| 【発明の名称】 |
冷媒量調整方法及び冷媒量判定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】浦田 和幹
【氏名】小国 研作
【氏名】山田 眞一朗
【氏名】中村 憲一
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| 【要約】 |
【課題】空気調和機内の冷媒量が極端に少ない場合でも定量的に把握でき、且つ適正な冷媒量に調整できる冷媒量調整方法を提供する。
【解決手段】冷媒量調整方法は、多室形空気調和機を冷房運転して受液器5から流出する冷媒を冷却装置6により過冷却し、そして圧縮機1が吐出する冷媒の温度及び圧力、各室内膨張弁8a、8bの開度及び室内空気温度を基に空気調和機内に封入されている冷媒量が適正量に対してどんな割合になっているかを演算装置15で算出し、該割合から封入追加する冷媒量を決定して一次追加を行い、一次追加後に冷却装置6で冷却された冷媒がサイトグラス7により気液二相状態で観察された場合は所定量の冷媒を追加する二次追加を行ない、サイトグラスでの冷媒が液単相状態になるまで二次追加を繰り返す方法である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも1台の室外機と少なくとも1台の室内機とで構成され、前記室外機に設置された圧縮機、室外熱交換器、減圧装置および受液器、前記室内機に設置された減圧装置、室内熱交換器を順に接続して冷凍サイクルを形成する空気調和機の冷媒量を適正量に調整する冷媒量調整方法において、前記空気調和機を冷房運転し前記受液器から流出する冷媒を過冷却し、前記圧縮機が吐出する冷媒の温度及び圧力、前記室内膨張弁の開度及び室内空気温度を基に前記空気調和機内に封入されている冷媒量が適正量に対してどんな割合になっているかを算出し、該割合から封入追加する冷媒量を決定して一次追加を行い、該一次追加後に前記受液器から流出する冷媒が気液二相状態の場合に所定量の冷媒を追加する二次追加を行ない、前記受液器から流出する冷媒が液単相状態になるまで二次追加を繰り返すことを特徴とする冷媒量調整方法。 【請求項2】 前記一次追加の冷媒量を、該一次追加後に前記空気調和機に封入された冷媒が前記適正量より少なくなるよう決定することを特徴とする請求項1記載の冷媒量調整方法。 【請求項3】 少なくとも1台の室外機と少なくとも1台の室内機とで構成され、前記室外機に設置された圧縮機、室外熱交換器、減圧装置および受液器、前記室内機に設置された減圧装置、室内熱交換器を順に配管で接続して冷凍サイクルを形成する空気調和機内の冷媒量を適正量に調整するために用いる冷媒量判定装置において、冷房運転時に圧縮機が吐出する冷媒の温度及び圧力、室内膨張弁の開度、及び室内空気温度を基に空気調和機内に封入された冷媒が適正量に対してどんな割合にあるかを算出する封入割合判定装置と、前記受液器から流出する冷媒を過冷却する冷却手段及び該過冷却された冷媒状態が気液二相状か液相であるかを観察する冷媒流動状態監視手段からなる適正量判定装置とから構成されたことを特徴とする冷媒量判定装置。 【請求項4】 前記冷媒流動状態監視手段は、前記冷媒を通す流路の一面もしくは対向する両面に光を通すガラスを有するサイトグラスであることを特徴とする請求項3記載の冷媒量判定装置。 【請求項5】 請求項3又は4に記載の冷媒量判定装置を備えたことを特徴とする空気調和機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機内に封入される冷媒量を適正な量に調整する冷媒量調整方法および冷媒量調整に用いる冷媒量判定装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、冷凍装置または空気調和機に封入されている冷媒量が適性か否かを検出する冷媒量判定装置としていくつかの技術が考案され、開示されている。 【0003】封入されている冷媒が適正な冷媒量か否かを判定する方法として、特公昭55−32991号公報や特公昭56−1544号公報に記載されているように、室外機における圧縮機、熱交換器、減圧装置および受液器と、室内機における減圧装置および熱交換器とを循環して形成される冷凍サイクルにおいて、受液器と室内機の減圧装置を接続する配管部に、配管内部の冷媒の流れを目視するためのサイトグラスを設け、このサイトグラスにより判定する方法がある。判定装置はサイトグラスは一つの面にガラスを有し、また、内部にはモイスチャーインジケータと称される化学物質付きのインジケータが取り付けられているものもあり、サイトグラス内部を通過する冷媒の状態をガラスを通して目視して、冷媒液中でのフラッシュガス(気泡)の発生を検知できるように構成し、フラッシュガスのない液冷媒かフラッシュガスを含む気液二相冷媒かによって冷凍サイクル内の冷媒封入量が適正か否かを判定している。また、配管内を流れる冷媒の圧力損失を考慮し、サイトグラスに流入する手前に冷却装置を有した構造としたものもある。 【0004】さらに、冷媒量が適正に封入されているかを定量的に判定する方法として、受液器やアキュムレータなどのタンク内に貯留される液冷媒の液面高さを検知するものがある。この判定に用いられる装置は、特開平3−186170号公報に記載されているように、冷凍サイクルの凝縮器と蒸発器との間に設けた受液器内の冷媒液面を静電容量センサなどの電気的検出手段により検出し、冷凍サイクルにおいて必要とされる冷媒量の場合の値と比較し、封入されている冷媒量の過不足を定量的に演算し、表示する構造としている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記に示す冷媒量判定装置では、空気調和機内に封入されている冷媒量が極端に少ない場合について考慮が成されていないため以下に示す問題点がある。 【0006】まず、冷媒量判定装置として受液器と減圧装置を接続する配管部に、配管内部の冷媒の流れを目視するためのサイトグラスを設け、これにより冷媒量を判定する場合は、受液器から冷媒が導入あるいは導出されるパイプの先端部に液冷媒があるか否かを判定するため、空気調和機内に封入されている冷媒量の過不足を定量的に把握することができず、冷媒量が少なくなってもどれだけ少ないかを判定することができないという問題がある。 【0007】また、受液器やアキュムレータなどのタンク内に貯留される液冷媒の液面高さを検知して冷媒量を判定する場合は、受液器やアキュムレータなどのタンク内の液面高さが変化できる冷媒量の場合は、封入されている冷媒量を定量的に把握することができるが、冷媒量が極端に少なくなった場合などのタンク内の液面高さが変化しない冷媒量になった場合は、空気調和機内に封入されている冷媒量とタンク内の液面高さの相関関係がなくなり、どのような冷媒量であっても常に液面高さが一定となるため、封入されている冷媒量の過不足を定量的に把握することができない問題がある。 【0008】さらに、空気調和機内に封入されている冷媒量を適正な冷媒量に調整する場合、冷媒量が極端に少ない場合は上記に示す冷媒量判定装置では過不足量を定量的に把握できていないため、どれだけの冷媒量を追加すべきかが不明となる。すなわち、冷媒量の調整方法として1回当りに追加封入する冷媒量が少ない場合は、調整後の冷媒量が極端に多すぎる量にはならないが封入する時間が長くなる問題がある。また、1回当りに追加封入する冷媒量を多くした場合は、封入する時間は短くなるが調整後の冷媒量が極端に多くなる場合があり、封入した冷媒を抜く作業が発生し最終的には冷媒量の調整時間が長くなるといった問題がある。 【0009】本発明は、かかる従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、空気調和機内の冷媒量が極端に少ない場合でも定量的に把握し冷媒量を適正な量に調整する時間を短くできる冷媒量調整方法と、冷媒調整のために空気調和機内の冷媒量を定量的に把握する冷媒量判定装置と、該冷媒量判定装置を備えた空気調和機とを提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の冷媒量調整方法は、少なくとも1台の室外機と少なくとも1台の室内機とで構成され、室外機に設置された圧縮機、室外熱交換器、減圧装置および受液器、室内機に設置された減圧装置、室内熱交換器を順に接続して冷凍サイクルを形成する空気調和機の冷媒量を適正量に調整する冷媒量調整方法において、空気調和機を冷房運転し受液器から流出する冷媒を過冷却し、圧縮機が吐出する冷媒の温度及び圧力、室内膨張弁の開度及び室内空気温度を基に空気調和機内に封入されている冷媒量が適正量に対してどんな割合になっているかを算出し、この割合から封入追加する冷媒量を決定して一次追加を行い、該一次追加後に受液器から流出する冷媒が気液二相状態の場合に所定量の冷媒を追加する二次追加を行ない、受液器から流出する冷媒が液単相状態になるまで二次追加を繰り返すことを特徴とする。 【0011】本発明の冷媒量調整方法においては、一次追加の冷媒量を、この一次追加後に空気調和機に封入された冷媒が算出した適正量より少なくなるよう決定することが好ましい。これにより、冷媒量を過多に追加することがなく、二次追加により容易に適正量に調整することができる。 【0012】また、上記目的を達成するために、本発明の冷媒量判定装置は、少なくとも1台の室外機と少なくとも1台の室内機とで構成され、室外機に設置された圧縮機、室外熱交換器、減圧装置および受液器、室内機に設置された減圧装置、室内熱交換器を順に配管で接続して冷凍サイクルを形成する空気調和機内の冷媒量を適正量に調整するために用いる冷媒量判定装置において、冷房運転時に圧縮機が吐出する冷媒の温度及び圧力、室内膨張弁の開度、及び室内空気温度を基に空気調和機内に封入された冷媒が適正量に対してどんな割合にあるかを算出する封入割合判定装置と、受液器から流出する冷媒を過冷却する冷却手段及び該過冷却された冷媒状態が気液二相状か液相であるかを観察する冷媒流動状態監視手段からなる適正量判定装置とから構成されたことを特徴とする。 【0013】本発明の冷媒量判定装置において、冷媒流動状態監視手段として、冷媒を通す流路の一面もしくは対向する両面に光を通すガラスを有するサイトグラスを用いることが好ましい。また、本発明の空気調和機は上記冷媒量判定装置を備えた空気調和機により達成される。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる一実施の形態を図1ないし図8を用いて説明する。図1は、本発明の冷媒量判定装置を具備した多室形空気調和機の冷凍サイクル構成図である。この空気調和機は、1台の室外機に複数台の室内機を接続配管及び分配器を介して接続した構成となっている。室外機は、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、室外膨張弁4、受液器5、冷却装置6、サイトグラス7およびアキュムレータ10の各冷凍サイクル機器を図1に示す如く配管により接続した構成となっている。各室内機は、各室内膨張弁8a、8bおよび各室内熱交換器9a、9bの各冷凍サイクル機器を有している図1に示す如く配管により接続した構成となっている。冷房運転時には、冷媒は圧縮機1から順に、四方弁2、室外熱交換器3、室外膨張弁4、受液器5、冷却装置6、サイトグラス7、各室内膨張弁8a、8b、各室内熱交換器9a、9b、四方弁2及びアキュムレータ10を経て、圧縮機1に戻るように循環する。 【0015】また、室外機および各室内機には、多室形空気調和機の運転を効率良く行うために室外膨張弁4および各室内膨張弁8a、8bの制御や、空気調和機内に封入されている冷媒量の判定に、必要な各種センサが設けられている。すなわち、室外機には、圧縮機1から吐出される冷媒温度、冷媒圧力を検出する吐出温度検出器11(例えばサーミスタ)、吐出圧力検出器12(例えば圧力センサ)が圧縮機1の吐出側配管に設けられている。一方、各室内機には、各室内熱交換器9a、9bに流入する空気の温度を検出する室内温度検出器13a、13bが各室内熱交換器9a、9bに流入する空気の通路に設けられている。室外膨張弁4および各室内膨張弁8a、8bそれぞれの開度も検出される。 【0016】これら室外機および各室内機に設けられている各種センサの出力信号および各室内膨張弁8a、8bの開度情報は、メモリ14内に取込まれる。また、メモリ14は演算装置15と片側通信もしくは両側通信が可能な如く接続され、さらに演算装置15の結果を出力できる如く表示装置16が接続されている。ここで、本発明にかかる冷媒量判定装置は、空気調和機内に封入されている冷媒量が空気調和機が正常に作動できる冷媒量である適正な冷媒量に対してどれだけの割合であるかを演算する演算装置15を主体とする封入割合判定装置と、受液器6から流出する冷媒を冷却する冷却装置6及び冷却された冷媒が気液二相状態か液単相状態かを観察するためのサイトグラス7からなる適正量判定装置と、から構成されている。封入割合判定装置及び適正量判定装置については、後に詳述する。 【0017】上記のような多室形空気調和機において、暖房運転時には、冷媒は実線で示す方向に流れることにより室内を暖める。すなわち、圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒が四方弁2から接続配管を経て各室内熱交換器9a、9bに送られ凝縮して液冷媒となり、その際に各室内熱交換器9a、9bを通過する空気に放熱して室内を暖房する。凝縮液化した冷媒は、各室内膨張弁8a、8b、接続配管を経て受液器5を通り室外膨張弁4で所定の圧力に減圧され室外熱交換器3内に送られ、室外熱交換器3を通過する空気から吸熱して蒸発し、四方弁2およびアキュムレータ10を通り圧縮機1内に戻り、再び圧縮機1により圧縮される。 【0018】一方、冷房運転時には、冷媒は破線で示す方向に流れることにより室内を冷やしている。すなわち、圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒が四方弁2を経て室外熱交換器3に送られ室外熱交換器3を通過する空気に放熱して凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は、室外膨張弁4、受液器5および接続配管を経て各室内膨張弁8a、8bに送られ、各室内膨張弁8a、8bによりそれぞれ所定の圧力に減圧され各室内熱交換器9a、9bに送られ蒸発する際に、各室内熱交換器9a、9bを通過する空気から吸熱して室内を冷やす。蒸発した冷媒は、四方弁2およびアキュムレータ10を通り圧縮機1内に戻り、再び圧縮機1により圧縮される。 【0019】この多室形空気調和機内には、正常な運転が可能な所定量の冷媒(適正な冷媒量)が封入されており、上記に示す冷媒の循環において不必要な余った冷媒は室外機に設置された受液器5内に液冷媒として貯留される。 【0020】一般的に、多室形空気調和機内に冷媒を封入する方法としては、室外機と該室外機から遠隔の位置にある複数台の室内機とを接続する配管の長さや室内機の台数が施工現場ごとで異なるため、室外機に必要な冷媒量分だけを出荷時に室外機内に封入しておき、施工終了後に接続配管や室内機に必要な冷媒を多室形空気調和機の施工状態に応じて現場で追加封入する方法を採用している。ここで多室形空気調和機内に封入される全冷媒量が適正な範囲にある場合は、空気調和機は仕様どおりの性能を発揮し、且つ故障に至るようなことはない。しかし、封入されている全冷媒量が適正な量よりもある範囲以上に過剰あるいは不足した場合は、所定の性能が発揮できないばかりか、冷媒量が不足した場合は圧縮機吐出側の温度が上昇しモータ巻線の劣化を招いたり、冷媒量が過剰の場合は圧縮機吸入側に液冷媒が戻り圧縮時に液冷媒を圧縮することで圧縮機の軸受け、シャフトおよびモータ等に多大な負荷を与え、損傷するような故障に至る場合がある。このため、空気調和機の性能はもとより信頼性の確保のためには、空気調和機の接続配管長さや室内機台数等の施工状態に適した冷媒量を正確に封入する必要がある。しかし、現地での封入作業においては、封入作業の不備や計量器の故障もしくは操作ミス等により封入冷媒量の計量ミスや、接続配管長さや室内機台数等の施工状態の見積りミス、封入する冷媒量の計算ミス等の発生により、必ずしも正確に適正な冷媒量を封入できるとは限らない。ここで、上記に示すような封入作業時のミスが発生した場合でも空気調和機内に封入されている冷媒量が適正か否かを判定できれば、空気調和機の性能および信頼性を確保することができる。 【0021】本発明にかかる冷媒量判定装置は、空気調和機内に封入されている封入冷媒量が適正量に対してどれだけの割合であるかを演算する封入割合判定装置と、封入冷媒量が適正かどうかを判定する適正量判定装置とから構成されている。適正量判定装置は、図1に示す如く、受液器5から流出する冷媒の流動状態を観察するために受液器5と各室内膨張弁8a、8bとを接続する配管の途中に一面もしくは相対する面が透明壁でできたサイトグラス7を設け、そしてサイトグラス7と受液器5を接続する配管を冷却する冷却装置6を設けた構成としている。冷却装置6は、四方弁2とアキュムレータ10を接続する配管をサイトグラス7と受液器5を接続する配管に接触させた部分で構成している。これら2本の配管の接触部分は、熱移動の効率を良くするために、ロー付けされ、その周囲を断熱材で覆われている。 【0022】次に、適正量判定装置による冷媒量判定について、図2ないし図4により説明する。図2は、冷凍サイクル内に封入される冷媒量が少ない場合と適正な場合のサイクル運転状態を表したモリエル線図である。図2に示されている二つの運転状態において、実線は封入されている冷媒量が適正な場合、破線は封入されている冷媒量が少ない場合を示している。 【0023】適正量判定装置による冷媒量判定を行う場合は、空気調和機の運転モードを冷房として、接続されている全室内機を運転する。冷媒量判定時の冷凍サイクルの運転状態は、図2に示すように、封入されている冷媒量が適正な場合は、圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒はb点となり、四方弁2を経て室外熱交換器3に送られ、室外熱交換器3を通過する空気に放熱してc点となり、室外膨張弁4を通り減圧されてd点となり、受液器5に流入する。受液器5から流出した飽和液状態の冷媒は、冷却装置6により冷却されe点となり、サイトグラス7、接続配管を通り、室内膨張弁8a、8bにより減圧されf点となり室内熱交換器9a、9bに送られ、室内熱交換器9a、9bを通過する空気から吸熱してa点となり、圧縮機1吸入側に吸込まれる。 【0024】一方、封入されている冷媒量が適正な場合よりも少ない場合は、冷凍サイクル内の冷媒が少ないため圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は適正な場合と比較して圧力の低いb'点となり、四方弁2を経て室外熱交換器3に送られ、室外熱交換器3を通過する空気に放熱し、空気と熱交換器3の温度差が適正な場合よりも小さいため気液二相状態のc'点となり、室外膨張弁4を通り減圧されてd'点となり、受液器5に流入する。受液器5から流出した気液二相状態の冷媒は、冷却装置6により冷却されe'点となり、サイトグラス7、接続配管を通り、室内膨張弁8a、8bにより減圧されf'点となり室内熱交換器9a、9bに送られ、室内熱交換器9a、9bを通過する空気から吸熱してa'点となり、圧縮機1吸入側に吸込まれる。 【0025】適正量判定装置により封入されている冷媒量が適正な場合と少ない場合を判断する方法は、以下に示す原理による。すなわち、封入された冷媒量が適正な場合は、図2、図3に示す如く冷媒配管17を通過し冷媒導入管19を経て受液器5内に流入する冷媒が飽和液状態であるため、受液器5内には十分な液冷媒が貯留され、冷媒導出管20から流出する冷媒も飽和液状態となる。この飽和液状態の冷媒は冷媒配管18を経て冷却装置6で冷却され、サイトグラス7には過冷却液状態の冷媒が流入するため、サイトグラス7では、液単相状態の冷媒が観察される。 【0026】一方、封入されている冷媒量が適正な量よりも少ない場合は、図2、図4に示す如く冷媒配管17を通過し冷媒導入管19を経て受液器5内に流入する冷媒が気液二相状態であるため、受液器5内には十分な液冷媒が貯留されず、冷媒導出管20から流出する冷媒も気液二相状態となる。気液二相状態の冷媒は、冷媒配管18を経て冷却装置6で冷却されても、サイトグラス7には液中に気泡が存在する気液二相状態の冷媒が流入するため、サイトグラス7では、気液二相状態の冷媒が観察される。このように、適正量判定装置であるサイトグラス7を観察することにより、空気調和機に封入されている冷媒量が適正か少ないかを判定することができる。 【0027】ここで、適正量判定装置により冷媒量が少ないと判定された場合は、空気調和機が正常な動作を行えるようにするため、適正な冷媒量まで冷媒を追加する作業が発生する。適正な冷媒量とは、サイトグラス7での冷媒が液単相状態となるまで、冷媒を追加すれば良いわけであるが、サイトグラス7ではどれだけ少ないかを定量的に把握することは困難である。したがって冷媒を少しずつ封入してはサイトグラス7を観察するといった方法を用いて空気調和機内に封入されている冷媒量を適正な量まで調整すると、既存の冷媒量が適正な量よりもかなり少ない場合は、冷媒量の調整時間が非常に長くなる。 【0028】そこで、本発明の冷媒量判定装置では、空気調和機内に封入されている冷媒量が適正な冷媒量と比較してどれだけ少ないかを定量的に判断する封入割合判定装置を付設している。封入割合判定装置は、図1に示す如く、圧縮機1吐出側の冷媒温度を検出する吐出温度検出器11と、圧縮機吐出側の冷媒圧力を検出する吐出圧力検出器12と、各室内熱交換器9a、9bに流入する空気(被冷却流体)の温度を検出する室内温度検出器13a、13bと、各室内膨張弁8a、8bの開度検出器と、各検出器11、12、13a、13b及び各室内膨張弁8a、8bの開度情報を蓄えておくメモリ14と、メモリ14と片側通信もしくは両側通信が可能な如く接続されている演算装置15と、さらに演算装置15の結果を出力できる如く接続されている表示装置16と、から構成されている。 【0029】図5は、封入割合判定装置による判定のために、吐出ガス過熱度、各室内膨張弁8a、8bの平均開度、室内温度を因子として用いた場合に、各因子と冷媒の封入割合がどのような関係にあるかを表した線図である。図5(a)では横軸は適正な冷媒量に対する封入割合を、縦軸は吐出ガス過熱度を示し、図5(b)では横軸は適正な冷媒量に対する封入割合を、縦軸は各室内膨張弁の平均開度を示している。図5(a)、(b)中において、破線は室内温度が高い場合の室内膨張弁平均開度と冷媒封入割合の関係、及び吐出ガス過熱度と冷媒封入割合の関係を示し、点線は室内温度が低い場合のそれぞれの関係を、実線は室内温度が破線と点線の中間にある場合のそれぞれの関係を示している。 【0030】封入割合βは、空気調和機に封入されている冷媒量が適正な場合を示しており、室内膨張弁の平均開度及び吐出ガス過熱度は、ほぼ一定の値P1及びDT1を示す。 【0031】封入割合が適正値βよりも大きくなる場合、受液器5内に液冷媒が貯留され溢れるまでは、受液器5がバッファタンクの役目を果たすために各室内膨張弁の平均開度及び吐出ガス過熱度の変化は無く、さらに封入割合が多くなると受液器5から冷媒が溢れるため、蒸発器として機能している室内熱交換器9a、9b内の液冷媒が多くなり吐出温度が下がるため、吐出温度を維持しようとして室内膨張弁8a、8bを絞る。さらに、凝縮器として機能している室外熱交換器3内の液冷媒量も多くなるため吐出圧力が上昇し、吐出温度を一定に制御した場合は吐出ガス過熱度も小さくなる。 【0032】一方、封入割合が適正値βよりも小さくなる場合は、図2に示すモリエル線図の破線で示すように、受液器5内に気液二相状態の冷媒が流入出するため、各室内膨張弁8a、8bでの抵抗が大きくなり同一の流量を確保するために各室内膨張弁8a、8bの開度が大きくなり、封入割合がαまで下がった時点で各室内膨張弁の平均開度がP2(全開)となり吐出温度を制御しきれなくなり、吐出温度が上昇し始め、さらに封入割合が小さくなるにつれて吐出ガス過熱度が大きくなる。 【0033】さらに、封入割合に対する吐出ガス過熱度と各室内膨張弁の平均開度は、室内温度が低い場合は吸入圧力が低下するため冷媒循環量が低下し室内熱交換器9a、9bでの蒸発性能が低下するため各室内膨張弁8a、8bの平均開度および吐出ガス過熱度の値が小さくなり、室内温度が高い場合は吸入圧力が上昇し室内熱交換器9a、9bでの蒸発性能が向上するため各室内膨張弁8a、8bの平均開度および吐出ガス過熱度の値が大きくなる。 【0034】以上により、吐出ガス過熱度、各室内膨張弁の平均開度、室内温度を用いることにより、空気調和機内に封入されている冷媒量の適正な場合に対する封入割合を判定することができる。 【0035】次に、上記に示す適正量判定装置および封入割合判定装置からなる本発明の冷媒量判定装置を用いて空気調和気内に封入されている冷媒量を調整する方法について、図6及び図7により説明する。 【0036】図6、7は、本発明の冷媒量判定装置を用いて空気調和機内の冷媒量を適正な量に調整するため冷媒量判定および調整のフローチャートを示す。まず、全室内機を冷房運転で起動し、所定時間ΔT1待機後、各室内機の吸込空気温度Ta1、Ta2、各室内膨張弁の開度PL1、PL2、吐出圧力Pd、吐出温度Tdを各種温度センサおよび圧力センサにより検出し、検出した値をメモリ14に伝送する。メモリ14では、吐出圧力Pdから吐出圧力相当飽和温度Tdsを演算し、演算した吐出圧力相当飽和温度Tdsと吐出温度Tdから吐出ガス過熱度TdSHを演算する。次に、各室内機の吸込空気温度Ta1、Ta2、各室内膨張弁の開度PL1、PL2、および演算した吐出ガス過熱度TdSHから予めメモリ内に記憶されている図5に示す関係線図により、空気調和機内に封入されている冷媒の封入割合Xrを演算する。次に、演算された封入割合Xrから追加冷媒量Wr1を演算し、空気調和機内に封入する。次に、所定時間ΔT2待機後、適正量判定装置であるサイトグラスの冷媒流動状態を観察し、液単相ならば適正な冷媒量が封入されていると判断し、冷媒量判定および冷媒量調整を終了し、もし液単相でないすなわち気液二相状態の場合は、所定量の冷媒を空気調和機内に封入しサイトグラスを観察するという動作をサイトグラス内が液単相状態となるまで繰り返し、サイトグラスが液単相状態となったところで、冷媒量判定および冷媒量調整を終了する。 【0037】ここで、追加冷媒量Wr1は、追加封入後においても適正な冷媒量よりも少なめに設定する。また、封入割合Xrの演算については、空気調和機の施工状態や運転状態さらに各構成機器の製作上および制御機器のバラツキなどにより多少数値が異なることから、封入割合の判定値を段階的にすることで上記に示すバラツキによる判定誤差を解消することができる。 【0038】次に、追加冷媒量Wr1の設定方法について説明する。図8は、封入割合判定時と追加冷媒量Wr1を一次封入した後の空気調和機内に封入されている冷媒量の適正値(β)に対する封入割合を示した関係図である。封入割合の判定値については、空気調和機の施工状態や運転状態さらに各構成機器の製作上および制御機器のバラツキなどにより多少数値が異なることから、封入割合の判定値を段階的に決定する方式としている。例えば、封入割合を20%以下、20〜40%、40〜60%、60〜80%、80%以上のごとく20%範囲の5段階的で判定する。追加冷媒量Wr1(図中のハッチング部分)は、判定した段階の最大値(例えば3段階目の40〜60%では60%)に冷媒を追加した後の封入割合が95%となる量(35%増)に設定する。これにより、判定が3段階目で実際の封入割合が最低の40%であった場合でも、一次追加封入後の封入割合を適性量の75%にすることが可能である。当初封入割合が50%の場合は、追加冷媒量を封入後は85%となる。これにより、二次追加封入、すなわち、サイトグラス7内が液単相状態となるまで所定量の冷媒を空気調和機内に封入しサイトグラス7を観察するという繰り返し動作の回数を軽減でき、適正な冷媒量にするまでの時間を短縮することができる。 【0039】ここで、段階的に決定した封入割合判定値を細かくすることにより、さらに追加冷媒量封入後の封入割合を適正な冷媒量に近づけることができ、適正な冷媒量にするまでの時間を短縮することができる。 【0040】以上により、本発明の適正量判定装置および封入割合判定装置からなる冷媒量判定装置を用いることにより、冷媒量判定時に空気調和機内に封入されている冷媒量が適正な場合よりも非常に少ない場合でも、封入割合判定装置の結果から追加冷媒量を決定し封入することにより、適正な冷媒量に調整する時間を軽減することができる。 【0041】ここで、本発明では、適正量判定装置としてサイトグラスを用いたが、同様に液単相状態と気液二相状態を判定できる静電容量センサや超音波センサ、光センサなどでも同様の効果があり、本発明の域を脱するものではない。 【0042】また、本発明では、封入割合判定装置で用いる因子として吐出ガス過熱度、各室内膨張弁の平均開度、各室内温度を用いたが、同様に封入割合の変化に対して変化する温度、圧力、圧縮機の負荷電流、膨張弁開度、風量などの空気調和機の運転状態の値を複数組合わせた場合も同様の効果があり、本発明の域を脱するものではない。 【0043】さらに、封入割合判定装置により判定した封入割合の値を表示装置に出力することにより、空気調和機内に封入されている冷媒量を常に監視することが可能となり、冷媒量による異常を早急に発見することが可能となり、冷媒量に起因する故障発生を未然に防ぐことができる。 【0044】 【発明の効果】本発明によれば、冷媒量調整方法は、少なくとも1台の室外機と少なくとも1台の室内機とで構成された空気調和機の封入冷媒量を適正量に調整するために、空気調和機を冷房運転し受液器から流出する冷媒を過冷却し、圧縮機が吐出する冷媒の温度及び圧力、室内膨張弁の開度及び室内空気温度を基に空気調和機内に封入されている冷媒量が適正量に対してどんな割合になっているかを算出し、この割合から封入追加する冷媒量を決定して一次追加を行い、一次追加後に受液器から流出する冷媒が気液二相状態の場合に所定量の冷媒を追加する二次追加を行ない、受液器から流出する冷媒が適正量であることを示す液単相状態になるまで二次追加を繰り返す方法としたので、冷媒量調整時に空気調和機内に封入された冷媒量が適正量より非常に少ない場合でも、適正な冷媒量に調整する時間を軽減でき、且つ正確に適正な冷媒量に調整することができる。また、適正な冷媒量に確実に調整できるため、冷媒量の不足または過多に起因する故障発生を未然に防ぐことができる。冷媒量調整の際には、空気調和機を冷房運転することにより、冷却装置で過冷却された液冷媒が接続配管を通過するため、施工状態の変化や運転条件の変化に対して冷媒量の変化が大きい接続配管内の冷媒を安定した液冷媒とすることができるため、冷媒量調整を確実にすることができる。 【0045】また、一次追加の冷媒量は、一次追加後、空気調和機内の冷媒量が適正量より少なくなるように決めることにより、封入割合判定装置に誤差が生じた場合でも過封入することなく、確実に正確な冷媒量に調整することができる。 【0046】また、本発明の冷媒量判定装置を構成する適正量判定装置として、受液器の冷媒流出側の配管に冷却装置と冷媒流動状態が液単相か気液二相かを判定するための冷媒流動状態監視手段と順に設けたことにより、受液器から流出する冷媒を冷却装置により過冷却することができるため、配管などを通過する際に発生する圧力損失による流動状態監視手段での検知ミスを防ぐことができ、確実に適正な冷媒量に調整することができる。そして冷媒流動状態監視手段として片面もしくは両面が光を通すガラスでできたサイトグラスにすることにより、電気信号などを介することなく直接目視することで、確実な判定を行うことができるばかりか、簡単な構造体を使用するため、電気信号などを用いて判定する物と比較して原価を低減できる効果がある。 【0047】また、本発明の冷媒量判定装置を構成する封入割合判定装置として、圧縮機から吐出される冷媒の温度、圧力、膨張弁開度、室内空気温度などの運転状態から空気調和機内に封入されている冷媒量の封入割合を算出することにより、封入割合の変化に対して敏感に反応する空気調和機の運転状態から封入割合を正確に判定することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成11年5月28日(1999.5.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098017 【弁理士】 【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
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| 【公開番号】 |
特開2000−337740(P2000−337740A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月8日(2000.12.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−150086 |
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