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【発明の名称】 サブクールパイプ、コンデンサ及び車両用空気調和装置
【発明者】 【氏名】沢田 正夫

【氏名】松原 史郎

【氏名】樋口 敏幸

【要約】 【課題】サブクールパイプにより冷却効率を向上でき、かつ配置自由度の高いコンデンサを提供することを目的とする。

【解決手段】ガス冷媒を外気と熱交換する熱交換部49が冷媒出口76と冷媒入口75を備えているコンデンサ本体52Aと、前記コンデンサ本体52Aの冷媒出口76側に接続されるパイプ本体82とこのパイプ本体82に設けられた放熱フィン83とを備えたサブクールパイプ81と、を有していることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンデンサの冷媒出口側に接続されるパイプ本体とこのパイプ本体に設けられた放熱フィンとを備えていることを特徴とするサブクールパイプ。
【請求項2】 前記パイプ本体が円形断面管あるいは扁平断面管で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサブクールパイプ。
【請求項3】 ガス冷媒を外気と熱交換する熱交換部が冷媒出口と冷媒入口を備えているコンデンサ本体と、前記コンデンサ本体の冷媒出口側に接続されるパイプ本体とこのパイプ本体に設けられた放熱フィンとを備えたサブクールパイプとを有しているコンデンサであって、前記パイプ本体が接続される熱交換部の冷媒出口に凝縮した冷媒を気液分離させるレシーバが取り付けられ、このレシーバの出口にサブクールパイプが取り付けられていることを特徴とするコンデンサ。
【請求項4】 前記パイプ本体が円形断面管あるいは扁平断面管であることを特徴とする請求項3に記載のコンデンサ。
【請求項5】 内気導入口及び外気導入口を開口して内気または外気のいずれか一方に導入空気を選択的に切り替えれる内外気切り換えダンパを備えた内外気箱を設け、前記導入空気を送風するブロワファンを有するブロワユニットを設け、冷媒と通過する前記導入空気との間で熱交換させるエバポレータを備えたクーラユニットを設け、ヒータユニットケース内に設置され通過する前記導入空気を加熱するヒータコアと該ヒータコアを通過する前記導入空気の流量を調整するエアミックスダンパと前記ヒータユニットケースに開口しそれぞれがダンパを備えた複数の吹き出し口とを有するヒータユニットを設けた空気調和ユニットと、ガス状の冷媒を圧縮するコンプレッサを設け、ガス冷媒を外気と熱交換する熱交換部が冷媒出口と冷媒入口を備えているコンデンサ本体に、該コンデンサ本体の冷媒出口側に接続され凝縮した冷媒を気液分離させるレシーバを設け、放熱フィンを有するパイプ本体をサブクールパイプとして取り付け、高温高圧の液冷媒を低温低圧の液冷媒にする膨張弁を設けて前記エバポレータに低温低圧の液冷媒を供給する冷媒系と、エンジン冷却水を前記ヒータコアに導入する加熱源系と、前記空気調和ユニット、冷媒系及び加熱源系の作動を制御する制御部と、を備えていることを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項6】 前記レシーバが、前記パイプ本体が接続される熱交換部の冷媒出口に取り付けられ、このレシーバの出口にサブクールパイプが取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の車両用空気調和装置。
【請求項7】 前記パイプ本体が円形断面管あるいは扁平断面管で形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の車両用空気調和装置。
【請求項8】 前記コンデンサが車両用ラジエータの前側に配置されていることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の車両用空気調和装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等の車両のコンデンサに取り付けられるサブクールパイプと、このサブクールパイプを有するコンデンサ、及び、前記コンデンサを有する車両用空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように自動車等の車両の空気調和装置にはコンデンサが設けられているものがある。このコンデンサは外気を通過させることで、内部を流れる冷媒ガスを冷却する熱交換装置である。このようなコンデンサは通常エンジンルームの前部に配置され、走行時における導入空気を利用して効率よく冷媒を冷却できるようになっている。この一例を図7によって説明すると、エンジンルーム100の前壁101にはフロントグリル102から外気をエンジンルーム100内に導入するための開口部103が設けられ、この開口部103にラジエータ104が配置されている。ラジエータ104の前方には導入空気によって前記冷媒を冷却するためのコンデンサ105が配置されている。
【0003】このコンデンサ105は図8に示すように、左右に一対設けられたヘッダ106,107の間が水平方向に複数配列された冷媒チューブ108で連通され、各冷媒チューブ108間にはそれぞれフィン109が配設されたものである。尚、110は冷媒入口、111は冷媒出口を示す。また、コンデンサ105には冷媒出口111に、凝縮した冷媒を気液分離させるレシーバ112が取り付けられており、このレシーバ112はエンジン変動、車両熱負荷変動が激しく、必要な冷媒量が変動するため余分な冷媒のみを貯留して気液分離し、常に液冷媒のみを送り出すためのものである。ところで、上記レシーバ112を備えたコンデンサ105の熱交換効率を向上させるために、図9に示す(図8と同一部分に同一符号を付す)ようにコンデンサ105の下部にレシーバ112を出た液冷媒を冷却するサブコンデンサ部113を配置し、レシーバ112によって液化した液冷媒を更に冷却するものがある(特開平10−205920号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の各種のコンデンサ105にあっては、ラジエータ104の前方の限られた狭い領域で、かつ導入空気をスムーズに通過させることができる場所に配置するのは困難であるという問題がある。すなわち、各種バルブ類やエンジン補器類が、狭いエンジンルームスペースに配置してある現状では、その性質上導入空気を受け入れる熱交換面積を必要とする比較的大きなコンデンサ105の配置位置は大きな制限を受けてしまうのである。前記サブコンデンサ部113を備えたコンデンサ105においては、コンデンサ105の自由な配置が可能であればサブコンデンサ部105における液冷媒自体の冷却を効果的に行うことができ所望の冷却性能を達成できるが、上記のような制約の多い中ではその能力を発揮できないのが実情である。
【0005】加えて、近年車両前後部の突出長さが短くなっている、いわゆる車体のショートオーバーハング化が進む中で、コンデンサ105の配置位置が車両の造形上での制約をも受けるようになっているため、配置自由度が高く冷却効率を向上できるコンデンサの開発が望まれている。そこで、この発明は、コンデンサの配置を容易化して冷却効率を向上できるサブクールパイプと、このサブクールパイプにより冷却効率を向上でき、かつ配置自由度の高いコンデンサ、及び、前記コンデンサにより冷却能力を高めた車両用空気調和装置提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、コンデンサの冷媒出口側、例えばコンデンサの冷媒出口側に接続されたレシーバの冷媒出口側に接続されるパイプ本体とこのパイプ本体に設けられた放熱フィンとを備えていることを特徴とする。このように構成することで、パイプ本体を流れる冷媒を放熱フィンで冷却することが可能となる。請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記パイプ本体が円形断面管あるいは扁平断面管で形成されていることを特徴とする。このように構成することで、使用されるパイプ本体の形状に合わせて放熱フィンを選択することが可能となる。
【0007】請求項3に記載した発明は、ガス冷媒を外気と熱交換する熱交換部が冷媒出口と冷媒入口を備えているコンデンサ本体と、前記コンデンサ本体の冷媒出口側に接続されるパイプ本体とこのパイプ本体に設けられた放熱フィンとを備えたサブクールパイプとを有しているコンデンサであって、前記パイプ本体が接続される熱交換部の冷媒出口に凝縮した冷媒を気液分離させるレシーバが取り付けられ、このレシーバの出口にサブクールパイプが取り付けられていることを特徴とする。このように構成することで、レシーバによって分離された液冷媒を条件の良い場所にて冷却することが可能となる。
【0008】請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した発明において、前記パイプ本体が円形断面管あるいは扁平断面管であることを特徴とする。このように構成することで、パイプ本体の形状に合わせて効果的な放熱フィンを選択できるサブクールパイプを使用することが可能となる。
【0009】請求項5に記載した発明は、内気導入口及び外気導入口を開口して内気または外気のいずれか一方に導入空気を選択的に切り替えれる内外気切り換えダンパを備えた内外気箱を設け、前記導入空気を送風するブロワファンを有するブロワユニットを設け、冷媒と通過する前記導入空気との間で熱交換させるエバポレータを備えたクーラユニットを設け、ヒータユニットケース内に設置され通過する前記導入空気を加熱するヒータコアと該ヒータコアを通過する前記導入空気の流量を調整するエアミックスダンパと前記ヒータユニットケースに開口しそれぞれがダンパを備えた複数の吹き出し口とを有するヒータユニットを設けた空気調和ユニットと、ガス状の冷媒を圧縮するコンプレッサを設け、ガス冷媒を外気と熱交換する熱交換部が冷媒出口と冷媒入口を備えているコンデンサ本体に、該コンデンサ本体の冷媒出口側に接続され凝縮した冷媒を気液分離させるレシーバを設け、放熱フィンを有するパイプ本体をサブクールパイプとして取り付け、高温高圧の液冷媒を低温低圧の液冷媒にする膨張弁を設けて前記エバポレータに低温低圧の液冷媒を供給する冷媒系と、エンジン冷却水を前記ヒータコアに導入する加熱源系と、前記空気調和ユニット、冷媒系及び加熱源系の作動を制御する制御部と、を備えていることを特徴とする。このように構成することで、冷媒系のコンデンサの冷却能力を向上することができるため、余裕をもって空気調和を行うことが可能となる。
【0010】請求項6に記載した発明は、請求項5に記載した発明において、前記レシーバが、前記パイプ本体が接続される熱交換部の冷媒出口に取り付けられ、このレシーバの出口にサブクールパイプが取り付けられていることを特徴とする。このように構成することで、レシーバによって分離された液冷媒を条件の良い場所にて冷却できる冷却効率の高いコンデンサを用いることが可能となる。
【0011】請求項7に記載した発明は、請求項5または請求項6に記載した発明において、前記パイプ本体が円形断面管あるいは扁平断面管で形成されていることを特徴とする。このように構成することで、パイプ本体の形状に合わせて効果的な放熱フィンを選択できるサブクールパイプを使用したコンデンサを用いることが可能となる。請求項8に記載した発明は、請求項5から請求項7のいずれかに記載の発明において、前記コンデンサが車両用ラジエータの前側に配置されていることを特徴とする。このように構成することで、配置スペースに制約のあるラジエータ前方の狭い部位であっても、小型化されたコンデンサ本体の配置を容易化し、かつコンデンサ本体を配置した後の残余スペースにサブクールパイプを配置することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面と共に説明する。図4から図6はコンデンサを備えた車両用空気調和装置の構成を示すものである。この車両用空気調和装置は、大きくは冷房等の空気調和を行う空気調和ユニット1と、冷房運転時に空気調和ユニット1へ熱源となるエンジン冷却水を供給する冷媒系2と、暖房運転時に空気調和ユニット1へ熱源となるエンジン冷却水を供給する加熱源系3と、装置全体の作動制御を行う制御部4とにより構成されている。
【0013】空気調和ユニット1は、図4に示すように、内外気箱10、ブロワユニット20、クーラユニット30、ヒータユニット40が一体に接続されたものである。この空気調和ユニット1は、一般的な乗用車の場合、図5及び図6に示すように車室内から見て左側の助手席側で、しかもダッシュボード5の下方に位置するエンジンルーム6の後部に横長に配置されている。以下、この空気調和ユニット1を空気の流れの順に説明する。
【0014】内外気箱10は、空気調和ユニット1に導入する空気を外気(車室外の空気)aまたは内気(車室内の空気)bのいずれか一方に選択切り換えする機能を有する部分である。ここでは、車室外に連通する外気導入口11aと車室内に連通する内気導入口11bとが設けられており、両導入口11a,11bのいずれか一方を内外気切り換えダンパ12により閉じて、導入する空気(以下、導入空気と呼ぶ)を選択するようになっている。
【0015】ブロワユニット20は、内外気箱10の下流に接続して設けられ、ブロワファン21の作動により外気aまたは内気bを選択的に吸引して後述するクーラユニット30へ送風する機能を有している。このブロワファン21は、電動モータ22を駆動源とし、一般的には停止位置の他に、複数の風量切り換えができるようになっている。尚、車両の走行中に外気aを導入する場合には、ブロアファン21が停止していても走行風である外気aをクーラユニット30へ流すことができる。また、空気調和ユニット1によっては、ブロワユニット20が後述するクーラユニット30の後流側に設置される場合もある。
【0016】クーラユニット30は、ブロワユニット20から送風されてきた導入空気を冷却して除湿する機能を有している。このクーラユニット30は、熱交換器であるエバポレータ31と、このエバポレータ31を格納するクーラユニットケース32とにより構成されている。
【0017】エバポレータ31は、冷房運転時に後述する冷媒系2から低温低圧の液冷媒の供給を受け、ブロワユニット20から送風されてきてこのエバポレータ31を通過する導入空気と液冷媒との間で熱交換させる。この結果、導入空気は冷媒に熱を奪われて冷却及び除湿された冷風となり、ヒータユニット40へ導かれる。クーラユニットケース32は、上流側の端部がブロワユニット20と接続され、下流側の端部がヒータユニット40と接続されて、導入空気の流路となる空調ダクトADの一部を形成している樹脂成形部品である。尚、このクーラユニット30は、冷房・除湿機能を必要としない場合はエバポレータ31が設置されず、クーラユニットケース32のみが導入空気の流路として設けられる。
【0018】ヒータユニット40は、クーラユニット30から送られてきた導入空気を選択的に加熱すると共に、運転モードに対応した吹き出し口から空調された空気を吹き出す機能を有している。このヒータユニット40は、ヒータユニットケース41の内部に設置されたヒータコア42と、このヒータコア42を通過する導入空気の流量を調整するエアミックスダンパ43と、ヒータユニットケース41に開口しそれぞれが開閉操作可能なデフロスタダンパ44a,フェイスダンパ45a,フットダンパ46aを備えたデフロスタ吹き出し口44,フェイス吹き出し口45,フット吹き出し口46とにより構成されている。
【0019】ヒータコア42は、暖房運転時に後述する加熱源系3から高温のエンジン冷却水の供給を受け、クーラユニット30から送風されてきた導入空気を加熱する。ヒータユニット40に送られた導入空気は、エアミックスダンパ43の開度に応じて、ヒータコア42を通過して加熱されるものと、ヒータコア42を通過しないものとに分類される。
【0020】上述したデフロスタ吹き出し口44は、冬季走行前のフロントガラスの霜取り及び雨天走行中のフロントガラスの曇りを除去するために、フロントガラスなどの内面に直接当たるよう温風及び除湿した風を吹き出すものであり、このような空調運転モードはデフロスタ吹き出しモードと呼ばれている。また、フェイス吹き出し口45は、主として夏季の冷房運転時に乗員の上半身へ向けて冷風を吹き出すものであり、このような空調運転モードはフェイス吹き出しモードと呼ばれている。
【0021】そして、フット吹き出し口46は、主として冬季の暖房運転時に乗員の足元へ温風を吹き出すものであり、フット吹き出しモードと呼ばれている。尚、主として春や秋の中間期に用いられ、フェイス吹き出し口45及びフット吹き出し口46の両方から空調された空気を吹き出すバイレベル吹き出しモードと呼ばれる空調運転モードもあり、この場合は、フェイス吹き出し口45からの吹き出し風をフット吹き出し口46より低温とする頭寒足熱とするのが一般的である。
【0022】次に、冷媒系2の構成を図5に基づいて説明する。この冷媒系2は、エバポレータ31に低温低圧の液冷媒を供給するもので、コンプレッサ51、コンデンサ52、後述するレシーバ53及び図示を省略した膨張弁とを具備している。尚、この冷媒系2は、冷房・除湿機能を必要としない場合は、上述したエバポレータ31と共に設置が省略される。コンプレッサ51は、エバポレータ31で車室内の熱を奪って気化した低温低圧のガス冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒としてコンデンサ52へ送り出すものである。自動車用空気調和装置の場合、コンプレッサ51は、通常エンジン54よりベルト及びクラッチを介して駆動力を受ける。
【0023】コンデンサ52は、エンジンルーム6の前部に配設され、コンプレッサ51から供給された高温高圧のガス冷媒を外気で冷却し、ガス状の冷媒を凝縮液化させるものである。こうして液化された冷媒は、レシーバ53へ送られて気液の分離がなされ、高温高圧の液冷媒として図示省略の膨張弁に送られる。この膨張弁では、高温高圧の液冷媒を減圧・膨張させることによって低温低圧の液(霧状)冷媒とし、エバポレータ31へ供給する。尚、膨張弁は通常エバポレータ31と共にクーラユニット30内の適所に設置される。
【0024】続いて、加熱源系3の構成を図5、図6に基づいて簡単に説明する。この加熱源系3は、ヒータコア42に熱源となる高温のエンジン冷却水を供給するもので、エンジン54とラジエータ55との間を循環するエンジン冷却水系から、その一部をウォータバルブ56による流量制御を行って空気調和装置に導入するものである。
【0025】最後に、制御部4の構成を図6に基づいて簡単に説明する。この制御部4は、空気調和装置を構成している空気調和ユニット1、冷媒系2及び加熱源系3の作動制御を行うもので、通常、乗員が各種の設定を行う操作パネル57に制御回路を組み込んで、インスツルメントパネル7の中央部に設置されている。この制御部4では、内外気切り換えダンパ12の切り換え操作、各種運転モードの選択切り換え、ブロワファン21の風量切り換え及び所望の温度設定操作などを行うことができる。
【0026】ここで、上述した冷媒系2の構成要素であるコンデンサ52について図1〜図3によって説明する。図2においてエンジンルーム6の前壁60にはフロントグリル61から外気をエンジンルーム6内に導入するための開口部62が設けられ、この開口部62にラジエータ55が配置されている。ラジエータ55とフロントグリル61の間には導入空気によって前記冷媒を冷却するためのコンデンサ52が配置されている。
【0027】このコンデンサ52は図1に示すように、ガス冷媒を外気と熱交換する熱交換部49が冷媒入口75と冷媒出口76を備えているコンデンサ本体52Aを有している。熱交換部49は左右に一対設けられたヘッダ71,72の間が水平方向に複数配列された冷媒チューブ73で連通され、各冷媒チューブ73間にはそれぞれフィン74が配設されたものであり、ヘッダ72の上側部には冷媒入口75が設けられ、ヘッダ71の下側部には冷媒出口76が設けられている。
【0028】そして、冷媒出口76には前記レシーバ53が取り付けられ、レシーバ53の出口80にサブクールパイプ81が取り付けられている。上記コンデンサ本体52Aとサブクールパイプ81とでコンデンサ52が構成されている。尚、図1において各ヘッダ71,72内には仕切壁71a,72aが設けられ導入空気と熱交換する際に冷媒が湾曲した状態で流れるようになっている。前記サブクールパイプ81は、パイプ本体82とこのパイプ本体82の外周面に設けられる放熱フィン83とで構成されている。パイプ本体82は図1に示すようにコンデンサ本体52Aの上部とフロントグリル61の上壁61aとの間に形成された空間部分Kまで延出されている。そして、この空間部分Kに位置したパイプ本体82の外周面に放熱フィン83が設けられている。
【0029】尚、この実施形態では上記コンデンサ本体52Aの上部とフロントグリル61の上壁61aとの間に形成された空間部分Kに放熱フィン83が位置するものについて説明したが、配置場所はこの部分に限らず、コンデンサ52の前方でも、前方下方(例えば、図2に鎖線で示す)でも、下方でもよく、各車両に応じて導入空気の流れる部分なら配置位置に制限はない。
【0030】ここで、パイプ本体82は断面円形の円形断面管や断面扁平な扁平断面管等の放熱性のよい金属管であり、配索容易性を考慮して例えば真鍮、アルミ等の湾曲加工しやすい材質が好ましい。尚、パイプ本体82の断面形状は、後述する放熱フィン83との関係や、レシーバ53との接続の関係で、円形や扁平形状等を自由に選択することができる。また、放熱フィン83の形状としては図3の(a)に示すような角形プレートフィンや、図3の(b)に示すような丸形プレートフィン、あるいは図示しないスパイラルフィン、図3の(c)に示すようなフィンチップ83aを複数取り付けたものが採用可能である。そして、図3の(d)に示すように扁平断面管の場合には取付け場所に平坦面が確保できるためプレートフィンを容易に取り付けることができる。尚、この放熱フィン83の形状についてはこれ以外にも様々な形状が採用でき、また上記空間部分Kの形状等に合わせて自由に選択することができることはいうまでもない。
【0031】したがって、上記コンデンサ52によればサブクールパイプ81を設けた分コンデンサ本体52Aを小型化することができるため、コンデンサ本体52Aの配置スペースが小さくてもよく、コンデンサ本体52Aの配置自由度を高めることができる。また、小型化することにより配置場所の選択の自由度が大きくなるため、より冷却効果の高い場所への配置が可能となりコンデンサ52の冷却効果を高めることができる。特に、周辺の配置部品との関係から、あるいは車体造形状の理由からコンデンサ52の大きさが制約され、大型のコンデンサ52を配置できないような場合に好適である。
【0032】一方、サブクールパイプ81はコンデンサ本体52Aの周囲に残った狭いスペース、例えば上記空間部分K等他の補機類が配置できないようなデッドスペースを利用して配索できるため、エンジンルームスペースに配置される他の機器類の配置自由度を制限することなく、かつ導入空気が効果的に流れる部位に配置することができる。したがって、冷却効果が高くなった前記コンデンサ本体52Aと共に、レシーバ53において気液分離された主として液冷媒を効果的に冷却することができる。特に、コンデンサ本体52Aの冷却能力に余裕がなく、液冷媒の冷却効率向上で対処するしかないような場合に好適である。
【0033】その結果、これらコンデンサ本体52Aとサブクールパイプ81とを備えたコンデンサ52の冷却効率を飛躍的に向上することができる。そして、このようなコンデンサ52を備えた車両用空気調和装置は、冷媒系2のコンデンサ52の冷却能力を向上することができる分だけ空気調和の幅、特に冷却系において余裕をもたせることができ、より一層乗員の要求に沿った空気調和を実現できる。尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、レシーバ53を設けない構造のコンデンサにも適用することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、コンデンサの冷媒出口側に接続することでコンデンサ周囲の別の部位に配置して熱交換を行うことが可能となる効果がある。請求項2に記載した発明によれば、パイプ本体の形状に合わせて効果的な放熱フィンを選択することができるという効果がある。
【0035】請求項3に記載した発明によれば、サブクールパイプを設けた分コンデンサ本体を小型化することが可能となると共に、サブクールパイプにより狭いスペースにおける配索が可能となるため、コンデンサ本体の配置自由度を高めることができると共に導入空気が通過する狭い場所へ配置でき冷却効率を向上することができる効果がある。
【0036】請求項4に記載した発明によれば、パイプ本体の形状に合わせて効果的な放熱フィンを選択できるサブクールパイプを使用することができるという効果がある。請求項5に記載した発明によれば、冷媒系のコンデンサの冷却能力を向上することができるため、空気調和の幅に余裕をもたせることができ、より一層乗員の要求に沿った空気調和を実現できるという効果がある。
【0037】請求項6に記載した発明によれば、レシーバによって分離された液冷媒を条件の良い場所にて冷却できる冷却効率の高いコンデンサを用いることができるため、冷却能力の高い空気調和を実現できる効果がある。請求項7に記載した発明によれば、パイプ本体の形状に合わせて効果的な放熱フィンを選択できるサブクールパイプを使用したコンデンサを用いることが可能となるという効果がある。
【0038】請求項8に記載した発明によれば、配置スペースに制約のあるラジエータ前方の狭い部位であっても、小型化されたコンデンサ本体の配置を容易化し、かつコンデンサ本体を配置した後の残余スペースにサブクールパイプを配置することができるため、エンジンルーム内におけるコンデンサの占めるスペースを小さくできるようにした上で快適な空気調和を実現できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成11年4月7日(1999.4.7)
【代理人】 【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴 (外3名)
【公開番号】 特開2000−292028(P2000−292028A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願平11−100608