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【発明の名称】 ヒートポンプ装置
【発明者】 【氏名】中谷 和生

【氏名】日下 道美

【要約】 【課題】簡単な構成および制御によって、冷暖房いずれの運転条件においても十分な組成分離幅を得ることができ、主回路の冷媒量の調整と組成制御によって能力制御幅を拡大し、負荷に応じた能力制御の可能なヒートポンプ装置を提供する。

【解決手段】非共沸混合冷媒を封入し、室外熱交換器13の配管の途中から、逆止弁16と開閉弁17を直列に接続し、精留分離器20の塔底部に接続し、また、主絞り装置14と室内熱交換器15の間の配管から副絞り装置18と逆止弁19を直列に接続し、精留分離器20の塔底部に接続し、さらに精留分離器20、冷却器21と貯留器22の副回路を構成する。また、室内の空気温度を検知する温度センサー25と、設定空気温度値を記憶する記憶装置26、空気温度と設定空気温度との差の大小を判定して開閉弁17を開閉操作する演算制御装置27を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、主絞り装置、室内熱交換器を配管接続して冷凍サイクルの主回路を構成し、頂部に冷却器および貯留器を環状に接続した回路を有する精留分離器の底部と前記室外熱交換器の配管とを開閉弁および第一の逆止弁の直列回路で接続し、前記第一の逆止弁は前記室外熱交換器の配管から前記精留分離器に向かってのみ流れる構成とし、前記開閉弁と前記第一の逆止弁との間と、前記主絞り装置と前記室内熱交換器の間とを第一の副絞り装置および第二の逆止弁の直列回路で接続し、前記第二の逆止弁は前記主絞り装置と前記室内熱交換器の間の配管から前記第一の開閉弁に向かってのみ流れる構成とし、さらに前記精留分離器の底部と前記冷却器とを第二の副絞り装置を介して接続し、前記冷却器において前記精留分離器の頂部の回路を間接的に熱交換するように構成し、さらに前記冷却器と前記圧縮機の吸入配管とを接続し、非共沸混合冷媒を封入したことを特徴とするヒートポンプ装置。
【請求項2】 前記室内熱交換器を有する室内機の吸い込み空気温度を検知する室内温度センサーを設け、あらかじめ設定した設定空気温度と前記室内温度センサーで検知した吸い込み空気温度との温度差が一定値以下になった場合に、前記開閉弁を開放し、また前記設定空気温度と前記吸い込み空気温度との温度差が一定値以上になった場合に、前記開閉弁を閉止することを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ装置の運転制御方法。
【請求項3】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、主絞り装置、室内熱交換器を配管接続して冷凍サイクルの主回路を構成し、頂部に冷却器および貯留器を環状に接続した回路を有する精留分離器の底部と前記室外熱交換器の配管とを第一の開閉弁を介して接続し、前記精留分離器の底部と前記主絞り装置と前記室内熱交換器の間の配管とを第一の副絞り装置および第二の開閉弁の直列回路で接続し、さらに前記精留分離器の底部と前記冷却器とを第二の副絞り装置を介して接続し、前記冷却器において前記精留分離器の頂部の回路と間接的に熱交換するように構成し、さらに前記冷却器と前記圧縮機の吸入配管とを第三の開閉弁を介して接続し、非共沸混合冷媒を封入したことを特徴とするヒートポンプ装置。
【請求項4】 前記室内熱交換器を有する室内機の吸い込み空気温度を検知する室内温度センサーを設け、冷房運転時にあらかじめ設定した設定空気温度と前記室内温度センサーで検知した吸い込み空気温度との温度差が一定値以下になった場合、前記第一および第三の開閉弁を開放、第二の開閉弁を閉止し、前記設定空気温度と前記吸い込み空気温度との温度差が一定値以上になった場合には、前記第一および第三の開閉弁を閉止、第二の開閉弁を開放し、暖房運転時にあらかじめ設定した設定空気温度と前記室内温度センサーで検知した吸い込み空気温度との温度差が一定値以下になった場合、前記第二および第三の開閉弁を開放、第一の開閉弁を閉止し、前記設定空気温度と前記吸い込み空気温度との温度差が一定値以上になった場合には、前記第二および第三の開閉弁を閉止、第一の開閉弁を開放することを特徴とする請求項3記載のヒートポンプ装置の運転制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非共沸混合冷媒を用い、冷媒精留塔により低沸点冷媒を貯留し、主回路を流れる冷媒組成を変化させ、負荷に対応した能力を発生させることができるヒートポンプ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】非共沸混合冷媒を用い、組成分離により低沸点冷媒を貯留して主回路組成を可変するヒートポンプ装置として、特公平5−44582号公報に示されているものがある。
【0003】以下、図面を参照しながら上記従来のヒートポンプ装置を説明する。
【0004】図5は、従来のヒートポンプ装置を示す冷凍サイクルの構成図である。図5において、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、主回路減圧装置4、室内熱交換器5が直列に接続されている。また、凝縮器3と主回路減圧装置4との中間より減圧器6を連結し、精留塔7の底部に接続されている。精留塔7の塔頂部には冷却器8を配設し、圧縮機1と四方弁2との間の配管が貫通し、熱交換可能なように配設されている。この冷却器8は精留塔7の塔頂部と接続され、冷媒の貯留器を兼ねている。
【0005】また、冷却器8の下部は、精留塔7の塔頂部と接続され、精留塔7に流入した気相冷媒は、貯留器を兼ねる冷却器8で液化され、冷媒の気相、液相の比重差により還流する。
【0006】さらに、精留塔7の底部より冷却器8で液化した冷媒を主回路に流出させるために、精留塔7の底部を減圧器9を介して、主回路減圧装置4と室内熱交換器5の中間に連結している。
【0007】このような構成からなる回路において、暖房時には圧縮機1から吐出した冷媒は、四方弁2、室内熱交換器5に高温冷媒が流れ、利用側熱交換器となり部屋等を暖房する。さらに、室内熱交換器5で放熱した冷媒は液化し、減圧器9を通過する精留回路と、主回路減圧装置4を通過する主回路に分流される。
【0008】主回路減圧装置4を通過する冷媒は室外熱交換器3で蒸発し、四方弁2を通って再び圧縮機1に吸入される。
【0009】また、精留回路に分岐した冷媒は減圧装置9により冷媒は減圧される。
【0010】一方、精留塔7に流入する冷媒の状態は、室内熱交換器5の能力の大小変化により、液領域、二相領域と変化し、液領域で精留塔7に流入すれば前述のような冷媒の組成分離は行われず、低沸点成分の富んだ冷媒が循環し、能力が増大する。一方、二相領域の冷媒で精留塔7に流入すれば、気相が精留塔7を上昇し、冷却器8により冷却され液化し貯留され、精留作用により冷却器8には低沸点成分に富んだ冷媒が貯留され、主回路には高沸点成分に富んだ冷媒が循環し、能力を減少させることができるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のヒートポンプ装置では、冷房、暖房いずれの場合にも分離を行わせようとすると、減圧器6,9を同等の絞り開度とする必要があり、そのため、精留塔7の圧力は主回路の中間圧となり、精留分離もこの圧力で動作することになる。したがって、精留塔7の塔頂部の温度は低沸点成分が多くなるため、上昇する気相を液化させるための飽和温度はより低くなる。
【0012】一方、冷却器8の冷却源として圧縮機1と四方弁2の間の吸入配管を用いているために、圧縮機1の吸入過熱度が大きい場合には冷却源の冷媒温度が上昇するため、前述の塔頂部の気相を液化させるための温度としては不十分となり、冷却熱量が不足し、そのため、比較的沸点差の大きい非共沸混合冷媒を分離する場合には、分離幅が小さくなり、能力制御幅が少ない状況となっていた。
【0013】また、減圧装置6,9は常に開放の状態となっており、冷却器8には冷媒が常に貯留された状態となり、冷媒量の調整はできないため、冷媒量による能力制御はできなかった。
【0014】本発明は従来の課題を解決するもので、冷房暖房いずれの運転条件においても、また、沸点差の大きな非共沸混合冷媒においても、十分な組成分離幅を得ることができ、また主回路の冷媒量調整による能力制御の効果も付加することができ、能力制御幅をより拡大することができ、さらに貯留した液冷媒の潜熱を有効に利用することができるヒートポンプ装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本発明は、精留分離器の底部と室外熱交換器の配管とを開閉弁および逆止弁の直列回路で接続したので、冷房運転時に精留分離器が略高圧となり、また塔頂側の冷却源として塔底から流出する液冷媒の潜熱を利用したので、沸点差の大きな非共沸混合冷媒においても低沸点成分の多い冷媒を貯留して分離幅を大きくとることができる。
【0016】また、暖房運転時においても室内熱交換器の出口と副絞り装置を介して接続したので、精留分離器を略高圧とすることができ、また塔頂側の冷却源として塔底から流出する液冷媒の潜熱を利用したので、冷房運転時と同様、精留塔上下での温度差を大きくとることができ、分離幅を大きくとることができる。
【0017】さらに、貯留器内の冷媒を貯留あるいはほぼ空に制御して、主回路の冷媒量を調整することができるので、冷媒量による能力制御と、冷媒組成による能力制御により、幅広い能力制御が可能となる。
【0018】また、本発明は、室内機の吸い込み空気温度を検知し、設定温度との差が一定値以下、すなわち、室内の負荷に比べ冷暖房能力が過剰となった場合、開閉弁を操作するようにしたので、簡単な制御で、主回路冷媒組成を高沸点側に変化させて能力セーブを行うことができ、また、設定温度との差が一定値以上、すなわち、室内の負荷に比べ冷暖房能力が不足となった場合、開閉弁を操作するという簡単な制御のみで、貯留器の冷媒量をほぼ空にし、主回路の冷媒量を増加させ、また冷媒組成を元の充填組成に戻すことにより能力向上を行うことができる。
【0019】また、本発明は、精留分離器の底部と室外熱交換器の配管とを開閉弁を介して接続し、精留分離器の底部と、室内熱交換と主絞り装置の間とを開閉弁を介して接続したので、冷暖房運転時ともに精留分離器が略高圧となり、また塔頂側の冷却源として塔底から流出する液冷媒の潜熱を利用したので、沸点差の大きな非共沸混合冷媒においても低沸点成分の多い冷媒を貯留して分離幅を大きくとることができる。
【0020】また、貯留した冷媒を主回路に戻す場合に、開閉弁を介して冷房時には室内熱交換器に戻すことができるので、貯留した液冷媒潜熱を有効に利用でき、また、暖房時は室外側熱交換器に戻すことができるので、貯留した液冷媒潜熱により外気からの吸熱を促進し、能力向上を早めることができる。
【0021】また、本発明は、室内機の吸い込み空気温度を検知し、設定温度との差が一定値以下、すなわち、室内の負荷に比べ冷暖房能力が過剰となった場合、開閉弁を開閉するようにしたので、貯留器に冷媒量を貯留して主回路の冷媒量を減少させ、また精留分離を行わせることにより主回路冷媒組成を高沸点側に変化させて能力セーブを行うことができ、また、設定温度との差が一定値以上、すなわち、室内の負荷に比べ冷暖房能力が不足となった場合、開閉弁を開閉するという簡単な制御のみで、貯留器の冷媒量をほぼ空にし、主回路の冷媒量を増加させ、さらに貯留した液冷媒の潜熱を有効に利用し、冷媒組成を元の充填組成に戻すことにより能力向上を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、主絞り装置、室内熱交換器を配管接続して冷凍サイクルの主回路を構成し、頂部に冷却器および貯留器を環状に接続した回路を有する精留分離器の底部と前記室外熱交換器の配管とを開閉弁および第一の逆止弁の直列回路で接続し、前記第一の逆止弁は前記室外熱交換器の配管から前記精留分離器に向かってのみ流れる構成とし、前記開閉弁と前記第一の逆止弁との間と、前記主絞り装置と前記室内熱交換器の間とを第一の副絞り装置および第二の逆止弁の直列回路で接続し、前記第二の逆止弁は前記主絞り装置と前記室内熱交換器の間の配管から前記開閉弁に向かってのみ流れる構成とし、さらに前記精留分離器の底部と前記冷却器とを第二の副絞り装置を介して接続し、前記冷却器において前記精留分離器の頂部の回路を間接的に熱交換するように構成し、さらに前記冷却器と前記圧縮機の吸入配管とを接続し、非共沸混合冷媒を封入した構成としたものであり、冷暖房能力の必要な負荷の大きい場合には、貯留器をほぼ空とし主回路冷媒量を増加させ、また、精留分離作用は行なわず主回路は充填組成のままの冷媒量の多い状態で運転することにより、負荷に見合った高能力な運転を行うことができる。
【0023】また、冷暖房能力をあまり必要としない負荷の小さい場合には、貯留器に冷媒を貯留することにより主回路冷媒量を減少させ、また、精留分離を行なって貯留冷媒を低沸点成分に富んだ冷媒組成とし、主回路は高沸点成分に富んだ冷媒量の少ない状態で運転することにより、負荷に見合った能力セーブを行なうことができる。
【0024】また、冷暖房運転時とも精留分離器の圧力を略高圧とすることができるので、精留分離器圧力における冷媒飽和温度に対し、冷却側の冷媒との温度差を大きくすることができるので、精留分離器で発生したガスを確実に冷却することができ、分離性能を向上させ、より能力変化幅を広げることができる。
【0025】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、あらかじめ設定した設定空気温度と室内温度センサーで検知した吸い込み空気温度との温度差が一定値以下になった場合に、前記開閉弁を開放し、また前記設定空気温度と前記吸い込み空気温度との温度差が一定値以上になった場合に、前記開閉弁を閉止するように制御する構成としたものであり、簡単なセンシングで負荷の大小を判断でき、また開閉弁動作という簡単な構成で主回路冷媒量と主回路組成を可変して、負荷に応じた能力制御を行うことができる。
【0026】本発明の請求項3に記載の発明は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、主絞り装置、室内熱交換器を配管接続して冷凍サイクルの主回路を構成し、頂部に冷却器および貯留器を環状に接続した回路を有する精留分離器の底部と前記室外熱交換器の配管とを第一の開閉弁を介して接続し、前記精留分離器の底部と前記主絞り装置と前記室内熱交換器の間の配管とを第一の副絞り装置および第二の開閉弁の直列回路で接続し、さらに前記精留分離器の底部と前記冷却器とを第二の副絞り装置を介して接続し、前記冷却器において前記精留分離器の頂部の回路と間接的に熱交換するように構成し、さらに前記冷却器と前記圧縮機の吸入配管とを第三の開閉弁を介して接続し、非共沸混合冷媒を封入した構成としたものであり、冷暖房能力の必要な負荷の大きい場合には、貯留器をほぼ空とし主回路冷媒量を増加させ、また、精留分離作用は行なわず主回路は充填組成のままの冷媒量の多い状態で運転することにより、負荷に見合った高能力な運転を行うことができる。
【0027】また、冷暖房能力をあまり必要としない負荷の小さい場合には、貯留器に冷媒を貯留することにより主回路冷媒量を減少させ、また、精留分離を行なって貯留冷媒を低沸点成分に富んだ冷媒組成とし、主回路は高沸点成分に富んだ冷媒量の少ない状態で運転することにより、負荷に見合った能力セーブを行なうことができる。
【0028】また、冷暖房運転時とも精留分離器の圧力を略高圧とすることができるので、精留分離器圧力における冷媒飽和温度に対し、冷却側の冷媒との温度差を大きくすることができるので、精留分離器で発生したガスを確実に冷却することができ、分離性能を向上させ、より能力変化幅を広げることができる。
【0029】さらにまた、貯留した冷媒を主回路に戻す場合に、開閉弁を介して冷房時には室内熱交換器に戻すことができるので、貯留した液冷媒潜熱を有効に利用でき、また、暖房時は室外側熱交換器に戻すことができるので、貯留した液冷媒潜熱により外気からの吸熱を促進し、能力向上を早めることができる。
【0030】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、あらかじめ設定した設定空気温度と室内温度センサーで検知した吸い込み空気温度との温度差が一定値以下になった場合に、前記開閉弁を操作し、また前記設定空気温度と前記吸い込み空気温度との温度差が一定値以上になった場合に、前記開閉弁を操作するように制御する構成としたものであり、簡単なセンシングで負荷の大小を判断でき、また開閉弁動作という簡単な構成で主回路冷媒量と主回路組成を可変して、負荷に応じた能力制御を行うことができるものである。
【0031】
【実施例】以下、本発明になるヒートポンプ装置の一実施例を図に基づいて説明する。
【0032】(実施例1)図1は本発明の実施例1によるヒートポンプ装置のシステム構成図であり、非共沸混合冷媒が封入され、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13、主絞り装置14、室内熱交換器15が直列に接続されて冷凍サイクルの主回路を構成している。
【0033】また、室外熱交換器13を構成する配管の途中に、主回路から分岐する配管を設けて、その配管上に逆止弁16と開閉弁17を直列に接続しており、逆止弁16は開閉弁17の方向にのみ流れる構成としている。
【0034】また、主絞り装置14と室内熱交換器15の間に主回路から分岐する配管を設けて、その配管上に副絞り装置18と逆止弁19を直列に接続しており、逆止弁19のもう一端は逆止弁16と開閉弁17の間に接続しており、逆止弁19は開閉弁17の方向にのみ流れる構成としている。
【0035】また、20は精留分離器であり、内部に充填材(図示せず)が充填された直管で構成されている。また、精留分離器20の頂部は冷却器21と貯留器22を直列に接続して再び精留分離器20の頂部に帰還する回路を構成し、また、精留分離器20の底部は開閉弁17と接続している。また、同じく精留分離器20の底部は副絞り装置23を介して冷却器21に接続し、ここで精留分離器20の頂部の回路と間接的に熱交換するように構成され、さらに圧縮機11と四方弁12との間の吸入配管に接続されている。
【0036】24は室内熱交換器15などからなる室内機であり、室内の空気温度(すなわち室内機24の吸い込み空気温度)を検知する温度センサー25を備えている。また、26はあらかじめユーザーが所望の値に設定した設定空気温度値を記憶する記憶装置、27は記憶装置26の設定空気温度と温度センサー25で検知した空気温度とを比較し、空気温度と設定空気温度との差の大小を判定して開閉弁17を開閉操作する演算制御装置である。
【0037】次に、このような構成からなる冷凍サイクルにおいて、図2を参照しながらその動作を説明する。
【0038】図2は、本発明の実施例1におけるヒートポンプ装置の制御フローチャートを示す。
【0039】冷房時、圧縮機11の起動直後など冷房能力を必要としている場合、開閉弁21は閉止する(STEP1)。この状態で、圧縮機11から吐出した冷媒は、四方弁12、室外熱交換器13に高温冷媒が流れ、外気へ放熱して自らは凝縮液化し主絞り装置14に流入し、ここで低圧まで減圧されて室内熱交換器15に流入し、ここで室内機24の設置されている部屋の空気から熱を奪い冷房に寄与し、自らは蒸発気化して、再び四方弁12を通り、圧縮機11へと帰還する。
【0040】ここにおいて、負荷判定を行い(STPE2)、温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度と記憶装置26に記憶されている設定空気温度との差が一定値tより大きい場合、すなわち冷房負荷が大きい場合には、開閉弁17の閉止信号が演算制御装置27から送られ、開閉弁17は閉止されたままとなる。
【0041】したがって、室外熱交換器13を構成する配管の途中に設けた高圧の配管から逆止弁16を通る回路は、開閉弁17が閉止されているため精留分離器20へは冷媒は流れず、また、逆止弁19も閉止の方向となるため、副絞り装置18方向へも冷媒は流れない。
【0042】一方、副絞り装置23を介して圧縮機11の吸入配管と接続されている精留分離器20、冷却器21、貯留器22は、冷凍サイクルの低圧となり、冷媒は過熱ガスが貯留されているのみであり貯留冷媒量はほとんどない。
【0043】こうすることにより、主回路の冷媒は充填組成のままの混合された非共沸混合冷媒で、かつ主回路の冷媒量の多い状態で運転され、負荷に適した能力の大きい運転ができる。
【0044】次に、負荷判定を行い(STEP2)、温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度と記憶装置26に記憶されている設定空気温度との差が一定値tより小さい場合、すなわち冷房負荷が小さい場合には、開閉弁17の開放信号が演算制御装置27から送られ、開閉弁17は開放される(STEP3)。
【0045】ここでは、室外熱交換器13で凝縮液化する途中の二相冷媒は逆止弁16、開閉弁17を介して精留分離器20の塔底に流入すると共に、一部は副絞り装置23を通って減圧され、低温の二相冷媒となって冷却器21に流入し、ここで精留分離器20の塔頂部の気相冷媒と間接的に熱交換する。
【0046】ここにおいては、冷却器21の冷却源として、低温低圧の二層冷媒を利用しているため潜熱を有効に利用でき、冷却器21を小型にできるのみならず、精留分離器20の塔頂部のガスを確実に液化できる。
【0047】また、精留分離器20の塔底より流入した冷媒は冷却器21で冷却されて液化し、貯留器22に貯留されて、徐々に貯留量が増加し、再び精留分離器20の塔頂部に帰還して精留分離器20を下降するようになる。この状態が連続的に起こると、精留分離器20を上昇する冷媒ガスと下降する冷媒液とが精留分離器20内で気液接触により精留作用が起こり、貯留器22には徐々に低沸点に富んだ冷媒組成が貯留され、精留分離器20を下降し副絞り装置23を通過する冷媒は徐々に高沸点に富んだ組成となって、冷却器21を介して圧縮機11に吸入される。
【0048】このようにして、主回路は徐々に高沸点に富んだ冷媒組成となり、能力をセーブすることができる。また、貯留器22に低沸点冷媒が貯留されているため、主回路冷媒量を少なくすることができ、冷媒量減少の効果も加えることにより、さらに能力セーブに寄与し、負荷に適した低能力の運転ができるものである。
【0049】ここにおいては、精留分離器20の圧力は略高圧となっており、また冷却器21の冷却源は低温低圧の二相冷媒を利用しているため、精留分離器18の塔頂部の温度と冷却器19の冷却熱源との温度差を大きくとることができ、精留分離器20での分離幅を十分にとることができる。
【0050】なお、ここにおいては精留分離器20の塔底へは凝縮途中の二相冷媒を流入させることができるので、十分なガス発生量を確保することができ、分離に要する時間も短縮することができると共に、飽和ガスを流入させることができるので、吐出ガスのような過熱ガスを導入させる場合と比較して、ガスの液化が容易となり、分離性能はさらに向上させることができる。
【0051】なお、この場合もまた、逆止弁19の流れの方向性により、副絞り装置18方向へは冷媒は流れない。
【0052】この状態で、負荷判定を行い(STEP4)、負荷が大きくなり、温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度と記憶装置26に記憶されている設定空気温度との差が一定値tより大きくなった場合には、開閉弁17の閉止信号が演算制御装置27から送られ、開閉弁17は再び閉止されることにより(STEP5)、貯留器22に貯留された冷媒は副絞り装置23,冷却器21を通過して、徐々に圧縮機11に吸引され、主回路の冷媒組成は高能力な充填組成の状態に戻り、また主回路の冷媒量も増加して、負荷に見合った能力の大きい運転が再開できる。
【0053】このように、負荷の大小を室内機24の吸い込み空気温度と設定空気温度との差で検知して、開閉弁17を開閉するという簡単な操作のみで、主回路の冷媒量と冷媒組成を負荷に見合った状態に可変することにより、負荷に見合った能力制御を行うことができるものである。
【0054】次に、暖房運転時には、冷媒流れが主回路において逆になるが、その動作は同様である。
【0055】すなわち、圧縮機11の起動直後など暖房能力を必要としている場合、開閉弁17は閉止する(STEP1)。
【0056】圧縮機11から吐出した冷媒は、四方弁12、室内熱交換器15に高温冷媒が流れ、暖房に寄与して凝縮液化し主絞り装置14に流入する回路と副絞り装置18に流入する回路に分流される。
【0057】副絞り装置18に流入した冷媒はやや減圧され、冷凍サイクル主回路の高圧からやや低下した圧力となる。そのため、副絞り装置18を出た冷媒は気液混合の二相状態となっている。また、逆止弁19は副絞り装置18から開閉弁17の方向にのみ流れる構成となっており通過可能であり、開閉弁17を介して精留分離器20の塔低部と接続されているため、開閉弁17の開閉操作によって冷媒を精留分離器20に流入させることができる。なお、逆止弁19の出口側に接続されている逆止弁16は、逆方向になるため、ここを冷媒が通過することはない。
【0058】ここにおいて、負荷判定を行い(STEP2)、記憶装置26に記憶されている室内機24の設定空気温度と温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度との差が一定値tより大きい場合、すなわち暖房負荷が大きい場合には、開閉弁17の閉止信号が演算制御装置27から送られ、開閉弁17は閉止されたままとなる。したがって、室内熱交換器15を出た冷媒は、すべて主絞り装置14を通過して低圧まで絞られ、室外熱交換器13で蒸発して、その後、四方弁12を通って再び圧縮機11に吸入される。
【0059】一方、精留分離器20、冷却器21、貯留器22は、圧縮機11の吸入配管に接続されているため低圧のガスとなり、冷媒の貯留はほとんどない。
【0060】こうすることにより、主回路の冷媒は充填組成のままの混合された状態で、かつ冷媒量の多い状態で運転され、負荷に適した能力の大きい運転ができる。
【0061】次に、負荷判定を行い(STEP2)、記憶装置25に記憶されている設定空気温度と温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度との差が一定値tより小さい場合、すなわち暖房負荷が小さい場合には、開閉弁17の開放信号が演算制御装置27から送られ、開閉弁17は開放されるため(STEP3)、副絞り装置18を出た二相冷媒は、開閉弁17を通過して精留分離器18の塔底に流入すると共に、一部は副絞り装置23を通って減圧され、低温の二相冷媒となって冷却器21に流入し、ここで精留分離器20の塔頂部の冷媒と間接的に熱交換する。
【0062】ここにおいては、冷却器21の冷却源として、サイクル中で最もエンタルピの低い低温低圧の二相冷媒を利用しているため潜熱を有効に利用でき、冷却器21を小型にできるのみならず、精留分離器20の塔頂部のガスを確実に液化できる。
【0063】このようにして、精留分離器20の塔底より流入した冷媒は冷却器21で冷却されて液化し、貯留器22に貯留されて、徐々に貯留量が増加し、再び精留分離器20の塔頂部に帰還して精留分離器20を下降するようになる。
【0064】この状態が連続的に起こると、精留分離器20を上昇する冷媒ガスと下降する冷媒液とが精留分離器20内で気液接触により精留作用が起こり、貯留器22には徐々に低沸点に富んだ冷媒組成が貯留され、精留分離器20を下降し副絞り装置22を通過する冷媒は徐々に高沸点に富んだ組成となり、冷却器21を介して圧縮機11に吸入される。
【0065】このようにして、主回路は徐々に高沸点に富んだ冷媒組成となるため、能力をセーブすることができる。また、貯留器22に低沸点冷媒が貯留されているために主回路冷媒量を少なくすることができ、冷媒量減少の効果も加えることにより、さらに能力セーブに寄与し、負荷に適した低能力の運転ができるものである。
【0066】ここにおいては、精留分離器18の圧力は略高圧となっており、また冷却器21の冷却源は低温低圧の二相冷媒を利用しているため、精留分離器18の塔頂部の温度と冷却器21の冷却熱源との温度差を大きくとることができ、冷却器21を小型にできるのみならず、精留分離器20の塔頂部のガスを確実に液化できる。
【0067】この状態で、負荷判定を行い(STEP4)、負荷が大きくなり、記憶装置26に記憶されている設定空気温度と温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度との差が一定値tより大きくなった場合には、開閉弁17の閉止信号が演算制御装置27から送られ、開閉弁17は再び閉止され(STEP5)、貯留器22に貯留された冷媒は徐々に圧縮機11に吸引され、主回路の冷媒組成は高能力な充填組成の状態に戻り、また冷媒量も増加して、負荷に見合った能力の大きい運転ができる。
【0068】このように、負荷の大小を設定空気温度と室内機24の吸い込み空気温度との差で検知して、開閉弁17を開閉するという簡単な操作のみで、主回路の冷媒量と冷媒組成を負荷に見合った状態に可変することにより、冷房暖房いずれの運転状態においても能力制御を行うことができるものである。
【0069】なお、本発明において、室外熱交換器13と逆止弁16の間に副絞り装置などによってそこを流れる流量を制御したような構成も本発明に含まれる。
【0070】(実施例2)図3は本発明の実施例2によるヒートポンプ装置のシステム構成図であり、実施例1と同様の構成で同様の機能を有するものについては同一の符号を記してあり、説明は省略する。
【0071】ここにおいては、非共沸混合冷媒が封入され、室外熱交換器13を構成する配管の途中に、主回路から分岐する配管を設けて、開閉弁30を介して精留分離器20の塔底部に接続している。また、主絞り装置14と室内熱交換器15の間の配管に主回路から分岐する配管を設けて、その配管上に副絞り装置18と開閉弁31を直列に接続しており、開閉弁31のもう一端は開閉弁30と精留分離器20の間の配管に接続している。
【0072】また、20は精留分離器であり、内部に充填材(図示せず)が充填された直管で構成されている。また、精留分離器20の頂部は冷却器21と貯留器22を直列に接続して再び精留分離器20の頂部に帰還する回路を構成し、精留分離器20の底部は副絞り装置23を介して冷却器21に接続し、ここで精留分離器20の頂部の回路と間接的に熱交換するように構成され、開閉弁32を介して圧縮機11と四方弁12との間の吸入配管に接続されている。
【0073】24は室内熱交換器15などからなる室内機であり、室内の空気温度(すなわち室内機24の吸い込み空気温度)を検知する温度センサー25を備えている。また、33はあらかじめユーザーが所望の値に設定した設定空気温度値を記憶する記憶装置、34は記憶装置33の設定空気温度と温度センサー25で検知した空気温度とを比較し、空気温度と設定空気温度との差の大小を判定して開閉弁30,31,32を開閉操作する演算制御装置である。
【0074】次に、このような構成からなる冷凍サイクルにおいて、図4を参照しながらその動作を説明する。
【0075】図4は、本発明の実施例2におけるヒートポンプ装置の制御フローチャートを示す。
【0076】冷房時、圧縮機11の起動直後など冷房能力を必要としている場合、開閉弁30,32は閉止し、開閉弁31は開放する(STEP1)。この状態で、冷房時には圧縮機11から吐出した冷媒は、四方弁12、室外熱交換器13に高温冷媒が流れ、外気へ放熱して自らは凝縮液化し主絞り装置14に流入し、ここで低圧まで減圧されて室内熱交換器15に流入し、ここで室内機24の設置されている部屋の空気から熱を奪い冷房に寄与し、自らは蒸発気化して、再び四方弁12を通り、圧縮機11へと帰還する。
【0077】ここにおいて、温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度と記憶装置33に記憶されている設定空気温度との差が一定値tより大きい場合、すなわち冷房負荷が大きい場合には、開閉弁30,開閉弁32の閉止信号および開閉弁31の開放信号が演算制御装置27から送られ、開閉弁30,開閉弁32は閉止され、開閉弁31は開放されたままである。
【0078】これによって、室外熱交換器13を構成する配管の途中から開閉弁30を通る回路は、開閉弁30が閉止されているため精留分離器20へは冷媒は流れず、また、開閉弁32も閉止されているため、副絞り装置23、冷却器21を介して圧縮機11の吸入配管の方向へも冷媒は流れない。
【0079】一方、開閉弁31は開放されているため、精留分離器20、冷却器21、貯留器22内の冷媒は、冷凍サイクルの低圧側と接続されている副絞り装置18を介して冷凍サイクルの主回路へ流出し、精留分離器20、冷却器21、貯留器22内の冷媒は過熱ガスが貯留されているのみであり貯留冷媒量はほとんどなくなる。
【0080】こうすることにより、主回路の冷媒は充填組成のままの混合された非共沸混合冷媒で、かつ主回路の冷媒量の多い状態で運転され、負荷に適した能力の大きい運転ができる。
【0081】次に、負荷判定を行い(STEP2)、温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度と記憶装置33に記憶されている設定空気温度との差が一定値tより小さい場合、すなわち冷房負荷が小さい場合には、開閉弁30,32の開放信号が演算制御装置27から送られ、開閉弁30,32は閉止される。また、開閉弁31の閉止信号が演算制御装置27から送られ、開閉弁31は閉止される(STEP3)。
【0082】ここでは、室外熱交換器13で凝縮液化する途中の二相冷媒は開閉弁30を介して精留分離器20の塔底に流入すると共に、一部は副絞り装置23を通って減圧され、低温の二相冷媒となって冷却器21に流入し、ここで精留分離器20の塔頂部の気相冷媒と間接的に熱交換する。
【0083】ここにおいては、精留分離器20の圧力は略高圧となっており、また冷却器21の冷却源は低温低圧の二相冷媒を利用しているため、精留分離器20の塔頂部の温度と冷却器21の冷却熱源との温度差を大きくとることができ、冷却器21を小型にできるのみならず、精留分離器20の塔頂部のガスを確実に液化できる。
【0084】また、精留分離器20の塔底より流入した冷媒は冷却器21で冷却されて液化し、貯留器22に貯留されて、徐々に貯留量が増加し、再び精留分離器20の塔頂部に帰還して精留分離器20を下降するようになる。この状態が連続的に起こると、精留分離器20を上昇する冷媒ガスと下降する冷媒液とが精留分離器20内で気液接触により精留作用が起こり、貯留器22には徐々に低沸点に富んだ冷媒組成が貯留され、精留分離器20を下降し副絞り装置23を通過する冷媒は徐々に高沸点に富んだ組成となって、冷却器21を介して圧縮機11に吸入される。
【0085】このようにして、主回路は徐々に高沸点に富んだ冷媒組成となり、能力をセーブすることができる。また、貯留器22に低沸点冷媒が貯留されているため、主回路冷媒量を少なくすることができ、冷媒量減少の効果も加えることにより、さらに能力セーブに寄与し、負荷に適した低能力の運転ができるものである。
【0086】なお、ここにおいては精留分離器20の塔底へは凝縮途中の二相冷媒を流入させることができるので、十分なガス発生量を確保することができ、分離に要する時間も短縮することができると共に、飽和ガスを流入させることができるので、吐出ガスのような過熱ガスを導入させる場合と比較して、ガスの液化が容易となり、分離性能も向上させることができる。
【0087】なお、この場合、開閉弁31は閉止しているため、副絞り装置18方向へは冷媒は流れることはない。
【0088】この状態で、負荷判定を行い(STEP4)、負荷が大きくなり、温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度と記憶装置33に記憶されている設定空気温度との差が一定値tより大きくなった場合には、開閉弁30,開閉弁32の閉止信号および開閉弁31の開放信号が演算制御装置34から送られ、開閉弁30,開閉弁32は再び閉止、開閉弁31は再び開放され(STEP5)、貯留器22に貯留された冷媒は開閉弁31、副絞り装置18を通過して、徐々に室内熱交換器15へ流出し、主回路の冷媒組成は高能力な充填組成の状態に戻り、また主回路の冷媒量も増加して、負荷に見合った能力の大きい運転が再開できる。
【0089】なお、この場合には貯留された液冷媒を室内機15に流出させることができるので、液冷媒の持つ潜熱を室内機15で有効に利用でき、負荷の増大に対して、即座に冷房能力の大きな運転に切り換えることができるものである。
【0090】このように、負荷の大小を室内機24の吸い込み空気温度と設定空気温度との差で検知して、開閉弁30,31,32を開閉するという簡単な操作のみで、主回路の冷媒量と冷媒組成を負荷に見合った状態に可変することにより、能力制御を行うことができるものである。
【0091】次に、暖房運転時には、冷媒流れが主回路において逆になるが、その動作は同様である。
【0092】暖房時、圧縮機11の起動直後など暖房能力を必要としている場合、開閉弁30,32は閉止し、開閉弁31は開放する(STEP1)。この状態で、圧縮機11から吐出した冷媒は、四方弁12、室内熱交換器15に高温冷媒が流れ、暖房に寄与して凝縮液化し主絞り装置14に流入する回路と副絞り装置18に流入する回路に分流される。
【0093】副絞り装置18に流入した冷媒はやや減圧され、冷凍サイクル主回路の高圧からやや低下した圧力となる。そのため、副絞り装置18を出た冷媒は気液混合の二相状態となる。また、開閉弁31を介して精留分離器20の塔底部と接続されているため、開閉弁31の開閉操作によって冷媒を精留分離器20に流入させることができる。
【0094】また、同じく精留分離器20の塔底部と接続されている開閉弁30は室外熱交換器13の配管途中と接続しており、開閉弁30の操作により冷媒を流出させることができる。
【0095】ここにおいて、負荷判定を行い(STEP2)、記憶装置33に記憶されている室内機24の設定空気温度と温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度との差が一定値tより大きい場合、すなわち暖房負荷が大きい場合には、開閉弁31,32の閉止信号および開閉弁30の開放信号が演算制御装置34から送られ、開閉弁31,32は閉止され、開閉弁30は開放されたままとなる。したがって、室内熱交換器15を出た冷媒は、すべて主絞り装置14を通過して低圧まで絞られ、室外熱交換器13で蒸発して、その後、四方弁12を通って再び圧縮機11に吸入される。
【0096】一方、精留分離器20、冷却器21、貯留器22は、開放されている開閉弁30を介して低圧となっている室外熱交換器13の途中配管と接続されているので、内部はほぼ低圧のガスとなり、冷媒の貯留はほとんどない。
【0097】こうすることにより、主回路の冷媒は充填組成のままの混合された状態で、かつ冷媒量の多い状態で運転され、負荷に適した能力の大きい運転ができる。
【0098】次に、負荷判定を行い(STEP2)、記憶装置33に記憶されている設定空気温度と温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度との差が一定値tより小さい場合、すなわち暖房負荷が小さい場合には、開閉弁31,32の開放信号および開閉弁30の閉止信号が演算制御装置34から送られ、開閉弁31,32は開放、開閉弁30は閉止されるため(STEP3)、副絞り装置18でやや絞られた二相冷媒は、開閉弁31を通過して精留分離器20の塔底に流入すると共に、一部は副絞り装置23を通って減圧され、低温の二相冷媒となって冷却器21に流入し、ここで精留分離器20の塔頂部の冷媒と間接的に熱交換する。
【0099】ここにおいては、精留分離器20の圧力は略高圧となっており、また冷却器21の冷却源はサイクル中で最もエンタルピの低い低温低圧の二相冷媒を利用しているため、精留分離器20の塔頂部の温度と冷却器21の冷却熱源との温度差を大きくとることができ、冷却器21を小型にできるのみならず、精留分離器20の塔頂部のガスを確実に液化できる。
【0100】このようにして、精留分離器20の塔底より流入した冷媒は冷却器21で冷却されて液化し、貯留器22に貯留されて、徐々に貯留量が増加し、再び精留分離器20の塔頂部に帰還して精留分離器20を下降するようになる。この状態が連続的に起こると、精留分離器20を上昇する冷媒ガスと下降する冷媒液とが精留分離器20内で気液接触により精留作用が起こり、貯留器22には徐々に低沸点に富んだ冷媒組成が貯留され、精留分離器20を下降し副絞り装置23を通過する冷媒は徐々に高沸点に富んだ組成となり、冷却器21を介して圧縮機11に吸入される。このようにして、主回路は徐々に高沸点に富んだ冷媒組成となるため、能力をセーブすることができる。また、貯留器22に低沸点冷媒が貯留されているために主回路冷媒量を少なくすることができ、冷媒量減少の効果も加えることにより、さらに能力セーブに寄与し、負荷に適した低能力の運転ができるものである。
【0101】なお、ここにおいては精留分離器20の塔底へは凝縮途中の二相冷媒を流入させることができるので、十分なガス発生量を確保することができ、分離に要する時間も短縮することができると共に、飽和ガスを流入させることができるので、吐出ガスのような過熱ガスを導入させる場合と比較して、ガスの液化が容易となり、分離性能も向上させることができる。
【0102】なお、この場合、開閉弁30は閉止しているため、室外熱交換器13の方向へは冷媒は流れることはない。
【0103】この状態で、負荷判定を行い(STEP4)、負荷が大きくなり、記憶装置33に記憶されている設定空気温度と温度センサー25で検知された室内機24の吸い込み空気温度との差が一定値tより大きくなった場合には、開閉弁31,32の閉止信号および開閉弁30の開放信号が演算制御装置27から送られ、開閉弁31,32は再び閉止、開閉弁30は再び開放され(STEP5)、貯留器22に貯留された冷媒は徐々に室外熱交換器13の配管途中に流出し、さらに四方弁12を通って圧縮機11に吸引され、主回路の冷媒組成は高能力な充填組成の状態に戻り、また冷媒量も増加して、負荷に見合った能力の大きい運転ができる。
【0104】なお、この場合には貯留された液冷媒を室外熱交換器13に流出させることができるので、液冷媒の持つ潜熱で室外熱交換器15において十分に外気から吸熱することができ、負荷の増大に対して、即座に暖房能力の大きな運転に切り換えることができるものである。
【0105】このように、負荷の大小を設定空気温度と室内機24の吸い込み空気温度との差で検知して、開閉弁30,31,32を開閉するという簡単な操作のみで、主回路の冷媒量と冷媒組成を負荷に見合った状態に可変することにより、冷房暖房いずれの運転状態においても能力制御を行うことができるものである。
【0106】なお、本発明において、室外熱交換器13と開閉弁30の間に副絞り装置などによってそこを流れる流量を制御したような構成も本発明に含まれる。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の発明は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、主絞り装置、室内熱交換器を配管接続して冷凍サイクルの主回路を構成し、頂部に冷却器および貯留器を環状に接続した回路を有する精留分離器の底部と前記室外熱交換器の配管とを開閉弁および第一の逆止弁の直列回路で接続し、前記第一の逆止弁は前記室外熱交換器の配管から前記精留分離器に向かってのみ流れる構成とし、前記開閉弁と前記第一の逆止弁との間と、前記主絞り装置と前記室内熱交換器の間とを第一の副絞り装置および第二の逆止弁の直列回路で接続し、前記第二の逆止弁は前記主絞り装置と前記室内熱交換器の間の配管から前記第一の開閉弁に向かってのみ流れる構成とし、さらに前記精留分離器の底部と前記冷却器とを第二の副絞り装置を介して接続し、前記冷却器において前記精留分離器の頂部の回路を間接的に熱交換するように構成し、さらに前記冷却器と前記圧縮機の吸入配管とを第二の開閉弁を介して接続し、非共沸混合冷媒を封入した構成としたので、冷暖房能力の必要な負荷の大きい場合には、貯留器をほぼ空とし主回路冷媒量を増加させ、また、精留分離作用は行なわず主回路は充填組成のままの冷媒量の多い状態で運転することにより、負荷に見合った高能力な運転を行うことができる。
【0108】また、冷暖房能力をあまり必要としない負荷の小さい場合には、貯留器に冷媒を貯留することにより主回路冷媒量を減少させ、また、精留分離を行なって貯留冷媒を低沸点成分に富んだ冷媒組成とし、主回路は高沸点成分に富んだ冷媒量の少ない状態で運転することにより、負荷に見合った能力セーブを行なうことができる。
【0109】また、冷暖房運転時とも精留分離器の圧力を略高圧とすることができるので、精留分離器圧力における冷媒飽和温度に対し、冷却側の冷媒との温度差を大きくすることができるので、精留分離器で発生したガスを確実に冷却することができ、分離性能を向上させ、より能力変化幅を広げることができる。
【0110】また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明において、吸い込み空気温度を検知し、設定温度との差が一定値以下、すなわち、室内の負荷に比べ冷暖房能力が過剰となった場合、開閉弁を操作するようにしたので、簡単な制御で、主回路冷媒組成を高沸点側に変化させて能力セーブを行うことができ、また、設定温度との差が一定値以上、すなわち、室内の負荷に比べ冷暖房能力が不足となった場合、開閉弁を操作するという簡単な制御のみで、貯留器の冷媒量をほぼ空にし、主回路の冷媒量を増加させ、また冷媒組成を元の充填組成に戻すことにより能力向上を行うヒートポンプ装置の運転制御方法を提供することができる。
【0111】本発明の請求項3に記載の発明は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、主絞り装置、室内熱交換器を配管接続して冷凍サイクルの主回路を構成し、頂部に冷却器および貯留器を環状に接続した回路を有する精留分離器の底部と前記室外熱交換器の配管とを第一の開閉弁を介して接続し、前記精留分離器の底部と前記主絞り装置と前記室内熱交換器の間とを第一の副絞り装置および第二の開閉弁の直列回路で接続し、さらに前記精留分離器の底部と前記冷却器とを第二の副絞り装置を介して接続し、前記冷却器において前記精留分離器の頂部の回路と間接的に熱交換するように構成し、さらに前記冷却器と前記圧縮機の吸入配管とを第三の開閉弁を介して接続し、非共沸混合冷媒を封入した構成としたものであり、冷暖房能力の必要な負荷の大きい場合には、貯留器をほぼ空とし主回路冷媒量を増加させ、また、精留分離作用は行なわず主回路は充填組成のままの冷媒量の多い状態で運転することにより、負荷に見合った高能力な運転を行うことができる。
【0112】また、冷暖房能力をあまり必要としない負荷の小さい場合には、貯留器に冷媒を貯留することにより主回路冷媒量を減少させ、また、精留分離を行なって貯留冷媒を低沸点成分に富んだ冷媒組成とし、主回路は高沸点成分に富んだ冷媒量の少ない状態で運転することにより、負荷に見合った能力セーブを行なうことができる。
【0113】また、冷暖房運転時とも精留分離器の圧力を略高圧とすることができるので、精留分離器圧力における冷媒飽和温度に対し、冷却側の冷媒との温度差を大きくすることができるので、精留分離器で発生したガスを確実に冷却することができ、分離性能を向上させ、より能力変化幅を広げることができる。
【0114】さらにまた、貯留した冷媒を主回路に戻す場合に、開閉弁を介して冷房時には室内熱交換器に戻すことができるので、貯留した液冷媒潜熱を有効に利用でき、また、暖房時は室外側熱交換器に戻すことができるので、貯留した液冷媒潜熱により外気からの吸熱を促進し、能力向上を早めることができる。
【0115】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、あらかじめ設定した設定空気温度と室内温度センサーで検知した吸い込み空気温度との温度差が一定値以下になった場合に、前記開閉弁を操作し、また前記設定空気温度と前記吸い込み空気温度との温度差が一定値以上になった場合に、前記開閉弁を操作するように制御する構成としたものであり、簡単なセンシングで負荷の大小を判断でき、また開閉弁動作という簡単な構成で主回路冷媒量と主回路組成を可変して、負荷に応じた能力制御を行うヒートポンプ装置の運転制御方法を提供することができる。
【0116】さらにまた、貯留した冷媒を主回路に戻す場合に、開閉弁を介して冷房時には室内熱交換器に戻すことができるので、貯留した液冷媒潜熱を有効に利用でき、また、暖房時は室外側熱交換器に戻すことができるので、貯留した液冷媒潜熱により外気からの吸熱を促進し、能力向上を早めることができるなど多大な効果を有するものである。
【出願人】 【識別番号】000004488
【氏名又は名称】松下冷機株式会社
【出願日】 平成11年6月10日(1999.6.10)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−346477(P2000−346477A)
【公開日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【出願番号】 特願平11−163295