| 【発明の名称】 |
熱電モジュール |
| 【発明者】 |
【氏名】尾上 勝彦
【氏名】星 俊治
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| 【要約】 |
【課題】温度の上昇に伴う性能低下を抑止することにより、高効率の熱電モジュールを提供すること。
【解決手段】一対あるいは複数対の熱電チップ1と、前記熱電チップ1を電気的に直列接続するために前記熱電チップ1の両端にそれぞれ配置された電極2とを備え、前記電極2のいずれか一方の電極側が吸熱側であり、他方の電極側が放熱側である熱電モジュールにおいて、前記熱電チップ1の端面の面積は、吸熱側と比較して放熱側が大きいものとする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対あるいは複数対の熱電チップと、前記熱電チップを電気的に直列接続するために前記熱電チップの両端にそれぞれ配置された電極とを備え、前記電極のいずれか一方の電極側が吸熱側であり、他方の電極側が放熱側である熱電モジュールにおいて、前記熱電チップの端面の面積は、吸熱側と比較して放熱側が大きいことを特徴とする熱電モジュール。 【請求項2】 一対あるいは複数対の熱電チップと、前記熱電チップを電気的に直列接続するために前記熱電チップの両端にそれぞれ配置された電極とを備え、前記電極のいずれか一方の電極側が吸熱側であり、他方の電極側が放熱側である熱電モジュールにおいて、前記熱電チップの断面積が最大となる部分は、前記熱電チップの高さの半分の高さよりも放熱側に位置することを特徴とする熱電モジュール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、熱電モジュールに関し、特に、温度の上昇に伴う性能低下を抑止することにより、消費電力を低減した熱電モジュールに関する。 【0002】 【従来の技術】図6は、従来の熱電モジュールの一例の要部を示した断面図である。この熱電モジュールは、複数の熱電チップ10、10と、熱電チップ10、10を電気的に直列接続するために熱電チップ10、10の両端にそれぞれ配置された電極2と、電極2を介して複数の熱電チップ10、10を狭持するように配置された吸熱側基板3および放熱側基板4とからなるものである。この熱電モジュールにおいて、熱電チップ10、10の形状は、柱状であり、熱電チップ10、10の吸熱側基板3側の端面と放熱側基板4側の端面の面積は、同じとなっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような熱電モジュールの性能を示す性能指数Zは、ゼーベック係数をα、比抵抗をρ、熱伝導率をκとしたとき、下記の数式(i)で示される。 Z=α2/ρκ ・・・(i) ゼーベック係数、比抵抗、熱伝導率の値は、温度特性をもつ。すなわち、一般に温度が高くなると、ゼーベック係数は上昇し、比抵抗は大きく上昇し、熱伝導率はやや減少する。中でも、比抵抗の増大が著しい。その結果、一般的に性能指数は、室温(25℃)付近で最も大きくなる。したがって、このような熱電モジュールでは、温度が高い場所で使用する場合など、温度が高くなると性能指数Zが低下してしまうことが問題となっていた。 【0004】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、このような問題を解決し、温度の上昇に伴う性能低下を抑止することにより、高効率の熱電モジュールを提供することを課題としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記課題は、一対あるいは複数対の熱電チップと、前記熱電チップを電気的に直列接続するために前記熱電チップの両端にそれぞれ配置された電極とを備え、前記電極のいずれか一方の電極側が吸熱側であり、他方の電極側が放熱側である熱電モジュールにおいて、前記熱電チップの端面の面積は、吸熱側(低温側)と比較して放熱側(高温側)が大きいことを特徴とする熱電モジュールによって解決できる。 【0006】また、前記課題は、一対あるいは複数対の熱電チップと、前記熱電チップを電気的に直列接続するために前記熱電チップの両端にそれぞれ配置された電極とを備え、前記電極のいずれか一方の電極側が吸熱側であり、他方の電極側が放熱側である熱電モジュールにおいて、前記熱電チップの断面積が最大となる部分は、前記熱電チップの高さの半分の高さよりも放熱側(高温側)に位置することを特徴とする熱電モジュールによって解決できる。 【0007】図5は、熱電モジュール内における熱電チップの高さと熱電チップ内の温度との関係を示したグラフである。図5に示すように、熱電チップ内の温度は、吸熱側と比較して放熱側で高くなっている。また、熱電チップ内の温度は、熱電チップの高さの半分の高さよりも放熱側の位置で最も高温となっている。この熱電チップ内の温度が高温である位置では、比抵抗が大きくなり、性能指数が小さくなる。 【0008】本発明の熱電モジュールは、熱電チップの端面の面積が、吸熱側と比較して放熱側が大きいものであるため、熱電チップ内の温度が高温となる放熱側の電気抵抗を小さくすることができ、ジュール発熱を抑えることができるので、熱電モジュールの熱効率を向上させることができる。また、本発明の熱電モジュールは、熱電チップの断面積が最大となる部分が、前記熱電チップの高さの半分の高さよりも放熱側に位置するものであるため、熱電チップ内の温度が高温となる熱電チップの高さの半分の高さよりも放熱側の位置での電気抵抗を小さくすることができ、ジュール発熱を抑えることができるので、熱電モジュールの熱効率を向上させることができる。このとき、熱電チップの断面積が最大となる部分を、熱電チップ内の温度が最も高くなる位置にすると、最も大きな効果が得られる。このような熱電モジュールは、熱効率に優れているため、消費電力を低減することが可能となる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して詳しく説明する。図1は、本発明の熱電モジュールの一例の要部を示した断面図である。この熱電モジュールは、複数の熱電チップ1、1と、熱電チップ1、1を電気的に直列接続するために熱電チップ1、1の両端にそれぞれ配置された電極2と、電極2を介して複数の熱電チップ1、1を狭持するように配置された吸熱側基板3および放熱側基板4とからなるものである。この熱電モジュールでは、吸熱側基板3側が吸熱側、放熱側基板4側が放熱側となっている。 【0010】図2は、図1に示した熱電モジュールに備えられている熱電チップを示した図である。この熱電チップ1の形状は、図2(A)に示すように台形状であり、図2(B)に示す吸熱側(図示上側)の端面1aの面積と比較して、図2(C)に示す放熱側(図示下側)の端面1bの面積が大きくなっている。また、熱電チップ1の側面から見た形状は、図2(D)に示すように、長方形となっている。 【0011】このような熱電モジュールは、熱電チップ1が、吸熱側の端面1aの面積と比較して、放熱側の端面1bの面積が大きいものであるため、熱電チップ1内の温度が高温となる放熱側では、比抵抗は大きくなるが、熱電チップ1の電気抵抗を小さくすることができるので、図3に示す従来の熱電モジュールと比較して放熱側でのジュール発熱を抑えることができる。また、放熱面積が大きいため、放熱効率を向上させることができる。このような熱電モジュールは、高効率であるため、消費電力を低減することが可能となる。 【0012】図3は、本発明の熱電モジュールの他の例の要部を示した断面図である。この熱電モジュールは、複数の熱電チップ11、11と、熱電チップ11、11を電気的に直列接続するために熱電チップ11、11の両端にそれぞれ配置された電極2と、電極2を介して複数の熱電チップ11、11を狭持するように配置された吸熱側基板3および放熱側基板4とからなるものである。 【0013】図4は、図3に示した熱電モジュールに備えられている熱電チップを示した図である。この熱電チップ11の断面積は、熱電チップ11の高さLの半分の高さL/2よりも放熱側の位置で最大となっている。すなわち、この熱電チップ1の形状は、図4(A)に示すように、熱電チップ11の高さLの半分の高さL/2よりも放熱側の位置が広がった形状となっている。また、図4(B)に示す吸熱側(図示上側)の端面11aの面積と比較して、図4(C)に示す放熱側(図示下側)の端面11bの面積が大きくなっている。また、熱電チップ11の側面から見た形状は、図4(D)に示すように、長方形となっている。 【0014】このような熱電モジュールは、熱電チップ11の断面積を、熱電チップ11の高さLの半分の高さL/2よりも放熱側の位置で最大とし、なおかつ、熱電チップ11の吸熱側の端面11aの面積と比較して、放熱側の端面11bの面積が大きいものであるため、熱電チップ11内の温度が高温となる部分での電気抵抗を非常に小さくすることができ、ジュール発熱を抑えることができる。また、放熱面積が大きいため、放熱効率を向上させることができる。このような熱電モジュールは、高効率であるため、消費電力を低減することが可能となる。 【0015】本発明の熱電モジュールにおいては、上述した例に示したように、吸熱側基板3および放熱側基板4を有するものとすることができるが、吸熱側基板3または放熱側基板4のいずれか一方のみを有するものとしてもよいし、いずれの基板もないスケルトン型素子としてもよく、用途などに合わせて決定することができ、とくに限定されない。また、基板を形成する材料も、とくに限定されるものではなく、例えば、Al2O3、AlNなどのセラミクスや、Al、Cuなどの金属板などが挙げられる。 【0016】本発明の熱電モジュールにおいては、上述した例に示したように、熱電チップを図2および図4に示す形状とすることができるが、吸熱側の端面の面積と比較して放熱側の端面の面積を大きくした形状、あるいは、熱電チップの最大断面積を熱電チップの高さの半分の高さよりも放熱側に位置するものとした形状であれば、例えば、吸熱側および放熱側の端面形状を円形としたものとしてもよく、用途などに合わせて決定することができ、とくに限定されない。 【0017】 【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。 (実施例1)高さL1.6mm、奥行きWd1.4mm、吸熱側の幅Wc1.1mm、放熱側の幅Wh1.7mmの図2に示す熱電チップ1を71対使用し、熱電チップ1の両端に電極2をそれぞれ配置したのち、電極2を介して熱電チップ1を狭持するように縦30mm、横30mm、厚さ0.635mmのアルミナ基板を吸熱側基板3および放熱側基板4として配置して図1に示す熱電モジュールを形成し、これを試験体とした。 【0018】(実施例2)実施例1で使用した熱電チップ1の吸熱側の幅Wcを1.2mm、放熱側の幅Whを1.6mmとした熱電チップを使用して、実施例1と同様にして熱電モジュールを形成し、これを試験体とした。 【0019】(実施例3)実施例1で使用した熱電チップ1の吸熱側の幅Wcを1.3mm、放熱側の幅Whを1.5mmとした熱電チップを使用して、実施例1と同様にして熱電モジュールを形成し、これを試験体とした。 【0020】(実施例4)高さL1.6mm、奥行きWd1.4mm、吸熱側の幅Wc1.1mm、放熱側の幅Wh1.6mm、最大の幅(放熱側端面から2mm吸熱側の位置の幅)Wm1.7mmとした図4に示す熱電チップ11を71対使用し、熱電チップ11の両端に実施例1と同様の電極2をそれぞれ配置したのち、電極2を介して熱電チップ11を狭持するように、実施例1と同様の基板を吸熱側基板3および放熱側基板4として配置して図3に示す熱電モジュールを形成し、これを試験体とした。 【0021】(従来例1)高さL1.6mm、奥行きWd1.4mm、吸熱側の幅Wc1.4mm、放熱側の幅Wh1.4の熱電チップ10を71対使用し、熱電チップ10の両端に実施例1と同様の電極2をそれぞれ配置したのち、電極2を介して熱電チップ10を狭持するように、実施例1と同様の基板を吸熱側基板3および放熱側基板4として配置して図6に示す熱電モジュールを形成し、これを試験体とした。 【0022】このようにして得られた実施例1〜実施例4および従来例1の熱電モジュールそれぞれに対し、吸熱側の温度Tcを25℃、放熱側の温度Thを90℃、吸熱量Qcを10Wとした条件下での消費電力を調べた。結果を表1に示す。 【0023】 【表1】
【0024】表1より、実施例1〜実施例4の熱電モジュールは、従来例1の熱電モジュールと比較して、消費電力が少ないという結果となった。とくに、熱電チップ11の吸熱側の端面11aの面積と比較して、放熱側の端面11bの面積が大きく、なおかつ、熱電チップ11の断面積が最大となる部分が、熱電チップ11の高さLの半分の高さL/2よりも放熱側の位置である実施例4では、より一層消費電力が少ないという結果となった。 【0025】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱電モジュールは、熱電チップの端面の面積が、吸熱側と比較して放熱側が大きいものであるため、熱電チップ内の温度が高温となる放熱側の電気抵抗を小さくすることができ、ジュール発熱を抑えることができるので、熱電モジュールの熱効率を向上させることができる。また、本発明の熱電モジュールは、熱電チップの断面積が最大となる部分が、前記熱電チップの高さの半分の高さよりも放熱側に位置するものであるため、熱電チップ内の温度が高温となる熱電チップの高さの半分の高さよりも放熱側の位置での電気抵抗を小さくすることができ、ジュール発熱を抑えることができるので、熱電モジュールの熱効率を向上させることができる。このような熱電モジュールは、高効率であるため、消費電力を低減することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004075 【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月7日(1999.4.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−292026(P2000−292026A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月20日(2000.10.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−100650 |
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