トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F25 冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒ−トポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化




【発明の名称】 冷凍システムおよび冷凍システムによる冷却方法
【発明者】 【氏名】ルチアーノ ツァノン

【要約】 【課題】冷凍システムのエネルギ消費を従来システムに比べ最適なものにする。

【解決手段】冷凍システムは、メインセクションと補助セクションとを備える。メインセクションは、少なくとも一つのメイン圧縮器(4)と、この圧縮器(4)と少なくとも一つの膨張弁(3)との間に接続されたメイン凝縮器(5)と、膨張弁に接続された少なくとも一つの蒸発器(2)とを備える。補助セクションは、メイン圧縮器の低圧取入れラインに接続された少なくとも一つの補助圧縮器(9)と、補助圧縮器に接続された少なくとも一つの補助凝縮器(10)と、第1及び第2補助リザーバ(8、11)とを備え、両補助リザーバは、補助凝縮器(10)の出力口とメイン凝縮器(5)の出力口とにそれぞれ接続されて少なくとも一つの膨張弁(3)に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも一つのメイン圧縮器と、前記メイン圧縮器と少なくとも一つの膨張弁との間に接続されたメイン凝縮器と、前記膨張弁に接続された少なくとも一つの蒸発器とを具備したメインセクションを備える冷凍サイクルにおいて、前記メイン圧縮器の低圧取入れラインに接続された少なくとも一つの補助圧縮器と、前記補助圧縮器に接続された随意の補助凝縮器と、前記随意の補助凝縮器の出力口と前記メイン凝縮器の出力口とにそれぞれ接続されて前記少なくとも一つの膨張弁に接続される第1及び第2補助リザーバとを具備した補助セクションを備え、消費を最適なものとする冷凍サイクルを具備することを特徴とする冷凍システム。
【請求項2】 前記メイン凝縮器を低圧ラインにより2つの逆止弁に接続し、前記2つの逆止弁は前記低圧ラインを前記補助リザーバに接続し、前記少なくとも一つの膨張弁と接続可能または接続不能とするべく前記補助リザーバの下流に一対の補助的な逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項3】 前記補助凝縮器を2つの弁により前記補助リザーバに接続したことを特徴とする請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項4】 前記低圧取入れラインと前記補助リザーバとの間において前記少なくとも一つの補助凝縮器と前記補助リザーバとが接続される側にバイパスチョークを設け、前記バイパスチョークと前記補助リザーバとの間に2つの弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項5】 前記補助リザーバを高圧ラインにより前記少なくとも一つの膨張弁に接続したことを特徴とする請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項6】 前記補助リザーバの下流の前記高圧ラインと前記少なくとも一つの膨張弁との間にメインリザーバを備えることを特徴とする請求項5に記載の冷凍システム。
【請求項7】 第1補助リザーバに液化ガスが満されると共に第2補助リザーバが空であるという条件で開始され、補助圧縮器により冷媒ガスを補助凝縮器に導入してこの補助凝縮器において前記冷媒ガスを凝縮して前記第1補助リザーバに送り、前記第1補助リザーバ内の前記液化ガスを加圧する工程と、少なくとも一つの冷却セルの少なくとも一つの膨張弁に到達させるべく前記第1補助リザーバの内容物を少なくとも一つの膨張弁へ移送する工程と、メイン圧縮器により低圧取入れラインから冷媒ガスを取入れて前記冷媒ガスをメイン凝縮器へ送り、次いで前記第2補助リザーバに送って前記第2補助リザーバを満たす工程と、前記第2補助リザーバの内容物を少なくとも一つの蒸発器に送るべく、前記第2補助リザーバの内容物を前記少なくとも一つの蒸発器に移送する工程とを備え、冷凍システムにより前記少なくとも一つの冷却セルを冷却することを特徴とする、冷凍システムによる冷却方法。
【請求項8】 冷凍サイクル中の異なる期間に前記第1及び第2補助リザーバに供給される前記液化ガスは、その源が前記補助圧縮器であるか或いは前記メイン圧縮器であるかによって高圧ガスまたは低圧ガスであることを特徴とする請求項7に記載の冷凍システムによる冷却方法。
【請求項9】 前記少なくとも一つのメイン圧縮器の排出圧力が、常に、対応する凝縮器が許容する最小値であることを特徴とする請求項7に記載の冷凍システムによる冷却方法。
【請求項10】 前記少なくとも一つの補助圧縮器の排出圧力が、前記少なくとも一つのメイン圧縮器の排出圧力を常に上回ることを特徴とする請求項9に記載の冷凍システムによる冷却方法。
【請求項11】 前記第1及び第2補助リザーバ内の液化ガスをメインリザーバへ移送することにより、前記第1及び第2補助リザーバに係る移送を生起させることを特徴とする請求項7に記載の冷凍システムによる冷却方法。
【請求項12】 膨張弁として用いられる細管により絞り圧力制御が可能であることを特徴とする請求項7に記載の冷凍システムによる冷却方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消費を最適なものとする冷凍サイクルを備えた冷凍システムおよび冷凍システムによる冷却方法に関する。特に、本発明は、従来の冷凍システムに比べてエネルギを節減可能であると共に、外部電力を使用することにより一般に閉じた空間または質量を冷却して外部環境よりも低温に維持するようにした冷凍システムに関する。
【0002】
【関連する背景技術】冷凍システムや冷凍機械はいわゆる蒸発−圧縮式のものが最も広範に用いられ、その動作中、冷媒流体による単一または多数の可逆熱力学的サイクルにより機械的エネルギを熱エネルギへ転換させる。熱力学的サイクルでの幾つかの転換に際して、流体は、過熱され且つ飽和した蒸気相にある。そして、転換により発生する熱エネルギの一部分は、閉じた空間または質量を冷却するために、冷凍システムの外部の温度を下回る温度で使用される。この熱エネルギ部分は、熱力学の第1及び第2法則に基づいて定まる。
【0003】図1は従来形のエンタルピ線図であり、この線図では単位質量あたりのエンタルピh及び圧力pの対数がX軸及びY軸上にそれぞれプロットされている。また、図1には2つの等温線h1及びh2がプロットされ、これらの等温線上では状態転移が異なる圧力且つ異なる温度で生起する。上限曲線と下限曲線との間の領域では液体と蒸気とが同時に存在し、このため、この領域は気液混合相領域として知られている。留意すべきことに、状態の変化に要するエンタルピは圧力によって変わり、また、状態転移に熱を要しない臨界圧力Cに近づくとこのエンタルピは低減する(h2はh1よりも小さい)。
【0004】図2は、従来の冷凍サイクルをプロットしたエンタルピ線図である。冷凍サイクルの各種工程は、例えば図3に示すような冷凍システムによって提供可能であり、以下に説明する。冷凍システムは冷却セル1を備え、この冷却セル1の内部には蒸発器2及び膨張弁3が配されている。
【0005】蒸発器2は圧縮器4に接続されている。圧縮器4は凝縮器5とリザーバ6とに接続され、リザーバ6は膨張弁3に接続されている。蒸発器2と圧縮器4との接続部ではガスが低圧で流れ、一方、圧縮器4と凝縮器5との間の接続部には高圧ガスが存在する。そして、リザーバ6と膨張弁3との間には液体ラインが設けられている。
【0006】図3に示した冷凍システムにより提供される冷凍サイクルは、図2のエンタルピ線図に概略的に図示されている。このエンタルピ線図の点1に対応する工程では、冷媒ガスは、乾燥飽和蒸気領域内で圧力P1にある。そして、この条件下で冷媒ガスが圧縮器内に取り入れられて点2まで圧縮される。点2は、圧力P2>P1に対応する。
【0007】圧縮器4により冷媒ガスに加えられる圧縮仕事は、エンタルピの差h2−h1により与えられ、また、冷凍システムのエネルギ支出に略対応している。点2における冷媒ガスの温度は点1における温度よりも上昇する。通常、圧縮は非常に短時間に行われ、従って、この圧縮は断熱転換(すなわち熱交換を含まない)と考えることができる。
【0008】次に、高圧ガスは凝縮器5に送られ、ここで熱が除去される。凝縮器5の第1部分では過熱戻しが起こり、冷媒ガスは図3の線図の点2からこの線図の点3へ移る。そして、全てのガスが液相になるまでに実際の凝縮が開始され、従ってガスは点4に到達するまでに過冷却される。蒸発器2の上流に配された膨張弁3は、一定のエンタルピにおいて圧力低下を生起するように設計されている。すなわち、この工程では冷媒ガスのエネルギ容量は変化しない。
【0009】図2の線図を参照すると、冷凍サイクルは点4から点5へ移るが、点5では冷凍サイクルは気液混合相領域にある。そして、部分的に蒸発した低圧且つ低温のガスは蒸発器2に送られ、この蒸発器2において実際的な冷却効果が起きる。蒸発器2の内部において、外部から熱を吸収することによりガスが完全に蒸発し、従ってガスは図2の線図の点1まで過熱される。
【0010】この冷凍サイクルにより生じる冷凍効果はh1−h5により与えられる。そして、この点において冷凍サイクルが繰り返される。上記の冷凍サイクルの理論的な効果は、h1−h5/h2−h1である。定義すべき主たる変数として、冷凍システムの冷媒容量の他に蒸発圧力および凝縮圧力がある。
【0011】蒸発圧力は、冷却すべき冷却セル1の温度とこの冷却セル内に浸漬された蒸発器2の特性とに応じて選択される。通常、凝縮圧力は、凝縮器5の冷却に使用される媒体(通常は空気)が到達可能な最大温度と凝縮器5の動作に要する温度差とにより定まる。従って、例えば、(凝縮器5上の)外部空気温度がせいぜい摂氏35度であると共に摂氏5度の温度差で特徴づけられる凝縮器の場合、凝縮圧力は摂氏40度に対応する。
【0012】しかしながら、凝縮空気の温度は相当に降下可能であり、これに伴って凝縮圧力が減少する。この場合、凝縮圧力値は、膨張弁3の正確な動作を妨げて冷凍システム全体が停止するほど低くなることがある。留意すべきは、膨張弁は冷媒流体を等エンタルピで膨張させることを目的とするものであり、膨張弁を正確に動作させるには出入口間に最小圧力差が存する必要である点である。
【0013】通常、この問題は、凝縮圧力が約摂氏35度に対応する値に維持されるように凝縮器5の通風を適宜に変化させることにより解消できる。複数ファン式の凝縮器の場合、通常は、ファン7を順次停止させ或いはファンの回転速度を低下することにより、通風を減少させる。従って、実際の冷凍サイクルは、可能最低凝縮圧力(凝縮空気の温度により定まる)では起こらない。しかし、冷媒ガスの循環を担保するように冷凍サイクルに下限が設けられる。この様に、エネルギ消費の最適化は達成されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的は、従来システムに比べてエネルギ消費を最適化した冷凍システムおよび冷凍システムによる冷却方法を提供することにある。上記の主たる目的内において、本発明の目的は、可能最低圧力でガスを冷却可能とする冷凍システムを提供することにある。
【0015】本発明の別の目的は、従来システムでの通常の温度及び圧力に比べて低温且つ低圧で圧縮器を動作可能として圧縮器の摩耗を低減した冷凍システムを提供することにある。本発明の別の目的は、従来システムのものよりも高い全体冷媒容量を備えた冷凍システムを提供することにある。
【0016】本発明の別の目的は、メインセクションの動作温度を従来システムのものよりも低くした冷凍システムを提供することにある。本発明の別の目的は、従来システムの圧縮器よりも静かなメイン圧縮器を備えた冷凍システムを提供することにある。本発明の別の目的は高効率コンデショニング装置として使用可能な冷凍システムを適用することにある。
【0017】本発明の別の目的は、高効率の熱ポンプを提供可能な冷凍システムを提供することにある。本発明の別の目的は、競合可能なコストで信頼性良く且つ比較的容易に製造可能な冷凍システムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的および下記の説明から明らかとなるその他の目的は、消費を最適なものとする冷凍サイクルを有した冷凍システムにより達成される。この冷凍システムはメインセクションを備え、このメインセクションは、少なくとも一つのメイン圧縮器と、前記メイン圧縮器と少なくとも一つの膨張弁との間に接続されたメイン凝縮器と、前記膨張弁に接続された少なくとも一つの蒸発器とを備える。冷凍システムは補助セクションを備え、この補助セクションが、メイン圧縮器の低圧取入れラインに接続された少なくとも一つの補助圧縮器と、前記補助圧縮器に接続された随意の補助凝縮器と、第1及び第2補助リザーバとを備え、前記第1及び第2補助リザーバが、前記随意の補助凝縮器の出力口および前記メイン凝縮器の出力口にそれぞれ接続されて前記少なくとも一つの膨張弁に接続されることを特徴とする。
【0019】また、本発明の冷凍システムによる冷却方法は、第1補助リザーバに液化ガスが満されると共に第2補助リザーバが空であるという条件で開始され、補助圧縮器により冷媒ガスを補助凝縮器に導入してこの補助凝縮器において前記冷媒ガスを凝縮して前記第1補助リザーバに送り、前記第1補助リザーバ内の前記液化ガスを加圧する工程と、少なくとも一つの冷却セルの少なくとも一つの膨張弁に到達させるべく前記第1補助リザーバの内容物を少なくとも一つの膨張弁へ移送する工程と、メイン圧縮器により低圧取入れラインから冷媒ガスを取入れて前記冷媒ガスをメイン凝縮器へ送り、次いで前記第2補助リザーバに送って前記第2補助リザーバを満たす工程と、前記第2補助リザーバの内容物を少なくとも一つの蒸発器に送るべく、前記第2補助リザーバの内容物を前記少なくとも一つの蒸発器に移送する工程とを備え、冷凍システムにより前記少なくとも一つの冷却セルを冷却することを特徴とする。
【0020】本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面において単に非特定的な例として図示した本発明に係る冷凍システムの唯一のものでない好適な実施形態の説明から明らかになろう。
【0021】
【発明の実施の形態】図4ないし図8を参照すると、本発明の一実施形態による冷凍システムは、図3に示したシステムと同様、蒸発器2および膨張弁3を内部に収容した冷却セル1を備えている。図4では図3のものと対応する要素を同一の参照符号で示す。
【0022】少なくとも一つのメイン圧縮器4は、ダクトにより蒸発器2に接続されている。参照符号20で示す取り入れられたガスがこのダクト中を低温で流れる。更に、圧縮器4がメイン凝縮器5に接続され、このメイン凝縮器5は通風装置7を備えるものであり、リザーバ8に接続されている。実用上、本発明の冷凍システムは、メイン圧縮器4、メイン凝縮器5及びリザーバ8を備えた第1セクションを有して、取入れライン20から導かれ且つメイン凝縮器5(及びその冷却媒体)が許容する可能最低温度においてメイン圧縮器4により圧縮されたガスを凝縮できるようになっている。
【0023】出力口(低圧)における冷媒流体はリザーバ8に貯留される。リザーバ8は当初は空である。メイン凝縮器5とリザーバ8とは凝縮圧力(例えば約8バール)で液体ライン21により接続される。本発明のシステムは、補助圧縮器9と随意の補助凝縮器10と第2すなわち補助のリザーバ11とからなる第2すなわち補助のセクションを有している。
【0024】絞り圧力(スロットリング圧力)を調節可能とするべく、インバータやその他の適合形装置を用いて補助圧縮器9の流量を可変できる。絞り圧力の調節にあたり、補助凝縮器10の使用に代えて、補助圧縮器9側の取入れラインにチョークを設けることができる。絞り圧力は、その他の従来法によっても制御可能である。
【0025】第2セクションは絞り圧力で動作し、第2リザーバ11は、液体ライン12により膨張弁3に絞り圧力(例えば約14バール)で接続されている。絞り圧力は一定に保持されるものであり、膨張弁3への供給に十分な回路の移送圧力を担保する。補助圧縮器9により圧縮されたガスは、実際、リザーバ11(当初は満杯)に到達し、リザーバ11内に含まれた液体を絞り圧力において膨張弁3側へ押し出す。
【0026】リザーバ11が空である一方でリザーバ8が満杯である場合、本システムは、これらのリザーバを機能的に交換可能でなければならない。そして、充填・排出サイクルが繰り返される。確かに、メインセクションから到達する冷媒液は低温且つ低圧であり、リザーバ機能の交換が生じたとき、冷媒液は絞り圧力を受けて非常に過冷却される。
【0027】以下、図4に概略的に示した冷凍システムの回路の実施形態を説明する。補助圧縮器9は低圧ライン20に接続されている。便宜には、図4に示した冷凍システムのメインセクションは、複数のメイン圧縮器4とこれに並列に配置された複数の冷却セル1とを備えている。便宜には、スペア補助圧縮器9を設けることもできる。
【0028】図6は、本発明による冷凍システムの実際回路の詳細図であり、図4の概略例を図示したものである。図6は、特に、本発明の冷凍システムの動作の第1工程を図示し、また、図7および図8は冷凍システムの更なる工程を図示したものである。図6の概略図を参照すると、第1リザーバ8は本発明の冷凍システムのメインセクションの一部分であり、第2リザーバ11は冷凍システムの補助セクションの一部分である。
【0029】第1及び第2リザーバ8、11は、両者の機能を相互に交換する。詳しくは、第1リザーバすなわち補助リザーバ8は、弁VS1により補助凝縮器10に接続され、逆止弁NRV1によりメイン凝縮器5の出力口に接続され、また、高圧ライン14及び補助的な逆止弁NRV3により膨張弁3に接続されている。
【0030】同様に、第2リザーバ11は弁VS2により補助凝縮器10に接続され、逆止弁NRV2を介在させることによりメイン凝縮器5の出力口に接続され、また、補助的な逆止弁NRV4により高圧ライン14に接続されている。この高圧ライン14は膨張弁3への接続部位に至る。更に、リザーバ8、11の各々は、それぞれの弁VS4、VS3及びバイパスチョーク18により低圧ライン20に接続されている。
【0031】便宜にはメインリザーバ25を設けることができ、このメインリザーバ25は、膨張弁3の上流においてメイン凝縮器5の出力口に接続されている。或いは、補助リザーバ8、11の大きさを適宜のものに選択することによりメインリザーバ25を除去可能である。一般に、本発明による冷凍システムはメインセクションを有し、このメインセクションは、一つ以上のメイン圧縮器4と、メイン凝縮器5と、一つ以上の冷却セル1とを有する。メイン凝縮器5の出力口は、それぞれの冷却セル1の膨張弁3に接続されている。そして、補助セクションが設けられ、この補助セクションは、一つ以上の補助圧縮器9と、随意の補助凝縮器10と、第1及び第2補助リザーバ8、11とを備えている。第1及び第2補助リザーバは、メイン凝縮器5の出力口とそれぞれの冷却セル1の絞り弁3との間にそれぞれ介在している。
【0032】図5は、エンタルピ線図上で本発明の冷凍システムに存する冷凍サイクルを概略的にプロットしたものである。メイン回路(1→3蒸発、3→4圧縮、4→凝縮、8→7凝縮器交換、7→1絞り)中を循環するガスによる冷凍サイクルと補助回路(2→3蒸発、3→5圧縮、5→6凝縮、6→2絞り)中を循環するガスによる冷凍サイクルとを区別可能であろう。
【0033】実際、2つの回路すなわちメイン回路と補助回路とは凝縮セクションでのみ分離されているので、冷媒液の座標表示は、図5のチャート上で点6と点7との間で与えられ(膨張弁の入口)、また同様に、膨張器の入口において冷媒液の座標表示は点1と点2との間にある。再び図5を参照すると、従来システムと同じく、補助回路の圧縮エネルギ収支がh5−h3に等しいことが分かり、また、冷却出力がh3−h2から変化することが分かるであろう。
【0034】主たる冷凍サイクルでは、圧縮エネルギ収支はh4−h3に等しく、冷却出力はh3−h1に等しく、冷却効率は従来のものよりも高い。すなわち、(h3−h1)/(h4−h3)が(h3−h2)/(h5−h3)よりも大きいという関係が成立する。実験によれば、補助回路でのガス流量が主回路の流量の約1/10に等しいことが分かっており、これは従来システムに比べてエネルギが節約されることの証拠となる。
【0035】以下、図6ないし図8を参照して、本発明の冷凍システムの作用を説明する。図6は初期条件を示す。図6において、リザーバ8内の液体レベルはセンサS1Hにより決定されるレベルを上回っており、また、リザーバ11での液化ガスのレベルはセンサS2Lにより決定されたレベルよりも低い。この条件において、補助圧縮器10は取入れラインから冷媒ガスを取入れ、この冷媒ガスを補助凝縮器10に高圧で供給する。補助凝縮器10では部分的な凝縮が生起するが、この部分的な凝縮は、補助凝縮器10のファンを付勢または消勢する(或いはファン速度を変化させる)ことにより調整され(空冷凝縮器の場合)、温度調整弁において正確な絞り(スロットリング)を行えるような圧力値が維持される。
【0036】この工程において、電磁弁VS1が開く一方で電磁弁VS2が閉じ、従って、ガスは補助リザーバ8に至り、この補助リザーバ8においてリザーバ内の液体に圧力を加える。高圧液体は、ラインLR1、逆止弁NRD2及びライン14に沿って流れてメインリザーバ25(これが配設されている場合)に到達してこれを迅速に満たす。
【0037】その様なリザーバが存在しなければ、ライン14により補助リザーバ8、11が膨張弁3に直接に接続される。この移送工程は比較的迅速であるが、移送工程の終わりでは図7に示す条件となる。この条件において、部分的に凝縮したガスがメインリザーバ25に到達し、液体移送ラインを凝縮圧力すなわち補助凝縮器10の出力口での圧力に維持する。
【0038】メイン圧縮器または圧縮器10はこの工程で正常に動作し、低圧取入れライン20から導かれたガスはメイン凝縮器5に送られ、このメイン凝縮器5では可能最低圧力で凝縮が起きる。この点においては、低圧冷媒液が、メイン凝縮器5の出力口からのライン、逆止弁NRV2及びラインLR2に沿って流れて補助リザーバ11に到達し、この補助リザーバ11を満たす。
【0039】補助リザーバ11の充満は以下の事実により促進される。すなわち、弁VS3が開いているので(一方、VS4は閉じている)、バイパスチョーク18を通過した少量のガスが取入れラインに到達して補助リザーバ11内の圧力低減に寄与し、従ってメイン凝縮器5から到達する液体による補助リザーバの充満が促進される。
【0040】この第2工程では、補助リザーバ11は、メイン凝縮器5から到達する低圧且つ低温の液体で満たされ、また同時に、補助圧縮器9により高圧に維持された液体がメインリザーバ25から排出される。補助リザーバ11内の液体がセンサS2Hによって設定されたレベルに到達したとき、この工程が終了する。そして、この工程中、全ての電気弁が状態を変え、図8に示す状況になる。この状況は、補助リザーバ8、11の機能の交換が行われることを除き、図6に示した状況に対応しているそして、移送工程が再び行われ、冷凍サイクルが繰り返される。
【0041】留意すべきは、メイン圧縮器4は、凝縮熱交換器が許容する最低排出圧力を常に有し、また、補助圧縮器9は、絞り弁の正確な動作を担保する液体空気供給圧力値を常に維持する。従って、本発明の冷凍システムによれば、冷凍システムのメインセクションを最適条件で動作可能とすると共に如何なる温度においても理論凝縮で動作可能とする。唯一の制約は圧縮器の動作特性に起因して生じる。
【0042】補助回路は、如何なる動作条件においても膨張弁での供給圧力を正確なものとし、また、相当のエネルギ節約の下で冷熱の発生を助ける。更に、液体を強力に過冷却するので、いわゆるフラッシュガス効果が移送配管内で発生するおそれが解消される。本発明の冷凍システムは、補助セクションの助力によって、冷凍システムのエネルギ消費を最適化して全体の冷媒容量を増大すると共にメインセクションに係る機械的応力を低減可能にするものであり、実用上、企図した目的を十分に達成することが認められた。
【0043】上記の如き着想の冷凍システムは種々に変形可能であり、これらの変形は本発明の技術的範囲内に入るものである。また、細部については、技術的に等価の要素で置換可能である。実用上、具体的な用途に適合するものであれば、使用材料や寸法は要件や技術水準に応じた如何なるものでも良い。
【0044】
【発明の効果】本発明の冷凍システムは、少なくとも一つのメイン圧縮器、前記メイン圧縮器と少なくとも一つの膨張弁との間に接続されたメイン凝縮器、および前記膨張弁に接続された少なくとも一つの蒸発器を具備したメインセクションと、メイン圧縮器の低圧取入れラインに接続された少なくとも一つの補助圧縮器、前記補助圧縮器に接続された随意の補助凝縮器、および前記随意の補助凝縮器の出力口と前記メイン凝縮器の出力口とにそれぞれ接続されて前記少なくとも一つの膨張弁に接続される第1及び第2補助リザーバとを具備した補助セクションとを備えるので、また、本発明の冷凍システムによる冷却方法は、第1補助リザーバに液化ガスが満たされると共に第2補助リザーバが空であるという条件で開始され、補助圧縮器により冷媒ガスを補助凝縮器に導入してこの補助凝縮器において前記冷媒ガスを凝縮して前記第1補助リザーバに送り、前記第1補助リザーバ内の前記液化ガスを加圧する工程と、少なくとも一つの冷却セルの少なくとも一つの膨張弁に到達させるべく前記第1補助リザーバの内容物を少なくとも一つの膨張弁へ移送する工程と、メイン圧縮器により低圧取入れラインから冷媒ガスを取入れて前記冷媒ガスをメイン凝縮器へ送り、次いで前記第2補助リザーバに送って前記第2補助リザーバを満たす工程と、前記第2補助リザーバの内容物を少なくとも一つの蒸発器に送るべく、前記第2補助リザーバの内容物を前記少なくとも一つの蒸発器に移送する工程とを備え、冷凍システムにより前記少なくとも一つの冷却セルを冷却するので、冷凍システムにおけるエネルギ消費を従来システムや従来法に比べて最適化できる。特に、本発明によれば、可能最低圧力でのガス冷却が可能であり、従来システムでの通常の温度及び圧力に比べて低温且つ低圧で圧縮器を動作可能として圧縮器の摩耗を低減できる。また、本発明によれば、冷凍システムの全体冷媒容量が従来システムのものよりも高く、メインセクションの動作温度が低く、メイン圧縮器が静かである。本発明の冷凍システムは、高効率コンデショニング装置として使用可能であり、また、高効率の熱ポンプを提供可能であり、競合可能なコストで信頼性良く且つ比較的容易に製造可能である。
【出願人】 【識別番号】500153839
【氏名又は名称】ルチアーノ ツァノン
【氏名又は名称原語表記】ZANON LUCIANO
【住所又は居所原語表記】Via Ugo Foscolo,35 32010 CHIES D’ALPAGO (Prov. of Belluno) ITALY
【出願日】 平成12年4月3日(2000.4.3)
【代理人】 【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二 (外1名)
【公開番号】 特開2000−304364(P2000−304364A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願2000−100647(P2000−100647)