| 【発明の名称】 |
スターリングサイクル冷凍機の駆動機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 賢太郎
【氏名】鈴木 壮志
【氏名】浦澤 秀人
|
| 【要約】 |
【課題】スターリングサイクル冷凍機の積層コアを容易に構成する。
【解決手段】ピストン15と、このピストン15を軸方向に往復駆動する駆動装置16と、前記ピストン15の往復運動に従動して軸方向に往復運動するディスプレイサーを設ける。駆動装置16は永久磁石群18と、外側積層コア19と、電磁コイル20で構成される。永久磁石群18を、平板状の永久磁石22を正多角形環状に配列する。外側積層コア19を構成する複数のラミネーション25をそれぞれ同一形状に形成する。積層側面19aが各ラミネーション25の面25b方向と直交して一直線状の平面なるようにラミネーション25を積層して積層コア19を構成する。各ラミネーション25に形成した凸部26a及び凹部26bにより、ラミネーション25を位置決め及び固定するようにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ピストンと、このピストンを軸方向に往復駆動する駆動装置と、前記ピストンの往復運動に従動して軸方向に往復運動するディスプレイサーよりなり、前記駆動装置は環状に配列された永久磁石群と、この永久磁石群に近接して設けられる積層コアと、この積層コアに巻き付けられた電磁コイルとで構成されるスターリングサイクル冷凍機の駆動機構において、前記永久磁石群を、平板状の永久磁石を正多角形環状に配列して構成し、前記積層コアを構成する複数のラミネーションをそれぞれ同一形状に形成し、積層側面が前記各ラミネーションの面方向と直交して一直線状の平面になるようにラミネーションを積層して前記積層コアを構成すると共に、前記積層コアの積層側面を前記平板状の永久磁石と略平行となるように配置したことを特徴とするスターリングサイクル冷凍機の駆動機構。 【請求項2】 前記各ラミネーションの一側面に凸部を形成すると共に、他側面に前記凸部と同軸状に凹部を形成し、これらの凸部及び凹部を相互に嵌合して各ラミネーションを位置決め及び固定するよう構成したことを特徴とする請求項1記載のスターリングサイクル冷凍機の駆動機構。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、スターリングサイクル冷凍機の駆動機構に関するものである。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】従来この種のスターリングサイクル冷凍機は、ピストンと、このピストンを軸方向に往復駆動する駆動装置と、前記ピストンの往復運動に従動して軸方向に往復運動するディスプレイサーを備えており、そして駆動装置においては、ピストンを往復駆動させるために、リニアモータ等が用いられていた。これらのリニアモータは、図6に示すように、ピストン41に設けられた永久磁石42と、シリンダー43に設けられた外側及び内側積層コア44,45と、この積層コア45にコイルボビンを介して巻き付けられたコイル46とで構成され、このコイルに交番電流を印加することで交番磁界を発生させ、永久磁石42、ひいては永久磁石42を設けたピストン41を往復駆動させるものである。なお、前記積層コア44,45は、渦電流の発生を防止するために、鋼等のラミネーション(薄板)47,48を積層して構成されている。 【0003】しかしながら、上記スターリングサイクル冷凍機はシリンダ43等が円筒形に形成されており、これに伴って、リニアモータに用いられている積層コア44,45の、永久磁石42と対向する面が円筒側面状に構成されているので、ラミネーション47,48を積層して積層コア44,45を構成することが難しく、コストアップの原因となっていた。 【0004】本発明は以上の問題点を解決し、容易に積層コアを構成することができ、安価なスターリングサイクル冷凍機の駆動機構を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明のスターリングサイクル冷凍機の駆動機構は、ピストンと、このピストンを軸方向に往復駆動する駆動装置と、前記ピストンの往復運動に従動して軸方向に往復運動するディスプレイサーよりなり、前記駆動装置は環状に配列された永久磁石群と、この永久磁石群に近接して設けられる積層コアと、この積層コアに巻き付けられた電磁コイルとで構成されるスターリングサイクル冷凍機の駆動機構において、前記永久磁石群を、平板状の永久磁石を正多角形環状に配列して構成し、前記積層コアを構成する複数のラミネーションをそれぞれ同一形状に形成し、積層側面が前記各ラミネーションの面方向と直交して一直線状の平面になるようにラミネーションを積層して前記積層コアを構成すると共に、前記積層コアの積層側面を前記平板状の永久磁石と略平行となるように配置したものである。 【0006】本発明は以上のように構成することにより、各ラミネーション同士の外縁が一致するように積層することで、積層側面が一直線状の平面形状に構成された積層コアが構成される。 【0007】また、本発明のスターリングサイクル冷凍機の駆動機構は、請求項1において、前記各ラミネーションの一側面に凸部を形成すると共に、他側面に前記凸部と同軸状に凹部を形成し、これらの凸部及び凹部を相互に嵌合して各ラミネーションを位置決め及び固定するよう構成したものである。 【0008】本発明は以上のように構成することにより、各ラミネーションを凹凸が重なるように積層することで、極めて容易に各ラミネーションの外縁が一致し、積層側面を一直線状の平面形状に構成することができる。 【0009】 【発明の実施形態】以下、本発明の実施の形態について、図1ないし図4に基づいて説明する。1はシリンダ部2と胴部3とで構成される装置本体であり、前記シリンダ部2は、アルミニウムなどからなる基部4とステンレス鋼などからなる中間部5と銅などからなる先端部6とで構成されている。 【0010】前記シリンダ部2の内部には、前記胴部3まで延びる内部シリンダ7が設けられ、この内部シリンダ7には、ディスプレイサー8が軸方向Xに摺動可能に収容されている。また、内部シリンダ7の先端と先端部6の間には膨張室Eが形成されており、隙間9によって内部シリンダ7の内外が連通されている。また、中間部5において内部シリンダ7の外周に再生器10が設けられていると共に、前記基部4において内部シリンダ7の内外を連通する連通孔11が形成されている。また、内部シリンダ7の先端外周には、吸熱フイン12が設けられ、再生器10と連通孔11の間において、内部シリンダ7の外周に放熱フイン13が設けられている。そして、内部シリンダ7の内部先端から隙間9、吸熱フイン12、再生器10、放熱フイン13、連通孔11を通って内部シリンダ7内の圧縮室Cに至る経路が形成されている。 【0011】前記基部4の外周には、外部放熱フイン14が取り付けられている。また、胴部3内において、内部シリンダ7内には、ピストン15が軸方向Xに摺動可能に収容されている。そして、このピストン15の基端部は、駆動機構16に同軸的に連結されている。 【0012】駆動機構16は、前記ピストン15に同軸に固定されると共に短筒状に形成された枠17と、この枠17の一端に接着等によって固定された永久磁石群18と、この永久磁石群18の外周に近接して設けられた外部積層コア19と、この外側積層コア19に巻き付けられた電磁コイル20とで構成されている。なお、この電磁コイル20は、樹脂などで構成されたコイルボビン21に巻き付けられている。前記永久磁石群18は、図2に示すように、平板形状に形成された複数、本実施例では8個の永久磁石22を、ピストン15を囲むように略筒状に配置して構成されている。なお、前述のように各永久磁石22は平板形状になっており、また、隣り合う永久磁石22同士が間隔23を設けてそれぞれ等しい角度(本実施例では45度)で配置されているので、永久磁石群18は、軸方向Xから見て各角に間隔23を設けた正多角形(本実施例では正八角形)の略筒状をなしている。この永久磁石22は希土類、鉄、ほう素系永久磁石などからなり、焼結によって成型されている。また、前記永久磁石群18の内周に近接して、内側積層コア24が設けられている。 【0013】前記外側積層コア19は、図4の(A)で示すように一対の略コ字状のラミネーション25を積層して構成されている。これらのラミネーション25は、薄板状に形成された無方向性電磁鋼をプレスで打ち抜くことで、同一形状に形成されている。また、これらのラミネーション25には、プレスによって形成されたいわゆるダボ26が複数箇所に設けられており、このダボ26によりラミネーション25の一側面に凸部26aを形成し、他側面に前記凸部26aと同軸状の凹部26bが形成されている。そして、このダボ26は各ラミネーション25ごとに同じ位置に形成されているので、ラミネーション25同士の外周縁25aが一致するように積層すると、隣接するラミネーション25のダボ26の凸部26aと凹部26bが嵌合することになり、この結果、外側積層コア19の全ての積層側面19aは、ラミネーション25の面25b方向に対して直交して一直線状の平面状に形成されることになる。そして、前記電磁コイル20を巻き付けたコイルボビン21を、電磁コイル20の軸方向X両側から外側積層コア19で挟み込み、更にこの外側積層コア19を、内部シリンダ7と保持体27との間に挟み込み、図示しないビス等で締め付けることで、外側積層コア19及び電磁コイル20は内部シリンダ7に対して固定されている。なお、前述したように、外側積層コア19の積層側面19aはラミネーション25の面25b方向と直交して一直線状の平面なるように形成されているので、各外側積層コア19同士は、所定の角度をもって前記永久磁石群18と同じ正多角環状(本実施例では正八角形)に配列されることになり、積層側面19aと永久磁石22とがほぼ平行に且つ近接して配置されることになる。 【0014】また、前記内側積層コア24も、外側積層コア19と同様に、短辺を切り欠いた略平鼓形状のラミネーション28を積層して構成されている。これらのラミネーション28は薄板状に形成された無方向性電磁鋼をプレスで打ち抜くことで、同一形状に形成されている。また、これらのラミネーション28には、プレスによって形成されたダボ29が複数箇所に設けられており、外側積層コア19と同様に構成することで、全ての積層側面24aがラミネーション28の面方向に対して垂直な平面状となる。そして、このようにして構成された内側積層コア24を、前記永久磁石群18及び外側積層コア19と同様に、所定の角度をもって、前記永久磁石群18及び外側積層コア19と同じ正多角環状(本実施例では正八角形)に配列し、軸方向X両側から環状の保持体30によって内側積層コア24を狭持して、内部シリンダ7に対して接着などで固定する。 【0015】そして、永久磁石22の幅Lより外側積層コア19の積層側面19aの幅Mを大きく形成し(L<M)、永久磁石22の幅Lより内側積層コア24の積層側面24aの幅Nを小さく形成している(L>N)。 【0016】なお、31及び32は渦巻状の板バネであり、33はディスプレイサー8の振幅を制御するためのロツドである。そして、一対の板バネ31,32の縁相互は螺子軸34によって所定の間隔を保持すると共に、内部シリンダ7に固定している。 【0017】次に、前記外側積層コア19の製法について説明する。前述したように、薄板状に形成された無方向性電磁鋼をプレスで打ち抜くことにより、略コ字状のラミネーション25を形成する。なお、前記ダボ26もプレスによって同時に形成しておく。そして、このようにして形成されたラミネーション25を、内側面がラミネーション25の外周縁の形状に形成されたプレス金型に収容することで、各ラミネーション25同士の外周縁25aが一致した状態で、前記ダボ26の凸部26aと凹部26bが対向するように積層される。なお、このラミネーション25を枠に収容する工程は、プレス時に自動化することができる。そして、プレス金型内にラミネーション25が所定枚数収容されると、プレス金型の上方からラミネーション25をプレスする。これによって、各ラミネーション25に形成されたダボ26の凸部26aと凹部26bが嵌合し、一体化される。このようにして、外側積層コア19が構成される。なお、内側積層コア24も外側積層コア19と同様の方法で構成されるので、説明を省略する。 【0018】以上のように構成される本実施例では,電磁コイル20に交流電流を流すと、交番磁界によって、永久磁石22を軸方向Xに動かす力が加わる。この力によって、ピストン15が内部シリンダ7内を軸方向Xに往復運動する。このため、ピストン15が、ディスプレイサー8の方向に移動すると、ピストン15とディスプレイサー8との間に形成された圧縮室C内の気体は圧縮されて連通孔11、放熱フィン13、再生器10、吸熱フィン12、隙間9を通って内部シリンダ7の先端と先端部6の間の膨張室Eに至ると共に、ディスプレイサー8を押し下げる。一方、ピストン15が、ディスプレイサー8と反対方向に移動すると、圧縮室Cの内部が負圧となり、気体は膨張室Eから隙間9、吸熱フィン12、再生器10、放熱フィン13、連通孔11を通って内部シリンダ7の内の圧縮室Cに還流し、これにより、ディスプレイサー8を押し上げる。このような工程中において二つの等温変化と等体積変化とからなる可逆サイクルが行われて、内部シリンダ7の先端外周に取りつけた吸熱フィン12は低温となり、一方、圧縮室Cの外周に設けたフィン13を通して基部4の外周に取り付けた外部放熱フィン14は高温となる。 【0019】このようなスターリングサイクル機関を冷蔵庫として使用する場合には、吸熱フィン12側を庫内側に取り付けて、外部放熱フィン14を庫外に露出させて熱交換するようにすればよい。 【0020】以上のように本実施例においては、ピストン15と、このピストン15を軸方向Xに往復駆動する駆動装置16と、前記ピストン15の往復運動に従動して軸方向Xに往復運動するディスプレイサー8よりなり、前記駆動装置16は環状に配列された永久磁石群18と、この永久磁石群18に近接して設けられる外側積層コア19と、この積層コア19に巻き付けられた電磁コイル20とで構成されるスターリングサイクル冷凍機の駆動機構において、前記永久磁石群18を、平板状の永久磁石22を正多角形環状に配列して構成し、前記外側積層コア19を構成する複数のラミネーション25をそれぞれ同一形状に形成し、積層側面19aが前記各ラミネーション25の面25b方向と直交して一直線状の平面なるようにラミネーション25を積層して前記積層コア19を構成すると共に、前記積層コア19の積層側面19aを前記平板状の永久磁石22と略平行となるように配置したことによって、従来技術のように積層コアの永久磁石と対向する面が円筒側面状に構成されているものに比較して、本実施例では各ラミネーション25同士の外縁25aを一致させて積層コア19の積層側面19aを一直線状の平面形状とすることにより容易に積層コア19を構成することができる。また、永久磁石群18を、平板状の永久磁石22を正多角形環状に配列して構成したことにより、永久磁石22と積層コア19の積層側面19aとを一定間隔とすることができるので、電磁コイル20に交流電流を流した際、交番磁界によって、永久磁石22を確実に軸方向Xに動かす力を加えることができる。 【0021】また、各ラミネーション25,28にはダボ26,29を形成してそれぞれ凸部26a,29a及び該凸部26a,29aと同軸状の凹部26b,29bを形成し、これらのダボ26,29によって各ラミネーション25,28を位置決め及び固定するよう構成したものであるので、ダボ26,29が重なるように積層することで、極めて容易に各ラミネーション25,28の外縁25aが一致し、積層側面19a,24aを一直線状の平面形状に構成することができる。 【0022】さらに、電磁コイル20を巻き付けた外側積層コア19の内側に、永久磁石群18を設けると共に、この永久磁石群18の内側に設ける内側積層コア24も外側積層コア19と同様に、積層側面24aがラミネーション28の面方向と直交して一直線状の平面になるように形成されていることにより、容易に積層コア24を構成することができる。また、永久磁石22と積層コア24の積層側面24aとを一定間隔とすることができるので、電磁コイル20に交流電流を流した際、交番磁界によって、永久磁石22を確実に軸方向Xに動かす力を加えることができる。 【0023】しかも、永久磁石22の幅Lより外側積層コア19の積層側面19aの幅Mを大きく形成し、永久磁石22の幅Lより内側積層コア24の積層側面24aの幅Nを小さく形成したこことにより、永久磁石22、ひいては永久磁石群18の外側、内側にそれぞれ配置される外側積層コア19、内側積層コア24を可及的に大きくすることができる。 【0024】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨内で種々の変形が可能である。例えば、図5に示すように外側積層コア19を前記実施態様と同様に積層側面19aが各ラミネーション25の面25b方向と直交して一直線状の平面なるようにラミネーション25を積層したものとし、一方内側積層コア45を従来技術と同様にラミネーション48を積層して永久磁石22と対向する面を円筒側面状に構成してもよい。さらに、前記実施例では、磁石群及び積層コアは正八角形状に配置して構成されているが、これ以外の正多角形状に構成してもよい。 【0025】 【発明の効果】本発明のスターリングサイクル冷凍機の駆動機構は、ピストンと、このピストンを軸方向に往復駆動する駆動装置と、前記ピストンの往復運動に従動して軸方向に往復運動するディスプレイサーよりなり、前記駆動装置は環状に配列された永久磁石群と、この永久磁石群に近接して設けられる積層コアと、この積層コアに巻き付けられた電磁コイルとで構成されるスターリングサイクル冷凍機の駆動機構において、前記永久磁石群を、平板状の永久磁石を正多角形環状に配列して構成し、前記積層コアを構成する複数のラミネーションをそれぞれ同一形状に形成し、積層側面が前記各ラミネーションの面方向と直交して一直線状の平面になるようにラミネーションを積層して前記積層コアを構成すると共に、前記積層コアの積層側面を前記平板状の永久磁石と略平行となるように配置したものであり、各ラミネーション同士の外縁が一致するように積層することで、積層側面が一直線状の平面に構成された積層コアが構成されるので、積層コアの製造を容易にすることができ、よって安価に構成することができる。 【0026】また、本発明のスターリングサイクル冷凍機の駆動機構は、請求項1において、前記各ラミネーションの一側面に凸部を形成すると共に、他側面に前記凸部と同軸状に凹部を形成し、これらの凸部及び凹部を相互に嵌合して各ラミネーションを位置決め及び固定するよう構成したものであり、各ラミネーションを凹凸が重なるように積層することで、極めて容易に各ラミネーションの外縁が一致し、積層側面を一直線状の平面に構成することができ、更に、ラミネーションをプレスするだけで、凹凸同士が嵌合して積層コアが構成されるので、積層コアの製造をより容易にすることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000109325 【氏名又は名称】ツインバード工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年5月25日(1999.5.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080089 【弁理士】 【氏名又は名称】牛木 護
|
| 【公開番号】 |
特開2000−337725(P2000−337725A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月8日(2000.12.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−145635 |
|