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【発明の名称】 冷媒回収装置および方法
【発明者】 【氏名】山口 修司

【氏名】高村 義之

【氏名】藤森 幹治

【要約】 【課題】ガス状の冷媒と冷凍機油中に溶存している冷媒及び冷凍機油も高回収、高分離する冷媒回収装置及び方法を提供する。

【解決手段】穴開け装置2と冷媒分離装置30とを備え、被回収機内に封入された冷媒を回収する装置に回収する構成において、穴開け装置2の圧力緩衝タンク5に圧力センサ8を設け、穴開け装置系内若しくは気液混合体の通過時の圧力検知を可能にすると共に、検出圧力に応じて開閉するように制御される開閉弁をプロセス路及び駆動源供給路に介装する。さらに、冷媒回収操作の効率向上を図るため、圧力センサによる圧力検出手段にタイマーを組合わせて用い、圧力センサでの設定圧力検知までの時間を測定することにより、冷媒が封入されていない、若しくは封入された冷媒の大部分が抜けてしまっている被回収機を検出できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】冷蔵庫及びエアコン等の冷凍サイクルを利用した被回収機の所定の位置に穴を開け、前記穴の位置の後流側において穴開けにより噴出する冷媒及び冷凍機油の気液混合体の噴出圧力を緩衝して、一時貯蔵し、前記噴出させた気液混合体を冷媒及び冷凍機油に分離する際、前記冷媒及び冷凍機油の気液混合体の噴出路に、圧力緩衝タンクを介して冷媒分離装置につながる気液混合体回収路を接続し、前記圧力緩衝タンクを介して前記穴開けを負圧状態で行い、前記圧力緩衝タンクに圧力センサを設け、前記気液混合体の通過時の圧力検知を可能にすると共に、前記圧力センサでの検出値により気液混合体噴出路若しくは前記気液混合体回収路を開閉することを特徴とする冷媒回収方法。
【請求項2】冷蔵庫及びエアコン等の冷凍サイクルを利用した被回収機の所定の位置に穴を開ける穴開手段と、、前記穴の位置の後流側において穴開けにより噴出する冷媒及び冷凍機油の気液混合体の噴出圧力を緩衝して、一時貯蔵する緩衝タンクと、前記噴出させた気液混合体を冷媒及び冷凍機油に分離する分離手段と、前記冷媒及び冷凍機油の気液混合体の噴出路に、圧力緩衝タンクを介して冷媒分離装置につながる気液混合体回収路と、前記圧力緩衝タンクを介して前記穴開けを負圧状態で行う負圧付与手段と、前記圧力緩衝タンクに設けられ、前記気液混合体の通過時の圧力を検知する圧力センサと、前記圧力センサでの検出値により気液混合体噴出路若しくは前記気液混合体回収路を開閉する開閉手段とからなることを特徴とする冷媒回収装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫やエアコンなどを廃棄処分する際に回収される冷凍サイクル部内の冷凍機油から冷凍機油に溶存している冷媒を高効率に、あるいは短時間で分離、回収する冷媒回収装置および方法に関するものである。特に、本発明は、冷蔵庫やエアコンなどを廃棄処分する際に冷凍サイクル部内の冷凍機油と冷凍機油に溶存している冷媒を高効率に回収し、冷凍機油と冷媒を短時間に分離、回収する冷媒回収装置の運転制御に適し、また、既存のガス状冷媒フロンの回収装置に組み合わせて用いることにより、ガス状冷媒と冷凍機油中に溶存している冷媒及び冷凍機油も短時間に分離、回収する冷媒回収装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷蔵庫やエアコン等は破砕もしくは埋立により廃棄処分されていたため、冷媒として用いられていたフロンガスは、廃棄処分する際に大気中に放出されていた。
【0003】しかし、近年フロンガスによるオゾン層破壊が世界的にも問題となっており、例えば、特開平6−184348号公報に記載されているように冷媒フロンガスを回収する気運も高まってきている。しかしながら、現在使用されている冷媒フロン回収装置はガス状になっている冷媒フロンの回収にとどまり、冷凍機油中に溶存されている冷媒についてまでは回収しておらず、冷凍機油を処理する際にフロンガスが大気中に放出されている。冷凍機油中に溶存しているフロン量は外気温度、冷凍サイクル部内の圧力により大きく変化するため、季節変動等により冷媒フロンの回収率も大きく影響される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術においては、冷蔵庫やエアコン等の廃棄処理の際に行うガス状フロンの回収処理だけでは冷媒として用いられるフロンガスが完全に回収されないという欠点がある。
【0005】更に、圧縮機のリサイクルを考えた場合、現在の処理方法は破砕処理するのが一般的であるが、圧縮機内に冷凍機油が残っている場合発火の恐れがあるので、圧縮機の破砕処理は安全性の面からも問題がある。
【0006】本発明の目的は、冷凍機油中に溶存している冷媒フロンについても回収することができる冷媒回収装置および方法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、現状未回収である冷凍機油中に溶存している冷媒フロンについても冷凍機油と供に回収し、冷凍機油と冷媒フロンを短時間で分離することにより周囲温度に左右されず冷媒の高回収を行う冷媒回収装置および方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、近年普及しつつあるガス状冷媒フロン回収装置に対して組み合わせて用いることにより、ガス状の冷媒と冷凍機油中に溶存している冷媒及びも冷凍機油も分離、高回収することができる冷媒回収装置および方法を提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、発火の危険を伴わずに圧縮機を破砕処理することができる冷媒回収方法および装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するために、冷蔵庫、エアコン等の冷凍サイクルを利用した被回収機の所定の位置に穴を開け、この穴より噴出する冷媒及び冷凍機油の気液混合体の噴出圧力を緩衝する圧力緩衝タンクにより受け、前記噴出させた気液混合体を冷媒及び冷凍機油に分離し、前記被回収機の穴から前記圧力緩衝タンクに至る経路内を負圧にし、前記圧力緩衝タンク内の圧力を検知し、この検知結果に応じて回収動作を制御するようにしたものである。
【0011】本発明の望ましい実施例によれば、冷蔵庫及びエアコン等の冷凍サイクルを利用した被回収機から、ガス状冷媒を回収する装置を利用して、冷媒を回収する装置において、穴開け装置と冷媒分離装置とを備え、前記被回収機内に封入された冷媒を前記ガス状冷媒を回収する装置に回収する構成において、前記穴開け装置の冷媒及び冷凍機油の気液混合体噴出路に、圧力緩衝タンクを介して前記冷媒分離装置につながる気液混合体回収路を接続し、かつ、前記圧力緩衝タンクを介して前記穴開け装置系内を負圧にする吸引装置の吸入路につながる真空吸引路を接続し、かつ、前記圧力緩衝タンクに圧力センサを設け、前記穴開け装置系内若しくは前記気液混合体の通過時の圧力検知を可能にすると共に、前記穴開け装置の上下機構に駆動源を供給する第1供給路と、前記穴開け装置のドリルの上下機構に駆動源を供給する第3供給路と、前記穴開け装置のドリルの回転に駆動源を供給する第2供給路と、を接続する一方、前記真空吸引路に前記吸引装置による吸引操作開始に合わせて開き、前記吸引装置による吸引開始後の前記圧力センサでの検出圧力が第1低圧設定値を下回るとき閉じるように制御される第1開閉弁を、前記気液混合体噴出路に前記吸引装置による吸引開始操作に合わせて開き、前記圧力センサでの検出圧力が第2低圧設定値を下回るとき閉じるように制御される第2開閉弁を、前記気液混合体回収路に、前記吸引装置による吸引操作開始後の前記圧力センサでの検出圧力が第1高圧設定値を上回るとき開き、前記吸引装置による吸引操作開始に合わせて閉じるように制御される第3開閉弁を、前記第1供給路に任意の時期に開閉させることができるように制御される第4開閉弁を、前記第2供給路に前記吸引装置による吸引操作開始後の前記圧力センサでの検出圧力が第1低圧設定値を下回るとき開き、前記第1高圧設定値を上回るとき閉じるように制御される第5開閉弁を、前記第3供給路に前記吸引装置による吸引操作開始後の前記圧力センサでの検出圧力が第1低圧設定値を下回るとき開き、前記第5開閉弁が閉じた時点を起点として予め設定された時間経過後に閉じるように制御される第6開閉弁をそれぞれ介装することにした。
【0012】この場合、真空吸引時の気液混合体及び冷媒の穴開け装置系外への流出を防ぐ目的から、真空吸引路を気液混合体回収路と独立した経路とし、かつ、真空吸引路の入口を圧力緩衝タンクの最上部に接続することにした。
【0013】また、気液混合体の回収時間を短縮するための手段として真空吸引路に、吸引装置を介して冷媒分離装置につながる大気放出路を接続し、被回収機内若しくは穴開け装置系内に残存する気液混合体の冷媒分離装置への吸引装置による送給を可能にするとともに、大気放出路に圧力センサでの検出圧力が第2高圧設定値を下回るとき開き第2低圧設定値を下回ると閉じるように制御される第7開閉弁を介装し、第7開閉弁の開に合わせて吸引装置を作動させ、吸引装置の作動に合わせて第3開閉弁を閉じ、圧力センサでの検出圧力が第2低圧設定値を下回るとき吸引装置を停止させ、吸引装置の停止に合わせて第3開閉弁を開けるように制御する運転制御手段を設けることにした。
【0014】更に、圧力センサによる圧力検出手段にタイマーを組合わせて用い、圧力センサでの検出圧力が第1低圧設定値検出後、第1高圧設定値検出までの時間測定を可能とすると共に、測定時間が第1設定時間を越え、かつ、圧力センサでの検出圧力が大気圧を下回るとき前記穴開け装置の運転を停止させる制御手段を設けることにした。この場合、冷媒を回収できた被回収機の処理台数の記録及び集計を行う目的から、前記測定時間が第1設定時間を越え、かつ、前記圧力センサでの検出圧力が大気圧を下回るときの処理台数とそれ以外の条件の場合の処理台数とを各々カウントさせるカウンターを組合わせて用いることにした。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1により説明する。図1は冷媒回収装置の構成図を示すものである。穴開け装置2の冷媒及び冷凍機油の気液混合体噴出路3に、圧力緩衝タンク5を介して冷媒分離装置30につながる気液混合体回収路4を接続し、圧力緩衝タンク5を介して穴開け装置2系内を負圧にする吸引装置6の吸入路につながる真空吸引路7を接続し、圧力緩衝タンク5に圧力センサ8を設け、穴開け装置2系内若しくは気液混合体の通過時の圧力検知を可能にしている。本実施例では、圧力緩衝タンクの容積を2リットルとした。これは、通常の200リットルクラスの冷蔵庫では被回収機の容積は1リットル程度であること、及び、被回収機1内に封入されている気液混合体の圧力が、大気温度0℃において約2kg/平方cmG(ゲージ)、20℃において約5kg/平方cmG(ゲージ)、30℃において約7kg/平方cmG(ゲージ)であり、実験的に圧力緩衝タンクの容積を被回収機1の容積と同一程度にすればシール部22の圧力は1/2以下に下がり、2倍であれば1/3以下に下がることを確認した結果によるものである。すなわち、圧力緩衝タンク5は被回収機の冷媒経路に連通されるので、圧力緩衝タンク5内の圧力は穴を開けられた冷媒経路の圧力と関連した値となり、このため、圧力緩衝タンク5内の圧力検知は冷媒経路の圧力検知に相当する。したがって、圧力緩衝タンク5内の圧力変化を知ることにより、冷媒経路の圧力変化を知ることができ、冷媒抜き取りの進行状態を知ることができる。抜き取り開始時は最大負圧となり抜き取り終了時は大気圧となる。
【0016】また、穴開け装置2の上下機構9に駆動源21を供給する第1供給路10と、穴開け装置2のドリル11の上下機構12に駆動源21を供給する第2供給路13と、穴開け装置2のドリル11の回転に駆動源21を供給する第3供給路14と、を接続する一方、真空吸引路7に吸引装置6による吸引操作開始に合わせて開き、吸引装置6による吸引開始後の圧力センサ8での検出圧力が第1低圧設定値(L1)を下回るとき閉じるように制御される第1開閉弁15を、気液混合体噴出路3に吸引装置6による吸引開始操作に合わせて開き、圧力センサ8での検出圧力が第2低圧設定値(L2)を下回るとき閉じるように制御される第2開閉弁16を、気液混合体回収路4に、吸引装置6による吸引操作開始後の圧力センサ8での検出圧力が第1高圧設定値(H1)を上回るとき開き、吸引装置6による吸引操作開始に合わせて閉じるように制御される第3開閉弁17を、第1供給路10に任意の時期に開閉させることができるように制御される第4開閉弁18を、第2供給路13に吸引装置6による吸引操作開始後の圧力センサ8での検出圧力が第1低圧設定値(L1)を下回るとき開き、第1高圧設定値(H1)を上回るとき閉じるように制御される第5開閉弁19を、第3供給路に吸引装置6による吸引操作開始後の圧力センサ8での検出圧力が第1低圧設定値(L1)を下回るとき開き、第5開閉弁19が閉じた時点を起点として予め設定された時間経過後に閉じるように制御される第6開閉弁20を介装しており、圧力センサ8を入力として制御を行う運転制御手段を設けている。ここで、第1低圧設定値は穴開け装置2及び圧力緩衝タンク5系内の穴開け操作前の真空到達度を示すものである。本冷媒回収装置のように被回収機1と穴開け装置以降の系内の圧力差を利用して、被回収機1内に封入された気液混合体23の回収を行う場合、圧力差は大きいほど良いが、絶対真空まで吸引することは現実的でなく、時間も無限にかかる。また、通常、吸引装置として用いられる真空ポンプの真空到達度は−0.7kg/平方cmG(ゲージ)程度であり、吸引に要する時間を最小限に抑える目的から、第1低圧設定値の範囲は−0.5〜−0.7kg/平方cmG(ゲージ)の範囲が良い。本実施例では、第1低圧設定値は−0.6kg/平方cmG(ゲージ)とした。第1低圧設定値を−0.6kg/平方cmG(ゲージ)とした場合の吸引所要時間は約10秒であり、回収操作開始までの時間は十分に短くなっている。また、第1高圧設定値は気液混合体23の噴出初期の圧力を検出して比較するための設定値である。本実施例では第1高圧設定値は、0〜0.1kg/平方cmG(ゲージ)の範囲内で設定可能であり、本実施例では、0.5kg/平方cmG(ゲージ)とした。冷蔵庫等の被回収機から冷媒の回収を行う場合、圧縮機の種類及び冷蔵庫の容積の違いによる封入量のばらつきがあるものの、これら種々の冷蔵庫を用いた冷媒回収実験により、被回収機内に冷媒が封入されていれば、噴出初期の圧力は穴開け後数秒で0.5kg/平方cmG(ゲージ)以上に到達するのを確認した。また、第2低圧設定値は被回収機1内に封入された気液混合体23の回収終了の目安となる圧力設定値である。圧力緩衝タンク5は被回収機1の後流側に設置してあり、圧力緩衝タンク5の検出圧力が大気圧を下回れば、被回収機1内の圧力は当然大気圧以下となり、気液混合体23の回収がほぼ終了したことになる。被回収機1内に封入された冷媒を完全に回収するためには圧力センサ8による検出圧力が絶対真空になるまで吸引することが望ましいが、吸引装置の場合と同様、現実的でなく、時間も無限に要する。本実施例では、第2低圧設定値は0〜−0.3kg/平方cmG(ゲージ)の範囲で設定可能であり、本実施例では、−0.2kg/平方cmG(ゲージ)とした。第2低圧設定値を−0.2kg/平方cmG(ゲージ)とした場合の回収所要時間は冷蔵庫の場合1台当り約3分であり、冷媒回収装置としての回収時間としては妥当な時間である。
【0017】冷媒分離装置30では、気液混合体導入路32に圧力調整弁44を設け、タンク31を介して冷媒冷却装置33につながる冷媒回収路34を接続し、タンク31を介してタンク31内に貯蔵された冷凍機油を回収する冷凍機油回収路35を接続し、タンク31上部に圧力センサ36、安全弁37を設け導入された気液混合体23の圧力検知を可能にすると共に、タンク31内部にオイルミストセパレータ38、メッシュ39、液面センサ40、温度センサ41、ヒータ42、攪拌機43を設け、冷媒分離装置30に導入された気液混合体23の温度制御及び液面制御による冷媒と冷凍機油への分離を可能にしている。
【0018】また、冷媒回収路34に運転開始に合わせて開き、運転終了時閉じるように制御される第7開閉弁45を、冷凍機油回収路35に液面センサでの検出液面レベルが上限設定値(LH)を上回るとき開くように制御される第8開閉弁46を介装している。
【0019】この運転制御手段は、図2のタイムチャートに示すように被回収機1に穴開け装置2を矢印の方向に上昇させて下方より押付け、シール部22の内部を大気より遮断した後、吸引装置6を運転すると共に、第1開閉弁15及び第2開閉弁16を開にする。これにより、図2に示すように圧力緩衝タンク5内の圧力は時間と共に減少され、圧力緩衝タンク5ひいては穴開け装置2系内の圧力が減少する。該運転により、図2に示すように、圧力緩衝タンク5の圧力は時間と共に減少され、該系内の圧力が第1低圧設定値(L1=−0.6kg/平方cmG(ゲージ))を下回れば、第1開閉弁7を閉にして吸引装置6を停止させ、第5開閉弁19、第6開閉弁20を開にし、ドリル11を回転、上昇させて、被回収機1への穴開けを行う。穴貫通により、被回収機1内部の冷媒及び冷凍機油の気液混合体23が噴出するため、図2に示すように圧力緩衝タンク5の圧力は時間と共に増大され、圧力緩衝タンク5の圧力が第1高圧設定値(H1=0.5kg/平方cmG(ゲージ))を越えれば、第3開閉弁17を開にし、穴開け装置2と冷媒分離装置30とを連通させ、第5開閉弁19、第6開閉弁20を閉にし、ドリル11を後退させた後、ドリル11の作動を停止する。これにより、貫通穴より気液混合体23が噴出し、気液混合体噴出路3、圧力緩衝タンク5、気液混合体回収路4を経て冷媒分離装置30へと送給される。
【0020】こうして、気液混合体23の回収動作が進行すれば、被回収機1内部ひいては、圧力緩衝タンク5の圧力が低下し、圧力センサ8により第2低圧設定値(L2=−0.2kg/平方cmG(ゲージ))を下回り、被回収機1内部の気液混合体23がほぼ全量回収できたことが検知されると、第2開閉弁16及び第4開閉弁18を閉じ、穴開け装置2系内を大気と遮断した状態で、穴開け装置2と被回収機1の接合を解除する。ところで、被回収機1と穴開け装置2の接合が解除された後においても、穴開け装置2の系内はガス状吸引装置6によって連続的に吸引されており、本回収操作後に引き続き行われる被回収機1のセッティングの間も、穴開け装置2系内に残存する冷媒も冷媒分離装置30へ吸引回収することが出来るのである。冷媒分離装置30に導入された気液混合体23のうち導入初期の時点で分離されている冷媒はオイルミストセパレータ38を上昇する過程で油分が除去されて冷媒回収路を介して冷媒冷却装置33で30℃前後に冷却されて冷媒回収容器60に回収される。一方、冷凍機油中に溶けこんだ冷媒は冷凍機油と共に自重によりメッシュ39を通過し、侠雑物が除去されてタンク31に一時貯蔵されるが、タンク31に設けたヒータ42による加熱作用及び攪拌装置43による均一な攪拌作用により、冷凍機油に対する冷媒の溶解度が低下し、冷凍機油からの冷媒分離が促進されると共に、冷凍機油の粘性が低下し、冷凍機油に溶けこんだ冷媒の気泡が液面に到達しやすくしている。気泡となった冷媒はタンク31内を上昇し、メッシュ39を通過し、オイルミストセパレータ38を上昇する過程で油分が除去され、冷媒回収路34を介して冷媒冷却装置33で30℃前後に冷却されて冷媒回収容器60に回収される。以上の一連の冷媒回収操作の結果、冷媒及び冷凍機油の回収率は90%以上であった。
【0021】ところで、以上の制御では、被回収機1内部と穴開け装置2系内の差圧のみを利用した運転形態であるが、気液混合体23の回収時間の短縮を図るため、ドリル11による穴開け後の圧力緩衝タンク5内を通過する気液混合体23を強制的に吸引させても良い。
【0022】すなわち、図3の構成図及び図4のタイムチャートに示すように、所定の位置に被回収機1をセットした後、吸引装置6を運転すると共に、第1開閉弁15を開にする。これにより、図4に示すように圧力緩衝タンク5内の圧力は時間と共に減少され、圧力緩衝タンク5ひいては穴開け装置2系内の圧力が減少する。該系内の圧力が第1低圧設定値(L1=−0.6kg/平方cmG(ゲージ))を下回れば、第1開閉弁15を閉に、第4開閉弁及び第5開閉弁を開にし、ドリルを回転上昇させて、被回収機1への穴開けを行う。穴貫通により、被回収機1内部の気液混合体23が噴出するため、図4に示すように圧力緩衝タンク5の圧力は時間と共に増大され、圧力緩衝タンク5の圧力が第1高圧設定値(H1=0.5kg/平方cmG(ゲージ))を越えれば、第4開閉弁及び第5開閉弁を閉にし、ドリル11を後退させた後、ドリル11の作動を停止する。これにより、貫通穴より気液混合体23が噴出し、圧力緩衝タンク5を通過して冷媒分離装置30へと送給される。こうして、気液混合体23の回収動作が進行すれば、被回収機1内部ひいては、圧力緩衝タンク5の圧力が低下してくる。噴出させた気液混合体23は、噴出初期の時点では、自圧のみにより気液混合体噴出路3から圧力緩衝タンク8を経て冷媒分離装置30へと送給されることになる。回収時間の経過に伴い、自圧が低下してくると、吸引装置6を通じての吸引作用により被回収機1から吸引回収されることになる。実験の結果、自圧による気液混合体23の能動的な送給と吸引作用による受動的な吸引回収が切り替わる圧力値は0.3kg/平方cmG(ゲージ)〜0.5kg/平方cmG(ゲージ)であることを確認した。第2高圧設定値(H2)はこの切り替わりの圧力値との比較を行う圧力設定値であり、本実施例では、0.4kg/平方cmG(ゲージ)とした。
【0023】圧力センサー8により第2高圧圧力設定値(H2=0.4kg/平方cmG(ゲージ))を下回ることが検知されると、第3開閉弁、第8開閉弁46を閉じ、第1開閉弁15、第7開閉弁45を開けて吸引装置6を作動させて、被回収機1及び穴開け装置2系内の冷媒を強制的に吸引し、大気放出路49を介して、冷媒分離装置30へ送給する。圧力センサー8により第2低圧設定値(L2)を下回り、被回収機1内部の気液混合体23がほぼ全量回収できたことが検知されると、第2開閉弁16及び第6開閉弁20を閉じ、穴開け装置2系内を大気と遮断した状態で、穴開け装置2と被回収機1の接合を解除する。こうして、より短時間のうちに回収動作が進行される。上記操作による一連の冷媒回収操作の結果、冷媒回収率は95%以上であり、冷凍機油も90%以上回収できた。また、一連の冷媒回収操作に要する時間は冷蔵庫1台あたり2.5分であり、冷媒回収時間を更に短縮することができた。
【0024】なお、以上の制御では、吸引装置6を冷媒分離装置30の上流側に設置して気液混合体23の強制的な吸引を行ったが、吸引装置6を冷媒分離装置の後流側に設置してもよい。
【0025】尚、上記図2、図4に示したいずれの場合にも、一連の気液混合体の回収運転を一回だけ行うようにしたが、各圧力センサでの検出値と比較する高圧設定値や低圧設定値を複数個設定することにより、これら回収運転を長時間に渡って繰り返すこともよい。
【0026】ところで、以上の制御では、被回収機1に冷媒が封入されている場合の運転形態であるが、冷媒が封入されていない場合、若しくは封入された冷媒の大部分が抜けてしまっている場合、これらを上記冷媒回収操作により回収することは、時間の無駄である。このような場合には、圧力センサ8による圧力検出手段にタイマーを組合わせて用い、圧力センサ8での検出圧力が前記第1低圧設定値(L1=−0.6kg/平方cmG(ゲージ))検出後、第1高圧設定値(H1=0.5kg/平方cmG(ゲージ))検出までの測定時間が第1設定時間を越え、かつ、圧力センサでの検出圧力が大気圧を下回るとき穴開け装置の運転を停止させるように制御すればよい。前記第1低圧設定値(L1=−0.6kg/平方cmG(ゲージ))検出後、第1高圧設定値(H1=0.5kg/平方cmG(ゲージ))検出までの時間を種々の冷蔵庫を用いて測定した結果、第1設定時間は15秒程度に設定するのがよい。また、上記の制御方法にカウンターを組合わせて用い、前記測定時間が第1設定時間を越え、かつ、前記圧力センサ8での検出圧力が大気圧を下回るとき、これを未処理台数としてカウントし、前記以外の条件の場合、これを処理台数としてカウントするようにすれば前記被回収機1の処理台数、未処理台数の記録、集計が可能となる。
【0027】また、気液混合体噴出路に圧力センサーを付けたパーシングプライヤーを併設し、穴開け前に冷凍サイクルの配管を挟みこんで冷凍サイクル内の圧力を測定し、大気圧以下であれば、回収操作を行わないようにすることにより、効率の良い冷媒回収ができることになる。
【0028】また、大気圧であっても冷凍機油中には冷媒が溶けこんでいる場合が多く、その場合は吸引装置6を前記気液混合体噴出路3あるいは前記気液混合体回収路4に設け、前記測定時間が第1設定時間を越え、かつ、前記圧力センサ8での検出圧力が大気圧を下回るとき前記吸引装置を作動させるように制御すれば、被回収機内の冷凍機油を強制的に回収することができ、冷媒分離装置に導入することで冷凍機油に溶けこんだ冷媒の回収が可能となる。
【0029】
【発明の効果】以上、本発明によれば、冷凍サイクルを利用している被回収機からガス状の冷媒フロンと共に冷凍機油も回収することにより、冷凍機油に溶存している冷媒も回収することができ、また冷凍機油と冷媒フロンを分離することにより周囲温度に左右されずに冷媒フロンを高効率に高回収できる。また、冷凍機油と冷媒フロンの噴出時の圧力を検知することにより、冷凍機油及び冷媒フロンの封入量が種々異なるコンプレッサーにおいても、封入量に応じた回収時間で回収できる。更に、強制的に噴出物を吸引することにより、封入量に左右されずに一定時間内での回収が出来る。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】000233077
【氏名又は名称】日立テクノエンジニアリング株式会社
【出願日】 平成8年9月26日(1996.9.26)
【代理人】 【識別番号】100075096
【弁理士】
【氏名又は名称】作田 康夫
【公開番号】 特開2000−292034(P2000−292034A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願2000−81787(P2000−81787)