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【発明の名称】 吸収冷温水機
【発明者】 【氏名】秋 吉 英 子

【氏名】小 島 弘

【要約】 【課題】冷媒循環ライン中の固形物やスラッジによる各種弊害を防止することが出来る様な吸収冷温水機の提供。

【解決手段】高温加熱される再生器(14)を有する吸収冷温水機(10)において、前記再生器(14)で発生した冷媒蒸気が凝縮して流過する冷媒循環ライン(L20、L24)に、異物捕獲機構(30、30−1〜30−6)を介装する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高温加熱される再生器を有する吸収冷温水機において、前記再生器で発生した冷媒蒸気が凝縮して流過する冷媒循環ラインに、異物捕獲機構を介装したことを特徴とする吸収冷温水機。
【請求項2】 前記異物捕獲機構は、蒸発器で気化しなかった液相冷媒が再循環する冷媒ラインであって、蒸発器内の散布管に連通している冷媒ラインに介装されている請求項1の吸収冷温水機。
【請求項3】 前記異物捕獲機構は、その内部に液相冷媒が流れ、凝縮器と蒸発器とを連通する冷媒ラインに介装されている請求項1の吸収冷温水機。
【請求項4】 蒸発器で気化しなかった液相冷媒が再循環する冷媒ラインであって、蒸発器内の散布管に連通している冷媒ラインに分岐ラインを設け、該分岐ラインに前記異物捕獲機構が介装されていると共に、前記分岐ラインの異物捕獲機構の上流側及び下流側には低圧維持用のバルブが介装されている請求項1、2のいずれかの吸収冷温水機。
【請求項5】 内部に液相冷媒が流れ且つ凝縮器と蒸発器とを連通する冷媒ラインに前記異物捕獲機構が介装されていると共に、前記分岐ラインの異物捕獲機構の上流側及び下流側には低圧維持用のバルブが介装されている請求項1、3のいずれかの吸収冷温水機。
【請求項6】 前記異物捕獲機構は複数種類の異物捕獲手段を直列に配置して構成されており、粗い異物捕獲手段が上流側に配置され、細かい異物捕獲手段が下流側に配置されている請求項1−5のいずれか1項の吸収冷温水機。
【請求項7】 高温加熱される再生器を有する吸収冷温水機において、前記再生器と吸収器とを連通し且つ内部に吸収溶液が循環している溶液循環ラインに、複数種類の異物捕獲手段を直列に配置して構成した異物捕獲機構が介装されており、該異物捕獲機構では、粗い異物捕獲手段が上流側に配置され、細かい異物捕獲手段が下流側に配置されていることを特徴とする吸収冷温水機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸収冷温水機に関し、特に、吸収冷温水機の冷媒循環ラインの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、水を冷媒として使用し、臭化リチウム水溶液を吸収溶液とする吸収冷温水機においては、塩である臭化リチウムが腐食作用を奏するので、溶液循環ラインには鉄や銅を主成分とする固形物やスラッジが発生する恐れがある。そして、固形物やスラッジは、溶液が加熱されて高温雰囲気となる高温再生器において主として発生する。
【0003】この様な固形物やスラッジの存在は、溶液循環ラインに介装された各種機器の破損の原因となると共に、溶液循環ラインを閉塞する一因となる。上述の固形物やスラッジを除去するため、従来技術においては、例えば特開平9−152219号公報等で開示されているように、溶液循環ラインに固形物、スラッジを除去するためのフィルタ或いはトラップを設けた吸収冷温水機が提案されている。
【0004】しかし、発明者等が種々の研究或いは分析等を行った結果、吸収冷温水機においては、溶液循環ラインのみならず、冷媒循環ラインにおいても、上述した様な固形物やスラッジが発生することが判明した。この様な事実に対して、「吸収溶液循環系(溶液循環ライン)にのみ固形物やスラッジが発生する」という前提条件の下に製造されている従来の吸収冷温水機では、到底対処することが出来ない。
【0005】そのため、従来の吸収冷温水機では、冷媒循環ラインにおける冷媒の散布管が、前記固形物やスラッジによって閉塞したり、固形物、スラッジが伝熱管表面に付着して、伝熱性能を低下させてしまう可能性が存在する。また、冷媒循環ラインで発生した固形物やスラッジにより、冷媒循環ラインに介装された各種機器が破損してしまう恐れが存在する。さらに、冷媒循環ラインにおける固形物、スラッジの存在は、液相冷媒を循環させるのに必要なヘッドを付加するための冷媒ポンプの性能を劣化させる、という問題を惹起する。
【0006】一方、従来技術においては、上述した技術に加えて、腐食防止剤により溶液循環ラインに防食皮膜を形成し、配管系や各種機器を腐食性の強い臭化リチウム水溶液から保護し、以って固形物やスラッジ自体の発生を抑制することも行われている。しかし、腐食防止剤により皮膜を形成するためには、雰囲気温度がある程度高温でなければならないが、冷媒循環ラインは溶液循環ラインに比較して遥かに温度が低く、かつ冷媒には腐食防止材が存在し得ない。そのため、冷媒循環ラインに腐食防止用の皮膜を形成することは非常に困難である。
【0007】すなわち、「冷媒循環ラインにおいても固形物やスラッジが発生するので、これに対処する必要がある」という新規事実に対して、従来技術では対処出来ない、という問題が存在するのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した様な従来技術に鑑みて提案されたものであり、従来技術では対処することが出来なかった冷媒循環ライン中の固形物やスラッジによる各種弊害を防止することが出来る様な吸収冷温水機の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の吸収冷温水機は、高温加熱される再生器を有する吸収冷温水機において、前記再生器で発生した冷媒蒸気が凝縮して流過する冷媒循環ラインに、異物捕獲機構を介装したことを特徴としている。 (図1−図10)
【0010】かかる構成を具備する本発明によれば、液相冷媒が循環している間に、異物捕獲機構(例えばフィルタ或いはトラップ)により、腐蝕等により発生した固形物やスラッジが除去される。そのため、冷媒循環ライン(例えば散布管)が閉塞することが防止され、冷水ラインの表面に固形物やスラッジが付着して冷却効率が低下してしまうことも無くなる。さらに、冷媒循環ラインに介装されたポンプの性能低下も防止される。
【0011】本発明の実施に際して、前記異物捕獲機構は、蒸発器で気化しなかった液相冷媒が再循環する冷媒ラインであって、蒸発器内の散布管に連通している冷媒ラインに介装されているのが好ましい。 (図1、図2、図4、図5、図10)
【0012】また、前記異物捕獲機構は、その内部に液相冷媒が流れ、凝縮器と蒸発器とを連通する冷媒ラインに介装されているのが好ましい。 (図3、図6−図9)
【0013】通常、冷媒循環ラインにおける固形物或いはスラッジは、先ず高温再生器で発生し、冷媒系統を介して蒸発器へ移動している。従って、前記冷媒ラインに異物捕獲機構を設ければ、高温再生器で発生した固形物或いはスラッジが蒸発器の上流側で確実に除去される。そのため、固形物或いはスラッジの存在による各種弊害も解消することが出来るのである。
【0014】さらに本発明においては、蒸発器で気化しなかった液相冷媒が再循環する冷媒ラインであって、蒸発器内の散布管に連通している冷媒ラインに分岐ラインを設け、該分岐ラインに前記異物捕獲機構が介装されていると共に、前記分岐ラインの異物捕獲機構の上流側及び下流側には低圧維持用のバルブが介装されているのが好ましい。 (図4、図5)
【0015】そして本発明においては、内部に液相冷媒が流れ且つ凝縮器と蒸発器とを連通する冷媒ラインに前記異物捕獲機構が介装されていると共に、前記分岐ラインの異物捕獲機構の上流側及び下流側には低圧維持用のバルブが介装されているのが好ましい。 (図6−図9)
【0016】前記異物捕獲機構を分岐ラインに介装することにより、該異物捕獲機構が閉塞した場合には、冷媒が分岐ラインを流過しない様に前記バルブを開閉する。その際に、前記バルブで異物捕獲機構の上流側及び下流側を閉鎖して、冷媒循環ライン或いは吸収冷温水機の配管系統内部の低圧(或いは真空圧)を維持することが出来る。そして、異物捕獲機構を取り外して、閉塞した部分の洗浄、異物やスラッジの除去・廃棄、その他の必要なメンテナンスを行えば良い。
【0017】これに加えて本発明では、前記異物捕獲機構は複数種類の異物捕獲手段(例えば、細かいフィルタ或いはトラップ、粗いフィルタ或いはトラップ)を直列に配置して構成されており、粗い異物捕獲手段が上流側に配置され、細かい異物捕獲手段が下流側に配置されているのが好ましい。 (図8−図10)
【0018】吸収冷温水機の系内への空気混入時に発生する腐食生成物は粒子が大きいので、その様なサイズが大きい腐食生成物が、例えば中空糸膜フィルタ等で構成されたフィルタまたはトラップの様な細かい異物捕獲手段中を通過すると、抵抗が大きく、目詰まりが生じてしまう。これに対して、複数種類の異物捕獲手段を直列に配置して構成されており、粗い異物捕獲手段が上流側に配置すれば、空気混入時に発生する粒子の大きな腐食生成物は、上流側に位置している粗い異物捕獲手段により除去される。その結果、フィルタの小型化、逆洗浄の頻度の減少、細かいフィルタにおける目詰まりの防止を達成出来る。
【0019】本発明は、高温加熱される再生器を有する吸収冷温水機において、前記再生器と吸収器とを連通し且つ内部に吸収溶液が循環している溶液循環ラインに、複数種類の異物捕獲手段を直列に配置して構成した異物捕獲機構が介装されており、該異物捕獲機構では、粗い異物捕獲手段が上流側に配置され、細かい異物捕獲手段が下流側に配置されている様に構成することも可能である。 (図1)
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面において、同様な部材については同様な符号が付されている。
【0021】図1において、全体を符号10で示す吸収冷温水機は、吸収器12と高温再生器14とを連通する稀溶液ラインL10と、高温再生器14で加熱・濃縮された中間濃度溶液を低温再生器16に供給する中間濃度溶液ラインL12と、低温再生器16でさらに加熱・濃縮された高濃度溶液を吸収器12に戻す高濃度ラインL14とによって、溶液循環系或いは溶液循環ラインが構成されている。なお、溶液循環ラインを構成する高濃度ラインL14には、比較的粗いフィルタ或いはトラップ4と、比較的細かいフィルタ或いはトラップ6の2段で構成した異物捕獲機構8が介装されている。この機構8については、後述する。
【0022】高温再生器14で発生した冷媒蒸気は、蒸気ラインL16を流過し、低温再生器16を経由して凝縮器18に流入する。低温再生器16を通過する際に、蒸気ラインL16を流れる冷媒蒸気が保有する熱量により溶液が加熱されるので、低温再生器16から冷媒蒸気が発生する。その冷媒蒸気は、蒸気ラインL18を介して凝縮器18に流入する。
【0023】凝縮器18で凝縮された液相冷媒は、冷媒ラインL20を介して蒸発器20に供給される。そして、蒸発器20に連通している冷水ラインL22を流れる冷水から、潜熱を奪って冷媒蒸気となる。蒸発器20で気化した冷媒は、蒸気ラインL24Aを介して吸収器12に戻る。
【0024】蒸発器20において、気化しなかった液相冷媒は、冷媒ラインL24を介して蒸発器20内の散布管26から滴下する。その際に、冷媒ポンプ28によりヘッドを負荷されて、ラインL24を流れる。ここで、蒸気ラインL16、L18、L24Aと、冷媒ラインL20、L24は、冷媒循環系(冷媒循環ライン)を構成している。なお図1において、符号L30は冷却水ラインを示しており、該冷却水ラインL30内を流れる冷却水により、吸収器12で発生する吸収熱と、凝縮器18における気化熱が、吸収冷温水機10の系外へ排出される。
【0025】ここで、図1の実施形態では、冷媒循環ラインを構成している冷媒ラインL24において、蒸発器20と冷媒ポンプ28との間の領域、換言すれば冷媒ラインL24中の冷媒ポンプ28の上流側の領域には、異物捕獲機構であるフィルタ或いはトラップ30−1が設けられている。このフィルタ或いはトラップ30−1は、前記冷媒循環ラインにおいて腐蝕等により発生した固形物やスラッジを除去することが出来るものであれば、特にその構造を限定するものではない。
【0026】図1の実施形態において、異物捕獲機構であるフィルタ或いはトラップとしては、中空糸膜フィルタ(例えば、クラレ製:商品名M−3100P−SU)、合成樹脂フィルタ(例えば、ユアサ製:商品名YP−40B)等が好適である。しかし、それに限定されるものではなく、イオン交換樹脂、アンモニア吸着剤、マグネチックフィルタ、活性炭等を用いることも可能である。
【0027】かかる構成を具備する図1の実施形態であれば、液相冷媒が蒸発器20、冷媒ラインL24、散布管26(から滴下)と循環している間に、フィルタ或いはトラップ30−1により、腐蝕等により発生した固形物やスラッジが除去される。そのため、散布管26が閉塞する恐れが無くなり、冷水ラインL22の表面に固形物やスラッジが付着して冷却効率が低下してしまうことも無くなる。さらに、冷媒ポンプ28の性能低下も防止される。
【0028】なお、図1で示す吸収冷温水機10は所謂「シリーズフロー」タイプであるが、本発明はこれに限定されるものではない。所謂「パラレルフロー」タイプ、「リバースフロー」タイプ、「シリーズ・パラレルフロー」タイプ、「リバース・パラレルフロー」タイプの吸収冷温水機であっても、図1の吸収冷温水機と全く同様に、本発明が適用可能である。これに関連して、図2以下においては、凝縮器18、蒸発器20及びそれに連通するラインのみを示す。
【0029】図2は本発明の第2実施形態を示す。図1の第1実施形態では、異物捕獲機構(フィルタまたはトラップ)30−1が、冷媒ラインL24における冷媒ポンプ28の上流側の領域に設けられている。これに対して、図2の第2実施形態においては、符号30−2で示すフィルタまたはトラップ(異物捕獲機構)は、冷媒ラインL24において、冷媒ポンプ28の下流側の領域に設けられている。
【0030】その他の構成及び作用効果については、図2の第2実施形態は図1の実施形態と同様である。
【0031】図3で示す本発明の第3実施形態では、凝縮器18で凝縮した冷媒が流過する冷媒ラインL20にフィルタまたはトラップ30−3が介装されている。
【0032】通常、マグネタイト(Fe)の様な固形物或いはスラッジが最も多量に発生するのは、高温再生器14(図1)であることが、発明者等の実験で確認されている。それと共に、発明者等の実験で、蒸発器20内の散布管26においてもマグネタイト微粒子の付着が確認されている。これ等の実験で確認された事実から、冷媒循環ラインにおけるマグネタイト(Fe)の様な固形物或いはスラッジは、先ず高温再生器14で発生し、蒸気ラインL16、凝縮器18、冷媒ラインL20を介して、蒸発器20へ移動していると推定される。
【0033】従って、冷媒ラインL20に異物捕獲機構(フィルタまたはトラップ)30−3を設ければ、高温再生器14で発生したマグネタイトの様な固形物或いはスラッジが、蒸発器20の上流側で(フィルタまたはトラップ30−3)により、確実に除去される。換言すれば、図3の第3実施形態の様に、冷媒ラインL20にフィルタまたはトラップ30−3を設けることにより、固形物或いはスラッジを確実に除去することが出来て、固形物或いはスラッジの存在による各種弊害も解消することが出来るのである。
【0034】図3で示す実施形態のその他の構成及び作用効果は、図1の実施形態或いは図2の実施形態と同様である。
【0035】図4は、本発明の第4実施形態を示している。図1の第1実施形態において、異物捕獲機構であるフィルタまたはトラップ30−1は、冷媒ラインL24における冷媒ポンプ28の上流側の領域に介装されている。これに対して、図4で示す第4実施形態では、冷媒ラインL24における冷媒ポンプ28の上流側の領域から分岐ラインL32が分岐し且つ合流しており、その分岐ラインL32にフィルタまたはトラップ30−4(異物捕獲機構)が設けられている。そして、分岐ラインL32において、フィルタまたはトラップ30−4の前後には、それぞれバルブ32、34が設けられている。一方、冷媒ラインL24において分岐ラインL32をバイパスしている領域(冷媒ライン)L34にも、バルブ36が介装されている。
【0036】換言すれば、図4の実施形態では、フィルタまたはトラップ30−4をバイパスする冷媒ラインL34が設けられている。通常時においては、バルブ36を閉鎖し、バルブ32、34を開放することにより、冷媒ラインL24を流れる液相冷媒内に混入している固形物或いはスラッジを、フィルタまたはトラップ30−4により除去する。しかし長時間を経過すると、冷媒内に混入している固形物或いはスラッジが、フィルタまたはトラップ30−4を閉塞してしまうこととなる。その様な場合には、バルブ36を開放して液相冷媒がバイパスラインL34を流過可能とせしめる。そして、冷媒循環ラインの低圧(或いは真空圧)を維持するため、バルブ32、34を閉鎖してから、フィルタまたはトラップ30−4を取り外して必要なメンテナンスを行う。
【0037】ここで、フィルタまたはトラップ30−4のメンテナンスを行う必要が無い場合(通常時)、バルブ36を開放して、冷媒ラインL24を流過する液相冷媒の1部のみがフィルタまたはトラップ30−4を通過する様にしても、固形物或いはスラッジを除去する作用効果は発揮される。
【0038】図4の実施形態において、上述した以外の構成及び作用効果については、図1−図3の実施形態、特に図1の実施形態と同様である。
【0039】図5は本発明の第5実施形態を示す。図4の第4実施形態では、異物捕獲機構(フィルタまたはトラップ)30−4が、冷媒ラインL24における冷媒ポンプ28の上流側に位置している分岐ラインL32に介装されている。これに対して、図5の第5実施形態では、符号30−5で示すフィルタまたはトラップ(異物捕獲機構)は、冷媒ラインL24中の冷媒ポンプ28の下流側に位置する分岐ラインL36に介装されている。そして、分岐ラインL36をバイパスする冷媒ライン(或いはラインL24中の領域)が、図5においては符号L38で示されている。
【0040】その他の構成及び作用効果については、図5の第5実施形態は図1−図4の実施形態、特に図4の実施形態と同様である。
【0041】図6は本発明の第6実施形態を示している。この第6実施形態では、凝縮器18と蒸発器20とを連通する冷媒ラインL20から分岐して合流する分岐ラインL40を設け、そこにバルブ32、34、フィルタまたはトラップ30−6を介装している。それと共に、分岐ラインL20をバイパスする冷媒ラインL42には、バルブ36を介装している。なお、図6の第6実施形態において、バルブ36は流量調整用のバルブであっても良い。
【0042】第6実施形態における他の構成及び作用効果については、図1−図5の実施形態、特に図3、図4、図5の実施形態と同様である。
【0043】図7で示す第7実施形態は、第6実施形態における分岐ラインL40において、フィルタまたはトラップ30−6の直ぐ下流側に、ポンプ40を介装したものである。その他の構成及び作用については、第7実施形態と第6実施形態とは同様である。
【0044】図8は本発明の第8実施形態を示している。図1−図7の実施形態においては、異物捕獲機構であるフィルタまたはトラップとしては、細かいものだけが用いられている。これに対して第8実施形態では、凝縮器18と蒸発器20とを連通する冷媒ラインL20において、細かいフィルタまたはトラップ30−6を介装した分岐ラインL40の上流側には、目の粗いフィルタ44が介装されている。
【0045】吸収冷温水機の系内への空気混入時に発生する腐食生成物は粒子が大きいので、例えば中空糸膜フィルタ等で構成されたフィルタまたはトラップ30−6を腐食生成物が通過しようとする場合には、抵抗が大きく、当該フィルタ30−6の目詰まりが生じ易い。これに対して図8の第8実施形態では、空気混入時に発生する粒子の大きな腐食生成物は、上流側に位置している粗いフィルタ44により除去される。すなわち、細かいフィルタ(またはトラップ)30−6と粗いフィルタ44とを所謂「ダブル」で設置することにより、フィルタの小型化、逆洗浄の頻度の減少、細かいフィルタにおける目詰まりの防止を達成出来るのである。
【0046】図9に示す本発明の第9実施形態では、目の粗いフィルタ44の直ぐ下流にポンプ46を介装してある。図9において、符号48、50はバルブを示している。その他の構成及び作用効果については、図1−図8の実施形態、特に図8の実施形態と同様である。
【0047】図8、図9において、目の粗いフィルタ44は凝縮器18と蒸発器20とを連通する冷媒ラインL20に設けられているが、図10で示す様に、蒸発器20の冷媒循環用の冷媒ラインL24の、冷媒ポンプ28近傍の位置に目の粗いフィルタ44を設けても良い。なお図10において、符号48、50はバルブを示している。そして、目の粗いフィルタ44の下流側には目の細かいフィルタ(或いはトラップ)が介装されているが、該目の細かいフィルタの図示は省略する。
【0048】再び図1において、上述した様に、高濃度ラインL14には粗いフィルタ4と細かいフィルタ6が介装されており、これ等2段のフィルタ4、6により異物捕獲機構8が構成されている。吸収冷温水機10の循環系に空気が混入して、サイズが大きな固形物或いはスラッジが形成された場合においては、先ず、粗いフィルタ4によりサイズが大きな異物(固形物、スラッジ)を除去し、そして、粗いフィルタ4では捕獲されなかった異物を細かいフィルタ6で除去するのである。それにより、細かいフィルタのみを溶液循環系に介装する従来の技術で生じる不都合、例えば大きな異物による細かいフィルタの破損、目詰まり等、が解消されるのである。
【0049】図1における吸収溶液循環系を変形した実施形態が、図11で示されている。高濃度ラインL14は、低温溶液熱交換器62と吸収器12との間の領域において、溶液ラインL14−1、L14−2に分岐して、吸収器12に近い側で合流している。そして、溶液ラインL14−2には粗いフィルタ4と細かいフィルタ6が介装されており、これ等2段のフィルタ4、6により異物捕獲機構8が構成されている。そして、異物捕獲機構8をバイパスする溶液ラインL14−1には、バルブ36が介装されている。吸収冷温水機10の循環系に空気が混入して、サイズが大きな固形物或いはスラッジが形成された際には、図11においても、先ず、粗いフィルタ4によりサイズが大きな異物(固形物、スラッジ)を除去し、そして、粗いフィルタ4では捕獲されなかった異物を細かいフィルタ6で除去する。それにより、細かいフィルタのみを溶液循環系に介装する従来の技術で生じる不都合、例えば大きな異物による細かいフィルタの破損、目詰まり等、が解消される。なお、図11において、符号64は高温溶液熱交換器を示している。そして、図11で示す実施形態の溶液循環系に介装された異物捕獲機構以外の構成及び作用効果については、図1で示す実施形態と同様である。
【0050】なお、図1−図11で示す実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない旨を付記する。
【0051】
【発明の効果】本発明の作用効果を、以下に列挙する。
(1) 吸収冷温水機の冷媒循環ラインに混入したマグネタイトその他の固形物やスラッジを、確実に除去することが出来る。
(2) その結果、前記固形物やスラッジの存在に起因する各種不都合を解消することが出来る。
(3) 異物捕獲機構(フィルタ或いはトラップ)を、冷媒循環ラインを構成する冷媒ラインの分岐ラインに介装することにより、前記固形物やスラッジにより異物捕獲機構が閉塞された際にも対処することが出来る。あるいは運転した状態で冷媒の精製ができる。
(4) 前記分岐ラインにバルブを介装することにより、異物捕獲機構のメンテナンスの際に、冷媒循環機構の低圧(或いは真空圧)を維持することが出来る。
(5) 粗いフィルタと細かいフィルタとを直列に配置することにより、循環系への空気混入により、サイズが大きな固形物或いはスラッジが発生した場合にも、対処することが出来る。
【出願人】 【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【出願日】 平成11年4月14日(1999.4.14)
【代理人】 【識別番号】100071696
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 敏忠 (外1名)
【公開番号】 特開2000−304385(P2000−304385A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願平11−106969