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【発明の名称】 冷凍装置
【発明者】 【氏名】中田 浩

【氏名】阪上 功

【要約】 【課題】冷凍装置の運転条件、冷凍装置周囲の環境条件、冷凍装置内の冷媒量の影響を受けることなく、冷媒圧縮機に確実に冷却用の液冷媒が供給されて冷媒圧縮機の故障に至らない冷凍装置を提供すること。

【解決手段】この冷凍装置では、冷媒圧縮機1、冷媒圧縮機1から吐出された冷媒を凝縮させる空冷式凝縮器2、空冷式凝縮器2に送風する送風機3、空冷式凝縮器2で凝縮した液冷媒を一時貯留する液溜4、冷媒圧縮機2の吸込側に配備された気液分離器7、液溜4の下部から冷媒圧縮機1へ連通する液インジェクション回路5、および、これらを収納する本体ケーシング25を備えている。本体ケーシング25内には、空冷式凝縮器2、送風機3、および液溜4を収納する風路室Nが形成されている。そして、液インジェクション回路5は風路室N内に配備されて送風機3からの送風を受けるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒圧縮機、上記冷媒圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させる空冷式凝縮器、上記空冷式凝縮器に送風する送風機、上記空冷式凝縮器で凝縮した液冷媒を一時貯留する液溜、上記冷媒圧縮機の吸込側に配備された気液分離器、上記液溜の下部から上記冷媒圧縮機へ連通する液インジェクション回路、および、これらを収納する本体ケーシングを備え、上記本体ケーシング内に、上記空冷凝縮器、上記送風機、および上記液溜を収納する風路室が形成されている冷凍装置において、上記液インジェクション回路を上記風路室内に配備して上記送風機からの送風を受けるように構成したことを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】 冷媒圧縮機、上記冷媒圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させる空冷式凝縮器、上記空冷式凝縮器に送風する送風機、上記空冷式凝縮器で凝縮した液冷媒を一時貯留する液溜、上記冷媒圧縮機の吸込側に配備された気液分離器、上記液溜の下部から上記冷媒圧縮機へ連通する液インジェクション回路、および、これらを収納する本体ケーシングを備え、上記本体ケーシング内に、上記空冷凝縮器、上記送風機、および上記液溜を収納する風路室が形成されている冷凍装置において、上記液溜および上記液インジェクション回路を上記冷媒圧縮機よりも上方位置に配置したことを特徴とする冷凍装置。
【請求項3】 冷媒圧縮機、上記冷媒圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させる空冷式凝縮器、上記空冷式凝縮器に送風する送風機、上記空冷式凝縮器で凝縮した液冷媒を一時貯留する液溜、上記冷媒圧縮機の吸込側に配備された気液分離器、上記液溜の下部から上記冷媒圧縮機へ連通する液インジェクション回路、および、これらを収納する本体ケーシングを備え、上記本体ケーシング内に、上記空冷凝縮器、上記送風機、および上記液溜を収納する風路室が形成されている冷凍装置において、上記液溜からの液インジェクション回路を上記気液分離器内に熱交換可能に貫通させたのち上記冷媒圧縮機へ連通させたことを特徴とする冷凍装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばスーパーマーケットのショーケース、冷蔵庫、冷凍庫などに用いられる冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は実開平2−5313号公報に開示された従来の冷凍装置を示す冷媒配管系統図である。図中、1は冷媒圧縮機、2は空冷式凝縮器、4は液溜、5は液溜4の下部と冷媒圧縮機1とを連通し冷媒圧縮機1を冷却するために液冷媒を供給する液インジェクション回路、6は液インジェクション回路5の途中に配備されて冷媒流量を制御するキャピラリチューブ、23は減圧装置、24は蒸発器、8は減圧装置23および蒸発器24へ液冷媒を送出する主液管、21,22は冷媒を送出するための配管である。
【0003】次に動作について説明する、冷媒圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、冷媒配管21を通って空冷式凝縮器2で凝縮して液化する。液化した冷媒は液溜4にいったん収容された後、液管8を通り、減圧装置23で減圧されて気液二相の状態となり、蒸発器24で外気と熱交換し負荷を冷却する。蒸発器24で外気と熱交換した冷媒はガス化して再び冷媒圧縮機1へ戻り、上記のようなサイクルを繰り返す。一方、液溜4の下部から液インジェクション回路5を経て取り出された液冷媒はキャピラリチューブ6を通り、冷媒圧縮機1へと流入する。これにより、冷媒圧縮機1の吐出ガス温度上昇が抑制され、適正な運転が可能とされる。特に、冷凍装置の周囲温度が+40℃くらいと高い時、また、冷媒圧縮機1の吸込ガス密度が低い時(例えば、−40℃の過熱ガス冷媒)には吐出ガス温度が上昇しやすく冷媒圧縮機1の故障原因にもなり得るため、液インジェクションによる冷却は有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7の如く、液インジェクション回路5に供給される液冷媒は液溜4の下部から取出されるが、運転条件、冷凍装置周囲の環境条件、冷凍装置内の冷媒量によっては冷媒圧縮機1に安定して液冷媒が供給されない場合もある。つまり、冷媒が液とガスの混合状態で冷媒圧縮機1に供給される場合などである。特に、現地工事において冷媒が封入される冷凍装置(例えば、いわゆるコンデンシングユニット)では、接続配管長や負荷側機器容量によって適正冷媒量が異なるため、冷媒量に不安定さが発生しやすい。従って、液インジェクション回路5に液冷媒が供給されず、冷媒圧縮機1の吐出ガス温度が上昇するといったことがあり、冷媒圧縮機1の故障に至るおそれがある。
【0005】この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、冷凍装置の運転条件、冷凍装置周囲の環境条件、冷凍装置内の冷媒量の影響を受けることなく、冷媒圧縮機に確実に冷却用の液冷媒が供給されて冷媒圧縮機の故障に至らない冷凍装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、この発明に係る冷凍装置は、冷媒圧縮機、冷媒圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させる空冷式凝縮器、空冷式凝縮器に送風する送風機、空冷式凝縮器で凝縮した液冷媒を一時貯留する液溜、冷媒圧縮機の吸込側に配備された気液分離器、液溜の下部から冷媒圧縮機へ連通する液インジェクション回路、および、これらを収納する本体ケーシングを備え、本体ケーシング内に、空冷式凝縮器、送風機、および液溜を収納する風路室が形成されている冷凍装置において、液インジェクション回路を風路室内に配備して送風機からの送風を受けるように構成したものである。
【0007】また、冷媒圧縮機、冷媒圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させる空冷式凝縮器、空冷式凝縮器に送風する送風機、空冷式凝縮器で凝縮した液冷媒を一時貯留する液溜、冷媒圧縮機の吸込側に配備された気液分離器、液溜の下部から冷媒圧縮機へ連通する液インジェクション回路、および、これらを収納する本体ケーシングを備え、本体ケーシング内に、空冷式凝縮器、送風機、および液溜を収納する風路室が形成されている冷凍装置において、液溜および液インジェクション回路を冷媒圧縮機よりも上方位置に配置したものである。
【0008】そして、冷媒圧縮機、冷媒圧縮機から吐出された冷媒を凝縮させる空冷式凝縮器、空冷式凝縮器に送風する送風機、空冷式凝縮器で凝縮した液冷媒を一時貯留する液溜、冷媒圧縮機の吸込側に配備された気液分離器、液溜の下部から冷媒圧縮機へ連通する液インジェクション回路、および、これらを収納する本体ケーシングを備え、本体ケーシング内に、空冷式凝縮器、送風機、および液溜を収納する風路室が形成されている冷凍装置において、液溜からの液インジェクション回路を気液分離器内に熱交換可能に貫通させたのち冷媒圧縮機へ連通させたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】引続き、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
発明の実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による冷凍装置(コンデンシングユニットの一例)を示したものである。また、図2は発明の実施の形態1に係る冷凍サイクルの冷媒配管系統を示す図である。図1において、1は冷媒圧縮機、2は冷媒圧縮機1から吐出された冷媒を凝縮させる空冷式凝縮器、3は空冷式凝縮器2に送風する送風機、4は空冷式凝縮器2で凝縮した液冷媒を一時貯留する液溜、5は液溜4の下部から冷媒圧縮機1へ連通し冷媒圧縮機1を冷却するために液冷媒を供給する液インジェクション回路、6は液インジェクション回路5の途中に配備されて冷媒流量を制御するためのキャピラリチューブ、7は冷媒圧縮機1の吸込側に配備された気液分離器、8は液溜4から蒸発器24(図2参照)へ液冷媒を送出する主液管である。また、10〜19は上記した各部品1〜9を同一ケーシング内に収納するための外装パネルであり、これらの外装パネル10〜19から本体ケーシング25が組み立てられる。かかる本体ケーシング25内には、空冷式凝縮器2、送風機3、液溜4などを収納する風路室Nと、冷媒圧縮機1、キャピラリチューブ6、気液分離器7などを収納する機械室Mとが、仕切板9で区画して形成されている。尚、液インジェクション回路5は風路室N内に配備されていて送風機3からの送風を受けるように成っている。また、図2において、20は液インジェクション回路5の途中に配備された電磁弁であり、冷凍装置の運転・停止に連動するものである。
【0010】この実施の形態1に係る冷凍装置は上記のように構成されている。引続き、この冷凍装置の動作を説明する。冷媒圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、吐出配管21を通り空冷式凝縮器2で凝縮して液化する。液化した冷媒は液溜4にいったん収容された後、主液管8を通り、負荷側の減圧装置23で減圧されて気液二相の状態となり、蒸発器24で空気と熱交換して負荷を冷却する。蒸発器24で空気と熱交換した冷媒はガス化したのち、負荷側から戻って気液分離器7を通り、再び冷媒圧縮機1へ吸入されて、上記のようなサイクルを繰り返す。そして、冷凍装置の運転・停止の際に連動する電磁弁20は運転中であれば開かれる。これにより、液溜4の下部から取り出された液冷媒は風路室N内で直立に配置された液インジェクション回路5を通り、更に機械室Mにある流量制御用のキャピラリチューブ6を通って冷媒圧縮機1へ流入する。この時、液インジェクション回路5は送風機3によって風路室N内で生じる空気の流れを受けるため、回路5内の冷媒が冷却される。なぜならば、風路室N内の液インジェクション回路5近傍の空気は、空冷式凝縮器2外にある吸込空気の温度(冷凍装置の周囲温度)よりも温度上昇しているが、空冷式凝縮器2で熱交換された後であるので液インジェクション回路5内の冷媒温度よりは低いからである。そのため、液インジェクション回路5内の冷媒は確実に空気からの冷熱を受けることが可能となる。
【0011】かかる冷却効果により、運転条件、冷凍装置周囲の環境条件、冷凍装置内の封入冷媒量の不安定さの影響を受けて液・ガス混合冷媒が液インジェクション回路5内に流れたような場合でも、確実に冷媒を過冷却液状態として冷媒圧縮機1に流入させることができる。従って、冷媒圧縮機1の吐出ガス温度上昇が抑制され、冷媒圧縮機1の故障を防ぐことができて適正な運転が可能となる。そして、この実施形態に係る本体ケーシング25の風路室Nは縦長に形成されているが、液インジェクション回路5を直立配置にしたことで液インジェクション回路5の風受面積を大きくとれるので、冷媒を十分に冷却できる。
【0012】尚、この実施の形態では液インジェクション回路5の配管を直立に配置したが、本発明にいう液インジェクション回路は風路室N内に配備されて送風機3からの送風を受けるように構成されていれば直立配置に限るものでなく、水平配置や斜め配置でも構わない。
【0013】発明の実施の形態2.この実施の形態2は実施の形態1とは異なった構造で冷媒圧縮機1に確実に冷却用の液冷媒を供給するようにした形態である。すなわち、図3に示すように、冷媒圧縮機1へ連通する液インジェクション回路5および液溜4が冷媒圧縮機1よりも上方位置に配置されている。また、冷媒圧縮機1、液溜4、液インジェクション回路5、キャピラリチューブ6は共通の機械室M内に収納されている。上記構成における液インジェクション回路5内は液冷媒が流通し、液冷媒はガス冷媒よりも密度が高い。そのうえ、液インジェクション回路5が液溜4の下部に接続されているので、液冷媒は重力作用により液インジェクション回路5を通って確実に下方へ落下し冷媒圧縮機1へ流入する。従って、冷媒圧縮機1の吐出ガス温度上昇が抑制され、冷媒圧縮機1の故障を防いで適正な運転が可能となる。また、冷媒圧縮機1、液溜4、液インジェクション回路5、およびキャピラリチューブ6は互いに関連し合う機器類であるので、これらが同一の機械室M内に収納されたことにより、機器相互を接続する配管がシンプルで短くて済むため、配管コストが安くなり、配管外からの熱の影響を受けにくくなる。
【0014】発明の実施の形態3.この実施の形態3では、図4および図5に示すように、液溜4からの液インジェクション回路5が気液分離器7の底部に挿入部7aから挿入されて取出部7bから取り出されている。すなわち、液インジェクション回路5は気液分離器7内に熱交換可能に貫通したのち冷媒圧縮機1へ連通している。通常、気液分離器7の内部は、運転条件にもよるが、低温の冷媒ガス(例えば、温度で−10〜−40℃程度)で満たされている。因みに、実施の形態1は液インジェクション回路5を風路室N内に配備して空気の流れにより液インジェクション回路5を冷却する構造であったが、この実施の形態3によれば気液分離器7内部の冷熱による冷却作用で、液インジェクション回路5内の液冷媒を確実に過冷却状態として冷媒圧縮機1に流入させることができる。そのため、実施の形態1と同等の効果を期待できるのである。
【0015】
【発明の効果】この発明は以上詳述したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。すなわち、液溜の下部から冷媒圧縮機へ連通する液インジェクション回路を風路室内に配備し送風機からの送風を受けて液インジェクション回路内の冷媒を冷却する構成にしたものである。かかる構成を採用したことにより、運転条件、冷凍装置周囲の環境条件、冷凍装置内の封入冷媒量の不安定さの影響を受けて液・ガス混合冷媒が液インジェクション回路内に流れたような場合でも、冷却作用により冷媒を確実に過冷却液状態にして冷媒圧縮機に流入させることができる。従って、冷媒圧縮機の吐出ガス温度上昇が抑制され、冷媒圧縮機の故障を防いで適正な運転が可能となる。
【0016】また、液溜および液インジェクション回路を冷媒圧縮機よりも上方位置に配置したことにより、重力作用によって液インジェクション回路内の液冷媒は確実に下方に落下し冷媒圧縮機へ流入する。従って、冷媒圧縮機の吐出ガス温度上昇が抑制され、冷媒圧縮機の故障を防いで適正な運転が可能となる。
【0017】そして、気液分離器内部の冷熱により液インジェクション回路内の冷媒を冷却する構成としたことにより、液インジェクション回路内の液冷媒は気液分離器の冷却作用で確実に過冷却状態となって冷媒圧縮機に流入する。従って、冷媒圧縮機の吐出ガス温度上昇が抑制され、冷媒圧縮機の故障を防いで適正な運転が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成11年5月11日(1999.5.11)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−320906(P2000−320906A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−129761