トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F25 冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒ−トポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化




【発明の名称】 自動販売機の冷却・加熱装置
【発明者】 【氏名】井下 尚紀

【要約】 【課題】商品を冷却又は加熱して販売する自動販売機を複数並べて設置する場合における冷却・加熱効率を高める。

【解決手段】部屋1に設置された複数の自動販売機2及びエアコン3に対して共通に1台の冷却・加熱ユニット9を設け、この冷却・加熱ユニット9から各自動販売機2及びエアコン3の熱交換器5及び7に対し冷却又は加熱したて熱媒体を循環させる。自動販売機2やエアコン3に搭載した小型の冷却・加熱装置を個別に運転する場合に比べて熱効率が向上し、また共通の冷却・加熱ユニット9は室外に設置することができるので、その排熱で自動販売機2やエアコン3の冷却・加熱が妨げられることがない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】並置された複数の自動販売機の各商品収納室にそれぞれ設置された熱交換器と、前記各自動販売機に共通に別置され、熱媒体を冷却又は加熱するとともに、この熱媒体を配管を介して前記各熱交換器に循環させる冷却・加熱ユニットと、前記各商品収納室の温度を検出し、この検出温度と予め設定された目標温度とを比較して前記各熱交換器に対する前記熱媒体の供給を制御する手段とからなることを特徴とする自動販売機の冷却・加熱装置。
【請求項2】前記冷却・加熱ユニットは前記自動販売機が設置された部屋のエアコンに同時に前記熱媒体を循環させることを特徴とする請求項1記載の自動販売機の冷却・加熱装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、缶・瓶・パック飲料などの商品を冷却又は加熱して販売する自動販売機に関し、特にその冷却・加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の自動販売機はそれぞれが独自に冷却・加熱装置(冷凍機やヒータ)を搭載し、複数の自動販売機が並べて設置される場合にも各々の冷却・加熱装置を個別に運転している。また、自動販売機が空調された部屋に設置されている場合には、その部屋のエアコンも独自に冷却・加熱装置を運転している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような従来の自動販売機の冷却・加熱装置は以下のような問題がある。
(1)各自動販売機ごとに小型の冷却・加熱装置を個別運転するためエネルギ効率が悪く、全体としての消費電力が大きくなる。
(2)特に自動販売機を室内に設置した場合には、各自動販売機やエアコンからの排熱が互いに影響し合い、ますます熱効率が悪くなる。
そこで、この発明の課題は、複数の自動販売機が並置される場合における冷却・加熱装置のエネルギ効率を向上し、省エネを図ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、この発明は、並置された複数の自動販売機の各商品収納室にそれぞれ設置された熱交換器と、前記各自動販売機に共通に別置され、熱媒体を冷却又は加熱するとともに、この熱媒体を配管を介して前記各熱交換器に循環させる冷却・加熱ユニットと、前記各商品収納室の温度を検出し、この検出温度と予め設定された目標温度とを比較して前記各熱交換器に対する前記熱媒体の供給を制御する手段とにより冷却・加熱装置を構成するものである(請求項1)。
【0005】この発明によれば、複数の自動販売機に対して熱媒体を供給する冷却・加熱ユニットを一まとめにして運転することにより、複数の小型の冷却・加熱装置を個別に運転するよりもエネルギ効率が向上し、また共通の冷却・加熱ユニットは自動販売機が設置された空間と別の空間に設置することができるので、その排熱で自動販売機の冷却・加熱が妨げられることがない。前記冷却・加熱ユニットから、自動販売機が設置された部屋のエアコンにも同時に熱媒体を循環させるようにすれば、エアコンも含めて消費電力を一層低減することができる(請求項2)。
【0006】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施の形態を示すシステム構成図である。図1において、部屋1には複数の自動販売機2(図1では2台のみを図示)が並んで設置され、部屋1の天井にはエアコン3が取り付けられている。自動販売機2は商品収納室4が2室の例を示し、各商品収納室4には熱交換器5及び庫内循環ファン6がそれぞれ設置されている。また、エアコン3内にも熱交換器7及び室内循環ファン8が設置されている。
【0007】一方、屋外にはこれら自動販売機2及びエアコン3に共通に、1台の冷却・加熱ユニット9が設置され、自動販売機2及びエアコン3の各熱交換器5及び7は熱媒体の吐出配管10及び戻り配管11を介して冷却・加熱ユニット9に並列に接続されている。吐出配管10には各熱交換器5及び7の入口に二方電磁弁からなる開閉弁12及び13がそれぞれ挿入され、これらの開閉弁12及び13は各自動販売機2及びエアコン3の制御部14及び15により、各商品収納室4及び部屋1の循環空気の温度を検出する温度センサ16及び17と予め設定された目標温度との比較に基いて開閉される。
【0008】このような構成において、商品収納室4に収容された、例えば缶飲料などの商品を冷却し、また部屋1を冷房する場合には、冷却・加熱ユニット9から、例えば−7℃程度に冷却された熱媒体(例えばプロピレングリコール)が図示しない循環ポンプにより吐出配管10を通して熱交換器5及び7に供給され、放熱した後、戻り配管11を通して冷却・加熱ユニット9に回収される循環をする。その間、各商品収納室4及び部屋1ではファン6及び8により熱交換器5及び7を通して庫内空気及び室内空気の循環が行われ、図示しない商品及び室内空気の冷却が行われる。
【0009】各自動販売機2及びエアコン3の制御部14(図1の左側の自動販売機2のみに示す)及び15は、温度センサ16(図1の左側の自動販売機2の左室のみに示す)及び17の検出温度が予め設定された目標温度の下限に達すると開閉弁12及び13を閉じ、また上限に達すると開閉弁12及び13を開いて温度を所望の範囲に維持する。同様に、商品を加熱し、また部屋1を暖房する場合には、冷却・加熱ユニット9から、例えば80℃程度に加熱された熱媒体が循環されて循環する。
【0010】図2は冷却・加熱ユニット9の内部構成を示す配管系統図で、冷却・加熱ユニット9はヒートポンプ式の冷凍機と熱媒体との熱交換回路として構成されている。ここで、図2(A)は冷却運転時、図2(B)は加熱運転時を示し、冷凍機の冷媒はそれぞれ太線の回路を矢印方向に移動・循環する。まず、図2(A)の冷却運転時において、圧縮機18により圧縮されて高温高圧となった冷媒ガスは、四方電磁弁からなる切換弁19の図示切り換え流路を通して室外熱交換器20に送られ、ここで室外空気と熱交換して凝縮する。この液冷媒は逆止弁21及び電磁弁22を経て絞り弁23により低温低圧にされた後、熱媒体冷却・加熱器24の熱交換チューブ24aにおいて、その外側に接触する熱媒体25と熱交換して蒸発・吸熱することにより熱媒体を例えば−7℃程度に冷却する。液冷媒が蒸発して生じた冷媒ガスは、圧縮機18に戻って圧縮され、再び熱交換器20に循環する。一方、熱媒体冷却・加熱器24で冷却された熱媒体25は、循環ポンプ26により自動販売機2及びエアコン3の熱交換器5及び7を通して循環し、すでに述べたように庫内空気及び室内空気を冷却する。
【0011】次に、図2(B)の加熱運転時において、圧縮機18により圧縮されて高温高圧となった冷媒ガスは、切換弁19の図示切り換え流路を通して熱媒体冷却・加熱器24の熱交換チューブ24aに送られ、ここでその外側を流れる低温の熱媒体25と熱交換して凝縮・放熱することにより熱媒体を例えば80℃程度に加熱する。冷却ガスが凝縮して生じた液冷媒は、逆止弁27を経て絞り弁28により低温低圧にされた後、電磁弁29を経て室外熱交換器20に送られ、ここで室外空気と熱交換して蒸発する。液冷媒が蒸発して生じた冷媒ガスは、切換弁19の図示切り換え通路を経て圧縮機18により圧縮され、再び熱媒体冷媒・加熱器24に循環する。一方、熱媒体冷却・加熱器24で加熱された熱媒体25は、循環ポンプ26により自動販売機2及びエアコン3の熱交換器5及び7を通して循環し、すでに述べたように庫内空気及び室内空気を加熱する。
【0012】以上示した実施の形態においては、複数の自動販売機2及びエアコン3に対して共通の冷却・加熱ユニット9を設け、それらにまとめて冷熱あるいは温熱を供給しているため、自動販売機2やエアコン3にそれぞれ搭載された例えば冷凍機を個々に運転する場合に比べて、全体としてのエネルギ効率が高くなる。また、冷却・加熱ユニット9は室外に設置されるため、その冷凍機排熱で室内の自動販売機2やエアコン3の冷却作用が妨げられることがない。
【0013】ここで、この発明においては、冷却・加熱ユニット9において冷凍機により熱媒体25を冷却・加熱し、この熱媒体25を自動販売機2やエアコン3に循環させるようにしているが、複数の冷蔵ショーケースに1台の圧縮機から冷媒を供給する冷却システムに見られるように、1台の冷凍機ユニット(圧縮機や凝縮器)を複数の自動販売機対して共通に設け、この冷凍機ユニットから各自動販売機の冷却器に液冷媒を並列に供給する方式が考えられる。しかしながら、冷凍サイクルにおける冷媒圧力はこの発明における熱媒体の循環圧力に比べて高圧で配管コストが高くなるとともに、各自動販売機における蒸発圧力を均一に保つための制御が厄介である。従って、商品冷却温度が自動販売機の2〜3℃に比べてはるかに低い−20〜−30℃の冷蔵ショーケースはともかく、熱媒体の循環で十分な冷却が可能な自動販売機においては、熱媒体を循環ポンプで単に移動・循環させるだけでよい熱媒体循環方式の方が配管コストや制御の面で有利である。
【0014】また、自動販売機とエアコンを同一の系に接続して運転する場合、冷風の吹き出し温度は自動販売機の0℃程度に対してエアコンは10℃程度と差があるため、これらを同一の冷凍サイクルにより運転することには無理があるが、熱媒体の循環の場合には、同一温度の熱媒体を自動販売機とエアコンに並列に循環させながら、冷風の吹き出し温度は熱交換器への熱媒体の通流時間(開閉弁の開時間)の調整だけで自由に変えられるので、この面からも熱媒体循環方式の方が有利である。
【0015】
【発明の効果】以上の通り、この発明によれば、複数の自動販売機に熱媒体を供給する冷却・加熱ユニットを一まとめにして運転することにより、全体としてのエネルギ効率を向上することができる。また、自動販売機を室内に設置した場合に、冷却・加熱ユニットは自動販売機を設置した室内空間と別の室外に設置することができるので、冷却・加熱ユニットからの排熱で各自動販売機の冷却・加熱作用が妨げられることがない。更に、自動販売機が設置された部屋のエアコンも自動販売機と同じ冷却・加熱ユニットに接続することにより、エアコンも含めて省エネを図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
【出願日】 平成11年5月25日(1999.5.25)
【代理人】 【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖 (外2名)
【公開番号】 特開2000−337731(P2000−337731A)
【公開日】 平成12年12月8日(2000.12.8)
【出願番号】 特願平11−144440