| 【発明の名称】 |
音響冷凍装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】増田 光博
|
| 【要約】 |
【課題】理想的なガスサイクルであるカルノーサイクルに近いガスサイクルを実現すると共に、装置構成の簡略化と共に高効率化を実現した音響冷凍装置を提供する。
【解決手段】中空環状の音響管1の管路に対向して、音波発生装置5が配備されると共に、音響管1の管路の所定位置には蓄冷器4が介在し、音波発生装置5から発せられる音波によって蓄冷器4に温度勾配を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中空環状の音響管の管路に対向して、音波発生装置が配備されると共に、音響管の管路の所定位置には蓄冷器が介在し、音波発生装置から発せられる音波によって蓄冷器に温度勾配を形成することを特徴とする音響冷凍装置。 【請求項2】 前記音波発生装置は、前記音響管の管路の外周面に直接接するように設けられ、前記音響管の共鳴周波数に設定された音波を発生することを特徴とする請求項1に記載の音響冷凍装置。 【請求項3】 前記音波発生装置は、前記音響管の管路から分岐するように設けられ、前記音響管の共鳴周波数に設定された音波を発生することを特徴とする請求項1に記載の音響冷凍装置。 【請求項4】 前記音波発生装置は、前記音響管の管路から分岐する分岐管に沿って該音響管の管路周長の略3%乃至略18%離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の音響冷凍装置。 【請求項5】 前記音波発生装置は、前記蓄冷器近傍に設けられていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の音響冷凍装置。 【請求項6】 前記音波発生装置は、前記蓄冷器から前記音響管の管路に沿って該管路周長の略8/24乃至略11/24離れた位置に設けられいることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の音響冷凍装置。 【請求項7】 前記音波発生装置は、前記蓄冷器から前記音響管の管路に沿って該管路周長の略10/24離れた位置に配設されていることを特徴とする請求項6に記載の音響冷凍装置。 【請求項8】 前記蓄冷器の前記音波発生装置側の前記管路の外周面には低温側熱交換器が設けられ、前記蓄冷器の前記音波発生装置とは反対側の前記管路の外周面には高温側熱交換器が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の音響冷凍装置。 【請求項9】 前記蓄冷器の前記音波発生装置側の前記管路の外周面には高温側熱交換器が設けられ、前記蓄冷器の前記音波発生装置とは反対側の前記管路の外周面には低温側熱交換器が設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の音響冷凍装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、音響冷凍装置に関し、特に、高効率化と装置構成の簡略化を図ることが可能な音響冷凍装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、音波を利用して冷凍を行なう音響冷凍装置が知られている(例えば特公平3-46745号公報参照)。 【0003】例えば図8に示す音響冷凍装置200は、一端202Aが閉止し、他端202Bが開口した共鳴管202を具え、該共鳴管202の開口端202Bに対向して、音響発生用のスピーカ201が配備されると共に、共鳴管202内には、平板を複数層に配列してなる蓄冷器203が配備されている。 【0004】ここで、スピーカ201への印加電流の周波数は、共鳴管202内で音波が共鳴することとなる値に設定される。スピーカ203から共鳴管202の閉止端202Aへ向けて音波が発生されると、共鳴管202内には、図8に示す如き圧力分布Pが形成され、圧力変動の大きい腹の部分と、圧力変動の小さな節の部分とが交互に発生する。又、図中に矢印Wで示す様に、ガスの変位にも腹と節が生じることになる。 【0005】この結果、蓄冷器203の両端に温度差が発生する。そして、蓄冷器203の低温端と高温端がそれぞれ熱交換器(図示省略)を介して対象物の冷却と外界への放熱を行なうのである。 【0006】上記の音響冷凍装置200は、微小なガス塊についての断熱圧縮、等圧変化、断熱膨張、及び等圧変化の4つの行程からなるブレイトンサイクルによって説明することが出来る。 【0007】しかしながら、上記した従来の音響冷凍装置200が構成するブレイトンサイクルにおいては、ガス塊が膨張したときの温度と蓄冷器203の温度との差によって熱を吸収させたり、ガス塊が圧縮されたときの温度と蓄冷器203の温度と差によって熱を放出させているため、熱的移動過程が不可逆的となっており、カルノーサイクルよりも熱効率が低い欠点がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本願出願人は、熱的移動行程が可逆的となって、理想的なガスサイクルであるカルノーサイクルに近いガスサイクルを実現出来る音響冷凍装置を提案している(特開平10-325625号公報)。 【0009】図9〜図14に基づいて、かかる音響冷凍装置の基本構造及び原理について説明する。 【0010】図9に示す如く、音波を進行させるべき音響管1は、中空環状の閉ループの管路を形成している。該音響管1の周長は、音波の波長の整数倍となる様に設定する。尚、以下の例では、音響管1の中心線の長さを周長とする。音波発生装置としてのスピーカ2、3は、音波の1/4波長の奇数倍に等しい距離だけ互いに離間させて、音響管1内に音波を放射するように音響管1に取り付けられる。 【0011】又、スピーカ2、3には音波発生制御装置50が接続され、スピーカ2、3から放射される音波の位相が互いに音波の1/4波長の奇数倍だけずれるように駆動制御される。 【0012】次に、音響冷凍装置の動作原理について、図10を参照して説明する。 【0013】各スピーカ2、3から放射された音波は、音響管1内に入ってから2方向に分岐し、音響管1内を進行する。そして、両スピーカ2、3から放射されて音響管1内を進行する2つの音波が互いに重なり合う。 【0014】ここで、スピーカ2、3の配置間隔と音波の位相差の関係から、図の左方向へ進行する音波2Lと3Lとは、同位相となり、互いに重ね合わされて増幅し、図の右方向へ進行する音波2Rと3Rとは、逆位相となり、互いに打ち消し合う。この結果、一方向(左方向)にのみ進行する音波だけが残り、該音波は更に音響管1内を一周して同じ位相の音波と重ね合わされるため、共鳴と同様に振幅が増大されることになる。 【0015】次に、図11に示す如く、音響冷凍装置の音響管1内に、熱交換性が良く、圧力損失の小さい蓄冷部材40を配備した場合における冷凍原理について、図12を参照して説明する。 【0016】蓄冷部材40を通過する進行音波は、その位置により位相のずれがあり、ある場所に位置する微小なガス塊に着目すると、その中心位置を境に、音波の進行方向では膨張行程が生じ、その反対方向では圧縮行程が生じている。この膨張行程及び圧縮行程において、蓄冷部材40を用いて熱吸収及び熱放出が行なわれることによって、熱が音波の進行方向とは逆方向へ順次運ばれることになる。この伝熱行程は可逆的であるため、従来の音響冷凍装置よりも熱効率が高くなるのである。 【0017】更に、上記音響冷凍装置のガスサイクルについて、図13及び図14を参照して説明する。 【0018】カルノーサイクルは等温行程と断熱行程から構成され、図13に示す様に、T−S線図では、A・H・G・Dの長方形のサイクル線図として示される。ここで、A→Hは断熱膨張行程(エントロピー一定)を示し、H→Gは等温膨張行程を示し、G→Dは断熱圧縮行程を示し、D→Aは等温膨張行程を示している。 【0019】図12に示す様に、ガス塊となる伝熱性の良い蓄冷部材中を一方向に音波が通過する場合、微小なガス塊は往復運動をすると同時に圧力変化を生じる。圧力変化は、ガス塊が音波進行方向に最も移動したときに、圧力上昇が速く、強く圧縮される。ここで蓄冷部材の伝熱性がよいため、等温圧縮が行なわれることになる。この等温圧縮行程は、図13及び図14(a)においてD→Aで示される。 【0020】次に、ガス塊が音波進行方向と反対方向へ移動するときに、蓄冷部材の温度勾配に沿って熱が放出され、ガス塊は略等積変化で冷却される。この行程は、図13及び図14(b)においてA→Bで示される。 【0021】その後、音波進行方向の反対方向の端部においては、圧力の低下が速く、強く膨張する。このとき、蓄冷部材から熱が吸収される等温膨張行程となる。この行程は、図13及び図14(c)においてB→Cで示される。 【0022】ガスが音波進行方向へ移動するときにも、蓄冷部材の温度勾配に沿って熱を吸収する等積変化となる。この行程は、図13及び図14(d)においてC→Dで示される。 【0023】以上により、図13に示すD→A→B→C→Dの1サイクルによって、熱を音波進行方向とは逆方向へ運ぶことが可能となる。この様に、等温行程と等積行程によって構成されるサイクルは、スターリングサイクルと呼ばれ、カルノーサイクルの断熱行程が等積行程となったものである。 【0024】従って、上記音響冷凍装置によれば、カルノーサイクルと同等の効率が得られることになる。 【0025】しかし、斯かる音響冷凍装置においては、圧力波の一部は蓄冷器を通過せずに反射してしまうため、反射した圧力波のエネルギー分だけ装置効率が低下するという問題があった。さらに、上記したように音波発生装置を複数設けた場合には、これらの音波発生装置の位相を調整する装置等を設ける必要があった。 【0026】本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであって、理想的なガスサイクルであるカルノーサイクルに近いガスサイクルを実現すると共に、装置構成の簡略化と共に高効率化を実現した音響冷凍装置を提供することを目的としている。 【0027】 【課題を解決する為の手段】本発明は、中空環状の音響管の管路に対向して、音波発生装置が配備されると共に、音響管の管路の所定位置には蓄冷器が介在し、音波発生装置から発せられる音波によって蓄冷器に温度勾配を形成することを特徴とする音響冷凍装置である。そして、具体的には前記音波発生装置は、音響管の管路の外周面に直接接するように設けられ、音響管の共鳴周波数に設定された音波を発生する構成としても良い。 【0028】この構成を用いることにより、音響管の共鳴周波数に等しい周波数の音波を音波発生装置から入射すると、音響管内で大きな圧力変動が生じて、蓄冷器内では圧力変動量が増幅されると同時に流体の往復運動も誘起される。 【0029】また、前記音波発生装置は、音響管の管路から分岐する分岐管に沿って音響管の管路周長の略3%乃至略18%離れた位置に設けられ、音響管の共鳴周波数に設定された音波を発生する構成としても良い。 【0030】この構成を用いることにより、音響管の管路の外周面に直接配置させる場合に比べて、仕事流束が増幅されて熱搬送効果が大きくなる。 【0031】さらに、前記音波発生装置は、蓄冷器近傍若しくは蓄冷器から音響管の管路に沿って該管路周長の略8/24乃至略11/24離れた位置に設けられいる構成としても良い。特に、蓄冷器から音響管の管路に沿って管路周長の略10/24離れた位置に配設されているのが好ましい。これにより、この際の圧力変動と流速は同位相となり、蓄冷器の両端に大きな温度差を生じさせる。 【0032】そして、前記音波発生装置が蓄冷器近傍に設けられいる場合には、蓄冷器の音波発生装置側の管路の外周面には低温側熱交換器が設けられ、蓄冷器の音波発生装置とは反対側の管路の外周面には高温側熱交換器が設けられている。また、前記音波発生装置が蓄冷器から音響管の管路に沿って該管路周長の略8/24乃至略11/24離れた位置に設けられいる場合には、蓄冷器の音波発生装置側の管路の外周面には高温側熱交換器が設けられ、蓄冷器の音波発生装置とは反対側の管路の外周面には低温側熱交換器が設けられている。 【0033】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。図1は本発明の一実施形態例を示す音響冷凍装置の基本構造を示す概略断面図である。 【0034】図1に示す様に、音響冷凍装置100は、中空環状の音響管1を有し閉ループとなっている。尚、本実施形態では音響管1の中心線の長さを周長とする。音響管1の管路の適所には、蓄冷器4が配設されている。蓄冷器4は、銅、銅合金、鉄、ステンレス鋼等の熱伝導性の高い資材からなる金網状の積層体や多孔質体、或いは互いに平行な複数枚の板からなる蓄冷部材(図示省略)を内蔵している。また、音波発生装置としてのスピーカ5は、音響管1の共鳴周波数に設定された音波を発生し、蓄冷器4から管路に沿って音響管周長の略8/24〜略11/24離れた位置に配設されており、本実施例では音響管周長の略10/24だけ蓄冷器4から離れた位置106に配設されている。 【0035】また、蓄冷器4の両端側の音響管1外周面に、高温側熱交換器102と、低温側熱交換器103とが巻回配設されている。 【0036】尚、本実施形態例では音波発生装置5は、音響管1の管壁の一部に直接配置させた場合について説明したが、これとは別に、図3、図4に示すように音響管1から分岐した分岐管6を用い、この分岐管6の一端部分にスピーカ5を配設し、そこから音響管1内部へ音波を供給する構成としても構わない。スピーカ5は、音響管1に対向して接続された分岐管6の長さ107が音響管1の管路周長の略3%〜18%となる位置に配設されている。 【0037】以上の構成により、音響管1の共鳴周波数に等しい周波数の圧力波をスピーカ5から入射すると、音響管1内で大きな圧力変動が生じる。この時、蓄冷器4内では圧力変動量が増幅されると同時に流体の往復運動も誘起され、さらに、これら圧力変動と流速は同位相となる。この蓄冷器4内での圧力変動と流体の往復運動により、等温膨張による吸熱と等温圧縮による放熱を繰り返すガスサイクルが形成され、蓄冷器4の両端に大きな温度差を生じさせるとともに、蓄冷器4の両端側の低温側熱交換器103から吸熱、高温側熱交換器102へ放熱し、効率よく対象物の冷却を行う冷凍機やヒートポンプとして作用する。また、図2又は図4に示すように、スピーカ5の配設位置を、蓄冷器4近傍の位置106にしても同様の効果を達成することができる。 【0038】次に、上記したように音波発生装置5を配設することにより、上述の効果を実現できる理由について説明する。 【0039】一般的な音響理論によると、流路径に比べ流路長さが十分大きい場合に、管内の圧力波を1次元的な平面波で近似して解析でき、圧力と流速を容易に計算できることが知られている。この音響理論を適用して本願出願人は、上記図1装置の如く、音響管1内に配置した蓄冷器4内における圧力波の圧力の平均値からの変動量Pと流速Uを算出する数式を導出した。その結果は下記数式1、数式2に示す通りである。 【0040】 【数1】
【0041】 【数2】
【0042】ここで、上記数式における符号の意味するところは次の通りである。 Pd+:時計回りに進行する音波の振幅、Pd-:反時計回りに進行する音波の振幅、ω:振動の角周波数、ρm:作動ガスの平均密度、Ld:蓄冷器4の長さ、x:蓄冷器左端を原点とし、音響管1の中心線に沿って時計回りにとった座標、a:音速、t:時間、D:ダルシー則として知られる流速に比例する抵抗力の定数また、熱音響理論(参考文献:Tominaga,A.1995 Thermodynamic aspects of thermoacoustic theory. Cryogenics. 35, 427-440)によると、目開きが小さい材質でできた蓄冷器内においては、伝熱性が非常に良く、等温可逆行程の効果が支配的となり、この効果による熱搬送量を定量的に下記数式3によって評価できることが知られている。そして、この数式3におけるIは仕事流束であり、下記数式4に示す、圧力の平均値からの変動量Pと流速Uにより定義される量である。 【0043】 【数3】
【0044】 【数4】
【0045】ここで、上記数式における符号の意味するところは次の通りである。 Qprog:蓄冷器内の熱搬送量、I:蓄冷器内の仕事流束、β:作動ガスの熱膨張率、Tm:作動ガスの空間的な平均温度、Fs:作動ガスと蓄冷器の熱容量比に関連する定数、g:伝熱性に関連する定数、Re( ):( )内の実数部分を表す関数、< >t:< >内の時間平均を表す値上記数式3から分かるように、蓄冷器内の熱搬送量Qprogは仕事流束Iに比例しており、上記した数式1、2、4を用いて音響管1の蓄冷器4における仕事流束Iを、蓄冷器4から音波発生装置5までの距離Ldsを変化させた場合について計算すると、図5の実線で示した曲線となる。尚、一般に、音波発生装置5を音響管1の管路の外周面に配設する場合には、その取り付け部材等が介在するため、音波発生装置5は実際には音響管1の管路から若干離れた位置に設けられることになる。このため、この点を考慮して図5の実線で示した曲線は、音波発生装置5が音響管1の管路からその管路周長の2%離れた位置に配設されている場合を想定して計算したものである。ここで、音波発生装置5と音響管管路の外周面との距離を2%としたのは、従来、取り付け部材等により生じる間隔が管路周長の1〜2%程度となっていたためである。 【0046】この結果から、音響管1への音波入射位置が蓄冷器4近傍、若しくは蓄冷器4の一端から音響管周長の略10/24の距離となるとき、仕事流束Iが正負の極大値となり熱搬送効果がもっとも強くなると考えられる。但し、蓄冷器4近傍の位置と上記略10/24の位置では、熱搬送の向きが反対となる。 【0047】さらに、音響管1への音波入射位置が蓄冷器4の一端から音響管周長の略10/24の距離となるときに、蓄冷器4における仕事流束Iを、分岐管410に沿って分岐部からスピーカ5までの距離Lbsを変化させた場合についても計算をすると、図6の実線で示した曲線となる。この結果から、分岐部からスピーカ5までの距離をとることで仕事流束は増幅され、その距離が音響管1の管路周長の16%となるときに理論的には仕事流束が最大となり、熱搬送効果が最も強くなると考えられる。 【0048】次に、上述の理論に基づく結果の妥当性を確かめるために実験を行った。図7において、音響冷凍装置400は中空環状の音響管1を有しておりその周長は約3.4mである。この音響管1には分岐部410を介してスピーカ5(音波発生装置)が設置されている。スピーカ5の背面にはカバー420が取り付けられている。また、スピーカ5には所定の圧力波を発生するためのアンプ430及び信号発生器440が接続されている。 【0049】一方、音響管1には蓄冷器4が設けられ、その蓄冷器4の両端には熱電対450、451が取り付けられ、この熱電対から得られる温度差を確認するためのオシログラフィックレコーダ460が接続されている。 【0050】以上の構成からなる音響冷凍装置400の能力測定を、音響管1の共鳴周波数でスピーカ5を駆動して行い、スピーカ5が接続される分岐部410と蓄冷器4との距離Lds470を変化させてその影響を調べ、図5に白抜き四角のシンボル記号で表わした。但しこの場合には、分岐部410の長さLbsは、上記した理論に基づく場合と同様に、音響管1の管路周長の2%としている。 【0051】また、スピーカ5が接続される分岐部410と蓄冷器4との距離Lds470を音響管1の管路周長の略10/24とし、分岐部410の長さLbsを変化させてその影響を調べ、図6に点線で示した。尚、図5及び図6において相関関係が理解しやすいように仕事流束Iと蓄冷器両端温度差のスケール調整を行っている。 【0052】この図5の結果から分かるように、図7の装置により得られたLdsの影響についての実験結果は上述した理論に基づく結果と傾向が非常に良く一致しており、上述した理論が妥当であることが確認することができた。 【0053】一方、図6の結果から、図7装置により得られたLbsの影響についての実験結果は上述した理論に基づく結果と傾向は一致しているものの、最大値がずれており、蓄冷器損失の影響など実際に生じる他の要素を考慮する必要があるためと考えられる。 【0054】そして、この図5の結果から明らかなように、蓄冷器4近傍の位置、若しくは蓄冷器4から管路に沿って音響管1の管路周長の略8/24〜11/24の距離の位置では、蓄冷器両端温度差が20度近くとなり、さらに蓄冷器4から管路周長の略10/24の距離の位置では、蓄冷器両端温度差が最も大きくなっており、音波発生装置としてのスピーカ5をこの位置に配設することにより装置の高効率化が図られることになる。 【0055】また、図6の実験結果から、分岐部410の長さLbsを音響管1の管路周長の略3%〜18%とした場合の蓄冷器両端温度差が約30℃以上となっており、分岐部410の長さLbsを音響管1の管路周長の2%とした場合の蓄冷器両端温度差(約23℃)よりかなり大きな値が得られることとなり、分岐部410の長さを斯かる範囲に調整してスピーカ5を配置することにより装置の効率化が図られることになる。 【0056】尚、上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。 【0057】例えば、上記実施の形態の説明では、音波発生装置5を1個だけ用いて構成した場合について説明したが、音波発生装置5を複数個配置させた構成としても構わない。尚、この際には、これらの音波発生装置の音波の位相は同相又は逆相となるので位相を調整する複雑な位相調整器等を必要としないという利点がある。 【0058】また、上記実施の形態の説明では、音波発生装置5を入力部として説明したが、音波発生装置5を出力部とし、蓄冷器4両端に設置された熱交換器を入力部とすれば、エンジンサイクルとして機能させることも可能である。 【0059】 【発明の効果】以上述べたとおり本発明によれば、蓄冷器内での圧力変動量が増幅されると同時に流体の往復運動も誘起され、更に圧力変動と流速は同位相となる。この結果、蓄冷器の両端に大きな温度差を生じさせることができ、装置の高効率化を達成することができる。 【0060】このため、1台の音波発生装置のみでも従来装置以上の高効率化を図ることができ、装置構成の簡略化をも図ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年9月17日(1999.9.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111383 【弁理士】 【氏名又は名称】芝野 正雅
|
| 【公開番号】 |
特開2000−337724(P2000−337724A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月8日(2000.12.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−263507 |
|