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【発明の名称】 冷凍機の抽気回収装置
【発明者】 【氏名】徳丸 徹

【氏名】佐藤 裕一

【要約】 【課題】不凝縮ガスの排出に伴って冷媒ガスの排出が殆どなく、不凝縮ガス排出頻度が少なくて済み、且つ不凝縮ガスの排出と同伴して排出される微量の冷媒ガスも吸着回収できる冷凍機の抽気回収装置を提供すること。

【解決手段】冷凍機のコンデンサ11に連絡配管7を介してパージコンデンサ1を接続し、該コンデンサ11の内圧と該パージコンデンサ1の内圧との差圧により該コンデンサ11から冷媒ガスを含む不凝縮ガスを該パージコンデンサ1内に導入すると共に、該パージコンデンサ1内に配置された冷却コイル2にコンデンサ11又はエコノマイザの液冷媒を過冷却して導き、該パージコンデンサ1内を冷却して該冷媒ガスを凝縮して冷媒液として回収し、該パージコンデンサ内の不凝縮ガスを機外に排出するように構成した冷凍機の抽気回収装置において、連絡配管7に電磁弁8を設け、パージコンデンサ1内の不凝縮ガスを機外に排出する時、該電磁弁8を閉じて、コンデンサ11から不凝縮ガスを含む冷媒ガスの該パージコンデンサ1内への流入を遮断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷凍機のコンデンサに連絡配管を介してパージコンデンサを接続し、該コンデンサの内圧と該パージコンデンサの内圧との差圧により該コンデンサから冷媒ガスを含む不凝縮ガスを該パージコンデンサ内に導入すると共に、該パージコンデンサ内に配置された冷却コイルに前記冷凍機のコンデンサ又はエコノマイザの液冷媒を過冷却して導き、該パージコンデンサ内を冷却して該冷媒ガスを凝縮して冷媒液として回収し、該パージコンデンサ内の不凝縮ガスを機外に排出するように構成した冷凍機の抽気回収装置において、前記連絡配管に開閉弁を設け、前記パージコンデンサ内の不凝縮ガスを機外に排出する時、該開閉弁を閉じて、前記コンデンサから冷媒ガスを含む不凝縮ガスの該パージコンデンサ内への流入を遮断することを特徴とする冷凍機の抽気回収装置。
【請求項2】 請求項1に記載の冷凍機の抽気回収装置において、前記開閉弁を閉じて前記コンデンサから冷媒ガスを含む不凝縮ガスの該パージコンデンサ内への流入を遮断すると共に、該パージコンデンサ内の冷媒ガス濃度が最小限になるまで凝縮させ、その後に該開閉弁を開いて前記コンデンサから冷媒ガスを含む不凝縮ガスを該パージコンデンサ内に流入させ、該動作を複数回繰返し、該パージコンデンサ内の不凝縮ガス濃度を高め、該不凝縮ガスを機外に排出させるように構成したことを特徴とする冷凍機の抽気回収装置。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の冷凍機の抽気回収装置において、前記機外に排出させる不凝縮ガスを冷媒吸着フィルターを通して大気に排出することを特徴とする冷凍機の抽気回収装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機内に漏れ込む空気等の不凝縮ガスを抽気して機外に排出し、冷媒を回収する冷凍機の抽気回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は従来のこの種の抽気回収装置を有する冷凍機の概略構成を示す図である。図示するように、抽気回収装置は、パージコンデンサ1、パージポンプ6、差圧スイッチ4、電磁弁5等を具備する。パージコンデンサ1はコンデンサ室1aとフロート弁室1bの上下2室に分かれており、コンデンサ室1aはコンデンサとして作用し、冷凍機のコンデンサ11と連絡配管7及びオリフィス9によって連通している。
【0003】パージコンデンサ1のコンデンサ室1aには、冷却コイル2が配置されており、該冷却コイル2には冷凍機のクーラ12内の冷媒液で過冷却されたコンデンサ11の液冷媒が冷媒ポンプ13により冷媒フィルター14を通して流れ、常にパージコンデンサ1内を冷却している。このためパージコンデンサ1内の圧力はコンデンサ11の圧力よりも低く、その差圧によってコンデンサ11内のガスは連絡配管7及びオリフィス9を通ってパージコンデンサ1内に流入する。そこで冷媒ガスは冷却液化し、冷媒液は下のフロート弁室1bに流れる。該フロート弁室1bに一定量以上の冷媒が溜るとフロート弁3が開いて冷媒はクーラ12に戻る。このとき不凝縮ガスはそのままパージコンデンサ1内に残るため、次第に蓄積されパージコンデンサ1内の圧力が上昇する。
【0004】パージコンデンサ1内の圧力が上昇し、コンデンサ11内の圧力との差圧が所定の値まで低下すると、差圧スイッチ4の出力により、制御部10は電磁弁5を開くと同時にパージポンプ6を起動し、パージコンデンサ1内の不凝縮ガスを大気中に排出する。パージコンデンサ1内の不凝縮ガスが排出され、該パージコンデンサ1内の圧力が下がり、コンデンサ11内の圧力との差圧が上昇すると差圧スイッチ4の出力により、制御部10は電磁弁5を閉じ、パージポンプ6を停止して、不凝縮ガスの排出は終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成の抽気回収装置においては、パージポンプ6の運転中も冷凍機のコンデンサ11から冷媒ガスを含む不凝縮ガスがパージコンデンサ1内に流入するため、不凝縮ガスと共に冷媒ガスが大気中に放出されるという問題があった。また、パージコンデンサ1内の圧力とコンデンサ11内の圧力との差圧が所定の値まで低下することで、パージコンデンサ1内の不凝縮ガスを排出するため、パージコンデンサ1内の不凝縮ガスの濃度が十分高くならないうちに不凝縮ガスの排出が行なわれ、不凝縮ガスの排出頻度が多くなり、パージポンプ6や電磁弁5の作動頻度が多くなるという問題もあった。また、不凝縮ガスの排出に伴って該不凝縮ガス中に含まれる微量な冷媒ガスも大気中に排出されるという問題もあった。
【0006】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、上記問題点を除去し、不凝縮ガスの排出に伴って冷媒ガスの排出が殆どなく、不凝縮ガス排出頻度が少なくて済み、且つ不凝縮ガスの排出と同伴して排出される微量の冷媒ガスも吸着回収できる冷凍機の抽気回収装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、冷凍機のコンデンサに連絡配管を介してパージコンデンサを接続し、該コンデンサの内圧と該パージコンデンサの内圧との差圧により該コンデンサから冷媒ガスを含む不凝縮ガスを該パージコンデンサ内に導入すると共に、該パージコンデンサ内に配置された冷却コイルに冷凍機のコンデンサ又はエコノマイザの液冷媒を過冷却して導き、該パージコンデンサ内を冷却して該冷媒ガスを凝縮して冷媒液として回収し、該パージコンデンサ内の不凝縮ガスを機外に排出するように構成した冷凍機の抽気回収装置において、連絡配管に開閉弁を設け、パージコンデンサ内の不凝縮ガスを機外に排出する時、該開閉弁を閉じて、コンデンサから冷媒ガスを含む不凝縮ガスの該パージコンデンサ内への流入を遮断することを特徴とする。
【0008】上記のように、パージコンデンサ内の不凝縮ガスを機外に排出する時、開閉弁を閉じて、コンデンサから冷媒ガスを含む不凝縮ガスの該パージコンデンサ内への流入を遮断するので、不凝縮ガスを機外に排出する時にコンデンサからの冷媒ガスが排出されることがない。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の冷凍機の抽気回収装置において、開閉弁を閉じてコンデンサから冷媒ガスを含む不凝縮ガスの該パージコンデンサ内への流入を遮断すると共に、該パージコンデンサ内の冷媒ガス濃度が最小限になるまで凝縮させ、その後に該開閉弁を開いてコンデンサから冷媒ガスを含む不凝縮ガスを該パージコンデンサ内に流入させ、該動作を複数回繰返し、該パージコンデンサ内の不凝縮ガス濃度を高め、該不凝縮ガスを機外に排出させるように構成したことを特徴とする。
【0010】上記のように開閉弁を閉じてパージコンデンサ内の冷媒ガス濃度が最小限になるまで凝縮させる動作を複数回繰返し、該パージコンデンサ内の不凝縮ガス濃度を高めてから機外に排出させるように構成することにより、不凝縮ガスの排出頻度が少なくて済み、不凝縮ガス排出手段を構成する機器の長寿命化等を図ることができる。
【0011】また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の冷凍機の抽気回収装置において、機外に排出させる不凝縮ガスを冷媒吸着フィルターを通して大気に排出することを特徴とする。
【0012】上記のように、機外に排出させる不凝縮ガスを冷媒吸着フィルターを通して大気に排出するので、不凝縮ガスに含まれる微量の冷媒ガスは冷媒吸着フィルターに吸着されるから、大気中には冷媒ガスは排出されないし、該冷媒吸着フィルターを再生処理することにより吸着された冷媒は回収され、吸着フィルターは再利用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図2は本発明に係る抽気回収装置を有する冷凍機の概略構成を示す図である。本抽気回収装置は、パージコンデンサ1、パージポンプ6、差圧スイッチ4、電磁弁5等を具備し、パージコンデンサ1はコンデンサ室1aとフロート弁室1bとに分かれて、コンデンサ室1aはコンデンサとして作用し、冷凍機のコンデンサ11と連絡配管7及びオリフィス9によって連通し、コンデンサ室1aに配置された冷却コイル2には冷凍機のクーラ12内の冷媒液で過冷却されたコンデンサ11の液冷媒が冷媒ポンプ13により冷媒フィルター14を通して流れ、常にパージコンデンサ1内を冷却している等は図1の従来例と同一である。
【0014】本発明が図1の従来例と相違する点は、パージコンデンサ1と冷凍機のコンデンサ11を接続する連絡配管7に電磁弁8を設けた点、パージポンプ6により排出されるパージコンデンサ1からの不凝縮ガスが冷媒吸着フィルター15を通って大気中に排出されるようになっている点、パージポンプ6及び電磁弁5の外に電磁弁8の動作も制御部10の制御で行なっている点である。
【0015】上記構成の抽気回収装置において、パージコンデンサ1における冷媒の冷却は上述のように、従来例と同じく冷凍機のクーラ12で過冷却した冷凍機の凝縮冷媒(液冷媒)を使用している。エコノマイザサイクルの冷凍機の場合は、エコノマイザの液冷媒を使用すると、より低温の冷却冷媒を供給できるため、パージコンデンサ1の圧力が低くなり、パージコンデンサ1の冷媒ガス濃度を低減できる。
【0016】パージコンデンサ1への不凝縮ガスの集積は従来と同様、冷凍機のコンデンサ11内の圧力とパージコンデンサ1内の圧力差による。即ち、この差圧によってコンデンサ11内のガスを連絡配管7及びオリフィス9を通ってパージコンデンサ1内に流入させることで行なっている。そこで冷媒ガスは冷却液化し、該冷媒液は下のフロート弁室1bに流れ込む。該フロート弁室1bに一定量以上の冷媒が溜るとフロート弁3が開いて冷媒はクーラ12に戻る。このとき不凝縮ガスはそのままパージコンデンサ1内に残る。
【0017】パージコンデンサ1内に不凝縮ガスが蓄積され、パージコンデンサ1内の圧力が上昇し、コンデンサ11内の圧力との差圧が所定の値まで低下すると、差圧スイッチ4が作動し、制御部10は電磁弁5を開くと同時にパージポンプ6を始動し、パージコンデンサ1内の不凝縮ガスを大気中に排出する。この不凝縮ガスの排出時に制御部10は電磁弁8を閉じ、コンデンサ11からパージコンデンサ1への冷媒ガスを含む不凝縮ガスの流入を遮断する。これにより従来のように、不凝縮ガスの排出時にコンデンサ11からパージコンデンサ1を通って冷媒ガスが機外に排出されることはなくなる。
【0018】パージコンデンサ1内の冷媒ガス濃度を小さくするため、制御部10は次のような制御を行なう。差圧スイッチ4が作動した時、電磁弁8を閉じ、パージコンデンサ1内に取り込まれた冷媒ガスを更に凝縮させる。この凝縮プロセスによりパージコンデンサ1内の冷媒ガスが充分に凝縮すると、パージコンデンサ1内の圧力が下がり、差圧スイッチ4が切れる。差圧スイッチ4が切れると再び電磁弁8を開き、更にコンデンサ11から冷媒ガスを含む不凝縮ガスをパージコンデンサ1内に導入し、冷媒ガスを凝縮し、不凝縮ガスを蓄積する。
【0019】図3は制御部10における不凝縮ガスのパージ動作フローを示す図である。冷凍機の始動完了後5分経過したら、先ずパージ用の差圧スイッチ4がONか否かを判断し(ステップST1)、差圧スイッチ4がONであったら、仕切用の電磁弁8を閉じる(ステップST2)。次に差圧スイッチ4の動作カウントが所定値(図では「5」)になったか否かを判断し(ステップST3)、動作カウントが所定値でなかった場合、差圧スイッチ4がONした後所定時間(図では「30秒」)経過したら(ステップST4)、仕切用の電磁弁8を開いて(ステップST5)、前記ステップST1に戻る。
【0020】前記ステップST3において、差圧スイッチ4の動作カウントが所定値になり、次に差圧スイッチ4がONした後所定時間(図では「30秒」)経過したら(ステップST6)、パージ排出用の電磁弁5を開くと共に、パージポンプ6を運転する(ステップST7)。続いてパージポンプ6の運転が所定時間(図では「10秒」)経過したら(ステップST8)、パージ排出用の電磁弁5を閉じると共に、パージポンプ6を停止し(ステップST9)、前記ステップST1に戻る。
【0021】なお、図2に示す例ではパージポンプ6を設けているが、このパージポンプ6は必ずしも必要なものではない。但し、パージポンプ6を設けない場合は、パージコンデンサ1内の圧力が大気圧以上であるか否かを判断するスイッチを設け、該スイッチが大気圧以上と判断したら、パージ排出用の電磁弁5を開くようにする。
【0022】上記プロセスを複数回繰り返し、パージコンデンサ1内の不凝縮ガスの濃度が充分高くなったら電磁弁5を開き、パージポンプ6を起動し、パージコンデンサ1内の不凝縮ガスを機外に放出する。
【0023】パージコンデンサ1内の不凝縮ガスの濃度は差圧スイッチ4の動作回数(冷凍機の使用状況によって任意に設定可能とする)により判断する。不凝縮ガスの濃度の別の判定方法としては、上記電磁弁の開閉及びパージコンデンサ1内の凝縮プロセスにおけるパージコンデンサ1内の圧力を検知すれば定量的に不凝縮ガスの蓄積量を判断できる。
【0024】上記のようにして機外に排出される不凝縮ガスの中には微量の冷媒ガスが含まれ、該不凝縮ガスをそのまま大気中に放出すると、微量ながら冷媒ガスも大気中に放出されることになる。そこで、上記不凝縮ガスの排出部に冷媒吸着フィルター15を設け、排出される不凝縮ガスを該冷媒吸着フィルター15を通して大気中に放出する。これにより不凝縮ガスに含まれる微量な冷媒ガスは冷媒吸着フィルター15に吸着され、冷媒ガスを含まない不凝縮ガスのみが大気中に放出されることになる。この冷媒吸着フィルター15は定期的に交換し、吸着された冷媒を回収して再生処理した後再利用する。
【0025】上記のようにすることにより冷媒の大気中への放出がなく、冷媒としてフロン系の冷媒を用いる場合は、環境保全の点から特に有効である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項に記載の発明によれば、下記のような優れた効果が得られる。
【0027】請求項1に記載の発明によれば、パージコンデンサ内の不凝縮ガスを機外に排出する時、開閉弁を閉じて、コンデンサから冷媒ガスを含む不凝縮ガスの該パージコンデンサ内への流入を遮断するので、不凝縮ガスを機外に排出する時にコンデンサからの冷媒ガスが排出されることがない。
【0028】請求項2に記載の発明によれば、開閉弁を閉じて該パージコンデンサ内の冷媒ガス濃度が最小限になるまで凝縮させる動作を複数回繰返し、該パージコンデンサ内の不凝縮ガス濃度を高めて機外に排出させるように構成することにより、不凝縮ガスの排出頻度が少なくて済み、不凝縮ガス排出手段を構成する機器の長寿命化等を図ることができる。
【0029】請求項3に記載の発明によれば、機外に排出させる不凝縮ガスを冷媒吸着フィルターを通して大気中に排出するので、不凝縮ガスに含まれる微量の冷媒ガスは冷媒吸着フィルターに吸着され、大気中には冷媒ガスは排出されないし、該冷媒吸着フィルターを再生処理することにより、吸着された冷媒は回収され、吸着フィルターは再利用できる。
【出願人】 【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
【出願日】 平成11年4月1日(1999.4.1)
【代理人】 【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆 (外1名)
【公開番号】 特開2000−292033(P2000−292033A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願平11−94905