| 【発明の名称】 |
極低温冷凍機 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐多 健一
【氏名】藤本 修二
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| 【要約】 |
【課題】磁気雑音の発生を大幅に低減する。
【解決手段】GM冷凍機2の第1段の冷却ステージ21のシリンダ、第2段の冷却ステージ22のシリンダ、第1段から第3段のJT熱交換器31、32、33の耐圧容器、アドソーバ34の耐圧容器、JTバルブ35、JT回路3の配管の少なくとも1つ、好ましくはこれらの全てを非磁性材料で構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒の圧縮、断熱膨張を少なくとも1段で行って、該冷媒の温度を極低温にまで低下させる極低温冷凍機において、各段のシリンダ、熱交換器の耐圧容器、バルブ、配管の少なくとも一部を磁気雑音の発生を阻止すべく非磁性材料で構成したことを特徴とする極低温冷凍機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、SQUIDなどの超伝導動作素子を超伝導動作可能な極低温にまで冷却させるために好適な極低温冷凍機に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、SQUIDなどの超伝導動作素子を超伝導動作可能な極低温にまで冷却させるための極低温冷凍機が提案されている。 【0003】そして、このような極低温冷凍機は、液体ヘリウムを用いて極低温を実現するものと、冷媒の圧縮、断熱膨張を複数段で行って、該冷媒の温度を極低温にまで低下させるものとに大別される。 【0004】このうち、前者の極低温冷凍機を採用した場合には、液体ヘリウムの消費量が多いことに起因してランニングコストが著しく高くなってしまうだけでなく、液体ヘリウムを用いる関係上、有資格者が必要である。これに対して、後者の極低温冷凍機を採用する場合には、上記の不都合を解消できるのみならず、操作が容易であるから、後者の構成の極低温冷凍機の適用が種々の分野において検討され、あるいは実際の適用がなされ始めている。 【0005】ここで、後者の極低温冷凍機としては、例えば、図1に示すように、真空容器1にGM(ギフォード・マクマフォン)冷凍機2およびJT(ジュール−トンプソン)回路3とを設けてなるものが例示される。前記GM冷凍機2は、従来公知の構成を有するものであり、互いに直列接続された第1段の冷却ステージ21と第2段の冷却ステージ22とを有している。前記JT回路3は従来公知の構成を有するものであり、第1段のJT熱交換器31、第2段のJT熱交換器32、第3段のJT熱交換器33、アドソーバ34、JTバルブ35および最終段の冷却ステージ36をこの順に直列接続してなるものである。また、第1段のJT熱交換器31から吐出されて第2段のJT熱交換器32に導入される冷媒は、両熱交換器の間において、GM冷凍機2の第1段の冷却ステージ21で発生する寒冷により冷却される。第2段のJT熱交換器32から吐出されて第3段のJT熱交換器33に導入される冷媒は、GM冷凍機2の第2段の冷却ステージ22で発生する寒冷により冷却される。そして、このように冷却された冷媒をアドソーバ34およびJTバルブ35を通して最終段の冷却ステージ36に供給して断熱膨張させることにより、超伝導動作素子を超伝導動作させることができる極低温(例えば、約4K)を発生させることができる。 【0006】また、図1に示す極低温冷凍機の多くの構成部分(特に、機械的強度が要求される構成部分)は、オーステナイト系のステンレス鋼で構成されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、図1に示す構成の極低温冷凍機を採用した場合には、機械的な動作部分などに起因する磁気雑音が発生するという不都合がある。 【0008】さらに説明する。 【0009】オーステナイト系のステンレス鋼は一般に室温では低い磁性を示すが、30K前後に磁化率の極大点を持ち、比較的強い磁性を示す。したがって、オーステナイト系のステンレス鋼により構成される構成部分を有する極低温冷凍機は、冷却時に非冷却時よりも大きな磁気雑音を発生することになる。 【0010】このように大きな磁気雑音が発生する極低温冷凍機を用いてSQUID磁束計を極低温にまで冷却し、超伝導動作させる場合には、SQUIDが磁束を高感度に検出できるという特性を利用して微弱磁界を計測しようとするにも拘わらず、極低温冷凍機からの磁気雑音をも検出してしまい、SQUIDの特性を十分には活用することができない。 【0011】図2中(A)(B)は2Hzの磁気雑音強度の測定結果(フラックスゲート磁束計にて運転中の磁気雑音の測定結果)を示す図である。また、図3(A)(B)は、図2中(A)(B)の横軸を説明する図である。 【0012】これらの測定結果から分かるように、角度が約100degの位置{図3(A)中の矢印参照}で磁気雑音強度が約2.5nT(rms)であり、フランジから約350mmの位置{図3(B)中の矢印参照}で磁気雑音強度が約3.0nT(rms)であった。 【0013】また、図4に示すように、GM冷凍機を動作させ、このGM冷凍機の上方において、図1の構成の極低温冷凍機を用いて極低温にまで冷却された32個のSQUID磁束計を配列してGM冷凍機の磁気雑音を測定したところ、図5中(A)〜(G)に示す測定結果が得られた。なお、図5において、縦軸は1目盛りが5pTであり、横軸は0〜2秒である。 【0014】また、図2、図5に見られるような周期的な磁気雑音は、GM冷凍機のシリンダ内の圧力変動に伴って磁性体に周期的な力が加わることによって発生していると思われる。さらに、図2において最も大きな磁気雑音を示す位置は、第2段の冷却ステージのシリンダの低温端のステンレスパイプと銅製の冷却ステージとの継ぎ目に最も大きな力が加わるため、およびこの付近の磁性が最も高くなっているためであると思われる。これに対して、JT回路では周期的な圧力の変動はないが、最終段の冷却ステージ(4Kステージ)で数十mKに対応する低圧(JTバルブより下流の圧力)の変動がある。このため、JT回路の系内の圧力が変化し、ステンレス鋼からなる部分から同様に磁気雑音(GM冷凍機に比べると小さい磁気雑音)が発生する。 【0015】これらの測定結果から分かるように、数Kまでのクールダウンを行う場合において、30K前後で磁気雑音が最も大きく、クールダウン後においてもある程度の磁気雑音がある。 【0016】 【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、冷媒の圧縮、断熱膨張を少なくとも1段で行って、該冷媒の温度を極低温にまで低下させるに当たって、磁気雑音の発生を低減することができる極低温冷凍機を提供することを目的としている。 【0017】 【課題を解決するための手段】請求項1の極低温冷凍機は、冷媒の圧縮、断熱膨張を少なくとも1段で行って、該冷媒の温度を極低温にまで低下させるものであって、各段のシリンダ、熱交換器の耐圧容器、バルブ、配管の少なくとも一部を磁気雑音の発生を阻止すべく非磁性材料で構成したものである。 【0018】 【作用】請求項1の極低温冷凍機であれば、各段のシリンダ、熱交換器の耐圧容器、バルブ、配管の少なくとも一部を磁気雑音の発生を阻止すべく非磁性材料で構成しているので、極低温冷凍機により極低温を発生させた状態において、オーステナイト系のステンレス鋼で対応する部分を構成した場合と比較して磁気雑音の発生量を低減することができる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この発明の極低温冷凍機の実施の態様を詳細に説明する。 【0020】図1はこの発明の極低温冷凍機の一実施態様を示す概略図である。 【0021】この極低温冷凍機は、真空容器1にGM冷凍機2およびJT回路3とを設けてなるものである。具体的には、これらは真空容器1のフランジ1aに固定されている。前記GM冷凍機2は、従来公知の構成を有するものであり、互いに直列接続された第1段の冷却ステージ21と第2段の冷却ステージ22とを有している。そして、各段の冷却ステージは、シリンダの内部に往復動可能なピストン、蓄冷材などを有し、冷媒ガスの圧縮、断熱膨張を行って所定の寒冷を発生させる。前記JT回路3は従来公知の構成を有するものであり、第1段のJT熱交換器31、第2段のJT熱交換器32、第3段のJT熱交換器33、アドソーバ(JTバルブの目詰まりを防止するためのフィルタ)34、JTバルブ35および最終段の冷却ステージ36をこの順に直列接続してなるものである。そして、第1段のJT熱交換器31から吐出されて第2段のJT熱交換器32に導入される冷媒は、両熱交換器の間において、GM冷凍機2の第1段の冷却ステージ21で発生する寒冷により冷却される。第2段のJT熱交換器32から吐出されて第3段のJT熱交換器33に導入される冷媒は、GM冷凍機2の第2段の冷却ステージ22で発生する寒冷により冷却される。なお、JTバルブ35は、外部操作部35aによって開度が調整される。 【0022】また、GM冷凍機2の第1段の冷却ステージ21のシリンダ、第2段の冷却ステージ22のシリンダ、第1段から第3段のJT熱交換器31、32、33の耐圧容器、アドソーバ34の耐圧容器、JTバルブ35、JT回路3の配管の少なくとも1つ、好ましくはこれらの全てを非磁性材料{チタン、チタン合金、銅合金、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)など}で構成している。ただし、発生する磁気雑音の大きさに着目すれば、GM冷凍機2の第2段の冷却ステージ22のシリンダのみを非磁性材料で構成してもよく、またはGM冷凍機2の第1段の冷却ステージ21と第2段の冷却ステージ22とのシリンダを非磁性材料で構成してもよい。 【0023】上記の構成の極低温冷凍機の作用は次のとおりである。 【0024】GM冷凍機2の図示しない圧縮機によって冷媒ガスを高圧ガスとして第1段の冷却ステージ21、第2段の冷却ステージ22に順次供給して各ピストンを動作させることによって、冷媒ガスの圧縮、断熱膨張を行い、断熱膨張により低圧になった冷媒ガスを圧縮機に戻すことによって、それぞれ第1の寒冷、第2の寒冷(数十K)を発生させる。 【0025】また、GM冷凍機2の動作と同時にJT回路2の図示しない圧縮機によって冷媒ガスを高圧ガスとして第1段のJT熱交換器31、第2段のJT熱交換器32、第3段のJT熱交換器33、アドソーバ34、JTバルブ35および最終段の冷却ステージ36にこの順に供給し、次いで低圧となった冷媒ガスを第3段のJT熱交換器33、第2段のJT熱交換器32、第1段のJT熱交換器31をこの順に通って圧縮機に戻す。この間において、第1段のJT熱交換器31、第2段のJT熱交換器32、第3段のJT熱交換器33では、それぞれ低温の低圧ガスと高圧ガスとの間で熱交換を行って、高圧ガスの温度を順次低下させる。また、第1段のJT熱交換器31と第2段のJT熱交換器32との間において、高圧ガスはGM冷凍機2の第1段の冷却ステージ21により冷却され、第2段のJT熱交換器32と第3段のJT熱交換器33との間において、高圧ガスはGM冷凍機2の第2段の冷却ステージ22により冷却される。したがって、第3段のJT熱交換器33から流出する高圧ガスはGM冷凍機2の第2段の冷却ステージ22の温度よりも低い温度になる。 【0026】そして、第3段のJT熱交換器33から流出する高圧ガスはアドソーバ34を通してJTバルブ35に供給され、断熱膨張されることによって最終段の冷却ステージ36において極低温(例えば、数K)を発生させることができる。 【0027】また、以上の動作を行う間において、GM冷凍機2の第1段の冷却ステージ21と第2段の冷却ステージ22とのシリンダ、第1段から第3段のJT熱交換器31、32、33の耐圧容器、アドソーバ34の耐圧容器、JTバルブ35、JT回路3の配管の少なくとも1つ、好ましくはこれらの全てを非磁性材料{チタン、チタン合金、銅合金、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)など}で構成し、または、GM冷凍機2の第2段の冷却ステージ22のシリンダのみを非磁性材料で構成し、または、GM冷凍機2の第1段の冷却ステージ21と第2段の冷却ステージ22とのシリンダを非磁性材料で構成しているのであるから、これらの部分をオーステナイト系のステンレス鋼で構成する場合と比較して、磁気雑音の発生を抑制することができる。 【0028】なお、以上には、GM冷凍機とJT回路とを組み合わせてなるGM/JT冷凍機のみについて説明したが、同様の構成を有するスターリン/JT冷凍機、パルス管/JT冷凍機にも同様に適用することができる。また、高温超伝導材料からなる超伝導動作素子を冷却する場合には、JT回路が不要であるから、GM冷凍機、スターリン冷凍機、パルス管冷凍機、JT冷凍機の何れかを採用することができ、これらの場合にも同様に適用することができる。さらに、冷却ステージの段数は3段には限られず、必要な極低温のレベルに応じて、3段未満、もしくは4段以上に設定することが可能である。 【0029】 【発明の効果】請求項1の発明は、オーステナイト系のステンレス鋼で構成した場合と比較して磁気雑音の発生量を低減することができるという特有の効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月8日(1999.4.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087804 【弁理士】 【氏名又は名称】津川 友士
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| 【公開番号】 |
特開2000−292023(P2000−292023A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月20日(2000.10.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−101325 |
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