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【発明の名称】 凝縮器
【発明者】 【氏名】新濱 正剛

【要約】 【課題】冷媒通路を形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合の補修作業を容易にすることができる凝縮器を提供する。

【解決手段】一対のヘッダパイプ2,3間に複数本の熱交換チューブ4を多段状に配設してコア部10を形成する。一方のヘッダパイプ3に貯液タンク6を接合させる。ヘッダパイプ3内と貯液タンク6内とを接続部材40の冷媒通路によって連通させる。接続部材40は、ヘッダパイプ3における貯液タンク6との接合部位を外した部位と、貯液タンク6におけるヘッダパイプ3との接合部位を外した部位とを接続するように設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対のヘッダパイプ(2,3)間に、該一対のヘッダパイプ(2,3)間を架橋して冷媒を流通させる複数本の熱交換チューブ(4)が多段状に配設されていると共に、該熱交換チューブ(4)を介して冷媒を冷却するコア部(10)が形成され、一方のヘッダパイプ(3)に、冷却により凝縮液化した冷媒を貯留する貯液タンク(6)が接合され、一方のヘッダパイプ(3)内と貯液タンク(6)内とが冷媒通路(45)によって連通されている凝縮器において、一方のヘッダパイプ(3)と貯液タンク(6)とは、冷媒通路(45)を備えた接続部材(40,140,240,340)を介して連通接続され、該接続部材(40,140,240,340)は、一方のヘッダパイプ(3)における貯液タンク(6)との接合部位を外した部位と、貯液タンク(6)における一方のヘッダパイプ(3)との接合部位を外した部位とを接続していることを特徴とする凝縮器。
【請求項2】 請求項1記載の凝縮器であって、両ヘッダパイプ(2,3)内に、前記コア部(10)を、気相冷媒を凝縮液化させる凝縮部(11)と、該凝縮部(11)で凝縮液化された液相冷媒を過冷却する過冷却部(12)とに区分するセパレータ(7)が配設され、該セパレータ(7)によって各ヘッダパイプ(2,3)内が、凝縮部(11)の熱交換チューブ(4)と連通する第1室(21,31)と、過冷却部(12)の熱交換チューブ(4)と連通する第2室(22,32)とに分割され、接続部材(40,140,240)は、冷媒通路(45)として、一方のヘッダパイプ(3)内の第1室(31)と貯液タンク(6)内とを連通させる第1冷媒通路(45a)と、一方のヘッダパイプ(3)内の第2室(32)と貯液タンク(6)内とを連通させる第2冷媒通路(45b)とを備えていることを特徴とする凝縮器。
【請求項3】 請求項2記載の凝縮器であって、接続部材(140,240)は、第1冷媒通路(45a)を備えた第1接続部材(141,241)と、第2冷媒通路(45b)を備え第1接続部材(141,241)とは別体の第2接続部材(142,242)とからなっていることを特徴とする凝縮器。
【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の凝縮器であって、接続部材(40,140)に、冷媒通路(45)と連通し補機部品(50)を装着可能な補機接続ポート(47)が設けられていることを特徴とする凝縮器。
【請求項5】 請求項4記載の凝縮器であって、冷媒通路(45)に、冷媒中の塵埃を濾過するフィルター(70)が補機接続ポート(47)から挿入配設され、該補機接続ポート(47)に、該補機接続ポート(47)の密閉栓を兼ねる補機部品(50)が装着されていることを特徴とする凝縮器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用空調装置等の冷凍サイクルに用いられる凝縮器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷凍サイクルに用いられる凝縮器の中には、例えば特開平8−35744号公報や特開平8−110125号公報に示されているように、一対のヘッダパイプのうちの一方のヘッダパイプに、冷却によって凝縮液化した冷媒を貯留する貯液タンクを併設し、該貯液タンクにリキッドタンクとしての機能を付与したものがある。
【0003】図11は、従来品の要部を示す分解斜視図である。図11に示す従来品は、特開平8−35744号公報に記載されているものであり、一方のヘッダパイプBに、平坦面B2を有する平坦部B1が形成され、貯液タンクCにも、平坦面C2を有する平坦部C1が形成されている。ヘッダパイプBの平坦部B1には、所定位置に貫通孔B3が設けられ、貯液タンクCの平坦部C1にも、所定位置に、ヘッダパイプBの貫通孔B3と同一形状の貫通孔C3が設けられている。
【0004】この従来品では、ヘッダパイプBの貫通孔B3と貯液タンクCの貫通孔C3とを一致させてヘッダパイプBの平坦面B2と貯液タンクCの平坦面C2とをロウ付け接合することにより、貫通孔B3と貫通孔C3とでヘッダパイプB内と貯液タンクC内とを連通させて、冷媒が流れる冷媒通路Dを形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図11に示す従来品では、冷媒通路Dを形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合は、その接合部分の外周全周をロウ付け等で気密に密閉して補修せざるを得ない。しかし、ヘッダパイプBの平坦面B2と貯液タンクCの平坦面C2とを接合して冷媒通路Dを形成しているので、この冷媒通路Dを形成するための接合部分の接合面積が広く、その接合部分の外周が長い。
【0006】従って、図11に示す従来品には、冷媒通路Dを形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合は、補修作業に極めて手間がかかり、場合によっては凝縮器そのものを廃却処分せざるを得ない、という問題が発生する虞がある。
【0007】そこで、本発明では、冷媒通路を形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合の補修作業を容易にすることができる凝縮器を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、一対のヘッダパイプ間に、該一対のヘッダパイプ間を架橋して冷媒を流通させる複数本の熱交換チューブが多段状に配設されていると共に、該熱交換チューブを介して冷媒を冷却するコア部が形成され、一方のヘッダパイプに、冷却により凝縮液化した冷媒を貯留する貯液タンクが接合され、一方のヘッダパイプ内と貯液タンク内とが冷媒通路によって連通されている凝縮器において、一方のヘッダパイプと貯液タンクとは、冷媒通路を備えた接続部材を介して連通接続され、該接続部材は、一方のヘッダパイプにおける貯液タンクとの接合部位を外した部位と、貯液タンクにおける一方のヘッダパイプとの接合部位を外した部位とを接続していることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の凝縮器であって、両ヘッダパイプ内に、前記コア部を、気相冷媒を凝縮液化させる凝縮部と、該凝縮部で凝縮液化された液相冷媒を過冷却する過冷却部とに区分するセパレータが配設され、該セパレータによって各ヘッダパイプ内が、凝縮部の熱交換チューブと連通する第1室と、過冷却部の熱交換チューブと連通する第2室とに分割され、接続部材は、冷媒通路として、一方のヘッダパイプ内の第1室と貯液タンク内とを連通させる第1冷媒通路と、一方のヘッダパイプ内の第2室と貯液タンク内とを連通させる第2冷媒通路とを備えていることを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載の凝縮器であって、接続部材は、第1冷媒通路を備えた第1接続部材と、第2冷媒通路を備え第1接続部材とは別体の第2接続部材とからなっていることを特徴としている。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の凝縮器であって、接続部材に、冷媒通路と連通し補機部品を装着可能な補機接続ポートが設けられていることを特徴としている。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項4記載の凝縮器であって、冷媒通路に、冷媒中の塵埃を濾過するフィルターが補機接続ポートから挿入配設され、該補機接続ポートに、該補機接続ポートの密閉栓を兼ねる補機部品が装着されていることを特徴としている。
【0013】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、一方のヘッダパイプと貯液タンクとは、冷媒通路を備えた接続部材を介して連通接続され、この接続部材は、一方のヘッダパイプにおける貯液タンクとの接合部位を外した部位と、貯液タンクにおける一方のヘッダパイプとの接合部位を外した部位とを接続しているので、冷媒通路を形成するための接合部分は、一方のヘッダパイプと接続部材との接合部分及び貯液タンクと接続部材との接合部分となり、一方のヘッダパイプと貯液タンクとを接合させて冷媒通路を形成する図11図示の従来品と比べて、冷媒通路を形成するための接合部分の接合面積を小さくすることができ、その接合部分の外周を短くすることができる。
【0014】しかも、冷媒通路を形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合は、その冷媒リークが発生した接合部分を、一方のヘッダパイプと接続部材との接合部分あるいは貯液タンクと接続部材との接合部分の何れか一方に絞ることもできる。
【0015】従って、冷媒通路を形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合には、図11図示の従来品と比べて、補修を要する接合部分の外周長さを短くすることができ、その外周全周をロウ付け等で気密に密閉する補修作業を容易にすることができる。
【0016】請求項2記載の発明では、コア部の凝縮部で凝縮液化された冷媒は、一方のヘッダパイプ内の第1室から接続部材の第1冷媒通路を通って貯液タンク内へ流入し、貯液タンク内の液相冷媒は、貯液タンク内から接続部材の第2冷媒通路を通って一方のヘッダパイプ内の第2室へ流出した後、この第2室からコア部の過冷却部へ流入し該過冷却部で過冷却されるので、コア部が凝縮部と過冷却部とに区分されていても、冷媒通路を形成するための接合部分は、一方のヘッダパイプと接続部材との接合部分及び貯液タンクと接続部材との接合部分となる。
【0017】このため、図11図示の従来品と比べて、冷媒通路を形成するための接合部分の接合面積を小さくすることができ、その接合部分の外周を短くすることができる。しかも、冷媒通路を形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合は、その冷媒リークが発生した接合部分を、一方のヘッダパイプと接続部材との接合部分あるいは貯液タンクと接続部材との接合部分の何れか一方に絞ることもできる。
【0018】従って、コア部が凝縮部と過冷却部とに区分されていても、冷媒通路を形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合には、図11図示の従来品と比べて、補修を要する接合部分の外周長さを短くすることができ、その外周全周をロウ付け等で気密に密閉する補修作業を容易にすることができる。
【0019】請求項3記載の発明では、接続部材は、第1冷媒通路を備えた第1接続部材と、第2冷媒通路を備え第1接続部材とは別体の第2接続部材とからなっているので、第1及び第2の両冷媒通路の配設位置を設計する際の選択の幅が拡がり、設計自由度を大きくすることができる。
【0020】また、冷媒通路を形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合は、その冷媒リークが発生した接合部分を第1接続部材と第2接続部材との何れか一方の接合部材の接合部分に絞ることもできる。従って、請求項2記載の発明と比べて、補修を要する接合部分の外周長さを短くすることができ、その外周全周をロウ付け等で気密に密閉する補修作業を容易にすることができる。
【0021】請求項4記載の発明では、接続部材に、冷媒通路と連通し補機部品を装着可能な補機接続ポートが設けられているので、この補機接続ポートに圧力スイッチ,圧力センサ,可溶栓等の補機部品を装着することができる。従って、冷凍サイクルの冷媒配管途中に補機部品用の継手等の取付具を配設する手間を省くことができ、その結果、冷凍サイクルを形成する際のコスト低減を図ることができる。
【0022】請求項5記載の発明では、冷媒通路に、冷媒中の塵埃を濾過するフィルターが補機接続ポートから挿入配設され、該補機接続ポートに、該補機接続ポートの密閉栓を兼ねる補機部品が装着されているので、接続部材内へのフィルターの密封と接続部材への補機部品の装着とを同時に行うことができ、従って、冷凍サイクルを形成する際の作業効率を向上させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は、請求項1,2,4,5記載の各発明を併せて実施した第1実施形態の一例を示す斜視図である。この凝縮器1は、自動車用空調装置の冷凍サイクルに用いられるものであって、上下両端を塞がれた一対のヘッダパイプ2,3を備えている。両ヘッダパイプ2,3間には、両ヘッダパイプ2,3間を架橋し両ヘッダパイプ2,3に連通接続されて冷媒を流通させる複数本の扁平な熱交換チューブ4が上下方向へ多段状に配設されている。
【0024】互いに隣接する両熱交換チューブ4,4間には、波形の放熱フィン5が上下の両熱交換チューブ4,4に当接して配設されている。これらの熱交換チューブ4及び放熱フィン5は、各熱交換チューブ4内を流通する冷媒を、熱交換チューブ4間を通過する外気によって冷却するコア部10を形成している。
【0025】一方のヘッダパイプ3には、冷却により凝縮液化した冷媒を貯留する貯液タンク6が接合され、ヘッダパイプ3と貯液タンク6とは、接続部材40を介して連通接続されている。この接続部材40は、ヘッダパイプ3における貯液タンク6との接合部位を外した部位と、貯液タンク6におけるヘッダパイプ3との接合部位を外した部位とを接続している。
【0026】両ヘッダパイプ2,3内には、コア部10を凝縮部11と過冷却部12とに区分するセパレータ7がそれぞれ配設されている。凝縮部11は、気相冷媒を冷却して凝縮液化させ、過冷却部12は、凝縮部11で凝縮液化され貯液タンク6に貯留された液相冷媒を過冷却する。
【0027】ヘッダパイプ2内のセパレータ7によって、ヘッダパイプ2内は、凝縮部11の熱交換チューブ4と連通する第1室21と、過冷却部12の熱交換チューブ4と連通する第2室22とに分割されている。同様に、ヘッダパイプ3内のセパレータ7によって、ヘッダパイプ3内は、凝縮部11の熱交換チューブ4と連通する第1室31と、過冷却部12の熱交換チューブ4と連通する第2室32とに分割されている。
【0028】ヘッダパイプ2の上方側面には、図外のコンプレッサから吐出される高温高圧の気相冷媒をヘッダパイプ2内の第1室21へ流入させる流入ポートを備えた流入部23が設けられている。ヘッダパイプ2の下方側面には、ヘッダパイプ2内の第2室22から液相冷媒を図外の膨張器へ流出させる流出ポートを備えた流出部24が設けられている。
【0029】接続部材40は、ヘッダパイプ3内のセパレータ7を跨ぐように配設されている。接続部材40の頂面には、圧力スイッチ50が装着されている。この圧力スイッチは、冷凍サイクルで使用される補機部品類のうちの一補機部品であり、冷媒の圧力が所定値に達したときに作動して、図外のコンプレッサの駆動を停止させる停止信号を発する。
【0030】図2は、図1に示すもののX部を示す分解斜視図である。図3は、図2中の接続部材を一部破断させて示す破断断面図である。接続部材40は、一方の円弧状側面に、パイプ状の第1突部41と第2突部42とが設けられ、他方の円弧状側面に、パイプ状の第3突部43と第4突部44とが設けられている。
【0031】接続部材40の第1及び第3の両突部41,43は、接続部材40の内部で互いに連通しており、接続部材40の第2及び第4の両突部42,44も、接続部材40の内部で互いに連通している。
【0032】ヘッダパイプ3には、接続部材40の第1突部41をヘッダパイプ3内の第1室31に挿入させる第1挿入孔33と、接続部材40の第2突部42をヘッダパイプ3内の第2室32に挿入させる第2挿入孔34とが形成されている。貯液タンク6には、接続部材40の第3突部43を貯液タンク6内に挿入させる第1挿入孔61と、接続部材40の第4突部44を貯液タンク6内に挿入させる第2挿入孔62とが形成されている。
【0033】接続部材40は、その第1突部41をヘッダパイプ3の第1挿入孔33に挿入させ、第2突部42をヘッダパイプ3の第2挿入孔34に挿入させてヘッダパイプ3に接合され、第3突部43を貯液タンク6の第1挿入孔61に挿入させ、第4突部44を貯液タンク6の第2挿入孔62に挿入させて貯液タンク6に接合される。
【0034】従って、接続部材40は、ヘッダパイプ3内と貯液タンク6内とを連通させて冷媒を流通させる冷媒通路45として、ヘッダパイプ3内の第1室31と貯液タンク6内とを連通させる第1冷媒通路45aを備えていると共に、ヘッダパイプ3内の第2室32と貯液タンク6内とを連通させる第2冷媒通路45bも備えている。そして、接続部材40には、第1冷媒通路45aと連通する補機接続ポート47が形成され、この補機接続ポート47の開口部には、圧力スイッチ50が着脱自在に装着されるようになっている。
【0035】図4は、図3に示すもののY−Y線断面図である。図3,図4に示すように、第1冷媒通路45aには、冷媒中の塵埃を濾過するフィルター70が補機接続ポート47から出し入れ自在に挿入配設されている。このフィルター70は圧力スイッチ50によって押圧固定されるようになっている。圧力スイッチ50は、接続ポート47の密閉栓を兼ねており、フィルター70を接続部材40内に密封する。
【0036】図5は、フィルターの正面図であり、図6は、フィルターの右側面図である。図7は、フィルターの平面図である。図5〜図7に示すように、フィルター70は、メッシュ材からなるフィルター本体71と、このフィルター本体71を保持する枠体72とからなり、この枠体72の頂面及び底面に位置決め突部73がそれぞれ設けられている。
【0037】そして、このフィルター70は、接続部材40の第1冷媒通路45aに配設される下半部が半円柱状に形成されて、下半部のメッシュ材の量が上半部より増量され、接続部材40の第1冷媒通路45aを流通する冷媒中の塵埃を確実に濾過するようになっている。
【0038】以上説明した凝縮器1では、図外のコンプレッサから吐出される高温高圧の気相冷媒は、流入部23の流入ポートからヘッダパイプ2内の第1室21へ流入し、この第1室21からコア部10の凝縮部11を通り、この凝縮部11で冷却され凝縮液化されてヘッダパイプ3内の第1室31へ至る。この第1室31からは接続部材40の第1冷媒通路45aを通って貯液タンク6内へ流入する。このとき、冷媒中の塵埃は、第1冷媒通路45aに配設されたフィルター70によって確実に濾過される。
【0039】貯液タンク6内へ流入した冷媒は、貯液タンク6内で気液が分離され、貯液タンク6内に一旦貯留される。貯液タンク6内の液相冷媒は、貯液タンク6内から接続部材40の第2冷媒通路45bを通ってヘッダパイプ3内の第2室32へ流出し、この第2室32からコア部10の過冷却部12を通り、この過冷却部12で過冷却されてヘッダパイプ2内の第2室22へ至る。この第2室22からは流出部24の流出ポートからヘッダパイプ2外へ流出する。
【0040】ところで、凝縮器1では、ヘッダパイプ3と貯液タンク6とは、第1及び第2の両冷媒通路45a,45bを備えた接続部材40を介して連通接続されている。そして、接続部材40は、ヘッダパイプ3における貯液タンク6との接合部位を外した部位と、貯液タンク6におけるヘッダパイプ3との接合部位を外した部位とを接続している。
【0041】このため、第1及び第2の両冷媒通路45a,45bを形成するための接合部分は、ヘッダパイプ3と接続部材40との接合部分及び貯液タンク6と接続部材40との接合部分となる。これに対し、図11図示の従来品では、冷媒通路Dを形成するための接合部分は、ヘッダパイプBの平坦面B2と貯液タンクCの平坦面C2との接合部分となる。
【0042】従って、凝縮器1では、図11図示の従来品と比べて、両冷媒通路45a,45bを形成するための接合部分の接合面積を小さくすることができ、その接合部分の外周を短くすることができる。しかも、両冷媒通路45a,45bを形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合は、その冷媒リークが発生した接合部分を、ヘッダパイプ3と接続部材40との接合部分あるいは貯液タンク6と接続部材40との接合部分の何れか一方に絞ることもできる。
【0043】よって、凝縮器1では、両冷媒通路45a,45bを形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合に、図11図示の従来品と比べて、補修を要する接合部分の外周長さを短くすることができ、その外周全周をロウ付け等で気密に密閉する補修作業を容易にすることができる。
【0044】また、凝縮器1では、接続部材40に、第1冷媒通路45aと連通する補機接続ポート47を設け、この補機接続ポート47に圧力スイッチ50を装着したので、冷凍サイクルの冷媒配管途中に圧力スイッチ50用の継手等の取付具を設ける手間を省くことができ、従って、冷凍サイクルを形成する際のコスト低減を図ることもできる。
【0045】更に、凝縮器1では、接続部材40の第1冷媒通路45aに、冷媒中の塵埃を濾過するフィルター70を接続部材40の補機接続ポート47から挿入配設し、その補機接続ポート47に、補機接続ポート47の密閉栓を兼ねる圧力スイッチ50を装着したので、接続部材40内へのフィルター70の密封と接続部材40への圧力スイッチ50の装着とを同時に行うことができ、従って、冷凍サイクルを形成する際の作業効率を向上させることもできる。
【0046】しかも、接続部材40の第1冷媒通路45aにフィルター70を接続部材40の補機接続ポート47から出し入れ自在に挿入配設し、この補機接続ポート47に圧力スイッチ50を着脱自在に装着したので、フィルター70の洗浄及び交換を容易に行うこともできる。
【0047】ところで、従来の凝縮器には、例えば特開平7−180930号公報の図9等に示されているように、貯液タンクに着脱自在の蓋材を設け、貯液タンク内にフィルターを出し入れ自在に密封したものがある。このような従来の凝縮器では、貯液タンク内にフィルターが収納されるので、貯液タンクのスペース及び内容積が減少して貯液タンクの小型化に逆行することとなる。
【0048】これに対し、凝縮器1では、接続部材40の第1冷媒通路45aにフィルター70を接続部材40の補機接続ポート47から出し入れ自在に挿入配設し、この補機接続ポート47に、補機接続ポート47の密閉栓を兼ねる圧力スイッチ50を着脱自在に装着したので、貯液タンク6の着脱自在の蓋材と貯液タンク6内のフィルターとを不要とすることができ、従って、貯液タンク6の小型化を図ることもできる。
【0049】(第2実施形態)図8は、請求項1〜5記載の各発明を併せて実施した第2実施形態の一例を示す斜視図である。なお、以下に行う第2実施形態の説明では、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、第1実施形態の説明と重複する説明は省略する。
【0050】図8に示す凝縮器100では、接続部材140は、第1冷媒通路45aを備えた第1接続部材141と、第2冷媒通路45bを備え第1接続部材141とは別体の第2接続部材142とからなっている。第1接続部材141は、ヘッダパイプ3及び貯液タンク6の上部に配設され、補機接続ポート47が開口する頂面に圧力スイッチ50が着脱自在に装着されている。
【0051】この凝縮器100では、第1冷媒通路45aを備えた第1接続部材141と、第2冷媒通路45bを備えた第2接続部材142とが別体とされているので、第1及び第2の両冷媒通路45a,45bの配設位置を設計する際の選択の幅が拡がり、設計自由度を大きくすることができる。
【0052】また、冷媒通路45を形成するための接合部分から冷媒リークが発生した場合は、その冷媒リークが発生した接合部分を第1接続部材141と第2接続部材142との何れか一方の接合部分に絞ることもできる。従って、凝縮器1と比べて、補修を要する接合部分の外周長さを短くすることができ、その外周全周をロウ付け等で気密に密閉する補修作業を容易にすることができる。
【0053】更に、第1接続部材141をヘッダパイプ3及び貯液タンク6の上部に配設したので、第1接続部材141の頂面への圧力スイッチ50の取り付けと、該頂面からの圧力スイッチ50の取り外しとを容易に行うこともできる。
【0054】ところで、以上説明した凝縮器1,100では、圧力スイッチ50は接続部材40,140の頂面に装着されている。しかし、接続部材40,140の補機接続ポート47を接続部材40,140の頂面以外の面に開口させることにより、接続部材40,140の頂面以外の面に圧力スイッチ50を装着させることは勿論可能である。
【0055】また、凝縮器1,100では、冷凍サイクルで使用される補機部品として圧力スイッチ50を採用している。しかし、この補機部品は、圧力スイッチ50に限定されるものでは無く、例えば、冷媒の圧力を検出する圧力センサ、冷媒の温度が所定値に至ると溶解する可溶栓等であっても良い。
【0056】更に、凝縮器1,100では、接続部材40,140は、第1冷媒通路45aと連通する補機接続ポート47を備えている。しかし、接続部材40,140は、第1冷媒通路45aと連通する補機接続ポート47と共に、あるいは、この補機接続ポート47に代えて、第2冷媒通路45bと連通する補機接続ポートを備えていても良い。
【0057】従って、第2冷媒通路45bと連通する補機接続ポートからフィルター70を第2冷媒通路45bに挿入配設することは勿論可能であり、第1及び第2の両冷媒通路45a,45bの少なくとも一方にフィルター70を出し入れ自在に配設することも勿論可能である。
【0058】よって、貯液タンク6内に、冷媒中の水分を除去するシリカゲル等の乾燥剤を、通液性を有するメッシュ材等で拘束して配設した場合には、接続部材40,140の第2冷媒通路45bにフィルター70を配設することにより、前記乾燥剤の崩壊破片が貯液タンク6内から冷媒と共に流出して過冷却部12の熱交換チューブ4内等で目詰まりするのを防止することができる。
【0059】(第3実施形態)図9は、請求項1〜3記載の各発明を併せて実施した第3実施形態の一例を示す斜視図である。なお、以下に行う第3実施形態の説明では、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、第1実施形態の説明と重複する説明は省略する。
【0060】図9に示す凝縮器200では、接続部材240は、第1冷媒通路45aを備えた第1接続部材241と、第2冷媒通路45bを備え第1接続部材241とは別体の第2接続部材242とからなり、第1及び第2の両接続部材241,242が何れも、パイプ部材から形成され、補機接続ポート47を備えていない。
【0061】この凝縮器200では、第1及び第2の両接続部材241,242は何れもパイプ部材から形成され、補機接続ポート47を備えていないので、両接続部材241,242の構造が簡単であり、両接続部材241,242の重量及び製造コストを抑えて、凝縮器そのものの軽量化と低価格化とを図ることができる。
【0062】ところで、以上説明した凝縮器1,100,200では、セパレータ7によって、コア部10は凝縮部11と過冷却部12とに区分され、ヘッダパイプ3は第1室31と第2室32に分割されている。このため、接続部材40,140,240は、冷媒通路40として第1冷媒通路45aと第2冷媒通路45bとの少なくとも2通路を備えている必要がある。
【0063】しかし、請求項1に係る発明では、例えば図10に示す凝縮器300のように、コア部10は凝縮部11のみからなっていても良い。そして、コア部10が凝縮部11のみからなっている場合には、接続部材340は、ヘッダパイプ3内と貯液タンク6内とを連通させる冷媒通路40を少なくとも1通路備えていれば良い。なお、凝縮器300では、液相冷媒が流出する流出ポートを備えた流出部24は、ヘッダパイプ2ではなく貯液タンク6に設けられている。
【0064】また、凝縮器1,100,200では、両ヘッダパイプ2,3は、その内部がセパレータ7によって第1室21,31と第2室22,32とに2分割されている。しかし、例えば特開平9−257337号公報に示されているように、両ヘッダパイプ2,3の第1室21,31に、各第1室21,31を分割して冷媒が凝縮部11をジグザクに流れるようにする隔壁を設けても良い。同様に、両ヘッダパイプ2,3の第2室22,32に、各第2室22,32を分割して冷媒が過冷却部12をジグザクに流れるようにする隔壁を設けても良い。
【0065】そして、凝縮器300では、両ヘッダパイプ2,3内に、各ヘッダパイプ2,3内を分割して冷媒が凝縮部11をジグザクに流れるようにする隔壁を設けても良いのは勿論のことである。
【出願人】 【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
【出願日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2000−346491(P2000−346491A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願2000−49983(P2000−49983)