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【発明の名称】 受液器
【発明者】 【氏名】秋池 茂

【氏名】柿沼 和幸

【要約】 【課題】フィルタ等の耐久性を向上しつつ、装置の小型化、コストダウンを促進することができる受液器を提供する。

【解決手段】タンク部と該タンク部の開口部を閉塞するヘッダとを有するとともに、前記ヘッダに冷媒の流入ポートが設けられた受液器において、前記ヘッダのタンク内部側の面に流入ポートから流入する冷媒を拡散させる複数の案内板を設けたことを特徴とする受液器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タンク部と該タンク部の開口部を閉塞するヘッダとを有するとともに、前記ヘッダに冷媒の流入ポートが設けられた受液器において、前記ヘッダのタンク内部側の面に流入ポートから流入する冷媒を拡散させる複数の案内板を設けたことを特徴とする受液器。
【請求項2】 前記案内板が流入ポートの周縁に放射状に配置されている、請求項1の受液器。
【請求項3】 前記案内板がヘッダに一体に設けられている、請求項1または2の受液器。
【請求項4】 前記タンク部内にフィルタが設けられており、該フィルタに前記案内板が当接している、請求項1ないし3のいずれかに記載の受液器。
【発明の詳細な説明】【0001】本発明は、たとえば車両用空調装置等の冷凍サイクルに用いられる受液器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両用空調装置等の冷凍サイクルに用いられる受液器としては、たとえば図3に示すようなものが知られている。図において、70は受液器を示している。受液器70は、上部が開口された円筒形のタンク部71と、該タンク部71の開口部を閉塞するヘッダ72とを有している。ヘッダ72はタンク部71に、接合されている。なお、図3においては、ヘッダ72はタンク部71に溶接されており、73はビード部を示している。
【0003】ヘッダ72には、タンク部71内へ冷媒を流入させるための流入ポート74と、受液器70の外部へ冷媒を流出させるための流出ポート75と、該流出ポート75に連通する流出孔76とが穿設されている。流出孔76の開口は封止部材84により封止されている。
【0004】また、ヘッダ72には、タンク部71内の冷媒を吸い上げるための吸上管77の一端が挿入される挿入孔86が穿設されている。吸上管77の他端には、タンク部71内に溜められた冷媒を吸入するための吸上口78が設けられている。また、ヘッダ72の上部には、吸上管77内を流通する冷媒の状態を外部から観察可能なサイトグラス85が設けられている。
【0005】タンク部71内には、複数の小孔(図示略)が設けられたプレート79、フィルタ80、乾燥剤81、フィルタ82、およびプレート79と同一形態のプレート83が上方からこの順に配設されている。
【0006】上記のような受液器70においては、流入ポート74からタンク部71内へ流入した冷媒は、プレート79、フィルタ80、乾燥剤81、フィルタ82、プレート83を介してタンク部71の下部に落下した後、吸上管77により吸い上げられ、流出孔76を介して流出ポート75から受液器70の外部へ流出されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような受液器70においては、流入ポート74から流入した冷媒がタンク部72の径方向に十分拡散されず、たとえば流入ポート74の直下に対応するフィルタ80の部分や乾燥剤81に集中して流入するおそれがある。このため、フィルタ80等の部分的な劣化が生じ、結果としてフィルタ80等の耐久性が低下しその交換サイクルが短くなるような不都合を招来するおそれがある。また、上記のような受液器70においては、流入ポート74から流入した冷媒の拡散を促進するためにヘッダ72のタンク内部側の面87からプレート79、フィルタ80の間にスペースを設けているが十分とは言い難い。また、このようなスペースを設けたのでは装置の小型化を促進できなくなるおそれがある。
【0008】本発明の課題は、フィルタ等の耐久性を向上することにより交換サイクルを延長でき、しかも装置の小型化、低コスト化を達成することのできる高品質の受液器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の受液器は、タンク部と該タンク部の開口部を閉塞するヘッダとを有するとともに、前記ヘッダに冷媒の流入ポートが設けられた受液器において、前記ヘッダのタンク内部側の面に流入ポートから流入する冷媒を拡散させる複数の案内板を設けたことを特徴とするものからなる。
【0010】上記案内板を流入ポートの周縁に放射状に配置すれば、流入ポートから流入する冷媒をタンク部の径方向全体に略均一に拡散させることができる。したがって、上記案内板は流入ポートの周縁に放射状に配置されることが好ましい。
【0011】また、上記案内板はヘッダに一体に設けられることが好ましい。案内板をヘッダに一体に設ければ部品点数の増加を防止できる。また、案内板は、ヘッダを金型で成形する際に同時に成形することができる。したがって、案内板の設置に伴うコストアップを最小限に抑制あるいは防止することができる。
【0012】また、上記案内板をタンク内部に配置されるフィルタに当接させるようにすれば、図3のプレート79は廃止することも可能になるので、コストダウンを図ることができる。
【0013】上記のような受液器においては、ヘッダのタンク内部側の面には流入ポートから流入する冷媒を拡散させる複数の案内板が設けられているので、流入ポートからタンク部内へ流入される冷媒は案内板によりタンク部の径方向に略均一に拡散される。したがって、冷媒が流入ポートの直下に対応するフィルタの部分、乾燥剤に偏って流入してフィルタ等が部分的に劣化するよう不具合を防止することができるので、フィルタ、乾燥剤の耐久性が向上し、交換サイクルを延長することができる。また、従来装置においては、流入ポートから流入した冷媒を拡散させるために、ヘッダのタンク内部側の面からフィルタまでの間には比較的広いスペースを設けていたが(図3参照)、本発明の受液器においては上記スペースを縮小することができるので、装置の小型化を促進することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の受液器の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施態様に係る受液器を示している。図において、1は受液器を示している。受液器1は、上部が開口された円筒状のタンク部2と、該タンク部2の開口を閉塞するヘッダ3とを有している。本実施態様においては、ヘッダ3はタンク部2に溶接されており、4はビード部を示している。
【0015】ヘッダ3には、タンク部2内へ冷媒を流入させるための流入ポート5と、外部へ冷媒を流出させるための流出ポート6が穿設されている。
【0016】また、ヘッダ3には、タンク部2内から冷媒を吸い上げるための吸上管7の一端が挿入される挿入孔8と、吸上管7により吸い上げられた冷媒を流出ポート6へと送出するための流出孔9とが穿設されている。なお、吸上管7の他端には、タンク部2内に溜められた冷媒を吸入するための吸上口10が設けられている。また、流出孔9を形成するための開口は封止部材11により封止されている。
【0017】なお、ヘッダ3の上部にはサイトグラス18がかしめ固定されており、吸上管7内を流通する冷媒の状態は外部から観察できるようになっている。
【0018】ヘッダ3のタンク内部側の面12には、流入ポート5から流入する冷媒を拡散させるための複数の案内板13が一体に設けられている。案内板13は、図2に示すように流入ポート5の周縁に放射状に配置されており、流入ポート5からタンク部2内に流入した冷媒はタンク部2の径方向に略均一に拡散されるようになっている。なお、上記のような案内板13を設けたヘッダ3は、たとえば射出成形等により、一つの工程により簡単に成形することができる。したがって、案内板13の設置に伴うコストアップを最小限に抑制あるいは防止することができる。
【0019】案内板13の先端は、フィルタ14に当接するようになっている。したがって図3の従来装置のプレート79を廃止しつつ、フィルタ14を所定の位置に固定できるようになっている。
【0020】フィルタ14の下部には乾燥剤15の層が形成されており、該層の下部にはフィルタ16および複数の小孔(図示略)が形成されたプレート17が設けられている。
【0021】本実施態様のような受液器1においては、流入ポート5からタンク部2内へ流入した冷媒は、フィルタ14、乾燥剤15、フィルタ16、プレート17を介してタンク部2の下部に落下した後に、吸上管7の他端に設けられた吸上口10から吸い上げられるようになっている。そして、吸上管7の一端から流出孔9内へ流入し流出ポート6から外部へ送出されるようになっている。
【0022】また、本実施態様においては、ヘッダ3の面12には流入ポート5から流入する冷媒を拡散させるための案内板13が設けられており、該案内板13は流入ポート5の周縁に放射状に配置されている。したがって、流入ポート5から流入した冷媒は案内板13によりタンク部2の径方向に略均一に拡散されるので、流入ポート5の直下に対応するフィルタ14の部分や乾燥剤15が他の部分よりも早く劣化するような不具合が防止され、フィルタ14等の耐久性を向上でき、交換サイクルを大幅に延長することができる。
【0023】また、本実施態様においては、流入ポート5から流入した冷媒は案内板13により確実にタンク部2の径方向に拡散されるので、従来装置のようにヘッダのタンク内部側の面とフィルタまでの間に冷媒を拡散させるためのスペースを設ける必要はない。したがって、装置の小型化を促進することができる。
【0024】また、上記スペースを廃止することにより、ヘッダ3の面12をフィルタ14に当接させて該フィルタ14を所定の位置に固定することが可能となる。したがって、図3の従来装置に示したプレート79を廃止することも可能になり、コストダウンを図ることができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の受液器によるときは、流入ポートからタンク部内に流入する冷媒をタンク部の径方向に略均一に拡散させることができるので、フィルタ、乾燥の耐久性が向上でき交換サイクルを大幅に延長することができる。
【0026】また、タンク内部に冷媒を拡散させるためのスペースを設ける必要もなくなるので、装置の小型化を促進しつつ、コストダウンを図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
【出願日】 平成11年5月25日(1999.5.25)
【代理人】 【識別番号】100091384
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 俊光
【公開番号】 特開2000−337738(P2000−337738A)
【公開日】 平成12年12月8日(2000.12.8)
【出願番号】 特願平11−145031