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【発明の名称】 空気調和機
【発明者】 【氏名】大島 潤

【要約】 【課題】ポンプダウン運転時、足元室内機の冷媒流路内の冷媒と冷凍機油とを室外機へ確実に回収する。

【解決手段】圧縮機2の吐出口から吐出される冷媒を、四方弁3、第1三方弁5、第1室内熱交換器6、第1二方弁7、第1電子膨張弁8、室外熱交換器9、前記四方弁を経て前記圧縮機の吸込口へ循環する一方、前記圧縮機から吐出される冷媒を分岐して、第1電磁開閉弁11、第2三方弁12、第2室内熱交換器13、第2二方弁14、第2電子膨張弁16を経て前記室外熱交換器へ循環し、更に前記四方弁と前記第1三方弁との間と、前記第1電磁開閉弁と前記第2三方弁との間とをキャピラリチューブ17で接続してなるヒートポンプ式冷凍回路を備た空気調和機において、前記圧縮機の吐出口と前記四方弁との間と、前記第2二方弁と前記第2電子膨張弁との間とを、第2開閉弁19、蓄圧容器22、第3開閉弁23を備えたバイパス回路18により接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機の吐出口から吐出される冷媒を、四方弁、第1三方弁、第1室内熱交換器、第1二方弁、第1電子膨張弁、室外熱交換器、前記四方弁を経て前記圧縮機の吸込口へ循環する一方、前記圧縮機から吐出される冷媒を分岐して、第1電磁開閉弁、第2三方弁、第2室内熱交換器、第2二方弁、第2電子膨張弁を経て前記室外熱交換器へ循環し、更に前記四方弁と前記第1三方弁との間と、前記第1電磁開閉弁と前記第2三方弁との間とをキャピラリチューブで接続してなるヒートポンプ式冷凍回路を備えてなる空気調和機において、前記圧縮機の吐出口と前記四方弁との間と、前記第2二方弁と前記第2電子膨張弁との間とを、第2開閉弁、蓄圧容器、第3開閉弁を標記の順に備えたバイパス回路により接続してなり、修理等で配管を外すためポンプダウン運転を実施する場合、前記第2開閉弁と前記第3開閉弁とを開閉制御することにより、前記蓄圧容器に蓄えられた冷媒蒸気圧を前記第2室内熱交換器側のポンプダウンに利用してなることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】 第1段階として前記第1電磁開閉弁、前記第3開閉弁、前記第2電子膨張弁、前記第1二方弁を閉塞し、前記第2開閉弁、前記第2二方弁、前記第1三方弁、前記第2三方弁を開放して冷房運転を一定時間実施後、第2段階として前記第2開閉弁を閉塞し、前記第3開閉弁を開放して冷房運転を一定時間継続後、第3段階として前記第2二方弁を閉塞して更に冷房運転を一定時間継続後、第4段階として前記第1三方弁、前記第2三方弁を閉塞することによりポンプダウン運転を実施してなることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】 前記バイパス回路に、前記圧縮機の外筐より放熱される廃熱を伝熱回収する廃熱回収器を設けてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の空気調和機。
【請求項4】 前記廃熱回収器を、前記バイパス回路を前記圧縮機の外筐に巻き付け固着して構成することを特徴とする請求項3記載の空気調和機。
【請求項5】 前記蓄圧容器を、断熱材で覆ってなることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の空気調和機。
【請求項6】 前記バイパス回路の前記第3開閉弁より下流に、逆止弁を設けてなることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の空気調和機。
【請求項7】 前記第2開閉弁と前記第3開閉弁とを電磁開閉弁としてなることを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の空気調和機。
【請求項8】 前記第2室内熱交換器と前記第2二方弁とを接続する配管内に、外周に前記配管の内径より大きな外径のブラシを植設した円筒状の移動栓を挿入し、前記配管の両端付近に、同配管より内径の大きな大径部を設け、同両端の大径部内の配管端に前記移動栓を保持する籠状の保持器を設けてなることを特徴とする請求項1乃至請求項7記載の空気調和機。
【請求項9】 前記移動栓の両端に、円錐テーパー面を設けてなることを特徴とする請求項8記載の空気調和機。
【請求項10】 前記円錐テーパー面に、螺旋溝を形成してなることを特徴とする請求項9記載の空気調和機。
【請求項11】 前記移動栓の内部を、中空にしてなることを特徴とする請求項8乃至請求項10記載の空気調和機。
【請求項12】 前記大径部を、2つのレジューサの大径端を対向させ、両端を溶接することにより構成することを特徴とする請求項8乃至請求項11記載の空気調和機。
【請求項13】 前記保持器の閉塞端を、前記移動栓の両端に設けた円錐テーパー面と相似の円錐テーパー形状としてなることを特徴とする請求項9乃至請求項12記載の空気調和機。
【請求項14】 前記籠状の保持器を、金網により構成したことを特徴とする請求項8乃至請求項13記載の空気調和機。
【請求項15】 前記ブラシの材質を、ポリプロピレン等の耐熱性の高い合成樹脂としてなることを特徴とする請求項8乃至請求項14記載の空気調和機。
【請求項16】 前記ブラシの材質を、黄銅としてなることを特徴とする請求項8乃至請求項15記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機に係わり、より詳細には、ポンプダウン運転したとき、足元室内機側の冷媒と冷凍機油を室外機側へ回収する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一つの室内の上と下とにそれぞれ上室内機と足元室内機とを設置することにより暖房性能を向上させたタイプの空気調和機は、図12にて示すように、圧縮機2の吐出口から吐出される冷媒を、四方弁3、第1三方弁5、上室内機4の第1室内熱交換器6、第1二方弁7、第1電子膨張弁8、室外熱交換器9、前記四方弁3を経て前記圧縮機2の吸込口へ循環する一方、前記圧縮機2から吐出される冷媒を分岐して、第1電磁開閉弁11、第2三方弁12、足元室内機10の第2室内熱交換器13、第2二方弁14、第2電子膨張弁16を経て前記室外熱交換器9へ循環し、更に前記四方弁3と前記第1三方弁5との間と、前記第1電磁開閉弁11と前記第2三方弁12との間とをキャピラリチューブ17で接続してなるヒートポンプ式冷凍回路を備えてなる構成であった。上記構成において、修理等で配管を外す前に冷媒と冷凍機油とを室外機の冷媒回路内へ回収するために行うポンプダウン運転は、次のような手順で実施されていた。前記第2電子膨張弁16、前記第1二方弁7を閉塞し、前記第1電子膨張弁16、前記第2二方弁14、前記第1三方弁5、前記第2三方弁12を開放して冷房運転を一定時間実施後、前記第2二方弁14を閉塞して冷房運転を一定時間継続後、前記第1三方弁5、前記第2三方弁12を閉塞し前記圧縮機2を停止させることによりポンプダウン運転を実施していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成においてポンプダウン運転を実施した場合、足元室内機の冷媒流路から冷媒と冷凍機油とを吸引する流路にキャピラリチューブがあることにより圧縮機の吸引力が弱まるため、足元室内機の冷媒流路内に冷媒と冷凍機油とが残ってしまうという問題点があった。本発明においては、上記の問題点に鑑み、一つの部屋の上と下とにそれぞれ上室内機と足元室内機とを設置することにより暖房性能を向上させたタイプの空気調和機において、修理等で配管を外すためポンプダウン運転を実施したとき、足元室内機の冷媒流路内の冷媒と冷凍機油とを室外機へ確実に回収する空気調和機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するため、圧縮機の吐出口から吐出される冷媒を、四方弁、第1三方弁、第1室内熱交換器、第1二方弁、第1電子膨張弁、室外熱交換器、前記四方弁を経て前記圧縮機の吸込口へ循環する一方、前記圧縮機から吐出される冷媒を分岐して、第1電磁開閉弁、第2三方弁、第2室内熱交換器、第2二方弁、第2電子膨張弁を経て前記室外熱交換器へ循環し、更に前記四方弁と前記第1三方弁との間と、前記第1電磁開閉弁と前記第2三方弁との間とをキャピラリチューブで接続してなるヒートポンプ式冷凍回路を備えてなる空気調和機において、前記圧縮機の吐出口と前記四方弁との間と、前記第2二方弁と前記第2電子膨張弁との間とを、第2開閉弁、蓄圧容器、第3開閉弁を標記の順に備えたバイパス回路により接続してなり、修理等で配管を外すためポンプダウン運転を実施する場合、前記第2開閉弁と前記第3開閉弁とを開閉制御することにより、前記蓄圧容器に蓄えられた冷媒蒸気圧を前記第2室内熱交換器側のポンプダウンに利用した構成となっている。
【0005】また、第1段階として前記第1電磁開閉弁、前記第3開閉弁、前記第2電子膨張弁、前記第1二方弁を閉塞し、前記第2開閉弁、前記第2二方弁、前記第1三方弁、前記第2三方弁を開放して冷房運転を一定時間実施後、第2段階として前記第2開閉弁を閉塞し、前記第3開閉弁を開放して冷房運転を一定時間継続後、第3段階として前記第2二方弁を閉塞して更に冷房運転を一定時間継続後、第4段階として前記第1三方弁、前記第2三方弁を閉塞することによりポンプダウン運転を実施した構成となっている。
【0006】また、前記バイパス回路に、前記圧縮機の外筐より放熱される廃熱を伝熱回収する廃熱回収器を設けた構成となっている。
【0007】また、前記廃熱回収器を、前記バイパス回路を前記圧縮機の外筐に巻き付け固着した構成となっている。
【0008】また、前記蓄圧容器を、断熱材で覆った構成となっている。
【0009】また、前記バイパス回路の前記第3開閉弁より下流に、逆止弁を設けた構成となっている。
【0010】また、前記第2開閉弁と前記第3開閉弁とを電磁開閉弁とした構成となっている。
【0011】また、前記第2室内熱交換器と前記第2二方弁とを接続する配管内に、外周に前記配管の内径より大きな外径のブラシを植設した円筒状の移動栓を挿入し、前記配管の両端付近に、同配管より内径の大きな大径部を設け、同両端の大径部内の配管端に前記移動栓を保持する籠状の保持器を設けた構成となっている。
【0012】また、前記移動栓の両端に、円錐テーパー面を設けた構成となっている。
【0013】また、前記円錐テーパー面に、螺旋溝を形成した構成となっている。
【0014】また、前記移動栓の内部を、中空にした構成となっている。
【0015】また、前記大径部を、2つのレジューサの大径端を対向させ、両端を溶接することにより構成する。
【0016】また、前記保持器の閉塞端を、前記移動栓の両端に設けた円錐テーパー面と相似の円錐テーパー形状とした構成となっている。
【0017】また、前記籠状の保持器を、金網により構成する。
【0018】また、前記ブラシの材質を、ポリプロピレン等の耐熱性の高い合成樹脂とした構成となっている。
【0019】更に、前記ブラシの材質を、黄銅とした構成となっている。
【0020】
【発明の実施の形態】図1乃至図11にて示す本発明の実施例により、本発明の実施の形態について説明する。先ず、図1にて示す、本発明の第一の実施例の冷媒回路図により全体構成について説明する。1は室外に設置された室外機、2は冷媒蒸気を圧縮する圧縮機、3は前記圧縮機2より吐出する冷媒の流れを暖房運転、冷房運転等に合わせて切り換える四方弁、4は室内の上部に設置された上室内機、5は前記室外機1から前記上室内機4への配管の前記室外機1の出口に設置された第1三方弁、6は前記上室内機4内に配設され冷暖房時に室内空気に対して冷媒の熱交換を行う第1室内熱交換器、7は前記上室内機4から前記室外機1への配管の前記室外機1の出口に設置された第1二方弁、8は前記室外機1と前記上室内機4との間でやり取りする冷媒を断熱膨張する第1電子膨張弁、9は前記室外機1内に配設され外気に対して冷媒の熱交換を行う室外熱交換器である。
【0021】10は室内の下部に設置された足元室内機、11は前記圧縮機2から吐出され前記足元室内機10へ分岐された冷媒を開閉制御する第1電磁開閉弁、12は前記室外機1から前記足元室内機10への配管の前記室外機1の出口に設置された第2三方弁、13は前記足元室内機10内に配設され暖房時に室内空気に対して冷媒の熱交換を行う第2室内熱交換器、14は前記足元室内機10から前記室外機1への配管の前記室外機1の出口に設置された第2二方弁、15は前記第2室内熱交換器13と前記第2二方弁14との間の配管26に設置され同配管26壁面に付着した冷凍機油の回収を促進する油掻取り装置、16は前記室外機1と前記足元室内機10との間でやり取りする冷媒を断熱膨張する第2電子膨張弁、17は前記四方弁3と前記第1三方弁5との間と、前記第1電磁開閉弁11と前記第2三方弁12との間とを接続するキャピラリチューブである。なお、前記第1二方弁7、前記第2二方弁14、前記第1三方弁5、前記第2三方弁12は手動開閉弁である。
【0022】18は前記圧縮機2から吐出される冷媒を分岐して前記第2二方弁14と前記第2電子膨張弁16との間に接続され、第2開閉弁19と配管を前記圧縮機2の外筐に巻き付け固着し前記圧縮機2の外筐より放熱される廃熱を伝熱回収する廃熱回収器20と断熱材21で覆われた冷媒圧力を蓄える蓄圧容器22と第3開閉弁23と逆止弁24とを備えたバイパス回路である。前記廃熱回収器20は前記バイパス回路18の配管を直接前記圧縮機2の外筐に巻き付け固着することにより構成されているため、構造的にシンプルで安価にすることができる。前記第3開閉弁23は10kgf/■以上の圧力が加わると僅かに開いてしまうため、通常の暖房運転時に前記足元室内機10に高圧の冷媒が流れても、前記第3開閉弁23が開かないように、前記逆止弁24を設ける。なお、本第一の実施例では、前記第2開閉弁19、前記第3開閉弁23は手動開閉弁であり、その開閉は経過時間を計る等することによりタイミングを合わせる。
【0023】次に、図3(A)、(B)の要部断面斜視図と図4(A)、(B)の要部分解斜視図、要部斜視図にて示す、前記油掻取り装置15について説明する。25は前記第2室内熱交換器13と前記第2二方弁14とを接続する前記配管26内に挿入され外周に同配管26の内径D1より大きな外径D2のポリプロピレン等の耐熱性の高い合成樹脂製のブラシ27を植設し両端に螺旋溝28を形成した円錐テーパー面29を備えた中空円筒状の移動栓、30は前記配管26の両端付近に配設した2つのレジューサ31、32の大径端33、34を対向させ両端を溶接して構成した前記配管26の内径D1より大きな内径D3の大径部、35は前記大径部30内の配管26端に前記移動栓25を保持し閉塞端を前記移動栓25の両端に設けた円錐テーパー面29と相似の円錐テーパー形状36とした金網製の籠状の保持器である。前記ブラシ27の材質をポリプロピレン等の耐熱性の高い合成樹脂とすることにより、材料コストが安く、安価に作製することができる。なお、冷媒蒸気の温度は110℃位までしか上がらず、耐熱温度が120℃位あるポリプロピレンであれば使用することができる。温度的に不安がある場合は、前記ブラシ27の材質を黄銅とすることにより、安心して使用することができる。前記大径部30を2つのレジューサ31、32により構成することにより、該大径部30を標準部品により作製することができるため、該大径部30を安価に作製することができる。前記籠状の保持器35を金網により構成することにより、作製が容易になり安価にすることができる。
【0024】上記構成において、次にその動作と効果について説明する。先ず、図1と図6乃至図8の冷媒回路図と図2の運転状態の説明図とにより、ポンプダウン運転時の動作について説明する。修理や室内機の移動等で配管を外す場合、室内機と室外機とを接続する配管や室内機内に滞留している冷媒と冷凍機油とを放出してしまわないように室外機内に回収するため、下記の手順でポンプダウン運転を実施する。第1段階として、図1と図2の項番1とに示すように、前記第2二方弁14、前記第1三方弁5、前記第2三方弁12は開放したままにして、前記第1二方弁7を手動にて閉塞する。また、前記第3開閉弁23は閉塞したままにして、前記第2開閉弁19を手動にて開放する。その後冷房運転を実施すると、前記第2電子膨張弁16と前記第1電磁開閉弁11は自動的に閉塞し、前記四方弁3により前記圧縮機2の吐出側を前記室外機1へ接続し、前記上室内機4を前記圧縮機2の吸込側へ接続する。そうすると、前記第1二方弁7が閉塞しているため、前記上室内機4と前記室外機1とを接続する配管や前記上室内機4内の冷媒と冷凍機油は前記圧縮機2により吸引されて前記室外機1内に回収される一方、前記第2開閉弁19が開放し前記第3開閉弁23が閉塞しているため、前記蓄圧容器22内に前記圧縮機2より高圧の冷媒蒸気が蓄積されるとともに、前記廃熱回収器20により前記バイパス回路18を通る冷媒が加熱されることにより、前記蓄圧容器22に蓄積される冷媒の圧力がより高くなる。
【0025】第2段階として、図3と図4と図6と図2の項番2とに示すように、上記第1段階を一定時間(1分〜数分)継続した後、前記第2開閉弁19を手動にて閉塞し、前記第3開閉弁23を手動にて開放する。そうすると、前記蓄圧容器22内に蓄積された高圧の冷媒蒸気が前記足元室内機10の第2室内熱交換器13の方へ一気に流入し、前記足元室内機10内と、同足元室内機10と前記室外機1とを接続する配管内とに滞留した冷媒と冷凍機油とを押しやりながら、前記キャピラリチューブ17を通って前記圧縮機2へ戻る。また、この高圧の冷媒蒸気の流れにより、前記第2二方弁14側の保持器35内の前記移動栓25が押されて前記配管26内を通過して、前記第2室内熱交換器13側の保持器35内まで移動する。前記移動栓25が前記配管26内を通過するとき、前記移動栓25の外周に植設したブラシ27が前記配管26の内壁面に付着した冷凍機油を掻き取り、掻き取られた冷凍機油は上記同様に前記圧縮機2へ戻る。なお、通常の運転状態では、後記の暖房運転のときのみ前記圧縮機2の吐出側から前記足元室内機10の第2室内熱交換器13へ冷媒が流入するため、前記移動栓25は必ず前記第2二方弁14側の保持器35内へ移動している。
【0026】前記蓄圧容器22は前記断熱材21により覆われていることにより、蓄積された冷媒蒸気の温度が下がり難くいため、高圧を維持する時間を長くすることができ、前記第3開閉弁23を開くのが少し遅れても、前記足元室内機10からの冷媒と冷凍機油の回収を確実に行うことができる。前記移動栓25の両端に前記円錐テーパー面29を設けることにより、該移動栓25が前記配管26内を移動するとき、該移動栓25の先端が前記配管26の内壁に引っ掛かることを防止することができる。前記円錐テーパー面29に前記螺旋溝28を形成することにより、前記配管26内を流れる高圧の冷媒蒸気が該螺旋溝28を通過するとき前記移動栓25に回転力を与え、該移動栓25が回転するため、前記ブラシ27が前記配管26の内壁面に付着した冷凍機油を満遍なく掻き取ることができる。前記移動栓25の内部を中空にすることにより、該移動栓25を軽量とすることができ、該移動栓25の慣性を小さくすることができるため、高圧の冷媒蒸気の流れに押されて前記保持器35内から確実に移動を開始することができる。前記保持器35の閉塞端を、前記移動栓25の両端に設けた円錐テーパー面29と相似の円錐テーパー形状36とすることにより、前記移動栓25が高圧の冷媒蒸気に押されて高速で該保持器35の閉塞端に衝突したときの受圧面積が広くため、衝突圧力が小さくなり、該保持器35が破壊し難くなる。
【0027】第3段階として、図7と図2の項番3とに示すように、上記第2段階を一定時間(1分〜数分)継続した後、前記第2二方弁14、前記第3開閉弁23を手動にて閉塞し、冷房運転を更に継続する。そうすると、前記第2二方弁14が閉塞しているため、前記足元室内機10と前記室外機1とを接続する配管や前記足元室内機10内の冷媒と冷凍機油は前記圧縮機2により吸引されて前記室外機1内に回収される。
【0028】第4段階として、図8と図2の項番4とに示すように、上記第3段階を一定時間(1分〜数分)継続した後、前記第1三方弁5、前記第2三方弁12を手動にて閉塞し、その後、冷房運転を停止する。以上の操作により、冷媒と冷凍機油とは前記室外機1内に回収され、配管を外しても冷媒と冷凍機油とを機外に放出してしまうことがほとんどない。
【0029】次に、図9と図10の冷媒回路図と図2の運転状態の説明図とにより、暖房運転時の動作について説明する。先ず、暖房運転開始時、設定温度に達するまでは図9と図2の項番5とに示すように、前記第1電子膨張弁8と前記第2電子膨張弁16とを絞り、前記第1電磁開閉弁11と前記第1二方弁7と前記第2二方弁14と前記第1三方弁5と前記第2三方弁12とを開放し、前記第2開閉弁19と前記第3開閉弁23とを閉塞し、前記上室内機4と前記足元室内機10との送風ファン(図示省略)を作動させることにより、前記圧縮機2から吐出した高温高圧の冷媒蒸気は、前記四方弁3と前記第1電磁開閉弁11とを通り、それぞれ前記上室内機4の第1室内熱交換器6と前記足元室内機10の第2室内熱交換器13とに流入し送風ファンにより室内に放熱して上下から満遍なく暖房し、凝縮して高温高圧の冷媒液になり、それぞれ前記第1電子膨張弁8と前記第2電子膨張弁16とで断熱膨張して低温低圧の冷媒液になり、前記室外機1の室外熱交換器9に流入し送風ファンにより室外空気より吸熱して蒸発し低温低圧の冷媒蒸気となり、前記四方弁3通って前記圧縮機2へ戻る。上下から暖房することにより、室内を満遍なく素早く暖房することができる。
【0030】次に、暖房運転継続し設定温度に達すると図10と図2の項番6とに示すように、前記第1電子膨張弁8を閉塞し、前記上室内機4の送風ファン(図示省略)を停止することにより、前記圧縮機2から吐出した高温高圧の冷媒蒸気は、前記第1電磁開閉弁11を通り、前記足元室内機10の第2室内熱交換器13に流入し送風ファンにより室内に放熱して足元から暖房し、凝縮して高温高圧の冷媒液になり、前記第2電子膨張弁16とで断熱膨張して低温低圧の冷媒液になり、前記室外機1の室外熱交換器9に流入し送風ファンにより室外空気より吸熱して蒸発し低温低圧の冷媒蒸気となり、前記四方弁3通って前記圧縮機2へ戻る。足元から暖房することにより、頭寒足熱の快適な室内環境を維持することができる。
【0031】次に、図11の冷媒回路図と図2の運転状態の説明図の項番7とにより、冷房運転時の動作について説明する。前記第1電子膨張弁8を絞り、前記第1二方弁7と前記第2二方弁14と前記第1三方弁5と前記第2三方弁12とを開放し、前記第2電子膨張弁16と前記第1電磁開閉弁11と前記第2開閉弁19と前記第3開閉弁23とを閉塞し、前記上室内機4と前記足元室内機10との送風ファン(図示省略)を作動させることにより、前記圧縮機2から吐出した高温高圧の冷媒蒸気は、前記四方弁3を通り、前記室外機1の室外熱交換器9に流入し送風ファンにより室外空気に放熱して凝縮し高温高圧の冷媒液になり、前記第1電子膨張弁8にて断熱膨張して低温低圧の冷媒液になり、前記上室内機4の第1室内熱交換器6に流入し送風ファンにより室内空気から吸熱して冷房し、蒸発して低温低圧の冷媒蒸気となり、前記四方弁3通って前記圧縮機2へ戻る。なお、前記足元室内機10の送風ファン(図示省略)が作動することにより、室内空気が攪拌され、室内上下の温度差の少ない快適な冷房とすることができる。
【0032】次に、図5にて示す、本発明の第二の実施例について説明する。上記第一の実施例とは、ポンプダウン開始スイッチにより、ポンプダウン運転を極力自動化した点が異なる。前記第2開閉弁19と前記第3開閉弁23とを電磁弁とする一方、リモコンの強制試運転スイッチ等と兼用したポンプダウン開始スイッチ39と、前記第2二方弁14、前記第1三方弁5、前記第2三方弁12を閉塞するタイミングを知らせる報知手段であるLED40と、前記第1電磁開閉弁11、前記第2開閉弁19、前記第3開閉弁23、前記第1電子膨張弁8、前記第2電子膨張弁16、前記四方弁3等を制御する室外機制御部37と、同室外機制御部37と交信し前記ポンプダウン開始スイッチ39の信号を受け、前記LED40にて前記第2二方弁14、前記第1三方弁5、前記第2三方弁12を閉塞するタイミングを知らせる室内機制御部38とを設ける。
【0033】前記第1二方弁7を手動にて閉塞後、前記ポンプダウン開始スイッチ39によりポンプダウン運転を開始し、前記第1電磁開閉弁11、前記第2開閉弁19、前記第3開閉弁23を上記第一の実施例で示す所定のタイミングに自動開閉制御し、上記第一の実施例で示す所定のタイミングに前記室内機制御部38により前記LED40を点滅、点灯して閉塞するタイミングを知らせ、それに基づき操作者が手動にて前記第2二方弁14、前記第1三方弁5、前記第2三方弁12を閉塞する。例えば、図2の項番2から項番3へ移行するタイミングを、前記LED40の点滅で知らせ、図2の項番3終了のタイミングを、前記LED40の点灯で知らせるなどが考えられる。なお、前記第2二方弁14、前記第1三方弁5、前記第2三方弁12を閉塞するタイミングを知らせる報知手段としては、前記LED40の替わりに、ブザーや音声合成装置を設け、ブザーの鳴らし方や合成音声にてそのタイミングを知らせても良い。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、一つの部屋の上と下とにそれぞれ上室内機と足元室内機とを設置することにより暖房性能を向上させたタイプの空気調和機において、修理等で配管を外すためポンプダウン運転を実施したとき、足元室内機の冷媒流路内の冷媒と冷凍機油とを室外機へ確実に回収する空気調和機となる。
【出願人】 【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
【出願日】 平成11年4月20日(1999.4.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−304362(P2000−304362A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願平11−111579