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【発明の名称】 空気調和装置
【発明者】 【氏名】小野 達生

【氏名】宮本 守也

【要約】 【課題】蓄熱槽を利用した冷房運転において、熱源機側熱交換器に長洲冷媒の圧損と消費電力の増加を抑制する。

【解決手段】熱源機側熱交換器をバイパスする回路を設け、熱源機側熱交換器と並列に冷媒を流すことで圧損を低減させる。また、複数の並列な熱源側熱交換器の冷媒の流れを個別に制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機、熱源機側熱交換器、第一の流量制御装置、利用側熱交換器及びアキュムレータを順次接続した冷媒回路と、蓄熱槽と、前記熱源機側熱交換器と第一の流量制御装置との間の冷媒回路に並列に接続され前記蓄熱槽において熱交換する冷媒回路と、第二の流量制御装置を有し前記熱源機側熱交換器をバイパスする冷媒回路と、前記第二の流量制御装置を制御して前記圧縮機から出た冷媒を前記バイパス管にバイパスさせる制御手段とを備えたことを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】 前記蓄熱槽の蓄熱量検知手段を備え、前記制御手段は前記蓄熱量検知手段からの信号により前記第二の流量制御装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】 前記熱源機側熱交換器は、並列に設置された複数の熱交換器より構成され、前記複数の熱交換器のうち、少なくとも一つにはその一次側、及び/又は、二次側に第三、第四の流量制御装置を備え、前記第二の流量制御装置によって前記バイパス管で冷媒をバイパスする場合には、前記第三、第四の流量制御装置により前記熱源機側熱交換器の一部にのみ選択的に冷媒を流すことができる制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項4】 前記制御手段は、冷媒循環量を算出し、これに基づいて前記第三、第四の流量制御装置を制御することを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。
【請求項5】 前記制御手段は、圧縮機の運転周波数を検知し、これに基づいて前記第三、第四の流量制御装置を制御することを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。
【請求項6】 前記制御手段は、前記熱源機側熱交換器で冷媒と熱交換する媒体の温度を検知し、これに基づいて前記第三、第四の流量制御装置を制御することを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。
【請求項7】 前記制御手段は、前記利用側熱交換器の運転容量を検知し、これに基づいて前記第三、第四の流量制御装置を制御することを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。
【請求項8】 前記熱源機側熱交換器は、並列に設置された複数の熱交換器より形成され、前記複数の熱源機側熱交換器のうち、少なくとも一つにはその二次側に第五の流量制御装置を備え、前記第五の流量制御装置を全閉にする制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項9】 前記熱源機側熱交換器は、並列に設置された複数の熱交換器より形成され、その複数の熱源機側熱交換器全てにおいて一次側ないしは二次側の少なくとも一方に流量制御装置を設けるとともに、前記第二の流量制御装置によって前記バイパス管で冷媒をバイパスする場合には、前記熱源機側熱交換器での熱交換量に応じて、前記流量制御装置の一部ないしは全部を閉止する制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱を利用した空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15に従来の空気調和装置における冷媒回路図を示す。1は圧縮機、16は四方弁、2は熱源機側熱交換器、3は流量弁、4は利用側熱交換器、5はアキュムレータ、6は蓄熱槽、7は蓄熱槽内の媒体と冷媒との間で熱交換を行う伝熱管、10は蓄熱槽流量弁、12は蓄熱槽6を迂回する回路に設けられた電磁弁である。
【0003】このような従来の空気調和装置では、通常熱源機側熱交換器2のみを凝縮器として空気もしくは水と冷媒を熱交換させると凝縮温度が上昇して圧縮機1の消費電力が大きくなるという問題があった。これを解消するために、蓄熱槽6内に氷や低温の水もしくは両者の混合したものを入れておき、それら低温の媒体を使った凝縮器により凝縮温度を低下させて消費電力を低減させるようにしていた。
【0004】蓄熱槽6を凝縮器として利用する場合には、熱源機側熱交換器2の凝縮作用は極力低下させ、熱源機側熱交換器2と蓄熱槽6での全凝縮量に占める蓄熱槽6での凝縮量比率を大きくする。これは蓄熱槽6内の氷、低温水等の媒体で凝縮させた方が凝縮圧力が低下するということと、蓄熱槽6内の媒体冷却を夜間の消費電力によって実施し、その分昼間の消費電力を低減させるという負荷平準化効果を期待するためである。
【0005】しかし、このような空気調和装置だと冷媒はすべて熱源機側熱交換器2を通ることになり、そこで摩擦による圧力損失が生じる。一般に熱源機側熱交換器2は熱交換量を多くするために熱交換器内の伝熱配管長を長くして伝熱面積を大きくしたり、配管内部にも突起状の形状を施して乱流を促進させたり、配管径を細くして冷媒の流速を挙げるなどして熱伝達率を増加させるなどの手段を講じていることから、圧力損失も大きくなっている。このため、同じ凝縮温度であってもその圧損分だけ圧縮機1の吐出圧力が高くなり、圧縮機1の消費電力が増加する。
【0006】また、冷媒流量が少なかったり、熱源機側熱交換器2で冷媒と熱交換する媒体の温度が低い場合には熱源機側熱交換器2での熱交換を極力控えるとしても自然の放熱作用で行われる熱交換量の影響が大きくなる。そして蓄熱槽6に入るときには冷媒が殆ど液状態となり熱交換は顕熱主体となって伝熱管7での十分な熱交換が期待できなくなり蓄熱による負荷平準化が十分でなくなる可能性も出てくる。
【0007】このほか、蓄熱槽6の入り口の冷媒の乾き度が変化したり、停止中の自然な冷媒の移動によっては圧縮機運転中にアキュムレータ5に溜まる冷媒量も変化する。例えば冷媒流量が少なく、熱源機側熱交換器2での熱交換によって蓄熱槽6入り口の冷媒の乾き度が小さくなるような場合は蓄熱槽6内の伝熱管7は液で満たされるが、冷媒流量が大きくなり熱源機側熱交換器2では凝縮による液化が少なく、蓄熱槽6入り口の冷媒の状態が二相になると伝熱管7内に存在する全冷媒質量は相対的に低下し、その差分の冷媒は余剰冷媒としてアキュムレータ5に蓄積される。
【0008】また、蓄熱槽6内の水温が上昇して蓄熱槽6での凝縮機能が低下した場合には、流量弁10を閉じて電磁弁12をon(オン)とし、冷媒が蓄熱槽6を迂回するようにする。このとき蓄熱槽6内の冷媒が徐々に蓄熱槽6から離れてアキュムレータ5に移動する可能性があり、アキュムレータ5での余剰冷媒量が増加する。こうした余剰冷媒量を考慮して最も余剰冷媒量が大きくなるところでアキュムレータ5の容積を決定することから、アキュムレータ5の容積が大きくなり経済的な負担が大きかった。特に蓄熱槽6の容積が大きくなるとアキュムレータ5の容積も大きくする必要がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にかかる空気調和装置は、圧縮機、熱源機側熱交換器、第一の流量制御装置、利用側熱交換器及びアキュムレータを順次接続した冷媒回路と、蓄熱槽と、前記熱源機側熱交換器と第一の流量制御装置との間の冷媒回路に並列に接続され前記蓄熱槽において熱交換する冷媒回路と、第二の流量制御装置を有し前記熱源機側熱交換器をバイパスする冷媒回路と、前記第二の流量制御装置を制御して前記圧縮機から出た冷媒を前記バイパス管にバイパスさせる制御手とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】この発明の請求項2にかかる空気調和装置は、請求項1に記載のものにおいて、前記蓄熱槽の蓄熱量検知手段を備え、前記制御手段は前記蓄熱量検知手段からの信号により前記第二の流量制御装置を制御することを特徴とするものである。
【0011】この発明の請求項3にかかる空気調和装置は、請求項1に記載のものにおいて、前記熱源機側熱交換器は、並列に設置された複数の熱交換器より構成され、前記複数の熱交換器のうち、少なくとも一つにはその一次側、及び/又は、二次側に第三、第四の流量制御装置を備え、前記第二の流量制御装置によって前記バイパス管で冷媒をバイパスする場合には、前記第三、第四の流量制御装置により前記熱源機側熱交換器の一部にのみ選択的に冷媒を流すことができる制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0012】この発明の請求項4にかかる空気調和装置は、請求項3に記載のものにおいて、前記制御手段は、冷媒循環量を算出し、これに基づいて前記第三、第四の流量制御装置を制御することを特徴とするものである。
【0013】この発明の請求項5にかかる空気調和装置は、請求項3に記載のものにおいて、前記制御手段は、圧縮機の運転周波数を検知し、これに基づいて前記第三、第四の流量制御装置を制御することを特徴とするものである。
【0014】この発明の請求項6にかかる空気調和装置は、請求項3に記載のものにおいて、前記制御手段は、前記熱源機側熱交換器で冷媒と熱交換する媒体の温度を検知し、これに基づいて前記第三、第四の流量制御装置を制御することを特徴とするものである。
【0015】この発明の請求項7にかかる空気調和装置は、請求項3に記載のものにおいて、前記制御手段は、前記利用側熱交換器の運転容量を検知し、これに基づいて前記第三、第四の流量制御装置を制御することを特徴とするものである。
【0016】この発明の請求項8にかかる空気調和装置は、請求項1に記載のものにおいて、前記熱源機側熱交換器は、並列に設置された複数の熱交換器より形成され、前記複数の熱源機側熱交換器のうち、少なくとも一つにはその二次側に第五の流量制御装置を備え、前記第五の流量制御装置を全閉にする制御手段を有することを特徴とするものである。
【0017】この発明の請求項9にかかる空気調和装置は、請求項1に記載のものにおいて、前記熱源機側熱交換器は、並列に設置された複数の熱交換器より形成され、その複数の熱源機側熱交換器全てにおいて一次側ないしは二次側の少なくとも一方に流量制御装置を設けるとともに、前記第二の流量制御装置によって前記バイパス管で冷媒をバイパスする場合には、前記熱源機側熱交換器での熱交換量に応じて、前記流量制御装置の一部ないしは全部を閉止する制御手段を有することを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図中、同一また相当部分には同一の符号を付してその説明を簡略化または省略する場合がある。
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による冷媒回路図を示す。図において、1は圧縮機、16は四方弁、2は熱源機側熱交換器、3は流量弁(第一の流量制御装置)、4は利用側熱交換器、5はアキュムレータ、6は蓄熱槽、7は蓄熱槽内の媒体と冷媒との間で熱交換を行う伝熱管、8は熱源機側熱交換器2と流量弁3を結ぶ延長配管、9は延長配管8の途中から分岐し、蓄熱槽6の伝熱管7と接続される分岐管、10は分岐管9の途中に設けられた蓄熱槽流量弁、11は伝熱管7と延長配管8を結ぶ合流管、12は延長配管8上で分岐管9との分岐部と合流管11との合流部の間に設けられた電磁弁、13は合流管11の途中に設けられた電磁弁、14は伝熱管7の二次側(出口側)と、利用側熱交換器4とアキュムレータ5を結ぶ配管の途中とを結ぶ連結管、15は連結管14の途中に設けられた電磁弁である。そして、17は熱源機側熱交換器2をパイパスするバイパス管、18はバイパス管18途中にある電磁弁(第二の流量制御装置)である。この実施の形態の冷媒回路では、新たに電磁弁18で流通制御されるバイパス管17を熱源機側熱交換器2をパイパスするように設けている。
【0019】図2は本実施の形態における空気調和装置の制御手段を示すブロック図である。運転制御部19には、圧縮機1の吐出圧力センサー20、吸入圧力センサー21、吸入温度センサー22から、また、蓄熱槽6の蓄熱槽水温センサー23、蓄熱槽水位センサー24から信号が入力される。また、操作者によりリモコン25から制御信号が入力される。(これらは、図1の冷媒回路では図示省略している。)
これらの各情報を入手した運転制御部19は、圧縮機1、四方弁16、流量弁3、10、電磁弁12,13,15,18への動作指令を出す。通常、運転制御部はマイクロコンピュータを搭載した基板と、周辺の電源回路から構成されている。
【0020】次に図3は、本実施の形態の制御フローチャートを示したものである。まず、蓄熱槽6内にある熱媒体、ここでは氷と水が混在した状態、を利用する場合の冷房運転(以後蓄冷利用冷房と呼ぶ)について説明する。なお、四方弁16はoff(オフ)指令により冷房サイクルとなり、圧縮機1と熱源機側熱交換器2が導通し、利用側熱交換器4とアキュムレータ5が導通する。また、on(オン)指令の場合は暖房サイクルとなり、圧縮機1と利用側熱交換器4が導通し、熱源機側熱交換器2とアキュムレータ5が導通する。また電磁弁はすべてon指令により流路を開き、off指令にて流路を閉じる動作を行う。
【0021】冷媒の動きから説明すると、圧縮機1を出た高温高圧のガス冷媒は熱源機側熱交換器2で放熱することで凝縮する。ここでは特に限定していないが、熱源機側熱交換器2で冷媒と熱交換するのは空気である場合や水である場合がある。しかし、ここでは凝縮量を極力抑制すべく、例えば熱源機側熱交換器2に送る空気や水の量を抑制して凝縮量を抑えるなどの操作を行う。こうした空気などの媒体とわずかに熱交換した冷媒は高圧の二相冷媒となって延長配管8を流れる。蓄冷利用冷房の場合、電磁弁12は閉状態としており、冷媒はすべて分岐管9の方へと流れる。流量弁10は所定の開度で開いており、冷媒が流れることができる。冷媒はそのまま蓄熱槽6内の伝熱管7を通ることで、周囲に存在する氷ないしは低温の水に放熱することで完全な液の状態となり、蓄熱槽6を出る部分では過冷却の大きい液状態となっている。
【0022】蓄熱槽6内での熱交換について簡単に説明する。蓄熱槽6内の熱交換は、冷媒が伝熱管7を流れることで行われるが、一般に冷媒の温度trと蓄熱槽6内にある氷、ないしは水の温度twとの差が大きいほど熱交換量は大きくなる。冷媒の温度trは、流量弁10入り口での冷媒の状態(圧力、温度)と流量弁10での圧力低下度合いによって決定される。流量弁10では、その入口は高圧の二相冷媒であるが、流量弁10での圧力降下によってその出口は減圧された二相冷媒になり、温度も低下する。つまり、流量弁10での減圧の度合いによって流量弁10出口の温度が変化する。このため、流量弁10の開度を大きくすれば出口温度が上がり、伝熱管7での熱交換量が増加し、反対に開度を小さくすれば、出口温度が低下して伝熱管7での熱交換量は低下する。
【0023】伝熱管7での熱交換量が増加すれば、蓄熱槽6出口の冷媒のエンタルピーは低下し、熱交換量が低下すれば蓄熱槽6出口の冷媒のエンタルピーは上昇する。次に、電磁弁15は閉、電磁弁13は開とすることで蓄熱槽6を出た過冷却状態の液冷媒は合流管11を通って更に再度延長配管8を経て流量弁3に至る。
【0024】流量弁3で減圧された冷媒は低温、低圧の二相冷媒となって利用側熱交換器4に入る。ここで空気と熱交換することにより空気から熱を奪い、冷媒自らは低圧のガス冷媒もしくは若干液の混じった二相冷媒となって利用側熱交換器4を出る。これによって利用側熱交換器4で冷房が可能となる。利用側熱交換器4をでた冷媒はアキュムレータ5に流れ、ここで気液分離され、ガス部分のみが圧縮機1に戻る。このようにして蓄熱槽6内の氷、ないしは水との熱交換をする蓄冷利用冷房が行われる。
【0025】次は蓄熱槽6を利用しない冷房(以降一般冷房と呼ぶ)の動作について説明する。一般冷房の場合は熱源機側熱交換器2で凝縮された冷媒は液ないしは乾き度の小さい二相冷媒となり延長配管8を通って流量弁3に流れる。このとき蓄熱槽流量弁10、電磁弁13、15はすべて閉状態であり、電磁弁12のみ開状態となっている。流量弁3で減圧され低温、低圧となった冷媒は利用側熱交換器4で空気と熱交換することによって空気の温度を下げ、自らはガスないしは液の混ざった状態となってアキュムレータ5、圧縮機1へと流れる。
【0026】蓄冷利用冷房と一般冷房の差異は次の通りである。蓄冷利用冷房時、熱源機側熱交換器2を出た時点での冷媒のエンタルピーに比べ、蓄熱槽6出口のエンタルピはさらに低下している。利用側熱交換器4での蒸発能力Qは、冷媒の循環量をG、利用側熱交換器4出入り口のエンタルピーをそれぞれIout、Iinとすると次式で表される。
Q=G×(Iout−Iin)
つまり、利用側熱交換器4入り口エンタルピー(蓄熱槽6出口エンタルピー)Iinの値が小さいほど、同じ冷媒循環量の元では能力が多くでることになる。このことは、逆に言うと、同じ能力Qを得るには、Iinが小さく、Iout−Iinが大きくなるので、その増分だけ冷媒循環量Gを小さくできるということである。冷媒循環量Gは圧縮機1の大きさに依存するので、蓄冷利用冷房では同じ冷房能力Qを得るにに圧縮機1の容量が低下できることで消費電力が低減できる。より低温の水や氷と熱交換することで凝縮温度が低下し、消費電力の低減効果が産まれる。
【0027】次に図3を用いて制御フローの説明を行う。まずステップs1においてリモコンのON入力があると、運転制御部19はそれが冷房か暖房であるかをs2で判断する。通常、冷房、暖房の区別はリモコンで設定可能としているため、リモコンを操作する人の意志において冷房、暖房モードが区別される。冷房モードの指令であればs3に進み、蓄熱槽6内の水温センサー23(図1には図示せず)からの温度情報を得る。運転制御部19は、温度情報から、もし水温twが10℃より高い場合には、既に蓄熱槽6内には氷や低温の水が殆どないに等しく、氷、低温水を使った冷房運転は不可能と判断し、s6で一般冷房運転を行うよう決定する。
【0028】一般冷房運転では四方弁16がoffであり、利用側熱交換器4への流量調節する流量弁3は所定開度、そして電磁弁13,15,18はoff、電磁弁12はonとして圧縮機1を起動させる(s7〜s12)。電磁弁13、15、18はoffであり、流量弁10は全閉であるため蓄熱槽6へは冷媒が流れず、氷あるいは低温の水と冷媒との熱交換は行われない。
【0029】次にステップs5で水温twが10℃以下の場合にはs13に進み、さらにここで水温が5℃より高いかどうか判断する。このときtw>5℃なら氷が残っているもののそれほど多くは残っていないと判断し、氷との熱交換量を抑制する蓄冷利用冷房運転1(s14)に進む。蓄冷利用冷房運転1は、四方弁16はoff、流量弁3は所定開度としてここまでは一般冷房と同様の動きをする(s15〜s16)。しかし、電磁弁13をonとし、電磁弁12、18、15はoff、流量弁10を所定開度としてから圧縮機1を起動させる(s17〜s20)。
【0030】このとき、一般冷房との違いは次の通りである。熱源機側熱交換器2から出た冷媒は、電磁弁12がoffで流量弁10が開いているため、すべて蓄熱槽6に流れる。流量弁10で若干の減圧作用があることから、温度も若干低下するが、蓄熱槽6内の氷ないし水よりは温度が高くなるように流量弁10の開度に設定するため熱交換が行われ、冷媒は過冷却度が大きくなり、氷ないし水のほうは氷が融解するか水温が上昇することになる。蓄熱槽6を出た液冷媒は流量弁3で減圧され利用側熱交換器2に入る。これ以降の挙動は一般冷房と同じである。
【0031】蓄冷利用冷房運転1があまり氷を使わない(氷との間で熱交換しない)としている理由は、流量弁10の開度により冷媒の温度を低下させて氷との温度差を小さくできるためである。本実施の形態では、蓄熱槽流量弁10は単一の弁であるが、複数の弁を並列に設置してその開閉台数で絞り作用を調整する方法を用いても良い。
【0032】次にs13で水温が5℃以下の場合には、十分残氷があるものと判断し、s21の蓄冷利用冷房運転2の動作をとる。ここでは四方弁16はoff、流量弁3は所定開度とするところは一般冷房、蓄冷利用冷房運転1と同じであるが(s22〜s23)、s24で電磁弁13,18をonとし、s25で電磁弁12、15はoffとする。そして流量弁10は全開として圧縮機1を起動させる(s26〜27)。
【0033】こうした運転をすることにより冷媒は次のような挙動を示す。まず圧縮機1から出た高温高圧のガス冷媒は、その一部は熱源機側熱交換器2へと流れ、残りはバイパス回路17へと流れる。バイパス回路17を冷媒が流れることにより延長配管8を流れる冷媒は一般冷房や蓄冷利用冷房運転1に比べて乾き度の大きい二相冷媒となっているとともに、熱源機側熱交換器2前後の圧力損失はバイパス回路17に流れた分小さくなっている。そしてこの二相冷媒は流量弁10にすべて流れるが、流量弁10は全開としているのでここでの圧力低下は小さく、つまり冷媒の温度も高いまま蓄熱槽6の伝熱管7へと流れる。そして大きな温度差に加え、蓄熱槽6入口での冷媒の状態が二相流ということから冷媒配管内の流れは乱れており、乱流効果による熱伝達率が大きくなっていることもあいまって、熱交換量が増加する。このようにして大きな熱交換をおこなった結果、入口がエンタルピの大きい二相流であったにも関わらず蓄熱槽6出口では過冷却度の大きい液冷媒となり、蓄熱槽6内の氷は多く融解が進み、水であれば水温が多く上昇する結果となる(つまり氷の使用量が多い)。
【0034】一方で、熱源機側熱交換器2前後の配管圧損が小さくなり、さらには蓄熱槽6での熱交換量が増えることにより圧縮機1の吐出圧力が低下することで圧縮機1の仕事量が低下して消費電力が低下し、高効率な運転が実現される。
【0035】図4は、制御フローの他の例を示す。図3の説明では一般冷房、蓄冷利用冷房運転1、蓄冷利用冷房運転2の区別は水温twによって行ったが、図4のs5’,s13’に示すように、蓄熱槽6内の水位変化Δhによって判断する方法もある。これは蓄熱槽6内に水位検知センサー(図示しないが、例えば蓄熱槽底での水圧を検知する圧力センサーなど)を設置し、そこから得られる水位情報をもとに氷の残量を算出する方法である。これは水が氷になるときに体積が一定量膨張するため、その分水位が上昇することを検知するものである。図4ではその判断基準として、氷が全くない場合の水位を基準にして、その水位差Δhが10mm未満であれば一般冷房とし、水位があってもΔhが50mm未満であれば蓄冷利用冷房運転1を実施するというものである。なおここで示した水位差の代わりに絶対水位(蓄熱槽6内のある基準高さからの距離)で判断する方法もある。
【0036】さらに氷の残量を判定方法として、これまでの蓄冷利用冷房運転でどれだけの熱交換を実施したかという量(GG)を保持しておいて、蓄冷利用冷房運転1、蓄冷利用冷房運転2、一般冷房運転の何れを実施するかを判断する方法もある。氷の消費量(もしくは水温の上昇量)はすなわち冷媒側での放熱量であるので、冷媒側の放熱量から氷の消費量も判断できる。冷媒側の放熱量Qは、放熱量Q=冷媒循環量×蓄熱槽6前後のエンタルピー差で算出できる。冷媒循環量は、圧縮機1の吐出圧力、吸入圧力、ならびに吸入冷媒の状態等から経験的な実験式を用いて算出する。蓄熱槽6前後のエンタルピー差は蓄熱槽6出入り口の冷媒温度から算出する。蓄熱槽6入口では二相流となっており、温度だけではエンタルピーが一意に決定できない場合は、例えば冷媒流量と圧力損失(流量弁10や、その前後の配管部分)から乾き度を推定し、温度と乾き度からエンタルピーを算出する方法もある。
【0037】この制御フローチャートが図5であり、この中でs5''、s13''で氷の消費量を判定しており、規定の氷保持最大量に対して氷使用量GGが80%を超えている場合は、s5”で殆ど水に変わっていると判断してs6の一般冷房へと移行する。s13”ではGGが50%を超えていれば氷の使用を抑えるようs14'に進んで蓄冷利用冷房運転1を選択する。それ以外であれば氷を多く消費する蓄冷利用冷房運転2を実施する。以上において、蓄熱槽の蓄熱剤の温度センサー、水温検出器、あるいは、熱交換量GGなどの情報により、冷媒回路の運転を制御することについて説明したが、これらは、要するに蓄熱槽6の蓄熱量を検知する検知手段として把握してもよい。
【0038】本実施の形態のように、熱源機側熱交換器2にバイパス間7によるバイパス回路を設け、バイパス回路と熱源機側熱交換器2の双方に冷媒を流すことによって熱源機側熱交換器2前後の圧損が低減され、また熱源機側熱交換器2にも冷媒を流すのでバイパス回路17の配管径を過度に過大なものとすることなく圧縮機1の吐出圧力を低下させるので、蓄熱を利用した省エネルギー、省コストを兼ね備えた空気調和装置を提供することができる。
【0039】実施の形態2.図6は本発明による実施の形態2の冷媒回路図を示す。図6は図1と多くの点で同一であるが、熱源機側熱交換器が2a、2bと複数(図では二つ)並列につながっており、熱源機側熱交換器2aについては電磁弁26(第三の流量制御装置)、電磁弁27(第四の流量制御装置)により閉止可能となっている。
【0040】図7は本実施の形態の制御手段のブロック図であるが、これも図2の制御ブロック図に対して熱源機側熱交換器2a閉止用の電磁弁26,27の出力部が付加されている。本実施の形態の制御動作と冷媒動作を図8の制御フローチャートを用いて説明する。図8の制御フローチャートでは実施の形態1における図3に比べ、ステップs10、s18、s24の動作が異なりそれぞれにおいて電磁弁26,27の動作が加わっている。
【0041】ステップ10は一般冷房運転での動作であり、電磁弁26、27をonすることにより熱源機側熱交換器2a、2bを両方使用することによって氷を使用しない冷房運転にて十分な凝縮能力を確保できる熱交換器容量としている。熱源機側熱交換器2a、2bの熱交換容量の合計は、蓄熱槽6での凝縮能力がゼロ(たとえば内部の水温が高くて熱交換できない場合など)であったとしても利用側熱交換器4で所定の冷房能力が確保できるような容量に設定されている。
【0042】ステップs13では氷は存在するものの冷媒循環量Gが所定値aより小さい場合は蓄冷利用冷房運転3であるが、冷媒循環量Gが小さい場合には、熱源機側熱交換器2a、2bの両方に冷媒が流れた場合、凝縮作用によって熱源機側熱交換器2a、2b出口で冷媒が液状態になる可能性がある。熱源機側熱交換器2a、2bでは例えば空気や水などの媒体と熱交換させるため、この媒体の流量を低下ないしはゼロにすると熱源機側熱交換器2a、2bでの熱交換量は低減する。しかし、媒体の流量をゼロにしても自然放熱による凝縮作用が発生するため、冷媒循環量が少ない場合にはこの自然放熱だけで十分な凝縮効果が出て、冷媒が液化する。すると蓄熱槽6内には液単相の冷媒が流れるため、伝熱管7内の流れが比較的安定し伝熱促進が行われず、蓄熱槽6を利用した凝縮作用が発生しにくくなる。
【0043】自然放熱量抑制であれば熱源機側熱交換器の大きさを低減させればよく、このため電磁弁18をonするとともに電磁弁27、28をoffすることによって熱源機側熱交換器2aの回路を遮断することで熱源機側熱交換器2bにのみ冷媒が流れるようにして事実上熱源機側熱交換器の容量を低下させる。これにより蓄熱槽6に入るまでの凝縮能力を抑制し、蓄熱槽6入り口での冷媒が液状態に近づかないようにして二相流にする。よって伝熱管7内の乱流効果で伝熱が促進され、蓄熱槽6内での凝縮量を増加させることができる。さらに圧縮機1から出た冷媒はバイパス管17にも流すので、圧縮機1から蓄熱槽6に至るまでの圧力損失も低減され圧縮機1の吐出圧力が低下し消費電力も低下する。なお、冷媒循環量は、先にも述べたように圧縮機1の吐出圧力、吸入圧力、ならびに吸入冷媒の状態等から経験的な実験式を用いて図7の制御手段によって算出する。
【0044】ステップs13で冷媒循環量Gが所定値aより大きい場合には熱源機側熱交換器2aでの凝縮作用があったとしても蓄熱槽6の入り口は乾き度の大きい二相冷媒と判断し蓄冷利用冷房運転4とする。ステップs22では四方弁16をoffとして冷房のサイクルとし、s22で流量弁3を所定開度にするところまでは蓄冷利用冷房運転3と同じである。s24では電磁弁13、18をonすることでバイパス管17に冷媒を流し、蓄熱槽6にも冷媒が流れるようにする。そして電磁弁27、28もonさせるので熱源機側熱交換器2aにも冷媒を流す。このように冷媒循環量と熱源機側熱交換器熱交換量から熱源機側熱交換器の一部に冷媒を流すかどうかを判断することによって蓄熱槽6を常に凝縮器として利用でき、負荷平準化と蓄冷利用による消費電力低減が可能となる。以上説明したように、この実施の形態では、熱源機側熱交換器を複数の並列な熱交換器で構成し、熱源機側熱交換器の一部に選択的に冷媒を流すものである。これにより、熱源機側熱交換器での凝縮量が低減される。
【0045】実施の形態3.図9は本発明の実施の形態3による制御フローチャートである。この実施の形態は、実施の形態2の図6及び図7のものにおいて、他の制御方法を提案するものである。熱源機側熱交換器2aへの冷媒の導通、つまり電磁弁26、27のon/offは、図9のようなフローチャートによる制御で蓄熱槽6の凝縮量確保の効果を奏する。図9は図8のステップs5で一般冷房運転でない場合が選択された時点から示している。
【0046】図9のように、s22で冷房運転のための四方弁16をoffにした後、利用側熱交換器4に冷媒を流すためにs23で流量弁3を所定開度とし、s24、s25では電磁弁13、18をon、電磁弁12、15をoffとして吐出冷媒がバイパス管17を経て蓄熱槽6に流れるようにし、s26では流量弁10を全開として流量弁10前後での圧力損失を低減させて蓄熱槽6内での冷媒と氷ないしは冷水との温度差を大きくするようにして熱交換を促進させようとする。
【0047】ここでs29において圧縮機1の運転周波数によって電磁弁26、27のon/offを選択する。この場合、図7に示した制御手段には、圧縮機1の運転周波数を検知する検知手段を備え、運転制御部19に信号を入力するものとする。
【0048】運転周波数Fが所定周波数aより小さいときには、圧縮機1による冷媒循環量が小さいことから熱源機側熱交換器2a、2bのうち一方には冷媒を流さないことにより回路全体の凝縮能力はそのままで蓄熱槽6での熱交換量が多くなるようにする。これにより冷媒循環量が小さい場合に、熱源機側熱交換器の容量をあまり大きくすると凝縮能力が過多となって出口の冷媒圧力つまりは冷媒の飽和温度が下がる一方、蓄熱槽6内部での氷、もしくは冷水との温度差が小さくなることで蓄熱槽6での熱交換量が低下してしまい、十分に氷や冷水を利用した冷房ができなくなるという問題を解消できる。
【0049】一方、圧縮機1の周波数Fが所定周波数aより大きい場合には、熱源機側熱交換器での一部凝縮作用に加え、バイパス回路17による圧損低減による圧縮機入力低下、そして蓄熱槽6での凝縮能力確保によって能力、入力の最適ポイントで冷房運転して経済的な空気調和装置が提供できる。
【0050】図10は、この実施の形態の他の制御フローを示す。図9ではステップs29で圧縮機周波数による電磁弁26,27のon/offという形を取っているが、図10のようにs29の代わりにs29’として熱源機側熱交換器2a、2bで冷媒と熱交換する媒体の温度(空冷式の場合には空気温度、水冷式の場合には水温)に応じて選択的に電磁弁27、28のon/offを選択する方法もある。この場合、図7の制御手段には、熱源機側熱交換器2a、2bで冷媒と熱交換する媒体の温度を検知する検知手段を備え、運転制御部19に信号を入力するものとする。
【0051】この方法によれば、媒体の温度が所定値bに対して高いか低いかに応じて熱源機側熱交換器2a、2bでの凝縮能力が左右されることから、過剰な凝縮能力とならないように調整された適切な運転が可能となり、蓄熱槽6での凝縮能力が確保され、負荷平準化と消費電力低減効果が得られる。
【0052】実施の形態4.図11は本発明による実施の形態4の制御フローチャートを示したもので図8におけるステップs6以降を示したものである。冷媒回路構成、制御ブロックについては発明の実施の形態2の図6、図7と同一であるため説明を省略する。図11において、まず一般冷房運転であることが決定されると、s7で四方弁16をoffとして冷房運転とし、s8では流量弁3を所定開度とし、s9では電磁弁13、15、18をoffとして、圧縮機1から出た冷媒が熱源機熱交換器2aもしくは2bの少なくとも何れか一方を通り蓄熱槽6を経由せずぞのまま利用側熱交換器4へと流れるようにする。
【0053】ここでs32では利用側熱交換器4の運転容量ΣQによる判定を行う。図6の冷媒回路図では利用側熱交換器4は単一の表現としているが、例えば一つの熱源機に対して複数の利用側熱交換器が並列に接続されるようなマルチタイプの空調機の場合、運転制御部19は各利用側熱交換器の運転合計容量ΣQを算出し、ΣQが所定値cより大きい場合には電磁弁12,26,27をonにして一般冷房運転を行う。一方、ΣQが所定値cより小さい場合には熱源機側熱交換器は2bのみで必要凝縮能力が確保できると判断し、熱源機側熱交換器2aの二次側(出口側)にある電磁弁27(この実施例において第五の流量制御装置)をoffにして熱源機側熱交換器2aには冷媒が流れないようにする。
【0054】このとき熱源機側熱交換器2aの一次側(入口側)にある電磁弁26をonにすることにより、徐々に熱源機側熱交換器2a内で自然放熱による凝縮が発生し、冷媒が液の状態で滞留していく。このように蓄熱槽6を冷媒が経由しない運転において、熱源機側熱交換器の一部に液を滞留させることによって、蓄冷利用冷房運転1ないし2の状態では蓄熱槽6内の伝熱管7内に液の状態で存在する冷媒が、停止中などに電磁弁13、15などのわずかな漏れから蓄熱槽6の外部に移動してしまったあとの運転においてもその移動した冷媒を熱源機側熱交換器2a側に貯留させることが可能となる。これにより、余剰冷媒貯留のためのアキュムレータ5の容量を低減でき低コストの空気調和装置を提供できる。
【0055】以上説明したように、この実施の形態では、過剰な凝縮能力とならないように調整された適切な運転が可能となり、蓄熱槽での凝縮能力が確保され、負荷平準化と消費電力低減効果が得られる。また、この実施の形態では、熱源機側熱交換器を複数の並列な熱交換器で構成し、一部の熱源機側熱交換器においてはその二次側を閉止するものである。これにより、余剰冷媒は自然放熱によって熱源機側熱交換器に封入される。
【0056】実施の形態5.図12に本発明の実施の形態5における冷媒回路図を示す。図12の回路図は図6で示した発明の実施の形態2の回路図で熱源機側熱交換器2a、2b部分が異なるものであり、熱源機側熱交換器の一次側と二次側にそれぞれ電磁弁26a、27a,26b、27bを有するものである。図13は本実施の形態の制御ブロック図であり、図の通り、電磁弁26a、27a,26b、27bがそれぞれ独立して運転制御部19によってon/off可能となっている。
【0057】ここで動作を図14の制御フローチャートを用いて説明する。図14は発明の実施の形態1の図3で示した蓄冷利用冷房運転2における動作に準じて示している。ステップ32において蓄冷利用冷房運転2が決定されると、四方弁16をoffとして冷房サイクル方向に冷媒が流れるようにし、s34で流量弁3を所定開度にして利用側熱交換器4に冷媒が流れるようにする。そしてs35では電磁弁13、18をonとし、s36では電磁弁12、15をoff、s37で流量弁10を全開とすることで、圧縮機1から出た冷媒が延長配管8に流れた場合には蓄熱槽6を経由して利用側熱交換器4に流れる回路となっている。
【0058】図3で説明した通り、蓄冷利用冷房運転2は、蓄熱槽6内に十分な氷もしくは冷水がある場合を想定している。一方、例えば試運転等で蓄熱槽6に強制的に冷媒を導通させる場合や、水温twもしくは水位変化Δh、残氷率GGなどが蓄冷利用冷房運転1と2の境界近傍にある場合などで突発的に高圧の上昇が発生した場合などは一次的な回避策をとる。バイパス回路17以外に、ステップs38で高圧>1.6MPaとなった場合には凝縮能力を大きくして高圧を低下させ、圧縮機1の消費電力も低下させる必要があることから、即効性のある方法として熱源機側熱交換器2a、2bをすべて使用する。
【0059】また、高圧が低下し、例えば1.4〜1.6MPaまで低下した場合には熱源機側熱交換器2a、2bのうち、片方、つまり2aのみ冷媒を導通させることで高圧を調整させる。これにはステップs42で電磁弁26a、27aをonさせるとともに、s43では電磁弁26b、27bはoffとすることで実現される。
【0060】高圧が1.4MPaより低下した場合には、蓄熱槽6だけの熱交換で高圧の上昇を抑え、消費電力の低減が図れるものとしてs44、s45で電磁弁26a、27aをoff、26b、27bをoffとしてあとはバイパス回路17で圧損を低下させ、蓄熱槽6の伝熱管7における凝縮作用だけで凝縮能力を確保する。なお、ここでは熱源機側熱交換器の熱交換量は吐出圧力センサーによる高圧で判断しているが、例えば冷媒循環量と熱源機側熱交換器2a,2bで冷媒と熱交換させる媒体の温度から熱交換量を算出する方法もある。このように複数の並列に繋がれた熱源機側熱交換器をすべて電磁弁などの流量制御器で冷媒の導通選択可能とすることで空気調和装置の運転の木目細かい制御が可能となり、性能の安定化が図れる。
【0061】以上説明したように、この実施の形態では、複数の熱源機側熱交換器において、そのすべてにおいて流量制御装置を設け、熱源機側熱交換器を通さず、熱源機側熱交換器での熱交換量に応じて、流量制御装置の開閉動作により圧縮機から蓄熱槽までの圧力損失と熱交換量の調節が可能となる。
【0062】
【発明の効果】本発明の請求項1、2の空気調和装置によれば、圧縮機から出た冷媒の一部を熱源機側熱交換器をバイパスさせること、ならびに熱源機側熱交換器とバイパス回路の双方に冷媒を流すことにより、バイパス回路の配管径を過大なものとすることなく熱源機側熱交換器前後での圧損が低減され、圧縮機出口の圧力が低下し、消費電力が低減され、省エネルギー性、省コストが図れる。
【0063】また、請求項3〜7の空気調和装置によれば、さらに並列に設置された複数の熱源機側熱交換器に選択的に冷媒を流すことにより、バイパス管だけでなく熱源機側熱交換器の一部に部分的に冷媒を流すことにより、冷媒流量が比較的小さい場合にも熱源機側熱交換器での凝縮量を抑制でき、蓄熱槽での凝縮が促進できることから凝縮温度が低下し圧縮機入口の圧力が低下し、消費電力が低減され、安いイニシヤルコストで省エネルギー性が改善される。
【0064】また、請求項8の空気調和装置によれば、余剰冷媒を熱源機側熱交換器に封入されるのでアキュムレータの容積を大きくする必要がなく経済的である。
【0065】また、請求項9の空気調和装置によれば、複数の熱源機側熱交換器において、そのすべてにおいて一次側もしくは二次側の少なくとも一方に流量制御装置を設けたことにより、バイパス流量の調節が可能となり、圧損調整を木目細かく実施でき、空気調和装置の最適な省エネルギ運転が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成11年5月27日(1999.5.27)
【代理人】 【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守 (外1名)
【公開番号】 特開2000−337727(P2000−337727A)
【公開日】 平成12年12月8日(2000.12.8)
【出願番号】 特願平11−148875