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【発明の名称】 アンモニア吸収式冷凍装置
【発明者】 【氏名】矢川 憲利

【氏名】松上 哲也

【氏名】武居 俊孝

【氏名】山本 忠彦

【氏名】石黒 貴也

【氏名】安尾 晃一

【氏名】川端 克宏

【氏名】谷本 啓介

【要約】 【課題】アンモニア吸収式冷凍装置のコンパクト化を図る。

【解決手段】横置きシェル・アンド・チューブ型の吸収器25では、伝熱管の細径化および高性能化によって、伝熱管群の占める断面積を大幅に縮小し、胴体の下部を溶液受液器として使用可能にして、外部の溶液受液器を省略する。凝縮器23および蒸発器24は、プレート型熱交換器を用い、小型化する。冷凍サイクルの構成要素を枠体31に上下に分けて装着し、全体としてコンパクト化することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発生器(22)、凝縮器(23)、蒸発器(24)、吸収器(25)、精留塔(27)、および溶液ポンプ(29)を、冷凍サイクルを形成する主要な構成要素として含むアンモニア吸収式冷凍装置(21)において、吸収器(25)は、シェル・アンド・チューブ型熱交換器としての構造を有し、横置き型の胴体(42)の上部に伝熱管(43)群が配置され、胴体(42)の下部に溶液受液器として機能する空間(51)が設けられることを特徴とするアンモニア吸収式冷凍装置。
【請求項2】 前記吸収器(25)の伝熱管(43)群は直管であり、各伝熱管(43)の軸線方向の両端は、前記胴体(42)の軸線方向両端に配置される管板(44,45)に接続され、管板(44,45)の外部には、冷却水配管を取外すことなく蓋(46,47)が開閉可能なジャケット(48,48′)が設けられ、ジャケット(48,48′)を介して冷却水が供給および排出されることを特徴とする請求項1記載のアンモニア吸収式冷凍装置。
【請求項3】 前記冷凍サイクルの構成要素を装着し、前記蒸発器(24)および前記吸収器(25)が上部に、蒸発器(24)上端が吸収器(25)の前記溶液受液器として機能する空間(51)よりも高い位置となるように配置される枠体(31)と、該枠体(31)の上部で、蒸発器(24)上端と、吸収器(25)の前記溶液受液器として機能する空間(51)との中間高さに装着されるブリード熱交換器(26)とをさらに含み、前記凝縮器(23)および前記蒸発器(24)は、プレート型熱交換器としての構造を有して該枠体(31)の上部に装着され、前記溶液ポンプ(29)および前記発生器(22)は、該枠体(31)の下部に装着されることを特徴とする請求項1または2記載のアンモニア吸収式冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンモニア冷媒を用いて冷凍を行うアンモニア吸収式冷凍装置、特にその吸収器の構造および装置全体の配置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図13に示すようなアンモニア吸収式冷凍装置(1)が、廃温水や廃ガス等を含む種々の熱源を利用して0℃〜−60℃の低温範囲での冷凍を行うために、広く用いられている。アンモニア吸収式冷凍装置(1)では、発生器(2)を熱源で加熱して、冷媒であるアンモニアの蒸気を発生させ、凝縮器(3)で冷媒を凝縮させたあと、蒸発器(4)で蒸発させ、冷凍を行う。蒸発器(4)で蒸発した冷媒は、吸収器(5)で吸収液であるアンモニア水の稀溶液に吸収させ、冷媒を吸収した濃溶液を溶液受液器(6)に貯留する。発生器(2)で蒸発する冷媒蒸気には水蒸気も含まれるので、精留塔(7)に凝縮器(3)から高純度の冷媒液をリフラックスポンプ(8)で送込み、発生する冷媒蒸気の純度を高める。
【0003】溶液受液器(6)に貯留される濃溶液は、溶液ポンプ(9)によって発生器(2)に送込まれる。この濃溶液と、発生器(2)から吸収器(5)に送込まれる稀溶液とは、溶液熱交換器(10)で熱交換し、濃溶液は加温され、稀溶液は冷却される。アンモニア吸収式冷凍装置(1)の各構成要素は、基本的に横置きのシェル・アンド・チューブ型の熱交換器であり、枠体(11)に装着され、1つのモジュールを構成する。枠体(11)には、アンモニア吸収式冷凍装置(1)の運転制御のための制御盤(12)も設置される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図13に示すようなアンモニア吸収式冷凍装置(1)では、構成要素を枠体(11)に装着してモジュール化し、全体をコンパクトにまとめようとしている。装置全体がコンパクトにまとめられれば、装置全体を工場で製造し、装置を設置する現場で全工程の組立を行う場合よりも、効率よく、かつ信頼性を高くすることができるからである。
【0005】しかしながら図13に示すアンモニア吸収式冷凍装置(1)では、枠体(11)の上部に吸収器(5)と溶液受液器(6)とを2段に配置する必要がある。溶液受液器(6)の下方には溶液ポンプ(9)が配置され、そのヘッド圧を得るため、溶液受液器(6)から溶液ポンプ(9)までに約2m程度の高さを必要とするからである。溶液受液器(6)に吸収液を自然落下で移行させるためには、吸収器(5)は、溶液受液器(6)よりもさらに上方に配置する必要がある。このため、アンモニア吸収式冷凍装置(1)をモジュール化して一体化しても、全体の小型化には限界があり、特に高さを低減することが困難である。
【0006】本発明の目的は、装置全体の高さを低くして、小形化を図ることができるアンモニア吸収式冷凍装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、発生器(22)、凝縮器(23)、蒸発器(24)、吸収器(25)、精留塔(27)、および溶液ポンプ(29)を、冷凍サイクルを形成する主要な構成要素として含むアンモニア吸収式冷凍装置(21)において、吸収器(25)は、シェル・アンド・チューブ型熱交換器としての構造を有し、横置き型の胴体(42)の上部に伝熱管(43)群が配置され、胴体(42)の下部に溶液受液器として機能する空間(51)が設けられることを特徴とするアンモニア吸収式冷凍装置である。
【0008】本発明に従えば、シェル・アンド・チューブ型熱交換器としての構造を有する吸収器(25)の横置き型の胴体(42)の上部に伝熱管(43)群が配置され、胴体(42)の下部に溶液受液器として機能する空間(51)が設けられる。各伝熱管(43)を細径化および高性能化することによって、伝熱効率を高めれば、伝熱管(43)群として必要な胴体(42)内での空間の容積を小さくすることができる。したがって、従来の吸収器と同様な容積の胴体(42)でも、伝熱管(43)群の下方に空間(51)を設けることができ、この空間(51)に伝熱管(43)群に散布し、冷媒を吸収した溶液を貯留し、溶液受液器としての機能を発揮させることができる。溶液受液器としての機能を吸収器(25)の胴体(42)内で果すことができるので、外部に溶液受液器を設置する必要はなく、アンモニア吸収式冷凍サイクルの小形化を図ることができる。
【0009】また本発明で、前記吸収器(25)の伝熱管(43)群は直管であり、各伝熱管(43)の軸線方向の両端は、前記胴体(42)の軸線方向両端に配置される管板(44,45)に接続され、管板(44,45)の外部には、冷却水配管を取外すことなく蓋(46,47)が開閉可能なジャケット(48,48′)が設けられ、ジャケット(48,48′)を介して冷却水が供給および排出されることを特徴とする。
【0010】本発明に従えば、吸収器(25)の伝熱管(43)群は直管であり、軸線方向の両端は、胴体(42)の軸線方向両端に配置される管板(44,45)に接続される。蓋(46,47)を開放することによって、冷却水配管を取外すことなく、伝熱管(43)の開口端を開放し、伝熱管(43)内部の開放点検が可能になり、ブラシを挿入しての清掃も容易に行うことができる。
【0011】また本発明は、前記冷凍サイクルの構成要素を装着し、前記蒸発器(24)および前記吸収器(25)が上部に、蒸発器(24)上端が吸収器(25)の前記溶液受液器として機能する空間(51)よりも高い位置となるように配置される枠体(31)と、該枠体(31)の上部で、蒸発器(24)上端と、吸収器(25)の前記溶液受液器として機能する空間(51)との中間高さに装着されるブリード熱交換器(26)とをさらに含み、前記凝縮器(23)および前記蒸発器(24)は、プレート型熱交換器としての構造を有して該枠体(31)の上部に装着され、前記溶液ポンプ(29)および前記発生器(22)は、該枠体(31)の下部に装着されることを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、凝縮器(23)および蒸発器(24)には、プレート型熱交換器を用いる。凝縮器(23)および蒸発器(24)は、プレート型熱交換器を採用しているので、小形でコンパクトに形成することができる。吸収器(5)には、内部に溶液受液器の機能が設けられ、外部に溶液受液器を配置する必要がないので、枠体(31)に構成要素を装着して形成される冷凍装置の全体も、高さを低くし、全体をコンパクトに形成することができる。蒸発器(24)の上端は吸収器(26)の前記溶液受液器として機能する空間(51)より高い位置に配置され、中間の高さにブリード熱交換器(26)が配置されるので、ブリード冷媒液を自然落下で蒸発器(24)から吸収器(25)に流すことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1、図2、図3、図4および図5は、本発明の実施の一形態としてのアンモニア吸収式冷凍装置(21)の概略的な構成を示す。図1、図2、図3、および図4は、装置全体の構成を、正面視、左側面視、平面視、および斜視した状態をそれぞれ示す。図5は、配管系統を示す。
【0014】図1〜図4に示すように、アンモニア吸収式冷凍装置(21)としての冷凍サイクルは、発生器(22)、凝縮器(23)、蒸発器(24)、吸収器(25)、ブリード熱交換器(26)、精留塔(27)、リフラックスポンプ(28)、溶液ポンプ(29)および溶液熱交換器(30)等を含んで構成され、各構成要素は枠体(31)に装着されて一体的なモジュールが形成される。枠体(31)には、アンモニア吸収式冷凍装置(21)の運転の制御を行う制御盤(32)も設けられる。また、冷凍サイクルの構成要素としては、冷媒過冷却器(33)、気液分離器(34)および冷媒受液器(35)も含まれ、枠体(31)で支持される。
【0015】枠体(31)の上部には、吸収器(25)、凝縮器(23)、蒸発器(24)、ブリード熱交換器(26)、冷媒過冷却器(33)および気液分離器(34)が配置される。吸収器(25)は横置きのシェル・アンド・チューブ型の熱交換器であり、内部に溶液受液器としての機能を有するので、独立した溶液受液器を備える必要はない。凝縮器(23)および蒸発器(24)は、プレート型熱交換器としての構造を有し、伝熱効率を高めて小形化することができる。蒸発器(24)の上端は、吸収器(25)内部で溶液受液器としての機能を有する部分よりも高い位置となるように配置される。ブリード熱交換器(26)は、蒸発器(24)の上端と、吸収器(25)の溶液受液器部分との中間高さに配置される。
【0016】枠体(31)の下部には、発生器(22)、リフラックスポンプ(28)、溶液ポンプ(29)、溶液熱交換器(30)、冷媒受液器(35)および制御盤(32)が配置される。枠体(31)の下方から上方にわたって、精留塔(27)が立設される。
【0017】図5の配管系統で示すように、発生器(22)でアンモニア水溶液は加熱され、アンモニアと水との混合水蒸気が精留塔(27)下部に送られる。精留塔(27)からは、精留に利用されたアンモニア水溶液が発生器(22)上部に戻される。この溶液は、発生器(22)で加熱され、高温の稀溶液になって溶液熱交換器(30)に送られる。精留塔(27)は、発生器(22)より送られてくる純度の低い、たとえば50〜60%の冷媒ガスを、高純度99.8%のアンモニアガスに濃縮する。精留塔(27)内には、バブルキャプ式等のトレイを多段に設置してある。各トレイでは、アンモニアの純度の高い濃溶液とアンモニアおよび水の混合蒸気とが気液接触し、混合蒸気中の水蒸気は濃溶液中に吸収され、その時に発生する凝縮熱で濃溶液中のアンモニアがガス化する。このような過程をトレイの各段毎に繰返すことによって、高純度のアンモニアガスが得られる。
【0018】凝縮器(23)は、99.8%のアンモニアガスを冷却して凝縮させる。凝縮したアンモニア液の一部はリフラックスポンプ(28)によって精留塔(27)の頂部に送られ、精留のために利用される。凝縮器(23)はプレート型であるので、凝縮した冷媒液は、冷媒受液器(35)に貯留される。冷媒過冷却器(33)では、凝縮器(23)からの温かい冷媒液と、蒸発器(24)からの冷たい冷媒ガスとを熱交換させ、冷媒液を過冷却状態にして冷凍効率を向上させる。蒸発器(24)では、冷媒であるアンモニア液が被冷却媒体であるブラインから熱を奪い、蒸発してガス化する。蒸発した冷媒ガスの純度は100%である。したがって、沸騰している冷媒液側の純度は99.8%よりも低下する。蒸発器(24)内の冷媒液純度を96〜98%程度に保つため、蒸発器(24)内の冷媒液を、冷媒循環流量の4〜5%程度、ブリード熱交換器(26)にブリード冷媒として放出する。ブリード熱交換器(26)は、ブリード冷媒の冷熱回収を図るため、冷媒過冷却器(33)からの冷媒液をさらに過冷却する。ブリード冷媒は、熱交換によってガス化し、吸収器(25)で吸収される。
【0019】溶液熱交換器(30)は、発生器(22)からの高温稀溶液と吸収器(25)からの低温濃溶液とを熱交換させて、発生器(22)の必要熱量を削減させるとともに、吸収器(25)へは低温の稀溶液を送ることによって、吸収器(25)の吸収性能を向上させる。吸収器(25)では、吸収力の強い稀溶液を吸収器伝熱管上に散布し、伝熱管上の溶液フィルムで冷媒ガスを吸収する。溶液ポンプ(29)は吸収器(25)からの濃溶液を高圧部の発生器(22)に送るために設けられ、約200m水柱のヘッドが必要である。
【0020】容量制御弁(36)は、被冷却ブラインの温度を制御するために、アンモニア濃溶液の循環流量を調整する。冷凍負荷に比例した溶液循環流量に絞るため、温度検出器(37)で冷却したブラインの温度を検出し、温度コントローラ(38)で容量制御弁(36)の弁開度を比例制御する。容量制御弁(39)は、冷凍負荷に応じた入熱量を発生器(22)に供給するために設けられ、温度検出器(40)が検出する高温稀溶液の温度に応じて、温度コントローラ(41)が容量制御弁(39)の弁開度を比例制御する。
【0021】図6および図7は、図1〜図4に示す吸収器(25)の概略的な構成を示す。図6は斜視、図7は断面視した状態をそれぞれ示す。
【0022】吸収器(25)は、基本的に、横置きのシェル・アンド・チューブ型熱交換器型としての構造を有する。円筒状の胴体(42)内で上部には、直管状の伝熱管(43)が多数配置され、群を形成している。各伝熱管(43)の軸線は、胴体(42)の軸線と平行である。胴体(42)の軸線方向両端は、管板(44,45)で閉鎖され、各伝熱管(43)の両端は、管板(44,45)を貫通している。管板(44,45)の外部には蓋(46,47)がそれぞれ設けられ、各伝熱管(43)の開口部を覆う。蓋(46,47)は、ボルトの締結を緩めて外すことによって、容易に開くことができる。蓋(46,47)を開くと、各伝熱管(43)の開口端が露出し、各伝熱管(43)内にブラシを挿入して、管内の洗浄を確実に行うことができる。また、開放点検も容易になる。
【0023】胴体(42)の軸線方向の一端側の管板(44)の外部には、各伝熱管(43)に冷却水を供給し、吸収熱で加温された冷却水を排出するためのジャケット(48)が設けられる。ジャケット(48)には、冷却水配管を接続するための冷却水入口(49)および冷却水出口(50)が設けられる。ジャケット(48)の軸線方向の長さは極力短くして、ジャケット(48)に蓋(46)を設ける。胴体(42)の軸線方向の他端側は、ジャケット(48′)を蓋(47)で覆い、水室を形成する。冷却水入口(49)および冷却水出口(50)がジャケット(48,48′)の側面に設けられているので、蓋(46,47)を取外すことなくジャケット(48,48′)の端面を開放することができる。胴体(42)の下部には、伝熱管(43)群を配置しない空間(51)を設け、従来の溶液受液器としての役割を果させる。
【0024】図8は、本実施形態で吸収器兼溶液受液器として一体化された吸収器(25)の構成と、従来の吸収器と溶液受液器とを用いる構成とを比較して示す。図8(a)に示すように、本実施形態の吸収器(25)では、胴体(41)の胴内径が約900mmで胴長さが約3500mmの胴体(31)の両側の管板(44,45)を蓋(46,47)で覆う。
【0025】図8(b)は、本実施形態と同様に、100USRTの定格で、図15に示す吸収器(5)および溶液受液器(6)に必要なサイズを示す。胴内径は、吸収器(5)が750mm、溶液受液器(6)が600mmとなる。胴長さは、ともに5000mmとなる。吸収器(5)と溶液受液器(6)との間には、300mmの隙間が必要である。設置に必要な容積は、吸収器(5)に2.1立方メートル、溶液受液器(6)に1.6立方メートル、接続スペースとして1.0立方メートルの合計4.7立方メートルとなる。
【0026】図8(a)と図8(b)とを比較すると、本実施形態の吸収器(25)では、従来の吸収器(5)と溶液受液器(6)とを用いる構成に比較して、容積が約50%にコンパクト化されていることが判る。このようなコンパクト化は、伝熱管(43)の細径化および高性能化によって、伝熱管(43)群の占める断面積を従来よりも大幅に縮小することが可能になったことに由来する。
【0027】図9は、本実施形態の吸収器(25)と従来の吸収器(5)とのジャケット構造の比較を示す。図9(a)に示す本実施形態のジャケット(48)では、冷却水入口(49)および冷却水出口(50)が上下に引出され、冷却水入口(49)および冷却水出口(50)への冷却水配管などの接続状態に関係なく、蓋(46)を開ければ、直ちに伝熱管(43)の開口端を露出させることができる。図9(b)に示す従来の吸収器(5)のジャケット(48a)では、冷却水入口(49a)および冷却水出口(50a)が蓋(46a)に設けられ、蓋(46a)を外すには冷却水入口(49a)および冷却水出口(50a)への冷却水配管を外す必要がある。
【0028】図10は、図1〜図4に示す凝縮器(23)および蒸発器(24)として用いるプレート型熱交換器の内部構成を示す。図10(a)は部分的な積層構造、図10(b)は熱交換の基本的構造をそれぞれ示す。熱交換器の内部は、間隔を開けて配置される複数の伝熱板(52)によって、複数の層に分けられる。複数の伝熱板(52)の全体に、水・ブライン流入路(53)、水・ブライン流出路(54)、冷媒流入路(55)および冷媒流出路(56)が貫通して形成される。伝熱板(52)の端部は、2つずつ気密に溶接される。各組の伝熱板(52)間の隙間は、ガスケット(57)によって封止される。
【0029】冷媒流入路(55)および冷媒流出路(56)は、伝熱板(52)の端部が溶接されて袋状に形成される層を貫通する部分に冷媒の流入および流出が可能な透孔を有し、冷媒流入路(55)から冷媒流出路(56)に冷媒が流れる。水・ブライン流入路(53)および水・ブライン流出路(54)は、伝熱板(52)の端部がガスケット(57)で封止されて形成される層を貫通する部分に冷却水またはブラインの流入および流出が可能な透孔を有し、水・ブライン流入路(53)から水・ブライン流出路(54)に冷却水またはブラインが流れる。すなわち、凝縮器(23)では、冷媒と冷却水とが交互に流れ、蒸発器(24)では、冷媒とブラインとが交互に流れる。
【0030】図11および図12は、図1〜図4に示す蒸発器(24)の構造を示す。凝縮器(23)も実質的に同等の構造を有する。図11は正面視、、図12は左側面視した状態をそれぞれ示す。複数の伝熱板(52)およびガスケット(57)は、固定フレーム(58)と遊動フレーム(59)との間に挟持される。遊動フレーム(59)は、固定フレーム(58)と支柱(60)との間に掛渡されたバー(61)によって案内され、支柱(60)側に移動することができる。遊動フレーム(59)が支柱(60)側に移動すると、固定フレーム(58)と遊動フレーム(59)との間隔が開き、伝熱板(52)とガスケット(57)の挟持状態は解消される。伝熱板(52)およびガスケット(57)の挟持状態での締付けは、ボルト(62)およびナット(63)によって行われる。ボルト(62)およびナット(63)による締付けを外せば、ガスケット(57)で封止されている水・ブライン側を分離して取外し、洗浄等のメンテナンスを容易に行うことができる。全溶接構造であると、取外すことができず、薬品での洗浄しかできないのに比較し、保守が極めて容易となる。
【0031】固定フレーム(58)には、図11の水・ブライン流入路(53)に接続される水・ブライン入口(64)、水・ブライン流出路(54)に接続される水・ブライン出口(65)、冷媒流入路(55)に接続される冷媒入口(66)、および冷媒流出路(56)に接続される冷媒出口(67)が設けられる。
【0032】本実施形態のアンモニア吸収式冷凍機(21)では、熱交換を行う流体の流量がほぼ同程度である凝縮器(23)と蒸発器(24)とにプレート型熱交換器を採用し、小形かつ高効率の熱交換を行わせることができる。熱交換を行う流体の体積流量に差がある吸収器(25)および冷媒過冷却器(33)などの熱交換器では、プレート型を採用すると、体積流量の大きい流体側の流速を極めて大きくなり、動力の損失が増えてしまうので、シェル・アンド・チューブ型を採用する。このように、冷凍サイクルを構成する熱交換器の構造を使い分けることによって、全体としてコンパクトで高効率なベストマッチの状態のアンモニア吸収式冷凍装置(21)を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、シェル・アンド・チューブ型熱交換器としての構造を有する吸収器(25)の横置き型の胴体(42)の上部に配置される伝熱管(43)群での伝熱効率を高めれば、胴体(42)の下部に溶液受液器として機能する空間(51)を設けても、従来の吸収器と同様な容積の胴体(42)でも、伝熱管(43)群の下方に設けられる空間(51)に溶液受液器としての機能を発揮させることができる。吸収器(25)の外部に溶液受液器を設置する必要はなく、アンモニア吸収式冷凍サイクルを構成する冷凍装置の小形化を図ることができる。
【0034】また本発明によれば、胴体(42)の軸線方向の一端に配置される管板(44)に設けられる蓋(46)を開ければ、管板(44)に接続される直管の伝熱管(43)の開口端を開放し、伝熱管(43)内部の開放点検や、ブラシを挿入しての清掃も容易に行うことができる。
【0035】また本発明によれば、凝縮器(23)および蒸発器(24)では、ほぼ同量の2種の流体間での熱交換が行われるので、プレート型熱交換器を用いて 、小形でコンパクトに形成することができる。吸収器(5)には、内部に溶液受液器の機能が設けられ、外部に溶液受液器を配置する必要がないので、枠体(31)に構成要素を装着して形成される冷凍サイクルの全体も、高さを低くし、全体をコンパクトに形成することができる。
【出願人】 【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成11年5月21日(1999.5.21)
【代理人】 【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
【公開番号】 特開2000−337732(P2000−337732A)
【公開日】 平成12年12月8日(2000.12.8)
【出願番号】 特願平11−142458