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【発明の名称】 レシーバ
【発明者】 【氏名】太田 宏巳

【要約】 【課題】ホルダ10の脱落を防止すること。

【解決手段】タンク内で乾燥剤及びフィルタを保持するホルダ10は、その外周縁部及び内周縁部がホルダ10の表面に対し略直角に折り曲げられており、その折り曲げ面10c、10dがタンク本体の内周面及び流出パイプの外周面に対しかしめ等により固定されている。更に、乾燥剤及びフィルタの下側に配されるホルダ10には、中央部の丸孔10aを中心として半径方向に延びる複数のリブ10eが設けられている。これにより、リブ10eを設けていない従来のホルダと比較すると、ホルダ10の板厚方向に加わる荷重に対してホルダ10の強度を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】冷凍サイクルに用いられるレシーバであって、冷媒が流入するタンクと、このタンク内に収納され、冷媒に混入して前記タンク内に流入した異物を除去するフィルタと、前記タンク内で前記フィルタの下側に設けられ、前記フィルタを保持する板状のホルダと、このホルダの略中央部に開口する丸孔を挿通して前記タンク内の上下方向に延設され、前記タンク内の下部に貯留された液冷媒を流出させる冷媒出口管とを備え、前記ホルダは、前記丸孔を中心とする半径方向に複数のリブが設けられていることを特徴とするレシーバ。
【請求項2】前記リブは、前記フィルタに当接する前記ホルダの表面に対し下側へ窪んで形成されていることを特徴とする請求項1に記載したレシーバ。
【請求項3】前記リブは、前記フィルタに当接する前記ホルダの表面に対し上側へ膨らんで形成されていることを特徴とする請求項1に記載したレシーバ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクルに用いられるレシーバに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばカーエアコン等の冷凍サイクルは、サイクル中の余剰冷媒を一時的に貯留するレシーバを有している。このレシーバは、図1に示すように、タンク7内に流入した冷媒中の水分を吸着する乾燥剤8と、冷媒に混入してタンク7内に流入した異物を除去するフィルタ9とを具備し、一組のホルダ10によってタンク7内に保持されている。ホルダ10は、例えばアルミニウム等の金属板をプレス成形して製造され、図5に示すように、その外周形状がタンク7の内周形状に相応する円形に設けられて、表面には多数の小孔10bが空けられ、表面中央部には流出パイプ13を挿通する丸孔10aが空けられている。このホルダ10は、タンク7の内周面及び流出パイプ13の外周面に対しかしめ等により固定されている(図3参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、コンプレッサロック等により冷凍サイクル中に大量の異物(例えば金属摩耗粉)が発生し、その異物がタンク7内に流入してフィルタ9に堆積すると、フィルタ9が目詰まりして圧損が増大する。これにより、フィルタ9の上流と下流との差圧が増大するため、フィルタ9を保持しているホルダ10に大きな荷重が加わり、図6に示すように、ホルダ10の主に中央部が下流側へ押し曲げられ、タンク7の内周面に対しホルダ10の外周側面が内側へ変形して、タンク7に対する保持力が低下してしまう。
【0004】上記の結果、ホルダ10が脱落してホルダ10の上部に隙間が生じ、振動等によりフィルタ9及び乾燥剤8がタンク7内で踊る(上下に揺れ動く)ため、ホルダ10からフィルタ9が浮き上がった時に生じる隙間を通って乾燥剤8の一部あるいは異物がフィルタ9の下側へ流れ込み、更にホルダ10の小孔を通過して流出パイプ13から下流側へ流出する。レシーバより流出した乾燥剤8の一部あるいは異物は、レシーバの下流に設けられている膨張弁へ流れ込み、膨張弁の絞り部(オリフィス)で詰まりを発生すると言った問題を生じる。本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ホルダの脱落を防止できるレシーバを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(請求項1)タンク内でフィルタを保持する板状のホルダには、略中央部に開口する丸孔を中心とする半径方向に複数のリブが設けられている。これにより、ホルダの荷重に対する強度を高めることができるので、フィルタ前後(上流と下流)の差圧が増大してホルダに加わる荷重が大きくなっても、ホルダの変形を抑制でき、ホルダの脱落を防止できる。
【0006】(請求項2及び3)ホルダに設けられるリブは、請求項2に記載したように、フィルタに当接するホルダの表面に対し下側へ窪んで形成されても良いし、請求項3に記載したように、フィルタに当接するホルダの表面に対し上側へ膨らんで形成されても良い。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1はレシーバの断面図である。本実施例のレシーバ1は、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルに用いられ、冷凍サイクル中の余剰冷媒を一時的に貯留することができる。なお、冷凍サイクルは極めて周知であり、図4に示すように、圧縮機2、凝縮器3、レシーバ1、膨張弁4、蒸発器5等を冷媒配管6により環状に接続して構成される。
【0008】レシーバ1は、図1に示すように、液冷媒を貯留するタンク7、このタンク7内に収納される乾燥剤8とフィルタ9、この乾燥剤8とフィルタ9を保持する一組のホルダ10より構成される。タンク7は、例えばアルミニウム等の軽量で比較的成形容易な材料で形成され、下端部が開口するタンク本体7Aと、このタンク本体7Aの下端開口部を塞ぐキャップ7Bとから成る。タンク本体7Aは、上端面を形成するヘッド部7aを有し、このヘッド部7aに冷媒配管6が接続される流入口11と流出口12が形成され、更に流出口12から下方へ延びる流出パイプ13が一体に設けられている。キャップ7Bは、凹曲面状に窪む底面を形成し、タンク本体7Aの下端開口部の内側に嵌め入れられて、溶接等により気密に接合されている。
【0009】乾燥剤8は、冷媒中の水分を吸着する働きを有し、例えばシリカゲルや合成ゼオライト等が用いられる。フィルタ9は、冷媒に混入してタンク7内に流入する異物を捕捉するもので、例えばグラスウール等が用いられる。なお、このフィルタ9は、乾燥剤8の上下両側に配され、振動により乾燥剤8が破砕することを防止する緩衝材としての役割も果たしている。
【0010】ホルダ10は、例えば厚さ1mm程度のアルミニウム板をプレス成形して製造される。このホルダ10は、図2に示すように、その外周形状がタンク7の内周形状に相応する円形に設けられて、中央部に流出パイプ13を挿通するための丸孔10aが空けられ、且つホルダ10の表面には多数の小孔10bが空けられている。また、ホルダ10は、その外周縁部及び内周縁部がホルダ10の表面に対し略直角に折り曲げられており、その折り曲げ面10c、10dがタンク本体7Aの内周面及び流出パイプ13の外周面に対しかしめ等により固定されている(図3参照)。
【0011】更に、乾燥剤8及びフィルタ9の下側に配されるホルダ10には、図2に示すように、中央部の丸孔10aを中心として半径方向に延びる複数のリブ10eが設けられている。これらのリブ10eは、ホルダ10の周方向に等間隔に設けられ、且つフィルタ9に当接するホルダ10の表面に対し下側へ窪む凹形状に設けられている。
【0012】次に、上記構成のレシーバ1の作動を説明する。凝縮器3で凝縮された冷媒が冷媒配管6を流れて流入口11からタンク7の内部へ流入する。タンク7内に流入した冷媒は、乾燥剤8によって水分が除去され、更にフィルタ9で異物が取り除かれた後、ホルダ10に空けられた小孔10bを通ってタンク7内の下部に液冷媒として貯留され、冷房負荷に応じて流出パイプ13より流出して膨張弁4に供給される。
【0013】(本実施例の効果)本実施例のレシーバ1は、タンク7内でフィルタ9及び乾燥剤8を保持する下側のホルダ10に複数のリブ10eを設けているので、リブ10eを設けていない従来のホルダ10と比較すると、ホルダ10の板厚方向に加わる荷重に対してホルダ10の強度を高めることができる。従って、フィルタ9の上流側と下流側との差圧が増大してホルダ10に加わる荷重が大きくなっても、ホルダ10が下流側へ押し曲げられる程の大きな変形を防ぐことができるので、タンク7に対してホルダ10のかしめ部(図3参照)が離脱することはなく、ホルダ10の脱落を防止できる。
【0014】以上の結果、ホルダ10により安定してフィルタ9及び乾燥剤8を保持できるため、ホルダ10からフィルタ9が浮き上がることがないので、乾燥剤8の一部あるいはフィルタ9に捕捉されている異物がフィルタ9の下流側へ流れ出すことがなく、膨張弁4での乾燥剤8あるいは異物の詰まりを防ぐことができる。また、ホルダ10に設けたリブ10eは、フィルタ9に当接するホルダ10の表面に対して下側に窪む凹形状であるので、フィルタ9の一部がリブ10eによって押し潰されることがなく、リブ10eを設けることによりフィルタ9の機能が損なわれることを防止できる。
【0015】(変形例)上記の実施例では、下側のホルダ10だけにリブ10eを設けているが、上側のホルダ10にもリブ10eを設けても良い。ホルダ10に設けるリブ10eは、フィルタ9に当接するホルダ10の表面に対し上側(フィルタ9側)へ膨らむ凸形状としても良い。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成11年6月7日(1999.6.7)
【代理人】 【識別番号】100080045
【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
【公開番号】 特開2000−346501(P2000−346501A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−158938