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【発明の名称】 冷媒乾燥器
【発明者】 【氏名】秋池 茂

【氏名】林 孝平

【要約】 【課題】複雑な固定構造や煩雑な接合作業を排しつつ、フィルタを確実に固定可能で、しかも高性能な冷媒乾燥器を提供する。

【解決手段】管体の底部を冷媒の流出ポートを有する底板で閉塞するとともに、前記管体の内部に上方から順に乾燥剤層とフィルタとを配設した冷媒乾燥器において、前記乾燥剤層とフィルタとの間に乾燥剤層を上方に向けて浮動支持するとともに、フィルタを底板上に固定するばねを設けたことを特徴とする冷媒乾燥器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 管体の底部を冷媒の流出ポートを有する底板で閉塞するとともに、前記管体の内部に上方から順に乾燥剤層とフィルタとを配設した冷媒乾燥器において、前記乾燥剤層とフィルタとの間に乾燥剤層を上方に向けて浮動支持するとともに、フィルタを底板上に固定するばねを設けたことを特徴とする冷媒乾燥器。
【請求項2】 前記底板にフィルタを支持する支持部が設けられ、該支持部にキャップ状に形成されたフィルタが嵌入され、該フィルタの側面に前記ばねが巻回されている、請求項1の冷媒乾燥器。
【請求項3】 前記支持部に、冷媒を流出ポートへと送出するための切欠部が形成されている、請求項2の冷媒乾燥器。
【請求項4】 前記底板に、冷媒を流出ポートへと案内する突条が設けられ、前記フィルタがばねにより底板上に付勢されている、請求項1の冷媒乾燥器。
【請求項5】 前記フィルタが金網からなる請求項1ないし4のいずれかに記載の冷媒乾燥器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば車両用空調装置等の冷凍サイクルに用いられる冷媒乾燥器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、管内に乾燥剤層とフィルタとを有する冷媒乾燥器はよく知られている。このような冷媒乾燥器においては、乾燥剤層の上流側および/または下流側にフィルタを設けて、冷媒内に混入した異物等がフィルタにより捕捉されるようになっている。このため、フィルタは管内の所定の位置に機械的に固定または接合されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フィルタを管内の所定の位置に機械的に固定または接合するためには、概して複雑な固定構造や煩雑な接合作業等が必要となり、構造の簡素化やコストダウンの要請に対応できないおそれがある。
【0004】本発明の課題は、複雑な固定構造や煩雑な接合作業等を排しつつ、管内の所定の位置にフィルタを確実に固定可能で、しかも高品質で低コストの冷媒乾燥器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の冷媒乾燥器は、管体の底部を冷媒の流出ポートを有する底板で閉塞するとともに、前記管体の内部に上方から順に乾燥剤層とフィルタとを配設した冷媒乾燥器において、前記乾燥剤層とフィルタとの間に乾燥剤層を上方に向けて浮動支持するとともに、フィルタを底板上に固定するばねを設けたことを特徴とするものからなる。
【0006】上記フィルタをばねで底板上に固定するためには、たとえば上記底板上にフィルタを支持する支持部を設けるとともに、上記フィルタをキャップ状に形成し、該フィルタを支持部に嵌入させ、該フィルタの側面にばねを巻回すればよい。また、上記支持部には、冷媒を流出ポートへと送出するための切欠部を形成することが好ましい。支持部に切欠部を形成すれば、上記管内の液冷媒量が少量になった場合でも、管内における滞留を防止することができる。
【0007】また、上記フィルタをばねで底板上に固定するためには、たとえば、上記ばねでフィルタを底板上に付勢して行うこともできる。また、この場合には、底板上に冷媒を流出ポートへと案内する突条を設けることが好ましい。底板上に突条を設ければ、底板上に付勢されるフィルタと底板との間に隙間を設けることができるので、フィルタにより底板上における流出ポートへと向かう液冷媒の流れが阻害されることもない。
【0008】上記のような冷媒乾燥器においては、ばねにより乾燥剤層が上方に向けて浮動支持されるとともに、フィルタは底板上に固定される。したがって、フィルタの複雑な固定構造や煩雑な接合作業を排ししつつ、フィルタを乾燥剤層の下方に確実にしかも容易に固定できる。また、乾燥剤層とフィルタとの間には空隙が形成されるので、該空隙を液留めスペースとして利用できる。したがって、乾燥剤層と管内の液冷媒が接触し乾燥剤が侵され早期に劣化するような不具合を解消できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の冷媒乾燥器の望ましい実施の形態について図面を参照して説明する。図1および図2は、本発明の第1実施態様に係る冷媒乾燥器を示している。図において、1は冷媒乾燥器を示している。冷媒乾燥器1は、管体2と該管体2の上部を閉塞する上板3と、底部を閉塞する底板4とを有している。上板3には、冷媒を管体2内へ流入するための流入ポート5が設けられている。上板3はボルト6を介して管体2の上部に接合されるようになっている。また、上板3の管体2内への挿入部7と管体2の内壁との間にはシール材8が介装され、該接合部の気密性が確保されるようになっている。
【0010】管体2の内部には、上方から順に冷媒を乾燥させるための乾燥剤層9と冷媒中の異物等を捕捉するフィルタ10とが配設されている。乾燥剤層9は袋状物11内に粒状の乾燥剤を充填したものから形成されている。また、フィルタ10は金網をキャップ状に形成したものからなっている。乾燥剤層9とフィルタ10との間には、乾燥剤層9を上方に浮動支持するとともに、フィルタ10を底板4上に固定するばね12が設けられている。
【0011】より詳しくは、底板4には、フィルタ10を支持する支持部13が設けられており、該支持部13にフィルタ10を嵌入し、該フィルタ10の側面にばね12を巻回して、フィルタ10が底板4上に固定されるようになっている。
【0012】支持部13には、冷媒を底板4に設けられた流出ポート14へと送出する切欠部15が形成されている。したがって、管体2内の冷媒量が減少した場合であっても冷媒は切欠部15から流出ポート14へと送出され、滞留が防止されるようになっている。
【0013】本実施態様のような冷媒乾燥器1においては、流入ポート5から管体2内へ流入した冷媒は、乾燥剤層9、フィルタ10を通過した後に、流出ポート14から外部へと流出されるようになっている。
【0014】また、本実施態様のような冷媒乾燥器1においては、ばね12により乾燥剤層9が上方に浮動支持されるとともに、フィルタ10は底板4上に固定される。したがって、複雑な固定構造や煩雑な接合作業を廃止しつつ、フィルタ10を乾燥剤層9の下方(下流側)に確実にしかも容易に固定できる。また、図1に示すように乾燥剤層9とフィルタ10との間には適当な空隙が形成されるが、該空隙は液留め部として利用することができるので、乾燥剤層9と管2内の液冷媒とが接触し乾燥剤層9を形成する乾燥剤が侵されるような不具合を解消することができる。
【0015】また、フィルタ10は、底板4の支持部13に嵌入され、その状態で側面にばね12が巻回され底板4上に固定されるので、フィルタ10を位置決め精度よく固定することができる。
【0016】また、フィルタ10はキャップ状に形成されているので、平板状に形成する場合に比べて濾過面積を拡大することができ、フィルタ10の濾過性能を向上することもできる。
【0017】図3は、本発明の第2実施態様に係る冷媒乾燥器を示している。本実施態様においては、底板16には冷媒を流出ポート17へと案内する突条18が設けられており、底板16上に平板状のフィルタ19がばね20により付勢されている。そして、該ばね20により乾燥剤層21が上方に浮動支持されるようになっている。
【0018】本実施態様においても、複雑な固定構造等を排しつつ、フィルタ19を底板16上に確実に固定することができるとともに、乾燥剤層21とフィルタ19との間に液留め部を形成でき、乾燥剤層21と液冷媒との接触を防止できる。
【0019】また、底板16には流出ポート17から放射状に延びる突条18が設けられているので、底板16上の液冷媒を確実に流出ポート17へと送出させることができる。なお、突条18を設けることによりフィルタ19と底板16との間には若干の隙間ができるので、流出ポート17へと至る液冷媒の流れがフィルタ19により阻害されることもない。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明の冷媒乾燥器によるときは、複雑な固定構造等を排しつつ、管内の所定の位置にフィルタを確実に固定でき、しかも乾燥剤層の早期劣化等を防止できる高品質の冷媒乾燥器を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
【出願日】 平成11年6月1日(1999.6.1)
【代理人】 【識別番号】100091384
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 俊光
【公開番号】 特開2000−346500(P2000−346500A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−153503