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【発明の名称】 冷媒自然循環併用式空調機及びその運転制御方法
【発明者】 【氏名】厚東 良和

【氏名】細江 義久

【氏名】戸倉 伯之

【要約】 【課題】自然循環サイクルによる冷房運転の際に、凝縮器と蒸発器の間を接続する液配管において冷媒液柱を安定して形成して、効率的な自然循環サイクルによる冷房運転ができるようにした冷媒自然循環併用式空調機を提供すること。

【解決手段】圧縮機冷凍サイクルによる冷房運転と、冷媒の相変化を利用し重力の作用により冷媒を循環させる自然循環サイクルによる冷房運転とを切替運転可能な冷媒自然循環併用式空調機において、凝縮器2と蒸発器1の間を液配管15とガス配管16を介して接続して冷媒回路を構成するとともに、ガス配管16に対して並列に電磁弁8、アキュムレータ4及び圧縮機3を配設した圧縮機回路19を分岐接続し、この圧縮機回路19の圧縮機3の出口位置に逆止弁7を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機冷凍サイクルによる冷房運転と、冷媒の相変化を利用し重力の作用により冷媒を循環させる自然循環サイクルによる冷房運転とを切替運転可能な冷媒自然循環併用式空調機において、凝縮器と蒸発器の間を液配管とガス配管を介して接続して冷媒回路を構成するとともに、前記ガス配管に対して並列に電磁弁、アキュムレータ及び圧縮機を配設した圧縮機回路を分岐接続し、該圧縮機回路の圧縮機の出口位置に逆止弁を設けたことを特徴とする冷媒自然循環併用式空調機。
【請求項2】 凝縮器と蒸発器の間を接続する液配管の凝縮器の出口位置の水平管部に受液器及びその後にサイトグラスを設けたことを特徴とする請求項1記載の冷媒自然循環併用式空調機。
【請求項3】 圧縮機冷凍サイクルによる冷房運転と、冷媒の相変化を利用し重力の作用により冷媒を循環させる自然循環サイクルによる冷房運転とを外気温により適宜切替運転する冷媒自然循環併用式空調機の運転制御方法において、圧縮機冷凍サイクル運転後、電磁弁、アキュムレータ、圧縮機及び逆止弁を配設した圧縮機回路の電磁弁を閉じた状態で、圧縮機をしばらく運転し、アキュームレータに滞留している冷媒を追い出した後に、自然循環サイクル運転に切り替えるようにしたことを特徴とする冷媒自然循環併用式空調機の運転制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒自然循環併用式空調機及びその運転制御方法に関し、特に、簡単な構成で、圧縮機冷凍サイクル運転と自然循環サイクル運転とを円滑に切り替えて運転することができるようにした冷媒自然循環併用式空調機及びその運転制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話の無線基地局、コンピュータ室等においては、室内に設置した発熱源となる設備機器が、正常に稼働するように、室内を夏期、冬期の関係なく年間を通じて空調し、設定温度に保持するようにしている。そして、これらの携帯電話の無線基地局、コンピュータ室等は、室内温度を設定温度に保ち、かつ冷房運転を効率に行えるように、部屋の壁体、特に、外気と接する外壁を断熱壁で囲うようにしている。
【0003】このように、部屋の外壁を断熱壁とすれば、室内の断熱性は向上するものの、室内に存在する設備機器から発生した熱は、冬期あるいは夜間など室外温度が下がっても室外に放散され難いため、年間を通じて冷房運転を行う必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、携帯電話の無線基地局、コンピュータ室等に設置される空調機は、室外機が室内機よりも上方位置に設置された場合、冷媒の相変化を利用し重力の作用により冷媒を循環させる自然循環サイクルによる冷房運転が可能となるため、夏期等室外温度が室内温度よりも高い場合には、圧縮機冷凍サイクルによる冷房運転を行い、冬期や夜間等室外温度が室内温度よりも低い場合には、圧縮機を停止して冷媒自然循環サイクルによる冷房運転を行うようにしている。
【0005】このように圧縮機を運転しない自然循環サイクルでの運転は、経済性が良く、省エネルギに貢献するが、この自然循環サイクル併用式空調機においては、凝縮器で凝縮された冷媒液が液配管を一気に流れ落ち、凝縮器と蒸発器の間を接続する液配管において冷媒液柱が形成されにくくなり、冷媒循環駆動力が低下するという問題があった。
【0006】本発明は、上記従来の冷媒自然循環併用式空調機の有する問題点に鑑み、自然循環サイクルによる冷房運転の際に、凝縮器と蒸発器の間を接続する液配管において冷媒液柱を安定して形成して、効率的な自然循環サイクルによる冷房運転ができるようにした冷媒自然循環併用式空調機及びその運転制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の冷媒自然循環併用式空調機は、圧縮機冷凍サイクルによる冷房運転と、冷媒の相変化を利用し重力の作用により冷媒を循環させる自然循環サイクルによる冷房運転とを切替運転可能な冷媒自然循環併用式空調機において、凝縮器と蒸発器の間を液配管とガス配管を介して接続して冷媒回路を構成するとともに、前記ガス配管に対して並列に電磁弁、アキュムレータ及び圧縮機を配設した圧縮機回路を分岐接続し、該圧縮機回路の圧縮機の出口位置に逆止弁を設けたことを特徴とする。
【0008】この冷媒自然循環併用式空調機は、ガス配管に対して並列に電磁弁、アキュムレータ及び圧縮機を配設した圧縮機回路を分岐接続し、圧縮機回路の圧縮機の出口位置に逆止弁を設けるようにしているので、自然循環サイクル冷房運転の際に、圧縮機回路、特に、アキュムレータに滞留している冷媒を追い出すとともに、圧縮機回路を遮断することにより、冷媒が不足することを防止し、凝縮器と蒸発器の間を接続する液配管において冷媒液柱を安定して形成することができる。
【0009】この場合において、凝縮器と蒸発器の間を接続する液配管の凝縮器の出口位置の水平管部に受液器及びその後にサイトグラスを設けることができる。
【0010】これにより、凝縮器と蒸発器の間を接続する液配管の凝縮器の出口位置の水平管部に設けた受液器にて冷媒液を一時貯留して冷媒液柱を安定して形成することができるとともに、受液器の後に設けたサイトグラスを通して形成されている冷媒液柱を目視にて容易に確認することができ、自然循環サイクルによる冷房運転を確実に行うことができる。
【0011】また、同じ目的を達成するため、本発明の冷媒自然循環併用式空調機の運転制御方法は、圧縮機冷凍サイクルによる冷房運転と、冷媒の相変化を利用し重力の作用により冷媒を循環させる自然循環サイクルによる冷房運転とを外気温により適宜切替運転する冷媒自然循環併用式空調機の運転制御方法において、圧縮機冷凍サイクル運転後、電磁弁、アキュムレータ、圧縮機及び逆止弁を配設した圧縮機回路の電磁弁を閉じた状態で、圧縮機をしばらく運転し、アキュームレータに滞留している冷媒を追い出した後に、自然循環サイクル運転に切り替えるようにしたことを特徴とする。
【0012】この冷媒自然循環併用式空調機の運転制御方法は、圧縮機冷凍サイクル運転後、電磁弁、アキュムレータ、圧縮機及び逆止弁を配設した圧縮機回路の電磁弁を閉じた状態で、圧縮機をしばらく運転し、アキュームレータに滞留している冷媒を追い出した後に、自然循環サイクル運転に切り替えるようにしているので、自然循環サイクル冷房運転の際に、圧縮機回路、特に、アキュムレータに滞留している冷媒を追い出すとともに、圧縮機回路を遮断することにより、冷媒が不足することを防止し、凝縮器と蒸発器の間を接続する液配管において冷媒液柱を安定して形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の冷媒自然循環併用式空調機及びその運転制御方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】図1は、本発明の冷媒自然循環併用式空調機におけるサイクル系統図の一実施例を示す。この冷媒自然循環併用式空調機は、携帯電話の無線基地局、コンピュータ室等の室内を夏期、冬期の関係なく年間を通じて空調し、設定温度に保持するために適したもので、室外機(室外ユニット17)を、室内機(室外ユニット18)よりも上方位置に設置し、室内ユニット18内の蒸発器1と室外ユニット17の凝縮器2の間を、液配管15とガス配管16にて接続して、冷媒が、蒸発器1と凝縮器2の間を循環するように冷媒回路を構成し、冷媒の相変化を利用し重力の作用により冷媒を循環させる自然循環サイクルによる冷房運転が可能とし、夏期等室外温度が室内温度よりも高い場合には、圧縮機冷凍サイクルによる冷房運転を行い、冬期や夜間等室外温度が室内温度よりも低い場合には、圧縮機3を停止して冷媒自然循環サイクルによる冷房運転を行うようにしたものである。
【0015】この場合において、室外ユニット17には、室外ファン14にて熱交換可能とした凝縮機2並びに圧縮機3、アキュムレータ4、逆止弁7、電磁弁8,9及び室外ファン14を備える。
【0016】このうち、蒸発器1と凝縮器2間を接続する冷媒回路の一部を構成するガス配管16は、その途中を分岐してガス配管16と並列に圧縮機3を経る圧縮機回路19を形成する。この圧縮機3を経る圧縮機回路19には、電磁弁8、アキュムレータ4、圧縮機3及び逆止弁7を直列に順に配設し、ガス配管16に接続するようにする。そして、圧縮機回路19に配設した電磁弁8とガス配管16に配設した電磁弁9を、適宜切り替えることにより、圧縮機冷凍サイクル運転と自然循環サイクル運転を選択的に行うようにする。
【0017】一方、室内ユニット18は、室内ファン13にて熱交換することにより、主として、室内空気を冷却するようにした蒸発器1並びに電磁弁10、ストレーナ11及び減圧装置12を備える。この場合、電磁弁10を、凝縮器2と蒸発器1間を接続する液配管15に接続し、これと並列にストレーナ11と減圧装置12とを配置(ストレーナ11と減圧装置12とは直列に接続する。)し、これにより、電磁弁10を切り替えることにより、圧縮機冷凍サイクル運転と自然循環サイクル運転を行う際に、冷媒の流路を変更するようにする。
【0018】また、凝縮器2と蒸発器1の間を接続する液配管15の凝縮器2の出口位置の水平管部15aに受液器5及びその後にサイトグラス6を配設し、これにより、受液器5にて冷媒液を一時貯留して冷媒液柱を安定して形成することができるようにするとともに、この受液器5の後に設けたサイトグラス6を通して形成されている冷媒液柱を目視にて容易に確認することができるようにする。
【0019】次に、この冷媒自然循環併用式空調機の運転制御方法について説明する。図1のサイクル系統図において、夏期等室外温度が室内温度よりも高い場合には、自然循環サイクル運転によっては、冷媒を循環させることができないので、圧縮機冷凍サイクル運転による冷房運転を行う。この圧縮機冷凍サイクル運転は、図1において、点線の矢印で示した経路で冷媒が循環する。すなわち、圧縮機冷凍サイクル運転の際、電磁弁9及び電磁弁10が閉じられ、凝縮器2で凝縮された冷媒液は、液配管15に配設した受液器5及びサイトグラス6並びに室内ユニット18のストレーナ11及び減圧装置12を経て蒸発器1に導入され、ここで冷媒液は熱交換によりガス化される。このガス化された冷媒は、電磁弁9が閉じられているので、ガス配管16から分岐された圧縮機回路19に流入し、電磁弁8、アキュムレータ4、圧縮機3及び逆止弁7を経て凝縮器2へ導入される。
【0020】一方、冬期や夜間等室外温度が室内温度よりも低い場合には、反対に、冬期、夜間等の室外温度が室内温度よりも低い場合は、自然循環サイクル運転による冷房運転を行う。この自然循環サイクル運転は、図1において、実線の矢印で示した経路で冷媒が循環する。すなわち、圧縮機冷凍サイクル運転の際、電磁弁8が閉じられ、凝縮器2で凝縮された冷媒液は、液配管15に配設した受液器5及びサイトグラス6並びに室内ユニット18の電磁弁10を経て蒸発器1に導入され、ここで冷媒液は熱交換によりガス化される。このガス化された冷媒は、電磁弁8が閉じられているので、ガス配管16から直接凝縮器2へ導入される。
【0021】この場合において、圧縮機冷凍サイクルによる冷房運転から冷媒の相変化を利用し重力の作用により冷媒を循環させる自然循環サイクルによる冷房運転に切り替える際、圧縮機冷凍サイクル運転後、電磁弁8、アキュムレータ4、圧縮機3及び逆止弁7を配設した圧縮機回路19の電磁弁8を閉じた状態で、圧縮機3をしばらく運転し、アキュームレータ4に滞留している冷媒を追い出した後に、自然循環サイクル運転に切り替えるようにする。これにより、自然循環サイクル冷房運転の際に、圧縮機回路19、特に、アキュムレータ4に滞留している冷媒を追い出すとともに、圧縮機回路19を遮断することにより、冷媒が不足することを防止し、凝縮器2と蒸発器1の間を接続する液配管15において冷媒液柱を安定して形成することができるものとなる。
【0022】そして、自然循環サイクル運転においては、凝縮器2を出た冷媒液が、一旦、受液器5に入り、冷媒液柱が形成されて、液配管15を流下するようになるので、自然循環サイクルが形成されるに必要な冷媒循環駆動力が確実に確保される。また、凝縮器2を出た冷媒液が、受液器5に入り、冷媒液柱が確実に形成されているか否かをサイトグラス6を通して目視にて容易に確認することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明の冷媒自然循環併用式空調機及び冷媒自然循環併用式空調機の運転制御方法によれば、ガス配管に対して並列に電磁弁、アキュムレータ及び圧縮機を配設した圧縮機回路を分岐接続し、圧縮機回路の圧縮機の出口位置に逆止弁を設け、圧縮機冷凍サイクル運転後、電磁弁、アキュムレータ、圧縮機及び逆止弁を配設した圧縮機回路の電磁弁を閉じた状態で、圧縮機をしばらく運転し、アキュームレータに滞留している冷媒を追い出した後に、自然循環サイクル運転に切り替えるようにしているので、自然循環サイクル冷房運転の際に、圧縮機回路、特に、アキュムレータに滞留している冷媒を追い出すとともに、圧縮機回路を遮断することにより、冷媒が不足することを防止し、凝縮器と蒸発器の間を接続する液配管において冷媒液柱を安定して形成して、効率的な自然循環サイクルによる冷房運転を円滑に行うことができる。
【0024】また、凝縮器と蒸発器の間を接続する液配管の凝縮器の出口位置の水平管部に受液器及びその後にサイトグラスを設けることにより、凝縮器と蒸発器の間を接続する液配管の凝縮器の出口位置の水平管部に設けた受液器にて冷媒液を一時貯留して冷媒液柱を安定して形成することができるとともに、受液器の後に設けたサイトグラスを通して形成されている冷媒液柱を目視にて容易に確認することができ、自然循環サイクルによる冷房運転を確実に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】399048917
【氏名又は名称】株式会社日立空調システム
【出願日】 平成11年5月7日(1999.5.7)
【代理人】 【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治 (外1名)
【公開番号】 特開2000−320913(P2000−320913A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−126771