| 【発明の名称】 |
冷凍サイクルの安全装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】飯島 健次
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| 【要約】 |
【課題】二酸化炭素を冷媒として使用する冷凍サイクルにおいて、冷媒漏れや高圧圧力から冷凍サイクルを保護する。
【解決手段】冷凍サイクルの始動時において、圧力検出センサの検出値が、冷媒サイクルの停止時のバランス圧から推定される所定の圧力値、例えばバランス圧から所定値低い値以下である場合には冷媒が漏洩していると判断して、コンプレッサの稼動を停止する。また、冷凍サイクルの通常運転時に、高圧圧力が急激に低下したことが判定された場合には冷媒漏れであると判断して、コンプレッサの稼動を停止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒として二酸化炭素を用い、冷媒を圧縮するコンプレッサと、圧縮された冷媒の温度を低下させる放熱器と、該放熱器から流出する冷媒が通過する第1の熱交換器及び前記コンプレッサに吸入される冷媒が通過する第2の熱交換器からなる内部熱交換器と、前記第1の熱交換器から流出する冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、該膨張弁によって膨張した冷媒を蒸発させるエバポレータと、該エバポレータを流出した冷媒の蓄積し且つ気液分離を行うと共に前記第2の熱交換器に接続されるアキュムレータとによって少なくとも構成され、前記コンプレッサの吐出側から前記膨張弁の流入側までの高圧ラインとし、前記膨張弁の流出側から前記コンプレッサの吸入側までの低圧ラインとする冷凍サイクルにおいて、前記高圧ラインに設けられ、冷媒の圧力を検出する圧力検出センサと、前記冷凍サイクルの始動時において、前記圧力検出センサの検出値が、冷凍サイクルの停止時のバランス圧から推定される所定の圧力値以下であるか否かを判定する起動時圧力判定手段と、該起動時圧力判定手段によって、前記検出値が所定の圧力値以下であると判定された場合に、前記コンプレッサの稼動を停止させる起動時安全制御手段とを具備することを特徴とする冷凍サイクルの安全装置。 【請求項2】 前記冷凍サイクルの運転時において、前記圧力検出センサの値から圧力の変動値を演算する圧力変動値演算手段と、該圧力変動値演算手段によって演算された変動値によって圧力が急激に低下したか否かを判定する圧力変化判定手段と、該圧力変化判定手段によって圧力が急激に低下したと判定された場合に、前記コンプレッサの稼動を停止させる稼動時安全制御手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクルの安全装置。 【請求項3】 冷媒として二酸化炭素を用い、冷媒を圧縮するコンプレッサと、圧縮された冷媒の温度を低下させる放熱器と、該放熱器から流出する冷媒が通過する第1の熱交換器及び前記コンプレッサに吸入される冷媒が通過する第2の熱交換器からなる内部熱交換器と、前記第1の熱交換器から流出する冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、該膨張弁によって膨張した冷媒を蒸発させるエバポレータと、該エバポレータを流出した冷媒の蓄積し且つ気液分離を行うと共に前記第2の熱交換器に接続されるアキュムレータとによって少なくとも構成され、前記コンプレッサの吐出側から前記膨張弁の流入側までの高圧ラインとし、前記膨張弁の流出側から前記コンプレッサの吸入側までの低圧ラインとする冷凍サイクルにおいて、前記高圧ラインに設けられ、冷媒の圧力を検出する圧力検出センサと、前記冷凍サイクルの運転時において、前記圧力検出センサの検出値から圧力の変動値を演算する圧力変動値演算手段と、該圧力変動値演算手段によって演算された変動値によって圧力が急激に低下したか否かを判定する圧力変化判定手段と、該圧力変化判定手段によって圧力が急激に低下したと判定された場合に、前記コンプレッサの稼動を停止させる稼動時安全制御手段とを具備することを特徴とする冷凍サイクルの安全装置。 【請求項4】 前記稼動時安全制御手段によって前記コンプレッサが停止した後、所定時間が経過したか否かを判定する経過時間判定手段と、該経過時間判定手段によって所定時間が経過したと判定された場合、前記圧力検出センサの検出値が所定の閾値以上であるか否かを判定する圧力判定手段と、該圧力判定手段によって、前記圧力センサの検出値が所定の閾値以上であると判定された場合には前記コンプレッサの稼動を再開すると共に、前記検出値が所定の閾値よりも小さいと判定された場合には前記コンプレッサの停止を継続する停止継続制御手段とを具備することを特徴とする請求項2又は3記載の冷凍サイクルの安全装置。 【請求項5】 外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記外気温度が前記冷媒の臨界点以上であるか否かを判定する外気温度判定手段と、該外気温度判定手段によって前記外気温度が冷媒の臨界点より低いと判定された場合、前記外気温度から冷媒の飽和圧力を演算し、この演算された飽和圧力を前記所定の閾値とする第1の閾値設定手段と、前記外気温度判定手段によって前記外気温度が冷媒の臨界点以上であると判定された場合、前記外気温度に基づいて前記所定の閾値を演算して設定する第2の閾値設定手段とを具備することを特徴とする請求項4記載の冷凍サイクルの安全装置。 【請求項6】 前記高圧ラインには、第1の高圧圧力で前記高圧ラインと前記低圧ラインとを連通する高圧制御弁が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の冷凍サイクルの安全装置。 【請求項7】 前記高圧ラインには、前記第1の高圧圧力よりも高い第2の高圧圧力で、前記高圧ラインと大気とを連通する高圧側リーク手段を具備することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の冷凍サイクルの安全装置。 【請求項8】 前記低圧ラインには、冷凍サイクルの停止時のバランス圧力よりも所定値高い圧力で、前記低圧ラインと大気とを連通する低圧側リーク手段を具備することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の冷凍サイクルの安全装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】この発明は、冷媒として二酸化炭素を用いた冷凍サイクルの安全を図る安全装置に関する。 【0002】 【従来の技術】特開平5−50843号公報に開示される車両用空気調和装置は、冷媒回路の高圧側に、異常高圧保護用の高圧圧力スイッチ及び異常低圧保護用の低圧圧力スイッチを具備し、これらのスイッチが作動したときにクラッチをオフして圧縮機を停止すると共に、さらに冷媒回路の高圧側に上記高圧圧力スイッチの作動圧力よりも低い圧力で作動する中間圧力スイッチを設け、この中間圧力スイッチが作動したときに、所定の時間圧縮機の作動を停止させるようにしたものである。したがって、前記中間圧力スイッチは、高圧圧力スイッチが作動する前に、圧縮機の稼動を所定時間停止させて、高圧圧力スイッチによる圧縮機の長時間の停止を防止し、空調フィーリングの悪化を防止するものである。 【0003】また、特開昭61−213565号公報に開示される冷凍サイクルの圧力スイッチは、冷凍サイクルの冷媒の流れを逆転させることにより暖房を行うヒートポンプ機能を有する冷凍サイクルにおいて、外気温に対する冷媒の飽和蒸気圧を演算し、前記冷凍サイクルの冷媒圧力を導き、この冷媒圧力が前記飽和蒸気圧よりも小さく、その差が一定以上となった場合に圧縮機の運転を停止するものである。したがって、前記圧力スイッチは、冷凍サイクルの冷媒圧力が外気温に応じて変化する冷媒の飽和蒸気圧と比較して小さく、その差が一定値以上となった時に、冷媒ガスが不足であると判断し、圧縮機の稼動を停止させるものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平5−50843号公報に開示された中間圧力スイッチは、高圧圧力スイッチの作動圧よりも低い圧力で作動するものであるので、冷媒漏れによる圧力の低下を検出することができないという不具合を有する。 【0005】また、特開昭61−213565号公報に開示される圧力スイッチは、検出圧力が飽和蒸気圧よりも所定値低い圧力である場合に冷媒不足を検出して、圧縮機の稼動を停止するものであるので、二酸化炭素を冷媒として使用するサイクルでは、外気温度が二酸化炭素の臨界点(約31.1℃)以下の場合では有効であるが、臨界点を超える領域では意味のないものとなってしまうという不具合を有する。 【0006】さらに、この発明においては、冷凍サイクルの冷媒として二酸化炭素を用いることから、高圧圧力が非常に高くなるために、高圧圧力に異常に対してシビアに対応する必要が生じる。 【0007】したがって、この発明は、二酸化炭素を冷媒として使用する冷凍サイクルにおいて、冷媒漏れや高圧圧力から冷凍サイクルを保護することのできる冷凍サイクルの安全装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】よって、この発明は、冷媒として二酸化炭素を用い、冷媒を圧縮するコンプレッサと、圧縮された冷媒の温度を低下させる放熱器と、該放熱器から流出する冷媒が通過する第1の熱交換器及び前記コンプレッサに吸入される冷媒が通過する第2の熱交換器からなる内部熱交換器と、前記第1の熱交換器から流出する冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、該膨張弁によって膨張した冷媒を蒸発させるエバポレータと、該エバポレータを流出した冷媒の蓄積し且つ気液分離を行うと共に前記第2の熱交換器に接続されるアキュムレータとによって少なくとも構成され、前記コンプレッサの吐出側から前記膨張弁の流入側までの高圧ラインとし、前記膨張弁の流出側から前記コンプレッサの吸入側までの低圧ラインとする冷凍サイクルにおいて、前記高圧ラインに設けられ、冷媒の圧力を検出する圧力検出センサと、前記冷凍サイクルの始動時において、前記圧力検出センサの検出値が、冷凍サイクルの停止時のバランス圧から推定される所定の圧力値以下であるか否かを判定する起動時圧力判定手段と、該起動時圧力判定手段によって、前記検出値が所定の圧力値以下であると判定された場合に、前記コンプレッサの稼動を停止させる起動時安全制御手段とを具備することにある。 【0009】これによって、この発明は、冷凍サイクルの始動時において、圧力検出センサの検出値が、冷媒サイクルの停止時のバランス圧から推定される所定の圧力値、例えばバランス圧から所定値低い値以下である場合には、冷媒が漏洩していると判断して、コンプレッサの稼動を停止するので、コンプレッサの空運転、冷媒漏れの助長等の不具合、またこれらを原因とする不具合を防止することができるものである。 【0010】また、この発明は、前記冷凍サイクルの運転時において、前記圧力検出センサの値から圧力の変動値を演算する圧力変動値演算手段と、該圧力変動値演算手段によって演算された変動値によって圧力が急激に低下したか否かを判定する圧力変化判定手段と、該圧力変化判定手段によって圧力が急激に低下したと判定された場合に、前記コンプレッサの稼動を停止させる稼動時安全制御手段とを具備することにある。 【0011】これによって、冷凍サイクルの通常運転時に、高圧圧力が急激に低下したことが判定された場合には冷媒漏れであると判断して、コンプレッサの稼動を停止することができるので、急激な冷媒漏れから冷凍サイクルを保護することができるものである。 【0012】さらに、この発明は、前記稼動時安全制御手段によって前記コンプレッサが停止した後、所定時間が経過したか否かを判定する経過時間判定手段と、該経過時間判定手段によって所定時間が経過したと判定された場合、前記圧力検出センサの検出値が所定の閾値以上であるか否かを判定する圧力判定手段と、該圧力判定手段によって、前記圧力センサの検出値が所定の閾値以上であると判定された場合には前記コンプレッサの稼動を再開すると共に、前記検出値が所定の閾値よりも小さいと判定された場合には前記コンプレッサの停止を継続する停止継続制御手段とを具備することにある。 【0013】これによって、前述した稼動時安全制御手段によるコンプレッサの停止後、所定時間経過しても、検出圧力が所定の閾値以上とならない場合には、冷媒漏れが確実であると判断してコンプレッサの稼動の停止を継続するようにしたものである。尚、前記検出圧力が所定の閾値以上に復帰した場合には、何らかの要因による短期的な圧力変動により、所定の閾値以下となったと判断して、コンプレッサの稼動を再開するものである。 【0014】さらにまた、この発明は、外気温度を検出する外気温度検出手段と、前記外気温度が前記冷媒の臨界点以上であるか否かを判定する外気温度判定手段と、該外気温度判定手段によって前記外気温度が冷媒の臨界点より低いと判定された場合、前記外気温度から冷媒の飽和圧力を演算し、この演算された飽和圧力を前記所定の閾値とする第1の閾値設定手段と、前記外気温度判定手段によって前記外気温度が冷媒の臨界点以上であると判定された場合、前記外気温度に基づいて前記所定の閾値を演算して設定する第2の閾値設定手段とを具備することにある。 【0015】これによって、この発明によれば、外気温度が冷媒、二酸化炭素の臨界点(約31.1℃)より低い場合には、外気温度から冷媒の飽和圧力を演算してこの飽和圧力を前記所定の閾値とし、外気温度が二酸化炭素の臨界点以上である場合には、外気温度から演算した所定の圧力を前記所定の閾値とするので、外気温度によって変化する冷媒の圧力等にきめこまかく対応した閾値を設定できるものである。この結果、無駄なコンプレッサ停止を抑制できるので、円滑な冷凍サイクルの稼動を得ることができるものである。 【0016】また、この発明は、前記高圧ラインに、第1の高圧圧力で前記高圧ラインと前記低圧ラインとを連通する高圧制御弁を設けたことにある。 【0017】さらに、この発明は、前記高圧ラインに、前記第1の高圧圧力よりも高い第2の高圧圧力で、前記高圧ラインと大気とを連通する高圧側リーク手段を具備することにある。尚、この高圧側リーク手段は、前記第2の高圧圧力で破裂する破裂板機構であることが望ましい。 【0018】さらにまた、この発明は、前記低圧ラインに、冷凍サイクルの停止時のバランス圧力よりも所定値高い圧力で、前記低圧ラインと大気とを連通する低圧側リーク手段を具備することにある。尚、この低圧側リーク手段は、前記バランス圧力よりも所定値高い圧力で破裂する破裂板機構であることが望ましい。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図面により説明する。 【0020】図1に示す冷凍サイクル1は、冷媒として二酸化炭素を使用し、車両用空調装置に搭載されるもので、走行用エンジン4を駆動源として電磁クラッチ3を介して駆動されるコンプレッサ2と、このコンプレッサ2の吐出側に接続される放熱器5と、この放熱器5の流出側に接続される第1の熱交換器6及び前記コンプレッサ2の吸入側に接続される第2の熱交換器7からなる内部熱交換器8と、前記第1の熱交換器6の流出側に接続される膨張弁9と、この膨張弁9の流出側に接続されるエバポレータ11と、該エバポレータ11と前記第2の熱交換器7の間に接続されるアキュムレータ12とによって少なくとも構成されるものである。尚、前記コンプレッサ2の吐出側から前記膨張弁9の流入側までを高圧ライン13とし、前記膨張弁9の流出側から前記コンプレッサ2の吸入側までを低圧ライン14とする。 【0021】前記冷凍サイクル1の高圧ライン13には、前記膨張弁9に平行に配され、所定の圧力(例えば、約11MPa〜12MPa)で高圧ライン13と低圧ライン14とを連通する圧力調整弁10と、前記所定の圧力より大きい圧力(例えば、14MPa)で破裂する破裂板を有する高圧側破裂板機構15と、前記高圧ラインの圧力を検出する圧力検出センサ17とが設けられる。また、低圧ライン14には、コンプレッサ2の停止時の高圧ライン13及び低圧ライン14のバランス圧(約5〜6MPa)よりも所定値大きい圧力(例えば、8MPa)で破裂する破裂板を有する低圧側破裂板機構16が設けられる。前記高圧側破裂板器機構15及び低圧側破裂板機構16は、破裂板が破裂することによって冷媒が大気中に放出されるようになっているものである。 【0022】以上の構成の冷凍サイクル1において、電磁クラッチ3が投入されることによってコンプレッサ2が稼動し、気相冷媒が超臨界領域まで圧縮される。そして、この高圧高温の気相冷媒は放熱器5で放熱して冷却され、さらに内部熱交換器8において、コンプレッサ2に吸引される低圧低温の気相冷媒と熱交換して冷却され、膨張弁9にて気液混合領域まで圧力が下げられる。そして、この気液混合状態の冷媒は、エバポレータ11にてこのエバポレータ11を通過する空気を熱を奪って蒸発し気相冷媒となる。アキュムレータ12は、冷凍サイクル1を循環する冷媒量を調整すると共に、前記エバポレータ11で蒸発できなかった液相冷媒を気相冷媒から分離して収納する。前記アキュムレータ12にて気液分離された気相冷媒は、内部熱交換器8にて高温高圧の冷媒と熱交換して過熱され、コンプレッサ2に吸引されるものである。これによって、エバポレータ11にて熱を吸引し、放熱器5にて放熱する冷凍サイクル1が構成されるものである。 【0023】また、上記冷凍サイクル1を制御するために、コントロールユニット(C/U)21が設けられる。このコントロールユニット21は、少なくとも図示しない中央演算処理装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート(I/O)等から構成されるそれ自体公知のもので、前記圧力検出センサ17からの検出信号及び外気温度検出センサ18からの検出信号がマルチプレクサ(MPX)19及びA/D変換器20を介して入力され、これらの検出信号を所定のプログラムにしたがって加工した後、前記電磁クラッチ3を制御する制御信号として出力するものである。 【0024】以下、前記コントロールユニット21で実行される安全制御の一例を、図2乃至図4で示すフローチャートにしたがって説明する。ステップ100から開始される安全制御は、例えば車両用空調装置(エアコン)の制御の根幹をなすメイン制御ルーチンから定期的に開始されるもので、ステップ110で圧力検出センサ17からの検出値Pspが入力され、ステップ120において、A/C(エアコン)運転時か否かの判定が行われる。このA/C運転時はエアコンが運転中か否かを示すもので、コンプレッサ2の稼動の有無を判定するものである。そして、エアコンが運転時である場合には、ステップ130に進んでA/C(エアコン)始動時であるか否かが判定される。この判定において、エアコン始動時であると判定された場合には、ステップ140以下の初期安全制御が実行され、エアコン始動時でない場合にはA連結子18を介してエアコンの通常運転時の安全制御に移行する。尚、上記ステップ120の判定において、エアコンの運転時でない場合には、ステップ170を介してメイン制御ルーチンに回帰する。 【0025】前記ステップ130の判定においてエアコン始動時であることが判定された場合、ステップ140に進んで前記圧力検出センサ17の検出値Pspが冷媒温度0℃の飽和圧力Psao (約3.7MPa)以下であるか否かの判定を行う。この判定において、前記飽和圧力Psao 以下である場合には、ステップ160に進んでコンプレッサ2を停止(電磁クラッチ3への通電を遮断)してコンプレッサ2への液戻りを防止する。 【0026】また、前記ステップ140の判定において前記検出値Pspが前記飽和圧力Psao より大きい場合には、ステップ150に進んで所定値α以上であるか否かの判定を行う。この所定値αは、冷凍サイクル1の停止時における高圧ライン13と低圧ライン14のバランス圧(5〜6MPa)より所定値低い値α(3〜4MPa)を設定し、この値αよりも低い場合には、冷媒漏れが想定されるとしてステップ160に進み、コンプレッサ2を停止させて、ステップ170から前記メイン制御ルーチンに回帰するようになっている。また、前記ステップ160の判定において検出値Pspが前記値αより高い場合には、ステップ170から前記メイン制御ルーチンに回帰し、コンプレッサ2の稼動は継続されるものである。 【0027】そして、初期安全制御の終了後は、エアコン起動初期時でないので、前記ステップ130からA連結子180を介して図3に示す通常運転時の安全制御に移行する。この通常運転時の安全制御は、先ずステップ190において所定時間における前記検出値Pspの変動値ΔPspを下記する数式(1)によって演算する。 【0028】 ΔPsp=Psp(n)−Psp(n−1)・・・(1) 【0029】そして、ステップ200において、低圧カットの仕様値であるカット圧力Pthを外気温度Taに基づいて図4に示すフローチャートにより演算する。 【0030】ステップ210において入力された外気温度Taは、ステップ220において二酸化炭素の臨界点Tcp(約31.1℃)と比較され、前記臨界点Tcpより低いと判定された場合には、ステップ230に進んで、飽和圧力Psaを演算する。この飽和圧力Psaは、二酸化炭素のモリエル線図から求めることができる。そして、この飽和圧力Psaをステップ240において前記カット圧力Pthとして設定し、ステップ260から図3に示す通常運転時の安全制御に戻る。また、ステップ220の判定において、外気温度Taが臨界点Tcp以上であると判定された場合には、ステップ250に進んで、外気温度Taから関数F(Ta)に基づいてカット圧力Pthを演算設定し、ステップ260から図3に示す通常運転時の安全制御に戻る。 【0031】そして、ステップ270において、下記するステップ310においてタイマフラグ(TIMERFLAG) に“1”が設定されているか否かの判定を行う。最初にこのステップ270を通過する場合には、“1”が設定されていないので、ステップ280に進んで前記ステップ190で演算された変動値ΔPspが圧力が下がる方向に大きく変動したか否か(ΔPth≦−β?)を判定する。これによって、変動値ΔPthが−βよりも小さい場合、いわゆるマイナス方向に大きく変動した場合には、冷媒漏れの危険性があるとしてステップ290に進んでコンプレッサ2を停止し、ステップ300にてタイマtをスタートさせ、タイマフラグ(TIMERFLAG)に“1”を設定してコンプレッサ2が停止してタイマtがスタートしたことを示す。 【0032】そして、ステップ320で前記タイマtが所定時間Tset 以上となったか否かを判定し、所定時間未満の場合にはステップ350からメイン制御ルーチンに回帰する。そして、安全制御は、タイマフラグに“1”が設定されていることによって、ステップ320においてタイマtが所定時間Tset 以上となるまで、ステップ270からステップ320へ迂回するルートを辿り、ステップ320の判定において、所定時間Tset が所定時間Tset 以上となって所定時間が経過した場合、ステップ330に進んで検出値Pspが前記カット圧Pth以上となったか否かが判定される。 【0033】この判定において、圧力検出センサ17の検出値Pspが前記カット圧Pth以上に復帰した場合には、前述した圧力変動が冷媒漏れではなく一時的な圧力変動であると判定して、ステップ340に進んでコンプレッサ2の稼動を開始し、ステップ350からメイン制御ルーチンに回帰する。また、前記ステップ330の判定において前記カット圧Pth以上とならない場合には、冷媒漏れが確実であるとしてコンプレッサ2の停止を継続し、ステップ350からメイン制御ルーチンに回帰するものである。 【0034】これによって、停止時の冷媒漏れ及び稼動時の冷媒漏れを確実に発見して冷凍サイクルの稼動を停止することができるものである。 【0035】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、始動時の圧力が所定値以下である場合にはコンプレッサを停止するために、冷媒不足の状態で冷凍サイクルが駆動することがないので、コンプレッサの空回りや冷媒漏れに拍車をかけることを防止できるものである。 【0036】また、冷凍サイクルの稼動時には、圧力の変動値を演算し、この変動値がマイナス方向に大きい場合に冷媒漏れと判定してコンプレッサを停止するために、冷媒漏れのまま冷凍サイクルが稼動されることを防止することができるものである。さらに、前記変動値の変動が一時的なものであるか否かを判定し、一時的なものの場合には、コンプレッサを再稼動させるようにしたので、空調フィーリングの低下を抑制することができるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003333 【氏名又は名称】株式会社ボッシュオートモーティブシステム
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| 【出願日】 |
平成11年5月11日(1999.5.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069073 【弁理士】 【氏名又は名称】大貫 和保 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−320936(P2000−320936A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月24日(2000.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−130132 |
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