んでいる。 【0005】ジェットポンプの作用は以下に示すとおりである。蒸気発生器3から発生した駆動蒸気はノズル7内で膨張加速され、マッハ数1を超えた高速流となりエゼクタ4内に流入する。エゼクタ4内に流入した駆動蒸気の高速流は氷蓄熱槽2内の発生蒸気(以下単に二次蒸気という)を吸引し、ディフューザ8内で二次蒸気と混合され、拡散しながら凝縮器5に到達する。凝縮器5では水経路14を流れる冷却水によって、流入した混合蒸気が冷却され、凝縮される。凝縮された水はポンプ9を経て蒸気発生器3、及びバルブ10を経て氷蓄熱槽2に戻される。 【0006】一方氷蓄熱槽2内では、ジェットポンプにより槽内が減圧され、真空に保持されるため、氷蓄熱槽2内の一部の水が常温以下で蒸発し、その潜熱によって残りの水が冷却される。このようにして残りの水が、冷水及び/又は氷として氷蓄熱槽2に蓄えられる仕組となっている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来このような水蒸気排気式氷蓄熱装置には以下のような問題があった。氷蓄熱槽から発生する二次蒸気は氷温度に近い温度となっている。またノズルから噴射される駆動蒸気はディフューザ内で急激に膨張する。そのためこの二次蒸気がノズルから噴射される駆動蒸気によって吸引されディフューザの混合部内で混合される時、混合蒸気は氷温度以下の凝縮水を発生する。そしてこの氷温度以下の凝縮水が氷となって徐々にディフューザの混合部内壁に付着し、混合蒸気の流れを妨げるため、効率よく氷蓄熱槽から水蒸気を吸引して連続的に製氷を行うことができなかった。 【0008】本発明では、連続的な製氷を可能とする水蒸気排気式氷蓄熱装置を提供する。 【0009】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、水及び/又は氷等を貯蔵して熱を蓄える氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内を減圧することによって発生する水蒸気を排気する排気手段と、を具備し、前記排気手段が、エゼクタと、前記エゼクタに導入される駆動蒸気を発生する蒸気発生器と、前記エゼクタから噴射される駆動蒸気を凝縮させる凝縮器と、を備え、前記エゼクタが、エゼクタ本体と、前記エゼクタ内に設けられ前記蒸気発生器に連結されて駆動蒸気を噴射する蒸気噴射ノズルと、前記ノズルから噴射された駆動蒸気と前記氷蓄熱槽から発生した蒸気を混合して前記混合蒸気を拡散させながら凝縮器に案内するディフューザと、を有し、前記ディフューザが、軸線方向に内径が順次縮小して形成されその一端に拡大端部とその他端に縮小端部とを有し、前記拡大端部が前記エゼクタ本体に連結された第1円筒部(以下単に混合部という)と、軸線方向に内径が順次拡大して形成されその一端に縮小端部とその他端に拡大端部とを有し、前記拡大端部が前記凝縮器に連結された第2円筒部(以下単に拡大部という)と、前記第1円筒部の縮小端部と前記第2円筒部の縮小端部に連結された両端を有する第3円筒部(以下単にのど部という)と、を含む水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ディフューザを、前記混合部の拡大端部から前記拡大部の拡大端部までの間を取り囲むようジャケットを設置して該ジャケットの内部に水を回流させるようにしたことを特徴とするものである。 【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ジャケットの内部で回流される水を前記拡大部の拡大端部の周囲から前記混合部の拡大端部の周囲の方向に流し、前記混合部の拡大端部の周囲から排出した水を、前記凝縮器の周囲にも流すようにしたことを特徴とするものである。 【0011】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ジャケットに導入される水が20℃〜30℃の温度範囲であることを特徴とするものである。 【0012】請求項4記載の発明は、請求項2及び3記載の水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ディフューザが熱伝導体で形成され、前記ジャケットの内部で回流される前記回流水が、前記混合蒸気の圧縮によって高温となる前記ディフューザの拡大部を熱交換により冷却すると共に、前記ディフューザの前記混合部内に形成される氷を熱交換により融解することを特徴とするものである。 【0013】請求項5記載の発明は、水及び/又は氷等を貯蔵して熱を蓄える氷蓄熱槽と、前記氷蓄熱槽内を減圧することによって発生する水蒸気を排気する排気手段と、を具備し、前記排気手段が、エゼクタと、前記エゼクタに導入される駆動蒸気を発生する蒸気発生器と、前記エゼクタから噴射される駆動蒸気を凝縮させる凝縮器と、を備え、前記エゼクタが、エゼクタ本体と、前記エゼクタ本体内にその一部が設けられ、前記蒸気発生器に連結されて駆動蒸気を噴射する蒸気噴射ノズルと、前記ノズルから噴射された駆動蒸気と前記氷蓄熱槽から発生した蒸気を混合し、前記混合蒸気を拡散させながら凝縮器に案内するディフューザと、を有し、前記ディフューザが、軸線方向に内径が順次縮小して形成され、その一端に拡大端部とその他端に縮小端部とを有し、前記拡大端部が前記エゼクタ本体に連結された第1円筒部と、軸線方向に内径が順次拡大して形成され、その一端に縮小端部とその他端に拡大端部とを有し、前記拡大端部が前記凝縮器に連結された第2円筒部と、前記第1円筒部の縮小端部と前記第2円筒部の縮小端部に連結された両端を有する第3円筒部と、を含む水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ディフューザを、前記第1円筒部の所定の位置から前記第2円筒部の所定の位置までの間を取り囲むようヒートパイプを設置したことを特徴とするものである。 【0014】請求項6記載の発明は、請求項5記載の水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ヒートパイプが設置される前記第1円筒部の所定の位置が、前記混合蒸気によって冷却される位置であって、前記ヒートパイプが設置される前記第2円筒部の所定の位置が、前記混合蒸気の圧縮によって高温となる位置であることを特徴とするものである。 【0015】請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の水蒸気排気式氷蓄熱装置において、前記ディフューザが熱伝導体で形成され、前記混合蒸気の圧縮によって高温となる前記ディフューザの第2円筒部に発生した熱を、ヒートパイプによって前記ディフューザの前記第1円筒部内に伝え、前記第1円筒部内に形成される氷を熱交換により融解することを特徴とするものである。 【0016】 【発明の実施の形態】以下に図面に基づいて、本発明の詳細な説明を示すが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。なお、すべての図面において、同様な構成要素は同じ参照記号および符号を用いて示してある。 【0017】図1、図2及び図3は本発明に係る水蒸気排気式氷蓄熱装置の一の実施例を示す図である。 【0018】図1に示すように、水蒸気排気式氷蓄熱装置21は、氷蓄熱槽22と、ジェットポンプ23と、を具備している。ジェットポンプ23は、蒸気発生器24と、エゼクタ25と、凝縮器26と、を備えている。さらに、エゼクタ25は、エゼクタ本体27と、ノズル28と、ディフューザ29とを含んでいる。氷蓄熱槽22はエゼクタ本体27に連結している。ノズル28は、蒸気発生器24に連結しており、エゼクタ25内に設置されている。凝縮器26はディフューザ29に連結しており、さらにポンプ30を介して蒸気発生器24に、バルブ31を介して氷蓄熱槽22に接続されている。 【0019】さらに、ディフューザ29にはその周囲を取り囲むように水を回流させるためのステンレス鋼製のジャケット32が設けられている。 【0020】ここで「回流」とは、ジャケットに導入された水を該ジャケットの周囲に満遍なく流すことである。 【0021】図2にジャケット32を設けたディフューザ29の詳細断面図を示している。ディフューザ29には、ノズル28から噴射される駆動蒸気と氷蓄熱槽22から発生する蒸気を混合する混合部33と、前記混合蒸気を圧縮加速するのど部34と、前記蒸気の流れを減速して拡散させながら凝縮器26に案内する拡大部35と、が含まれている。 【0022】ここで、ディフューザ29は、ステンレス鋼製のものが用いられているが、その他に鉄鋼、銅、プラスチック素材などの、ディフューザの混合部内に形成される氷をジャケットの内部で回流される回流水との熱交換により融解し、混合蒸気の圧縮によって高温となるディフューザの拡大部を前記回流水との熱交換により冷却することができる程度の熱伝導性を持った伝熱素材が用いられることが好ましい。 【0023】ジャケット32の内壁とディフューザ29の外壁との間には、複数の区切り32dがディフューザ29の軸線方向に垂直な向きに延在して、互いに一定の間隔を隔てて取り付けられている。これらの区切りは、奇数位置Lnではジャケット32の下方の内壁と接触するように、偶数位置Unではジャケット32の上方の内壁と接触するように取り付けられている。図3に図2に示すジャケット32を設けたディフューザ29を区切りL2及びU2を含む平面の断面図を示している。ここで、これらの区切り32dは、ジャケット32と同じステンレス鋼製である。なお、図2には、ディフューザ29の混合部33、のど部34及び拡大部35が水平に並列するよう水平方向に設置した図を示しているが、ディフューザ29は、その混合部33が拡大部35の上方に位置するよう鉛直方向に設置されていてもよい。 【0024】さらにジャケット32は水の出入口32a及び32bを、それぞれ混合部33の拡大端部付近と、拡大部35の拡大端部付近に有している。 【0025】本実施例ではジャケット32に区切り32dを取り付けることによって流水がジャケット32内部で区切り32dを回流するようにし、流水とディフューザ29の内部との接触時間を長くし、接触面積を広くすることによって伝熱が効率よく行われるようにしている。 【0026】流水を回流するためのジャケットは内部に渦巻状に区切りを付ける等、流水がディフューザの周囲全体を接触時間を長く保って流れるように施された様々な方法を用いることができる。 【0027】次に、このように構成された水蒸気排気式氷蓄熱装置21の作用を説明する。 【0028】予め、ジャケット32の水入口32bにチューブt1を介して水道から約25℃の水道水を導入しておく。ジャケット32に導入された水は、区切り32dをL1、U1、L2、U2…の順に越えて回流し、水出口32aから流れ出す。流れ出した水はチューブt2を介して凝縮器26の冷却水入口36aへ流れ込み、凝縮器中の水経路36を流れ、冷却水出口36bから流れ出す。 【0029】ここではジャケット32を回流する水を水道水を用いて導入しているが、水道水の代りにポンプ等を用いて、さらに恒温槽又は冷却塔等と併用して適切な温度の水を適切な速度で流すことができる。 【0030】次に、蒸気発生器24から駆動蒸気を発生させる。発生した駆動蒸気はノズル28に導入され、ノズル28内で膨張加速され、マッハ数1を超える超音速でディフューザ29に流入し、流入した駆動蒸気の高速流は氷蓄熱槽22内の空気及び水蒸気を吸引する。そのため氷蓄熱槽22内が真空に保持され、氷蓄熱槽22内の一部の水が氷温度に近い温度で蒸発し、二次蒸気としてディフューザ29に流入する。そしてディフューザ29に流入した駆動蒸気と二次蒸気は混合部33内で混合される。 【0031】ここで、駆動蒸気はディフューザ29内で急激に膨張するため、二次蒸気と混合されると、混合蒸気は氷温度以下の凝縮水を発生する。しかしディフューザ29の混合部33の周りに設けられたジャケット32に約25℃の水道水を流しているため、前記水道水が混合部33の内部に熱を伝熱して氷温度以下の凝縮水を温めるので氷の発生が起こらない。 【0032】さらに、混合蒸気はディフューザ29ののど部34に超音速で流入し、のど部34で擬似衝撃波を発生して急激な圧縮上昇を生じ、拡大部35に亜音速となって流入し、拡大部35で圧力を回復して温度が上昇する。 【0033】この時ジャケット32を回流する水道水は、ディフューザ29の拡大部35内の混合蒸気から熱を奪い、混合蒸気を冷却する。そのため、ジャケット32の回流水は温められ、25℃の水道水が導入された場合は約30℃となって混合部33の周囲を回流するので、より効率よく混合部33の内部に熱を伝える。同時に、ジャケット32を流れる回流水は、混合部33の内部の氷温度以下の凝縮水に冷却され、約25℃となる。 【0034】混合蒸気はさらに、凝縮器26に達し、水経路36を回流する水道水によって冷却され、凝縮される。凝縮された水はポンプ30を経て蒸気発生器24、及びバルブ31を経て氷蓄熱槽22に戻される。 【0035】上述した一連の過程において、氷蓄熱槽22内では、蒸発した一部の水がその潜熱によって水自身を冷却して、残りの水が製氷される。 【0036】このように、本発明に係る水蒸気排気式氷蓄熱装置21によれば、ノズルから噴射される駆動蒸気と氷蓄熱槽から発生する二次蒸気との混合蒸気がディフューザの混合部内に氷を発生して混合蒸気の流れを妨げるという、従来の水蒸気排気式氷蓄熱装置の問題点を解決し、効率よく氷蓄熱槽を吸引して連続的に製氷を行うことができる。 【0037】図4及び図5は、本発明に係る水蒸気排気式氷蓄熱装置の他の実施例を示す図である。 【0038】図4に示すように、水蒸気排気式氷蓄熱装置41は、図1に示した水蒸気排気式氷蓄熱装置21とほぼ同様の構造を有しており、同様の構成要素は図1と同符号で示している。水蒸気排気式氷蓄熱装置41は、氷蓄熱槽22と、ジェットポンプ43と、を具備している。ジェットポンプ43は、蒸気発生器24と、エゼクタ45と、凝縮器46と、を備えている。さらに、エゼクタ45は、エゼクタ本体47と、ノズル48と、ディフューザ49とを含んでいる。凝縮器46は冷却水を流すための水経路56を有している。さらに、ディフューザ49の周囲にはヒートパイプ52が設けられている。 【0039】図5にヒートパイプ52を設けたディフューザ49の詳細断面図を示している。ヒートパイプ52は公知のヒートパイプと同様の構造である。つまり、ヒートパイプ52はディフューザ49の外壁を取り囲むように設置され、ヒートパイプ52の内壁とディフューザ49の外壁との間は密閉された状態になっている。この密閉部分には作動液体として少量の水等の蒸発性液体が導入されている。また、ヒートパイプ52にはウィック又は溝が設けられていてもよい。ウィック、又は溝が設けられている場合は、図5に示した57のようにディフューザ49の外径に沿って、ヒートパイプ52中に設けられることが好ましい。 【0040】ヒートパイプは、ステンレス鋼、鉄鋼、銅、アルミニウム等によって構成されている。また、ヒートパイプ52の作動液体としては、水の他に、メタノール等のアルコール又はアンモニア等が用いられてもよい。 【0041】以下に、ディフューザ49へのヒートパイプ52の好ましい設置位置及びこのようにして構成された水蒸気排気式氷蓄熱装置41の作用について説明する。 【0042】まず、図8に示した従来の水蒸気排気式氷蓄熱装置1を用いて、駆動時のディフューザ4内の蒸気の温度を測定した。ディフューザ4の拡大断面図は図6に示している。ここで用いたディフューザ4はステンレス鋼製で、混合部11の拡大端部径44mm、のど径18mm、拡大部13の拡大端部径46mmで、長さが全長498mm、混合部198mm、のど部100mm、拡大部200mmとした。 【0043】ディフューザ内4の蒸気の温度は、図6に示したディフューザ4の混合部11の拡大端部から拡大部13の拡大端部の方向に、前記拡大端部面11eから50mmの位置から450mmの位置までの間で50mmずつ移動させた位置(以下ディフューザの位置と言う)で測定した。氷蓄熱槽2内の温度が0.1℃及び1.5℃の場合についての測定結果を図7に示している。図7に示したように、ディフューザの位置100mmでは20℃以下、位置150mmでは約0℃、位置200mmでは10℃以下であった。一方ディフューザの位置400mmでは蒸気温度が約50℃以上あることが判明した。 【0044】ところで、ヒートパイプはその一端を加熱すると、内部に密閉された作動液体が蒸発する。この時他端を冷却すると、蒸気はその他端で凝縮して液体に戻る。さらに凝縮液は、毛細管作用によってヒートパイプ内のウィックを通って、又は重力によって、加熱されている一端に戻る。ヒートパイプはこのようなメカニズムによって、加熱されている一端の蒸発部から冷却されている他端の凝縮部へ効率よく熱を移動させることができるものである。 【0045】以上から、例えば上記のディフューザ1と同素材で同寸のディフューザ49を用いた場合、ディフューザの位置400mmの点が蒸発部として、ディフューザの位置150mm付近の点が凝縮部として働き得ることがわかる。 【0046】ここで、ディフューザ49は、ステンレス鋼製のものが用いられているが、その他に鉄鋼、銅、プラスチック素材などの、ディフューザ49の内部の熱をヒートパイプ52中の作動液体に伝熱でき、作動液体の熱をディフューザ内に伝熱できる程度の熱伝導性を持った伝熱素材が用いられることが好ましい。 【0047】そのため本例では、図5に示したように、ヒートパイプ52の一端を蒸発部58として位置約400mm、他端を凝縮部59として位置約150mmとなるようにヒートパイプ52をディフューザ49の周囲に設置するとよい。このようにすると、蒸発部58でヒートパイプ52の作動液体が加熱されて蒸発して効率よく凝縮部59に伝えられ、ここで作動液体が凝縮される。凝縮部59で凝縮されて液体になった作動液体はヒートパイプ52中のウィック57を通って蒸発部58に戻る。位置約150mmの凝縮部59では、ヒートパイプ52からディフューザ49の混合部53の内部に熱を伝達され、氷温度以下の凝縮水を温めるので氷の発生が起こらない。 【0048】また、エゼクタ45が鉛直方向に設置され、ディフューザ49の混合部53がディフューザの拡大部55よりも上方に位置する場合は、ヒートパイプ52の凝縮部59が蒸発部58よりも上方に位置することになるため、ヒートパイプ52にウィック57を設けなくても重力を利用して作動液体を蒸発部58に戻すことができる。このようにすると、ヒートパイプの構造をより簡素化することができる。 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ディフューザを混合部の拡大端部から拡大部の拡大端部までの間を取り囲むようにジャケットを設置して前記ジャケットに水を回流させることによって、ディフューザの混合部に形成される混合蒸気による氷を回流水との熱交換により融解して氷の発生を防ぐ事ができ、混合蒸気の流れを妨げないため、ディフューザ内の混合蒸気の流通面積を確保することができ、効率よく連続的に製氷することができる。 【0049】請求項2乃至4記載の発明によれば、ジャケットに導入した水により混合蒸気の圧縮によって高温となる拡大部での混合蒸気を冷却し、その水でディフューザの混合部に形成される混合蒸気による氷を熱交換により融解し、さらに熱交換により冷却された回流水を凝縮器の冷却水として用いる事ができ、流水をより効率よく利用することができる。 【0050】また、混合部周囲から流れ出た流水を混合蒸気の圧縮によって高温となる凝縮器の冷却水として用いることも可能であり、従来の凝縮器にも必要である冷却水をジャケットの回流水と併用でき、さらに効率よく簡便に連続的な製氷ができる。 【0051】請求項5乃至7記載の発明によれば、ディフューザを混合部の所定の位置から拡大部の所定の位置までの間を取り囲むようヒートパイプを設置することによって、ディフューザの混合部に形成される混合蒸気による氷をヒートパイプの作動液体との熱交換により融解して氷の発生を防ぐ事ができ、混合蒸気の流れを妨げないため、ディフューザ内の混合蒸気の流通面積を確保することができ、効率よく連続的に製氷することができる。 【0052】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000175803 【氏名又は名称】三建設備工業株式会社 【識別番号】000158895 【氏名又は名称】亀山 秀雄
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| 【出願日】 |
平成11年2月4日(1999.2.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072604 【弁理士】 【氏名又は名称】有我 軍一郎
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| 【公開番号】 |
特開2000−9371(P2000−9371A) |
| 【公開日】 |
平成12年1月14日(2000.1.14) |
| 【出願番号】 |
特願平11−27859 |
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