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【発明の名称】 蓄熱式冷暖房給湯装置
【発明者】 【氏名】青山 繁男

【氏名】町田 和彦

【氏名】濱田 和幸

【氏名】木村 正男

【氏名】松下 昌生

【要約】 【課題】設置工事を簡略化しうる蓄熱式冷暖房給湯装置を提供する。

【解決手段】温熱、冷熱を発生し伝熱媒体及び湯水を加熱しうるヒートポンプユニット2、伝熱媒体との間で熱量を受け渡ししうる蓄熱タンクユニット3、湯水を給湯可能に貯湯しうる貯湯タンクユニット5、及び伝熱媒体から熱量を取り出して居室内に放熱する居室放熱器4を具える。ヒートポンプユニット2は、熱交換器を有する本体部2Aと、この本体部2Aに伝熱媒体等を出入りさせかつ一端にヒートポンプ配管継手C1〜C5を設けた配管部2Bとが一体に形成される。蓄熱タンクユニット3は、蓄熱体6を収容する蓄熱タンク3Aと、この蓄熱タンク3Aに伝熱媒体を出入りさせかつ一端に蓄熱タンク配管継手C6〜C13を設けた蓄熱タンク配管部3Bとが一体に形成される。貯湯タンクユニット5Uは、貯湯タンク5Aと、この貯湯タンク5Aに湯水を出入りさせかつ一端に貯湯タンク配管継手C13〜C16を設けた貯湯タンク配管部5Bとが一体に形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】温熱、冷熱を発生し伝熱媒体及び湯水と熱交換して該伝熱媒体及び湯水を吐出するヒートポンプユニット、前記伝熱媒体との間で熱量を受け渡ししうる蓄熱タンクユニット、前記加熱された湯水を給湯可能に貯湯しうる貯湯タンクユニット、及び前記伝熱媒体から熱量を取り出して居室内に放熱する居室放熱器を具えるとともに、前記ヒートポンプユニットは、熱交換器を有する本体部と、この本体部に前記伝熱媒体、湯水を出入りさせかつ一端にヒートポンプ配管継手を設けた配管部とを一体に形成してなり、かつ前記蓄熱タンクユニットは、蓄熱体を収容する蓄熱タンクと、この蓄熱タンクに伝熱媒体を出入りさせかつ一端に蓄熱タンク配管継手を設けた蓄熱タンク配管部とを一体に形成してなり、しかも前記貯湯タンクユニットは、湯水を貯める貯湯タンクと、この貯湯タンクに湯水を出入りさせかつ一端に貯湯タンク配管継手を設けた貯湯タンク配管部とを一体に形成してなることを特徴とする蓄熱式冷暖房給湯装置。
【請求項2】前記蓄熱タンクユニット及び貯湯タンクユニットは、家屋の床下空間に設置されるとともに、この床下空間に連通する家屋の基礎換気口を挟んで家屋外部に前記ヒートポンプユニットを設置してなる請求項1記載の蓄熱式冷暖房給湯装置。
【請求項3】前記蓄熱タンク配管継手及び前記貯湯タンク配管継手は、前記各タンクユニットの前記基礎換気口に近い一端側に設けられてなる請求項2記載の蓄熱式冷暖房給湯装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施工工事などを簡易化しうる蓄熱式冷暖房給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、電気エネルギーから温熱、冷熱を発生して伝熱媒体と熱交換する熱交換器と、前記伝熱媒体との間で熱量を受け渡しする蓄熱装置と、前記伝熱媒体から熱量を取り出して居室内に放熱する居室放熱器や、湯水を加温して貯湯しうる貯湯タンクと、これらの間で伝熱媒体を循環させるポンプとを具えた蓄熱式冷暖房給湯装置が提案されている。
【0003】このような装置では、例えばヒートポンプユニットは主として屋外に、また居室放熱器は家屋内部に夫々配置されるため、これらの間で種々の配管接続作業が必要となり、施工工事が複雑化する傾向があった。本発明は、このような実状に鑑み案出なされたもので、前記各装置に、配管継手を有する配管部を一体に設けてユニット化することを基本として、各ユニット間の配管作業を大幅に簡易化でき、施行工事や設置作業を能率化しうる蓄熱式冷暖房給湯装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記載の発明は、温熱、冷熱を発生し伝熱媒体及び湯水と熱交換して該伝熱媒体及び湯水を吐出するヒートポンプユニット、前記伝熱媒体との間で熱量を受け渡ししうる蓄熱タンクユニット、前記加熱された湯水を給湯可能に貯湯しうる貯湯タンクユニット、及び前記伝熱媒体から熱量を取り出して居室内に放熱する居室放熱器を具えるとともに、前記ヒートポンプユニットは、熱交換器を有する本体部と、この本体部に前記伝熱媒体、湯水を出入りさせかつ一端にヒートポンプ配管継手を設けた配管部とを一体に形成してなり、かつ前記蓄熱タンクユニットは、蓄熱体を収容する蓄熱タンクと、この蓄熱タンクに伝熱媒体を出入りさせかつ一端に蓄熱タンク配管継手を設けた蓄熱タンク配管部とを一体に形成してなり、しかも前記貯湯タンクユニットは、湯水を貯める貯湯タンクと、この貯湯タンクに湯水を出入りさせかつ一端に貯湯タンク配管継手を設けた貯湯タンク配管部とを一体に形成してなることを特徴としている。
【0005】また請求項2記載の発明は、前記蓄熱タンクユニット及び貯湯タンクユニットは、家屋の床下空間に設置されるとともに、この床下空間に連通する家屋の基礎換気口を挟んで家屋外部に前記ヒートポンプユニットを設置してなる請求項1記載の蓄熱式冷暖房給湯装置である。
【0006】また請求項3記載の発明は、前記蓄熱タンク配管継手及び前記貯湯タンク配管継手は、前記各タンクユニットの前記基礎換気口に近い一端側に設けられてなる請求項2記載の蓄熱式冷暖房給湯装置である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の一例を図面に基づき説明する。図1には本実施形態の蓄熱式冷暖房給湯装置のフロー図を示している。図において、本実施形態では、例えば家屋用のものであって、夜間電力を含んだ電気エネルギーから温熱、冷熱を発生して伝熱媒体ないし湯水と熱交換(加熱又は冷却)しうるヒートポンプユニット2と、前記伝熱媒体との間で熱量を受け渡しできかつ蓄熱しうる蓄熱タンクユニット3と、前記伝熱媒体から熱量を取り出して居室内に放熱する居室放熱器4と、前記湯水を給湯自在に貯める貯湯タンクユニット5とを具えている。
【0008】前記ヒートポンプユニット2は、温熱、冷熱を発生しうる伝熱媒体用の熱交換器Eaと、温熱を発生しうる給湯用の熱交換器Ebとを含むとともに、これらに伝熱媒体ないし湯水を所定の向きで循環させるポンプPa、Pbを個々に具えている。また、ヒートポンプユニット2は、前記熱交換器Ea、Ebを有する本体部2Aと、この本体部2Aに前記伝熱媒体、湯水を出入りさせかつ一端にヒートポンプ配管継手C1〜C5を設けた配管部2Bとを、例えば図2に示す如く箱体状で一体に形成される。なお前記ヒートポンプ配管継手C1〜C5は、例えば図2に示す如く、ヒートポンプユニット2の一壁面の下方に集中して配される。
【0009】前記蓄熱ユニット3は、図1、図3に示す如く、伝熱媒体との間で熱量を受け渡しできかつ蓄熱しうるもので、本実施形態では、蓄熱体6を多数収容した蓄熱タンク3Aと、この蓄熱タンク3Aに伝熱媒体を出入りさせかつ一端に蓄熱タンク配管継手C6〜C12を設けた蓄熱タンク配管部3Bとを一体に形成している。
【0010】前記蓄熱タンク3Aは、図3に示す如く、例えば架台3Dに固定され、かつブロー成形等により中空円筒状をなし、本例では樹脂からなるものが例示される。また本例では、タンク高さのほぼ中央に形成されかつ前記伝熱媒体用の熱交換器Eaへと連通する第1の出口Oa、及びタンク下部に形成された第2の出口Obを具える。また蓄熱タンク3Aは、他方の端面のタンク高さのほぼ中央に形成されかつ前記熱交換器Ea又は居室放熱器4を経由した伝熱媒体が該蓄熱タンク3Aへと戻る入口Iaを具えている。また蓄熱タンク3Aには、エア抜き弁V1、真空破壊弁V2などが適宜付設される。
【0011】前記蓄熱体6は、例えば図4に示す如く、略小球状のシェル7と、このシェル7内の空間に充填されかつ融解、凝固の相変化をなしうる蓄熱材9とから構成される。このような蓄熱体6は、前記蓄熱タンク3A内に多数積み重ねて収容されるが、その間を伝熱媒体が通過し前記蓄熱体6との間で熱交換ができるようになっている。前記蓄熱体6は、蓄熱材9が凝固温度で液相から固相に変わるときに固化の潜熱として冷熱を蓄熱し、固相から液層に変わるときに、前記蓄熱した冷熱を放出できる。蓄熱材9には、例えば塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化カルシウム6水塩、炭酸ナトリウム10水塩、硫酸ナトリウム10水塩等の水溶液、水、パラフィン、ナフタリン、エチレンジアミンなどを適宜用いることができる。
【0012】また本例のシェル7は、略球状の基体殻部7aと、前記蓄熱材9の相変化に伴う体積変化量を変形により吸収するために設けられ前記基体殻部7aに対して凹又は凸をなす変形部7bとから構成される。この変形部7bは、例えば径方向に伸縮しうる第1の伸縮部10とこれに直交する向きに伸縮しうる第2の伸縮部11とを含むことが望ましい。そして相変化により蓄熱材9の体積が変化すると、第1、第2の伸縮部10、11が変形し、シェル7内の空間の体積変化をこれに追随させることにより、蓄熱材9の体積変化が効果的に吸収される。このとき前記基体殻部7aも、ある程度、膨張可能としうるように材料を選定するのが望ましい。
【0013】また前記蓄熱タンク配管部3Bは、本実施形態では図3に示す如く、蓄熱タンク配管継手C6〜C12を具える。前記各継手C6〜C12は、本実施形態では、蓄熱タンクユニット3Uの長手方向一端側に、継手配設板3Eを介してその全てを集中して配したものを例示している。これにより、蓄熱タンク3Aと他の機器との配管を接続する配管接続作業を一定の位置でまとめて行えるため、システム設置時等の配管作業性を大幅に向上しうる点で好ましい。なお各継手の符号C6〜C12は、図1の符号にそれぞれ対応している。また、蓄熱タンク3Aの下部には、出入口Ioが設けられ、この出入口Ioを、前記一端側に設けた膨張タンク3Cへと接続している。このような膨張タンク3Cは、蓄熱体6の膨張によるタンク内の伝熱媒体の流入量の調整などに役立つ。
【0014】前記第1の出口Oaには、本例ではエルボ等を介して導管F1が接続されるとともにこの導管F1の他端には継手C6が接続されている。また前記継手C7、C9及びC11は、本例では継手ブロックB1により一体形成されるとともに、その他端が導管F2を介して前記入口Iaに接続されている。なお各継手C7、C9及びC11の経路は、いずれも前記入口Iaと導通している。また、前記継手C8、C10及びC12は、本例では継手ブロックB2として一体形成されており、これらの各経路は該ブロックB2内で全て導通するように形成されている。また、前記第2の出口には、エルボ、導管F3、F4などを介して前記膨張タンク3Cが接続されている。
【0015】前記居室放熱器4は、例えば異なる居室空間にそれぞれ配される第1、第2のの居室放熱器4a、4bを含むものが例示されているが、必要に応じて3台以上であっても良くまた1台の場合もありうる。前記各居室放熱器4は、例えば公知のファンコイルユニットからなる。前記ファンコイルユニットは、供給される伝熱媒体を熱交換する熱交換器4Aと送風用のファン4Bとを少なくとも含み、例えば天井埋め込み型や、壁設置型、さらには出窓の下部空間に設置する出窓設置型など必要に応じて種々のタイプのものが採用できる。また、これらの居室放熱器4は、空調運転時にはそれぞれに付設された電磁弁V3が開き、前記熱交換器4A伝熱媒体が供給されるようになっている。
【0016】前記貯湯タンクユニット5は、前記給湯用の熱交換器Ebにより加熱された湯水を給湯可能に貯湯でき、本実施形態では、このような湯水を貯める貯湯タンク5Aと、この貯湯タンク5Aに湯水を出入りさせかつ一端に貯湯タンク配管継手C13〜C16を設けた貯湯タンク配管部5Bとを一体に形成している。
【0017】前記貯湯タンク5Aは、図5に示す如く、架台5Dに固定され、例えばブロー成形などにより中空円筒状に形成され、本例では樹脂からなるものが例示される。また貯湯タンク5Aのタンク上部には、給湯用の熱交換器Ebを経由した湯水が流入する戻り口Ibと、貯湯タンク5A内の湯水を各所に給湯しうる出口Ocとを具える。この給湯口Ocには、真空破壊弁V1、エア抜き弁V2などが適宜付設される。また本例では、貯湯タンク5Aのタンク下部には、貯湯タンク5Aへ湯水を補給しうる補水口Icと、給湯用の熱交換器Ebに湯水を送る送り口Odとを具える。
【0018】また前記貯湯タンク配管部5Bは、本実施形態では貯湯タンク配管継手C13〜C16を具える。前記各継手13〜C16は、本実施形態では、蓄熱タンク3Aと同様に貯湯タンクユニット5Uの長手方向一端側に継手配設板5Eを介してその全てが集中して配されたものを例示している。これにより、他の機器との間を継ぐ配管接続作業を一定の位置でまとめて行うことができるため、配管作業性をさらに向上しうる。なお各継手C13〜C16の符号は、図1の符号に対応している。
【0019】前記貯湯タンク5Aの戻り口Ibには、エルボ、導管F5を介して継手C13が接続される。また前記貯湯タンク5Aの給湯口Ocには、導管F6、真空破壊弁V1、エア抜き弁V2、導管F7などを介して継手C15が接続されている。また、貯湯タンク5Aの送り口Odには、導管F8を介して継手C14が接続されている。また、補水口Icには、導管F9、開閉弁、逆止弁を介して継手C16が接続されている。
【0020】なお前記前記蓄熱タンクユニット3、貯湯タンクユニット5は、予め工場で一体に生産されるとともに、本例ではいずれも図6に示す如く、家屋の床下空間Gに設置される。これによって、従来デッドスペースとされていた床下空間Gをこれらのタンクユニット3、5の設置スペースとして有効に利用しうる。また、前記ヒートポンプユニット2は、同図に示す如く、家屋の基礎15に設けられた開口であって、前記床下空間Gに連通しうる基礎換気口16を挟んで家屋外部Dに設置されている。このため、ヒートポンプユニット2Uと、各タンクユニット3、5との間の配管距離を最小にでき、配管経路内での伝熱媒体等の熱損失を最小限に抑えうる他、前記基礎換気口16を利用した配管接続を可能とするため、工事の簡易化を図りうる。
【0021】次に、このような装置における伝熱媒体、湯水の流れについて図1を参照しつつ説明する。本例では、前記伝熱媒体用のポンプPaにより、伝熱媒体を蓄熱装置3と前記居室放熱器4との間で循環させるとともに分岐部Yを具えた主流路R1が設けられる。この主流路R1は、蓄熱タンク3A内の伝熱媒体を、蓄熱タンクの第1、第2の出口Oa、Ob、ポンプPa、第1の分岐流路X1又は第2の分岐流路X2のいずれかを通り第1の切換手段S1、居室放熱器4、蓄熱タンク3Aの入口Iaを経由して構成される。
【0022】前記第1の分岐流路X1では、前記ポンプPaで吐出された伝熱媒体をそのまま居室放熱器4へ送るが、前記第2の分岐流路X2は、ポンプPaで吐出された伝熱媒体を前記熱交換器Eaにより加熱又は冷却して前記居室放熱器4へ送ることができる。そして、これらの分岐流路X1、X2の切換は、第1の切換手段S1により択一的に切り換えされる。この第1の切換手段は、本例では第1、第2の分岐流路X1、X2の合流部に設けられるとともに、3つのポートa、b及びcを具える電磁切換式の三方弁であって、ポートb−c間、又はポートa−c間のいずれか一方を導通させる。そして、ポートaには第2の分岐流路X2が、またポートbには第1の分岐流路X1が、夫々接続され、ポートcを共通流路としている。
【0023】また前記第2の分岐流路X2には、本例では前記熱交換器Eaで加熱又は冷却された伝熱媒体を前記居室放熱器4を介することなく前記蓄熱タンク3Aに戻す第3の分岐流路X3が形成されたものを例示する。この第3の分岐流路X3は、一端が前記第2の分岐流路X2の熱交換器Eaと前記第1の切換手段との間に連通しかつ他端が、第2の居室放熱器4bと前記蓄熱タンクの入口Iaとの間に連通している。このため、第3の分岐流路X3は、第1の切換手段S1が、ポートb−cを連通させている場合であっても伝熱媒体を流すことができる。
【0024】また、本例では第3の分岐流路X3に、この流路X3の開閉を行う開閉弁V4と、該第3の分岐流路X3と前記第1の分岐流路X1とを流れる伝熱媒体の流量比を調節しうる例えば定流量弁などの流量比調整手段V5とが設けられる。
【0025】また給湯に関しては、前記貯湯タンク5A内の湯水を、貯湯タンクの送り口Od、給湯用のポンプPb、給湯用の熱交換器Eb、補助ヒータH、蓄熱タンクの入口Ibを経由させて循環する流路が形成され、湯水を徐々に加温しうる。
【0026】次にこのような装置の各運転動作について説明する。まず、蓄熱運転では、低料金の夜間電力(PM11:00〜AM7:00)を主に利用して前記伝熱媒体用の熱交換器Eaを稼働することにより、伝熱媒体に例えば夏期では冷熱(冬期では温熱)を加えることができ、またこの熱交換された伝熱媒体の前記蓄熱タンク3Aを循環させることにより前記蓄熱体6内の蓄熱材9を凍らせて冷熱(冬期では蓄熱材を例えば60℃程度まで上昇させて温熱)を蓄熱しうる。
【0027】このとき、第1の切換手段S1は、ポートa−cが連通するように切り換えされる。また電磁弁V3が閉じ、開閉弁V4が開となる。これにより、伝熱媒体は、図7に太線で示す如く、蓄熱タンク3Aの第1、第2の出口Oa、Ob、ポンプPa、第2の分岐流路X2の熱交換器Ea、第3の分岐流路X3、開閉弁V4、流量比調整弁手段5、蓄熱タンクの入口Iaを経由して循環し前記蓄熱運転をなしうる。なお空調要求のないときには、前記居室放熱器の電磁弁V3が閉じられ、このような運転がなされる。
【0028】また、夜間に同時に給湯用の熱交換器Ebを稼働し、図7に太線で示す如く、湯水を貯湯タンク5Aの送り口Od、ポンプPb、給湯用の熱交換器Eb、補助ヒータH、貯湯タンク5Aの戻り口Ibを経由させて再び貯湯タンク5Aへと戻して循環させることにより、低コストで夜間貯湯ができ、例えば貯湯タンク5A内の湯水温度を65℃程度まで上昇させる貯湯運転が可能である。なおこのとき、給湯用の熱交換器Ebは、前記蓄熱運転中の伝熱媒体用の熱交換器Eaから排出される冷房時の排熱Qを利用し同時に貯湯運転を行うこともでき、さらに効率良くを湯水を加温しうる。また、冬期など貯湯設定温度が高温に設定された場合には、前記補助ヒータHを作動することで、ヒートポンプで例えば65℃程度まで加温された湯をさらに高温、例えば85℃程度まで上昇させることができ効率的な加温をなしうる(高温貯湯運転)。
【0029】ここで、通常空調運転では、前記第1の切換手段S1を、ポートb−cが連通するよう切り換えられる。また居室放熱器4a、4bの開閉弁V3が開となる。これにより、第1の切換手段S1が、主流路R1の分岐部Yを第1の分岐流路X1へ切り換えて前記伝熱媒体を循環させることができる。即ち、図8に太線で示す如く、ポンプPaから吐出された伝熱媒体を、第1の切換手段S1のポートb−c、電磁弁V3、第1、第2の居室放熱器4a又は4b、蓄熱タンク3Aの入口Iaを経由させ循環させうる。これにより、例えば昼間などでは、夜間に蓄熱された熱を有効に利用して居室を空調(冷房又は暖房)しうる。
【0030】また、前記蓄熱体6が融解するなどにより空調負荷が相対的に大きくなった場合、第1の切換手段S1を、ポートa−cが連通するように切り換える。これにより、前記主流路R1の分岐部Yが、第2の分岐流路X2へと切り換えされる。このため、図8に点線で示す如く、ポンプPaから吐出された伝熱媒体を、第2の分岐流路X2の熱交換器Ea、第1の切換手段のポートa−c、居室放熱器4a、4b、蓄熱タンク3Aの入口Iaを経由した循環をさせ、いわゆる高負荷空調運転を行うことができる。これにより、蓄熱体6と熱交換した伝熱媒体を、さらに熱交換器Eaで加熱して居室放熱器4へと送ることができ、迅速にかつ大きな空調負荷に対処することが可能になる。
【0031】また、例えば夜間の蓄熱運転中において、空調要求により例えば第1の居室放熱器の電磁弁V3が開いた場合、図7に太線で示した如く、ポンプPaで吐出された伝熱媒体は、その一部が熱交換器Eaを通り居室放熱器を介することなく第3の分岐流路X3を通って蓄熱タンク3Aに戻り蓄熱運転を続行しうるが、残りの伝熱媒体は、図7に点線で示す如く、第1の分岐流路X1により熱交換器Eaを経由することなく第1の切換手段のポートb−c、第1の居室放熱器4aを介して蓄熱タンク3Aへと戻る。つまり、蓄熱空調同時運転が行える。
【0032】この際、前記第3の分岐流路X3に介在する流量比調整手段V5を調節することにより、空調用として第1の分岐流路X1に流れる伝熱媒体の分岐流量を容易にかつ自在に調整でき、例えば空調負荷に応じた比率で前記居室放熱器4aに伝熱媒体を送ることができ、蓄熱運転を行いつつ負荷に応じた効率の良い空調運転を可能とする。これにより、システムの経済性がより一層増すとともに、蓄熱効果を向上でき、多彩な空調、蓄熱運転を実現しうる。なお前記第3の分岐流路X3に設けられる開閉手段V4と流量比調整手段V5とは、装置として一体に組み入れられたものでも良く、またそれぞれ別体で構成されたものでも良い。
【0033】以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の実施例に限定されることなく種々の形態で実施しうる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明では、ヒートポンプユニット、蓄熱タンクユニット及び貯湯タンクユニットは、ぞれぞれ配管が接続される継手部を有する配管部を一体に具えることにより、設置現場においては、工場生産された前記各ユニットを配管等で接続する簡単な施工工事により蓄熱冷暖房給湯装置を構成することができ、設置工事を大幅に簡易化しうる。また各ユニットに設けられる配管部は、予め工場などで高度に管理された状態で製造されるため、安定したかつ無駄のない配管構造を提供しうる。
【0035】また請求項2記載の発明では、蓄熱タンクユニット及び貯湯タンクユニットを、デッドスペースとされていた床下空間に設置することにより、スペースの有効利用を図ることができる。またヒートポンプユニットを、家屋の基礎換気口を挟んで家屋外部に設置することにより、ヒートポンプユニットと、各タンクユニットとの間の配管距離を最小にでき、配管経路内での伝熱媒体等の熱損失を抑制しうるとともに、基礎換気口を利用した家屋内外での配管接続を可能とするため、設置工事の簡易化をより一層図りうる。
【0036】また請求項3記載の発明では、蓄熱タンク配管継手及び前記貯湯タンク配管継手は、前記各タンクユニットの前記基礎換気口に近い一端側に設けられることにより、ヒートポンプユニットとの間の配管距離をさらに減じ、工事の簡易化をより一層図りうる他、配管経路内での伝熱媒体等の熱損失をさらに抑制しうる。
【出願人】 【識別番号】000156938
【氏名又は名称】関西電力株式会社
【識別番号】000004673
【氏名又は名称】ナショナル住宅産業株式会社
【識別番号】000004488
【氏名又は名称】松下冷機株式会社
【出願日】 平成11年6月7日(1999.6.7)
【代理人】 【識別番号】100082968
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 正 (外1名)
【公開番号】 特開2000−346490(P2000−346490A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−159805