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【発明の名称】 熱搬送装置
【発明者】 【氏名】石井 郁司

【要約】 【課題】加圧熱交換器(131)で生成した高圧圧力で一方のタンク(141)を加圧し、当該タンク(141)から利用側回路(7)に液冷媒を供給する一方、減圧熱交換器(150)で生成した低圧圧力で他方のタンク(142)を減圧し、当該タンク(142)に利用側回路(7)から液冷媒を回収するように構成された熱搬送装置に対し、駆動力発生回路(6)自体の制御を可能とし、装置の特性を活かした能力制御を実行する。

【解決手段】利用側回路(7)の液冷媒をタンク(142)に回収するための液回収管(12)に、流量調整弁(11)を設ける。流量調整弁(11)の開度を調節することにより、タンク(142)への冷媒回収量及び利用側回路(7)の冷媒循環量が調節され、能力が制御される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒の搬送駆動力を発生させる駆動力発生回路(6)と、熱源及び利用側熱交換器(5)を有する利用側回路(7)とを備え、該駆動力発生回路(6)から供給した冷媒を該利用側回路(7)で搬送させて該駆動力発生回路(6)に回収する熱搬送装置であって、上記駆動力発生回路(6)には、ガス出入口及び液出入口が形成された第1及び第2タンク(141,142)と、冷媒を加熱することにより高圧圧力を生成する加圧熱交換器(131)と、冷媒を冷却することにより低圧圧力を生成する減圧熱交換器(150)と、上記第1タンク(141)を上記加圧熱交換器(131)に連通させて加圧タンクにすると共に上記第2タンク(142)を上記減圧熱交換器(150)に連通させて減圧タンクにする第1連通状態と、該第2タンク(142)を該加圧熱交換器(131)に連通させて加圧タンクにすると共に該第1タンク(141)を該減圧熱交換器(150)に連通させて減圧タンクにする第2連通状態とを、交互に切り換える連通切換手段(M)とが設けられ、上記駆動力発生回路(6)の搬送駆動力を調節するために上記利用側回路(7)から上記減圧タンクに回収される液冷媒の量を調節する液回収量調節手段を備えている熱搬送装置。
【請求項2】 利用側回路(7)と第1及び第2タンク(141,142)の各液出入口とを接続する液回収管(12)を備え、液回収量調節手段は、該液回収管(12)に設けられた流量調節機構(11)によって構成されている請求項1に記載の熱搬送装置。
【請求項3】 減圧熱交換器(150)と第1及び第2タンク(141,142)の各ガス出入口とを接続するガス流出管(13)を備え、液回収量調節手段は、減圧タンクの圧力を調節するように該ガス流出管(13)に設けられた流量調節機構(14)によって構成されている請求項1に記載の熱搬送装置。
【請求項4】 減圧熱交換器(150)と第1及び第2タンク(141,142)の各ガス出入口とを接続するガス流出管(13)と、該ガス流出管(13)と利用側回路(7)のガスライン(7a)とを接続するガスバイパス管(15)とを備え、液回収量調節手段は、該ガスバイパス管(15)に設けられた流量調節機構(16)によって構成されている請求項1に記載の熱搬送装置。
【請求項5】 利用側回路(7)と第1及び第2タンク(141,142)の各液出入口とを接続する液回収管(12)と、減圧熱交換器(150)で凝縮した冷媒を該液回収管(12)の冷媒と共に減圧タンクに回収するように、該減圧熱交換器(150)と該減圧タンクとを接続する凝縮冷媒回収管(17)とを備え、液回収量調節手段は、該凝縮冷媒回収管(17)に設けられた流量調節機構(18)によって構成されている請求項1に記載の熱搬送装置。
【請求項6】 液回収量調節手段は、減圧熱交換器(150)における冷媒の冷却量を調節することによって液回収量を調節するように構成されている請求項1に記載の熱搬送装置。
【請求項7】 冷媒の搬送駆動力を発生させる駆動力発生回路(6)と、熱源及び利用側熱交換器(5)を有する利用側回路(7)とを備え、該駆動力発生回路(6)から供給した冷媒を該利用側回路(7)で搬送させて該駆動力発生回路(6)に回収する熱搬送装置であって、上記駆動力発生回路(6)には、ガス出入口及び液出入口が形成された第1及び第2タンク(141,142)と、冷媒を加熱することにより高圧圧力を生成する加圧熱交換器(131)と、冷媒を冷却することにより低圧圧力を生成する減圧熱交換器(150)と、上記第1タンク(141)を上記加圧熱交換器(131)に連通させて加圧タンクにすると共に上記第2タンク(142)を上記減圧熱交換器(150)に連通させて減圧タンクにする第1連通状態と、該第2タンク(142)を該加圧熱交換器(131)に連通させて加圧タンクにすると共に該第1タンク(141)を該減圧熱交換器(150)に連通させて減圧タンクにする第2連通状態とを、交互に切り換える連通切換手段(M)とが設けられ、上記駆動力発生回路(6)の搬送駆動力を調節するために上記加圧タンクから上記利用側回路(7)に供給する液冷媒の量を調節する液供給量調節手段を備えている熱搬送装置。
【請求項8】 利用側回路(7)と第1及び第2タンク(141,142)の各液出入口とを接続する液供給管(19)を備え、液供給量調節手段は、該液供給管(19)に設けられた流量調節機構(20)によって構成されている請求項7に記載の熱搬送装置。
【請求項9】 加圧熱交換器(131)と第1及び第2タンク(141,142)の各ガス出入口とを接続するガス流入管(21)を備え、液供給量調節手段は、加圧タンクの圧力を調節するように該ガス流入管(21)に設けられた流量調節機構(22)によって構成されている請求項7に記載の熱搬送装置。
【請求項10】 加圧熱交換器(131)と第1及び第2タンク(141,142)の各ガス出入口とを接続するガス流入管(21)と、該ガス流入管(21)と利用側回路(7)のガスライン(7a)とを接続するガスバイパス管(23)とを備え、液供給量調節手段は、該ガスバイパス管(23)に設けられた流量調節機構(24)によって構成されている請求項7に記載の熱搬送装置。
【請求項11】 駆動力発生回路(6)は、該駆動力発生回路(6)の液冷媒の一部を加圧熱交換器(131)に導入するバイパス管(27)を備え、液供給量調節手段は、該バイパス管(27)に設けられた流量調節機構(28)によって構成されている請求項7に記載の熱搬送装置。
【請求項12】 駆動力発生回路(6)には、ガス出入口及び液出入口が形成され且つ加圧熱交換器(131)よりも高い位置に設置された補助タンク(143)が設けられ、上記補助タンク(143)の液流出口と上記加圧熱交換器(131)とは、補助液供給管(25)を介して接続され、連通切換手段(M)は、該ガス出入口を介して該補助タンク(143)と該加圧熱交換器(131)とを連通させ、該補助タンク(143)内の液冷媒を上記補助液供給管(25)を通じて該加圧熱交換器(131)に供給する供給状態と、該ガス出入口を介して該補助タンク(143)と減圧熱交換器(150)とを連通させて該補助タンク(143)に液冷媒を吸い込む補給状態とを切り換えるように構成され、液供給量調節手段は、上記補助液供給管(25)に設けられた流量調節機構(26)によって構成されている請求項7に記載の熱搬送装置。
【請求項13】 駆動力発生回路(6)には、ガス出入口及び液出入口が形成され且つ加圧熱交換器(131)よりも高い位置に設置された補助タンク(143)が設けられ、連通切換手段(M)は、該ガス出入口を介して該補助タンク(143)と該加圧熱交換器(131)とを連通させ、該補助タンク(143)内の液冷媒を上記液出入口を通じて該加圧熱交換器(131)に供給する供給状態と、該ガス出入口を介して該補助タンク(143)と減圧熱交換器(150)とを連通させて該補助タンク(143)に液冷媒を吸い込む補給状態とを切り換えるように構成され、液供給量調節手段は、上記連通切換手段(M)の上記供給状態及び補給状態の切換時期を調節することによって液供給量を調節するように構成されている請求項7に記載の熱搬送装置。
【請求項14】 液供給量調節手段は、加圧熱交換器(131)における冷媒の加熱量を調節することによって液供給量を調節するように構成されている請求項7に記載の熱搬送装置。
【請求項15】 加圧熱交換器(131)は、一定の加熱量で冷媒を加熱するように構成され、該加圧熱交換器(131)と第1及び第2タンク(141,142)のガス出入口との間には、該加圧熱交換器(131)で蒸発した冷媒を冷却する冷却器(29)が設けられ、液供給量調節手段は、該冷却器(29)における冷却量を調節することによって液供給量を調節するように構成されている請求項7に記載の熱搬送装置。
【請求項16】 流量調節機構は、開度調節自在な流量調整弁(11,14,16,18,20,22,24,26,28)によって構成されている請求項2〜5又は8〜12のいずれか一つに記載の熱搬送装置。
【請求項17】 流量調節機構は、開閉弁(SV1,SV2)によって構成されている請求項2〜5又は8〜12のいずれか一つに記載の熱搬送装置。
【請求項18】 流量調節機構は、並列に設けられた複数の開閉弁(SV1,SV2)によって構成されている請求項2〜5又は8〜12のいずれか一つに記載の熱搬送装置。
【請求項19】 複数の開閉弁は、口径の異なる複数の開閉弁(SV1,SV2)を含んでいる請求項18に記載の熱搬送装置。
【請求項20】 複数の開閉弁(SV1,SV2)は、冷媒流量が連続的に変化するようにそれぞれの開状態の時間が設定されている請求項18又は19のいずれか一つに記載の熱搬送装置。
【請求項21】 利用側熱交換器(5)における冷媒の出入口温度差を検出する温度差検出手段を備え、液回収量調節手段は、上記利用側熱交換器(5)が蒸発器となる冷房運転時に、冷媒回収量の調節を上記出入口温度差に基づいて実行するように構成されている請求項1〜6のいずれか一つに記載の熱搬送装置。
【請求項22】 利用側熱交換器(5)の出口における冷媒の過熱度又は乾き度を検出する出口冷媒状態検出手段を備え、液回収量調節手段は、上記利用側熱交換器(5)が蒸発器となる冷房運転時に、冷媒回収量の調節を上記過熱度又は乾き度に基づいて実行するように構成されている請求項1〜6のいずれか一つに記載の熱搬送装置。
【請求項23】 駆動力発生回路(6)又は利用側回路(7)の高圧側圧力と低圧側圧力との差を検出する高低差圧検出手段を備え、液回収量調節手段は、冷媒回収量の調節を上記圧力差に基づいて実行するように構成されている請求項1〜6のいずれか一つに記載の熱搬送装置。
【請求項24】 利用側熱交換器(5)における冷媒の出入口温度差を検出する温度差検出手段を備え、液供給量調節手段は、上記利用側熱交換器(5)が凝縮器となる暖房運転時に、冷媒供給量の調節を上記出入口温度差に基づいて実行するように構成されている請求項7〜15のいずれか一つに記載の熱搬送装置。
【請求項25】 利用側熱交換器(5)の出口における冷媒の過冷却度又は乾き度を検出する出口冷媒状態検出手段を備え、液供給量調節手段は、上記利用側熱交換器(5)が凝縮器となる暖房運転時に、冷媒供給量の調節を上記過冷却度又は乾き度に基づいて実行するように構成されている請求項7〜15のいずれか一つに記載の熱搬送装置。
【請求項26】 駆動力発生回路(6)又は利用側回路(7)の高圧側圧力と低圧側圧力との差を検出する高低差圧検出手段を備え、液供給量調節手段は、冷媒供給量の調節を上記圧力差に基づいて実行するように構成されている請求項7〜15のいずれか一つに記載の熱搬送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置の冷媒回路等として利用可能な熱搬送装置に係り、特に、冷媒回路での冷媒の加熱及び冷却によって冷媒搬送のための駆動力を得るようにした装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気調和装置の冷媒回路等として、例えば特開昭63−180022号公報に開示されているように、冷媒を加熱及び冷却することにより冷媒循環のための駆動力を得るようにした熱搬送装置が知られている。
【0003】この熱搬送装置は、加熱器、凝縮器及びタンクを冷媒配管を介して順に接続して構成されている。タンクは加熱器よりも高い位置に配置され、さらに、加熱器とタンクとは、開閉弁を備えた均圧管を介して接続されている。
【0004】このような構成により、室内の暖房運転時には、まず、開閉弁を閉状態にしておき、加熱器で加熱されたガス冷媒を凝縮器で凝縮させて液化した後、この液冷媒をタンクに回収する。その後、開閉弁を開口して、均圧管により加熱器とタンクとを均圧することにより、加熱器よりも高い位置にあるタンクから加熱器に液冷媒を戻すようにしている。そして、このような動作を繰り返すことにより、冷媒の循環を行っている。
【0005】しかしながら、このような構成では、凝縮器からタンクにガス冷媒が導入された場合、タンク内の圧力が上昇してしまい、良好な冷媒の循環動作が行われないおそれがある。このため、凝縮器からガス冷媒が流出しないように、凝縮器において冷媒を過冷却状態にしておく必要があり、大規模なシステムや長配管システムに適用することは難しかった。
【0006】そこで、特開平9−178217号公報に開示された熱搬送装置では、これらの点を解決するために、液冷媒を貯留したタンクに対して加圧動作と減圧動作とを切換可能な駆動力発生回路を設け、加圧動作によってタンク内の液冷媒を利用側回路に押し出す一方、減圧動作によって利用側回路の液冷媒をタンクに回収することにより、冷媒循環を良好にしている。
【0007】詳しくは、図13に示すように、上記熱搬送装置は、圧縮機(a)が設けられた蒸気圧縮式の冷媒回路で成る1次側回路(y1)と、熱駆動式の冷媒回路で成る2次側回路(y2)とを備えている。1次側回路(y1)は、駆動用の加圧熱交換器(b)及び減圧熱交換器(d)を備えた駆動源回路(x4)と、熱源側熱交換器(g)及び主熱交換器(f)を備えた熱源側回路(x2)とから構成されている。2次側回路(y2)は、利用側熱交換器(e)を備えると共に主熱交換器(f)に接続されて2次側冷媒が循環する利用側回路(x1)と、液冷媒を貯留した一対のタンク(t1),(t2)を備えて利用側回路(x1)における冷媒の循環駆動力を発生させる駆動力発生回路(x3)とから構成されている。
【0008】駆動源回路(x4)では、加圧熱交換器(b)において1次側冷媒が凝縮する一方、減圧熱交換器(d)において1次側冷媒が蒸発する。これにより、駆動力発生回路(x3)では、加圧熱交換器(b)において2次側冷媒が加熱されて高圧圧力が発生する一方、減圧熱交換器(d)において2次側冷媒が冷却されて低圧圧力が生成される。そして、一方のタンク(t1)と加圧熱交換器(b)を連通させると共に他方のタンク(t2)と減圧熱交換器(d)を連通させ、一方のタンク(t1)を加圧すると共に、他方のタンク(t2)を減圧する。その結果、高低圧差が駆動力となって、利用側回路(x1)において2次側冷媒が循環する。利用側回路(x1)では、2次側冷媒は、主熱交換器(f)において吸収した温熱または冷熱を、利用側熱交換器(e)で放出する。
【0009】従って、機器の配設位置の制約が小さく、高い信頼性及び汎用性を有するような無動力熱搬送方式の熱搬送装置を実現することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記熱搬送装置では、各利用側熱交換器(e)に対して設けられた流量調整弁(h)の開度を調節することにより、各利用側熱交換器(e)における能力を調節することとしていた。しかし、流量調整弁(h)の開度調節に基づく画一的な能力制御では、利用側熱交換器(e)の能力は調節できても、駆動力発生回路(x3)の搬送駆動力自体を制御することはできず、無駄が多い等の問題があった。また、熱搬送装置の特性を十分に活用しているとは言い難かった。そこで、熱搬送装置の特性を活かした多様な制御が望まれていた。本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、駆動力発生回路の搬送駆動力を調節することにより、熱搬送装置の特性を活かした能力制御を実現することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、駆動力発生回路(6)の冷媒回収量又は冷媒供給量等を調節することにより、能力を制御することとした。
【0012】具体的には、本発明に係る熱搬送装置は、冷媒の搬送駆動力を発生させる駆動力発生回路(6)と、熱源及び利用側熱交換器(5)を有する利用側回路(7)とを備え、該駆動力発生回路(6)から供給した冷媒を該利用側回路(7)で搬送させて該駆動力発生回路(6)に回収する熱搬送装置であって、上記駆動力発生回路(6)には、ガス出入口及び液出入口が形成された第1及び第2タンク(141,142)と、冷媒を加熱することにより高圧圧力を生成する加圧熱交換器(131)と、冷媒を冷却することにより低圧圧力を生成する減圧熱交換器(150)と、上記第1タンク(141)を上記加圧熱交換器(131)に連通させて加圧タンクにすると共に上記第2タンク(142)を上記減圧熱交換器(150)に連通させて減圧タンクにする第1連通状態と、該第2タンク(142)を該加圧熱交換器(131)に連通させて加圧タンクにすると共に該第1タンク(141)を該減圧熱交換器(150)に連通させて減圧タンクにする第2連通状態とを、交互に切り換える連通切換手段(M)とが設けられ、上記利用側回路(7)から上記減圧タンクに回収される液冷媒の量を調節する液回収量調節手段を備えていることとしたものである。
【0013】上記事項により、減圧タンクへの冷媒回収量が増加するほど利用側回路(7)の冷媒循環量が増え、能力は増大する。一方、減圧タンクへの冷媒回収量が減少するほど利用側回路(7)の冷媒循環量が減少し、能力は減少する。このように、減圧タンクへの冷媒回収量を調節することにより、能力制御が行われる。
【0014】上記熱搬送装置は、利用側回路(7)と第1及び第2タンク(141,142)の各液出入口とを接続する液回収管(12)を備え、液回収量調節手段は、該液回収管(12)に設けられた流量調節機構(11)によって構成されていてもよい。
【0015】上記事項により、液回収管(12)に設けられた流量調節機構(11)により液回収管(12)を流通する冷媒量が調節され、減圧タンクへの冷媒回収量が調節されることになる。これにより、能力が制御される。
【0016】上記熱搬送装置は、減圧熱交換器(150)と第1及び第2タンク(141,142)の各ガス出入口とを接続するガス流出管(13)を備え、液回収量調節手段は、減圧タンクの圧力を調節するように該ガス流出管(13)に設けられた流量調節機構(14)によって構成されていてもよい。
【0017】上記事項により、ガス流出管(13)に設けられた流量調節機構(14)によりガス流出管(13)を流通する冷媒量が調節され、減圧タンクの圧力が調節される。その結果、減圧タンクの冷媒回収量が調節され、能力制御が行われる。
【0018】上記熱搬送装置は、減圧熱交換器(150)と第1及び第2タンク(141,142)の各ガス出入口とを接続するガス流出管(13)と、該ガス流出管(13)と利用側回路(7)のガスライン(7a)とを接続するガスバイパス管(15)とを備え、液回収量調節手段は、該ガスバイパス管(15)に設けられた流量調節機構(16)によって構成されていてもよい。
【0019】上記事項により、ガスバイパス管(15)に設けられた流量調節機構(16)によりガスバイパス管(15)のバイパス量が調節される。これにより、減圧タンクの冷媒回収量及び利用側回路(7)の冷媒循環量が調節され、能力制御が行われる。
【0020】上記熱搬送装置は、利用側回路(7)と第1及び第2タンク(141,142)の各液出入口とを接続する液回収管(12)と、減圧熱交換器(150)で凝縮した冷媒を該液回収管(12)の冷媒と共に減圧タンクに回収するように、該減圧熱交換器(150)と該減圧タンクとを接続する凝縮冷媒回収管(17)とを備え、液回収量調節手段は、該凝縮冷媒回収管(17)に設けられた流量調節機構(18)によって構成されていてもよい。
【0021】上記事項により、凝縮冷媒回収管(17)に設けられた流量調節機構(18)により、凝縮冷媒回収管(17)を流れる冷媒の量が調節される。これにより、減圧熱交換器(150)における有効伝熱面積が調節されると共に、減圧タンクの冷媒回収量が調節され、能力制御が行われる。
【0022】上記液回収量調節手段は、減圧熱交換器(150)における冷媒の冷却量を調節することによって液回収量を調節するように構成されていてもよい。
【0023】上記事項により、減圧熱交換器(150)における冷媒の冷却量が調節され、減圧タンクの圧力が調節される。これにより、減圧タンクの冷媒回収量が調節され、能力制御が行われる。
【0024】また、本発明に係る熱搬送装置は、冷媒の搬送駆動力を発生させる駆動力発生回路(6)と、熱源及び利用側熱交換器(5)を有する利用側回路(7)とを備え、該駆動力発生回路(6)から供給した冷媒を該利用側回路(7)で搬送させて該駆動力発生回路(6)に回収する熱搬送装置であって、上記駆動力発生回路(6)には、ガス出入口及び液出入口が形成された第1及び第2タンク(141,142)と、冷媒を加熱することにより高圧圧力を生成する加圧熱交換器(131)と、冷媒を冷却することにより低圧圧力を生成する減圧熱交換器(150)と、上記第1タンク(141)を上記加圧熱交換器(131)に連通させて加圧タンクにすると共に上記第2タンク(142)を上記減圧熱交換器(150)に連通させて減圧タンクにする第1連通状態と、該第2タンク(142)を該加圧熱交換器(131)に連通させて加圧タンクにすると共に該第1タンク(141)を該減圧熱交換器(150)に連通させて減圧タンクにする第2連通状態とを、交互に切り換える連通切換手段(M)とが設けられ、上記加圧タンクから上記利用側回路(7)に供給する液冷媒の量を調節する液供給量調節手段を備えていることとしたものである。
【0025】上記事項により、加圧タンクからの冷媒供給量が増加するほど利用側回路(7)の冷媒循環量が増え、能力は増大する。一方、加圧タンクからの冷媒供給量が減少するほど利用側回路(7)の冷媒循環量が減少し、能力は減少する。このように、加圧タンクの冷媒供給量を調節することにより、能力制御が実行されることになる。
【0026】また、上記熱搬送装置は、利用側回路(7)と第1及び第2タンク(141,142)の各液出入口とを接続する液供給管(19)を備え、液供給量調節手段は、該液供給管(19)に設けられた流量調節機構(20)によって構成されていてもよい。
【0027】上記事項により、液供給管(19)に設けられた流量調節機構(20)により、液供給管(19)の冷媒流量が調節される。これにより、加圧タンクの冷媒供給量が調節され、能力制御が行われる。
【0028】また、上記熱搬送装置は、加圧熱交換器(131)と第1及び第2タンク(141,142)の各ガス出入口とを接続するガス流入管(21)を備え、液供給量調節手段は、加圧タンクの圧力を調節するように該ガス流入管(21)に設けられた流量調節機構(22)によって構成されていてもよい。
【0029】上記事項により、ガス流入管(21)に設けられた流量調節機構(22)により、ガス流入管(21)の冷媒流量が調節され、加圧タンクの圧力が調節される。これにより、加圧タンクの冷媒供給量が調節され、能力制御が行われる。
【0030】また、上記熱搬送装置は、加圧熱交換器(131)と第1及び第2タンク(141,142)の各ガス出入口とを接続するガス流入管(21)と、該ガス流入管(21)と利用側回路(7)のガスライン(7a)とを接続するガスバイパス管(23)とを備え、液供給量調節手段は、該ガスバイパス管(23)に設けられた流量調節機構(24)によって構成されていてもよい。
【0031】上記事項により、ガスバイパス管(23)に設けられた流量調節機構(24)により、ガスバイパス管(23)のバイパス量が調節される。これにより、加圧タンクの冷媒供給量と共に利用側回路(7)の冷媒循環量が調節され、能力制御が行われる。
【0032】また、上記駆動力発生回路(6)は、該駆動力発生回路(6)の液冷媒の一部を該加圧熱交換器(131)に導入するバイパス管(27)を備え、液供給量調節手段は、該バイパス管(27)に設けられた流量調節機構(28)によって構成されていてもよい。
【0033】上記事項により、バイパス管(27)に設けられた流量調節機構(28)により、バイパス管(27)のバイパス量が調節され、加圧熱交換器(131)に導入される液冷媒の量が調節される。その結果、加圧熱交換器(131)における冷媒の蒸発量が調節され、加圧タンクの圧力が調節される。これにより、加圧タンクの冷媒供給量が調節され、能力制御が実行されることになる。
【0034】また、上記駆動力発生回路(6)には、ガス出入口及び液出入口が形成され且つ加圧熱交換器(131)よりも高い位置に設置された補助タンク(143)が設けられ、上記補助タンク(143)の液流出口と上記加圧熱交換器(131)とは、補助液供給管(25)を介して接続され、連通切換手段(M)は、該ガス出入口を介して該補助タンク(143)と該加圧熱交換器(131)とを連通させ、該補助タンク(143)内の液冷媒を上記補助液供給管(25)を通じて該加圧熱交換器(131)に供給する供給状態と、該ガス出入口を介して該補助タンク(143)と減圧熱交換器(150)とを連通させて該補助タンク(143)に液冷媒を吸い込む補給状態とを切り換えるように構成され、液供給量調節手段は、上記補助液供給管(25)に設けられた流量調節機構(26)によって構成されていてもよい。
【0035】上記事項により、補助液供給管(25)に設けられた流量調節機構(26)により、補助液供給管(25)を通じて加圧熱交換器(131)に供給される液冷媒の量が調節される。その結果、加圧熱交換器(131)における冷媒の蒸発量が調節され、加圧タンクの圧力が調節される。これにより、加圧タンクの冷媒供給量が調節され、能力制御が実行されることになる。
【0036】上記駆動力発生回路(6)には、ガス出入口及び液出入口が形成され且つ加圧熱交換器(131)よりも高い位置に設置された補助タンク(143)が設けられ、連通切換手段(M)は、該ガス出入口を介して該補助タンク(143)と該加圧熱交換器(131)とを連通させ、該補助タンク(143)内の液冷媒を上記液出入口を通じて該加圧熱交換器(131)に供給する供給状態と、該ガス出入口を介して該補助タンク(143)と減圧熱交換器(150)とを連通させて該補助タンク(143)に液冷媒を吸い込む補給状態とを切り換えるように構成され、液供給量調節手段は、上記連通切換手段(M)の上記供給状態及び補給状態の切換時期を調節することによって液供給量を調節するように構成されていてもよい。
【0037】上記事項により、供給状態と補給状態との切換時期が調節され、補助タンク(143)から加圧熱交換器(131)に供給される冷媒量が調節される。これにより、加圧タンクの冷媒供給量が調節され、能力制御が行われることになる。
【0038】上記液供給量調節手段は、加圧熱交換器(131)における冷媒の加熱量を調節することによって液供給量を調節するように構成されていてもよい。
【0039】上記事項により、加圧熱交換器(131)における冷媒の加熱量が調節され、加圧タンクの圧力が調節される。これにより、加圧タンクの冷媒供給量が調節され、能力制御が行われる。
【0040】上記熱搬送装置は、加圧熱交換器(131)が一定の加熱量で冷媒を加熱するように構成され、該加圧熱交換器(131)と第1及び第2タンク(141,142)のガス出入口との間には、該加圧熱交換器(131)で蒸発した冷媒を冷却する冷却器(29)が設けられ、液供給量調節手段は、該冷却器(29)における冷却量を調節することによって液供給量を調節するように構成されていてもよい。
【0041】上記事項により、冷却器(29)における冷却量が調節されことにより、加圧タンクの圧力が調節される。従って、加圧熱交換器(131)における加熱量が一定であるような場合であっても、加圧タンクの冷媒供給量が調節され、能力制御は容易に行われる。
【0042】上記流量調節機構は、開度調節自在な流量調整弁(11,14,16,18,20,22,24,26,28)によって構成されていてもよい。
【0043】上記事項により、流量調整弁の開度調節により、冷媒流量が調節される。
【0044】また、上記流量調節機構は、開閉弁(SV1,SV2)によって構成されていてもよい。
【0045】上記事項により、冷媒流量を増加させる際には開状態の時間を長くする一方、冷媒流量を減少させる際には閉状態の時間を長くするように開閉弁の開閉動作が制御され、冷媒流量が調節される。
【0046】また、上記流量調節機構は、並列に設けられた複数の開閉弁(SV1,SV2)によって構成されていてもよい。
【0047】上記事項により、開状態の開閉弁の数を調節することにより、冷媒流量が調節される。
【0048】また、上記複数の開閉弁は、口径の異なる複数の開閉弁(SV1,SV2)を含んでいてもよい。
【0049】上記事項により、開閉弁の数よりも多段階の流量制御が可能となる。
【0050】また、上記複数の開閉弁(SV1,SV2)は、冷媒流量が連続的に変化するようにそれぞれの開状態の時間が設定されていてもよい。
【0051】上記事項により、冷媒流量の増減変化が連続的に行われるようになる。
【0052】上記熱搬送装置は、利用側熱交換器(5)における冷媒の出入口温度差を検出する温度差検出手段を備え、液回収量調節手段は、上記利用側熱交換器(5)が蒸発器となる冷房運転時に、冷媒回収量の調節を上記出入口温度差に基づいて実行するように構成されていてもよい。
【0053】上記事項により、冷房運転時に蒸発器となる利用側熱交換器(5)の出入口温度差に基づいて冷媒回収量が調節されるので、冷房負荷に対応した高効率な能力制御が行われる。
【0054】上記熱搬送装置は、利用側熱交換器(5)の出口における冷媒の過熱度又は乾き度を検出する出口冷媒状態検出手段を備え、液回収量調節手段は、上記利用側熱交換器(5)が蒸発器となる冷房運転時に、冷媒回収量の調節を上記過熱度又は乾き度に基づいて実行するように構成されていてもよい。
【0055】上記事項により、冷房運転時に蒸発器となる利用側熱交換器(5)出口における冷媒の過熱度又は乾き度に基づいて冷媒回収量が調節されるので、冷房負荷に対応した高効率な能力制御が行われる。
【0056】上記熱搬送装置は、駆動力発生回路(6)又は利用側回路(7)の高圧側圧力と低圧側圧力との差を検出する高低差圧検出手段を備え、液回収量調節手段は、冷媒回収量の調節を上記圧力差に基づいて実行するように構成されていてもよい。
【0057】上記事項により、駆動力発生回路(6)又は利用側回路(7)の高低差圧に基づいて冷媒回収量が調節されるので、冷凍負荷に応じた高効率な能力制御が行われる。
【0058】上記熱搬送装置は、利用側熱交換器(5)における冷媒の出入口温度差を検出する温度差検出手段を備え、液供給量調節手段は、上記利用側熱交換器(5)が凝縮器となる暖房運転時に、冷媒供給量の調節を上記出入口温度差に基づいて実行するように構成されていてもよい。
【0059】上記事項により、暖房運転時に凝縮器となる利用側熱交換器(5)の出入口温度差に基づいて冷媒供給量が調節されるので、暖房負荷に対応した高効率な能力制御が行われる。
【0060】上記熱搬送装置は、利用側熱交換器(5)の出口における冷媒の過冷却度又は乾き度を検出する出口冷媒状態検出手段を備え、液供給量調節手段は、上記利用側熱交換器(5)が凝縮器となる暖房運転時に、冷媒供給量の調節を上記過冷却度又は乾き度に基づいて実行するように構成されていてもよい。
【0061】上記事項により、暖房運転時に凝縮器となる利用側熱交換器(5)出口おける過冷却度又は乾き度に基づいて冷媒供給量が調節されるので、暖房負荷に対応した高効率な能力制御が行われる。
【0062】上記熱搬送装置は、駆動力発生回路(6)又は利用側回路(7)の高圧側圧力と低圧側圧力との差を検出する高低差圧検出手段を備え、液供給量調節手段は、冷媒供給量の調節を上記圧力差に基づいて実行するように構成されていてもよい。
【0063】上記事項により、駆動力発生回路(6)又は利用側回路(7)の高低差圧に基づいて冷媒供給量が調節されるので、冷凍負荷に応じた高効率な能力制御が行われる。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0065】<第1実施形態>−熱搬送装置(1)の全体構成−まず、熱搬送装置(1)の全体構成を説明する。図1に示すように、熱搬送装置(1)は、熱駆動ユニット(2)と複数の利用側ユニット(3)とが接続されて構成されている。各利用側ユニット(3)には、利用側熱交換器(5)と流量調整弁(4)とが設けられている。
【0066】図2に示すように、熱駆動ユニット(2)は、タンク(141),(142)の加減圧により冷媒の搬送駆動力を発生させるものであり、駆動力発生回路(6)、利用側回路(7)及び熱源回路(8)を備えている。
【0067】熱源回路(8)は、主回路(157)、冷却回路(156)、補助回路(155)、及び第1〜第3バイパス回路(154),(153),(152)を備えている。熱源回路(8)は主熱交換器(158)を介して利用側回路(7)の熱源となるものである。
【0068】主回路(157)は、圧縮機(160)、四路切換弁(159)、熱源側熱交換器(128)、加圧熱交換器(131)、膨張弁(134)、主熱交換器(158)、及び上記四路切換弁(159)が順に接続されて構成されている。熱源側熱交換器(128)と加圧熱交換器(131)との間には、熱源側熱交換器(128)から加圧熱交換器(131)へ向かう方向の冷媒流れのみを許容する第1逆止弁(161)が設けられている。膨張弁(134)と主熱交換器(158)との間には、膨張弁(134)から主熱交換器(158)に向かう方向の冷媒流れのみを許容する第2逆止弁(162)が設けられている。
【0069】冷却回路(156)は、上流端が主回路(157)における加圧熱交換器(131)と膨張弁(134)との間に接続され、下流端が主回路(157)における四路切換弁(159)と圧縮機(160)の吸入側配管との間に接続されている。冷却回路(156)には、上流端から下流端に向かって順に、キャピラリーチューブ(151)及び減圧熱交換器(150)が設けられている。
【0070】補助回路(155)は、一端が主回路(157)における加圧熱交換器(131)と冷却回路(156)の上流端との間に接続され、他端が冷却回路(156)における減圧熱交換器(150)と下流端との間に接続されている。補助回路(155)には、上記一端から他端に向かって順に、膨張弁(149)及び補助熱交換器(148)が設けられている。
【0071】第1バイパス回路(154)は、一端が主回路(157)における第2逆止弁(162)と主熱交換器(158)との間に接続され、他端が主回路(157)における加圧熱交換器(131)と冷却回路(156)の上流端との間に接続されている。第1バイパス回路(154)には、上記一端から他端に向かって順に、レシーバ(149A)及び第3逆止弁(163)が設けられている。第3逆止弁(163)は、上記一端から他端に向かう方向の冷媒流れのみを許容する逆止弁である。
【0072】第2バイパス回路(153)は、一端が主回路(157)における膨張弁(134)と第2逆止弁(162)との間に接続され、他端が主回路(157)における熱源側熱交換器(128)と第1逆止弁(161)との間に接続されている。第2バイパス回路(153)には、上記一端から他端に向かう方向の冷媒流れのみを許容する第4逆止弁(164)が設けられている。
【0073】第3バイパス回路(152)は、一端が主回路(157)における主熱交換器(158)と四路切換弁(159)との間に接続され、他端が主回路(157)における第1逆止弁(161)と加圧熱交換器(131)との間に接続されている。第3バイパス回路(152)には、上記一端から他端に向かう方向の冷媒流れのみを許容する第5逆止弁(165)が設けられている。
【0074】駆動力発生回路(6)は、第1タンク(141)、第2タンク(142)及び補助タンク(143)を備えている。第1タンク(141)の上端と加圧熱交換器(131)の上端とは、第1加圧電磁弁(111)が設けられた配管によって接続されている。第2タンク(142)の上端と加圧熱交換器(131)の上端とは、第2加圧電磁弁(112)が設けられた配管によって接続されている。補助タンク(143)の上端と加圧熱交換器(131)の上端とは、補助加圧電磁弁(113)が設けられた配管によって接続されている。
【0075】第1タンク(141)の上端と減圧熱交換器(132)の上端とは、第1減圧電磁弁(114)が設けられた配管によって接続されている。第2タンク(142)の上端と減圧熱交換器(132)の上端とは、第2減圧電磁弁(115)が設けられた配管によって接続されている。補助タンク(143)の上端と減圧熱交換器(132)の上端とは、補助減圧電磁弁(116)が設けられた配管によって接続されている。
【0076】第1加圧電磁弁(111)、第2加圧電磁弁(112)、第1減圧電磁弁(114)、第2減圧電磁弁(115)は、第1タンク(141)または第2タンク(142)のいずれか一方のタンクを加圧熱交換器(131)に連通させると共に他方のタンクを減圧熱交換器(132)に連通させて冷媒の循環駆動力を発生させる連通切換手段(M)の一部を構成している。また、この連通切換手段(M)は、補助加圧電磁弁(113)及び補助減圧電磁弁(116)を備え、これら電磁弁(113),(116)の開閉動作を制御することにより、補助タンク(143)と加圧熱交換器(131)とを連通する供給状態と、補助タンク(143)と減圧熱交換器(150)とを連通する補給状態とを切り換える。
【0077】第1タンク(141)の下方には、第1タンク(141)内の液冷媒を利用側回路(7)に供給する方向の冷媒流れのみを許容する第1流出逆止弁(117)と、利用側回路(7)から第1タンク(141)に流入する方向の冷媒流れのみを許容する第1流入逆止弁(118)と、減圧熱交換器(132)からの冷媒を第1タンク(141)に回収する方向の冷媒流れのみを許容する第1回収逆止弁(119)とが設けられている。
【0078】同様に、第2タンク(142)の下方には、第2タンク(142)内の液冷媒を利用側回路(7)に供給する方向の冷媒流れのみを許容する第2流出逆止弁(120)と、利用側回路(7)から第2タンク(142)に流入する方向の冷媒流れのみを許容する第2流入逆止弁(121)と、減圧熱交換器(132)からの冷媒を第2タンク(142)に回収する方向の冷媒流れのみを許容する第2回収逆止弁(122)とが設けられている。
【0079】補助タンク(143)の下方には、補助タンク(143)内の液冷媒を加圧熱交換器(131)に供給する方向の冷媒流れのみを許容する液供給逆止弁(123)と、補助タンク(143)へ液冷媒を補給する方向の冷媒流れのみを許容する液補給逆止弁(124)とが設けられている。なお、補助タンク(143)は、補助タンク(143)内の液冷媒が重力の作用によって加圧熱交換器(131)に自然に流れていくように、加圧熱交換器(131)よりも高い位置に設置されている。
【0080】利用側回路(7)から第1タンク(141)または第2タンク(142)に冷媒を回収する液回収管(12)には、補助熱交換器(148)が設けられている。なお、補助熱交換器(148)は熱源回路(8)における冷媒の熱バランスを調節することを主目的として設けられた熱交換器である。また、補助熱交換器(148)は、第1タンク(141)または第2タンク(142)に流入する冷媒中に気泡が含まれないように、冷媒を冷却する役割を果たすものでもある。
【0081】第1タンク(141)と第2タンク(142)の上端には、互いのタンク(141),(142)を連通する連通管(50)が接続されている。中間部よりも第1タンク(141)側は第1連通部(50a)となり、中間部よりも第2タンク(142)側は第2連通部(50b)になっている。連通管(50)の中間部には、両タンク(141),(142)の下方の配管に接続された冷媒排出管(53)が接続されている。連通管(50)の中間部と第1タンク(141)との間には、第1排出弁(51)が設けられ、上記中間部と第2タンク(142)との間には、第2排出弁(52)が設けられている。
【0082】第1タンク(141)及び第2タンク(142)の下方に設けられた配管(流出逆止弁(117),(120)が設けられた配管)は、互いに合流して四路切換弁(147)の第1ポートに接続されている。また、補助熱交換器(148)の一端は、四路切換弁(147)の第3ポートに接続されている。四路切換弁(147)の第2ポート及び第4ポートは、利用側回路(7)に接続されている。特に、第4ポートは、配管(55)を介して主熱交換器(158)の下端に接続されている。なお、四路切換弁(147)は、第1ポートと第2ポートを連通すると共に第3ポートと第4ポートを連通する第1状態と、第1ポートと第4ポートを連通すると共に第2ポートと第3ポートを連通する第2状態とを選択できるように構成されている。
【0083】そして、第1実施形態の特徴の一つとして、利用側回路(7)と両タンク(141),(142)の液出入口とを接続する液回収管(12)には、流量調節機構としての流量調整弁(11)が設けられている。
【0084】−熱搬送装置(1)の動作−冷房運転にあっては、熱源回路(8)の四路切換弁(159)及び駆動力発生回路(6)の四路切換弁(147)は、共に図示の実線側に設定される。
【0085】熱源回路(8)では、圧縮機(160)から吐出された冷媒は、熱源側熱交換器(128)及び加圧熱交換器(131)で凝縮する。この際、加圧熱交換器(131)の駆動力発生回路(6)側は加熱され、高圧圧力が発生する。主熱交換器(158)を流出した冷媒は分流し、一部は膨張弁(134)で膨張し、他の一部は冷却回路(156)に流入してキャピラリーチューブ(151)で膨張し、他の部分は補助回路(155)に流入して膨張弁(149)で膨張する。膨張弁(134)で膨張して減圧した冷媒は、主熱交換器(158)で蒸発する。一方、キャピラリーチューブ(151)で膨張して減圧した冷媒は、減圧熱交換器(150)で蒸発し、減圧熱交換器(150)の駆動力発生回路(6)側に低圧圧力を生成する。膨張弁(149)で膨張して減圧した冷媒は、補助熱交換器(148)で蒸発し、タンク(141),(142)に回収される駆動力発生回路(6)側の冷媒を冷却する。そして、主熱交換器(158)を流出した冷媒と減圧熱交換器(150)を流出した冷媒と補助熱交換器(148)を流出した冷媒は合流し、圧縮機(160)に吸入される。
【0086】駆動力発生回路(6)では、以下に説明する第1連通状態及び第2連通状態が交互に繰り返される。これにより、冷媒は、駆動力発生回路(6)から利用側回路(7)に供給され、利用側熱交換器(35)で蒸発して室内空気を冷却し、主熱交換器(158)で凝縮した後、駆動力発生回路(6)に回収される循環動作を行う。
【0087】具体的には、第1連通状態では、第1加圧電磁弁(111)及び第2減圧電磁弁(115)は開状態に設定される。一方、第1減圧電磁弁(114)及び第2加圧電磁弁(112)は、閉状態に設定される。このことにより、第1タンク(141)と加圧熱交換器(131)とが連通すると共に、第2タンク(142)と減圧熱交換器(132)とが連通する。その結果、第1タンク(141)は上方から加圧されて加圧タンクとなり、第1タンク(141)内の液冷媒が下方に押し出される。押し出された冷媒は、第1流出逆止弁(117)及び四路切換弁(147)を通過し、各利用側熱交換器(35)に流入する。この冷媒は、利用側熱交換器(35)において室内空気と熱交換を行って蒸発し、室内空気を冷却する。蒸発した冷媒は、利用側熱交換器(35)を流出した後、主熱交換器(158)で凝縮し、液冷媒となって四路切換弁(147)を通過して駆動力発生回路(6)に流入する。駆動力発生回路(6)に流入した冷媒は、第2流入逆止弁(121)を通じて第2タンク(142)に回収される。この際、第2タンク(142)は減圧熱交換器(132)によって減圧されて減圧タンクとなっているため、第2タンク(142)への冷媒の回収は円滑に行われる。
【0088】このように、第1連通状態は、第1タンク(141)が加圧タンクとなり、第2タンク(142)が減圧タンクとなり、第1タンク(141)から供給された液冷媒が利用側回路(7)を流通し、第2タンク(142)に回収される状態である。
【0089】ところで、このまま第1連通状態を継続していくと、第1タンク(141)の液冷媒が不足気味になる一方、第2タンク(142)の液冷媒が過剰気味になる。そこで、このような状態になると、冷媒の循環動作を第1連通状態から以下の第2連通状態に切り換える。
【0090】第2連通状態は、第1加圧電磁弁(111)及び第2減圧電磁弁(115)が閉状態に設定される一方、第1減圧電磁弁(114)及び第2加圧電磁弁(112)が開状態に設定される状態である。このことにより、第2タンク(142)と加圧熱交換器(131)とが連通すると共に、第1タンク(141)と減圧熱交換器(132)とが連通する。その結果、第2タンク(142)は加圧タンクとなって上方から加圧されると同時に、第1タンク(141)は減圧タンクとなって上方から減圧される。これにより、第1連通状態とは逆に、第2タンク(142)から液冷媒が押し出され、第1タンク(141)に液冷媒が回収される冷媒循環動作が行われる。
【0091】そして、第2タンク(142)の液冷媒が不足気味になると、駆動力発生回路(6)は第2連通状態から再び第1連通状態に切り換えられる。このように、第1連通状態と第2連通状態とが交互に繰り返されることにより、冷媒が継続的に循環することになる。
【0092】なお、補助タンク(143)は、加圧熱交換器(131)に液冷媒を供給するためのタンクである。加圧熱交換器(131)に液冷媒が不足している状態では、補助加圧電磁弁(113)を開状態に設定すると共に補助減圧電磁弁(116)を閉状態に設定する。この結果、補助タンク(143)と加圧熱交換器(131)とが連通する供給状態となる。これにより、補助タンク(143)の液冷媒は押し出され、液供給逆止弁(123)を通過して加圧熱交換器(131)に供給されることになる。
【0093】一方、補助タンク(143)内の液冷媒が不足した場合には、補助加圧電磁弁(113)を閉状態に設定すると共に、補助減圧電磁弁(116)を開状態に設定し、補給状態とする。その結果、液冷媒は液補給逆止弁(124)を通じて補助タンク(143)に補給されることになる。
【0094】暖房運転にあっては、熱源回路(8)の四路切換弁(159)及び駆動力発生回路(6)の四路切換弁(147)が、共に図示の破線側に設定され、利用側回路(7)における冷媒の循環方向は上記循環動作時と逆になる。つまり、駆動力発生回路(6)から供給された冷媒は、主熱交換器(158)で蒸発し、利用側熱交換器(35)で凝縮した後、駆動力発生回路(6)に回収されることになる。
【0095】−流量調整弁(11)による能力制御−本実施形態では、流量調整弁(11)の開度を調節することにより、第1タンク(141)又は第2タンク(142)に回収される冷媒量を調節し、これにより能力の調節を行う。能力制御は、所定のパラメータに基づいて行う。
【0096】所定のパラメータとしては、例えば以下のようなものを利用することができる。すなわち、冷房運転時には、蒸発器となる利用側熱交換器(5)の出口における冷媒の過熱度又は乾き度、冷媒の利用側熱交換器(5)の出口温度と入口温度との差(出入口温度差)等を用いることができる。暖房運転時には、凝縮器となる利用側熱交換器(5)の出口における冷媒の過冷却度又は乾き度、冷媒の利用側熱交換器(5)の出入口温度差等を用いることができる。また、運転モードにかかわらず、駆動力発生回路(6)又は利用側回路(7)の高圧側圧力と低圧側圧力の差、すなわち高低差圧を用いることも可能である。
【0097】なお、冷媒の利用側熱交換器(5)の出入口温度差、過熱度、過冷却度又は乾き度等は、周知の検出手段(温度センサ、圧力センサ、及びそれらの組み合わせ等)によって検出することができる。高低差圧は、差圧センサの他、高圧側圧力及び低圧側圧力をそれぞれ検出する複数の圧力センサを用いて検出することができる。
【0098】そして、所定のパラメータに基づいて、冷凍負荷が大きい(能力が不足気味)と判断したときには、流量調整弁(11)の開度を大きくする。これにより、減圧タンクに回収される冷媒量が増加し、利用側回路(7)の冷媒循環量は多くなる。その結果、駆動力発生回路(6)の搬送駆動力が増大し、熱搬送装置(1)の能力は増大する。一方、冷凍負荷が小さい(能力が過大)と判断したときには、流量調整弁(11)の開度を小さくする。これにより、減圧タンクに回収される冷媒量が減少し、利用側回路(7)の冷媒循環量は少なくなる。その結果、駆動力発生回路(6)の搬送駆動力は減少し、熱搬送装置(1)の能力は減少する。なお、ここで冷凍負荷とは、冷房運転時における冷房負荷又は暖房運転時における暖房負荷をいう。
【0099】本実施形態によれば、このように能力制御を行うことにより、冷房負荷又は暖房負荷に対応した高効率で安定した運転が可能となる。
【0100】<第2実施形態>図3に示すように、第2実施形態は、第1実施形態の流量調整弁(11)に代えて、各タンク(141),(142),(143)のガス出入口と減圧熱交換器(150)とを接続するガス流出管(13)に、流量調整弁(14)を設けたものである。
【0101】所定のパラメータに基づいて冷凍負荷が大きいと判断した際には、流量調整弁(14)の開度を増加させる。これにより、減圧タンクへの液冷媒の回収量が増大し、利用側回路(7)の冷媒循環量が増加する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は増加する。
【0102】一方、冷凍負荷が小さいときには、流量調整弁(14)の開度を減少させる。これにより、減圧タンクへの液冷媒の回収量が減少し、利用側回路(7)の冷媒循環量が減少する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は減少する。
【0103】本実施形態によれば、減圧タンクの圧力自体を調節するので、液回収管(12)における液冷媒のフラッシュが抑制される。従って、運転効率の高い能力制御が可能となる。
【0104】<第3実施形態>図4に示すように、第3実施形態は、第1実施形態の流量調整弁(11)に代えて、利用側回路(7)のガスライン(7a)とガス流出管(13)とを接続するガスバイパス管(15)と、当該ガスバイパス管(15)に設けた流量調整弁(16)とを備えたものである。
【0105】冷凍負荷が大きいときには、流量調整弁(16)の開度を減少させ、これにより利用側回路(7)のガスライン(7a)からのガス冷媒のバイパス量が減少し、減圧タンクへの液冷媒の回収量が増加する。また、利用側回路(7)の冷媒循環量も増加する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は増加する。
【0106】一方、冷凍負荷が小さいときには、流量調整弁(16)の開度を増加させる。これにより、利用側回路(7)のガスライン(7a)からのガス冷媒のバイパス量が増加し、減圧タンクへの液冷媒の回収量が減少する。また、利用側回路(7)の冷媒循環量も減少する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は減少する。
【0107】本実施形態によれば、減圧熱交換器(150)と各タンク(141),(142),(143)との間のガス流出管(13)に利用側回路(7)のガスライン(7a)から冷媒をバイパスしているので、減圧タンクの圧力を容易に調節することができる。また、減圧熱交換器(150)の圧力を上昇させることができ、熱源回路(8)の効率を向上させることができる。
【0108】<第4実施形態>図5に示すように、第4実施形態は、第1実施形態の流量調整弁(11)に代えて、減圧熱交換器(150)と第1タンク(141)及び第2タンク(142)とを接続する凝縮冷媒回収管(17)に、流量調整弁(18)を設けたものである。
【0109】冷凍負荷が大きいときには、流量調整弁(18)の開度を増加させる。これにより、減圧熱交換器(150)の有効伝熱面積が増加し、減圧熱交換器(150)における冷媒の凝縮が促進される。そのため、液冷媒の回収量が増加し、熱搬送装置(1)の能力は増加する。
【0110】一方、冷凍負荷が小さいときには、流量調整弁(18)の開度を減少させる。これにより、減圧熱交換器(150)における冷媒の凝縮が抑制される。そのため、液冷媒の回収量が減少し、熱搬送装置(1)の能力は減少する。
【0111】一般に、凝縮冷媒回収管(17)における冷媒流量は、駆動力発生回路(6)の他の部分の冷媒流量に比べて少量であるため、流量調整弁(18)には比較的小径の弁を用いることができる。従って、より安価な構成によって能力制御が可能となる。
【0112】<第5実施形態>図6に示すように、第5実施形態は、第1実施形態の流量調整弁(11)に代えて、利用側回路(7)の液ライン(7b)と第1タンク(141)及び第2タンク(142)の各液出入口とを接続する液供給管(19)に、流量調整弁(20)を設けたものである。
【0113】冷凍負荷が大きいときには、流量調整弁(20)の開度を増加させる。これにより、加圧タンクからの冷媒供給量が増加し、利用側回路(7)の冷媒循環量が増加する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は増加する。
【0114】一方、冷凍負荷が小さいときには、流量調整弁(20)の開度を減少させる。これにより、加圧タンクからの冷媒供給量が減少し、利用側回路(7)の冷媒循環量が減少する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は減少する。
【0115】本実施形態によれば、このように能力制御を行うことにより、冷房負荷又は暖房負荷に対応した高効率で安定した運転が可能となる。
【0116】<第6実施形態>図7に示すように、第6実施形態は、第1実施形態の流量調整弁(11)に代えて、加圧熱交換器(131)と各タンク(141),(142),(143)のガス出入口とを接続するガス流入管(21)と、当該ガス流入管(21)に設けられた流量調整弁(22)とを備えているものである。
【0117】冷凍負荷が大きいときには、流量調整弁(22)の開度を増加させる。これにより、タンクから押し出される冷媒量が増加し、利用側回路(7)の冷媒循環量が増加する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は増大する。
【0118】一方、冷凍負荷が小さいときには、流量調整弁(22)の開度を減少させる。これにより、タンクから押し出される冷媒量は減少し、利用側回路(7)の冷媒循環量が減少する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は減少する。
【0119】本実施形態によれば、加圧タンクの圧力自体を調節するので、液供給管(19)における冷媒のフラッシュが抑制され、冷媒の圧力損失を低減することができる。そのため、運転効率の高い能力制御が可能となる。
【0120】<第7実施形態>図8に示すように、第7実施形態は、第1実施形態の流量調整弁(11)に代えて、ガス流入管(21)と利用側回路(7)のガスライン(7a)とを接続するガスバイパス管(23)と、当該ガスバイパス管(23)に設けられた流量調整弁(24)とを備えたものである。
【0121】冷凍負荷が大きいときには、流量調整弁(24)の開度を減少させる。これにより、利用側回路(7)のガスライン(7a)から加圧タンクへの冷媒バイパス量が減少し、加圧タンクの圧力が上昇すると共に利用側回路(7)の冷媒循環量が増加する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は増加する。
【0122】一方、冷凍負荷が小さいときには、流量調整弁(24)の開度を増加させる。これにより、利用側回路(7)のガスライン(7a)から加圧タンクへの冷媒バイパス量が増加し、加圧タンクの圧力が低下すると共に利用側回路(7)の冷媒循環量が減少する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は減少する。
【0123】本実施形態によれば、加圧熱交換器(131)と各タンク(141),(142),(143)との間のガス流入管(21)に利用側回路(7)のガスライン(7a)から冷媒をバイパスしているので、加圧タンクの圧力を容易に調節することができる。また、加圧熱交換器(131)の圧力を低下させることができ、熱源回路(8)の効率を向上させることができる。
【0124】<第8実施形態>図9に示すように、第8実施形態は、第1実施形態の流量調整弁(11)に代えて、補助タンク(143)の液出入口と加圧熱交換器(131)とを接続する補助液供給管(25)に、流量調整弁(26)を設けたものである。
【0125】冷凍負荷が大きいときには、流量調整弁(26)の開度を増加させる。これにより、加圧熱交換器(131)に供給される冷媒量が増加し、加圧熱交換器(131)における冷媒の蒸発が促進される。そのため、加圧タンクの圧力が上昇し、タンクから押し出される冷媒の量が増加する。その結果、利用側回路(7)の冷媒循環量が増加し、熱搬送装置(1)の能力は増加する。
【0126】一方、冷凍負荷が小さいときには、流量調整弁(26)の開度を減少させる。これにより、加圧熱交換器(131)に供給される冷媒量が減少し、加圧熱交換器(131)における冷媒の蒸発が抑制される。そのため、加圧タンクの圧力が低下し、タンクから押し出される冷媒の量が減少する。その結果、利用側回路(7)の冷媒循環量が減少し、熱搬送装置(1)の能力は減少する。
【0127】<第9実施形態>図10に示すように、第9実施形態は、第1実施形態の流量調整弁(11)に代えて、駆動力発生回路(6)の液冷媒の一部を加圧熱交換器(131)に導入するバイパス管(27)と、当該バイパス管(27)に設けられた流量調整弁(28)とを備えたものである。バイパス管(27)の一端は液供給管(19)に接続され、その他端は補助液供給管(25)に接続されている。
【0128】冷凍負荷が大きいときには、流量調整弁(28)の開度を増加させ、加圧熱交換器(131)への冷媒の導入量を増加させる。これにより、加圧熱交換器(131)における冷媒の蒸発が促進され、加圧タンクから押し出される冷媒の量が増大する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は増加する。
【0129】一方、冷凍負荷が小さいときには、流量調整弁(28)の開度を減少させ、加圧熱交換器(131)への冷媒の導入量を減少させる。これにより、加圧熱交換器(131)における冷媒の蒸発が抑制され、加圧タンクから押し出される冷媒の量が減少する。その結果、熱搬送装置(1)の能力は減少する。
【0130】<第10実施形態>第10実施形態は、第1実施形態における流量調整弁(11)を削除し、補助タンク(143)の補助加圧電磁弁(113)及び補助減圧電磁弁(116)の開閉の切換時期を調節することによって、能力制御を行うものである。
【0131】冷凍負荷が大きいときには、補助加圧電磁弁(113)の開状態の時間が補助減圧電磁弁(116)の開状態の時間よりも長くなるように、両電磁弁(113),(116)の切換時期を設定する。その結果、加圧熱交換器(131)への冷媒補給量が増加し、加圧熱交換器(131)における冷媒の蒸発が促進される。その結果、加圧タンクの圧力が上昇して冷媒供給量が増加し、熱搬送装置(1)の能力は増加する。
【0132】一方、冷凍負荷が小さいときには、補助加圧電磁弁(113)の開状態の時間が補助減圧電磁弁(116)の開状態の時間よりも短くなるように、両電磁弁(113),(116)の切換時期を設定する。その結果、加圧熱交換器(131)への冷媒補給量が減少し、加圧熱交換器(131)における冷媒の蒸発が抑制される。その結果、加圧タンクの圧力が低下して冷媒供給量が減少し、熱搬送装置(1)の能力は減少する。
【0133】なお、本実施形態に係る能力制御は、補助タンク(143)と加圧熱交換器(131)との間の高低差を十分に確保できない場合において、特に優れた効果を発揮する。
【0134】<第11実施形態>図11に示すように、第11実施形態は、第1実施形態の流量調整弁(11)に代えて、ガス流入管(21)に、加圧熱交換器(131)から加圧タンクに向かう冷媒を冷却する冷却器(29)を設けたものである。
【0135】冷凍負荷が大きいときには、冷却器(29)における冷却量を減少させる。その結果、加圧熱交換器(131)で蒸発した冷媒は高圧状態のまま加圧タンクに流入し、加圧タンクの圧力が上昇する。これにより、加圧タンクからの冷媒供給量が増加し、熱搬送装置(1)の能力は増加する。
【0136】一方、冷凍負荷が小さいときには、冷却器(29)における冷却量を増加させる。その結果、加圧熱交換器(131)で蒸発した冷媒の一部が冷却器(29)において凝縮し、圧力が減少した状態で加圧タンクに流入する。従って、加圧タンクの圧力が減少する。これにより、加圧タンクからの冷媒供給量が減少し、熱搬送装置(1)の能力は減少する。
【0137】本実施形態に係る能力制御は、加圧熱交換器(131)における冷媒の加熱量が一定である場合に、特に顕著な効果を発揮する。つまり、本実施形態によれば、加圧熱交換器(131)において冷媒の加熱量を調節できないような場合であっても、加圧タンクの圧力を直接的に調節することができるので、能力制御を容易に行うことができる。
【0138】<第12実施形態>第12実施形態は、熱源回路(8)を制御することにより、加圧熱交換器(131)における冷媒の加熱量や減圧熱交換器(150)における冷媒の冷却量を調節するものである。この場合でも、加圧タンク及び減圧タンクの圧力を直接調節することができ、駆動力発生回路(6)の搬送駆動力を制御することができる、従って、熱搬送装置(1)の能力制御を実行することが可能となる。
【0139】<第13実施形態>上記第1〜9実施形態においては、流量調節機構として流量調整弁を用いていたが、流量調節機構は流量調整弁に限定されるものではない。流量調節機構として、例えば、開閉制御される開閉弁を用いてもよい。開閉制御が容易な開閉弁としては、例えば電磁弁等を用いることができる。
【0140】また、流量調節機構を、互いに並列に設けられた複数の開閉弁によって構成してもよい。複数の開閉弁は、口径の異なる複数の開閉弁を含んでいてもよい。
【0141】例えば、図12(a)に示すように、第1口径を有する第1電磁弁(SV1)と、該第1口径の2倍の口径である第2口径を有する第2電磁弁(SV2)とを並列に設けることにより、図12(b)に示すように、0、m、2m、3m(ただし、mは所定の流量)の4段階の流量設定が可能となる。
【0142】また、複数の開閉弁は、冷媒流量が連続的に変化するように、それぞれの開時間が設定されていてもよい。例えば、複数の開閉弁を電磁弁で構成し、それら電磁弁にデューティー比を調節したパルス信号を出力するようにしてもよい(デューティー制御)。冷媒流量を増加させるときにはデューティー比を大きくする一方、冷媒流量を減少させるときにはデューティー比を小さくすることにより、冷媒流量を連続的に変化させることが可能となる。
【0143】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、利用側回路から減圧タンクに回収される液冷媒の量を調節する液回収量調節手段を備えることとしたので、減圧タンクへの冷媒回収量を調節することにより、駆動力発生回路の搬送駆動力の制御が可能となり、能力制御が可能となる。従って、駆動力発生回路における制御に基づいて熱搬送装置全体の能力制御が可能となり、熱搬送装置の特性を活かした能力制御を実現することが可能となる。
【0144】利用側回路とタンクの液流出口とを接続する液回収管に流量調節機構を設けることにより、液回収管の冷媒流量を調節することが可能となり、減圧タンクの冷媒回収量の調節を容易かつ正確に行うことができる。
【0145】減圧熱交換器と減圧タンクのガス出入口とを接続するガス流出管に流量調節機構を設けることにより、ガス流出管の冷媒流量を調節することが可能となり、減圧タンクの冷媒回収量の調節を容易かつ正確に行うことができる。
【0146】ガス流出管と利用側回路のガスラインとを接続するガスバイパス管に流量調節機構を設けることにより、利用側回路からのガス冷媒のバイパス量を調節することが可能となり、減圧タンクに回収される冷媒量の調節を容易かつ正確に行うことができる。
【0147】減圧熱交換器で凝縮した冷媒を減圧タンクに回収する凝縮冷媒回収管に流量調節機構を設けることにより、減圧タンクへの冷媒回収量と共に、減圧熱交換器の有効伝熱面積を調節することが可能となる。
【0148】液回収量調節手段を減圧熱交換器における冷媒の冷却量を調節することによって液回収量を調節するように構成することにより、減圧タンクの圧力を容易に調節することができ、能力制御が容易になる。
【0149】また、本発明によれば、加圧タンクから利用側回路に供給する液冷媒の量を調節する液供給量調節手段を備えることとしたので、加圧タンクからの冷媒供給量を調節することにより、駆動力発生回路の搬送駆動力の制御が可能となり、能力制御が可能となる。従って、熱搬送装置の特性を活かした能力制御を実現することが可能となる。
【0150】利用側回路とタンクの液出入口とを接続する液供給管に流量調節機構を設けることにより、液供給管の冷媒流量を調節することが可能となり、加圧タンクからの冷媒供給量の調節を容易かつ正確に行うことができる。
【0151】加圧熱交換器と加圧タンクのガス出入口とを接続するガス流入管に流量調節機構を設けることにより、ガス流入管の冷媒流量を調節することが可能となり、加圧タンクからの冷媒供給量の調節を容易かつ正確に行うことができる。
【0152】ガス流入管と利用側回路のガスラインとを接続するガスバイパス管に流量調節機構を設けることにより、利用側回路からの冷媒バイパス量を調節することが可能となり、加圧タンクからの冷媒供給量の調節を容易かつ正確に行うことができる。
【0153】駆動力発生回路の液冷媒の一部を加圧熱交換器に導入するバイパス管に流量調節機構を設けることにより、加圧熱交換器に導入される冷媒の量を調節することが可能となり、加圧熱交換器の加圧量を調節することができる。そのため、加圧タンクの圧力を調節することが可能となり、加圧タンクからの冷媒供給量の調節を容易かつ正確に行うことができる。
【0154】補助タンクの液出入口と加圧熱交換器とを接続する補助液供給管に流量調節機構を設けることにより、加圧熱交換器に導入される冷媒の量を調節することが可能となり、加圧タンクからの冷媒供給量の調節を容易かつ正確に行うことができる。
【0155】液供給量調節手段を連通切換手段の補給状態及び供給状態の切換時期を調節するように構成することにより、補助タンクから加圧熱交換器に供給される冷媒量を調節することが可能となり、加圧タンクからの冷媒供給量を調節することができる。
【0156】液供給量調節手段を加圧熱交換器における冷媒の加熱量を調節することによって液供給量を調節するように構成することにより、加圧タンクの圧力を容易に調節することができ、能力制御が容易になる。
【0157】加圧熱交換器で蒸発した冷媒を冷却する冷却器を備え、当該冷却器の冷却量を調節することにより、加圧熱交換器における加熱量が一定であっても、加圧タンクの圧力を容易に調節することが可能となり、加圧タンクからの冷媒供給量の調節を容易かつ正確に行うことができる。
【0158】流量調節機構を開度調節自在な流量調整弁によって構成することにより、冷媒流量の調節を容易かつ精密に行うことができる。
【0159】流量調節機構を開閉弁によって構成することにより、流量調節機構を安価に形成することができる。
【0160】流量調節機構を並列に設けられた複数の開閉弁によって構成することにより、開状態の開閉弁の数を調節することによって冷媒流量の調節を容易に行うことができる。
【0161】口径の異なる複数の開閉弁を設けることにより、多段階の流量制御が可能となる。
【0162】複数の開閉弁のそれぞれの開状態の時間を冷媒流量が連続的に変化するように設定することにより、冷媒流量の増減変化を連続的に行わせることが可能となる。
【0163】冷媒回収量の調節を、冷房運転時に蒸発器となる利用側熱交換器の冷媒出入口温度差に基づいて実行することにより、冷房負荷に対応した高効率な能力制御が可能となる。
【0164】冷媒回収量の調節を、冷房運転時に蒸発器となる利用側熱交換器出口における冷媒の過熱度又は乾き度に基づいて実行することにより、冷房負荷に対応した高効率な能力制御が可能となる。
【0165】冷媒回収量の調節を、駆動力発生回路又は利用側回路の高低差圧に基づいて実行することにより、冷凍負荷に対応した高効率な能力制御が可能となる。
【0166】冷媒供給量の調節を、暖房運転時に凝縮器となる利用側熱交換器の冷媒出入口温度差に基づいて実行することにより、暖房負荷に対応した高効率な能力制御が可能となる。
【0167】冷媒供給量の調節を、暖房運転時に凝縮器となる利用側熱交換器出口における冷媒の過冷却度又は乾き度に基づいて実行することにより、暖房負荷に対応した高効率な能力制御が可能となる。
【0168】冷媒供給量の調節を、駆動力発生回路又は利用側回路の高低差圧に基づいて実行することにより、冷凍負荷に対応した高効率な能力制御が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成11年4月19日(1999.4.19)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外1名)
【公開番号】 特開2000−304363(P2000−304363A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願平11−110511